JP5423975B2 - 剥離フィルム、剥離フィルムロール及びセラミック部品シート、並びにセラミック部品の製造方法 - Google Patents

剥離フィルム、剥離フィルムロール及びセラミック部品シート、並びにセラミック部品の製造方法 Download PDF

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本発明は、剥離フィルム、剥離フィルムロール及びセラミック部品シート、並びにセラミック部品の製造方法に関する。
セラミック部品の一例である積層セラミックコンデンサの製造プロセスとして、剥離フィルム上に形成された誘電体シート、電極を形成した後に、これを剥離して積層していく方法が知られている。
近年、積層セラミックコンデンサの小型化が進められており、誘電体シートを焼成して得られる誘電体層の厚みが益々薄くなってきている。これに伴って、誘電体シートの形成に用いられる剥離フィルムは、凹凸が十分に低減された表面を有すること、及び良好な剥離性を有することが求められている。
剥離フィルムは、フィラーを含有する基材フィルム上に平滑化層とシリコーン樹脂で形成された剥離層とが順次積層された積層構造を有するものが提案されている(たとえば、特許文献1)。このような積層構造を有することによって、表面の凹凸が少ない良好な平滑性と剥離性とを両立させることが記載されている。
特開2006−159651号公報
しかしながら、上述のような剥離フィルムの場合、基材フィルム上に少なくとも平滑化層と剥離層の2つの層を設ける必要がある。このため、平滑化層と剥離層とを一体化することで一層構造とし、製造工程を簡略化することが求められる。
ところが、基材フィルム上に、平滑化層を形成せずに剥離層のみを形成する場合、表面(剥離面)の凹凸を十分に低減するために、従来の剥離層よりも厚みを大きくする必要がある。しかしながら、通常、剥離層は良好な剥離性が発揮できるように熱硬化系のシリコーン樹脂などで形成されており、剥離層の厚みを大きくすると剥離層内部を十分に硬化させることが困難となり、また、剥離層表面に凹凸が生じやすくなるという問題があることがわかった。
一方、剥離層に光(紫外線)硬化系のシリコーン樹脂を用いた場合、誘電体成分や電極成分を含有するペーストを剥離面上に塗布すると、ペーストのハジキが生じやすく、良好な塗布性が得られ難いという問題があった。
ここで、剥離層表面の凹凸を低減するための方策としては、基材フィルムに含まれるフィラーの量を少なくすることが挙げられる。しかしながら、この場合、基材フィルムすなわち剥離フィルムの機械的強度が低下してしまうという問題がある。
さらに、誘電体シートの厚みを薄くする場合、誘電体シートの強度が下がり、容易に破れてしまいやすくなる。その結果、剥離性がより一層悪化する傾向にある。このような不具合は、特に積層工程時に剥離フィルムから誘電体シートを剥がすときに起こりやすい。
従来、剥離性の良否を評価する手段として、水の接触角の大小により評価する方法が用いられてきた。この方法では、水の接触角が大きい場合には、剥離性が良好であると判断し、接触角が小さい場合には、剥離性が悪いと判断していた。
しかしながら、水の接触角が大きい場合であっても、剥離性が悪い場合があり、逆に、接触角が小さい場合であっても、剥離性が良好な場合があるため、水の接触角とは異なる観点から、剥離性を評価することが望まれていた。
さらに、剥離フィルムは、通常、使用されるまで、ロール状に巻回された状態で保管等される。この場合、剥離面と基材フィルムの表面とが接触した状態にあり、剥離面の成分が基材フィルム側に転写あるいは移動するなどして、剥離面の表面が不均一になるなどの不具合を生じるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた剥離性と塗布性とを兼ね備えた剥離面を有し、容易に製造可能な剥離フィルム及び該剥離フィルムが巻回されてなる剥離フィルムロールを提供することを目的とする。また、そのような剥離フィルムを用いることによって、ピンホールや厚みのばらつきが十分に低減されたグリーンシートが形成可能であり、積層セラミック製品の製造に好適なセラミック部品シートを提供することを目的とする。さらに、上記セラミック部品シートを用いることにより、セラミック部品の製造における歩留まりを十分に高くすることが可能なセラミック部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、剥離性の評価基準として、水の接触角ではなく、剥離層表面と水との表面付着エネルギー(以下、水の表面付着エネルギーという)に着目し、このエネルギーの値により剥離性の良否を評価できることを見出した。そして、剥離面における表面付着エネルギーを特定の範囲とし、かつ剥離面の組成が特定の組成とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る剥離フィルムは、
基材フィルムと前記基材フィルムの一面上に設けられる重合体層とを備える剥離フィルムであって、
前記重合体層は(メタ)アクリレート成分の硬化物を含む層と、該層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の一部を被覆するシリコーン重合体成分を含む膜と、を有し、
前記シリコーン重合体成分は、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルの重合体であって、
前記重合体層の表面において、水の表面付着エネルギーが10mJ/m以下であることを特徴とする。
このような剥離フィルムは、(メタ)アクリレート成分の硬化物を含む重合体層を有する。この重合体層は、基材フィルムとは反対側の表面の一部にシリコーン重合体成分を含む膜を有する。このシリコーン重合体成分を含む膜を有する側の重合体層の表面は、セラミックグリーンシートや電極グリーンシートなどが形成される剥離面となるが、該剥離面の構成を上記のものとし、さらに該剥離面における水の表面付着エネルギーを上記の範囲とすることで、剥離性を良好にすることができる。また、剥離面には(メタ)アクリレート成分の硬化物も露出しているので、誘電体材料や電極材料などを含むペーストを塗布した際に、これらのペーストがはじかれ難く塗布性にも優れることとなる。
また、このような剥離フィルムは、基材フィルム上に剥離層と平坦化層とを個別に形成する必要がなく、重合体層のみにすることができるため、製造工程が簡素化されて容易に製造することが可能となる。
本発明に係る剥離フィルムロールは、
剥離フィルムがロール状に巻回されてなる剥離フィルムロールであって、
前記剥離フィルムが、基材フィルムと前記基材フィルムの一面上に設けられる重合体層とを備えており、
前記基材フィルムはポリエステル樹脂からなり、
前記重合体層は(メタ)アクリレート成分の硬化物を含む層と、該層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の一部を被覆するシリコーン重合体成分を含む膜と、を有し、
前記シリコーン重合体成分は、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルの重合体であって、
前記重合体層の表面において、水の表面付着エネルギーが10mJ/m以下であり、
前記基材フィルムの前記重合体層側とは反対側の表面において、水の接触角が80°以下であることを特徴とする。
セラミック部品を製造するために用いられる剥離フィルムは、通常、使用される直前まで、ロール状に巻回された剥離フィルムロールの状態で保管あるいは搬送される。このような剥離フィルムロールにおいては、剥離面(本発明における重合体層の表面)と、剥離面とは反対側の基材フィルムの表面と、が接触することとなる。
また、剥離フィルムの重合体層の表面には、重合していないシリコーンオイルが存在していることがある。このような未反応のシリコーンオイルは、重合体層の表面には固定されていない状態で存在している。そのため、剥離フィルムロールにおいては、未反応のシリコーンオイルが、重合体層の表面から基材フィルム側に転写あるいは移動することがある。未反応のシリコーンオイルが基材フィルム側に転写あるいは移動した場合、重合体層の表面が不均一となり、ペースト等のハジキが発生してしまう。
そこで、本発明では、上記の剥離フィルムロールにおいて、重合体層側とは反対側の基材フィルムの表面における水の接触角を上記の範囲としている。このようにすることで、基材フィルムの表面における水の接触角が本発明の範囲内である場合には、重合体層の表面からの未反応のシリコーンオイルの転写あるいは移動がほとんどないと考えられる。
すなわち、上記の剥離フィルムロールにおいて、基材フィルムの表面における水の接触角が本発明の範囲内とすることで、重合体層の表面に存在する未反応のシリコーンオイルは非常に少なくできるため、ペースト等のハジキを十分に低減でき、良好な塗布性を実現することができる。さらに、重合体層の表面における表面付着エネルギーを上記の範囲としているため、剥離性にも優れる。
