JP3574524B2 - フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板製造時のレジストパターニングの際に用いられるフォトマスク保護用粘着フィルムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来よりプリント配線基板などを製作する場合には、液状レジストのような粘着性を有する樹脂材料が使用されることが多い。このレジストをフォトマスクと呼ばれるネガフィルムを介して紫外線を照射することによりレジストを硬化させる。フォトマスクの表面を保護する目的で従来よりポリエステル粘着テープが使用されているが、粘着性のレジストから容易に剥離するために、表面に剥離処理を施した粘着テープが使用されている。
【０００３】
又、特開平４−３５５７５９号公報などにより、厚み３〜２５μｍのポリエステル基材の片面に粘着剤層が、他の面に離型層が設けられたフォトマスク表面保護フィルムは知られている。
【０００４】
フォトマスク保護用フィルムとしては、▲１▼高い光線透過率を有する、▲２▼紫外線により粘着物性が低下しない、▲３▼フォトマスクに粘着剤を残さずに剥離できる、▲４▼離型処理層が高耐久性を有する、等の条件が要求される。
【０００５】
従来行われていたフォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法は、厚み４〜６μｍという薄い基材フィルムに離型剤をグラビアコーターなどを用いて塗布乾燥し、これをロール状に巻取り、次の工程でロールから繰り出して離型層とは反対側の基材面に粘着剤層を積層し、該粘着剤層面に剥離紙を貼り合わせることが一般的であった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の製造方法によると、基材フィルムの厚みが４〜６μｍという薄いものであるため、基材フィルムにしわができ易い、離型剤の塗布すじや塗布むらが生じる、乾燥のための温度が高すぎると収縮が生じてしわやすじができ易く、乾燥温度を低くするとシリコーン離型剤の硬化不足や基材との密着性が悪くなり、また、生産性も悪くなるという問題があった。
【０００７】
また、離型剤を塗布した基材フィルムを粘着加工するまでロール状に巻いて保管するので、離型剤の一部が基材フィルムの背面に転写される。この面に粘着剤を積層すると基材フィルムと粘着剤との密着性が低下し、フォトマスクから剥離すると粘着剤が残されるという問題もあった。
【０００８】
本発明は上記従来の問題点を解消し、すぐれた表面剥離性を有し、フォトマスク表面から糊残りせずに剥離でき、生産性のよいフォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法は、ポリエステルフィルムからなる基材の片面に剥離処理層が設けられ、基材の他の面に粘着剤層及び剥離紙がこの順に積層されてなるフォトマスク保護用粘着フィルムを製造するに際し、基材の一面に粘着剤層及び剥離紙を積層し、その後、基材の裏面に離型剤を塗布することを特徴とする。
【００１０】
本発明で粘着フィルムに用いる基材としては、透明で光線透過率が高いポリエチレンテレフタレートフィルムが最適である。その厚みは４〜２５μｍのものが好ましく、全光線透過率は８０％以上であることが好ましい。
【００１１】
粘着剤としては耐久性にすぐれたアクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系樹脂を有機溶剤に溶解した溶剤型アクリル系粘着剤、無溶剤型アクリル系粘着剤、エマルジョン型アクリル系粘着剤、紫外線や可視光線などにより活性化する光硬化型アクリル系粘着剤、エレクトロンビーム硬化型アクリル系粘着剤のいずれも用いることができる。
【００１２】
上記粘着剤には粘着付与樹脂、柔軟剤、界面活性剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋反応触媒、充填剤などを必要に応じて適宜添加してもよい。
本発明における粘着剤の粘着力は、粘着フィルムとしてステンレス板に貼り付けたものを、２３℃で３００ｍｍ／分の速度で１８０度剥離したときの剥離力が５０〜５００ｇ／２５ｍｍの範囲であることが好ましい。
【００１３】
基材に積層された粘着剤層に積層する剥離紙は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムの一面をシリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤及びその他の有機系離型剤により剥離処理したものが使用できる。
【００１４】
上記離型剤としては付加反応型シリコーン、縮合反応型シリコーン、紫外線硬化型シリコーン、エレクトロンビーム硬化型シリコーンなどのシリコーン系離型剤が挙げられる。
【００１５】
