JP2003344982A - 写真乳剤面保護層転写シート及び写真乳剤面保護層の形成方法並びに保護層付きフォトマスク - Google Patents

写真乳剤面保護層転写シート及び写真乳剤面保護層の形成方法並びに保護層付きフォトマスク

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JP2003344982A
JP2003344982A JP2002155014A JP2002155014A JP2003344982A JP 2003344982 A JP2003344982 A JP 2003344982A JP 2002155014 A JP2002155014 A JP 2002155014A JP 2002155014 A JP2002155014 A JP 2002155014A JP 2003344982 A JP2003344982 A JP 2003344982A
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ionizing radiation
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Makoto Sakuma
真 佐久間
Kazuo Nagashima
和夫 永島
Toshihiko Takada
俊彦 高田
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期連続使用しても表面離型性に優れると共に
耐傷性にも優れた写真乳剤面保護層転写シート及び保護
層付きフォトマスクを提供する。 【解決手段】離型性を有する透明支持体1の離型処理面
上に、順に電離放射線硬化型樹脂組成物を含有する写真
乳剤面保護層2、親水性基を有する単官能アクリレート
を含む電離放射線硬化型樹脂組成物および熱硬化性樹脂
からなる接着層3を積層し、さらにカバーシート4を貼
り合わせた写真乳剤面保護層転写シート10である。上
記写真乳剤面保護層は離型剤として、分子構造中にブロ
ック共重合部分とグラフト共重合部分とを有し且つ幹鎖
及び枝鎖の少なくとも一方にシロキサンを含むシリコー
ン共重合系電離放射線硬化型樹脂を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
やディスプレーパネルのパターン形成に用いられるフォ
トマスク及び製版用フォトマスク等の乳剤面に保護層を
転写するために使用される転写シート、および保護層に
よって乳剤面が保護されたフォトマスクに関する。特に
粘着性を有するフォトレジスト(例えばソルダーレジス
ト)で密着露光を行う際の乳剤層保護として有効であ
る。
【0002】
【従来の技術】各種材料の表面を保護する方法として、
ポリエステルフィルム等の薄いフィルムの片面に粘着剤
層を設けた保護シートを対象物の表面に貼り付ける方法
や、離型性を有するフィルム上に保護層を設け、粘着剤
や接着剤を介して対象物の表面に保護層を転写する方法
等が知られている。このような粘着剤や接着剤を介して
対象物の表面に保護層を転写する場合、薄い保護層を設
けることができるという利点はあるものの、粘着剤層又
は接着剤層の強度が保護層より弱く、全体としては充分
な強度が得られないという欠点があった。この問題を解
決するため、各種検討が行われている。
【0003】例えば特開昭64−18698号及び特開
平4−201478号の各公報には離型性シートの離型
性面に、未硬化状態において固体であると共に熱可塑性
である電離放射線硬化性樹脂からなる保護層及び接着層
が開示されている。また、特開平7−125496号公
報には離型性を有する基材フィルム上に紫外線硬化樹脂
塗料を完全に硬化させるに必要な紫外線照射量の約1/
3〜2/3量の紫外線照射量を照射して形成されるゲル
化状態にある非粘着・半硬化状態の硬化層、並びに下塗
り層を設けた転写シートが開示されている。
【0004】しかしながら、これらの転写シートにおい
ては対象物表面に接する層が非粘着性であり、転写層と
対象物表面とを接着するために、貼合の際に加熱処理を
行ったり対象物表面にさらに紫外線硬化型樹脂を塗布す
る必要があり、工程が複雑となる問題があった。また、
熱や溶剤に弱い材料(例えばフォトマスク等に利用され
る写真フィルムの乳剤面)に対しては転写することがで
きないという問題もあった。更に、特開昭61-258
742号公報には、支持体上から剥離可能であると共に
接着性を有する保護層を、単独または熱融着層及び感圧
接着層を介して対象物表面に転写する方法も提案されて
いるが、この方法の場合にも転写時に加熱が必要であ
り、加熱を避けるために感圧接着層を用いると保護層と
しての表面強度が低下するという欠点があった。
【0005】一方、フォトマスクは通常、透明基材とそ
の基材上に設けられた乳剤層からなり、フォトプロッタ
ー等の装置による露光、水洗等による現像、定着、乾燥
を経て、CADシステム等で作成したパターンが再現さ
れたシートである。そして、目的のパターンが形成され
たフォトマスクは、所謂フォトエッチング工程における
原稿として使用される場合が多い。即ち、感光性樹脂を
含んだ層は、密着、若しくは僅かなギャップを持って接
した状態のフォトマスクを通して露光され、次いで現
像、乾燥されて、フォトマスクのパターンに応じたパタ
ーンを形成することが出来る。
【0006】ところで、フォトマスクに用いられる乳剤
層の主成分はゼラチンであり、その鉛筆硬度は2B以下
である。従って、上記フォトエッチング工程において、
