JP2004031427A - セラミック電子部品用生シートの仮止め密着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】生シートへの切断刃挿入時に発生する応力(刃の挿入により生シートが横方向へ逃げようとする現象)による台座直上のシートのずれを防止して、切断後のチップの内部電極位置のずれを改善すること。
【解決手段】基材フィルムの片面に密着層が設けられたセラミック電子部品用生シートの仮止め密着シートにおいて、該密着層が、式1で表わされる両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなる密着層である。
Figure 2004031427

(式1中、ケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基等である。mは整数を表わす。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック電子部品の製造において、特にセラミックよりなる生シートを積層する工程や、積層した生シートを複数のチップに切断する工程で使用される仮止め密着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサは次のようにして製造されている。
セラミック粉末のスラリーをドクターブレードで薄く延ばしてセラミックの生シートを形成し、該生シートの表面に複数の電極を印刷した後、複数の生シートを積層一体化して生シートの積層体を形成する。次に、該積層体を加熱圧着した後、ダイサーもしくはギロチン刃等の切断具を用いて積層体を縦横に切断して複数のセラミック積層体のチップを形成し、そして、このチップを焼成し、得られたチップの端面に外部電極を形成する。このようにして積層セラミックコンデンサが得られる。
【0003】
上記積層体を一体化する工程および積層体を裁断して生チップを形成する工程では、ポリフィルム等のシートを生シートと台座の間に敷いて仮固定し、切断した後、チップを台座表面のシートから剥離させている。この切断時に、台座に敷かれた固定用シートが台座上でずれた場合、チップの切断位置がずれて、チップの電極位置等の設計値より外れることとなり、製品不良が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セラミック電子部品の製造工程の中でも、特に生シートへの切断刃挿入時に発生する応力(刃の挿入により生シートが横方向へ逃げようとする現象)による台座直上のシートのずれを防止して、切断後のチップの内部電極位置のずれを改善し得るセラミック電子部品用生シートの仮止め密着シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック電子部品用生シートの仮止め密着シートは、基材フィルムの片面に密着層が設けられたセラミック電子部品用生シートの仮止め密着シートにおいて、該密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなる密着層であることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明でいう密着シートとは、密着シートの密着層面を積層セラミックコンデンサ製造工程で使用される台座に張り合わせたものを、張り合わせた面と平行に密着シートをずらす力(以下剪断力と呼ぶ)は、高い値であるにもかかわらず(具体的には、1.0N/cm以上の剪断力をもつもの)、密着シートを台座から剥がす時の力は(以下剥離力と呼ぶ)10mN/12.7mm未満でほとんど0に近いものを指す。従って、一般に呼ばれる粘着シートのように、被着体に対して剪断力が高いと同時に剥離力もそこそこあるもの(具体的には、100mN/12.7mm以上の剥離力をもつ)粘着シートとは異なるものである。
【0007】
なお、本願でいうセラミック電子部品用生シートとは、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック電子部品を製造する工程において使用する、セラミックよりなる生シートおよび生シートの積層体を包含するものとする。
【0008】
本発明の密着シートは、基材フィルムの片面に、以下に説明する密着剤組成物から構成される密着層が積層される。
本発明に係るシリコーンの1形態としては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンとは下記一般式(化1)で表せられる化合物である。
【0009】
【化1】
Figure 2004031427
(式中Rは下記有機基、mは整数を表す)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種または異種の非置換または置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
【0010】
