JPH058345A - 両面剥離用シートおよびその製造方法 - Google Patents

両面剥離用シートおよびその製造方法

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JPH058345A
JPH058345A JP19062891A JP19062891A JPH058345A JP H058345 A JPH058345 A JP H058345A JP 19062891 A JP19062891 A JP 19062891A JP 19062891 A JP19062891 A JP 19062891A JP H058345 A JPH058345 A JP H058345A
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release
electron beam
sheet
resin
cured
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JP19062891A
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Junji Harada
純二 原田
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】経時特性および表面性の良い両面剥離用シート
を効率よく製造する。 【構成】支持体上の少なくとも片面に、塗布した剥離樹
脂が紫外線照射により硬化された後、電子線照射される
ことにより硬化された剥離層であり、もう片面は少なく
とも電子線照射により硬化された剥離層である両面剥離
用シート。事前に紫外線照射により硬化されるため表面
に傷がつかず、支持体を損傷しない程度の電子線照射量
により両面の剥離樹脂層を硬化することができる。 【効果】両面の剥離樹脂を1度の電子線照射により硬化
できるため、支持体の劣化を招かず、かつ熱による乾燥
工程がないため良好な表面性、カール特性を有する両面
剥離用シートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙、ラミネート紙、合
成紙、プラスチックフィルムなどのシート状支持体を支
持体とした両面剥離用シートに関するものであり、両面
ラベル用の剥離用シート、プレプリグ製造用シートやセ
ラミックグリーンシート等の工程紙に利用されるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】紙、ラミネート紙、合成紙、プラスチッ
クフィルムなどの支持体の上に、有機ポリシロキサンか
らなる剥離層を設けたシリコーン剥離用シートは、近年
多くの用途に使用されている。剥離層の形成方法として
は、有機すず化合物やその他の重金属塩、および白金系
の触媒を含む縮合型、もしくは付加型シリコーン系樹脂
の溶液、またはエマルジョンを塗布した後、熱風オーブ
ン中で120℃から180℃で加熱し、硬化被膜を形成
する方法が一般的である。このような熱的な方法で両面
剥離用シートを製造するには、片面に剥離樹脂を塗布し
た後、加熱乾燥、硬化を行い、次にもう片面に剥離樹脂
を塗布し、加熱乾燥、硬化を行うのが一般的である。紙
を支持体に用いた剥離用シートにおいて、このような高
温加熱処理を行なうと、紙支持体に耐熱性が必要なこと
は勿論の上、紙支持体内部の水分蒸発により、しわやカ
ールが発生しやすいという欠点を有していた。片面剥離
用シートの場合は、水分の蒸発は剥離層形成後、キスコ
ーターなどにより裏面より水付けを行い、水分量の調節
が可能であったが、両面剥離用シートの場合には物理的
に水付けできないため、特に吸湿時におけるカール性の
問題があった。また加熱乾燥工程においては、剥離層は
表面から硬化しはじめるため、水分蒸発に伴い硬化した
剥離層にピンホールが生じ易いという欠点を有してい
た。このような欠点を克服する観点から、および剥離層
を形成するシリコーン樹脂の紙への吸収を低減させる観
点から、紙表面をポリエチレンや塩化ビニリデン等でラ
ミネートした支持体を用いる方法がよく使われる。
【0003】しかしながら、やはりシリコーン樹脂の硬
化時においてラミネート層の軟化、溶融、収縮等が起こ
り結果として、ラミネート支持体表面の不均一化により
剥離性能や表面光沢を阻害するという欠点を有してい
た。同様のことは、プラスチックシートや合成紙を支持
体に用いる場合についても言える。このような欠点を克
服するひとつの手段として、無溶剤型シリコーン樹脂、
その中でも特に紫外線および電子線照射により硬化可能
な官能基を有するシリコーン樹脂を用いて、紫外線また
は電子線硬化を行なう低温キュアリング型の剥離用シー
ト製造技術が開発された。これらの方法によれば、剥離