特別に保護層を設けることなしに、対象物である感光性
樹脂層に対して乳剤層面を密着露光した場合には、フォ
トマスク表面にキズが入りパターンデータが一部失われ
ることがある。また、微生物による汚染により、フォト
マスク上の情報が失われたりミスショットの原因とな
る。
【0007】そこで、従来は、未保護フォトマスク(本
明細書においては、保護層等が設けられておらず、乳剤
層表面がむき出しの状態になっているフォトマスクを未
保護フォトマスクという)の乳剤面に市販の粘着剤付フ
ィルムを貼りつけて、上記欠点を補っていた。しかしな
がら、この様な粘着剤付フィルムは、粘着剤層が軟らか
い為、硬い異物等による傷が付きやすく、また、フィル
ム自体に擦り傷が入るなどの欠点があった。従って、フ
ォトマスクの使用回数が増えると保護層の貼り替え作業
が必要となるので、保護層としての機能が充分であると
言えるものではなかった。
【0008】上記欠点を改善する為に、粘着剤付きフィ
ルムのフィルム厚さを大きくすると、保護層としての強
度が強くなるものの、フォトマスクの光学特性の一つで
ある紫外線の透過率が低下する結果、露光時間を延長し
なければならなくなるばかりか、光の反射、屈折、散乱
の影響が顕在化し、高精度のパターン化が不可能にな
る。即ち、粘着剤付きフィルムを用いた場合には、前述
した光学特性面での問題がなくなる程度の厚さにする
と、保護層としての強度が保たれず(鉛筆硬度は2B程
度)、フォトマスクに傷が入りやすいという欠点を改善
することはできない。更にフィルムが薄いと未保護フォ
トマスクへの貼り付けの際に皺が入り易く、作業性に劣
る。したがって粘着剤付きフィルムでは、保護層として
の十分な強度並びに良好な紫外線透過率と作業性をすべ
て満足させることは難しい。
【0009】また、特開平11−305420号公報に
記載があるように、未保護フォトマスクにスプレーコー
ト、スピンコート、ディップコート等の、種々の方法に
より塗料を塗布し、次いで乾燥と同時に熱硬化させるこ
とによって保護層を設けるという試みが為されている。
しかしながら、このような方法では、18〜72時間の
加熱エージングが必要であるために乳剤面を損ねる恐れ
がある上、塗布プロセス(ウェットプロセス)での膜厚
管理が難しい上、作業環境への配慮が必要だった。前記
欠点を補う発明として国際公開WO 01/92957
には写真乳剤面保護層が、親水性基を有する単官能アク
リレート及び多官能アクリレート更にポリアミンを含む
電離放射線硬化型樹脂を含有することを特徴とし、フォ
トマスク上に形成した保護層が鉛筆硬度H以上の発明が
開示されている。この発明は、ガラスマスクなどで一般
的に行われるプロキシミティ露光においては優れた保護
層である。しかし、液状レジスト(ソルダレジスト等)
の印刷時の様にフォトマスクとレジストを接触させて露
光を行う用途では、未硬化のレジストが保護層に付着し
易く、レジストが付着したままのマスクを使用して上記
フォトエッチング工程を行った場合やはりミスショット
を引き起こす。このためマスク保護層に付着したレジス
トを拭き取る作業が必要となる。その結果、単位時間に
処理できるプリント板の枚数が限られるという問題があ
った。この問題に対しては、離型性成分を含んだスプレ
ーを保護層の上に吹き付け、溶媒を揮発させて使用する
方法があるがこの方法では、レジストへの離型成分の転
移が多く、また使用回数が増えると離型性を損なうとい
う課題があった。
【0010】さらに上記WO 01/92957記載の
発明において表面離型性を得ようとした場合、写真乳剤
面保護層成分中にシリコーン等の離型成分を添加するこ
とが類推できるが、シリコーン系材料はコーティングし
た塗工表面に配向する性質があり、透明支持体と接する
界面側が最終支持体であるフォトマスク最上面に現れる
転写タイプでは十分な離型性が得られず、逆に接着層と
の密着性を低下させてしまうという課題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、長期連続使用しても表面離型性に優れると共に耐傷
性にも優れた写真乳剤面保護層転写シート及び写真乳剤
面保護層の形成方法並びに保護層付きフォトマスクを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る写真乳剤面保護層転写シートは、離型
性を有する透明支持体の離型処理面上に、順に電離放射
線硬化型樹脂組成物を含有する写真乳剤面保護層、親水
性基を有する単官能アクリレートを含む電離放射線硬化
型樹脂組成物および熱硬化性樹脂からなる接着層を積層
させた写真乳剤面保護層転写シートであって、前記写真
乳剤面保護層が離型剤として、分子構造中にブロック共
重合部分とグラフト共重合部分とを有し、且つ幹鎖及び
枝鎖の少なくとも一方にシロキサンを含むシリコーン共
重合系電離放射線硬化型樹脂を含有する。このような構
成にすることにより、長期連続使用しても表面離型性に
優れると共に写真乳剤面への密着も優れた保護層を形成
する転写シートが得られる。また、前記透明支持体の写
真乳剤面保護層と接する側の表面の純水に対する接触角
が90度以上であることが好ましい。特に純水に対する
接触角が90度以上である支持体を用いれば更に写真乳
剤面保護層の表面離型性は向上する。
【0013】本発明に係る写真乳剤面保護層転写シート
を用いて、未硬化の接着層が乳剤面に接するよう貼り合
わせる工程と、透明支持体側から電離放射線を照射して
未硬化の接着層を硬化させて乳剤面に接着させる工程
と、透明支持体を剥離し、写真乳剤面保護層及び接着層
