JP2002258464A - フォトマスク用保護膜転写シート - Google Patents

フォトマスク用保護膜転写シート

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JP2002258464A
JP2002258464A JP2001053941A JP2001053941A JP2002258464A JP 2002258464 A JP2002258464 A JP 2002258464A JP 2001053941 A JP2001053941 A JP 2001053941A JP 2001053941 A JP2001053941 A JP 2001053941A JP 2002258464 A JP2002258464 A JP 2002258464A
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protective film
photomask
adhesive layer
resin
meth
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Mitsunori Maruyama
光則 丸山
Teruo Onuma
輝雄 大沼
Susumu Kurishima
進 栗嶋
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトマスクの画像面に加熱工程を必要とせ
ずに優れた接着性を発現する保護膜を転写可能なもので
あって、転写される保護膜としても優れた耐擦傷性及び
耐溶剤性を有する保護膜を転写することができるフォト
マスク用保護膜転写シートを提供する。 【解決手段】 剥離可能な支持体2上に保護膜3を設け
た保護膜転写シート1であって、保護膜3が支持体2側
から保護層31、接着層32を順次積層してなり、且つ
接着層32が少なくとも粘着性樹脂、光カチオン重合性
樹脂、光カチオン重合開始剤を含有してなるものとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保護膜を転写可能な
フォトマスク用保護膜転写シートに関するものであり、
特に写真製版用原稿あるいはプリント配線基板用原稿等
のフォトマスクを保護するのに好適な保護膜を転写可能
なフォトマスク用保護膜転写シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、写真製版用原稿あるいはプリント
配線板用原稿等の写真製品を保護するには、ポリエチレ
ンテレフタレート等の薄いプラスチックフィルムを支持
体とし、該プラスチックフィルム上に粘着剤あるいは接
着剤を積層し、該粘着剤あるいは接着剤上に離型フィル
ムを積層してなる表面保護フィルムが使用されている。
この表面保護フィルムの使用方法としては、まず離型フ
ィルムを剥離し、粘着剤あるいは接着剤面をフォトマス
クの画像面に積層して使用する。
【0003】ところで、最近写真製版やプリント配線基
板に用いる原稿は、作成するパターンが複雑化し、高い
解像力が要求されるようになってきた。このため、保護
膜の膜厚はさらに薄いものが要求されている。しかしな
がら、前記のような構造を有する表面保護フィルムで
は、保護膜であるプラスチックフィルムをさらに薄くす
ると、保護すべきものに積層する際の作業性が悪くな
り、シワ、気泡等が発生しやすくなるという問題があっ
た。
【0004】このようなものを改善するものとして、例
えば剥離可能なキャリヤー支持体上に、耐磨耗性皮膜、
感圧接着剤、低接着性バックサイズを有するライナー支
持体からなる剥離可能な離型シートを、順次積層した多
層シート(特開昭57-31562号公報)が開示されており、
薄い耐引掻性の保護膜について記述されている。また、
実公平6-20601号公報では、プラスチックフィルム凹凸
面上に耐磨耗性皮膜を設け、さらに耐磨耗性皮膜上に、
粘着剤層と離型処理層を設けた易剥離性シートとを順次
積層した保護膜形成用多層シートについて記述されてい
る。
【0005】また、電離放射線硬化性の樹脂を利用した
転写シートも一般に知られている(特開昭63-132097号
公報)。これは、離型性シートの離型性面に紫外線硬化
性または電子線硬化性の樹脂が硬化した硬化樹脂層と電
離放射線硬化性の樹脂からなる接着剤層とを順に積層し
てなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た実公平6-20601号公報に記載されているような通常使
用される一般の粘着剤を使用する場合には、粘着剤層が
柔らかいため、保護層自体に硬度があっても保護膜とし
ては耐擦傷性が弱いという問題があった。また、プリン
ト配線基板に用いるフォトマスクの保護として用いた場
合、保護膜表面にフォトレジストなどが付着する場合が
あり、これを洗浄するために有機溶剤を用いるが、保護
膜の特に粘着剤層の耐溶剤性が低いため、保護膜の耐久
性が劣るという問題点があった。
【0007】また、特開昭63-132097号公報に記載され
ているような電離放射線硬化性の樹脂からなる接着剤層