したがって、この剥離フィルムロールから巻解かれて繰り出される剥離フィルムは、剥離性及び塗布性に優れている。
本発明に係るセラミック部品シートは、上述のいずれかの剥離フィルムと、該剥離フィルムの重合体層上にセラミックグリーンシート及び電極グリーンシートの少なくとも一方からなるグリーンシートと、を有する。
このセラミック部品シートは、凹凸が十分に低減されるとともに、優れた剥離性を有する剥離フィルムを有することから、セラミックグリーンシートや電極グリーンシートのピンホールや厚みのばらつきを十分に低減することができる。その結果、積層セラミックコンデンサなどのセラミック製品の歩留まりを十分に向上させることが可能となる。
本発明に係るセラミック部品の製造方法は、上述のセラミック部品シートを複数準備する準備工程と、セラミック部品シートのグリーンシートを積層して、複数のグリーンシートを有する積層体を得る積層工程と、積層体を焼成して焼結体を得る焼成工程と、を有する。
このセラミック部品の製造方法では、上述の特徴を有する剥離フィルムを有するセラミック部品シートを用いているため、高い歩留まりでセラミック部品を製造することができる。
本発明では、通常剥離性の評価に用いられる水の接触角ではなく、水の表面付着エネルギーという新たな概念により剥離性を評価している。この表面付着エネルギーが特定の範囲にあり、かつ剥離面の組成を特定のものとすることで、優れた剥離性と塗布性とを兼ね備えた剥離面を有し、容易に製造可能な剥離フィルムを提供することができる。さらに、剥離面とは反対側の基材フィルムの表面における水の接触角を特定の範囲とすることで、剥離フィルムの剥離面における塗布性をさらに良好にできる剥離フィルムロールを提供することができる。また、そのような剥離フィルムを用いることによって、ピンホールや厚みのばらつきが十分に低減されたグリーンシートを形成することが可能となり、積層セラミック製品の製造に好適なセラミック部品シートを提供することができる。また、上記セラミック部品シートを用いることにより、セラミック部品の製造において、不良品の発生を十分に抑制し、歩留まりを十分に高くすることが可能なセラミック部品の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る剥離フィルムを模式的に示す断面図である。 図2(A)〜(C)は、水の表面付着エネルギーを測定する方法を説明するための模式図である。 図3は、水の表面付着エネルギーを算出する方法を説明するための模式図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る剥離フィルムロールおよび該剥離フィルムロールから繰り出された剥離フィルムを模式的に示す斜視図である。 図5は、図4に示す剥離フィルムロールにおけるV部分の模式的な拡大断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るセラミック部品シートを模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係るセラミック部品の製造方法によって得られるセラミック部品の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
<剥離フィルム10>
本実施形態に係る剥離フィルム10は、図1に示すように、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方面上に設けられる重合体層14とを有する。
<重合体層14>
重合体層14は、(メタ)アクリレート重合体成分とシリコーン重合体成分とを含有しており、重合体層14の基材フィルム12側とは反対側の表面14aには、(メタ)アクリレート重合体成分を含む層の表面の一部をシリコーン重合体成分が被覆している。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。
(メタ)アクリレート重合体成分とは、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマーの重合体(硬化物)で構成される成分をいい、(メタ)アクリレートモノマー及び/又はアクリレートオリゴマーを重合することによって得ることができる。(メタ)アクリレートモノマーの好ましい例としては、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルプロパンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
シリコーン重合体成分とは、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルの重合体で構成される成分をいい、該変性シリコーンオイルを重合することによって得ることができる。変性シリコーンオイルの好ましい例としては、片末端(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル、両末端(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル、側鎖(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル、両末端側鎖(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル、片末端ビニル変性シリコーンオイル、両末端ビニル変性シリコーンオイル、側鎖ビニル変性シリコーンオイル、両末端側鎖ビニル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。また、必要に応じて、上記変性シリコーンオイルを数種類選択してブレンドしてもよい。
重合体層14の形成時において、変性シリコーンオイルの(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基と(メタ)アクリレート成分とが反応することによって、変性シリコーンオイルが(メタ)アクリレート重合体に固定され、シリコーン重合体成分を含む膜を形成することができる。また、上記反応の際に、変性シリコーンオイルの(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基の一部同士が反応してもよい。本実施形態の剥離フィルムでは、未反応のシリコーンオイルを非常に少なくすることができ、誘電体ペースト等を塗布した場合にハジキを十分に低減することができる。
重合体層14の厚みt(μm)は、好ましくは0.5〜3μmであり、より好ましくは1〜2μmであり、さらに好ましくは1〜1.5μmである。該厚みt(μm)が0.5μm以下の場合、剥離フィルム10の表面14aにおける平滑性が損なわれて、表面14aにグリーンシートを形成した場合に、ピンホールや厚みのばらつきが発生し易くなる傾向がある。一方、該厚みt(μm)が3μmを超える場合、基材フィルムが薄いときは剥離フィルム10がカールする傾向がある。
重合体層14における(メタ)アクリレート重合体成分とシリコーン重合体成分との含有量は、(メタ)アクリレート重合体成分100質量部に対して、シリコーン重合体成分が0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜2質量部であることがより好ましく、0.1〜0.2質量部であることがさらに好ましい。(メタ)アクリレート重合体成分100質量部に対するシリコーン重合体成分の含有量が0.001質量部未満の場合、重合体層14の表面14aにおいて十分優れた剥離性が損なわれる傾向がある。一方、(メタ)アクリレート重合体成分100質量部に対するシリコーン重合体成分の含有量が10質量部を超える場合、セラミックペーストや電極ペーストを重合体層14の表面(剥離面)14aに塗布した場合に、ペーストがはじかれて均一な厚みに塗布することが困難になる傾向がある。
重合体層14の密度d(g/cm)は、好ましくは0.95〜1.25g/cmであり、より好ましくは1.0〜1.2g/cmであり、さらに好ましくは1.05〜1.15g/cmである。このような密度を有する重合体層14は、カールの発生を十分に抑制することができる。
基材フィルム12の表面に形成される、重合体層14における単位面積当たりのシリコーン重合体成分の量(mg/m)は、10×b×t×dで計算することができる(ここで、bは重合体層におけるシリコーン重合体成分の含有量(質量%)である)。この数式で計算されるシリコーン重合体成分の量は、好ましくは0.2〜6mg/mであり、より好ましくは0.2〜4mg/mであり、さらに好ましくは0.2〜3mg/mであり、特に好ましくは0.2〜2mg/mである。シリコーン重合体成分の量が多すぎると、誘電体ペーストを塗布した場合に十分優れた塗布性が損なわれる傾向がある。一方、シリコーン重合体成分の量が少なすぎると、十分優れた剥離性が損なわれる傾向がある。
重合体層14は、(メタ)アクリレート重合体成分及びシリコーン重合体成分以外に、シリカなどの無機粒子を含んでいてもよい。
<表面付着エネルギー>
