JP2005255859A - 粘着剤付きフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘着力の強い広幅の粘着剤付きフィルムを、セパレーターなしで長尺のロールとして提供可能であると共に、耐傷性の高い粘着剤付きフィルムを提供することにある。これにより、長持ちし、貼り付け加工作業後にセパレーターゴミの出ない、地球環境にやさしい粘着剤付きフィルムを供給すること。
【解決手段】 対向する第1の面及び第2の面を有する支持体の第1の面に塗設された粘着層、及び第2の面に塗設された離型層を有してなる粘着剤付きフィルムであって、該粘着層と該離型層を粘着させたときの剥離力が200g/25mm以下であり、該粘着層の粘着力が300g/25mm以上であり、かつ該フィルムの巾が10cm以上であることを特徴とする粘着剤付きフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セパレーターを使用しない粘着剤付きフィルムに関する。さらに、表面が汚れ難く、傷つきにくい粘着剤付きフィルムに関する。
広幅の粘着剤付きフィルムは、ポスターやPOPなどの広幅・大判印刷物保護用の粘着ラミネートフィルム(通常、コールドラミフィルムと呼ばれる)、建築内装用(壁紙、床材等)、さらに、ガラスへのフィルム貼り付け、例えば窓ガラス飛散防止フィルム、液晶パネルに使用される偏光板、位相差フィルム、反射防止フィルムなどとして工業的に幅広く使用されている。これらは、強い粘着力を必要とする場合が多く、近年、広幅の粘着剤付きフィルムの需要及び消費は拡大している。従来、粘着剤付きフィルムは事務用セロハンテープや,梱包用テープに代表されるように、プラスチックフィルムや、布、紙などの支持体に粘着剤を塗布して、その反対面に離型剤を塗布して、ロールに巻いた形で使用される。これらのテープの巾は概ね10mmから50mm程度で、粘着剤層背面の離型剤を調整して、専用のディスペンサーから引き出すときや手で引き出すときに、楽に剥せるようにしている。しかし、テープの巾が広くなるとその巾に応じて、引き出す力が大きくなる。
例えば、通常の事務用、産業用に使用される強粘着剤付きフィルムでは、その粘着力がおよそ500g/25mm以上であり、フィルム巾が10cmを超えると何キロもの力が必要となり、簡単に手で引き剥がすことができなくなる。事実上使いにくいものになってくる。例えば通常の事務用のニチバン(株)製セロテープ(登録商標)では、12mm巾のもので、引出し力は700g/25mmであるため、これが1m巾であると、28kgにもなる。また、日東電工のPETテープでは1200g/25mm巾であるため、1m巾では48kgの引出し力になる。広い幅の粘着フィルムを貼り付ける場合には、通常、ラミネーターという機械を使って、貼り付け作業を行う。ラミネーター機はロール状態の粘着剤つきフィルムをモーターの力で引出し、それを圧着ロールで被着体に貼り付ける機構をもっている。
コールドラミフィルム用のラミネート機械を使い、種々のロールフィルムを引き出すとき、引き出す抵抗が大きいと多大な動力を必要とするだけではなく、フィルムが伸ばされてしまう場合があり、その場合、伸ばされたままのフィルムを被着体に貼り付けることになること、また、この状態で印刷物などに貼り付けると、その後にフィルムの収縮が起き、平面性が要求される被着体がカールするなど不都合が起きること、が分かった。
これらの問題点を解決するために、一般的には剥離力の軽い離型フィルム、または離型紙(以下、共に「セパレーター」ともいう。)を別途粘着面に貼り付けて粘着性のないシートとしてロールに巻いて、引き出し抵抗を無くし、上記不都合の回避を図っている。そのためのセパレーターも種々開発されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
広幅のセパレーターがついている粘着剤付きフィルムでは、ラミネート機にこのセパレーターを剥がす特別な機構と、剥がしたセパレーターを巻き取る機構が必要とされ、複雑な構造になることを余儀なくされている。さらに、セパレーターつきの粘着剤付きフィルムは、使用後にセパレーターがゴミとして排出されることになる。
もうひとつの問題点は、ポスターやPOPなど、長時間に渡り屋内外に掲示されるものではその表面に傷が付いたり、色が変化するなどの問題である。また工場内の工程で使用されるフィルムも、搬送時、貼り付け時などに傷つく場合が避けられず、歩留まり低下の一因となっている。この問題解決のため、フィルム表面の硬度強化策として、その表面にハードコート層を形成することが広く行われている。
従来のハードコート層は、通常、熱硬化型樹脂、あるいは紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線重合性樹脂をプラスチック基材上に直接、或いは0.03から0.5μm程度のプライマー層を介して3以上10μm以下程度の薄い硬化塗膜を形成して製造している。
しかしながら、前記従来のハードコート層は硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚みが薄いことに起因して、下地のプラスチック基材が荷重により大きく変形した場合に、それに応じてハードコート層も変形し、ハードコート層に割れが生じやすく、このため、十分に満足できる性能のものではなかった。例えば、プラスチック基材フィルムとして広く利用されているポリエチレンテレフタレートフィルム上に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗工したハードコートフィルムにおいては、鉛筆硬度で3Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬度である9Hには全く及んでいない。
ハードコート層の硬度を上げるために、該層の樹脂形成成分を多官能性アクリル酸エステル系モノマーとし、これにアルミナ、シリカ、酸化チタン等の粉末状無機充填剤および重合開始剤を含有する被覆用組成物が特許文献4に開示されている。また、アルコキシシラン等で表面処理したシリカもしくはアルミナからなる無機質の装填材料を含む光重合性組成物が特許文献5に開示されている。さらに架橋有機微粒子を充填することも近年検討されている。これらはハードコート層の表面硬度を上げる効果を持っているが、ヘイズ増加、脆性悪化の問題も持っており、これのみでは要求されている性能に十分に応えうるものではなかった。
また、特許文献6にハードコート層を2層構成とし、第一層に微粒子のシリカを添加することで、カールと耐擦傷性を満足させる方法が提案されている。さらに、特許文献7にはハードコート層を2層構成とし、下層にラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂のブレンドからなる硬化樹脂層を使用し、上層にラジカル硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層を使用したハードコートフィルムの記載がある。しかし、これらも十分満足できる硬度ではなかった。
一方、ハードコート層の厚みを通常の3〜10μmよりも厚くすることが硬度増加に有効であることが知られている。しかし、厚くすることでヘイズが大きくなり、ハードコート層の脆性が悪化し割れや剥がれが生じやすくなると同時に、硬化収縮によるハードコートフィルムのカールが大きくなる問題がある。
また、液晶表示装置やプラズマディスプレー装置などの画像表示装置や、タッチパネルの保護又はガラス飛散の防止のため設けたハードコート層は、指紋、サインペン、化粧、汗などの汚れが付着しやすく、一度付着するとその汚れは除去しにくく、透明性や反射性が損なわれて視認性が悪くなる問題も有していた。
一方、セロハンテープや梱包用事務用品に見られるロールに巻いたフィルムでは粘着面の反対側が離型層となっている。この剥離層に用いられる離型剤として、一般的に、ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン系離型剤、フッ素系化合物、ポリビニルアルコールの長鎖アルキル変性物、ポリエチレンイミンの長鎖アルキル変性物等が用いることができる。また、ホットメルト型離型剤、ラジカル重合、カチオン重合、重縮合反応等により離型性モノマーを硬化させるモノマー型離型剤などの各種の離型剤を用いることができる。この他、アクリル−シリコーン系共重合樹脂、アクリル−フッ素系共重合樹脂、及びウレタン−シリコーン−フッ素系共重合樹脂などの共重合系樹脂、並びに、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンドなどを使用されるが、何れも表面の硬度は不十分で、傷つきやすい。さらに粘着層と離型層が巻かれた状態で長時間接していると、離型剤の一部が粘着層へ転写して、粘着力が低下するなどの不都合も起きている。
このため従来の技術では、実用上使用できる良好なハードコート性能を有する離型層を得ることは困難であった。
特許第3286581明細書 特公平6−4313号公報 特許第3085484号明細書 特許第1815116号明細書 特許第1416240号明細書 特開2000−52472号公報 特開2000−71392号公報
この様に、フィルムの性能、特に耐傷性は長期使用においては必須の性能にもかかわらず、未だ満足できるものはなく、傷や色褪せで見苦しくなると、新たに作り直さねばならなかった。
近年、資源の無駄使い、生活環境の汚染などが問題となり、ゴミ排出の少ない製品が求められている中で、このような短期間で使用できなくなる製品は好ましくない。また、セパレーターを使わない粘着剤付きフィルムは、現在のところ、例えば、金属表面保護やプラスチック表面保護のために貼る粘着力の低いテープで、貼り付け後に簡単に剥離できる保護用シートなどの、引き出し抵抗の小さいごく一部の製品に限られている。広幅の強粘着剤付きフィルムでは、すべてがセパレーター付きで、そのセパレーターがゴミとなって捨てられている。このような状況から、巾の広い強粘着剤付きフィルムでセパレーターがなく、ロール形態で提供可能であると共に、テープ表面の耐傷性が高く地球環境に負担をかけない粘着剤付きフィルムが望まれていた。