は、膜厚が薄くなると被転写体に対する密着性が極端に
低下するという問題がある。被転写体に対する密着性が
極端に低下すると、プリント配線基板に用いるフォトマ
スクの保護として用いた場合、フォトレジストから保護
膜を剥離した際に、接着剤層と被転写体界面で剥がれが
生じてしまい、保護膜自体の耐久性が得られないものと
なってしまう。また、電離放射線硬化性の樹脂のみで接
着剤層を形成した場合、接着剤層の流動性が高すぎ、ラ
ミネートの際に接着剤層がはみ出し、作業性の悪いもの
となってしまう。
【0008】そこで、本発明者らはこのような問題を解
決するフォトマスク用保護膜転写シート及び保護膜転写
方法を提案している(特願2000-154453号)。しかし、
この特願2000-154453号のフォトマスク用保護膜転写シ
ートに用いられている接着層は、フォトマスクに対する
接着性を上昇させるために加熱することが必要となるた
め、フォトマスクの基材がフィルム等の場合において
は、フォトマスクの寸法安定性を阻害してしまうという
問題点が残されていた。
【0009】そこで本発明は、以上ような問題点を解消
するためになされたもので、フォトマスクの画像面に加
熱工程を必要とせずに優れた接着性を発現する保護膜を
転写可能なものであって、転写される保護膜としても優
れた耐擦傷性及び耐溶剤性を有する保護膜を転写するこ
とができるフォトマスク用保護膜転写シートを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明のフォト
マスク用保護膜転写シートは、剥離可能な支持体上に保
護膜を設けた保護膜転写シートであって、保護膜が支持
体側から保護層、接着層を順次積層してなり、且つ接着
層が少なくとも粘着性樹脂、光カチオン重合性樹脂、光
カチオン重合開始剤を含有してなるものであることを特
徴とするものである。
【0011】また本発明のフォトマスク用保護膜転写シ
ートは、粘着性樹脂が反応性官能基含有モノマーをモノ
マー成分として含むアクリル系共重合体であることを特
徴とするものである。
【0012】また本発明のフォトマスク用保護膜転写シ
ートは、反応性官能基含有モノマーがグリシジルメタク
リレートであることを特徴とするものである。
【0013】また本発明のフォトマスク用保護膜転写シ
ートは、光カチオン重合開始剤がオニウム塩類であるこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のフォトマスク用保護膜転
写シート1の実施の形態について、図1を用いて説明す
る。
【0015】本発明のフォトマスク用保護膜転写シート
1は、剥離可能な支持体2上に保護層31、接着層32
からなる保護膜3及び必要に応じて設けるセパレータ4
からなる構造を有する。
【0016】本発明の支持体2は、保護層31、接着層
32をそれぞれ順次積層する際に基材となるものであ
り、薄い保護膜3を作業性良くフォトマスクの画像面に
転写させる機能を担うものである。
【0017】このような支持体2としては、特に限定さ
れるものではないが、支持体2を通して接着層32に光
(主に紫外線若しくは電子線などの電離放射線。以下、
適宜「電離放射線」ともいう。)を照射して接着層32
を硬化させることができるようにするためには、光透過
性を有するものであることが望ましい。このような支持
体2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレ
ン等の透明なプラスチックフィルムが用いられる。特に
二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが
強度、耐熱性、寸法安定性に優れているため、好適に用
いられる。支持体2の厚みは、取り扱い性を考慮して、
6〜125μmが好ましい。
【0018】さらに、支持体2と保護層31との剥離性
を向上させるために、支持体2としてプラスチックフィ
ルム21の表面に離型層22等の離型処理を施したもの
を用いても良い。
【0019】この場合の離型層22は、保護層31との
剥離を容易ならしめる層である。このような離型層22
は、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アミノアルキッド
樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フッ素
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルメチルエ
ーテル/無水マレイン酸共重合体などの中から保護層3
1との組み合わせにより、適宜選択できる。好ましく
は、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルメチルエー
テル/無水マレイン酸共重合体などの水溶性樹脂が、剥
離力及び積層性の点から好適に用いられる。また、転写
後の表面を凹凸にしたい場合は、離型層22にマット剤
を含有してもよい。また、離型層22を設ける場合、離
型層22とプラスチックフィルム21との間に、接着性
を向上させるための易接着層を設けても構わない。
【0020】次に本発明の保護層31は、保護膜3がフ