用シート製造工程中における高温処理に由来するカー
ル、しわ、収縮、ピンホール等の発生は比較的防ぐこと
が可能で、片面の剥離用シートを製造する場合は優れて
いるが、反面、両面剥離用シートを製造する場合は、次
のような重大な問題点があった。すなわち、電子線照射
により両面の剥離層を硬化させた場合は、電子線照射に
より紙またはプラスチックの変質が起こり、紙の場合に
は特に耐折性が大幅に低下したり、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどの場合は、架橋によりシワが生じたり、
引っ張り強度が低下したりするなどの問題点を有してい
た。各剥離層を形成する剥離樹脂に、電子線硬化性の良
好な電子線硬化性樹脂を混入すれば、各々の硬化に必要
な電子線照射量は低減できるものの、剥離強度が極度に
上昇し剥離用シートとして用いることができなくなると
いうジレンマがあった。
【0004】電子線照射を用いる場合は、その透過性を
利用して、両面に塗布した剥離樹脂を一度の照射で硬化
することが可能である。しかしながら、両面に剥離樹脂
を塗布した場合には、少なくともその片面はフリーロー
ルやガイドロールに接触せざるを得ず、塗布面が荒れて
ピンホールや剥離樹脂未塗布部が生じたり、光沢が低下
するといった問題があった。特に電子線照射装置内で塗
布面がロールに接触する場合には、ロールに接着した樹
脂が電子線照射により徐々に硬化して表面を荒したり、
硬化した樹脂が次第に分解して樹脂塗布面に付着するな
どの根本的な問題があった。電子線照射装置は、漏洩X
線を遮蔽する目的で装置の入口と出口に10゜以上の仰
角が設けられているため、電子線照射装置内のロールの
存在は避けようがない。
【0005】紫外線照射により両面の剥離層を硬化させ
た場合は、基本的に硬化速度に制限があり、かつ剥離樹
脂の硬化性が不完全であることが多く、剥離用シートと
した場合の粘着層への未硬化樹脂の移行(残留接着率の
低下)が生じたり、経時により剥離強度が変動したりす
るといった問題があった。充分な生産速度と硬化を得よ
うとすれば、紫外線照射量を増加させるしかなく、紫外
線ランプの発熱により支持体温度が上昇し、加熱による
硬化法で述べたのと同様なトラブルが生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明者らが
解決しようとする課題は、両面剥離用シートにおいて、
しわやカール、およびピンホールが発生せず、かつ良好
な支持体強度を持ち、剥離においては剥離成分の移行が
起こらず、経時による剥離強度の変動がないなど良好な
剥離特性を有する両面剥離用シートを、効率よく連続に
製造しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決する手段を鋭意研究した結果、以下の
ような方法を見いだすに至った。すなわち、支持体の両
面に剥離層を有する両面剥離用シートにおいて、少なく
とも片面の剥離層が、紫外線照射および電子線照射によ
り硬化された剥離層であることを特徴とする両面剥離用
シートの発明である。片面が紫外線照射および電子線照
射により硬化された剥離層であれば、もう片面は紫外線
照射および電子線照射により硬化された剥離層であって
も、あるいは電子線照射のみにより硬化された剥離層で
あっても良い。該剥離層は、紫外線照射により一部硬化
されたあと、電子線照射により完全に硬化される。
【0008】本発明の両面剥離用シートは、支持体の表
面に紫外線硬化性の剥離樹脂を塗布し、紫外線照射によ
り硬化させる工程と、もう片方の面に電子線硬化性の剥
離樹脂を塗布し、電子線照射により硬化させる工程を順
に行うことにより得られる。ここでいうもう片方の面に
は、紫外線硬化性の剥離樹脂を塗布し、紫外線照射によ
り硬化させた後で、電子線照射により硬化を行なっても
良い。少なくとも片面の剥離樹脂が紫外線照射により硬
化された後で、両面の剥離樹脂ともに電子線照射により
硬化されることが必要である。ここで最初に塗布した面
の紫外線照射による硬化の工程と、もう片方の面に剥離
樹脂を塗布する工程は、どちらが先であっても差し支え
ない。すなわち、先に塗布した面を紫外線照射により硬
化した後で、もう片面に剥離樹脂を塗布し、次に電子線
照射による硬化を行うことができるし、または両面とも
塗布した後で、その片面を紫外線照射により予備硬化を
行い、次に電子線照射により硬化を行うことができる。
さらに、両面とも塗布した後で、その片面あるいは両面
を紫外線照射により予備硬化を行い、次に電子線照射に
よる硬化を行うことができる。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明に用
いられる紫外線硬化性の剥離樹脂としては、分子末端、