本発明の目的は、粘着力の強い広幅の粘着剤付きフィルムを、セパレーターなしで長尺のロールとして提供可能であると共に、耐傷性の高い粘着剤付きフィルムを提供することにある。これにより、長持ちし、貼り付け加工作業後にセパレーターゴミの出ない、地球環境にやさしい粘着剤付きフィルムを供給することである。
我々は種々のコールドラミフィルム用のラミネート機械を使い、種々のロールフィルムを引き出す時の力を測定した、1m巾のテープでは、引出し力が400g/25mm以下、好ましくは300g/25mm以下、さらに好ましくは200g/25mm以下であれば無理なく引き出せることが分かり、また、下記構成とすることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成できた。
すなわち、本発明は、対向する第1の面及び第2の面を有する支持体の第1の面に塗設された粘着層、及び第2の面に塗設された離型層を有してなる粘着剤付きフィルムであって、該粘着層と該離型層を粘着させたときの剥離力が200g/25mm以下であり、該粘着層の粘着力が300g/25mm以上であり、かつ該フィルムの巾が10cm以上の広幅であることを特徴とする(セパレータを使用しない)粘着剤付きフィルム、である。
本発明の粘着剤付きフィルムを使用すると、次の効果がある。
(1)セパレーターを使用しなくてもテープを引き出す力が小さくて済むため、広幅の面積にも楽にテープを貼る作業ができる。
(2)ラミネート機に特別なセパレーターを巻き取る装置を必要としない。
(3)貼り付け加工作業後にセパレーターゴミが出ない。
(4)表面硬度が高くかつ耐擦傷性に優れた離型性を有するハードコート層を有し、長期間の使用に耐え、地球環境の負担をかけない。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いられる支持体(基材)は、金属、プラスチック、木材、紙などロール状に巻ける形態であれば特に制限なく使用できる。その中でも特にプラスチック、紙の支持体が好ましく、プラスチックではプラスチックフィルムを基材に用いた場合、本発明の効果が顕著に現れるため、好ましい。プラスチックフィルムとしては、特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムもしくはシートを挙げることができる。その中でも特にポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂等のフィルムが好ましい。なお、光学的には、透明性に優れている方が好ましい場合が多いが、用途によっては半透明、あるいは、印刷されたものも用いられる。フィルムの厚みは、用いる基材によって、また積層する相手によってさまざまである。例えば曲面の多い部分では、薄いものが好まれ、6〜50μm程度のものが用いられる。また平面に用いられ、あるいは、強度を要求されるところでは50〜400μmが良く用いられる。
支持体として紙を用いる場合、その紙としては、一般に上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙類、含浸紙、プラスチックコート紙等の目止めを施した紙類、不織布、布等の布類等が挙げられる。紙の厚みは用途によってさまざまであるが概ね坪量で30g/mから200g/mの範囲で選定される。
本発明で用いられる粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテル系、スチレン系粘着剤などの一般的に粘着シートに用いられるものが使用できる。
粘着剤層が人体と接する場合にはゴム系,アクリル系,ポリエステル系,ビニル系が主として用いられ,人体に悪影響をおよぼさず,皮膚の動きや摩擦によっても剥離することのないような粘着力を有するものが選ばれる。
光学的に透明なものが必要な場合は光学用途向けの粘着剤が選ばれる。着色、半透明、マット調などの模様が必要な場合は、基材における模様付けのほかに粘着剤に、染料、有機や無機の微粒子を添加して効果を出すことも行うことができる。
粘着付与剤が必要な場合、樹脂、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂およびこれらの水素添加物などの接着付与樹脂を1種類または混合して用いることができる。
本発明で用いられる粘着剤の粘着力は一般に言われる強粘着であり、200g/25mm以上、好ましくは300g/25mm以上、さらに好ましくは400g/25mm以上である。なお、ここで言う粘着力はJIS Z 0237 に準拠し、180度剥離試験によって測定した値である。
・試験片:25mm幅
・圧着法:2kgロール1往復
・時間:貼合直後(20分後)
・測定:25℃圧着後同温度保持、同温度測定、剥離試験速度300mm/分
本発明における離型層に離型性をもたせるために用い離型剤としては、一般的に、ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン系離型剤、フッ素系化合物、ポリビニルアルコールの長鎖アルキル変性物、ポリエチレンイミンの長鎖アルキル変性物等が用いることができる。また、ホットメルト型離型剤、ラジカル重合、カチオン重合、重縮合反応等により離型性モノマーを硬化させるモノマー型離型剤などの各種の離型剤や、この他、アクリル−シリコーン系共重合樹脂、アクリル−フッ素系共重合樹脂、及びウレタン−シリコーン−フッ素系共重合樹脂などの共重合系樹脂、並びに、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンドなどを使用してもよいが、本発明では特に次の構成によってより有効な効果を実現できる。
本発明において、離型性を有するハードコート層(単に「ハードコート層」、「ハードコート離型層」、「離型層」とも称する。)は、生産性の観点から、フッ素原子及び/又はケイ素原子のいずれかの原子と、活性エネルギー線重合性基含有化合物を含む硬化性組成物を、硬化して得られるハードコート離型層とすることが好ましい。そして、ハードコート層表面の水に対する接触角は、離型性の観点から好ましくは90度以上であり、更に好ましくは97度以上である。
ハードコート層表面の水に対する接触角を上記範囲とするには、ハードコート層を形成するための硬化性組成物として、フッ素原子および/またはケイ素原子を含有するとともに、活性エネルギー線によって重合する基を有する硬化性樹脂あるいは硬化性化合物を、離型剤あるいは防汚剤(以下、離型剤と同意味に使用する。)として含有させることで達成される。
フッ素原子および/またはケイ素原子を含有して離型性あるいは防汚性を有し、また活性エネルギー線によって重合する基を有する硬化性樹脂は、活性エネルギー線で重合する公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素硬化性樹脂、あるいはフッ素原子を含有する骨格とケイ素原子を含有する骨格とを有する硬化性樹脂が用いられる。さらにハードコート層を主として構成する硬化した樹脂あるいは該樹脂に分散した金属酸化物等と相溶性の良い骨格と、フッ素原子および/またはケイ素原子を含有する骨格とを有する活性エネルギー線重合性樹脂が好ましく挙げられる。
このような硬化性樹脂を離型層または防汚性層として形成するために硬化することで、ハードコート層表面にフッ素あるいはケイ素を存在させることができる。なお、本明細書においては、離型層あるいは防汚性層は、ハードコート離型層の一部を構成する。但し、説明の便宜上、離型層あるいは防汚性層は、ハードコート層と区別して記載することもあるが、その場合でも、離型層または防汚性層はハードコート離型層に包含される層である。
上記ハードコート離型層に用いられる(離型性または防汚性を付与する)硬化性樹脂又は硬化性化合物の具体的な例としては、フッ素原子またはケイ素原子を含有するモノマー、あるいはフッ素原子またはケイ素原子を含むモノマーの共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体にアクリル基を含有させたポリマーが挙げられる。フッ素含有モノマーとしては、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パーフルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
具体的には、2−パーフルオロオクチルエチルメタアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート(日本メクトロン(株)製)、M−3633、M−3833、R−3633、R−3833等のアクリレート化合物((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、AFC−1000,AFC−2000、FA−16等(共栄社化学(株)製)、メガファック531A(大日本インキ(株)製)などの重合性基を含有する化合物が挙げられる。フッ素を含有する共重合体としては、主鎖が炭素原子のみからなり、かつ、含フッ素ビニルモノマー重合単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位とを含んでなる共重合体があり、具体的には下記一般式(2)で表される共重合体が挙げられる。
一般式(2)
Figure 2005255859
(一般式(2)中、Mfは含フッ素ビニルモノマーにより導入される重合単位、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、mは0または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し30≦x≦60、40≦y≦80、0≦z≦65を満たす値を表す。x+y+z=100である。)
一般式(2)におけるMfで表される重合単位を導入するための含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やM−2020(商品名、ダイキン製)等)、パーフルオロアルキルスルホン酸メタアクリルアミド、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、パーフルオロオレフィン類が好ましく、溶解性、透明性、入手性等の観点からはヘキサフルオロプロピレンが特に好ましい。