ォトマスクの画像面に転写したあと最表面にくるため、
保護膜3の耐擦傷性及び耐溶剤性に影響を及ぼすもので
ある。そのため、保護層31は、高い耐擦傷性及び耐溶
剤性が要求される。
【0021】保護層31の耐擦傷性及び耐溶剤性を高く
する方法としては、熱硬化性樹脂若しくは電離放射線硬
化性樹脂からなる組成物を従来公知のコーティング方法
によりコーティングした後、硬化させることにより得ら
れる。
【0022】ここでいう従来公知のコーティング方法と
してしては、ナイフコーティング、ドクターコーティン
グ、バーコーティング、ロールコーティング、ブレード
コーティング、キスコーティング、スプレーコーティン
グ、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙
げられる。
【0023】熱硬化性樹脂としては、シリコーン系、メ
ラミン系、エポキシ系、アミノアルキッド系、ウレタン
系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系等の架
橋性樹脂を熱によって架橋硬化させるものが使用でき
る。これらは単独でも使用可能であるが、架橋性、架橋
硬化塗膜の硬度をより向上させるためには、硬化剤を加
えることが望ましい。
【0024】電離放射線硬化性樹脂は、少なくとも電離
放射線の照射によって架橋硬化することができる塗料か
ら形成されるものである。このような電離放射線硬化塗
料としては、光重合性プレポリマー若しくは光重合性モ
ノマーなどの1種又は2種以上を混合したものを使用す
ることができる。
【0025】ここで、光重合性プレポリマーとしては、
例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール
(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート
などの各種(メタ)アクリレート類などを用いることが
できる。
【0026】また、光重合性モノマーとしては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モ
ノマー類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)ア
クリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸エトキシ
メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミドなどの不
飽和カルボン酸アミド、(メタ)アクリル酸−2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸
−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル、(メタ)ア
クリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルなど
の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−
ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステル(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシジエトキ
シ)フェニル]プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノ
イルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−
2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテルなどの多
官能性化合物、およびトリメチロールプロパントリチオ
グリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピ
レート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート
などの分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオ
ール化合物、などを用いることができる。
【0027】この他、このような電離放射線硬化塗料に
は、種々の添加剤を添加しうるが、硬化の際に紫外線を
用いる場合には、光重合開始剤、紫外線増感剤等を添加
することが好ましい。この光重合開始剤としては、アセ
トフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン、ベ
ンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾ
エート、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類
等が挙げられ、紫外線増感剤としては、n−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等
が挙げられる。