本実施形態では、重合体層14の表面14aにおいて、水の表面付着エネルギーが10mJ/m以下、好ましくは8mJ/m以下、より好ましくは7mJ/m以下である。この水の表面付着エネルギーは、水と表面との相互作用の大きさを示している。表面付着エネルギーが大きすぎると、剥離フィルム10からの誘電体シートの剥離性が悪化する傾向にある。すなわち、本実施形態では、剥離性を表面付着エネルギーにより評価する。
従来、剥離性は、剥離層表面における水の接触角の大小により評価されてきた。水の接触角については、接触角が大きくなると、ペースト等のハジキが発生しやすくなり(撥水性が高くなり)、接触角が小さくなると、ハジキが発生しにくい傾向にあることが一般的に知られている。
一方、剥離フィルムからの誘電体シートの剥離を軽くする(剥離に要する力を小さくする)と、ハジキが発生しやすいという傾向にある。そのため、剥離性と水の接触角とが相関すると考えられたからである。
しかしながら、本発明者等は、接触角が大きくても誘電体シートの剥離性が悪い(剥離が重い)ものがあり、逆に、接触角は低めであるが、誘電体シートの剥離性が良好な(剥離が軽い)ものがあることを実験的に見いだした。すなわち、誘電体シートの剥離性については、水の接触角だけでは評価できないことを見いだした。
さらに、本発明者等は、誘電体シートの剥離性には、剥離層と誘電体シートとの間の相互作用が大きく影響していると推測している。その根拠として、たとえば、誘電体シートに含まれるブチラール樹脂がヒドロキシル基を有している場合、剥離が重くなる傾向にある。これは、剥離フィルム表面において、ヒドロキシル基と剥離フィルム表面との間に水素結合性が支配的な相互作用を生じるためである。
このような誘電体シートと剥離フィルムの表面との間に生じる相互作用は、該相互作用が水素結合的であることを考慮すると、水と表面との間に生じる水素結合的な相互作用と非常に類似性が高いということができる。そして、この水と表面との間に生じる水素結合的な相互作用は、上述の水の表面付着エネルギーにより評価することができる。
したがって、剥離フィルムからの誘電体シートの剥離性は、該剥離フィルムの剥離層表面における水の表面付着エネルギーにより評価することができる。水素結合的相互作用が弱い場合には、水の表面付着エネルギーが低くなり、その結果、剥離は軽くなる。逆に、水素結合的相互作用が強い場合には、水の付着エネルギーが大きくなり、剥離は重くなる。
本実施形態に係る剥離フィルムでは、その表面に(メタ)アクリレートの重合体の一部が露出する場合もあるため、水の表面付着エネルギーが本発明の範囲内となるように、内在する水素結合性を勘案して、(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマー種の選択、使用量を調整することが好ましい。
また、アミンは、水素結合性により水を配位しやすい性質を有しており、水との相互作用が強くなりやすい。そのため、アミンを含む化合物は、誘電体シートや剥離フィルムの表面に対し、多量に用いないことが好ましい。アミンを含む化合物としては、たとえば紫外線硬化剤や帯電防止剤などが挙げられる。
さらに、上述したもの以外にも、誘電体シートあるいは剥離フィルムの表面において、水素結合しやすい基(たとえば、カルボキシル基、クロル基、シアノ基など)が過剰に存在しないことが好ましい。
なお、上記は、水素結合しやすい基を含む化合物の使用を排除するものではなく、上述した水の表面付着エネルギーが本発明の範囲内となる範囲であれば、該化合物が含まれてもよいことは勿論である。
水の表面付着エネルギーは、たとえば以下に示す滑落法を用いて測定することができる。まず、水平状態の台に固定された試験サンプル(剥離フィルム10)の表面に水滴を垂らして、図2(A)に示すように、液滴200を剥離フィルムの剥離面14aにのせる。
続いて、図2(B)に示すように、サンプルを水平状態から徐々に連続的に傾けていく。そして、サンプルの下端側10aの液滴の端部200aと、サンプルの上端側10bの液滴の端部200bと、を観察し、図2(C)のように、液滴200の端部200a、200bが移動し始め、上端側10bから下端側10aに液滴200が明らかに滑り落ち始めたときの角度を滑落角αとする。
図3より、水の表面付着エネルギーをEとすると、Eは、この滑落角αを用いて、以下に示す式で表される。ここで、mは液滴の質量、gは重力加速度、Rは液滴の径である。
E=(mgsinα)/2πR
なお、通常、液滴の端部200aと端部200bとは同時に動きはじめるが、まれにずれて動くことがある。この場合は、上端側の端部200bが動き始めたときの角度を滑落角αとする。
水の表面付着エネルギーEを測定する装置としては、たとえば協和界面科学社製のDropMasterを用いればよい。
また、重合体層14の一方の表面14aは、凹凸が十分に低減されていること、すなわち平滑であることが好ましい。これによって、表面14a上にセラミックグリーンシートや電極グリーンシートが形成した場合に、グリーンシートにおけるピンホールの発生を十分に抑制し、厚みのばらつきを十分に低減することができる。
重合体層14の表面14aの最大突起高さ(SRp)は、好ましくは0.2μm以下であり、より好ましくは0.1μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以下である。該最大突起高さは、例えば、重合体層14を形成する際に、重合体層14の厚みtを変えることによって調整することができる。最大突起高さ(SRp)は、JIS B0601に準拠して、株式会社菱化システムのMicromap System(光学干渉式三次元非接触表面形状測定システム)を用いて測定することができる。
重合体層14は、表面14aに、(メタ)アクリレート重合体成分の硬化物を含む層の一部を被覆するシリコーン重合体成分を含む膜を有する。該膜によって被覆された部分と被覆されていない部分との割合は、重合体層14の形成時に、(メタ)アクリレート成分に対するシリコーンオイルの添加量を調製することによって、制御することができる。なお、表面14aの一部には、(メタ)アクリレート重合体成分が露出している。重合体層14の形成時に、(メタ)アクリレート成分に対するシリコーンオイルの使用比率を少なくすると、表面14aにおける(メタ)アクリレート重合体成分の露出量が多くなる。一方、(メタ)アクリレート成分に対するシリコーンオイルの使用比率を多くすると、表面14aにおける(メタ)アクリレート重合体成分の露出量が少なくなる。これによって、剥離フィルム10は、剥離性と塗布性とを制御させることが可能となる。
<基材フィルム12>
基材フィルム12としては、合成樹脂からなるものが用いられる。合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂やポリスチレン樹脂などのアクリル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などが挙げられる。これらのうち、ポリエステル樹脂が好ましく、力学的性質、透明性、コストなどを考慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)がより好ましい。
基材フィルム12の厚みsは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜50μmである。厚みs(μm)が、10μm未満の場合、剥離フィルム10の寸法安定性等の物理特性が損なわれる傾向があり、100μmを超える場合、剥離フィルムの単位面積当たりの製造コストが上昇してしまう傾向がある。
基材フィルム12は、剥離フィルム10の機械的強度を十分に高める観点から、透明性を悪化させない程度のフィラー(充填剤)を含有させることが好ましい。フィラーは、特に限定されるものではなく、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、酸化チタン、フュームドシリカ、アルミナ、有機粒子などを用いることができる。
<剥離フィルムロール16>
本実施形態では、図4に示すように、剥離フィルムロール16は上述の剥離フィルム10であって、基材フィルムがポリエステル樹脂からなる剥離フィルムを巻回してなる。使用時には、図4に示すように、剥離フィルムロール16から巻き解かれて繰り出され、切断され、シート状の剥離フィルム10となる。ここで、剥離フィルムロール16においては、図5に示すように、重合体層14の表面14aと、基材フィルム12における重合体層側とは反対の面12aとが、接触している。
本実施形態では、剥離フィルムロール16において、重合体層14の表面14aにおける水の表面付着エネルギーが10mJ/m以下、好ましくは8mJ/m以下、より好ましくは7mJ/m以下である。このようにすることで、剥離面14aにおける剥離性を良好にすることができる。
また、上述の剥離フィルムにおいては、重合体層の形成時には、変性シリコーンオイルの(メタ)アクリロイル基等と、(メタ)アクリレート成分とが反応することによって、シリコーン重合体成分を含む膜を形成される。しかしながら、未反応のシリコーンオイルが、重合体層の表面に固定されていない状態で存在することがある。
