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Description

本発明は、基材表面に光沢の異なる二層の塗膜を形成した積層体であって、該塗膜が優れた硬度、耐傷付き性及び密着性を有する積層体に関する。
紙、木材、プラスチック、金属等の基材の表面には、硬度、耐擦り傷性、耐摩擦性、耐薬品性等の様々な性能を付与して表面を保護するためにコーティングが行われている。
コーティング剤としては活性エネルギー線硬化性組成物が主として使用されている。これは熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を使用する場合に比べて、表面の耐擦り傷性、耐摩擦性がより優れるためである。
各種基材あるいは基材上に形成された絵柄層に活性エネルギー線硬化性組成物を直接塗布すると、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化時の体積収縮等により層間の密着性が低下し、密着不良が発生する。
前記密着不良の問題を解決する為に、プライマー等と呼ばれる中間層を設け、層間の密着を向上させる方法が取られる場合がある。これらプライマーとしては熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等が用いられるが、これらは硬度、耐擦り傷性、耐摩擦性、耐薬品性等の物性に劣るため、最外層として使用することが出来ない。
特許文献1に記載の熱硬化型または電子線硬化型アンカー剤は、その段落10に記載されているように、「熱乾燥でタックフリーとなる、熱または電子線で完全に硬化するもの」である。アンカー剤のみでは硬度や耐傷付き性は十分ではないために、艶消し剤を含有する電子線硬化型樹脂からなる層(いわゆるトップコート層)を設けている。
それに対して本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線照射後に活性エネルギー線硬化性組成物は硬化するが熱可塑性有機化合物は硬化しない点で異なる。また、本発明では熱可塑性有機化合物をポリイソシアネート等の架橋剤で硬化させる場合もあり、その場合は熱および活性エネルギー線の両硬化方法で硬化させるので硬化方法が異なる。
特許文献2には、第一保護層として水性エマルジョン樹脂を主成分とする活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物と、第二保護層として水性エマルジョン樹脂を含有しない活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物とからなる表面強化化粧紙が記載されている。
第一保護層は活性エネルギー硬化性組成物であるが、水性エマルジョン系である場合、最外層として使用できる硬度は無いと考えられる。そのために第二保護層を設けて表面硬度や耐久性を高めていると考えられる。
特許文献3に記載の中間層用熱乾燥型電離放射線硬化樹脂は、段落9に記載されているように、電離放射線反応性の二重結合を有する水性エマルジョン、あるいは電子放射線反応性の二重結合を有する水溶性あるいは溶剤可溶性樹脂等であり、樹脂のTgが40℃以上、好ましくは60℃以上のものである。
中間層が活性エネルギー線硬化性組成物であっても、水性エマルジョン系であるので最外層として使用できる硬度は無いと考えられる。そのためにトップコート層を設けて表面硬度を向上させていると考えられる。
特開平8−281896号公報 特開平9−290487号公報 特開平10−119226号公報
本発明は、塗膜が優れた硬度、耐傷付き性及び密着性を有する積層体であって、光沢の異なる二層の塗膜から成り、意匠性にも優れた積層体を提供することを課題とする。また十分な表面硬度や耐傷付き性を得るために、いわゆるアンカー層若しくは中間層と、トップコート層とから構成する必要のない積層体を提供することを課題とする。
発明者らは、基材の上に次の(イ)及び(ロ)の二層からなる硬化塗膜を設けることにより、該塗膜が優れた硬度、耐傷付き性及び密着性を有する積層体が得られることを見出して本発明を完成した。
(イ)次の(a)〜(c)から成る塗工液が塗布され硬化された層。
(a)融点が40℃以下の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー またはオリゴマーからなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(b)ガラス転移温度が60〜300℃の範囲にある、アクリル系樹脂、アクリルアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂および繊維素系樹脂から成る群から選ばれる1種以上の熱可塑性有機化合物。
(c)前記の(a)と(b)との混合物を透明の状態に溶解することができる有機溶剤。
(ロ)前記の(イ)の層の塗膜上の全面あるいは部分的に、(イ)の塗膜とは異なる光沢を有する活性エネルギー線硬化性組成物が塗布され硬化された層。

本発明の積層体は、前記した二層の構成であるため、基材と塗膜及び塗膜間の層間の密着性、硬度、耐擦り傷性、耐摩擦性、耐薬品性等の物性が優れている。また二層の光沢の違いを利用して意匠性の高い塗膜を得ることができる。
さらに、基材との密着性を高めるためのアンカー層若しくは中間層と、表面硬度を高めるためのトップコート層とから構成する必要がない。本発明の積層体は、基材に前記(イ)の塗膜のみを塗布したものも十分な表面硬度を有する。
硬化前の融点が40℃以下の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、組成物の温度が40℃以下の状態で流動性のある、液状のインキおよび塗料に使用されている一般的な公知のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を用いることができる。例えば(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等が挙げられる。
すなわち1官能性モノマーの代表例としては、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート 等の脂肪族モノアクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、等の脂環構造を有するモノアクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族モノアクリレート;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキルエーテルアクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート等の二塩基酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエステル;モノ2−エチルヘキシルエーテルポリオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、モノノニルフェニルエーテルポリオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、モノ2−エチルヘキシルエーテルポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノノニルフェニルエーテルポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のモノアルキルエーテルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレンエーテル結合を有するモノアクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物等のヒドロキシル基を有するモノ(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の脂環エーテル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド等の含窒素モノアクリレート、ポリオキシエチレン燐酸エステルモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン燐酸エステルモノ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン燐酸エステルモノ(メタ)アクリレート等を挙げる事が出来る。
又、2官能性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレンジオールアクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリオキシエチレンエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリオキシプロピレンエーテルジ(メタ)アクリレート等のグリコールにエチレンオキサイド(以後EO)、プロピレンオキサイド(以後PO)、テトラヒドロフラン(以後THF)などの環状エーテルを付加重合させたポリアルキレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAにEO,PO,THFなどの環状エーテルを付加重合させたポリアルキレンエーテルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ化合物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSにEO,PO,THF等の環状エーテルを付加重合させたポリアルキレンエーテルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジオールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルε−カプロラクトンジオールのジアクリレート、ペンタエリスリトールジステアリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等が挙げられる。
又3官能性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO,PO,THF等の環状エーテルを付加重合させたポリアルキレンエーテルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−2ヒドロキシプロピルエーテル−トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリメチロールプロパン−2ヒドロキシプロピルエーテル−トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
多官能アクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオールにEO,PO,THF等の環状エーテルを付加重合させたポリアルキレンエーテルポリオールのポリ(メタ)アクリレート;モノアルキルエーテル−ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オリゴマーとしては、ビスフェノールA型、ノボラック型、多価アルコール型、多塩基酸型、ポリブタジエン型のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル型、ポリエーテル型のウレタン(メタ)アクリレート、或いはグリシジル(メタ)アクリレート共重合アクリル樹脂にアクリル酸を反応したアクリル樹脂(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、特開平11−124403号公報、特開平11−124404号公報記載のマレイミド化合物等が挙げられる。
ガラス転移温度が60〜300℃の範囲にある熱可塑性有機化合物としては、インキおよび塗料に使用されている一般的な公知のアクリル系樹脂、アクリルアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂および繊維素系樹脂から成る群から選ばれる1種類以上を混合したものである。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物と熱可塑性有機化合物との混合物を透明の状態に溶解することができる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、等のエーテル系溶剤、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン等の有機溶剤およびこれらの混合溶剤が使用できるが、熱可塑性有機化合物の溶解を考慮した場合、ケトン系溶剤あるいはエステル系溶剤が好ましい。
前記の(イ)の層の塗膜の上に全面あるいは部分的に塗布される、(イ)の塗膜とは異なる光沢を有する活性エネルギー線硬化性組成物としては、(イ)と同一の組成物にシリカ、アルミナ、水酸化アルミ、ガラスビーズ、シリコーンビーズ等の無機系フィラー、アクリル樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ等の有機系フィラー等を単独あるいは混合して添加することで光沢を調整した組成物、あるいは前記の活性エネルギー線硬化性組成物を単独あるいは混合して得られた組成物、またはこれらに前記のフィラーを添加して光沢を調整した組成物が挙げられる。
硬化前の融点が40℃以下の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とガラス転移温度が60〜300℃の範囲にある熱可塑性有機化合物との混合比率は、活性エネルギー線硬化性組成物/熱可塑性有機化合物=5/95〜70/30の範囲であり、好ましくは、20/80〜50/50の範囲である。
活性エネルギー線硬化性組成物の比率が少ないと、良好な耐擦傷性等の物性が得られず、逆に活性エネルギー線硬化性組成物の比率が過剰となると、活性エネルギー線照射を実施せずに重ね塗工ができなくなる。
課題を解決する手段に記載した(イ)の層の配合を基材に塗布し、(イ)の塗膜を熱、風等で乾燥して溶剤分を蒸発させるとタックフリーの塗膜になる。これにより(イ)の層を活性エネルギー線で硬化する必要なく、その上に(ロ)の層を塗布することができる。これは特にグラビア方式で塗布する場合には塗工ユニット毎に活性エネルギー線照射装置を設置することなく重ね塗工する事ができる等の理由で有利である。尚、タックフリーとは、塗膜の表面が指触等によりべたつきが感じられない程度に乾いていることを言う。