【0028】本発明における接着層32は、少なくとも
粘着性樹脂、光カチオン重合性樹脂、光カチオン重合開
始剤を含有してなるものであって、常温で感圧接着性を
有することでフォトマスクの画像面に貼着することがで
き、当該貼着後の電離放射線の照射による硬化によっ
て、当該画像面に対する接着性が極めて上昇すると共
に、接着層32自体の硬度及び耐溶剤性が上昇するもの
である。そして本発明の接着層32は、このような構成
からなることによって、加熱しなくともフォトマスクの
画像面に対する接着性を極めて向上させることができる
ものである。
【0029】ここで粘着性樹脂は、光カチオン重合性樹
脂及び光カチオン重合開始剤と混合して接着層32を形
成した際に、接着層32が透明性に優れると共に被着体
であるフォトマスクの画像面に対して十分な初期粘着力
を有するようになるものであれば特に限定されず、例え
ば、アクリル系共重合体、ゴム系樹脂、エポキシ系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂などを使用
することができる。
【0030】特に、接着層32に十分な透明性と初期粘
着力を付与する観点から、アクリル系共重合体が好まし
く用いられる。
【0031】ここでアクリル系共重合体としては、アル
キル基の炭素数が1〜12である(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーの共重合体であり、好ましくは反応性官
能基含有モノマーをモノマー成分として含む共重合から
なるものであることが望ましい。このようにアルキル基
の炭素数が1〜12である(メタ)アクリル酸エステル
モノマーによって基本的な粘着性を発揮しつつ、反応性
官能基含有モノマーを有することにより硬化剤等によっ
て架橋硬化することができ、接着層32の凝集力や耐薬
品性などの向上を図ることができるようになる。
【0032】ここでアルキル基の炭素数が1〜12であ
る(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸
エステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−
エチルへキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル等が挙げら
れ、これらのものは1種又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0033】また、反応性官能基含有モノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モ
ノマー、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、N−メチロー
ルアクリルアミド、アリルアルコール等のヒドロキシ基
含有モノマー、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノプロピル等の三
級アミノ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アミド等
のアミド基含有モノマー、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メト
シキメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトシキメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルア
ミド、N−オクチルアクリルアミド等のN−置換アミド
基含有モノマー、グリシジルメタクリレート等のエポキ
シ基含有モノマーが挙げられ、特に本発明の接着層32
の被転写体であるフォトマスクの画像面に対する接着性
をより上昇させる上では、エポキシ基含有モノマーであ
るグリシジルメタクリレートを採用することが望まし
い。このグリシジルメタクリレートを用いると、接着層
32に電離放射線を照射することにより、光カチオン重
合開始剤の作用により、光カチオン重合性樹脂とも重合
反応するようになり、接着層32自体の硬度が極めて上
昇すると共に、フォトマスクの画像面に対する接着性が
より上昇することになる。これにより保護膜3とフォト
マスクの画像面が強固に接着することにより、作業中の
保護膜3の剥がれなどを防止し、作業性が極めて向上す
ることになる。
【0034】これらアクリル系共重合体を構成する(メ
タ)アクリル酸エステルモノマーと反応性官能基含有モ
ノマーとの重合割合は、(メタ)アクリル酸エステルモ
ノマー100重量部に対して、反応性官能基含有モノマ
ーが1〜30重量部、好ましくは5〜15重量部である
ことが望ましい。
【0035】このアクリル系共重合体は、重量平均分子
量が20万〜300万であり、30万〜200万が好ま
しい。重量平均分子量を20万以上とすることにより凝
集力の低下を防止し、300万以下とすることにより十
分な初期粘着力を得ることができるようになる。
【0036】尚、このアクリル系共重合体には、その特
性を損なわない範囲内で、他の単量体を共重合してもよ
