JP5586320B2 - 導電性シリコーンゴムシート - Google Patents
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Description
このように多くの用途があるシリコーンゴムシートは、装着される機器の小型・軽量化の要請および製造コスト低減の要請に応じて接着固定されることが多い。
また、シリコーンゲルは機械的強度が小さいために形状が簡単に変化したり、裂けたりして取り扱い性が悪い。このため、特許文献2に記載の発明では、片面にシリコーンゴム皮膜を形成し、取り扱い性を向上させているが、必ずしも十分とはいえない。
さらに、特許文献3では、リワーク性は考慮されているが、取扱い性に劣り、また3層構造を必須とするため薄膜化が難しいなどの問題がある。
このように、上記特許文献1〜3に記載されたシートよりも、より簡便に、優れた導電性、放熱性及びリペア性を有する取り扱い性に優れたシリコーン複合体が求められる。
本発明のシリコーンゴムシート複合体としては、シリコーンゴムシートの少なくとも片面側に、ポリオルガノシロキサンを含有する組成物の硬化物から成る粘着層が積層された構成を有し、該粘着層面のガラス板に対する180°剥離粘着力が0.2以上3.0N/25mm未満であるものであれば、特に制限されず、粘着層面のガラス板に対する180°剥離粘着力を0.2以上3.0N/25mm未満とすることで、リペア性に優れたシリコーンゴム複合体とすることができる。剥離粘着力が0.2N/25mm未満であると粘着性に劣り、3.0N/25mm以上であると、被着体の表面に糊残りが発生するなどの問題が起こる。
粘着性とリペア性とはトレードオフの関係にあり、両者を両立させることは難しいことであるが、180°剥離粘着力を上記の範囲とすることによって、これらを両立することが可能となる。
上記シリコーンゴムシートとしては、例えば、次に示すようなシロキサン骨格、すなわち、下記式(1)に示されるようなシロキサン骨格を有するポリオルガノシロキサンを架橋することにより得られるものを挙げることができる。
より具体的には、Rの全てがメチル基であるポリジメチルシロキサンをはじめ、メチル基の一部が他のアルキル基、ビニル基、フェニル基、フルオロアルキル基などの一種あるいはそれ以上と置換された各種のポリオルガノシロキサンを単独あるいは二種類以上ブレンドしたものを使用することができる。
さらに、シリコーンゴムシートには、従来添加することが知られている添加剤を本発明の物性を損なわない範囲で添加してもよい。フュームドシリカ、沈殿シリカ、ケイソウ土、石英粉などの補強性充填剤や各種加工助剤、耐熱性向上剤などの他、エラストマーとしての機能性を持たせる各種添加剤を含有するものである。この機能性添加剤としては、難燃性付与剤、放熱性フィラー、導電性フィラー等が挙げられる。
本発明のシリコーンゴムシート複合体は、ポリオルガノシロキサンを含有する組成物の硬化物から成る粘着層が積層された構成を有し、粘着層の構成成分であるポリオルガノシロキサンとしては、上述と同様のものを挙げることができ、上述の添加剤を加えることもできる。
本発明のシリコーンゴムシート複合体の厚みとしては、例えば、100μm〜600μmの範囲とすることができ、好ましくは、200μm〜500μmの範囲であり、より好ましくは、300μm〜400μmの範囲である。
また、シリコーンゴムシートに積層される粘着層の厚みとしては、追従性や密着性などの観点から、100μm〜300μmとすることが好ましく、100〜200μmの範囲とすることがより好ましい。
本発明のシリコーンゴムシート複合体の厚さ方向の抵抗値は、1.0×1010Ω以下であることが好ましい。抵抗値が高すぎるとノイズ対策の効果は薄れ、電子部品から放射されるノイズが、その周囲に配置された他の電子部品や電子回路を誤動作させたりする虞がある。厚さ方向の抵抗値を所望の範囲とするには、例えば、上述の添加剤の欄で示した機能性添加剤である導電性フィラーをシリコーンゴムシートや粘着層に添加する方法が挙げられる。
本発明のシリコーンゴムシート複合体のJIS R 2616に準拠して測定した熱伝導率は、0.4W/m・K以上であることが好ましい。熱伝導率が低すぎると十分な放熱対策が取れず、この発熱が電子部品の特性を変化させるなどして、電子部品を誤動作させたりする虞がある。熱伝導率を所望の範囲とするには、例えば、上述の添加剤の欄で示した機能性添加剤である放熱性フィラーをシリコーンゴムシートや粘着層に添加する方法が挙げられる。
シリコーンゴムシートに粘着層を積層する方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用することができ、例えば、シリコーンゴムシート上に、ポリオルガノシロキサンを含有する組成物をコーティングすることにより粘着層を設けることができる。また、予め離型性のある基材、例えばフィルムおよびシート上に粘着層を設けておき、その後、離型性のある基材から粘着層をシリコーンゴムシート上に転写することにより、粘着層を設けてもよい。
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
導電性のミラブル型シリコーンゴム原料(商品名「XE23−A6001」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を使用し、フラットPET(ポリエチレンテレフタレート)シートでサンドイッチした状態で架橋させ、厚さ300μmのシリコーンゴムシートを得た。