本発明で用いる上記共重合体は、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位を必須の構成成分として有する。共重合体への(メタ)アクリロイル基の導入法は特に限定されるものではないが、例えば、
i)水酸基、アミノ基等の求核基を有するポリマーを合成した後に、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無水物等を作用させる方法、
ii)上記求核基を有するポリマーに、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を作用させる方法、
iii)上記求核基を有するポリマーにメタクリロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、
iv)エポキシ基を有するポリマーを合成した後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法
v)カルボキシル基を有するポリマーにグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、
vi)3―クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う方法などが挙げられる。
これらの中で、特に水酸基を含有するポリマーに対してi)またはii)の手法によって(メタ)アクリロイル基を導入することが好ましい。尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」、及び「(メタ)アクリル酸」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリロイル又はメタクリロイル」、及び「アクリル酸又はメタクリル酸」を表す。
(メタ)アクリロイル基含有重合単位の組成比を高めれば皮膜強度は向上する。含フッ素ビニルモノマー重合単位の種類によっても異なるが、一般に(メタ)アクリロイル基含有重合単位は40〜80モル%を占めることが好ましく、45〜75モル%を占めることがより好ましく、50〜70モル%を占めることが特に好ましい。
本発明で好適に用いられる共重合体では、上記含フッ素ビニルモノマー重合単位、および側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位以外に、一般式(2)におけるAで表される任意のビニルモノマーの重合単位を、基材への密着性、ポリマーのTgの調整(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65モル%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40モル%の範囲であることがより好ましく、0〜30モル%の範囲であることが特に好ましい。
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル等)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を挙げることができる。
好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
一般式(2)中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していてもよい。好ましい例としては、*‐(CH−O−**, *−(CH−NH−**, *−(CH−O−**, *−(CH−O−**, *−(CH−O−(CH−O−**, −CONH−(CH−O−**, *−CHCH(OH)CH−O−*, *−CHCHOCONH(CH−O−**(ここで、*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表す。
一般式(2)中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し、30≦x≦60、40≦y≦80、0≦z≦65を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、50≦y≦70、0≦z≦10の場合である。
ケイ素を含有するモノマーとしてはポリジメチルシロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキサン基を有するモノマーが挙げられる。末端(メタ)アクリレートのシロキサン化合物の具体例としては、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−2404、X−22−174D、X−22−8201、X−22−2426(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
フッ素原子およびケイ素原子のいずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する化合物を含まない(離型性を有しない)硬化性組成物層の上に、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する化合物を含有する硬化性組成物層を設けたハードコートフィルムの場合、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する化合物を含有する(離型性を有する)硬化性組成物層の厚みは、0.05μm以上2μm以下が好ましい。薄すぎると塗膜の強度、防汚性、離型性の効果が得られ難いこと、2μmを越えると多層構成にする意義が少なくなり、0.1μmから1μmの範囲がより好ましい。
活性エネルギー線の照射により重合する基は、例えばアクリル基等のラジカル重合性の二重結合やエポキシ基等のカチオン重合性基を導入することによって付与される。これら硬化性組成物に含まれるフッ素、ケイ素と活性エネルギー線重合性基を有する化合物の含有量は硬化性樹脂の0.01〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
ハードコート層が耐擦傷性に優れるためには、ハードコート層の硬度がある程度大きいことが好ましい。硬度の観点から、ハードコート層の表面弾性率は4.0GPa程度以上が好ましく、より好ましくは4.5GPa以上である。表面弾性率が4.0GPa未満のハードコート層では、十分な鉛筆硬度及び耐擦傷性が得られない。なお、上記の表面弾性率をユニバーサル硬度で表すと、その値は250N/mm程度以上が好ましく、より好ましくは300N/mm以上である。無機微粒子を添加することにより、表面弾性率を上げることができる。無機微粒子の添加量を増やすと脆性が悪くなるので、表面弾性率の上限は、10GPa、好ましくは9.0GPaである。従って、好ましい表面弾性率の範囲は、4.0〜10GPaであり、特に好ましくは4.5〜9.0GPaである。
ハードコート層の鉛筆硬度と脆性の両立化を図ることを検討した結果、硬度は若干小さいが脆性が改善されているハードコート剤を厚く塗布することが有効である。
上記表面弾性率は、微小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ製:フィッシャースコープH100VP−HCU)を用いて求めた値である。具体的には、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが1μmを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から求められる弾性率である。
また、前述の微小表面硬度計を用いて表面硬度をユニバーサル硬度として求めることもできる。ユニバーサル硬度は四角錐圧子の試験荷重下での押し込み深さを測定し、試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の幾何学的形状から計算される圧痕の表面積で割った値である。上記の表面弾性率とユニバーサル硬度の間には、正の相関を有することが知られている。
本発明におけるハードコート離型層の厚みは、10μm以上が好ましく、20μm以上がさらに好ましい。基材が透明なフィルムの場合、ハードコート層の厚みをあまり厚くすると鉛筆硬度は向上するが、フィルムを曲げることが難しくなり、さらに曲げによる割れが発生しやすくなることから、ハードコート層の厚みは60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。従って、基材が透明なフィルムの場合、ハードコート層の厚みは、好ましくは10〜60μmであり、より好ましくは20〜50μmである。
ハードコート離型層は、単層でも複数層から構成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは、同一の硬化性組成物から硬化形成されたハードコート層を指し、塗布、乾燥後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布後、硬化して形成されていてもよい。一方、複数層とは組成の異なる複数の硬化性組成物から硬化、形成された層を指す。
本発明におけるハードコート離型層は、活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性組成物を塗布後、活性エネルギー線の照射により硬化して形成される。該硬化性組成物の活性エネルギー線照射による硬化収縮率は、0〜15%、好ましくは0〜13%、より好ましくは0〜11%である。
上記硬化収縮率は、用いた活性エネルギー線、例えばUV光の照射前の硬化性組成物の密度と、照射硬化後の硬化性組成物の密度を求め、その値から下記数式Aで計算して求めた値である。なお、密度はマイクロメトリック社製MULTIVOLUME PYCNOMETERで測定(25℃)した値である。
数式A:体積収縮率={1−(硬化前密度/硬化後密度)}×100(%)