い。
【0037】ここで、共重合することができる他の単量
体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニル
エーテル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等を挙げることができる。この単量体の重合割合
としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと反応
性官能基含有モノマーとの合計100重量部に対して、
通常0〜30重量部、好ましく0〜15重量部である。
【0038】光カチオン重合性樹脂は、粘着性樹脂及び
光カチオン重合開始剤と混合して接着層32を形成した
際に、接着層32に電離放射線を照射することにより、
光カチオン重合開始剤の作用によってカチオン重合反応
することによって3次元網目構造に架橋する樹脂であ
り、主に接着層32のフォトマスクの画像面に対する接
着性を上昇させると共に、接着層32自体の硬度を向上
させる役割を担うものである。
【0039】このような光カチオン重合性樹脂として
は、ビスフェノール系エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等
のエポキシ系樹脂やビニルエーテル系樹脂などを挙げる
ことができる。ここで、ビスフェノール系エポキシ樹脂
としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられ、ノ
ボラック型エポキシ樹脂としては、フェノール・ノボラ
ック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキ
シ樹脂等が挙げられ、脂環式エポキシ樹脂としては、
3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロへキサンカルボキシレート、ビス(3,4−
エポキシ−6−メチルシクロへキシルメチル)アジペー
ト、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテ
ル、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビニルシクロ
ヘキセンジオキサイド等が挙げられ、脂肪族エポキシ樹
脂としては、脂肪族多価アルコールまたはアルキレンオ
キサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族多塩
基酸のポリグリシジルエーテル等が挙げられ、ビニルエ
ーテル系樹脂としては、トリエチレングリコールジビニ
ルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ブ
チレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−
1,4−ジメチロールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメチロールモノビニル等の脂肪族ビニル
エーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシビニル
エーテル類と、有機イソシアネート類とから合成される
ウレタン系ビニルエーテル若しくは多価カルボン酸クロ
ライドとから合成されるエステル系ビニルエーテルなど
を挙げることができる。
【0040】光カチオン重合開始剤は、粘着性樹脂及び
光カチオン重合性樹脂と混合して接着層32を形成した
際に、接着層32に電離放射線を照射することによって
酸を発生して、光カチオン重合性樹脂のエポキシ基の開
環反応を誘発し、光カチオン重合性樹脂の重合反応を促
進させる役割を担うものである。
【0041】このような光カチオン重合開始剤として
は、ジアゾニウム塩、ジフェニルヨウドニウム塩、トリ
フェニルスルホニウム塩等のオニウム塩類、ベンゾイン
トシレート、ο−ニトロベンジルスルホネート、p−ニ
トロベンジルベンゼンスルホネート、p−ニトロベンジ
ル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネ
ート等のスルホン酸エステル、鉄−アレン錯体、チタノ
セン錯体、アリールシラノール−アンモニウム錯体等の
有機金属錯体などを挙げることができる。特に、電離放
射線照射によって酸を発生する分解反応の際に生じる副
生成物による着色や、熱的安定性の問題が少ないという
観点から、オニウム塩類の光カチオン重合開始剤を採用
することが好ましい。
【0042】接着層32を構成する粘着性樹脂及び光カ
チオン重合性樹脂の混合割合は、粘着性樹脂100重量
部に対して、光カチオン重合性樹脂が20〜500重量
部、好ましくは50〜200重量部であることが望まし
い。20重量部以上とすることにより接着層32に電離
放射線を照射した後のフォトマスクの画像面に対する接
着性を十分なものとしつつ、接着層32自体の硬度を十
分向上させることができるようになり、500重量部以
下とすることにより電離放射線照射前の初期粘着力を十
分なものとすることができる。また、光カチオン重合開