本発明で基材に粘着剤層及び剥離紙をこの順に積層するには、ポリエステルフィルム基材に粘着剤を直接塗布乾燥し、形成された粘着剤層面に剥離紙を貼り合わせてもよく、又、剥離紙の剥離処理面に粘着剤を塗布乾燥して粘着剤層を形成し、該粘着剤層を剥離紙とともにフィルム基材に貼り合わせて粘着フィルムとしてもよい。粘着剤の塗工方法は目的の粘着剤層が得られれば特に限定されないが、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、キスロールコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター等を用いることができる。
【００１６】
粘着剤が光重合性組成物である場合、紫外線や可視光線からなる活性光線照射やエレクトロンビーム照射の工程を単独あるいは乾燥工程と併用して用いることができる。
【００１７】
以上のようにして得られた粘着フィルムの基材の背面に、前記離型剤を塗布乾燥してフォトマスク保護用粘着フィルムが得られる。
離型剤の塗工も粘着剤の塗工と同様にして行うことができ、離型剤が光重合性組成物からなる場合も同様にして行うことができる。
【００１８】
（作用）
基材の一面に粘着剤層及び剥離紙を積層し、その後、基材の裏面に離型剤を塗布するので、基材フィルムに剥離紙の厚みが加わってこしが強くなるので、離型剤の塗布乾燥工程でしわやすじが発生せず、生産性よく製造することができる。また、剥離紙が積層された後で基材の反対面に剥離処理がなされるので、これをロール状に巻いて保管しても、粘着剤を塗布する基材面と剥離処理面とが接することがなく、粘着剤層と基材とのすぐれた密着性が得られる。
従って、フォトマスクに貼り合わせたこの粘着フィルムを剥がしても、フォトマスクに糊残りしないすぐれた剥離性能が得られる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明する。材料として以下のものを準備した。
基材フィルム
ポリエチレンテレフタレートフィルム（東レ社製，商品名「６ＣＦ５３」，厚み６μｍ）
剥離紙
片面シリコーン剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム（帝人社製，商品名「Ｓ−３１」，厚み２５μｍ）
粘着剤
ブチルアクリレート９５重量部、アクリル酸４重量部及び２−ヒドロキシエチルアクリレート１重量部を常法に従い溶液重合法により共重合し、得られた共重合体をトルエンで希釈し固形分２０重量％の共重合体溶液を得た。次いでこの共重合体溶液に、上記共重合体１００重量部に対し、固形分４５重量％の芳香族イソシアネートを３重量部添加し、３０分間攪拌して均一に混合し粘着剤を作製した。
離型剤
付加型シリコーン離型剤（東レ・ダウコーニング・シリコーン社製，商品名「ＳＤ７３３３」）１００重量部と、触媒（東レ・ダウコーニング・シリコーン社製，商品名「ＳＲＸ２１２ＣＡＴ」）０．６重量部、トルエン５００重量部を混合、攪拌して離型剤を作製した。
【００２０】
（実施例１）
剥離紙の剥離処理面に粘着剤をコンマコーターで塗布し、１００℃で１分間乾燥して厚み２μｍの粘着剤層を形成し、該粘着剤層を剥離紙とともに基材に貼り合わせて剥離処理していない粘着フィルムを得た。
次に、上記粘着フィルムの基材の反対面に、離型剤をマイヤーバーコーターを用いて塗布量が０．３ｇ／ｍ２ （原液）となるように塗布し、１３０℃で１分間乾燥してフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２１】
（実施例２）
基材に粘着剤を直接塗布乾燥して形成した粘着剤層に剥離紙を貼り合わせた以外は実施例１と同様にしてフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２２】
（比較例１）
マイヤーバーコーターを用いて基材に離型剤を塗布量が０．３ｇ／ｍ２ （原液）となるように塗布し、１３０℃で１分間乾燥してロール状に巻き取った。このロール状の基材を室温で１週間放置した後、実施例１と同様にして剥離紙に粘着剤層を形成し、この粘着剤層を基材の剥離処理面と反対面に貼り合わせてフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２３】
（比較例２）
離型剤の乾燥条件を８０℃、１分間とした以外は比較例１と同様にしてフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２４】
性能評価
実施例１、２及び比較例１、２で得たものを下記の項目について評価した。
その結果を表１に示す。
（１）フィルムのしわ：基材フィルムのしわの発生の有無を目視で観察した。
（２）離型剤の塗布すじ：離型剤の塗布すじの有無を目視で観察した。
（３）離型剤層の硬化性：離型処理面を指で強く１０回こすり、白くならなければ○、硬化膜が白く濁れば×で表した。
（４）剥離性：フォトマスク保護用粘着フィルムを、コロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム（厚み１００μｍ）のコロナ放電処理面にラミネーターのロール圧力５ｋｇ／ｍで貼り合わせ、４０℃のオーブン中で１週間エージングした。その後フォトマスク保護用粘着フィルムを手で剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルムへの糊残りの有無を観察した。