ハードコート層を形成するための硬化性組成物は、前記した離型性を付与する硬化性樹脂又は硬化性化合物とは異なるところの、活性エネルギー線や熱によって硬化する硬化性樹脂を主成分として含有する。ハードコート層を形成するための硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」とも称する。)は、該硬化性樹脂として、開環重合性基を有する硬化性樹脂および/またはエチレン性不飽和基を同一分子内に3個以上有する硬化性樹脂を含有することが好ましく、これら二種の硬化性樹脂のいずれをも含有することがより好ましい。このことによって、ハードコート層の表面硬度が高くなり、耐擦傷性に優れたハードコートフィルムが得られる。同時に、体積収縮率が上記した範囲を満たし、硬化後のカールが小さくなり、諸取り扱い時のひび割れが発生しにくくなる。さらに、ハードコート層の膜厚を一定の膜厚にすることによって、上記の効果がさらに顕著となる。
以下、本発明に好ましく用いられる開環重合性基を含む硬化性樹脂について説明する。
開環重合性基を含む硬化性樹脂とは、カチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する硬化性樹脂であり、この中でもヘテロ環状基含有硬化性樹脂が好ましい。このような硬化性樹脂としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾリン誘導体が好ましい。
本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、同一分子内に2個以上の開環重合性基を有することが好ましいが、より好ましくは3個以上有することが好ましい。また、本発明において、開環重合性基を有する硬化性樹脂を2種以上を組み合わせて併用してもよい。この場合、同一分子内に開環重合性基を1個有する硬化性樹脂と同一分子内に開環重合性基を2個以上有する硬化性樹脂とを組み合わせてもよく、また同一分子内に開環重合性基を2個以上有する硬化性樹脂のみを2種以上組み合わせてもよい。
本発明で言う開環重合性基を有する硬化性樹脂とは、上記のような環状構造を有する硬化性樹脂であれば得に制限がない。このような硬化性樹脂の好ましい例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、2官能脂環式エポキシ類、ジグリシジルエーテル類(例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、3官能以上のグリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリス(グリシジルオキシエチル)イソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、脂環式エポキシ類(セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、オキセタン類(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明では開環重合性基を有する硬化性樹脂として、次の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有していることが特に好ましい。
一般式(1)
Figure 2005255859
(一般式(1)中、
は、水素原子または炭素原子数1から4のアルキル基を表す。
は、一価の開環重合性基または開環重合性基を有する一価の基を表す。
は、単結合または二価以上の連結基を表す。)
以下にこれら架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。
は、単結合または二価以上の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。
は、一価の開環重合性基または開環重合性基を有する一価の基であり、好ましいPとしては、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミノエーテル環などを有する一価の基が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサゾリン環を有する一価の基である。
本発明において一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255859
Figure 2005255859
Figure 2005255859
本発明において、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、また、一般式(1)以外の繰り返し単位(例えば開環重合性基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーの開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般式(1)以外の繰り返し単位を含有するコポリマーとする手法は好適である。一般式(1)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入する手法が好ましい。
一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類(例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、
アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げられる。
これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.19551(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。
なかでも、アクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類およびアミド類、ならびに芳香族ビニル化合物が特に好ましく用いられる。
一般式(1)以外の繰り返し単位として、開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位も導入することができる。特に、ハードコート層の硬度を高めたい場合や、基材もしくはハードコート層上に別の機能層を用いる場合の層間の接着性を改良したい場合、開環重合性基以外の反応性基を含むコポリマーとする手法が好適である。開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位の導入方法は対応するビニルモノマー(以下、反応性モノマーと称する)を共重合する手法が簡便で好ましい。
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N-メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、 N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミドなど)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、アルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。
本発明において、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上100質量%以下、好ましくは30質量%以上100質量%以下、特に好ましくは50質量%以上100質量%以下である。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい数質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定、ポリエチレングリコール換算値)の範囲は、1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005255859
既に述べたように、ハードコート層を形成するための活性エネルギー線によって硬化する硬化性組成物には、開環重合性基を含む硬化性樹脂とエチレン性不飽和基を同一分子内に3個以上含む硬化性樹脂との両方を含有することが好ましい。
以下に、上記エチレン性不飽和基を同一分子内に3個以上含む硬化性樹脂について詳しく説明する。
好ましいエチレン性不飽和基の種類は、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。
なお、同一分子内にエチレン性不飽和基を3個以上含む硬化性樹脂と共に、エチレン性不飽和基を1個もしくは2個含む硬化性樹脂(モノマーあるいはオリゴマー)を併用してもよい。さらに、分子内に3〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーや、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーなどを本発明の硬化性樹脂として好ましく使用することができる。
これら同一分子内に3個以上のアクリル基を有する硬化性樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ポリイソシナネ特許1416240号ートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。
また、本発明では同一分子内に3個以上のエチレン性不飽和基を有する硬化性樹脂として、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーも好ましく使用できる。以下、一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
一般式(3)
Figure 2005255859
上記一般式(3)中、Rは、水素原子または炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。