を乳剤面上に残存せしめる工程とから、写真乳剤面保護
層を形成することができる。また、本発明の保護層付き
フォトマスクは、このような写真乳剤面保護層の形成方
法により写真乳剤面保護層が形成されたものである。
【0014】また、こうして形成される写真乳剤面保護
層に粘着テープを貼合し剥離する時の剥離強度が1〜5
0g/12mmであり、かつJIS K5400の鉛筆ひ
っかき試験に準じて測定した写真乳剤面保護層の鉛筆硬
度がH以上である。表面離型特性は、写真乳剤面保護層
表面に粘着テープを貼合し、剥離するときの剥離強度が
1〜150g/12mmであれば液状レジスト(ソルダ
レジスト等)の印刷時にフォトマスクとレジストを真空
密着させて露光する用途においてもレジストが保護層付
きフォトマスクに付着することなく露光作業を繰り返し
行うことができる。特に、剥離強度を1〜40g/12
mmにすることにより更に露光後のレジストを剥離する
作業を容易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳し
く説明する。図1は本発明に係る転写シートの一実施形
態を示す断面図である。本実施形態の転写シート10
は、離型性を有する透明支持体1の離型処理面に、離型
性を付与した写真乳剤面保護層2を、さらに該保護層2
上に粘着性を有する未硬化の電離放射線硬化型樹脂及び
熱硬化性樹脂を含有する接着層3を設けている。該接着
層3の上にはカバーシート4を設けている。
【0016】本発明の転写シートに使用される離型性を
有する透明支持体1としては、支持体上に設けた写真乳
剤面保護層2が剥離可能であり、公知の材料の中から適
宜選択して用いることが出来るが、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、トリアセテー
トなどを主成分とした透明プラスチックフィルムが適し
ている。支持体の厚さには、特に制限はないが約20〜
150μmであると、対象物への転写時に皺や気泡が入
り難く、作業性に優れる。
【0017】また、本発明においては、塗工層の転写を
容易にするため、離型処理基材を支持体として用いる。
この様な離型処理基材としては、シリコン、又はテフロ
ン(登録商標)等が塗布されている市販の剥離フィルム
の他、シート状基材上にウレタン樹脂、メラミン樹脂、
フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリオレ
フィンのいずれか、あるいはこれらの混合物を含んだ塗
工液を、乾燥後の厚さが0.1〜5μm、より好ましく
は1〜2μmとなる様に塗布、乾燥して離型層を設けて
使用する事が出来る。ここで、基材フィルムの離型処理
面の純水に対する接触角が高いほど写真乳剤面保護層の
離型性能も向上するが、特に基材フィルムの離型処理面
の純水に対する接触角が90度以上であれば得られる写
真乳剤面保護層は、十分な離型性が得られる。しかし、
接触角が90度未満の基材を使用した場合、シリコーン
材料の保護層表面への配向が弱く、接着層側界面に配向
するため写真乳剤保護層表面は十分な離型性が得られに
くい。
【0018】また、上記支持体の離型層に顔料を添加し
てマット調とした場合、その上に塗設される接着層又は
保護層にマットパターンが形成され、結果として最表面
がマット化された保護層を対象物に供することが可能で
ある。すなわち、本発明においては転写された保護層の
最表面は支持体の剥離面と同様の表面形状を有する。支
持体の剥離面が平滑であれば転写された保護層の最表面
はクリア(平滑)であり、剥離面がマット調の場合は、転
写された保護層の最表面はマット化される。マット調の
離型層は、樹脂100重量部に対して、上記フィラーを
5重量部以上添加することで、容易に得られる。
【0019】最表面がマット化された保護層は層内には
顔料を含有しないため、層内での光線の散乱が無い。こ
のため、精細パターンの再現が可能となりフォトマスク
の保護層として有利に用いることができる。例えば、プ
リント配線基盤上のフォトレジストにパターンを形成さ
せる場合、フォトマスクとプリント配線基盤上のフォト
レジスト面を減圧により十分密着させて露光が行われ
る。この場合フォトマスクの保護層がマット化されてい
れば、プリント配線基盤上のフォトレジストとの間の空
気の抜けがスムーズになるため、両者間の残存気泡の発
生を抑制できる。残存気泡は、パターン露光の際、光線
の屈折、反射、散乱の原因となり、パターン再現を妨げ
る。
【0020】本発明においては、支持体1を剥離する前
に電離放射線照射によって接着層を硬化するため、支持
体の電離放射線の透過率が高いことが好ましい。具体的
には、電離放射線の透過率が50%以上であることが好
ましく、80%以上であることが更に好ましい。本発明
でいう電離放射線とは電磁波の内物質を電離させる能力
を有するものをいい、種々なものがあるが、工業的に利
用できるのは紫外線もしくは電子線であり、このほかガ
ンマ線なども利用できる。実用的には紫外線が好まし
く、光源としては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ等が適している。
【0021】本発明において写真乳剤面保護層2は、離
型剤としてブロック−グラフトタイプのシリコーン共重
合系電離放射線硬化型樹脂を含む電離放射線硬化型樹脂
組成物を主成分とした離型性を有する層である。ここ
で、ブロック−グラフトタイプのシリコーン共重合系電
離放射線硬化型樹脂とは、分子構造中にブロック共重合