本発明に係るもう1つのシリコーンの形態としては、両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンである。このシリコーンは、上記一般式(化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。また、本発明に係るシリコーンの形態としては、剥離剤として特開平10−120992に開示されている、少なくとも両末端に炭素数が4以上のアルケニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンも入るものである。
【0011】
ここで架橋反応に用いる架橋剤は公知のものでよい。架橋剤の例として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものであるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。
【0012】
架橋反応に用いる白金系触媒は公知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などがあげられる。
【0013】
本発明の係るシリコーンの市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。中でも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛生性、大気汚染の面で非常に利点がある。また、密着層の塗布厚みは、1.1μmを超えることが必要であり、場合によっては、数10μmの厚みに設けることから、溶剤型シリコーンや、エマルション型シリコーンでは、塗工時の溶媒の乾燥に多大なエネルギーがかかり、不経済となるので、本発明に使用するシリコーンは、無溶剤型のシリコーンを用いるのがよい。
【0014】
本発明の密着シートの密着層面を積層セラミックコンデンサ製造工程で使用される台座に張り合わせた場合、張り合わせた面と平行に密着シートをずらす剪断力は、1.0N/cm以上ある。そのため、密着シート上にセラミックの生シートの積層体を加熱圧着した後、切断具を用いて積層体を縦横に切断して複数のセラミック積層体のチップを形成する際に、台座上の密着シートは、台座からずれることはないので、チップの切断位置がずれる問題は、発生しない。
【0015】
また、切断刃は、密着シートの基材の中間部まで侵入されるため、切断後の密着シートは廃棄される。したがって、切断後、速やかに密着シートを剥離させる必要があるが、本発明の密着シートは、台座からの剥離力が10mN/12.7mm以下のため容易に剥離することが可能なものである。
【0016】
密着層の厚みは、1.1〜100μmが好ましい。さらに好ましくは、1.1〜50μmであるとよい。密着層の厚みが、1.1μm未満であると、台座に密着しにくくなり、台座に対する密着シートの剪断力が1.0N/cm未満cm となり、セラミック積層体の切断時にずれが発生する可能性が出てくる。密着層の厚みが、100μmを超えると、密着剤の使用量が多くなり、コスト上不経済となる。
【0017】
密着層の厚みが、1.1μm未満の薄いものでは、密着シートが台座と密着しにくくなり、剪断力は、1.0N/cm未満の小さな値となり、台座への固定用シートとして使用できない。このことについて、以下にさらに詳しく説明する。
【0018】
一般的に、積層セラミックコンデンサの製造工程で使用される台座の材質は、鉄、SUS、アルミ等の金属が用いられている。金属表面の表面はかなり凸凹になっている。例えば、未研磨品のSUS304の表面の表面平均粗さRaをJIS−0601−1994に基づいて測定すると、0.25〜0.73μm程度で、SUSの表面は、かなり凸凹であることがわかる。このSUS表面に、密着シートの密着面を張り合わせた場合、密着層の厚みが薄いと密着層は、金属表面の凸凹にくい込んで密着することが出来なくなる。ところが、密着層の厚みを厚くすることによって、密着層は金属表面の凸凹にくい込んで密着することが出来ようになる。
【0019】
これは、密着力が、非常に近接した合い対する固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力であるところからきている。(「摩擦の科学」裳華房発行、56〜65頁や「接着の基礎理論」高分子刊行会発刊、116〜120頁による。)ファンデルワールス力の届く分子間の距離は、約0.05μmと考えられている。また、ファンデルワールス力は、合い対する物質の接触面における互いの分子間の距離の7乗に反比例するものである。
【0020】
従って、図1に示すように、被着体の表面粗さが大きく、密着層の厚みが小さい場合には、密着シートを被着体に合わせて加圧しても、密着層は、被着体の表面の凸凹の凹部にくい込んで密着しにくくなり、おのずと被着体と密着層の間に隙間が発生し、ファンデルワールス力は、ほとんど発生しなくなる。密着層の厚みが被着体の凸凹に対して、充分厚みがある場合であっても密着層が硬い材質であって、密着層が、被着体の凸凹に沿うことができなければ、同じようにファンデルワールス力は、発生しない。
【0021】