【００２５】
【表１】
【００２６】
表１から明らかなように、実施例１、２のものはすぐれた表面状態と粘着特性を備え、剥離しても糊残りを生じないのでフォトマスク保護用として充分な性能を有する。しかし、比較例１のものは粘着特性はよいが表面状態が悪くて剥離後に糊残りが著しく、比較例２のものは表面状態はよいが乾燥温度が低いので粘着特性が悪く、剥離後に糊残りが発生するのでフォトマスク保護用として不適当である。
【００２７】
【発明の効果】
本発明フォトマスク保護用粘着フィルムは以上の構成であり、すぐれた表面剥離性を有し、粘着剤層と基材との密着性にすぐれ、フォトマスク表面から糊残りせずに剥離でき、生産性よくフォトマスク保護用粘着フィルムを製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板製造時のレジストパターニングの際に用いられるフォトマスク保護用粘着フィルムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来よりプリント配線基板などを製作する場合には、液状レジストのような粘着性を有する樹脂材料が使用されることが多い。このレジストをフォトマスクと呼ばれるネガフィルムを介して紫外線を照射することによりレジストを硬化させる。フォトマスクの表面を保護する目的で従来よりポリエステル粘着テープが使用されているが、粘着性のレジストから容易に剥離するために、表面に剥離処理を施した粘着テープが使用されている。
【０００３】
又、特開平４−３５５７５９号公報などにより、厚み３〜２５μｍのポリエステル基材の片面に粘着剤層が、他の面に離型層が設けられたフォトマスク表面保護フィルムは知られている。
【０００４】
フォトマスク保護用フィルムとしては、▲１▼高い光線透過率を有する、▲２▼紫外線により粘着物性が低下しない、▲３▼フォトマスクに粘着剤を残さずに剥離できる、▲４▼離型処理層が高耐久性を有する、等の条件が要求される。
【０００５】
従来行われていたフォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法は、厚み４〜６μｍという薄い基材フィルムに離型剤をグラビアコーターなどを用いて塗布乾燥し、これをロール状に巻取り、次の工程でロールから繰り出して離型層とは反対側の基材面に粘着剤層を積層し、該粘着剤層面に剥離紙を貼り合わせることが一般的であった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の製造方法によると、基材フィルムの厚みが４〜６μｍという薄いものであるため、基材フィルムにしわができ易い、離型剤の塗布すじや塗布むらが生じる、乾燥のための温度が高すぎると収縮が生じてしわやすじができ易く、乾燥温度を低くするとシリコーン離型剤の硬化不足や基材との密着性が悪くなり、また、生産性も悪くなるという問題があった。
【０００７】
また、離型剤を塗布した基材フィルムを粘着加工するまでロール状に巻いて保管するので、離型剤の一部が基材フィルムの背面に転写される。この面に粘着剤を積層すると基材フィルムと粘着剤との密着性が低下し、フォトマスクから剥離すると粘着剤が残されるという問題もあった。
【０００８】
本発明は上記従来の問題点を解消し、すぐれた表面剥離性を有し、フォトマスク表面から糊残りせずに剥離でき、生産性のよいフォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法は、ポリエステルフィルムからなる基材の片面に剥離処理層が設けられ、基材の他の面に粘着剤層及び剥離紙がこの順に積層されてなるフォトマスク保護用粘着フィルムを製造するに際し、基材の一面に粘着剤層及び剥離紙を積層し、その後、基材の裏面に離型剤を塗布することを特徴とする。
【００１０】
本発明で粘着フィルムに用いる基材としては、透明で光線透過率が高いポリエチレンテレフタレートフィルムが最適である。その厚みは４〜２５μｍのものが好ましく、全光線透過率は８０％以上であることが好ましい。
【００１１】
粘着剤としては耐久性にすぐれたアクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系樹脂を有機溶剤に溶解した溶剤型アクリル系粘着剤、無溶剤型アクリル系粘着剤、エマルジョン型アクリル系粘着剤、紫外線や可視光線などにより活性化する光硬化型アクリル系粘着剤、エレクトロンビーム硬化型アクリル系粘着剤のいずれも用いることができる。
【００１２】
上記粘着剤には粘着付与樹脂、柔軟剤、界面活性剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋反応触媒、充填剤などを必要に応じて適宜添加してもよい。
本発明における粘着剤の粘着力は、粘着フィルムとしてステンレス板に貼り付けたものを、２３℃で３００ｍｍ／分の速度で１８０度剥離したときの剥離力が５０〜５００ｇ／２５ｍｍの範囲であることが好ましい。
【００１３】