部分とグラフト共重合部分とを有し、且つ幹鎖及び枝鎖
の少なくとも一方にシロキサンを含むシリコーン共重合
系電離放射線硬化型樹脂である。
【0022】電離放射線硬化型樹脂は電離放射線を照射
することで硬化するものであればいずれを用いてもよい
が、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリ
エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アク
リレートなどのオリゴマー及びモノマーをあげることが
できる。離型剤として上記ブロック−グラフトタイプの
シリコーン共重合系電離放射線硬化型樹脂を使用した場
合に、がいブロック−グラフトタイプのシリコーン共重
合系電離放射線硬化型樹脂を混合する電離放射線硬化型
樹脂組成物構造中に架橋することができ、保護層表面の
離型性を向上させると共に、耐久性も向上させることが
できる。保護層表面の離型性を調整する目的でさらに、
ビニル基含有反応性シリコーンなどを添加することもで
きる。しかし、上記ブロック−グラフトタイプのシリコ
ーン共重合系電離放射線硬化型樹脂を使用せず、その他
のシリコーン材料、例えばブロックタイプのシリコーン
共重合系電離放射線樹脂やシリコーン変性アクリル樹脂
のみを使用した場合、離型性を向上させることはできる
が耐久性は不十分であった。上記ブロック−グラフトタ
イプのシリコーン共重合系電離放射線硬化型樹脂の配合
比は特に限定するものではないが、保護層の表面離型性
が充分発現し、紫外線透過率を損なわない程度がよく、
配合比は1〜60重量部が好ましい。
【0023】本発明の転写シートに使用する接着層3に
おける電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線を照射する
ことで硬化するものであればいずれを用いても良いが、
具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエス
テル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレ
ート、シリコン系(メタ)アクリレートなどのオリゴマ
ー及びモノマーをあげることができる。これらの樹脂の
中から、親水性基を有する単官能(メタ)アクリレート
と2官能基以上を有する多官能(メタ)アクリレートを
混合して使用する。親水性基を有する単官能(メタ)ア
クリレートの配合は、保護層に柔軟性を与え、フォトマ
スク乳剤面との密着性を著しく向上させることができ
る。また、親水性基を有することにより保護層の表面抵
抗を下げる効果があり、帯電防止性も付与される。フォ
トマスク表面の帯電防止はゴミ、異物の付着防止となる
ため、大きな利点となる。接着層における電離放射線硬
化型樹脂の配合比は20〜50重量%が好ましい。
【0024】また、多官能(メタ)アクリレートの配合
は、保護層の表面強度を高め、耐溶剤性を付与すること
ができる。ただし、樹脂の粘度が高いと、フォトマスク
乳剤面のパターン段差部への接着層の追従性が悪くな
り、気泡が混入してしまう。気泡混入を防止するために
は、低粘度の樹脂を選択した方が好ましく、B型粘度で
1000cps./25℃以下の樹脂が好適である。ただし、この
B型粘度で1000cps./25℃以下の樹脂は、未硬化の状態
では流動性を有するため、巻き取り状の製品形態の場
合、端部から該樹脂がはみ出す等の問題が生じるので好
ましくない。そこで本発明においては、少なくとも1種
の熱硬化性樹脂又は熱により反応する樹脂を電離放射線
硬化型樹脂と適量配合し、熱硬化させることにより接着
層の凝集力を調整し適度な粘着性を得ることができる。
【0025】本発明で使用する熱硬化性樹脂とは、加熱
により硬化する樹脂をいう。このような樹脂としては尿
素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等を用いることがで
きる。本発明においてはこれらの樹脂の代わりに又はこ
れらの樹脂と共に、熱により電離放射線硬化型樹脂と反
応する少なくとも1種の樹脂を用いることができる。こ
のようにすることにより、硬化後の層強度が強くなるの
で好ましい。
【0026】本発明で最も好ましく用いられる熱により
電離放射線硬化型樹脂と反応する樹脂は、アクリル系不
飽和結合への活性水素(例えば活性アミン水素)の付加
反応により硬化する樹脂である。このような樹脂として
は、第1級又は第2級アミノ基を有するポリアミンを上
げることができる。アクリル系飽和結合を有する電離放
射線硬化型樹脂(モノマーまたはオリゴマーが添加され
ていても良い)中に第1級又は第2級アミノ基を有する
ポリアミンから選択される少なくとも1種のポリアミン
を添加することによってマイケル付加反応が起こり、粘
着性が生じる。粘着性の調整という観点から、前記ポリ
アミンの幹鎖がアクリル系であり枝鎖がアクリルアミド
系であるアクリル系グラフト共重合体(櫛形ポリマー)
であることが特に好ましく、この場合には帯電防止にも
効果的である。上記熱硬化性樹脂及び熱により電離放射
線硬化型樹脂と反応する樹脂は、それぞれ単独で使用し
ても、複数の樹脂を配合して用いても良い。
【0027】本発明においては、接着層塗料を塗布乾燥
するときの乾燥熱により熱硬化性樹脂を硬化する方法が
コストの点から好ましく用いられる。このため、支持体
の軟化温度より反応温度が高い樹脂は好ましくない。反
応温度が約60℃〜130℃で反応が開始する樹脂を選
択すると好ましい。
【0028】本発明の接着層3は粘着性を有するため、