は、一価のエチレン性不飽和基またはエチレン性不飽和基を有する一価の基を表す。
は、単結合もしくは二価以上の連結基を表し、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。
好ましいPとしては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基またはこれらの基のいずれかを含有する一価の基であり、最も好ましくはアクリロイル基またはこれを含有する一価の基である。
一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、(i)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよく、(ii)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよい。また、上記(i)および(ii)の手法を組み合わせて合成することもできる。重合反応としてはラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などが挙げられる。
上記(i)の方法を用いる場合、重合反応により消費されるエチレン性不飽和基と架橋性ポリマー中に残されるエチレン性不飽和基の重合性の差を利用することにより可能である。例えば、一般式(3)のP2が、アクリロイル基、メタクリロイル基またはこれらのいずれかを含有する一価の基である場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチオン重合とすることで上記(i)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを得ることができる。一方、Pがスチリル基またはスチリル基を含有する一価の基である場合は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため、通常上記(ii)の手法によって一般式(3)の架橋性ポリマーを合成する。
このように上記(ii)の高分子反応を利用する手法は、一般式(3)中に導入されるエチレン性不飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ることが可能であり、有用である。
高分子反応は、(I)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法と、(II)任意の官能基を含むポリマーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行して共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する反応性モノマーを反応させる方法が挙げられる。これら(I)、(II)の方法は組み合わせて行ってもよい。
ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、架橋性ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
以下に好ましい高分子結合形成反応が進行する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
加熱もしくは室温で反応が進行する官能基の組み合わせとしては、(イ)ヒドロキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、N-メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、ホルミル基、アセタール基、(ロ)イソシアネート基に対して、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、N-メチロール基、(ハ)カルボキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、N-メチロール基、(ニ)N-メチロール基に対して、イソシアネート基、N-メチロール基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、(ホ)エポキシ基に対して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、N-メチロール基、(ヘ)ビニルスルホン基に対してスルフィン酸基、アミノ基、(ト)ホルミル基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチレン基、(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N-メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、(リ)アミノ基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N-メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、などの組み合わせが挙げられる。
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N-メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、 N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有ビニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、CYCLOMER−M100、A200(ダイセル化学工業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビニルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、などが挙げられる。
上記(II)に記載した任意の官能基を含むポリマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることができる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマーの重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。
これらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も簡便で好ましい。
以下に一般式(3)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255859
Figure 2005255859
Figure 2005255859
Figure 2005255859
Figure 2005255859
本発明において一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(3)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、また、一般式(3)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(3)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとする手法は好適である。一般式(3)以外の繰り返し単位の導入方法は、(a)対応するモノマーを共重合させて直接導入する手法を用いてもよく、(b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入する手法を用いてもよい。また、(a)および(b)の手法を組み合わせて導入することもできる。
(a)の手法によって一般式(3)以外の繰り返し単位を対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類(例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、 n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、
アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げられる。
これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.19551(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。
なかでも、アクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類およびアミド類、ならびに芳香族ビニル化合物が特に好ましく用いられる。
また、一般式(3)で表される繰り返し単位を前記(ii)のように高分子反応で導入し、反応を完結させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する共重合体となるが、本発明ではこれを特に制限無く用いることができる。
上記で挙げたビニルモノマーから誘導されるエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分は前述した(b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入することも可能である。一方で、本発明において一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、高分子反応のみによってでしか導入できない、一般式(3)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールやポリビニルアルコールのアセタール化反応によって得られるポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの繰り返し単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255859