図2に示すように、被着体の表面粗さが大きくても密着層の厚みが充分厚く、密着層が柔軟な材質の場合には、密着層と被着体とを圧着することにより、被着体と密着層間の間隙は、極めて小さくなり、ファンデルワールス力が発生することになる。
【0022】
以上の説明の通り、本発明の目的にかなう密着層の性状としては、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体の表面の凸凹に対しても密着層の面が凸凹に沿い、ファンデルワールス力が発生することが求められる。さらに剥離の際には、小さい剥離力で、容易に剥離できることが求められる。
【0023】
ゴムのような柔軟性が必要であってもシリコーンゴムのような柔らかいもの(柔らかさの程度は、JIS K 6301−1975の試験機A形で測定した硬度が50以下程度のゴムをいう。)を密着層として形成された密着シートでは、積層した生シートを複数のチップに切断する時に密着層自体が層の平行方向に動くことにより、正確な加工がしにくいものとなって使用できない。
【0024】
本発明者らは、鋭意研究の結果、前記の密着層の性状にかなう組成物としては、数千種類ある(信越化学工業(株)のホームページでは、「4800種以上のシリコーン製品を製造、販売しています。」と記載されている。)と言われる数多くの品種があるシリコーンの中でも、シリコーン両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなるものが、最適な組成物であることをつきとめたのである。
【0025】
尚、本発明に係る2種の形態のシリコーンは、一般工業製品では、粘着シートに重ね合わせる剥離紙用の剥離剤として使用されるものである。例えば、特開平10−140099には、本発明に係る2種の形態のシリコーンを剥離紙用の剥離剤として使用されていることが記載されている。しかしながら、剥離紙用シリコーンの塗布量は、「シリコーンハンドブック」(日刊工業発刊)の519頁で記載されているように、表面固形分で0.1〜1.0g/m(厚さ0.1〜1.0μm)程度と非常に少ないものである。従って、本発明に係る2種の形態のシリコーンを剥離剤として塗布した剥離紙ないし剥離シートは、本発明の密着シートとして使用することは、塗布厚みが少ないことから使用できないものである。
【0026】
本発明の密着シートに使用される基材フィルムは、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムの単層体またはこれらの複層体からなる厚さが10〜500μmのシートなどがあげられる。好ましくは、厚さが、50〜200μmのポリエステルフィルムが良い。ポリエステルフィルムが好ましいのは、密着層との密着性が良いことと、適度なこしがあることにより、製造工程でのハンドリングがよいためである。
【0027】
基材フィルムの表面に密着層との密着性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー層塗工等を施してもよい。
本発明に係るシリコーンの塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等が適宜使用される。
【0028】
密着層の表面の汚れや異物付着を防いだり、密着シートのハンドリングを向上させるために薄葉紙等の合紙を密着層面に張り合わせることができる。
【0029】
本発明の密着シートの密着層は、基材フィルムの両面に設けてもよいが、一方の面に密着層を設け、反対面に、セラミックの生シートとの接着性を強く保つために、粘着層を設けてもよい。粘着層としては、粘着剤中に熱膨張性微少球を含有させたものや、粘着層に加熱や、光照射、放射線照射することにより、粘着層が硬化し、粘着力が低下する形態のもの等が知られているが、いずれの形態のものでも適宜使用することができる。
【0030】
【実施例】本発明を下記実施例によってさらに具体的に説明するが、勿論本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。各実施例中「部」は特に断らない限り、「重量部」を示すものである。
実施例1〜15
表1〜3の成分を厚み100μmのPETフィルムに、表中の塗布厚みで設けた後、オーブンにて150℃、100秒で架橋させて密着シートを作製した。
【0031】
【表1】
(部)
Figure 2004031427
【0032】
【表2】
(部)
Figure 2004031427
【0033】
【表3】
(部)
Figure 2004031427
比較例1
何も塗布しない厚み100μmのPETフィルムをそのまま使用した。
【0034】
実施例1〜15、比較例1の密着シートを以下の方法で、被着体として、SUS304板に対する剪断力と剥離力を測定した。被着体のSUS板は、SUS板の表面を研磨して、3つのレベルの表面粗さのSUS板を用いた。SUS板の表面粗さ(Ra)(Ry)は、JIS−B0601−1994に基づき、表面粗さ測定器(株式会社小坂研究所製サーフコーダーSE3500)を用いて測定した。測定器の触針の半径は、2.0μmで、荷重は0.3mNである。SUS板の表面粗さは、表4の通りである。SUS板のサイズは、40mm×150mm×2.0mm(厚み)のものを使用した。