始剤の混合割合としては、光カチオン重合性樹脂100
重量部に対して光カチオン重合性開始剤が0.01〜5
重量部であることが好ましい。0.01重量部以上とす
ることにより接着層32に電離放射線を照射した際に光
カチオン重合性樹脂に作用する酸を十分に発生させるこ
とができ、5重量部以下とすることにより電離放射線照
射前の初期粘着力を低下させることがない。
【0043】また、本発明の接着層32は、これら粘着
性樹脂、光カチオン重合性樹脂、光カチオン重合開始剤
の他に、接着層32の性能を阻害しない範囲で他の樹脂
や添加剤等を加えて構成することができる。ここで添加
剤としては、粘着性樹脂を架橋硬化させるための硬化剤
や、光カチオン重合開始剤による酸の発生を促進するた
めの増感剤や、塗工液から接着層32を製膜する際等に
その塗布性を改善するためのレベリング剤や消泡剤など
を加えることができる。
【0044】このように本発明の接着層32は、粘着性
樹脂、光カチオン重合性樹脂、光カチオン重合開始剤、
及び必要に応じて加えられる添加剤を、適宜必要に応じ
て希釈溶媒に溶解あるいは分散することによって塗工液
として調整し、保護層31上に従来公知のコーティング
方法によってコーティングすることにより形成すること
ができる。これにより接着層32は、主に粘着性樹脂を
含有することにより常温で感圧接着性を有してフォトマ
スクの画像面に貼着することができ、光カチオン重合性
樹脂及び光カチオン重合開始剤を含有することにより貼
着後の電離放射線の照射による硬化によって画像面に対
する接着性が極めて上昇すると共に接着層32自体の硬
度及び耐溶剤性を向上させることができるものである。
これによって、加熱して転写させるような場合に比べて
フォトマスクの寸法安定性を阻害することなくフォトマ
スクの画像面に対する保護膜の接着性を上昇させること
ができるようになる。
【0045】ここで保護膜3の厚みとしては、1〜20
μmであることが好ましい。1μm以上とすることによ
り、十分な耐擦傷性および耐溶剤性が得られ、20μm
以下とすることによって、フォトマスクの保護として使
用した際に、高解像のパターンの現像においても問題な
く使用することが可能となる。保護層31及び接着層3
2の厚みは、それぞれ0.5〜15μmであることが好
ましく、保護膜3の厚みの上限を超えない範囲で適宜の
厚みを選択できる。接着層32の厚みを0.5μm以上
とすることで、フォトマスクの画像面に対する接着性と
耐擦傷性が得られ、15μm以下にすることによって、
保護膜3の厚みを薄くすることが可能になることで、解
像度の高いパターンへの対応を可能にする。
【0046】またセパレータ4は、接着層32の接着性
によって作業性を低下させないためのものである。セパ
レータ4の材質としてはポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のプラスチックフィルムや紙等の表面
をシリコーン系離型剤等の離型処理を施したものが使用
できる。
【0047】本発明のフォトマスク用保護膜転写シート
の作製方法の一例としては、離型層を設けたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムなどの電離放射線透過性を有
する支持体上に、塗工液として調整した保護層用塗工液
及び接着層用塗工液を塗布して保護層及び接着層を順次
積層して形成し、接着層の上にセパレータを貼り合わせ
て作製する方法がある。
【0048】また、本発明のフォトマスク用保護膜転写
シートの使用方法の一例としては、接着層上からセパレ
ータを剥離した後、ラミネーターを用いるなどしてフォ
トマスクの画像面に接着層を対向するように貼り合わ
せ、次いで接着層に電離放射線を照射し、支持体を剥離
することにより、フォトマスクの画像面に保護膜を転写
させて使用する方法がある。
【0049】このように、接着層に電離放射線を照射す
ることにより、接着層のフォトマスクの画像面に対する
接着性を加熱工程などを必要とせずに極めて上昇させる
ことができると共に、接着層自体の硬度を上昇させるこ
とによって、保護膜の耐擦傷性及び耐溶剤性を向上させ
ることができる。
【0050】ここで、使用される電離放射線としては、
超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せ
られる紫外線や、コックロフトワルトン型、バンデルグ
ラフ型、共変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子加速器から発せられる電子
線が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。
【0052】1.粘着性樹脂の合成 攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備え
た反応容器にグリシジルメタクリレートモノマー 12.0
g、アクリル酸-n-ブチルエステルモノマー 78.0 g、酢
酸ビニルモノマー 10.0 g、酢酸エチル 400.0 g、α、
α’−アゾビス(イソブチロニトリル) 0.10 g を入れ