このような未反応のシリコーンオイルが、重合体層14の表面14aに存在することで、上記の水の表面付着エネルギーを低下させることができる。しかしながら、表面14aにおける未反応のシリコーンオイルは、下記に示す理由により、非常に少なくする必要がある。
図5に示すように、剥離フィルムがロール状に巻回された場合、重合体層の表面14aと、重合体層側とは反対側の基材フィルムの表面12aとは接触しているため、未反応のシリコーンオイルが、重合体層の表面から基材フィルムの表面に、転写あるいは移動することがある。また、重合体層の表面14aと、基材フィルムの表面12aとの間の接触度合いは一定ではないため、このようなオイルは、接触度合いが強い、すなわち表面14aと表面12aとが密着している部分に毛管力等により集まることがある。
その結果、重合体層14の表面14aは不均一になると考えられ、ペースト等のハジキが発生し、塗布性が悪化してしまう。
そこで、本実施形態では、剥離フィルムロールにおいて、基材フィルムの重合体層側とは反対側の表面12aにおいて、水の接触角を80°以下、好ましくは75°以下、より好ましくは70°以下としている。
また、本実施形態では、基材フィルムはポリエステル樹脂からなっており、この基材フィルムの表面12aにおいて、他の物質が存在していない状態の(基材フィルム表面自体の)水の接触角を測定すると、60°程度である。
すなわち、剥離フィルムロールにおいて、基材フィルムの表面12aにおける水の接触角が上記の範囲内であるということは、基材フィルム表面12aにおける接触角の変化が少ないことを示している。換言すれば、重合体層の表面14aに存在している未反応のシリコーンオイルの転写あるいは移動が非常に少ないということを示している。
したがって、剥離フィルムロール16において、基材フィルムの表面12aにおける水の接触角を上記の範囲内とすることで、重合体層の表面14aには、未反応のシリコーンオイルの存在を非常に少なくできるため、重合体層の表面14aにおける塗布性を良好にすることができる。
このようにすることで、優れた剥離性と塗布性とを兼ね備えた剥離面を有する剥離フィルムが得られる。
次に、本実施形態の剥離フィルム10の製造方法を以下に説明する。
本実施形態の剥離フィルム10の製造方法は、光重合開始剤と有機溶剤と互いに相溶しない(メタ)アクリレート成分並びに(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルとを含有する塗布液を調製する塗布液調製工程と、調製した塗布液を基材フィルム12上に塗布して乾燥させて前駆体層を形成する前駆体層形成工程と、前駆体層に光を照射して前駆体層に含まれる(メタ)アクリレート成分及び変性シリコーンオイルを重合(硬化)させて、基材フィルム12上に重合体層14を形成する重合体層形成工程と、を有する。以下、各工程の詳細について説明する。
塗布液調製工程では、まず、互いに相溶しない(メタ)アクリレート成分と変性シリコーンオイルとを準備する。「互いに相溶しない」とは、それぞれの成分を混合した時に相分離が生じたり白濁したりして、均一な溶液とならないことを意味する。
(メタ)アクリレート成分とは、(メタ)アクリレートモノマー及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマーを意味し、その好ましい例としては、A−NOD−N、A−DOD(以上、新中村化学工業社製、商品名)が挙げられる。変性シリコーンオイルの好ましい例としては、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E、X−22−174DX、X−22−2426(以上、信越化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。これらを用いることによって、剥離面14aの凹凸を一層低減し平滑性に一層優れる剥離フィルム10を得ることができる。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、下記一般式(1)で表わされるものを用いることが好ましい。変性シリコーンオイルは、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性されたシリコーンオイルであり、下記一般式(2)または(3)で表わされるものを用いることが好ましい。
Figure 0005423975
上記一般式(1)中、nは5〜20の整数を示す。
Figure 0005423975
上記一般式(2)中、R及びRは、単結合または2価の炭化水素基を示し、mは1以上の整数を示す。R及びRは、炭素数1〜10程度のポリメチレン基、または炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましい。また、mは10〜1000程度であることが好ましい。
Figure 0005423975
上記一般式(3)中、R及びRは、単結合または2価の炭化水素基を示し、kは1以上の整数を示す。R及びRは、炭素数1〜10程度のポリメチレン基、または炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましい。また、kは10〜1000程度であることが好ましい。
光重合開始剤としては、ラジカル系光開始重合剤を用いることができる。紫外線を使用する場合、例えば、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン等を用いればよい。市販品としては、IRGACURE184、IRGACURE127、IRGACURE907、IRGACURE379、DAROCURE1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)を用いることができる。
なお、IRGACURE907はアミンを含む構造を有しているが、剥離面における水の表面付着エネルギーが本発明の範囲内となるように、その使用量を調整して用いることができる。
有機溶剤としては、(メタ)アクリレート成分及び変性シリコーンオイルの双方を溶解させることができる溶剤を用いる。これによって、(メタ)アクリレート重合体成分とシリコーン重合体成分とが均一に溶解した、重合体層14を形成するための塗布液を得ることができる。均一でない塗布液では表面の特性が場所によって不均一となる傾向がある。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
上述の有機溶剤150質量部に対し、例えば、(メタ)アクリレート成分を50〜150質量部、変性シリコーンオイルを0.005〜10質量部、光重合開始剤を1〜10質量部配合し、攪拌混合することによって、塗布液を調製することができる。
(メタ)アクリレート成分に対する変性シリコーンオイルの量が過剰であると、重合体層14中に未反応成分が残存して、誘電体ペーストに対する十分優れた塗布性が損なわれる傾向がある。一方、(メタ)アクリレート成分に対する変性シリコーンオイルの量が少なすぎると、十分優れた剥離性が損なわれる傾向がある。
前駆体形成工程では、上記の通り調製した塗布液を基材フィルム12の一表面上に、例えばバーコーターを用いて塗布する。その後、乾燥機中、例えば50〜150℃の温度で10秒間〜10分間乾燥して、有機溶剤を蒸発除去し、基材フィルム12の一表面上に前駆体層を形成する。
塗布液の塗布方法は、特に限定されるものではなく、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法等を用いて塗布してもよい。
塗布液に含まれる(メタ)アクリレート成分の比重は通常0.95〜1.5程度であり、シリコーンオイルの比重は通常0.95〜1.5程度である。すなわち、(メタ)アクリレート成分と変性シリコーンオイルの比重はほぼ同等か、変性シリコーンオイルの方が、若干軽い傾向がある。また、(メタ)アクリレート成分よりも変性シリコーンオイルの方が、低い表面エネルギーを有する。ここで、複数種類の相溶しない成分を含有する塗布液の場合、エネルギー状態が低くなるように、各成分が移動する。本実施形態の剥離液では、上述の通り、変性シリコーンオイルの方が比重が軽く且つ表面エネルギーが低い。したがって、前駆体形成工程で剥離液を基材フィルム12の一表面上に塗布した後、溶剤を乾燥除去すると、(メタ)アクリレート成分と変性シリコーン成分とが相溶しないので、シリコーンオイルの方が基材フィルム12側とは反対側の表面(剥離面14aとなる面)に移動しやすい。
通常、変性シリコーンオイルの方が、(メタ)アクリレート成分よりも光重合開始剤を溶解し難い傾向がある。溶剤を除去した剥離液に紫外線照射すると反応開始剤によりラジカルが発生して、(メタ)アクリレート成分はラジカル化され、(メタ)アクリレート成分はラジカル重合する。また、シリコーンオイルの(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基もラジカル重合する。