このようにして得られる本発明の化粧シート用コーティング組成物に、さらに必要に応じて、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、各種の機能を付与するため、着色剤、体質顔料、シリコーン、滑剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カップリング剤、界面活性剤、有機溶剤及びキレート剤、無機フィラー、有機フィラーなどの添加剤を添加することができる。
本発明の積層体は、基材として紙、プラスチック、布、金属等を用いた化粧シートとして好適に用いられる。この化粧シートは家具などの物品や建築の内装材の表面等に用いられる。
本発明の積層体の塗膜組成物の塗布方法としては、オフセット印刷、フレキソ印刷、ロールコート、グラビアコート、バーコーター等が挙げられる。
本発明における活性エネルギー線硬化性組成物は、電子線、紫外線、あるいはγ線等の電離放射線等を照射して硬化させる。
紫外線で硬化させる場合、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。硬化の際の紫外線照射量は、好ましくは30〜1000mJ/cm2である。照射量が30mJ/cm2未満では硬化が十分ではなく、1000mJ/cm2を超えると塗膜の黄変、熱による基材の損傷などが起こる可能性がある。
電子線で硬化させる場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。硬化の際の電子線照射量は、好ましくは10〜100kGyである。照射量が10kGy未満では硬化が十分ではなく、100kGyを超えると塗膜、基材の損傷などが起こる可能性がある。
紫外線を照射して硬化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射によりラジカルや酸を発生する光(重合)開始剤を活性エネルギー線硬化性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部程度添加することが好ましい。
ラジカル発生型の光(重合)開始剤としては、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の水素引き抜きタイプや、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等の光開裂タイプが挙げられる。これらの中から単独あるいは複数のものを組み合わせて使用することが出来る。
次に、本発明を、実施例を挙げて更に具体的に説明する。尚、本明細書では特に断りのない限り、部および%は質量基準である。
実施例および比較例の塗膜組成および評価結果を表1および表2に示す。
Figure 0004904979
Figure 0004904979
<表1および表2の原料の説明>
1)ユニディック17−806・・・大日本インキ化学工業株式会社製多官能脂肪族ウレタンアクリレート。25℃で液状。
2)紫光UV1700B・・・日本合成化学工業株式会社製10官能脂肪族ウレタンアクリレート。25℃で液状。
3)アロニックスM−402・・・東亜合成株式会社製6官能モノマー。25℃で液状。
以上の1)〜3)は融点が40℃以下の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
4)イルガキュア184・・・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製光重合開始剤。
5)イルガキュア819・・・チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製光重合開始剤。
6)ダイヤナールBR85・・・三菱レーヨン株式会社製アクリル樹脂(Tg=105℃)。
7)アクリディックA−814・・・大日本インキ化学工業株式会社製アクリル樹脂(Tg=約90℃)。
以上の6)〜7)はガラス転移温度が60〜300℃の範囲にある熱可塑性有機化合物である。
8)デスモジュール L−75・・・住友バイエルウレタン株式会社製ポリイソシアネート。
9)サイリシア350・・・富士シリシア化学株式会社製シリカ。
<使用した原反>
ボール紙・・・レンゴウ製CRC。
易接着PET・・・東洋紡株式会社製A4300(厚み100μm)。
<サンプル作成条件>
塗工・・・各塗料をMEK/酢酸エチル=50/50で希釈し、ザーンカップ#3で15〜20秒に調整した。
1層目をバーコーター#6にて原反全面に塗工し、100℃、約30秒乾燥し溶剤を揮発させた。
2層目は1層目の上に部分的にバーコーター#6にて塗工し、100℃、約30秒乾燥し溶剤を揮発させた。その後、表1及び表2に記載の硬化条件にて塗膜全体を硬化させた。
硬化条件・・・UV:高圧水銀灯 120W/cm 1灯 10m/分 1パス照射した。
熱硬化を行う場合は60℃で3日間静置した。
<評価方法>
塗料外観・・・目視にて透明性を評価する。
光沢・・・入射角および反射角60°で光沢計を用いて測定する。
1層目のタックの評価・・・100℃、約30秒の熱乾燥後、指触にてタックを評価する。
ネイルスクラッチ・・・塗膜表面を爪で擦り、傷の付き具合を評価する。○は傷無し、×は傷多数あり。
MEKラビング・・・塗膜表面をメチルエチルケトン(MEK)を含ませた脱脂綿でこすり、塗膜が溶解して剥離するまでの回数を評価する。
<考察>
実施例の積層体の調製において、1層目を塗布して熱風で乾燥させたが、いずれも塗膜の表面のべたつきが無くなり(タックフリー)、2層目をスムーズに塗布することができた。
また2層目を塗布後に紫外線照射で乾燥させたが、表面が1層目の塗膜のみの部分も、2層目が積層されている部分も、ネイルスクラッチ試験およびMEKラビング試験において優れた硬度や耐薬品性を示した。
本発明の積層体は、基材として紙、プラスチック、布、金属等を用いた化粧シートとして好適に用いられる。この化粧シートは家具などの物品や建築の内装材の表面等に用いられる。



Claims (2)

  1. 基材シート上に、次の(イ)及び(ロ)の層を設けた積層体。
    (イ)次の(a)〜(c)から成る塗工液が塗布され硬化された層。
    (a)融点が40℃以下の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー またはオリゴマーからなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
    (b)ガラス転移温度が60〜300℃の範囲にある、アクリル系樹脂、アクリルアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂および繊維素系樹脂から成る群から選ばれる1種以上の熱可塑性有機化合物。
    (c)前記の(a)と(b)との混合物を透明の状態に溶解することができる有機溶剤。
    (ロ)前記の(イ)の層の塗膜上の全面あるいは部分的に、(イ)の塗膜とは異なる光沢を有する活性エネルギー線硬化性組成物が塗布され硬化された層。
  2. 前記(b)の熱可塑性有機化合物が、アクリル系樹 ら成る請求項1に記載の積層体。
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