図1に示すように必要に応じてカバーフィルム(以下、
セパレーターと称する)4を設けることができる。本発
明の転写シートを巻き取りの製品とするためには、支持
体1の接着層を設けた側の面の反対面が離型処理されて
いるか、若しくは離型処理されたフィルム(セパレータ
ー)を乾燥後の接着層に貼り合わせると作業効率の点か
ら好ましい。
【0029】セパレーター4は、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム、紙
等のシートにシリコーン等の離型剤を塗布したものが使
用できる。厚みとしては4〜200μm、作業性の点で
より好ましくは12〜50μmが適している。本発明の
転写シートを対象物に貼り合わせる際には、上記セパレ
ーター4は除去される。
【0030】本発明の転写シートにおいては、接着層3
の粘着力にて対象物上に仮接着した後、支持体1を通し
て、又は支持体1を除去して電離放射線を照射する。電
離放射線照射により接着層3は硬化し、対象物と充分に
接着する。接着層3が対象物表面と完全に接着するため
に必要な照射線量は光重合開始剤の種類、樹脂組成、露
光ランプの種類等により適宜調整可能であるが、30〜
1000mJ程度の照射線量が好ましく、保管取り扱い
上からは100mJ以上、硬化時間短縮の観点から50
0mJ以下が更に好ましい。
【0031】本発明において、支持体1上に写真乳剤面
保護層2を形成した後に接着層3を設けるとき、接着層
3を設ける前に写真乳剤面保護層2を硬化すると接着層
3の塗工性が向上するため好ましい。ただし、硬化が進
みすぎた場合保護層として被着体に転写露光を行った後
の写真乳剤面保護層2と接着層3との密着性が悪くな
る。したがって、365nmの紫外線照射量としては3
0〜300mj/cm2が好ましい。また、対象物に転
写する層全体の厚さが厚すぎると転写時に割れる恐れが
あり、また、厚さが薄すぎると写真乳剤面保護層として
充分な機能を果たさない。このため、写真乳剤面保護層
厚は1〜5μm、接着剤層厚は3〜10μmであると好
ましい。転写する層全体の厚さは1〜15μmが好まし
く、さらには1〜8μmとすることが好適である。各塗
工層には、シリカ、コロイダルシリカ、マイカ、二酸化
チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、等を添加することが可能であるが、光線の散乱の原
因となり、良好な光学特性が維持出来なくなるため、上
記樹脂100重量部に対して5重量部以下が好ましく、
無添加が更に好ましい。
【0032】本発明の転写シートにおける写真乳剤面保
護層2、及び接着層3には、重合開始剤、レベリング
剤、防腐剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、シリコー
ンなどの助剤を本発明の効果を損なわない程度に含有す
ることができる。また、本発明の転写シートにおける支
持体1の離型層、写真乳剤面保護層2、及び接着層3
は、バーコーター、ロールコーター、キスコーター、カ
ーテンコーター、ダイコーターブレードコーター、コン
マコーターなどの公知の塗工機を適宜選択して使用し、
塗料を塗布して形成することが出来る。また、この様に
して支持体に塗料を塗布した後は、エアーフローティン
グドライヤー、赤外線ドライヤーなど公知の乾燥機を用
いて乾燥することができる。本発明において写真乳剤面
保護層2、接着層3、及び支持体1の離型層を設けるに
当たり、複数の層を連続した単一の塗工設備(乾燥機を
含む)で設けることが生産性が上がるのは当然である。
【0033】
【実施例】本発明を更に詳しく説明するために以下に実
施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお実施例中の「部」は全て重量部を示す。
【0034】実施例1 写真乳剤面保護層の作製 片面にシリコーンが塗布された二軸延伸した厚さ50μ
mのポリエステルフィルムの処理面(純水に対する接触
角87.6度)に下記組成の保護層形成液をロールコー
ターで塗布し、100℃で1分間乾燥させ、高圧水銀灯
にて365nmの積算光量が150mj/cm2になるよう
に露光し、約2μmの写真乳剤面保護層を形成した。 <写真乳剤面保護層形成液> (電離放射線硬化型樹脂) (a)ブロック−グラフトタイプのシリコーン共重合系
多官能アクリレート:(ダイアロマー7109UV:大
日精化(株)製の商品名)2.0部 (b)ポリエステル系多官能アクリレート:(アロニッ
クスM−8100:東亜合成(株)製の商品名)7.9
部 (c)ビニル基含有シリコーン:XF40−A197
8:信越化学工業(株)製の商品名)0.3部 (d)反応開始剤:(イルガキュア184:チバ・スペ
シャリティー・ケミカルズ(株)製の商品名)0.5部 (e)希釈剤:メチルエチルケトン35.7部、トルエ
ン35.7部、エチルセロソルブ17.9部
【0035】接着層の作製 で作成した保護層の上に下記組成の接着層形成液をロ
ールコーターで塗布し、120℃で1分間乾燥させ約6
μmの接着層を形成した。 <接着層形成液> (電離放射線硬化型樹脂) (a)多官能アクリレート:(サンラッドH−601:
三洋化成(株)製の商品名):19.2部 (b)単官能アクリレート:(アロニックスM−540
0:東亜合成(株)製の商品名):6.4部 (c)ポリアミン(幹鎖がアクリル系で枝鎖がN−メチ
ロールアクリルアミドであるアクリル系グラフト共重合
体(L−40M):綜研化学(株)の商品名):57.