または側鎖にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
ル基、エポキシ基の中から選択される官能基を有するシ
リコーン樹脂(主にポリジアルキルシロキサン)あるい
は含フッ素樹脂などであり、光反応開始剤、増感剤を加
えて用いることができる。紫外線硬化性のシリコーン骨
格を有する剥離樹脂としては、具体的には特公昭51−
42961号、同54−6512号、同57−5709
6号、同58−53656号公報等に開示されているよ
うな化合物であり、商品名では、FM0711、FM0
721、FM0725、PS583(以上、チッソ
(株))、KNS−50002、KNS−5100、K
NS−5200、KNS−5300、KP−600、X
−62−7052、X−62−7100、X−62−7
112、X−62−7140、X−62−7144、X
−62−7153、X−62−7157、X−62−7
158、X−62−7166、X−62−7168、X
−62−7177、X−62−7180、X−62ー7
181、X−62−7192、X−62−7200、X
−62−7203、X−62−7205、X−62−7
931、KM−875、X−62−7296A/B、X
−62−7305A/B、X−62−7028A/B、
X−62−5039A/B、X−62−5040A/B
(以上、信越化学工業(株))、RC149、RC30
0、RC450、RC802、RC710、RC71
5、RC720、RC730(以上、ゴールドシュミッ
ト社)、EBECRYL350、EBECRYL136
0(以上、ダイセルUCB(株))などが挙げられる。
さらに長鎖アルキル基を含有するアクリレートあるいは
メタクリレートおよびそのシリコーン変性化合物も良好
な紫外線硬化性の剥離樹脂となる。
【0010】さらに含フッ素系の剥離樹脂としては、単
官能あるいは多官能の含フッ素アクリレートまたはパー
フルオロアルキルアクリレートとして、たとえば、2,2,
2ートリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3ーテトラフ
ルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3ーテトラフルオロ
ブチルジアクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペン
チルアクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデ
シルアクリレート、N-(n-プロピル)-N-(βーアクリロキ
シエチル)ーパーフルオロオクチルスルホン酸アミド、パ
ーフルオロアルキルエチルアクリレートなどが挙げられ
る。商品名としてはビスコート3F、ビスコート4F、
ビスコート8F、ビスコート17F(以上,大阪有機化
学工業(株))、EF−125M(三菱金属(株))、
AE800、AE1014、Hoe T 3605(ヘ
キストジャパン(株))などがある。単官能あるいは多
官能含フッ素メタクリレートまたはパーフルオロアルキ
ルメタクリレートとして、例えば、2,2,2ートリフルオロ
エチルメタクリレート、2,2,3,3ーテトラフルオロプロピ
ルメタクリレート、2,2,3,3ーテトラフルオロブチルジマ
タクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチルメタ
クリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルメ
タクリレート、N-(n-プロピル)-N-(βーメタクリロキシ
エチル)ーパーフルオロオクチルスルホン酸アミド、パー
フルオロアルキルエチルアクリレートなどが挙げられ
る。商品名としてはビスコート3MF、ビスコート4M
F、ビスコート8MF、ビスコート17MF(以上,大
阪有機化学工業(株))、EF−135M(三菱金属
(株))、MAE−600、MAE−1014、MAE
−800、Hoe T 3606(ヘキストジャパン
(株))などがある。
【0011】これらの剥離樹脂は、単独もしくは2つ以
上を混合して使用することができる。また、剥離樹脂と
ともに剥離性を阻害しない範囲で、他の紫外線硬化性あ
るいは電子線硬化性樹脂、あるいはバインダー成分、無
機および有機微粒子などのフィラー、着色剤、酸化防止
剤などの添加物を混入することができる。
【0012】本発明に用いられる光開始剤としては、ジ
およびトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノ
ン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベ
ンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメ
チルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイ
ド、チオキサントン類、アゾ化合物等があり、紫外線硬
化性樹脂の硬化反応のタイプ、安定性、および紫外線照
射装置との適性などの観点から選ばれる。光開始剤の使
用量は、紫外線硬化性樹脂に対して通常0.1〜5%の
範囲である。また、光開始剤にハイドロキノンのような
貯蔵安定剤が併用される場合もある。
【0013】本発明に用いられる増感剤としては、脂肪
族アミン、芳香族基を含むアミン、窒素複素環化合物、
アリル系尿素、O-トリルチオ尿素、ナトリウムジエチル
ジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、
N,N-ジ置換ーP-アミノベンゾニトリル系化合物、トリーnー
ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルチオホスフェー
ト、ミヒラーケトン、N-ニトロソヒドロキシルアミン誘
導体、オキサゾリン化合物、四塩化炭素、ヘキサクロロ
エタン等があり、光開始剤と共用することにより一般に
硬化速度の向上が計れる。
【0014】本発明に用いられる電子線硬化性の剥離樹
脂としては、紫外線硬化性の剥離樹脂と同様な骨格およ
び官能基(エポキシ基を除く)を有する樹脂を用いるこ
とが出来、電子線照射のみにより硬化を行う場合には、
光反応開始剤、増感剤を加える必要はない。
【0015】放射線硬化性の剥離樹脂の塗布量は、限定
されるものではないが、経済的な観点からより薄いこと
が望まれ、好ましくは0.2g/m2〜20g/m2
下、より好ましくは0.5g/m2〜10.0g/m2
下の範囲内である。塗布量が0.2g/m2未満では支
持体上に均一に塗布する事が困難であり、また剥離性を
悪化させる。塗布量が20g/m2を越えても剥離特性
上変わらず、コストのみ向上するし、さらに極端に多く
なると硬化後摩耗などによりシリコーンが脱落しやすく
なる。
【0016】本発明の紫外線あるいは電子線硬化性の樹
脂層を形成する樹脂を塗布する方法としては、グラビア
ロールおよびトランスファロールコーター、バーコータ
ー、ロールコーター、エアナイフコーター、Uコンマコ
ーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マ
イクログラビアコーター、リバースロールコーター、ス
クイズコーター、リップコーター、4本あるいは5本ロ
ールコーター、ブレードコーター、ディップコーター、
落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコータ
ー、などいかなるコーターを用いてもよいが、時間的に
後に塗布する面の塗布には、垂直自由落下型のカーテン
コーターやダイコーターなど、紙面に対して非接触型の
コーターを用いることは良好な表面を得る上で好まし
い。
【0017】本発明に用いる紫外線照射装置としては、
例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタル
ハライドランプ等があり、オゾン発生の少ないオゾンレ
スタイプもある。一般に出力30w/cm以上のランプを
複数本並行して使用する。
【0018】本発明に用いる電子線照射は、透過力、硬
化力の面から加速電圧が100〜1000KVであり、よ
り好ましくは100〜300KVの電子線加速器を用い、
ワンパスの吸収線量が0.5〜20Mradになるよう
にすることが好ましい。加速電圧、あるいは電子線照射
量がこの範囲より低いと、電子線の透過力が低すぎて十
分な硬化が行なわれず、またこの範囲より大きすぎる
と、エネルギー効率が悪化するばかりでなく、樹脂、添
加剤の分解、原紙の強度低下など品質上好ましくない影
響が現われる。
【0019】電子線加速器としては、例えば、エレクト
ロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルス
キャンニングタイプ等の何れでも良い。また電子線照射
の工程において、剥離用シートの表面をさらに鏡面仕上
げにする場合には、処理したい面を鏡面ロールあるいは
鏡面シートと密着させ、その背面あるいはシート面から
電子線を照射して硬化し、鏡面仕上げを施すことができ
る。型付けを施す場合には、型付けロールあるいは型付
けシートを使用してエンボス、微粗面等の所望の型付け
面を得ることができる。
【0020】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、
ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行