基材に積層された粘着剤層に積層する剥離紙は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムの一面をシリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤及びその他の有機系離型剤により剥離処理したものが使用できる。
【００１４】
上記離型剤としては付加反応型シリコーン、縮合反応型シリコーン、紫外線硬化型シリコーン、エレクトロンビーム硬化型シリコーンなどのシリコーン系離型剤が挙げられる。
【００１５】
本発明で基材に粘着剤層及び剥離紙をこの順に積層するには、ポリエステルフィルム基材に粘着剤を直接塗布乾燥し、形成された粘着剤層面に剥離紙を貼り合わせてもよく、又、剥離紙の剥離処理面に粘着剤を塗布乾燥して粘着剤層を形成し、該粘着剤層を剥離紙とともにフィルム基材に貼り合わせて粘着フィルムとしてもよい。粘着剤の塗工方法は目的の粘着剤層が得られれば特に限定されないが、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、キスロールコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター等を用いることができる。
【００１６】
粘着剤が光重合性組成物である場合、紫外線や可視光線からなる活性光線照射やエレクトロンビーム照射の工程を単独あるいは乾燥工程と併用して用いることができる。
【００１７】
以上のようにして得られた粘着フィルムの基材の背面に、前記離型剤を塗布乾燥してフォトマスク保護用粘着フィルムが得られる。
離型剤の塗工も粘着剤の塗工と同様にして行うことができ、離型剤が光重合性組成物からなる場合も同様にして行うことができる。
【００１８】
（作用）
基材の一面に粘着剤層及び剥離紙を積層し、その後、基材の裏面に離型剤を塗布するので、基材フィルムに剥離紙の厚みが加わってこしが強くなるので、離型剤の塗布乾燥工程でしわやすじが発生せず、生産性よく製造することができる。また、剥離紙が積層された後で基材の反対面に剥離処理がなされるので、これをロール状に巻いて保管しても、粘着剤を塗布する基材面と剥離処理面とが接することがなく、粘着剤層と基材とのすぐれた密着性が得られる。
従って、フォトマスクに貼り合わせたこの粘着フィルムを剥がしても、フォトマスクに糊残りしないすぐれた剥離性能が得られる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明する。材料として以下のものを準備した。
基材フィルム
ポリエチレンテレフタレートフィルム（東レ社製，商品名「６ＣＦ５３」，厚み６μｍ）
剥離紙
片面シリコーン剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム（帝人社製，商品名「Ｓ−３１」，厚み２５μｍ）
粘着剤
ブチルアクリレート９５重量部、アクリル酸４重量部及び２−ヒドロキシエチルアクリレート１重量部を常法に従い溶液重合法により共重合し、得られた共重合体をトルエンで希釈し固形分２０重量％の共重合体溶液を得た。次いでこの共重合体溶液に、上記共重合体１００重量部に対し、固形分４５重量％の芳香族イソシアネートを３重量部添加し、３０分間攪拌して均一に混合し粘着剤を作製した。
離型剤
付加型シリコーン離型剤（東レ・ダウコーニング・シリコーン社製，商品名「ＳＤ７３３３」）１００重量部と、触媒（東レ・ダウコーニング・シリコーン社製，商品名「ＳＲＸ２１２ＣＡＴ」）０．６重量部、トルエン５００重量部を混合、攪拌して離型剤を作製した。
【００２０】
（実施例１）
剥離紙の剥離処理面に粘着剤をコンマコーターで塗布し、１００℃で１分間乾燥して厚み２μｍの粘着剤層を形成し、該粘着剤層を剥離紙とともに基材に貼り合わせて剥離処理していない粘着フィルムを得た。
次に、上記粘着フィルムの基材の反対面に、離型剤をマイヤーバーコーターを用いて塗布量が０．３ｇ／ｍ２ （原液）となるように塗布し、１３０℃で１分間乾燥してフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２１】
（実施例２）
基材に粘着剤を直接塗布乾燥して形成した粘着剤層に剥離紙を貼り合わせた以外は実施例１と同様にしてフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２２】
（比較例１）
マイヤーバーコーターを用いて基材に離型剤を塗布量が０．３ｇ／ｍ２ （原液）となるように塗布し、１３０℃で１分間乾燥してロール状に巻き取った。このロール状の基材を室温で１週間放置した後、実施例１と同様にして剥離紙に粘着剤層を形成し、この粘着剤層を基材の剥離処理面と反対面に貼り合わせてフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２３】
（比較例２）
離型剤の乾燥条件を８０℃、１分間とした以外は比較例１と同様にしてフォトマスク保護用粘着フィルムを得た。
【００２４】
性能評価
実施例１、２及び比較例１、２で得たものを下記の項目について評価した。
その結果を表１に示す。