窒素を通じて攪拌しながら 75 ℃ に加熱した。その後
さらに8時間反応溶液を 75.0 ℃に保ちつつ攪拌しなが
ら反応を完結させ、アクリル系共重合体である粘着性樹
脂を合成し、樹脂溶液Aとした。
【0053】2.フォトマスク用保護膜転写シートの作
製 [実施例1]厚み50μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム21(T−600E:三菱化学ポリエステル
フィルム社)の一方の表面に、以下の組成の離型層用塗
工液を塗布し、乾燥させることにより、厚み約1μmの
離型層22を設けた支持体2を作製した。
【0054】<離型層用塗工液> ・ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合 体(GANTREZ AN119:ISP社) 50部 ・蒸留水 414部 ・メタ変性アルコール 36部
【0055】次いで、当該支持体2の離型層22上に、
以下の組成の保護層用塗工液及び接着層用塗工液aを順
次塗布、乾燥することにより、厚み約2μmの保護層3
1及び厚み約2μmの接着層32を積層形成した。その
際、保護層31については、乾燥後、高圧水銀灯により
紫外線照射を行って硬化させた。さらに、当該接着層3
2上に厚み38μmのセパレータ4(エステルフィルム
E7006:東洋紡績社)の離型処理面を貼り合わせ
て、図1のフォトマスク用保護膜転写シート1を得た。
【0056】<保護層用塗工液> ・ウレタンアクリレート(ユニディックV4005〈固形 分64%〉:大日本インキ化学工業社) 125部 ・光重合開始剤(イルガキュア184:チバスペシャ リティケミカルズ社) 2.4部 ・トルエン 275部
【0057】<接着層用塗工液a> ・樹脂溶液A〈固形分25%〉 10部 ・光カチオン重合性樹脂(ビスフェノールA型エポキ シ樹脂〈商品名:アデカオプトマーKRM-2410:旭電 化工業社〉) 1.5部 ・光カチオン重合開始剤(トリフェニルスルホニウム 塩〈商品名:アデカオプトマーSP-170:旭電化工業 社〉) 0.1部 ・酢酸エチル 20部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
【0058】得られたフォトマスク用保護膜転写シート
1のセパレータ4を剥離し、接着層32を、銀塩フィル
ム(AGX−7:Kodak社)に回路配線パターンを
形成したフォトマスクの画像面にラミネーターを用いて
貼着し、次いで高圧水銀灯にて紫外線を600mJ/c
2照射して接着層32を硬化させた後、保護膜3から
支持体2を剥離して、保護膜3をフォトマスクの画像面
に転写させた。
【0059】[実施例2]実施例1の接着層用塗工液a
の代わりに下記の接着層用塗工液bを使用した以外は、
実施例1と同様にしてフォトマスク用保護膜転写シート
1を得た。
【0060】<接着層用塗工液b> ・樹脂溶液A〈固形分25%〉 10部 ・光カチオン重合性樹脂(ビスフェノールF型エポキシ
樹脂〈商品名:アデカオプトマーKRM-2490:旭電化工業
社〉) 1.5部 ・光カチオン重合開始剤(トリフェニルスルホニウム塩
〈商品名:アデカオプトマーSP-170:旭電化工業社〉)
0.1部 ・酢酸エチル 20部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
【0061】得られたフォトマスク用保護膜転写シート
を用いて、実施例1と同様にして、保護膜3をフォトマ
スクの画像面に転写させた。
【0062】[比較例1]実施例1の接着層用塗工液a
の代わりに、下記の粘着層用塗工液を使用した以外は、
実施例1と同様にしてフォトマスク用保護膜転写シート
を得た。
【0063】<粘着層用塗工液> ・アクリル系粘着性樹脂(SKダイン1102〈固形 分40%〉:綜研化学社) 30部 ・イソプロピルアルコール 75部
【0064】得られたフォトマスク用保護膜転写シート
のセパレータを剥離し、粘着層を、銀塩フィルム(AG
X−7:Kodak社)に回路配線パターンを形成した
フォトマスクの画像面にラミネーターを用いて貼着した
後、保護層から支持体を剥離して、保護層と粘着層をフ
ォトマスクの画像面に転写させた。
【0065】[比較例2]実施例1の接着層用塗工液a
の代わりに、下記の接着層用塗工液cを使用した以外
は、実施例1と同様にしてフォトマスク用保護膜転写シ
ートを得た。
【0066】<接着層用塗工液c> ・ウレタンアクリレート(ユニディックV4005〈固形 分64%〉:大日本インキ化学工業社) 20部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(カヤ ラッドPDHA:日本化薬社) 8部 ・光重合開始剤(イルガキュア651:チバスペシャ リティケミカルズ社) 1部 ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部
【0067】得られたフォトマスク用保護膜転写シート
のセパレータを剥離し、接着層を、銀塩フィルム(AG
X−7:Kodak社)に回路配線パターンを形成した
フォトマスクの画像面にラミネーターを用いて貼着し、