重合体形成工程では、基材フィルム12の一表面上に形成された前駆体層に光や電子線を照射して、重合体層を形成する。光としては、紫外線を用いることが好ましい。紫外線の光源としては水銀ランプ、メタルハライドランプ等の市販のものを用いることができ、前駆体層の厚みに応じて紫外線の照射量を調製する。これによって、前駆体層を十分に硬化させることができる。また、ラジカル重合時の酸素阻害を防止するために窒素雰囲気下で紫外線照射することも好ましい。
紫外線の照射によって、前駆体層に含まれる(メタ)アクリレート成分及び変性シリコーンオイルがラジカル重合する。(メタ)アクリレート成分は重合することによって、(メタ)アクリレート重合体成分となり、変性シリコーンオイルは、シリコーン重合体成分となる。また、場合によって、変性シリコーンオイルの反応基((メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基)と(メタ)アクリレートモノマーの反応基((メタ)アクリロイル基)とが反応する。このように重合反応が進行することによって、前駆体層から重合体層14を得ることができる。
(メタ)アクリレート成分の種類、変性シリコーンオイルの分子量、反応基の種類、変性の方法(両末端、方末端、側鎖の組み合わせ)等を調整することで、重合体層14の表面14aにおける水の表面付着エネルギーを調整することができる。その結果、剥離フィルムの剥離性を調整することができる。また、(メタ)アクリレート重合体成分を含む層の表面において、シリコーン重合体成分を含む膜が、該層の表面を被覆する割合(被覆率)によっても、表面付着エネルギーが変化し、剥離性を調整することができる。一般的にはシリコーン重合体成分による被覆率が高い方が剥離は軽くなり、被覆率が低い方が剥離は重くなる。
本発明の被覆率は、重合体層14の表面14aにおいて、純水の接触角を測定することによって求めることができる。以下にその理由を説明する。本発明では相溶しない(メタ)アクリレート成分と変性シリコーンオイルとを用いているために、有機溶剤を乾燥除去すると、(メタ)アクリレート成分と変性シリコーンオイルとが分離し、変性シリコーンオイルが(メタ)アクリレート成分の層を被覆することとなる。ここで、単位面積におけるシリコーンオイル量が多ければ多いほど、重合体層14におけるシリコーン重合体成分による被覆率が1(百分率で表すと100%)に近くなる。
表面に液体を存在させたときの関係としてはヤングの式がある。θを接触角、γを固体の表面張力、γを液体個体間の界面張力、γLを液体の表面張力をしたときに以下の
関係式が示される。
γ=γ×cosθ+γ
ここで、(メタ)アクリレート重合体成分のみの表面に液体を存在させたとき、接触角をθ、(メタ)アクリレート重合体成分の表面張力をγ、液体−(メタ)アクリレート重合体間の界面張力をγALとすると以下の関係式が示される。
γ=γ×cosθ+γAL・・・(i)
次に、シリコーン重合体成分で表面が覆い尽くされた面に液体を存在させた場合の接触角をθ、シリコーン重合体成分の表面張力をγ、液体−シリコーン重合体成分間の界面張力をγSLとすると以下の関係式(ii)が示される。
γ=γ×cosθ+γSL・・・(ii)
(メタ)アクリレート重合体成分の層の一部がシリコーン重合体成分で被覆された面(シリコーン重合体成分で被覆されていないところは(メタ)アクリレート重合体成分が露出している)に液体を存在させたとき、接触角をθ、重合体成分の表面張力をγ、液体―重合体成分間の表面張力をγXLとすると以下の関係式(iii)が示される。
γ=γ×cosθ+γXL・・・(iii)
重合体層14の表面14a全体における(メタ)アクリレート重合体成分が露出している面積の割合(露出率)をa、変性シリコーンオイルで被覆された面積の割合(被覆率)をs(単位面積における変性シリコーンオイルで被覆された面積÷単位面積)とし、a+s=1とする。γにおけるγとγの寄与はその面積割合に比例する。つまり、下記式(iv)の関係が成立する。
γ=a×γ+s×γ・・・(iv)
γXLも同様に考えると、下記式(v)の関係が成立する。
γXL=a×γAL+s×γSL・・・(v)
上記式(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)より下記式(vi)が導き出せる。
cosθ=a×cosθ+s×cosθ=(1−s)×cosθ+s×cosθ・・・(vi)
上記式(vi)によって、θ、θ、θからシリコーン重合体成分による被覆率sを特定できる。また、基準量における被覆率がわかっていれば、任意のシリコーン重合体成分による被覆率は計算からもとめることが可能である。特にシリコーン重合体成分の量が多い場合、接触角測定値の誤差に隠れて被覆率が1(百分率で表すと100%)になってしまうことがある。このような場合は次のようにして被覆率を特定できる。例えば、1m当たり1mgのシリコーン重合体成分が存在するものと考え、シリコーン重合体成分による被覆率をsとし、(メタ)アクリレート重合体の露出率をaとする(a+s=1)。
1m当たり任意量n(mg)のシリコーン重合体成分で被覆されたときの被覆率をs、(メタ)アクリレート重合体成分の露出率をaとする(a+s=1)。
ここで、a=a =(1−s
であり、s=1−a=1−(1−sとなる。
また、n(mg)のときの接触角をθとすると、
cosθ=(1−s×cosθ+{1−(1−s}×cosθ
となり、sを求めることもできる。なお、nは(メタ)アクリレート重合体成分の密度をd(g/cm)、厚みをt(μm)、重合体層における変性シリコーンオイルの割合をb(質量%)としたとき、n=10×b×t×dとなる。
シリコーン重合体成分による被覆率としては、0.33〜0.99999(百分率で表すと33%〜99.999%)が好ましく、0.55〜0.98(百分率で表すと55〜98%)がより好ましい。
本実施形態による剥離フィルム10の製造方法によれば、剥離層と平滑化層を個別に形成する必要がなく、一種類の剥離液を用いて、基材フィルムに重合体層一層のみを形成することによって、剥離フィルム10を得ることができる。この製造方法によれば、剥離面14aの凹凸が十分に低減されるとともに、剥離性及び塗布性に十分優れる剥離フィルム10を容易に製造することができる。
また、上述のようにして製造された剥離フィルムを、さらにロール状に巻回することで、本実施形態に係る剥離フィルムロールを製造することができる。この剥離フィルムロールは、誘電体シート等を形成するために使用されるまで保管あるいは搬送される。
図6は、本発明のセラミック部品シートの好適な一実施形態を模式的に示す断面図である。セラミック部品シート20は、剥離フィルム10と、重合体層14の剥離面14a上にセラミックグリーンシート22と、セラミックグリーンシート22上に形成された電極グリーンシート24とを備える。
セラミックグリーンシート22としては、例えば、積層セラミックコンデンサを形成するための誘電体グリーンシートが挙げられる。セラミックグリーンシート22の厚みは、例えば、数μm〜数百μmとすることができる。セラミックグリーンシート22は、剥離フィルム10から剥離された後、焼成されて、例えばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム及び/又はチタン酸バリウムなどを含む誘電体となる。
電極グリーンシート24の厚みは、例えば、数μm〜数百μmとすることができる。電極グリーンシート24は、剥離フィルム10から剥離された後、焼成されて、例えば、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などを含む電極となる。
セラミック部品シートの製造方法について、以下に詳細に説明する。本実施形態のセラミック部品シート20の製造方法は、光重合開始剤と有機溶剤と互いに相溶しない(メタ)アクリレートモノマー並びに(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルとを含有する塗布液を調製する塗布液調製工程と、調製した塗布液を基材フィルム12上に塗布して乾燥させて前駆体層を形成する前駆体層形成工程と、前駆体層に光を照射して前駆体層に含まれる(メタ)アクリレートモノマー及び変性シリコーンオイルを重合させて、基材フィルム上に重合体層14を形成して剥離フィルム10を得る重合体層形成工程と、得られた剥離フィルム10の重合体層14の剥離面14a上に、セラミック粉末を含有するセラミックペーストを塗布して乾燥させてセラミックグリーンシート22を形成し、電極材料を含有する電極ペーストを塗布して乾燥させてセラミックグリーンシート22上に電極グリーンシート24を形成し、剥離フィルム10上にセラミックグリーンシート22と電極グリーンシート24とが順次積層されたセラミック部品シートを得るシート形成工程とを有する。塗布液調製工程〜重合体層形成工程によって剥離フィルム10を製造する方法は、既に説明したので、シート形成工程について以下に詳細に説明する。