い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以
下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0021】本発明に用いられる支持体としては、グラ
シン紙、上質紙、コーテッド紙、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等
の合成樹脂フィルム、またはこれらの合成樹脂を紙に片
面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属
箔、または金属箔と紙、合成樹脂フィルムとの貼り合わ
せ品がある。なお、支持体の坪量は好ましくは4〜25
0g/m2、であり、その表面は、平滑であることが好
ましいが、剥離性能のコントロール上粗面であってもか
まわない。支持体上に剥離樹脂を塗布する前に、支持体
表面にコロナ放電等の表面処理を行なっても良い。
【0022】
【作用】本発明は、両面剥離用シートの製造において、
支持体の片方の面上に紫外線硬化性の剥離層を設けて紫
外線照射により一部を硬化し、支持体の他の面上に電子
線硬化性の剥離層を設けて電子線照射により硬化するこ
とにより、支持体が加熱することを避け、カールやしわ
の発生といったトラブルの発生がなく、電子線照射によ
る支持体の劣化や裏面のピンホール発生、あるいは紫外
線照射により硬化した剥離層の硬化不足という問題を同
時に解決し、両面とも剥離特性の良好な両面剥離用シー
トを効率よく生産できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0024】実施例1 坪量90g/m2の上質紙を支持体として、その裏面に
4本ロールコーターを用いて紫外線硬化性の剥離樹脂
(信越化学工業(株)、商品名KNS−5300)を1
g/m2の塗布量で塗布した。引続き、紫外線照射装置
(ウシオ電気(株)製、商品名ラピッドキュア200
0)により紫外線硬化性の剥離樹脂層の部分硬化を行っ
た。次に表面に電子線硬化性の剥離樹脂(信越化学工業
(株)、商品名X−62ー8218)をダイコーターに
より1g/m2の塗布量で塗布し、塗布面がロールに接
触しないように表面を上にしたまま、電子線照射室内の
酸素濃度を窒素ガス置換により200ppm以下にした電
子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製、商品名キ
ュアトロン)内に導き、電子線加速電圧220KVで吸収
線量3Mradになるように電子線照射して硬化し、両
面剥離用シートを得た。
【0025】実施例2 実施例1と同様の支持体を用い、その裏面にグラビアコ
ーターを用いて、実施例1と同様な紫外線硬化性の剥離
樹脂を1g/m2の塗布量で塗布した。次に表面に実施
例1と同様な電子線硬化性の剥離樹脂を、カーテンコー
ターにより1g/m2の塗布量で塗布した。紫外線照射
装置により裏面の紫外線硬化性の剥離樹脂層の部分硬化
を行った後、表面の塗布面がロールに接触しないように
したまま、電子線照射装置により実施例1と同様な条件
で電子線照射して硬化し、両面剥離用シートを得た。
【0026】実施例3 支持体として、坪量50g/m2のポリエチレンフィル
ム(三菱油化(株)製、商品名LK30)を用い、実施
例1と同様にして両面剥離用シートを得た。
【0027】比較例1 実施例1と同様な上質紙の裏面に、4本ロールコーター
を用いて、実施例1と同様な紫外線硬化性の剥離樹脂を
1g/m2の塗布量で塗布し、紫外線照射装置により硬
化を行った。次に表面に同じ紫外線硬化性の剥離樹脂を
ダイコーターにより1g/m2の塗布量で塗布し、紫外
線照射装置により硬化を行って両面剥離用シートを得
た。
【0028】比較例2 実施例1と同様な上質紙の表面に、4本ロールコーター
を用いて、実施例1と同様な電子線硬化性の剥離樹脂を
1g/m2の塗布量で塗布し、塗布面がロールに接触し
ないようにしたまま、電子線照射装置により3Mrad
の吸収線量により硬化を行った。次に裏面に実施例1と
同じ紫外線硬化性の剥離樹脂をダイコーターにより1g
/m2の塗布量で塗布し、紫外線照射装置により硬化を
行って両面剥離用シートを得た。
【0029】比較例3 実施例1と同様な上質紙の裏面に、4本ロールコーター
を用いて、実施例1と同様な電子線硬化性の剥離樹脂を
1g/m2の塗布量で塗布し、塗布面がロールに接触し
ないようにしたまま、電子線照射装置により3Mrad
の吸収線量により硬化を行った。次に表面に同じ電子線
硬化性の剥離樹脂を、カーテンコーターにより1g/m
2の塗布量で塗布し、塗布面がロールに接触しないよう
にしたまま、電子線照射装置により3Mradの吸収線
量により硬化を行って両面剥離用シートを得た。
【0030】比較例4 実施例1と同様な上質紙の裏面に、4本ロールコーター
