JP2019071380A - 熱伝導性複合シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
熱伝導性複合シートは、高硬度熱伝導性シリコーン層と低硬度熱伝導性シリコーン層からなる。高硬度熱伝導性シリコーン層と低硬度熱伝導性シリコーン層の間にはプライマー層はない。以下、これらについてさらに詳細に説明する。
高硬度熱伝導性シリコーン層の硬度については、ショアA硬度が60以上かつ97以下であり、より好ましくは75以上かつ95以下である。ショアA硬度が60未満であれば、上述した高硬度熱伝導性シリコーン層の特徴である取扱い性が損なわれてしまう。一方、ショアA硬度が97を超えると、高硬度熱伝導性シリコーン層が硬すぎるため折り曲げると折れてしまう。
低硬度熱伝導性シリコーン層の硬度はアスカーC硬度が50以下であり、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下である。アスカーC硬度が50を超えると、発熱体と冷却部材の界面に熱伝導性複合シートを実装した際の密着性が悪くなり、発熱体の熱を十分に冷却部材に伝えることができない。
熱伝導性複合シートの製造方法の一例について説明する。シリコーン成分、熱伝導性充填材、及び有機過酸化物を含む熱伝導性シリコーン組成物(高硬度熱伝導性シリコーン組成物)を適量のキシレンで希釈して、コンマコーター等の塗工装置で所定の厚みに塗工する。これを80℃環境下で有機溶剤を揮発させ、未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層を得る。その後、低硬度熱伝導性シリコーン層用のシリコーン成分、及び熱伝導性充填材を含む熱伝導性シリコーン組成物(低硬度熱伝導性シリコーン組成物)を、上記で得られた未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層上にコンマコーターで所定の厚みに塗布する。これを例えば150℃環境下で各層を同時に硬化させることにより高硬度熱伝導性シリコーン層と低硬度熱伝導性シリコーン層を積層させてなる熱伝導性複合シートを得る。
高硬度熱伝導性シリコーン組成物の調製に使用した原料を以下に示す。
(a)成分:平均重合度8000の、ジメチル基で両末端封鎖した、ジメチルポリシロキサン
(d)成分:熱伝導性充填材
(d−1)成分:平均粒径10μmの水酸化アルミニウム
(d−2)成分:平均粒径1μmの水酸化アルミニウム
(ア)成分:有機過酸化物
(ア−1)成分:2−メチルジベンゾイルパーオキサイド
(アー2)成分:2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパ−オキシヘキサン
低硬度熱伝導性シリコーン組成物の調製に使用した原料を以下に示す。
(b)成分:下記化学構造式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(c)成分:下記化学構造式(2)で表される、側鎖が水素で封鎖されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(d)成分:熱伝導性充填材
(d−3)成分:平均粒径10μmの球状アルミナ
(d−4)成分:平均粒径1μmの球状アルミナ
(イ)成分:5%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液
(e)成分:エチニルメチリデンカルビノール(付加反応制御剤)
[実施例1]
得られた高硬度熱伝導性シリコーン組成物1に対して、トルエンを適量添加した。これをフッ素処理フィルム上に塗工した後、80℃でトルエンを揮発させ、100μm厚の未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを25℃で1週間保管した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物を未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを150℃で10分間硬化させ、熱伝導性複合シートを得た。
得られた高硬度熱伝導性シリコーン組成物1に対して、トルエンを適量添加した。これをフッ素処理フィルム上に塗工した後、80℃でトルエンを揮発させ、100μm厚の未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを25℃で8ヵ月保管した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物を未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを150℃で10分間硬化させ、熱伝導性複合シートを得た。
得られた高硬度熱伝導性シリコーン組成物2に対して、トルエンを適量添加した。これをフッ素処理フィルム上に塗工した後、80℃でトルエンを揮発させ、100μm厚の未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを25℃で1週間保管した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物を未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを150℃で10分間硬化させ、熱伝導性複合シートを得た。
得られた高硬度熱伝導性シリコーン組成物2に対して、トルエンを適量添加した。これをフッ素処理フィルム上に塗工した後、80℃でトルエンを揮発させ、100μm厚の未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを25℃で8ヵ月保管した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物を未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを150℃で10分間硬化させ、熱伝導性複合シートを得た。