6部 (d)反応開始剤:(イルガキュア369 :チバ・ス
ペシャリティー・ケミカルズ(株)製の商品名):0.
2部 (e)希釈剤:メチルエチルケトン:6.6部、トルエ
ン:6.7部、エチルセロソルブ:3.3部
【0036】転写シートの作製 で作製した未硬化の接着層面に、片面にシリコンが塗
布された25μmポリエステルフィルムをセパレーター
として貼り合わせ、転写シートを作成した。
【0037】保護層付きフォトマスクの作製 図2に示したラミネータを用いて保護層付きフォトマス
クを作製した。同図中、20はフォトマスク、30は加
圧ロール対、40は転写シートロール、50はセパレー
ター巻取ロールである。すなわち、上記の様にして得ら
れた転写シート10のセパレーター4を剥がして、基材
がプラスチックフィルムであるフォトマスク20及び基
材がガラスであるフォトマスク20に上記ラミネーター
で貼り合わせ、高圧水銀灯を用いて、365nmの積算露
光量が450mj/cm2になるようにポリエステルフィル
ム側から露光した後、支持体であるポリエステルフィル
ムを剥離すると、フォトマスク20上に保護層が形成さ
れた。こうしてフォトマスク上に形成された保護層は、
後記表1に示すように、表面が硬く耐傷性に優れてお
り、乳剤面との密着性も良かった。さらに、光学特性、
耐薬品性、離型性にも優れていた。
【0038】実施例2 実施例1における基材フィルムが、処理面の純水に対す
る接触角が100.9度であるものを使用した他はすべ
て実施例1と同様にして転写シート及び保護層付きフォ
トマスクを作成した。表1に示すように、フォトマスク
上に形成された保護層は表面硬度、密着性、耐薬品性、
光学特性に優れる保護層が得られ、表面離形性は、実施
例1で得られたものに比べてさらに向上した。また、耐
久性についてはメタノールやトルエン拭き取り後も持続
されることが確認できた。そしてフォトマスク上に形成
された保護層をソルダーレジストの塗布された銅板上で
前記レジストと前記保護層が対向するように減圧密着
し、レジストが未硬化のまま保護層付きフォトマスクを
剥がしたところ、保護層へのレジストの付着は認められ
なかった。この密着と剥離の作業を100回繰り返して
も同様にレジストの付着はなかった。
【0039】比較例1 実施例1における保護層形成液及び接着層形成液を以下
の様に代えた他は、全て実施例1と同様に行い、転写シ
ートを得た。 <保護層形成液> (電離放射線硬化型樹脂) (a)多官能アクリレート(サンラッドH−601:三
洋化成(株)製の商品名):7部 (b)COOH基含有単官能アクリレート(アロニックスM
−5400:東亜合成(株)製の商品名):4部 (c)ポリアミン(幹鎖がアクリル系で枝鎖がN−メチ
ロールアクリルアミドであるアクリル系グラフト共重合
体(L−40M):綜研化学(株)の商品名):18部 (d)反応開始剤:ルシリン TPO (BASFジャパン
(株)製の商品名):0.1部 (e)希釈剤:トルエン:28.4部、メチルエチルケト
ン:28.4部、エチルセロソルブ:14.1部
【0040】<接着層形成液> (電離放射線硬化型樹脂) (a)多官能アクリレート(サンラッドH−601:三
洋化成(株)製の商品名):8部 (b)COOH基含有単官能アクリレート(アロニックスM
−5400:東亜合成(株)製の商品名):13部 (c)ポリアミン(幹鎖がアクリル系で枝鎖がN−メチ
ロールアクリルアミドであるアクリル系グラフト共重合
体(L−40M):綜研化学(株)の商品名):36部 (d)反応開始剤:ルシリン TPO (BASFジャパン
(株)製の商品名):0.1部 (e)希釈剤:トルエン:17.2部、メチルエチルケト
ン:17.2部エチルセロソルブ:8.5部
【0041】得られた、転写シートを用い、実施例1と
同様にして保護層付きフォトマスクを作製した。フォト
マスク上に形成された保護層は表1に示すように、表面
硬度、密着性、耐薬品性、光学特性に優れる保護層が得
られた。しかし、表面離型性が不十分であった。
【0042】比較例2 厚さ6μmの透明PETフィルムの片面に以下の離型層
形成液をロールコーターで塗布し、80℃で3分間乾燥
した後、40℃48時間のエージング処理を経て、厚さ
約1μmの離型層を形成した。次にその裏面に以下の粘
着剤層形成液をロールコーターで塗布し、80℃で2分
間乾燥させ、厚さ約3μmの粘着剤層を形成させた。
【0043】<離型層形成液> (a)シリコーン変成アクリル樹脂(SG−540S
A:帝国化学産業(株)製の商品名):3部 (b)アクリルポリオール(サーモラックS2000:
綜研化学(株)製の商品名):17部 (c)イソシアネート(タケネートDー110N:武田
薬品(株)製の商品名):8部 (d)希釈剤 トルエン36部、メチルエチルケトン:
36部 <粘着剤層形成液> (a)アクリルポリオール(SKダイン:綜研化学