シート形成工程では、重合体層形成工程で得られた剥離フィルム10の基材フィルム12側とは反対側の表面14a上に、セラミック粉末を含有するペースト(セラミックペースト)及び電極材料を含有するペースト(電極ペースト)をそれぞれ塗布する。
セラミックペーストは、例えば、誘電体原料(セラミック粉体)と有機ビヒクルとを混練して調製できる。誘電体原料としては、焼成によって複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択して用いることができる。誘電体原料は、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜3.0μm程度の粉体を用いることができる。
電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、焼成後に導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、またはレジネート等と、有機ビヒクルとを混練して調製することができる。
電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni金属、Ni合金、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。接着性向上のために、電極ペーストは、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤としては、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが挙げられる。
セラミックペースト及び電極ペーストに含まれる有機ビヒクルは、バインダ樹脂を有機溶剤中に溶解して調製される。有機ビヒクルに用いられるバインダ樹脂としては、例えばエチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール系樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、またはこれらの共重合体などが用いられる。これらのうち、ブチラール系樹脂、具体的にはポリビニルブチラール系樹脂を用いることが好ましい。ブチラール系樹脂を用いることによって、セラミックグリーンシート22及び電極グリーンシート24の機械的強度を高くすることができる。また、この場合、重合体層14の原料としてアルカン(ジオール)ジ(メタ)アクリレートモノマーを用いることによって、セラミックグリーンシート22及び電極グリーンシート24の剥離性を一層優れたものとすることができる。
ポリビニルブチラール系樹脂の重合度は、好ましくは1000〜1700であり、より好ましくは1400〜1700である。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤としては、例えばテルピネオール、アルコール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸ベンジルなどの有機溶剤を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
セラミックペーストは、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、帯電除剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物を含有してもよい。
上述のセラミックペーストを、例えばドクターブレード装置などにより、剥離フィルム10の表面14a上に塗布する。そして、塗布したセラミックペーストを、市販の乾燥装置内で、例えば50〜100℃の温度で1〜20分間乾燥させて、セラミックグリーンシート22を形成する。セラミックグリーンシート22は、乾燥前に比較して5〜25%収縮する。
次に、形成したセラミックグリーンシート22の表面22a上に、例えばスクリーン印刷装置を用いて、所定のパターンとなるように、電極ペーストを印刷する。そして、塗布した電極ペーストを、市販の乾燥装置内で、例えば50〜100℃の温度で1〜20分間乾燥させて、電極グリーンシート24を形成する。これによって、剥離フィルム10、セラミックグリーンシート22及び電極グリーンシート24が順次積層されたセラミック部品シート20を得ることができる。
このセラミック部品シート20は、重合体層14を有する剥離フィルム10を用いて製造されるため、セラミックグリーンシート22及び電極グリーンシート24からなるグリーンシート26の剥離性に十分に優れており、グリーンシート26の剥離残りを十分に低減することができる。このため、グリーンシート26の厚みのばらつきが十分に低減され、ピンホールの発生を十分に抑制することができる。
さらに、重合体層14の表面14aに、電極ペーストやセラミックペーストを塗布する際に、はじきの発生が十分に抑制されているため、ピンホールや厚みのばらつきの少ないグリーンシート26を容易に形成することができる。これによって、積層セラミックコンデンサの製造を一層容易に行うことができる。
次に、本発明のセラミック部品の製造方法の好適な一実施形態である積層セラミックコンデンサの製造方法を以下に説明する。
本実施形態の積層セラミックコンデンサの製造方法は、複数のセラミック部品シートを準備する工程と、セラミック部品シートのグリーンシートを複数積層して積層体を得る積層工程と、積層体を焼成して焼結体を得る焼成工程と、該焼結体に端子電極を形成して積層セラミックコンデンサを得る電極形成工程とを有する。
準備工程では、上記実施形態のセラミック部品シートの製造方法によって製造されたセラミック部品シート20を複数準備する。次に、積層工程では、複数のセラミック部品シート20のグリーンシート26を積層して、複数のグリーンシート26が積層された積層体を得る。
積層工程の一例を詳細に説明する。まず、セラミック部品シート20の剥離フィルム10を剥離してグリーンシート26を得る。このグリーンシート26の面22bと別のセラミック部品シート20の電極グリーンシート24とが向き合うようにして、グリーンシート26とセラミック部品シート20とを積層する。その後、積層したセラミック部品シート20から剥離フィルム10を剥離する。このような手順を繰り返し行って、グリーンシート26を積層することによって、積層体を得ることができる。すなわち、この積層工程では、グリーンシート26上にセラミック部品シート20を積層した後に、剥離フィルム10を剥離する手順を複数回繰り返すことによって、積層体を形成している。
積層工程の別の例を説明する。グリーンシート26の面22aと、剥離フィルム10を剥離した別のグリーンシート26の面22bとが向かい合うようにして、グリーンシート26を積層する。このような手順を繰り返し行い、グリーンシート26を順次積層することによって、積層体を得ることができる。すなわち、この積層工程では、剥離フィルム10を剥離したグリーンシート26を積層する手順を複数回繰り返すことによって、積層体を形成している。
積層体におけるグリーンシートの積層枚数に特に制限はなく、例えば、数十層から数百層であってもよい。積層体の積層方向に直交する両端面に、電極層が形成されない厚めの外装用グリーンシートを設けてもよい。積層体を形成した後、積層体を切断してグリーンチップとしてもよい。
焼成工程では、積層工程で得られた積層体(グリーンチップ)を焼成して焼結体を得る。焼成条件は、1100〜1300℃で、加湿した窒素と水素との混合ガス等の雰囲気下で行うとよい。ただし、焼成時の雰囲気中の酸素分圧は、好ましくは10−2Pa以下、より好ましくは10−2〜10−8Paとする。なお、焼成前には、積層体の脱バインダ処理を施すことが好ましい。脱バインダ処理は、通常の条件で行うことができる。例えば、内部電極層(電極グリーンシート24)の導電体材料として、NiやNi合金等の卑金属を用いる場合、200〜600℃で行うことが好ましい。
焼成後、焼結体を構成する誘電体層を再酸化させるために、熱処理を行ってもよい。熱処理における保持温度又は最高温度は、1000〜1100℃であることが好ましい。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であることが好ましく、10−2Pa〜1Paであることがより好ましい。このようにして得られた焼結体に、例えばバレル研磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施すことが好ましい。
電極形成工程では、焼結体の側面上に、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを得ることができる。
本実施形態のセラミック部品の製造方法では、上記実施形態のセラミック部品シートを用いているため、得られるセラミック部品、すなわち積層セラミックコンデンサのピンホールの発生を十分に抑制することができる。このため、高い歩留まりで積層セラミックコンデンサを形成することができる。