得られた高硬度熱伝導性シリコーン組成物1をキシレンで希釈し、フッ素処理PETフィルム上に塗工した。これを80℃で5分間乾燥した後、150℃で10分間硬化させ、100μm厚の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを25℃で1週間保管した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物を高硬度熱伝導性シリコーン層上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを120℃で10分間硬化させ、熱伝導性複合シートを得た。
上記高硬度熱伝導性シリコーン組成物1をキシレンで希釈し、フッ素処理PETフィルム上に塗工した。これを80℃で5分間乾燥した後、150℃で10分間硬化させ、100μm厚の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。さらに、上述の式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(平均重合度:o=0、p=38)の1%トルエン溶液を高硬度熱伝導性シリコーン層上にグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させて、オルガノハイドロジェンポリシロキサン処理の高硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを25℃で1週間保管した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物をオルガノハイドロジェンポリシロキサン処理の高硬度熱伝導性シリコーン層上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを120℃で10分間硬化させ、熱伝導性複合シートを得た。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン処理の高硬度熱伝導性シリコーン層の保管期間を8か月としたこと以外は、比較例2と同様の方法で熱伝導性複合シートを得た。
比較例1と同様の方法で100μm厚の高硬度熱伝導性シリコーン層を得て、これを25℃で1週間保管した。次に、高硬度熱伝導性シリコーン層にプラズマ処理を施した後、低硬度熱伝導性シリコーン組成物をこの上に塗布し、1mm厚の未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を得た。これを120℃で10分間硬化させて熱伝導性複合シートを得た。なお、プラズマ処理は大気圧ダイレクトプラズマ発生装置を用い、アルゴンと酸素の混合気体中で出力210Wの条件で行った。
[密着性]
高硬度熱伝導性シリコーン層と低硬度熱伝導性シリコーン層との密着性を、高硬度熱伝導性シリコーン層から低硬度熱伝導性シリコーン層を剥がした時に、低硬度熱伝導性シリコーン層が凝集破壊するか、界面剥離するかで評価した。結果を表3及び表4に示す。
得られた熱伝導性複合シートを60℃で3ヵ月間エージングした後、経時変化した熱伝導性複合シートについて、30%圧縮する時にかかる圧縮応力を測定した。測定には島津オートグラフを用い、圧縮速度は0.5mm/minとした。結果を表3及び表4に示す。
Claims (10)
- 熱伝導性複合シートの製造方法であって、
有機過酸化物を有効量含む未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層上に、未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を積層させた後、前記未硬化の高硬度熱伝導性シリコーン層と前記未硬化の低硬度熱伝導性シリコーン層を同時に硬化させて、ショアA硬度が60以上かつ97以下である高硬度熱伝導性シリコーン層と、アスカーC硬度が50以下である低硬度熱伝導性シリコーン層からなる熱伝導性複合シートを得ることを特徴とする熱伝導性複合シートの製造方法。 - 前記高硬度熱伝導性シリコーン層及び前記低硬度熱伝導性シリコーン層の熱伝導率を1W/mK以上とすることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性複合シートの製造方法。
- 前記高硬度熱伝導性シリコーン層の厚みを0.05mm以上かつ0.5mm以下とし、前記低硬度熱伝導性シリコーン層の厚みを0.1mm以上かつ20mm以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性複合シートの製造方法。
- 前記高硬度熱伝導性シリコーン層を、補強材を含むものとすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性複合シートの製造方法。
- 前記補強材を、ガラスクロスとすることを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性複合シートの製造方法。
- ショアA硬度が60以上かつ97以下である高硬度熱伝導性シリコーン層と、アスカーC硬度が50以下である低硬度熱伝導性シリコーン層からなる熱伝導性複合シートであって、前記高硬度熱伝導性シリコーン層から前記低硬度熱伝導性シリコーン層を剥がしたときに、前記低硬度熱伝導性シリコーン層が凝集破壊するものであることを特徴とする熱伝導性複合シート。
- 前記高硬度熱伝導性シリコーン層及び前記低硬度熱伝導性シリコーン層の熱伝導率が1W/mK以上であることを特徴とする請求項6に記載の熱伝導性複合シート。
- 前記高硬度熱伝導性シリコーン層の厚みが0.05mm以上かつ0.5mm以下であり、前記低硬度熱伝導性シリコーン層の厚みが0.1mm以上かつ20mm以下であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の熱伝導性複合シート。
- 前記高硬度熱伝導性シリコーン層が、補強材を含むものであることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の熱伝導性複合シート。
- 前記補強材が、ガラスクロスであることを特徴とする請求項9に記載の熱伝導性複合シート。
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