(株)製の商品名):100部 (b)イソシアネート(TD−75:綜研化学(株)製
の商品名):0.2部 (c)酢酸エチル:2部
【0044】この粘着剤層上に、片面にシリコーンが塗
布された25μmポリエステルフィルムをセパレーター
として貼り合わせ、表面保護フィルムを作製した。上記
の様にして作製された表面保護フィルムのセパレーター
を剥がして、フィルムフォトマスク及びガラスフォトマ
スクにラミネーターで貼り合せ、保護層を形成した。表
1に示すように、光学特性、離型性は良好であったが、
表面硬度が弱く、ガラス板上での鉛筆引っかき値は2B
であった。
【0045】比較例3 実施例2における保護層形成液を以下の様に変えた他
は、全て実施例2と同様にして転写シート及び保護層付
きフォトマスクを作成した。 <保護層形成液> (電離放射線硬化型樹脂) (a)ブロックタイプのシリコーン共重合系多官能アク
リレート:(ダイアロマー7105UV:大日精化
(株)製の商品名)2.0部 (b)ポリエステル系多官能アクリレート:(アロニッ
クスM−8100:東亜合成(株)製の商品名)7.9
部 (c)ビニル基含有シリコーン:XF40−A197
8:信越化学工業(株)製の商品名)0.3部 (d)反応開始剤:(イルガキュア184:チバ・スペ
シャリティー・ケミカルズ(株)製の商品名)0.5部 (e)希釈剤:メチルエチルケトン:35.7部、トル
エン:35.7部、エチルセロソルブ:17.9部
【0046】得られた転写シートを用い、実施例1と同
様にして保護層付きのフォトマスクを作製した。フォト
マスク上に形成された保護層は表1に示すように、表面
硬度、密着性、耐薬品性、光学特性に優れる保護層が得
られた。しかし、硬化層形成液に離型剤として上記ブロ
ックタイプのシリコーン共重合系電離放射線効硬化型樹
脂以外を添加したのでは表面離型性における耐久性が弱
かった。
【0047】比較例4 実施例1における保護層形成液を以下の様に代えた他
は、全て実施例1と同様に行い、転写シートを得た。 <保護層形成液> (電離放射線硬化型樹脂) (a)多官能アクリレート(サンラッドH−601:三
洋化成(株)製の商品名):7部 (b)COOH基含有単官能アクリレート(アロニックスM
−5400:東亜合成(株)製の商品名):4部 (c)ポリアミン(幹鎖がアクリル系で枝鎖がN−メチ
ロールアクリルアミドであるアクリル系グラフト共重合
体(L−40M):綜研化学(株)の商品名):18部 (d)シリコーン変成アクリル樹脂(SG−540S
A:帝国化学産業(株)製の商品名):0.3部 (e)反応開始剤:ルシリン TPO (BASFジャパン
(株)製の商品名):0.1部 (f)希釈剤:トルエン:28.25部、メチルエチルケト
ン:28.25部、エチルセロソルブ:14.1部
【0048】得られた転写シートを用い、実施例1と同
様にして保護層付きフォトマスクを作製した。表1に示
すように、フォトマスク上に形成された保護層は表面硬
度、密着性、耐薬品性に優れる保護層が得られた。しか
し、硬化層形成液に離型剤として本発明のようなブロッ
ク/グラフトタイプのシリコーン共重合系電離放射線硬
化型樹脂以外のものを添加したのでは離型性が不十分で
あった。以上の結果を下記表1にまとめる。
【0049】
【表1】
【0050】(評価方法) 鉛筆硬度:保護層付きフォトマスクをガラス板上に設置
し、硬化層の硬さを鉛筆引っかき試験(JIS K 5400に準
じる)で評価した。鉛筆引っかき値を測定する。 密着性:乳剤面と保護層または硬化層と接着層の密着性
をクロスハッチ試験(JIS K 5400に準じる)で評価し
た。 透過率:青板ガラス(2mm厚)上に保護層及び保護フィル
ムを設けて、分光光度計(日立 分光光度計U-3310)で
測定された365nmにおける透過率(365nmにおける青板ガ
ラス単体の透過率は89%)。 離型性:保護層表面に12mm幅セキスイセロテープ
(登録商標)(積水化学工業(株)製)を貼合し速度3
00mm/分、180度剥離を行った時の剥離力を測定
する。 注1)保護層形成直後の表面離型性 注2)保護層表面を毎回新しいセキスイセロテープ(登
録商標)(積水化学工業(株)製)を使用して貼合・剥
離を100回繰り返した後の表面離型性 注3)保護層表面をアルコールを含ませた布を用いて1
00回ラビングした後の表面離型性 注4)保護層表面をトルエンを含ませた布を用いて10
0回ラビングした後の表面離型性 注5)写真乳剤面保護層に剥がれ発生
【0051】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明によれば、離型性を有する透明支持体の離型処理面
上に、順に電離放射線硬化型樹脂組成物を含有する写真
乳剤面保護層、親水性基を有する単官能アクリレートを
含む電離放射線硬化型樹脂組成物および熱硬化性樹脂か
らなる接着層を積層し、この写真乳剤面保護層が離型剤