図7は、上記実施形態の製造方法によって得られるセラミック部品の一例を示す模式断面図である。図7に示す積層セラミックコンデンサ100は、内装部40と、この内装部40を積層方向に挟む一対の外装部50とを備えている。本実施形態に積層セラミックコンデンサ100は、側面に端子電極60を有している。
内装部40は、複数(本実施形態では13層)のセラミック層42と、複数(本実施形態では12層)の内部電極層44とを有している。セラミック層42と内部電極層44とは、交互に積層されている。内部電極層44は、端子電極60と電気的に接続されている。
外装部50は、セラミック層により形成されている。このセラミック層は、外装用グリーンシートから形成されるものであり、例えばセラミック層42と同様の成分を含有する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<予備実験>
原料として、下記式(4)で表されるアクリレートモノマー(比重:0.99)、下記式(5)で表される両末端がアクリロイル基で変性された変性シリコーンオイル(比重:0.98)を準備した。下記式(4)のアクリレートモノマー100質量部と下記式(5)の変性シリコーンオイル5質量部をビーカーで攪拌して混合液を調整したところ、混合液は白濁分離した。このことから、アクリレートモノマーと変性シリコーンオイルが相溶しないことが確認された。さらに、この混合液にメチルエチルケトン100質量部とトルエン100質量部を加えると透明になることを確認した。その後、以下のようにして剥離フィルムを作製した。
Figure 0005423975
Figure 0005423975
<剥離フィルムの作製>
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、上記式(5)の変性シリコーンオイル0.277質量部、及びメチルエチルケトン100質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE127)1.5質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を、バーコーターにて2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基材フィルム、厚み38μm)に塗布し、加熱温度80℃の熱風で30秒間、乾燥してメチルエチルケトン、トルエンを蒸発させた後、酸素濃度100ppmの窒素雰囲気下にて紫外線を照射して、基材フィルム上に厚み1μmの重合体層を形成し、ロール状に巻回した剥離フィルムロールを得た。なお、厚みは、分光光度計(日本分光(株)製、商品名:V−670)を用いて測定した。また、紫外線照射は、積算光量を250mJ/cmとした。
<水の表面付着エネルギーの測定>
得られた剥離フィルムロールについて、巻き解かれた剥離フィルムの剥離面における水の表面付着エネルギーを協和界面科学のDropMasterを用いて測定した。測定条件は、温度20℃、湿度60%とし、剥離フィルムの重合体層の表面に純水を16μl滴下して測定した。表面付着エネルギーは4.6mJ/mであった。なお、後述する比較例において16μlの滴下では測定できない場合には、12μlの純水を2回滴下して24μlで測定した。測定結果を表1にも示す。
<水の接触角の測定>
基材フィルム側とは反対側の重合体層表面(剥離面)と、重合体層側とは反対側の基材フィルム表面と、について、協和界面科学のDropMasterを用いて、水の接触角を測定した。測定条件は、温度20℃、湿度60%とし、それぞれの表面に純水を2μl滴下して測定した。剥離面の接触角は104°であった。また、基材フィルム面の接触角は69°であった。測定結果を表1にも示す。
<誘電体シートの形成>
BaTiO系セラミック粉末、有機バインダとしてポリビニルブチラール(PVB)、及び溶媒としてメタノールを準備した。次に、該セラミック粉末100質量部に対して、10質量部の有機バインダと、165質量部の溶媒とを混練して誘電体スラリーを得た。この誘電体スラリーを、得られた剥離フィルムの重合体層の表面に塗布し、乾燥後の膜厚みが1μmになるように誘電体シートを形成した。得られた誘電体シートについて、以下に示す方法により、ピンホールの有無を評価し、剥離フィルム表面における塗布性を評価した。
<ピンホールの有無>
ピンホール検出機を用いて、誘電体シートの3000m分の長さに渡りピンホールを調査した。結果、ピンホールは検出されなかった。
<電極の形成>
Ni粉末、有機バインダとしてエチルセルロース、及び溶媒としてテルピネオールを準備した。次に、Ni粉末100質量部に対して、4質量部の有機バインダと、100質量部の溶媒とを混練して電極ペーストを得た。この電極スラリーを、上記の誘電体シート上に塗布して、乾燥後の膜厚みが1μmになるように電極を形成し、積層用シート(セラミック部品シート)を得た。得られた積層用シートについて、以下に示す剥離試験を行い、剥離フィルムからの誘電体シートの剥離性を評価した。
<剥離試験>
誘電体シートの剥離性は、積層装置の剥離機構を用いて試験を行った。空気圧力を減圧することで吸着機構を有する吸着板(200mm×200mm)に、試験片としての誘電体シートを吸着させ、次いで剥離フィルムを剥離した。このとき誘電体シートが破れずに剥離フィルムが剥離できるか確認した。結果、誘電体シートが破れずに剥離できた。
(実施例2)
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、上記式(5)の変性シリコーンオイル0.138質量部、及びメチルエチルケトン100質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE127)1.5質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にして、剥離フィルムロールを得た。剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは6.5mJ/mであった。また、剥離面の接触角は102°であり、基材フィルム面の接触角は66°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールは検出されなかった。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、剥離フィルムから誘電体シートが破れずに剥離できた。
(実施例3)
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、上記式(5)の変性シリコーンオイル0.069質量部、及びメチルエチルケトン50質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE127)1.5質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にして、剥離フィルムロールを得た。剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは7.6mJ/mであった。また、剥離面の接触角は96°であり、基材フィルム面の接触角は64°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールは検出されなかった。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、剥離フィルムから誘電体シートが破れずに剥離できた。
(実施例4)
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、上記式(5)の変性シリコーンオイル0.046質量部、及びメチルエチルケトン100質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE127)1.5質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にして、剥離フィルムロールを得た。剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは9.8mJ/mであった。また、剥離面の接触角は92°であり、基材フィルム面の接触角は64°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールは検出されなかった。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、剥離フィルムから誘電体シートが破れずに剥離できた。
(実施例5)