本発明において一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上100質量%以下、好ましくは30質量%以上100質量%以下、特に好ましくは50質量%以上100質量%以下である。
一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい数量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定、ポリエチレングリコール換算値)の範囲は、1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
以下に一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表2に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(3)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005255859
本発明に用いることのできる開環重合性基を有する硬化性樹脂として、一般式(1)および(3)で表される両方の繰り返し単位を含むポリマーも挙げることができる。この場合の一般式(1)および(3)の好ましい繰り返し単位としては、前記したものと同じである。また、一般式(1)および(3)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーであってもエチレン性不飽和基および開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよい。
一般式(1)および(3)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
一般式(1)および(3)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定、ポリスチレン換算値)の範囲は、1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
一般式(1)および(3)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表3に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)および(3)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
Figure 2005255859
ハードコート層を形成するための硬化性組成物に好ましく含有される、エチレン性不飽和基を同一分子内に3個以上含む硬化性樹脂と開環重合性基を含む硬化性樹脂との好ましい混合比は、用いる硬化性樹脂の種類によっても異なり、特に制限はないが、エチレン性不飽和基を含む硬化性樹脂の割合が硬化性樹脂全体の30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
エチレン性不飽和基を含む硬化性樹脂と開環重合性基を含む硬化性樹脂を含有する硬化性組成物(以下、特に断りのない限り、「硬化性組成物」は、これら両者の硬化性樹脂を含有する組成物である)を硬化させる場合、両方の硬化性樹脂の架橋反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も活性エネルギー線の作用により、重合反応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル発生剤およびカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添加し、活性エネルギー線によりこれらを分解し、ラジカルおよびカチオンを発生させ重合を進行させることができる。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。
上記硬化性組成物を活性エネルギー線照射により硬化する場合、低温で架橋反応が進行する場合が多く、好ましい。
本発明では、活性エネルギー線として、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などが用いられる。その中でも紫外線を用いて、ラジカルもしくはカチオンを発生させる重合開始剤を添加し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。また紫外線を照射した後、加熱することにより、さらに硬化を進行させることができる場合があり、この方法を好ましく用いることができる。この場合の好ましい加熱温度は140℃以下である。
紫外線によってカチオンを発生させる光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の硬化性樹脂やスルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の硬化性樹脂が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、"イメージング用有機材料"ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている硬化性樹脂等種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはスルホニウム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンとしてはPF6-、SbF6-、AsF6-、B(C4- などが好ましい。
紫外線によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤が使用できる。また上記で挙げたように通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども紫外線照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを単独で用いてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
重合開始剤は、それぞれ組み合わせて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生させるような硬化性樹脂の場合などは1種単独で用いることができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物中に含まれるエチレン性不飽和基含有硬化性樹脂と開環重合性基含有硬化性樹脂の総質量に対し、0.1〜15質量%の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
本発明において一般式(1)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーや、一般式(3)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマー(以下、これらを合わせて「本発明のポリマー」と称する)を使用する場合は、通常、本発明のポリマーは固体もしくは高粘度液体となり単独での塗布は困難であり、ポリマーが水溶性の場合や水分散物とした場合は水系で塗布することもできるが、通常有機溶媒に溶解して塗布される。有機溶媒としては、本発明のポリマーを溶解し得るものであれば特に制限なく使用できる。
好ましい有機溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。また、前記した単官能もしくは多官能のビニルモノマーや、単官能、2官能または3官能以上の開環重合性基を有する硬化性樹脂が低分子量硬化性樹脂である場合、これらを併用すると、硬化性組成物の粘度を調節することが可能であり、溶媒を用いなくても塗布可能とすることもできる。
また本発明では、硬化性組成物中に微粒子を添加してもよい。微粒子を添加することでハードコート層の硬化収縮量を低減できるため、基材との密着性が向上したり、基材がプラスチックフィルムである場合などカールを低減でき好ましい。また、透明なフィルムにつや消しの効果などができ、透過光の調整ができる。微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機-無機複合微粒子のいずれも使用できる。無機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などが挙げられる。このような無機微粒子は一般に硬質であり、ハードコート層に充填させることで、硬化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の硬度も高めることができる。
ただし、微粒子は一般にヘイズを増加させる傾向があるために、各必要特性のバランスの上で充填方法が調整される。
一般に、無機微粒子は本発明のポリマーや多官能ビニルモノマーなどの有機成分との親和性が低いため単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後のハードコート層がひび割れやすくなる場合がある。本発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。表面修飾剤は、無機微粒子と結合を形成するか無機微粒子に吸着しうる官能基と、有機成分と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するものが好ましい。
無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する表面修飾剤としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド表面修飾剤や、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が好ましい。
さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合しうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基、もしくは開環重合性基が好ましい。
本発明において好ましい無機微粒子表面修飾剤は金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不飽和基もしくは開環重合性基を同一分子内に有する硬化性樹脂である。
これら表面修飾剤の代表例として以下の不飽和二重結合含有のカップリング剤や、リン酸基含有有機硬化性樹脂、硫酸基含有有機硬化性樹脂、カルボン酸基含有有機硬化性樹脂
等が挙げられる。
S−1 HC=C(X)COOCSi(OCH
S−2 HC=C(X)COOCOTi(OC
S−3 HC=C(X)COOCOCOC10OPO(OH)
S−4 (HC=C(X)COOCOCOC10O)POOH
S−5 HC=C(X)COOCOSO
S−6 HC=C(X)COO(C10COO)
S−7 HC=C(X)COOC10COOH
S−8 CHCH(O)CHOCSi(OCH
(Xは、水素原子あるいはCHを表す)
これらの無機微粒子の表面修飾は、溶液中でなされることが好ましい。無機微粒子を機械的に微細分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、または無機微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添加して攪拌するか、さらには無機微粒子を微細分散する前に表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後に加熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散を行う方法でもよい。
表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール、ケトン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。
有機微粒子としては特に制限がないが、エチレン性不飽和基を有するモノマーからなるポリマー粒子、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、および本発明における一般式(1)および(3)からなるポリマー粒子が好ましく用いられ、その他に、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ゼラチン等の樹脂粒子が挙げられる。これらの粒子は架橋されていることが好ましい。
微粒子の微細化分散機としては、超音波、ディスパー、ホモジナイザー、ディゾルバー、ポリトロン、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、アイガーミル、ダイノミル、コボールミル等を用いることが好ましい。また、分散媒としては前述の表面修飾用の溶媒が好ましく用いられる。
微粒子の充填量は、充填後のハードコート層の体積に対して、2〜40体積%が好ましく、3〜25体積%がより好ましく、5〜15体積%が最も好ましい。
本発明のハードコート層のヘイズは1.5%以下であることが好ましく、1.2%以下がさらに好ましく、1.0%以下が最も好ましい。ヘイズの評価法は、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001DP」を用いて測定したヘイズ=(拡散光/全透過光)×100(%)として自動計測される値を用いた。
本発明におけるハードコートフィルムは、カールを以下の数式Bで表したときの値が、マイナス15〜プラス15の範囲に入っていることが好ましく、マイナス12〜プラス12の範囲がより好ましく、さらに好ましくはマイナス10〜プラス10である。このときのカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の場合、基材の搬送方向について測ったものである。
(数式B) カール=1/R Rは曲率半径(m)
これは、ハードコートフィルムの製造、加工、市場での取り扱いで、ひび割れ、膜はがれを起こさないための重要な特性である。カール値が前記範囲にあり、カールが小さいことが好ましい。上記範囲にカールを小さくすることと高表面硬度とすることは、ハードコート層形成用の硬化性組成物の硬化前後の体積収縮率を15%以下とすることによって可能である。
カールの測定は、JISK7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。測定条件は25℃、相対湿度60%、調湿時間10時間である。
ここで、カールがプラスとはフィルムのハードコート層塗設側が湾曲の内側になるカールを言い、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
また、本発明におけるハードコートフィルムは、上記したカール測定法に基づいて、相対湿度のみを80%と10%に変更したときの各カール値の差の絶対値が、24〜0が好ましく、15〜0がさらに好ましく、8〜0が最も好ましい。これはさまざまな湿度下でフィルムを貼り付けたときのハンドリング性や剥がれ、ひび割れに関係する特性である。
本発明におけるハードコートフィルムの耐ひび割れ性は、ハードコート層塗設側を外側にして丸めたときに、ひび割れが発生する曲率直径が、50mm以下であることが好ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以下が最も好ましい。エッジ部のひび割れについては、ひび割れがないか、ひび割れの長さが平均で1mm未満であることが好ましい。この耐ひび割れ性は、ハードコートフィルムの塗布、加工、裁断、粘着剤の塗布、種々の物体への貼りつけ等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な特性である。
本発明のハードコートフィルムに用いられる基材は、透明なフィルム状やシート、板状のプラスチックが好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー等のフィルムやシートが好ましい。フィルムの厚みは6〜400μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。基材フィルムの厚みが薄すぎると膜強度が弱く、厚いと剛性が大きくなり過ぎる。シートの厚みは透明性を損なわない範囲であればよく、400μm以上数mmのものが使用できる。
活性エネルギー線硬化塗布液(硬化組成物の塗布液)は、ケトン系、アルコール系、エステル系等の有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して調製する。さらに、表面修飾した硬無機微粒子分散液と軟微粒子分散液を添加して調製することができる。
本発明のハードコート層の作製は、透明基材上に活性エネルギー線硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、活性エネルギー線照射して、硬化させることにより作製することができる。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、基材の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合率を高める点で好ましい。
さらに、透明基材とハードコート層の密着性を向上させる目的で、所望により透明基材の片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテックス、低分子量ポリエステル、ゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。さらに下塗り層に酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等の帯電防止剤を含有させることができる。
ハードコート層は、複数層構成でも可能であり、硬度の順に適宜積層して作製することもできる。
本発明の粘着剤付きフィルムは、上記粘着剤を基材に塗布し、その基材の反対側に離型性を有するハードコート層が形成された巾10cm以上の広幅で、これは、通常、ロール状に巻いた粘着剤付きフィルムである。ロール状に巻く場合、通常紙管や、プラスチック管、スチール管等に巻きつける。粘着面は通常内側に向けて巻くが、外側に向けて巻いても良く、特に工場内工程で貼り付け作業の場合には粘着剤外側巻きはしばしば使われる。本発明の離型剤を使用して、ロール状に巻いた場合、粘着剤と剥離層間の剥離強度が小さいため、広幅のロールにした場合の引き出すときの力が小さくて済むため10cm巾以上でもフィルムをロールから楽に引き出すことができ、本発明の目的を達することができる。本発明の粘着剤付きフィルムの真価は、ロールの幅が広くなるにつれて発揮される。強粘着剤を使用するフィルムでは10cmm以上の幅ではセパレーターなしでは取り扱えない現状を見ると、本発明の望まれていた効果がわかる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1〜8、比較例1〜4
(ハードコート離型層塗布液(h−1)の調製)
メチルエチルケトン(MEK)中にグリシジルメタクリレートを溶解させ、熱重合開始剤(V−65(和光純薬工業(株)製)を滴下しながら80℃で2時間反応させ、得られた反応溶液をヘキサンに滴下し、沈殿物を減圧乾燥して得たポリグリシジルメタクリレート(ポリスチレン換算分子量は12,000)をメチルエチルケトンに50質量%濃度になるように溶解した溶液100質量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295;大阪有機化学工業(株)製)150質量部と光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)6質量部と光カチオン重合開始剤(ロードシル2074、ローディア社製)6質量部とメガファック531A(大日本インキ化学工業(株)製)10質量部を30質量部のメチルイソブチルケトンに溶解したものを撹拌しながら混合し、ハードコート離型層塗布液(h−1)を作製した。