また、上記原料にミラブル型シリコーンゴム原料(商品名「X−30−1193−U」、信越化学工業株式会社)を40%加えブレンドしたものを、フラットPET(ポリエチレンテレフタレート)シートに挟んで100μmの厚さに成型し、上記300μm厚シートにプライマー無しで積層後、2層目が動的粘弾性測定により、周波数10Hz、温度23℃で測定した損失係数(Tanδ)が0.10〜0.60の範囲になるよう架橋度を調整し、厚さ400μmの粘着性を付与した導電性シリコーンゴムシートを得た。損失係数(Tanδ)は0.26であり、また、このシートの厚さ方向の抵抗値は15.3KΩであった。
実施例1と同原料(商品名「XE23−A6001」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を使用し、フラットPET(ポリエチレンテレフタレート)シートでサンドイッチした状態で架橋させ、厚さ300μmのシリコーンゴムシートを得た。また、これと同じ原料(商品名「XE23−A6001」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)をフラットPETで挟んで100μmの厚さに成型し、上記300μm厚シートにプライマー無しで積層後、架橋させ、厚さ400μmの粘着性を付与した導電性シリコーンゴムシートを得た。この時の損失係数(Tanδ)は0.15であった。また、厚さ方向の抵抗値は1.8KΩであった。
放熱性のミラブル型シリコーンゴム原料(商品名「XE20−A8579」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を使用し、フラットPET(ポリエチレンテレフタレート)シートでサンドイッチした状態で架橋させ、厚さ300μmのシリコーンゴムシートを得た。
また、同原料(商品名「XE20−A8579」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)をフラットPETで挟んで100mμmの厚さに成型し、上記300μm厚シートにプライマー無しで積層後、2層目が動的粘弾性測定により、周波数10Hz、温度23℃で測定した損失係数(Tanδ)が0.10〜0.50の範囲になるよう架橋度を調整し、厚さ400μmの粘着性を付与した放熱性シリコーンゴムシートを得た。損失係数(Tanδ)は0.37であり、また、このシートの熱伝導率は0.6W/m・Kあった。
実施例1と同様の原料を使用し、フラットPET(ポリエチレンテレフタレート)シートと、片面にミラブル型シリコーンゴム用プライマー(商品名「XP81−A6361」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を塗布したフラットPET(ポリエチレンテレフタレート)シートでサンドイッチさせた状態で架橋し、厚さ365μmのシリコーンゴムシートを得た。
このプライマー処理したPETのゴム表面側に導電性アクリル粘着テープ(商品名「ダイタック#8035N」、DIC株式会社製)を貼り合わせ、厚さ400μmの粘着性を付与した導電性シリコーンゴムシートを得た。粘着テープの損失係数(tanδ)は0.67であり、また、このシートの厚さ方向の抵抗値は800KΩであった。
・測定方法:180度剥離法
PETを裏打ちした機能性シリコーンゴムシート(試料幅:25mm)の粘着性物質側をガラス板にハンドローラーを用いて1往復で貼り合わせ、常温で5分放置後の粘着力を測定した (試験速度:300mm/min) 。
・ 抵抗値は厚み方向の抵抗値を測定した。
50mm×50mmのSUS板(SUS304、厚み0.2mm)に40mm×40mmサイズにカットした測定試料を挟み、デジタルハイテスター3256(日置電機株式会社製)を使用して厚み方向の抵抗値を測定した。
熱伝導率はJIS R 2616に準拠して測定した。
リペア性については、50mm×50mmサイズにカットした各試料をガラスにラミネート用ローラーで貼り合わせ、常温で1時間放置後、ピンセットで剥がした際にガラスへの糊残り有無を確認した。
一方で、比較例1のシリコーンゴムシート複合体は、導電性には優れるもののリペア性に劣るものであった。
2 粘着層
3 シリコーンゴムシート
Claims (4)
- シリコーンゴムシートの片面側に、ポリオルガノシロキサンを含有する組成物の硬化物から成る粘着層が積層された構成を有し、該粘着層面のガラス板に対する180°剥離粘着力が0.2以上3.0N/25mm未満であって、かつ、厚さ方向の抵抗値が1.0×1010Ω以下であることを特徴とする導電性シリコーンゴムシート。
- 前記粘着層は、周波数10Hz、温度23℃で測定した損失係数(Tanδ)が0.10〜0.50の範囲内にある、請求項1に記載の導電性シリコーンゴムシート。
- JIS R 2616に準拠して測定した熱伝導率が、0.4W/m・K以上である、請求項1または2に記載の導電性シリコーンゴムシート。
- 再使用可能な請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性シリコーンゴムシート。
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