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、上記式(5)の変性シリコーンオイル0.138質量部、及びメチルエチルケトン100質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE907)1質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にして、剥離フィルムロールを得た。剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは7.1mJ/mであった。また、剥離面の接触角は102°であり、基材フィルム面の接触角は66°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールは検出されなかった。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、剥離フィルムから誘電体シートが破れずに剥離できた。
(比較例1)
上記式(5)の変性シリコーンオイルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、塗布液を得た。
得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にして、剥離フィルムロールを得た。剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは11mJ/mであった。また、剥離面の接触角は72°であり、基材フィルム面の接触角は63°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールは検出されなかった。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、剥離フィルムから誘電体シートを剥離することができなかった。
(比較例2)
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、上記式(5)の変性シリコーンオイル0.138質量部、及びメチルエチルケトン100質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE907)10質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を用いて、実施例1と同様にして、剥離フィルムロールを得た。剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは10.4mJ/mであった。また、剥離面の接触角は101°であり、基材フィルム面の接触角は65°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールは検出されなかった。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、誘電体シートが破れてしまい、剥離フィルムから誘電体シートを一部しか剥離することができなかった。
(比較例3)
上記式(4)のアクリレートモノマー100質量部に対して、メチルエチルケトン50質量部、トルエン100質量部、反応開始剤(IRGACURE127)1.5質量部を金属製容器に入れて、攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を、バーコーターにて2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基材フィルム、厚み38μm)に塗布し、加熱温度80℃の熱風で30秒間、乾燥してメチルエチルケトン、トルエンを蒸発させた後、酸素濃度100ppmの窒素雰囲気下にて紫外線を照射して、基材フィルム上に厚み1μmの重合体層が形成されたフィルムを得た。なお、厚みは、分光光度計(日本分光(株)製、商品名:V−670)を用いて測定した。また、紫外線照射は、積算光量を250mJ/cmとした。
続いて、付加重合型シリコーンKS−847(信越化学社製)10質量部、トルエン50質量部、メチルエチルケトン50質量部、触媒PL−50T、0.1質量部を金属容器に入れて攪拌混合し、無色透明の塗布液を得た。
得られた塗布液を、バーコーターにて上記のフィルムに塗布し110℃の熱風で溶剤を乾燥させながら硬化させ剥離フィルムを得て、その剥離フィルムを巻回することで剥離フィルムロールを得た。塗布厚みは0.12μmであった。
剥離フィルムロールから巻き解かれた剥離フィルムについて、実施例1と同様にして、水の表面付着エネルギーおよび接触角を測定した。表面付着エネルギーは7.8mJ/mであった。また、剥離面の接触角は109°であり、基材フィルム面の接触角は86°であった。測定結果を表1にも示す。
また、該剥離フィルムの重合体層の表面に、実施例1と同様にして、誘電体シートを形成し、実施例1と同様にして、ピンホールの有無を評価した。その結果、ピンホールが21個検出された。
さらに、誘電体シート上に、実施例1と同様にして、電極を形成し、積層用シートを得た。得られた積層用シートについて、実施例1と同様にして、誘電体シートの剥離性を評価した。その結果、剥離フィルムから誘電体シートが破れずに剥離できた。
Figure 0005423975
表1より、剥離フィルムの重合体層の表面における水の表面付着エネルギーが本発明の範囲内である場合には、ペースト等のハジキに起因するピンホールが検出されず、しかも剥離フィルムからの誘電体シートの剥離性も良好であることが確認できた。
また、実施例1〜5に係る剥離フィルムにおける基材フィルムの表面の接触角が本発明の範囲内であるため、該剥離フィルムをロール状に巻回して保管等した場合であっても、剥離面における塗布性が良好であることが確認できた。
これに対し、剥離フィルムの重合体層の表面における水の表面付着エネルギーが本発明の範囲外である場合には、ピンホールは検出されないものの、水の接触角が低くても(比較例1)、高くても(比較例2)、剥離フィルムからの誘電体シートの剥離性が悪いことが確認できた。
また、実施例5と比較例2とを比較することで、アミンを含む構造を有する反応開始剤を用いる場合には、その使用量が多すぎると、剥離面における表面付着エネルギーが大きくなりすぎ、剥離性が悪化することが確認できた。
さらに、本発明のシリコーン重合体成分とは異なる成分を用いた場合には(比較例3)、剥離フィルムの重合体層の表面における水の表面付着エネルギーが本発明の範囲内であっても、ピンホールが検出され、ペースト等のハジキが多いことが確認できた。
10…剥離フィルム、10a…下端部、10b…上端部、12…基材フィルム、12a…表面、14…重合体層、14a…表面(剥離面)、16…剥離フィルムロール、20…セラミック部品シート、22…セラミックグリーンシート、22a…表面、22b…面(剥離面側)、24…電極グリーンシート、26…グリーンシート、40…内装部、42…セラミック層、44…内部電極層、50…外装部、60…端子電極、100…積層セラミックコンデンサ、200…液滴、200a、200b…端部。

Claims (4)

  1. 基材フィルムと前記基材フィルムの一面上に設けられる重合体層とを備える剥離フィルムであって、
    前記重合体層は(メタ)アクリレート成分の硬化物を含む層と、該層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の一部を被覆するシリコーン重合体成分を含む膜と、を有し、
    前記シリコーン重合体成分は、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルの重合体であって、
    前記重合体層の表面において、水の表面付着エネルギーが10mJ/m以下であることを特徴とする剥離フィルム。
  2. 剥離フィルムがロール状に巻回されてなる剥離フィルムロールであって、
    前記剥離フィルムが、基材フィルムと前記基材フィルムの一面上に設けられる重合体層とを備えており、
    前記基材フィルムはポリエステル樹脂からなり、
    前記重合体層は(メタ)アクリレート成分の硬化物を含む層と、該層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の一部を被覆するシリコーン重合体成分を含む膜と、を有し、
    前記シリコーン重合体成分は、(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルの重合体であって、
    前記重合体層の表面において、水の表面付着エネルギーが10mJ/m以下であり、
    前記基材フィルムの前記重合体層側とは反対側の表面において、水の接触角が80°以下であることを特徴とする剥離フィルムロール。
  3. 請求項1に記載の剥離フィルムと、当該剥離フィルムの前記重合体層上にセラミックグリーンシート及び電極グリーンシートの少なくとも一方からなるグリーンシートと、を有するセラミック部品シート。
  4. 請求項3記載のセラミック部品シートを複数準備する準備工程と、
    前記セラミック部品シートの前記グリーンシートを積層して、複数の前記グリーンシートを有する積層体を得る積層工程と、
    前記積層体を焼成して焼結体を得る焼成工程と、を有する、前記焼結体を有するセラミック部品の製造方法。
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