(ハードコート離型層塗布液(h−2)の調製)
ハードコート層塗布液(h−1)の調製において、メガファック531Aを等質量のX−22−164B(信越化学(株)製)に変更する以外は同様に行い、ハードコート離型層塗布液(h−2)を調製した。
(ハードコート離型層塗布液(h−3)の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、ダイセル・ユーシービー(株)製)93質量部に、R−3833(ダイキンファインケミカル研究所製)5質量部、X−22−164C(信越化学(株)製)2質量部、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)3質量部をメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(1:1質量比)混合液に溶解混合し、ハード
コート層塗布液(h−3)を調製した。
(ハードコート層塗布液(h−4)の調製
ハードコート層塗布液(h−1)の調製において、メガファック531Aを添加しなかった以外は同様に行い、ハードコート層塗布液(h−4)を調製した。
(ハードコート層塗布液(h−5)の調製
ハードコート層塗布液(h−1)の調製において、メガファック531Aを等質量の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、JSR(株)製)に変更する以外は同様に行い、ハードコート層塗布液(h−5)を調製した。
(ハードコートフィルムの作製)
厚さ175μmと100μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)の両面をコロナ処理し、ハードコート層を設置する面に屈折率1.55、ガラス転移温度37℃のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックス(LX407C5、日本ゼオン(株)製)と酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物(FS−10D、石原産業(株)製)を質量で5:5の割合で混合し、乾燥後の膜厚が200nmとなるよう塗布し、帯電防止層付き下塗り層を形成した後、上記ハードコート層用塗布液を表1に記載の厚みになるようにエクストルージョン方式で塗布、乾燥し、紫外線を照射(700mJ/cm)して表4に記載の厚みのハードコートフィルムを作製した。
(重層ハードコートフィルムの作製)
上記の操作でハードコート層塗布液h−4を塗布した後、さらに同様の操作で、h−3のハードコート層塗布液を0.1μmの厚みになるように形成し、重層のハードコートフィルムを作製した。
(防汚層の作製)
(1)防汚層塗布液(a−1)の調製
熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、JSR(株)製)にイソプロピルアルコールを加えて、0.2質量%の粗分散物液を調製した。粗分散液を更に超音波分散し、防汚性用塗布液を調製した。
(2)防汚層付きハードコートフィルムの形成
(h−4)のハードコート層塗設後、(a−1)の防汚層塗布液を、ワイヤーバーを用いて乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布、乾燥、熱硬化し防汚層を形成し、防汚層付きハードコートフィルムを得た。
同様に、基材の種類をTAC(三酢酸セルロース)、PC(ポリカーボネート)、シクロオレフィンとし、機材の厚味、ハードコート液の種類、それぞれの層の膜厚が表4に記載の値になるように塗布液を調製し、防汚層付きハードコートフィルムを作製した。これらのフィルムの特性を表4に示す。
<粘着剤1の製造>
アクリル系粘着剤(n-ブチルアクリラートとアクリル酸との共重合体)100質量部と、分子量7000のウレタンアクリレートオリゴマー200質量部と、架橋剤(イソシアナート系)10質量部と、紫外線硬化型反応開始剤(ベンゾフェノン系)10質量部とを混合し、粘着剤組成物を作成した。この粘着力は1000g/25mmであった。
<粘着剤2>
市販のアクリル系粘着剤:アクリル系エマルション型粘着剤(一方社油脂工業(株)製、エマポール−R104) この粘着力は520g/25mmであった。
<粘着剤3>
市販のアクリル系粘着剤:アクリル系溶剤型粘着剤(一方社油脂工業(株)製、AS6300) この粘着力は1200g/25mmであった。
なお、これら粘着剤1〜3は、表4に示した実施例及び比較例のフィルム上に、固形分約20μ厚みで塗布し、実施例9〜12、比較例5〜7とし、表5にハードコート離型フィルムと粘着剤の組み合わせ、その性能を比較表示した。
Figure 2005255859
Figure 2005255859
<本発明のロールサンプル作成>
実施例9〜11を3インチ紙管に巾960mm、長さ50mで本発明の形態で巻いたものを作成し、実施例13〜15とした。
<比較例ロールの製作>
1.比較例5のフィルムを3インチ紙管に巾960mm、長さ50mで本発明の形態で巻いたものを作成し、比較例8とした。
2.粘着剤1をポリエステルベース(175μm厚)へ固形分厚さ20ミクロンで塗布して粘着剤付きフィルムを作った。このテープの粘着面に、実施例1のフィルムをセパレーターとして貼り付けて、960mm巾、50mを3インチ紙管に巻いたものを作成し、比較例9とした。
<実技比較>
本発明の実施例ロールと比較例ロールを、富士フィルムビジネスサプライ(株)製ラミネート機(型番M−36)にセットし、A1サイズのインクジェットの画像出力をしたポスターをラミネートした。
ラミネートしたサンプルについて、表面の状態、カールの状態を観察した。
結果を表6へ示した。
Figure 2005255859
表6の結果から本発明の構成のロールを使えば、ラミネート表面状態も良好で、カールの全くない綺麗な仕上りが得られる。比較例8ではカールが目立ち、比較例9では、セパレーターのゴミが発生し、その処分が必要となる。
それぞれの評価方法は、以下の方法で行った。
・表面弾性率;微小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ社製:フィッシャースコープH100VP−HCU)を用いて、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが1μmを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から表面弾性率を求めた。
・鉛筆硬度試験;鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製したハードコートフィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、9.8Nの荷重にて傷が認められない鉛筆の硬度を求めた。
・接触角;ハードコートフィルムを2×2cmに切り取り、Contact-Angle meter(協和界面化学(株)製10927)を用いて水の接触角を測定した。
・防汚性;フィルム表面に書いた速乾性油性インキ(ゼブラ製、「マッキーケア」(登録商標))を東レ(株)製「トレシー」(登録商標)を用いて数回擦ってふき取った状態の評価(○は書いた跡が完全にふき取れた状態、△は一部がふき取れずに残った状態、×は大部分がふき残った状態)。
・耐擦傷性;#0000のスチールウールを用い、2N/cm荷重をかけ、50往復擦った後、表面の傷を観察した(傷が見えないものを○、僅かに見えるものを△、傷がはっきり見えるものを×とした)。
・汚れ拭取り性;表面についた指紋を東レ(株)製「トレシー」(登録商標)を用いて拭取った時の取れ易さを評価した(○は軽い力で数回でとれるもの、×は力をこめて擦って取れるもの、△は中間のもの)。
・ロールフィルムの引出し力の測定
本発明の構成の粘着フィルム、比較のための粘着フィルムを、共に3インチの紙管25mm幅に巻いたサンプルを作成し、市販のテープディスペンサーにセットして、テープを引き出すときの張力をデジタルフォースゲージ(IMADA製DPS−20)で測定した。測定温度は25℃。引き出し速度300mm/分とした。
・剥離力
離型フィルム上に15mm幅のポリエステルテープ(日東電工(株)製ニットーテープ)を自重4.5kgのゴムローラで1秒間5mmの速度で1往復加圧して上記離型フィルムと貼り合わせた。このサンプルの剥離力を下記の条件下で測定した。テープ貼り合せの後、加重20g/cm、温度70℃、湿度65%RHの雰囲気中で20時間放置エージングしてから放冷後測定した。測定はオートグラフ引張り試験機(「ストログラフ−R」、東洋精機製)で、剥離角度180度、剥離速度300mm/分で測定した。測定時の条件は25℃、65%RHであった。

Claims (4)

  1. 第1の面及び第2の面を有する支持体の
    第1の面に塗設された粘着層、及び
    第2の面に塗設された離型層を有してなる
    粘着剤付きフィルムであって、
    該粘着層と該離型層を粘着させたときの剥離力が200g/25mm以下であり、
    該粘着層の粘着力が300g/25mm以上であり、かつ
    該フィルムの巾が10cm以上であることを特徴とする
    粘着剤付きフィルム。
  2. 該粘着層が、該離型層に粘着した状態で
    ロール状に巻かれている
    請求項1に記載の粘着剤付きフィルム。
  3. 該離型層が少なくともフッ素原子およびケイ素原子のいずれかの原子と活性エネルギー線重合性基を有する化合物を含む硬化性組成物を硬化して得られるハードコート離型層であって、
    該剥離層に対する水の接触角が90度以上である
    請求項1又は請求項2に記載の粘着剤付きフィルム
  4. 支持体がプラスチックフィルムである
    請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の粘着剤付きフィルム。
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