として、分子構造中にブロック共重合部分とグラフト共
重合部分とを有し且つ幹鎖及び枝鎖の少なくとも一方に
シロキサンを含むシリコーン共重合系電離放射線硬化型
樹脂を含有することにより、液状レジストなど粘着性の
高いレジストに減圧密着した場合にも容易に剥離できし
かも汚れがつかない。更に離型剤を含む電離放射線硬化
型樹脂組成物の硬化後は幹鎖骨格に組み込まれるため耐
久性を有する。更に接着層が主として親水性基を有する
単官能(メタ)アクリレートとアクリロイル基の数が2
以上の多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬
化型樹脂組成物及び熱硬化性樹脂からなる電離放射線硬
化型樹脂を含有するため、離型性を有すると同時に耐傷
性に優れ且つ乳剤面との密着性に優れ、帯電防止性のあ
る保護層を付与することができる。
【0052】また、請求項2の発明によれば、前記透明
支持体の写真乳剤面保護層と接する側の表面の純水に対
する接触角が90度以上であることにより、乳剤面保護
層の表面剥離性は更に向上する。また、請求項3の発明
によれば、上記写真乳剤面保護層転写シートを用いて容
易に写真乳剤面保護層を形成することができる。また、
請求項4の発明によれば、上記転写シートを用いて写真
乳剤面保護層が形成された保護層付きフォトマスクは、
長期連続使用しても表面離型性に優れ且つ耐傷性に優れ
た保護層を有するので、長期間安定に使用出来る。ま
た、請求項5の発明によれば、形成された写真乳剤面保
護層に粘着テープを貼合し剥離する時の剥離強度が1〜
50g/12mmであり、かつJIS K5400の鉛筆
ひっかき試験に準じて測定した写真乳剤面保護層の鉛筆
硬度がH以上であることにより、レジストとの剥離作業
を繰り返し容易に行え、保護層が硬く耐傷性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの一実施形態を示す断面構
成図である。
【図2】本発明の転写シートを用いてフォトマスク上に
保護層を形成する工程を示す構成図である。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 写真乳剤面保護層 3 接着層 4 セパレーター 10 転写シート 20 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 俊彦 埼玉県東松山市東平1551 日本製紙株式会 社東松山事業所内 Fターム(参考) 2H016 AA00 2H095 BB27 BC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離型性を有する透明支持体の離型処理面上
    に、順に電離放射線硬化型樹脂組成物を含有する写真乳
    剤面保護層、親水性基を有する単官能アクリレートを含
    む電離放射線硬化型樹脂組成物および熱硬化性樹脂から
    なる接着層を積層させた写真乳剤面保護層転写シートで
    あって、前記写真乳剤面保護層が離型剤として、分子構
    造中にブロック共重合部分とグラフト共重合部分とを有
    し、且つ幹鎖及び枝鎖の少なくとも一方にシロキサンを
    含むシリコーン共重合系電離放射線硬化型樹脂を含有す
    ることを特徴とする写真乳剤面保護層転写シート。
  2. 【請求項2】前記透明支持体の写真乳剤面保護層と接す
    る側の表面の純水に対する接触角が90度以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の写真乳剤面保護層転写シ
    ート。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載された写真乳
    剤面保護層転写シートを、 未硬化の接着層が乳剤面に接するよう貼り合わせる工程
    と、 透明支持体側から電離放射線を照射して未硬化の接着層
    を硬化させて乳剤面に接着させる工程と、 透明支持体を剥離し、写真乳剤面保護層及び接着層を乳
    剤面上に残存せしめる工程と、からなることを特徴とす
    る写真乳剤面保護層の形成方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の写真乳剤面保護層の形成方
    法により写真乳剤面保護層が形成された保護層付きフォ
    トマスク。
  5. 【請求項5】前記写真乳剤面保護層に粘着テープを貼合
    し剥離する時の剥離強度が1〜50g/12mmであり、
    かつJIS K5400の鉛筆ひっかき試験に準じて測
    定した写真乳剤面保護層の鉛筆硬度がH以上であること
    を特徴とする請求項4記載の保護層付きフォトマスク。
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