【0035】
【表4】
Figure 2004031427
【0036】
剪断力の測定方法
各密着シートサンプルを1cm角の大きさにカットする。図3のように測定台上に、SUS板(研磨面を上にする)を載せ、密着シートの密着層面と重ね合わせる。密着シートと上質紙は、両面接着シートを介して貼り合わせる。プレス棒にて、密着シート部を13.1MPaの圧力で10秒間圧着させる。圧着を解放直後より、上質紙(幅12mm)をつかんで引張りをスタートする。引張り速度は、180mm/minである。引張り時の最大の力を読む。各サンプル毎に5回測定した値の平均値を記録した。
剥離力の測定方法
各密着シートサンプルを12.7mm×50mmにカットする。厚み6μmのPETフィルムを12.7mm×130mmにカットして、密着シートの密着面を合わせる。JIS Z 0237に記載された手動式圧着装置を用いて、サンプルの上から毎分約300mmの速さで1往復させて圧着する。圧着してから40分間放置後、厚さ6μmのPETフィルムの遊びの部分を180度折り返し、図4のように測定台にサンプルを置き、毎分300mmの速さで引き剥がす。側長50mmの間の剥離力の平均値を読む。各サンプル毎に2回測定した値の平均値を記録した。
【0037】
尚、PETフィルムを引き剥がす途中で、PETフィルム自身で、剥離帯電し、180度折り返したPETフィルムと、密着層と密着しているPETフィルムが引っ付く現象が生じる。このPETフィルムどうしが引っ付くと剥離力値が上がって、正確な測定ができない。そこで、携帯除電器(株式会社石山製作所)を使って引き剥がしているPETフィルムに向けて除電処理を行いながら引き剥がした。
【0038】
JIS K 6854で規定される接着剤のはく離接着強さ試験方法は、被着体SUSに対して密着シートを貼りつけ、密着シートを引き剥がして測定するものである。ところが、本発明の密着シートの剥離力は、極小値のため前記JISの方法でSUS板に密着させた密着シートの遊びの部分を180度折り返ししようとすると基材フィルムの腰の強さで一瞬にして密着シート全体が剥離してしまい、測定することができなかった。よって、上記の方法のように、密着シートを剥離する方法をとらないで、便宜上、フィルムの腰の弱い厚み6μmのPETフィルムを密着シートに密着させて剥離する方法をとった。
測定結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
Figure 2004031427
剪断力は、1.0N/cm以上が実用範囲である。
【0040】
【発明の効果】表5の通り、実施例1〜15の密着シートは、SUS板の研磨品、鏡面研磨品については、いずれも、剪断力は、1.0N/cm以上であり、剥離力は、2.1mN/12.7mm以下で極めて小さい力で剥離が可能なものである。SUS板未研磨品に対しては、密着層の塗布厚みが5μm以下では、剪断力は0であるが、塗布量を10μm以上に上げることにより、剪断力は、1.0N/cm以上に上がり、実用範囲のものとなる。密着層を設けていない比較例1は、いずれのSUS板に対しても剪断力は、0で密着性のないものであった。
【0041】
したがって、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック電子部品の製造において、特にセラミックよりなる生シートを積層する工程や、積層した生シートを複数のチップに切断する工程で本発明の仮止め密着シートを使用すると、密着シートのずれが無く、正確に設計値通りの切断を可能にする。また、切断後に、密着シートを剥離して廃棄する際には、剥離力が極めて小さいので、容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】台座の表面粗さに対して密着層の厚みが薄い密着シートを密着させた図
【図2】台座の表面粗さに対して密着層の厚みが充分厚い密着シートを密着させた図
【図3】剪断力の測定方法の説明図である。
【図4】剥離力の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1:密着シート
2:密着層
3:基材フィルム
4:SUS板
5:両面接着テープ
6:測定台
7:上質紙
8:プレス棒
9:PETフィルム(6μm厚)
10:被着体

Claims (2)

  1. 基材フィルムの片面に密着層が設けられたセラミック電子部品用生シートの仮止め密着シートにおいて、該密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなる密着層であることを特徴とする仮止め密着シート。
  2. 前記密着層の厚みが1.1〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の仮止め密着シート
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