（１）フィルムのしわ：基材フィルムのしわの発生の有無を目視で観察した。
（２）離型剤の塗布すじ：離型剤の塗布すじの有無を目視で観察した。
（３）離型剤層の硬化性：離型処理面を指で強く１０回こすり、白くならなければ○、硬化膜が白く濁れば×で表した。
（４）剥離性：フォトマスク保護用粘着フィルムを、コロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム（厚み１００μｍ）のコロナ放電処理面にラミネーターのロール圧力５ｋｇ／ｍで貼り合わせ、４０℃のオーブン中で１週間エージングした。その後フォトマスク保護用粘着フィルムを手で剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルムへの糊残りの有無を観察した。
【００２５】
【表１】
表１から明らかなように、実施例１、２のものはすぐれた表面状態と粘着特性を備え、剥離しても糊残りを生じないのでフォトマスク保護用として充分な性能を有する。しかし、比較例１のものは粘着特性はよいが表面状態が悪くて剥離後に糊残りが著しく、比較例２のものは表面状態はよいが乾燥温度が低いので粘着特性が悪く、剥離後に糊残りが発生するのでフォトマスク保護用として不適当である。
【００２７】
【発明の効果】
本発明フォトマスク保護用粘着フィルムは以上の構成であり、すぐれた表面剥離性を有し、粘着剤層と基材との密着性にすぐれ、フォトマスク表面から糊残りせずに剥離でき、生産性よくフォトマスク保護用粘着フィルムを製造することができる。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムからなる基材の片面に剥離処理層が設けられ、基材の他の面に粘着剤層及び剥離紙がこの順に積層されてなるフォトマスク保護用粘着フィルムを製造するに際し、基材の一面に粘着剤層及び剥離紙を積層し、その後、基材の裏面に離型剤を塗布することを特徴とするフォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03635996A JP3574524B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03635996A JP3574524B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09230580A JPH09230580A (ja) | 1997-09-05 |
| JP3574524B2 true JP3574524B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=12467643
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03635996A Expired - Lifetime JP3574524B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3574524B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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|---|---|---|---|---|
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| JP4601769B2 (ja) * | 2000-05-25 | 2010-12-22 | 株式会社きもと | フォトマスク用保護膜転写シート及び保護膜転写方法 |
| JP2003027019A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-01-29 | Hitachi Chem Co Ltd | 光学シート保護用粘着フィルム |
| JP5079310B2 (ja) * | 2006-11-15 | 2012-11-21 | 太陽ホールディングス株式会社 | ソルダーレジスト露光用フォトツール及びそれを用いて露光処理されるソルダーレジストパターンの形成方法 |
| JP2011077520A (ja) * | 2010-09-14 | 2011-04-14 | Sekisui Chem Co Ltd | ソルダレジスト保護用粘着テープ、その製造方法及びソルダレジストの表面粗さ制御方法 |
| JP6247961B2 (ja) * | 2014-03-04 | 2017-12-13 | 日栄化工株式会社 | 保護粘着フィルム |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP03635996A patent/JP3574524B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09230580A (ja) | 1997-09-05 |
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