を用いて、実施例1と同様な電子線硬化性の剥離樹脂を
1g/m2の塗布量で塗布し、その表面に同じ電子線硬
化性の剥離樹脂をカーテンコーターにより1g/m2
塗布量で塗布し、電子線照射装置により3Mradの吸
収線量により両層同時に硬化を行って両面剥離用シート
を得た。
【0031】比較例5 実施例−1と同様な上質紙の裏面に、熱硬化型シリコー
ン樹脂(信越化学工業(株)、商品名KNS、白金系触
媒 CAT PL−8含有)をシリコーン重量が乾燥状
態で1g/m2の塗布量になるようにグラビアコーター
で塗布した。このようにして得られたシートを、140
℃の乾燥器装置で50秒間加熱し硬化させた。得られた
裏面剥離用シートは、調湿を行った後、表面に同様な熱
硬化性シリコーン樹脂を、乾燥状態で1g/m2の塗布
量になるようにグラビアコーターで塗布、140℃の乾
燥装置中で50秒間加熱し硬化させて両面剥離用シート
を得た。
【0032】以上実施例1〜3、および比較例1〜5で
得られた剥離用シートについて、以下に示す試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0033】試験方法は、以下の通りである。
【0034】[剥離強度変動値D]上質紙上に粘着剤
(東洋インキ(株)製、製品名BPS)を塗布し、標準
粘着シートとして使用した。得られた剥離用シート(幅
25mm)を20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で24時
間放置した後、重量2000g の圧着ローラーで標準粘
着シートに圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で
2時間放置後、テンシロン(東洋ボールドウィン(株)
社製)で剥離角180°、剥離速度30cm/分の条件で
連続して引き剥したときの荷重を剥離強度1とする。こ
れとは別に得られた剥離用シートを20℃、湿度65%
の恒温恒湿器内で2時間放置後、促進条件として40
℃、湿度65%の恒温恒湿器内でさらに3日間放置し、
同様な条件で標準粘着シートに圧着し20℃、湿度65
%の恒温恒湿器内で2時間放置後、テンシロンで連続し
て引き剥したときの荷重を剥離強度2とする。剥離強度
変動値D(%)は剥離強度2の剥離強度1に対する増加
の割合として百分率で示した。
【0035】[残留接着率]得られた剥離用シート(幅
25mm)を20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で24時
間放置した後、重量2000gの圧着ローラーで標準粘
着シートに圧着し20℃、湿度65%、圧力0.1Kg/c
m2の条件下で24時間加圧した。標準粘着シートを剥離
用シートより剥した後、表面を良く磨いた厚さ0.5mm
のステンレス鋼板にはりつけ、重量2000gの圧着ロ
ーラーで圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で1
時間放置後、テンシロンで剥離角180°、剥離速度3
0cm/分の条件で連続して引き剥したときの荷重を剥離
強度として求める。次に、表面を良く磨いた厚さ0.5
mmのステンレス鋼板に標準粘着シートをはりつけ、20
℃、湿度65%、圧力0.1Kg/cm2の条件下で24時間
加圧した。常圧に戻してから、重量2000gの圧着ロ
ーラーで圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で1
時間放置後、テンシロンで、剥離角180°、剥離速度
30cm/分の条件で連続して引き剥したときの荷重を剥
離強度として求める。剥離用シートへ接触後の粘着シー
トの剥離強度を剥離強度3とし、剥離用シート紙へ未接
触の粘着シートの剥離強度を剥離強度4として、残留接
着率R(%)は剥離強度4に対する剥離強度3の割合と
して百分率で表わした。
【0036】[カールおよび表面性]カール、表面光
沢、平滑性は20℃、湿度65%の条件における相対比
較により判定した。
【0037】[ピンホール]剥離用シートのシリコーン
面を染料を溶かしたトルエンで濡らし、その後、溶媒で
表面を洗浄し、ピンホールの多少を観察した。
【0038】[耐折性]剥離用シートを15mm幅に切断
し、JIS P 8115試験法に従い、MIT型テスタ
ーにおいて耐折性の試験を行った。剥離面を設ける前の
支持体の耐折回数に比べて剥離用シートとした場合の耐
折回数が減少する割合を百分率で示した。
【0039】
【表1】 ○:優れる △:普通 ×:劣る 数字または評価が並んでいる欄は表面/裏面を示す。
【0040】評価・・実施例において作成した両面剥離
用シート、および比較例で作成した両面剥離用シート
は、電子線照射により剥離樹脂が強固に硬化されている
