JP4352847B2 - ホログラム記録材料用組成物、レリーフホログラム及びホログラムの製造方法 - Google Patents
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本発明の一形態は、(A−1)(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を20〜90重量%及び(B)一次粒子径が1〜200nmのコロイダルシリカを10〜80重量%含有するホログラム記録材料用組成物である。
本発明の他の形態は、(A−2)アルコキシシリル基および(メタ)アクリロイル基を有する樹脂と、コロイダルシリカ及び/またはシリケートとを加水分解縮合させてなる有機無機複合体を含有するホログラム記録材料用組成物である。
本発明は、(A−1)(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を20〜90重量%及び(B)一次粒子径が1〜200nmのコロイダルシリカを10〜80重量%含有するホログラム記録材料用組成物、及び(A−2)アルコキシシリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する樹脂と、コロイダルシリカ及び/またはシリケートとを加水分解縮合させてなる有機無機複合体を含有するホログラム記録材料用組成物に関する。以下、本発明に使用可能な種々の材料について説明する。
(A−2)有機無機複合体の原料に用いられるアルコキシシリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する樹脂としては、以下の化合物(I)〜(V)を重合又は共重合させる際に(VI)を共重合させることによりアルコキシシルル基を導入し、続いて(i)〜(iii)の方法により(メタ)アクリロイル基を導入した樹脂;及び以下の化合物(I)〜(V)を重合または共重合して得た重合体に、(iv)〜(vi)の方法によりアルコキシシリル基を導入し、続いて(i)〜(iii)の方法により(メタ)アクリロイル基を導入した樹脂;を用いることができる。
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等;
(II)水酸基を有する単量体
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、N−メチロールアクリルアミド等;
(III)カルボキシル基を有する単量体
(メタ)アクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルプロピルフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート等;
(IV)イソシアネート基を有する単量体
2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、上記水酸基含有(メタ)アクリレートとジシソシアネート化合物の付加体等;
(V)さらに上記の共重合体の物性調節のために上記化合物と共重合可能な単量体として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、スチレン等;を挙げることができる。
P−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(i)エポキシ基を有する単量体の重合体または共重合体にカルボキシル基及び/または水酸基を有する単量体を付加反応させる。
(ii)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体にカルボキシル基を有する単量体を縮合反応させる。
(iii)カルボキシル基を有する単量体の重合体または共重合体に水酸基を有する単量体を縮合反応させる、またはエポキシ基を有する単量体を付加反応させる。
(iv)エポキシ基を有する単量体の重合体または共重合体にアミノ基を有するアルコキシシランを付加反応させる。
(v)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体にイソシアネート基を有するアルコキシシランを付加反応させる。
(vi)カルボキシル基を有する単量体の重合体または共重合体にエポキシ基を有するアルコキシシランを付加反応させる。
シリカ及び/又はシリケートとの加水分解縮合反応を促進するため、加水分解触媒を反応系に添加することができる。加水分解触媒としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アルミニウム 2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシドエチルアセトアセテート、ホウ酸ブトキシド、酢酸、塩酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。これら加水分解触媒は単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、活性エネルギー線を照射されることによってラジカル等を発生する光重合開始剤を含有させてもよい。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、光重合開始剤を含有させるのが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することもできる。このような光重合開始剤は組成物中の光重合成分100重量部あたり0.1〜20重量部であるのが好ましく、さらに好ましくは1〜5重量部である。
本発明の組成物には、エンボスローローラーへの付着性を低減するために離型剤を用いてもよい。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、ポリテトラフルオロエチレンパウダー等の固形ワックス、フッ素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン、変性シリコーンオイル、ポリシロキサン、シリコーングラフトアクリル樹脂等が挙げられ、これらの離型剤は単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の組成物には、組成物の取り扱いを良化するために、溶剤を含有させてもよい。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、3−メトキシプロピルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。溶剤の配合量は組成物100重量部に対して、500重量部以下が好ましく、更に好ましくは200重量部以下である。
まず、本発明のホログラム記録材組成物を基材表面に供給する。前記基材の材質には特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン、合成紙、紙等からなる基材のいずれにも適用することができる。また、前記基材の形態についても特に制限はなく、シート状、フィルム状、成形体等いずれの形態であってもよい。
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル139.5gにグリシジルメタクリレート90g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.0g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.93gを加え65℃にて3時間反応させ、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.47gを加え3時間反応させた。次にアクリル酸51.7g、トリフェニルホスフィン1.45g、p−メトキシフェノール0.36g、プロピレングリコールモノメチルエーテル77.6gを添加し110℃にて10時間反応させ、(メタ)アクリロイル基とアルコキシシリル基を有する共重合体(a−1)を得た。