次いで高圧水銀灯にて600mJ/cm2の紫外線を照
射して接着層を硬化させた後、保護層から支持体を剥離
して、保護層と接着層をフォトマスクの画像面に転写さ
せた。
【0068】実施例1、2及び比較例1、2で得られた
フォトマスク用保護膜転写シートについて、フォトマス
クの画像面に転写させた保護膜等の耐擦傷性、鉛筆硬
度、接着性、耐溶剤性を評価した結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】[耐擦傷性]150g及び300gの荷重
においてスチールウール#0000で保護層表面を10
往復擦った後、その表面の傷の有無を目視観察した。評
価基準は以下の通りとした。 ○:傷がつかない △:傷がつく ×:全面に傷がつく
【0071】[鉛筆硬度]JIS−K5400の鉛筆引
っかき値の試験機法に基づいて評価を行った。転写した
保護膜の破れで評価して、濃度記号が互いに隣り合う二
つの鉛筆について、破れが2回以上と2回未満とになる
一組を求め、2回未満となる鉛筆の濃度記号を保護膜の
鉛筆硬度とした。
【0072】[接着性]JIS−K5400の碁盤目テ
ープ法に準じて評価を行った。隙間間隔1mmのマス目
が100個できるように切れ目を入れ、JIS−Z15
22に規定するセロハン粘着テープを貼り、剥がした後
の保護膜の状態を目視によって観察し、剥がれなかった
マス目の数を記録した。
【0073】[耐溶剤性]メチルエチルケトンをウエス
に染み込ませ、往復で20回擦り、擦った後の保護膜の
状態を観察した。評価基準は以下の通りとした。 ○:保護膜が変化しない ×:保護膜が剥がれた
【0074】実施例1、2のフォトマスク用保護膜転写
シート1は、フォトマスクの画像面に転写させた保護膜
3の耐擦傷性、鉛筆硬度、接着性、耐溶剤性のいずれに
おいても良好であった。
【0075】一方、比較例1のフォトマスク用保護膜転
写シートは、接着層に代えて粘着層を使用したために、
粘着層に積層した保護層の耐擦傷性及び鉛筆硬度が弱い
ものとなってしまった。また、比較例2のフォトマスク
用保護膜転写シートにおいては、光ラジカル重合性の電
離放射線硬化性樹脂のみからなる接着層を使用したため
に、フォトマスクの画像面に対して転写させた接着層の
接着性が全くないものとなってしまった。
【0076】また、本発明のフォトマスク用保護膜転写
シートは、接着層のフォトマスク画像面に対する十分な
接着性を満足させるために加熱を必要としないため、フ
ォトマスクの寸法安定性を阻害することがなく、極めて
精度が要求されるいわゆるファインパターンと呼ばれる
画像を形成したフィルム基材のフォトマスクに対して接
着性の良い保護膜を転写可能なものとして素晴らしいも
のであった。
【0077】
【発明の効果】本発明のフォトマスク用保護膜転写シー
トによれば、フォトマスクの画像面に加熱工程を必要と
せずに優れた接着性を発現する保護膜を転写可能なもの
であって、転写される保護膜としても優れた耐擦傷性及
び耐溶剤性を有する保護膜を転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフォトマスク用保護膜転写シートの
一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・・フォトマスク用保護膜転写シート 2・・・・支持体 21・・・プラスチックフィルム 22・・・離型層 3・・・・保護膜 31・・・保護層 32・・・接着層 4・・・・セパレータ
フロントページの続き (72)発明者 栗嶋 進 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内 Fターム(参考) 2H095 BC19 BC22 4J004 AA10 AA13 AA18 AB01 AB07 CC03 FA10 4J040 DF001 FA132 JB09 KA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剥離可能な支持体上に保護膜を設けた保護
    膜転写シートであって、前記保護膜は、前記支持体側か
    ら保護層、接着層を順次積層してなり、且つ前記接着層
    が、少なくとも粘着性樹脂、光カチオン重合性樹脂、光
    カチオン重合開始剤を含有してなるものであることを特
    徴とするフォトマスク用保護膜転写シート。
  2. 【請求項2】前記粘着性樹脂が、反応性官能基含有モノ
    マーをモノマー成分として含むアクリル系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1記載のフォトマスク用保護
    膜転写シート。
  3. 【請求項3】前記反応性官能基含有モノマーが、グリシ
    ジルメタクリレートであることを特徴とする請求項2記
    載のフォトマスク用保護膜転写シート。
  4. 【請求項4】前記光カチオン重合開始剤が、オニウム塩
    類であることを特徴とする請求項1記載のフォトマスク
    用保護膜転写シート。
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