ためか、経時促進試験後においても剥離強度の変動が少
ない。また硬化後において未硬化あるいは低分子の剥離
樹脂分が少なく、粘着剤への移行がほとんど起こらず、
残留接着率を低下させない良好な剥離特性を有する両面
剥離用シートである。カール、平滑および光沢などの表
面性、ピンホールについても、剥離樹脂の硬化が常温で
行われ、支持体中の水分量が保持されるため、良好な特
性を有する。耐折性に関しては、電子線照射によりセル
ロースの分解がおこるため、わずかに低下するが実用に
さしつかえる程度ではない。
【0041】これに対し、比較例1で両面とも紫外線硬
化を行った剥離用シートにおいては、剥離樹脂の硬化が
電子線照射の場合ほど強固でなく、経時による剥離強度
の上昇があり、かつ粘着剤への移行成分があるためか残
留接着率の低下が電子線照射の場合に比べて大きい。比
較例2のごとく、電子線照射により片面を作成し、もう
片面を後で紫外線照射により作成した場合でも、紫外線
硬化側の面の剥離特性は、比較例1と同様に悪い。比較
例3のごとく、片面ずつ電子線照射による硬化を行った
場合は、剥離特性や表面性は良好なものの、電子線照射
によるセルロースの分解が顕著で、実用にさしつかえる
ほど耐折性が低下する。比較例4のごとく、剥離樹脂を
支持体の両面に塗布して、1度の電子線照射により両面
の硬化を行った場合には、剥離特性は良好であるが、ロ
ールに当たる面の表面に筋が発生し、かつロール面で剥
離樹脂が固まるため、連続走行できない。比較例5の熱
硬化の場合は、高温加熱処理により紙が乾燥し、かつ水
分量の調節ができないためカール性が悪く、かつ表面に
ピンホールが発生したり、表面光沢がないなど、表面特
性が良くない。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法により、剥離樹脂は電子線
照射により強固に硬化されているため、剥離強度の経時
安定性が良好で、粘着剤への移行がない良好な剥離特性
を有し、製造中に過熱されることがないため、支持体中
の水分量が保持され、カール特性、平滑性、ピンホール
性および光沢などの表面性にすぐれる両面剥離用シート
を安価な方法で供給でき、工業的価値が大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の両面に剥離層を有する両面剥離
    用シートにおいて、少なくとも片面の剥離層が紫外線照
    射および電子線照射により硬化された剥離層であること
    を特徴とする両面剥離用シート。
  2. 【請求項2】 支持体の両面に剥離層を有する両面剥離
    用シートにおいて、片面の剥離層が紫外線照射および電
    子線照射により硬化された剥離層であり、もう片方の剥
    離層が電子線照射により硬化された剥離層であることを
    特徴とする請求項1記載の両面剥離用シート。
  3. 【請求項3】 支持体の両面に剥離層を有する両面剥離
    用シートの製造方法において、支持体の片面に紫外線硬
    化性の剥離樹脂を塗布し、紫外線照射により硬化させた
    後、もう片方の面に電子線硬化性の剥離樹脂を塗布し、
    電子線照射により硬化させるか、又は、片面に紫外線硬
    化性の剥離樹脂ともう片方の面に電子線硬化性の剥離樹
    脂を塗布し、紫外線照射により予備硬化を行い、次いで
    電子線照射による硬化を行なうことを特徴とする両面剥
    離用シートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5603793A (en) * 1993-12-27 1997-02-18 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method of fabricating ceramic green sheets with supporting films
JP2004031427A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Fujicopian Co Ltd セラミック電子部品用生シートの仮止め密着シート
JP2006274483A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 加工用原紙

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004031427A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Fujicopian Co Ltd セラミック電子部品用生シートの仮止め密着シート
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