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル139.5gにグリシジルメタクリレート90g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.0g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.93gを加え65℃にて3時間反応させ、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.47gを加え3時間反応させた。次にアクリル酸51.7g、トリフェニルホスフィン1.45g、p−メトキシフェノール0.36g、プロピレングリコールモノメチルエーテル77.6gを添加し110℃にて10時間反応させ(メタ)アクリロイル基とアルコキシシリル基を有する共重合体を得た。得られた共重合体にメチルエチルケトンを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製 商品名:MEK−ST)160.78g(固形分30%)、水0.5g、アセチルアセトンアルミニウム0.1gを添加し70℃で4時間反応し、反応終了後プロピレングリコールモノメチルエーテル120.53gを加え有機無機複合体(a−2)(固形分30%)を得た。
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル93.0gにグリシジルメタクリレート42g、メチルメタクリレート18g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.0g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.62gを加え65℃にて3時間反応させ、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.31gを加え3時間反応させた。次にアクリル酸31.0g、トリフェニルホスフィン0.93g、p−メトキシフェノール0.28g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46.53gを添加し110℃にて10時間反応し(メタ)アクリロイル基とアルコキシシリル基を有する共重合体を得た。得られた共重合体にイソプロパノールを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製 商品名:IPA−ST)253.69g(固形分30%)、水0.5g、ジオクチルスズジラウレート0.1gを添加し70℃で4時間反応し、反応終了後プロピレングリコールモノメチルエーテル77.53gを加え有機無機複合体(a−3)(固形分30%)を得た。
温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート74.4gにグリシジルメタクリレート38.4g、イソブチルメタクリレート9.6g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.4g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加え65℃にて3時間反応させ、さらに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.25gを加え3時間反応させた。次にアクリル酸20.0g、ペンタエリスリトールトリアクリレート無水コハク酸付加物(東亞合成社製 商品名:アリニックスTO−756)31.6g、トリフェニルホスフィン1.0g、p−メトキシフェノール0.1g、メチルイソブチルケトン77.37gを添加し110℃にて10時間反応し(メタ)アクリロイル基とアルコキシシリル基を有する共重合体を得た。得られた共重合体にメチルイソブチルケトンを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製商品名:MIBK−ST)112.42g(固形分30%)、水0.4g、ジオクチルスズジラウレート0.1gを添加し70℃で4時間反応し、反応終了後メチルイソブチルケトン84.33gを加え有機無機複合体(a−4)(固形分30%)を得た。
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、メチルイソブチルケトン 126.4g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 22.4g、メチルメタクリレート 62.3g、ビニルカプロラクトン 13.9g、アゾビスイソブチロニトリル 1.0gを、80℃にて8時間反応させた後、100℃で1時間反応させた。この溶液を80℃まで冷却した後、2−イソシアネートエチルメタクリレート 27.8g、ジブチルスズジラウレート 0.1gを加え、イソシアネートが無くなるまで反応し、(a−5)を得た。
下記表−1に示す組成の活性エネルギー線硬化性組成物をアクリルフィルム(厚さ125μm、ヘイズ0.4%)にバーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が6μmとなるように塗布し、80℃で2分間加熱乾燥した。次いで、この塗布フィルムに、出力120w/cm2の高圧水銀灯を光源として紫外線を500mJ/cm2照射して塗膜を硬化させた。
b−1:日産化学社製シリカゾル 商品名:MEK−ST
d−1:チバ・スペシャルティーケミカルズ社製 商品名:イルガキュア184
e−1:日本ユニカー社製 SS−2803
c−1:大阪有機化学社製 V#300
c−2:日本合成化学社製 紫光UV−1700B
ブロッキング性:試験片の塗布面と非塗布面とを重ねて、5kg/m2となるように荷重をかけて、温度23℃、湿度65%の環境で24時間保管した後、試験片を剥離して膜面の荒れを目視にて観察した。
○:変化なし
△:白く形が残っている
×:膜に荒れが生じている
耐擦傷性:学振型摩耗試験器にてスチールウール#0000の上に500gの荷重をかけて30往復させ、傷の状況を肉眼にて判断した。
○:全く傷が付かない
×:表面が白化する
蒸着適性:ホログラム面に、真空蒸着法によりアルミニウム層を蒸着した後、密着性を碁盤目剥離試験にて評価した。
○:剥離なし
×:剥離する
耐熱性:UV硬化した塗膜を熱ロールで230℃に加熱して3分間保持した後の変色や変形を観察した。
○:良好
×:不良
加工性:エンボスローラに凹凸パターンの形成されたプレススタンパーを設置し、スタンパー温度150℃にて加熱プレスして凹凸パターンを形成させた後、UV硬化を行い凹凸パターンを顕微鏡にて観察した。
○:良好
×:形状が丸みを帯びている
結果を表−2に記載する。
Claims (8)
- (A−2)アルコキシシリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する樹脂とコロイダルシリカとを加水分解縮合させてなる(メタ)アクリロイル基を有する有機無機複合体、及び/又は、アルコキシシリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する樹脂とシリケートとを加水分解縮合させてなる(メタ)アクリロイル基を有する有機無機複合体、を含有するホログラム記録材料用組成物。
- (C)(A−2)と共重合可能な官能基を有するモノマー又はオリゴマーをさらに含有する請求項1に記載のホログラム記録材料用組成物。
- (D)光重合開始剤をさらに含有する請求項1又は2に記載のホログラム記録材料用組成物。
- (E)離型剤をさらに含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のホログラム記録材料用組成物。
- (A−2)の樹脂の数平均分子量が、1000以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のホログラム記録材料用組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物からなる層を有するホログラム記録材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物から形成され、且つ表面に凹凸パターン構造を有する層を含むレリーフホログラム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物から形成された層の表面に凹凸パターン構造を形成する第1の工程と、その後、該層に活性エネルギー線を照射して前記凹凸パターン構造を固定する第2の工程とを含むホログラムの製造方法。
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