JP2011052134A - ホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス及びそれを塗布してなる印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フッ素系ポリマー、反応性フッ素化合物及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とするホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス及びそれを塗布してなる印刷物である。
【選択図】なし
Description
また、特許文献3では、この賦型ホログラムを形成するための光硬化性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、この賦型ホログラムに指紋が付着するとホログラムが消えてしまうという問題があった。
また、賦型時にホログラム賦型フィルムを貼り合せた後剥がして巻き取るが、通常のニスを使用すると、ホログラム賦型フィルムへのニスの移行があり、再利用回数が少なくなってしまうという問題もあった。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.フッ素系ポリマー、反応性フッ素化合物及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とするホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
2.前記フッ素系ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド及びビニリデンフルオライド/エチレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1に記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
3.前記シリコーン化合物が、変性シリコーンオイル及びシリコーン(メタ)アクリレートから選択される少なくとも一種であることを特徴とする上記1に記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
4.前記活性エネルギー線硬化性ニス中に、フッ素系ポリマー及び/又は反応性フッ素化合物を0.05〜10質量%、又はシリコーン化合物を0.05〜10質量%含有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
5.上記1〜4のいずれかに記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスを塗布してなる印刷物。
ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマーの分子量は10万〜1000万の範囲のものが好ましく、とくに10万〜100万の範囲のものがより好ましく、押出成形性と難燃性にとくに効果がある。
また、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の市販品としては、三菱レイヨン(株)から"メタブレン(登録商標)"Aシリーズとして市販され、商品名「"メタブレン(登録商標)"A−3000」、「"メタブレン(登録商標)"A−3800」等が市販されている。
また、フッ素含有(メタ)アクリレートも好適に用いられる。フッ素含有(メタ)アクリレートとしては例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロ(メタ)アクリル酸メチル等の分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中にフッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14の、フルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するフッ素含有多官能(メタ)アクリレート等も挙げられる。
フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、ダイキン工業(株)製の商品名「オプツールDAC」が好適に挙げられる。
フッ素系ポリマー及び/又は反応性フッ素化合物の含有量が0.05質量%以上であれば、指紋付着防止効果が高くなり好ましく、10質量%以下であれば、ブリードアウトしにくく好ましい。
変性シリコーンオイルとしては、具体的には、1)変性シリコーンオイル側鎖型、2)変性シリコーンオイル両末端型、3)変性シリコーンオイル片末端型、4)変性シリコーンオイル側鎖両末端型、5)トリメチルシロキシケイ酸を含有するメチルポリシロキサン(シリコーンレジンと呼ぶ)、6)シリコーングラフトアクリル樹脂、及び7)メチルフェニルシリコーンオイル等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、例えばポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン{ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名「BYK−307」}が挙げられる。
シリコーン(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン{ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名「BYK−UV3500」}が挙げられる。
0.05〜10質量%含有することが好ましい。
シリコーン化合物含有量が0.05質量%以上であれば、指紋付着防止効果が高くなり好ましく、10質量%以下であれば、ブリードアウトしにくく好ましい。
これらの単官能モノマー、多官能モノマー及び多官能オリゴマーは、1種単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。
本発明のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス中に、単官能モノマー、多官能モノマー及び多官能オリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも一種を30〜80質量%含有することが好ましい。
紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ等のランプ光源を用いることが可能である。
また、電子線を用いる場合には、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
なお、可視光としては、アルゴンイオンレーザーやヘリウムネオンレーザー等のパルス、連続のレーザー光源等を用いることが可能である。
この光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤と分子内開裂型光重合開始剤とのいずれも用いられ得るが、残留臭気を改善するためには、光重合開始剤として水素引き抜き型光重合開始剤とアミン化合物である増感剤を組み合わせて用いることが好ましい。
添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤等の光安定剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、界面活性剤、分散安定剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでも良いが、透明性を確保するためには有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等が挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2'−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
なお、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
本発明におけるホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスの塗布膜の厚さは、好ましくは0.5〜10μm であり、特に好ましくは2〜5μm である。
容器は、清涼飲料水や液体調味料等を充填する容器としてのPET製ボトル(ペットボトル等)あるいは円筒体又は箱体等のプラスチック製容器に限られず、清涼飲料水やアルコール飲料等を充填するアルミ缶やスチール缶等の金属性缶体、ガラス瓶及び紙を基本材料とする箱体等の容器をも含む容器全般をいう。
上記のラベル、包装材及び容器並びに各種POPの基材の上に本発明のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスが印刷又は塗工されて本発明の印刷物となる。
なお、指紋付着性及びホログラム賦型フィルム再利用回数は、下記の方法に従って評価した。
<指紋付着性>
各ホログラムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、ホログラム表面に指紋を付着させてから、それをベンコットン(商品名、旭化成(株)製)で拭き取ったときの状態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。
〔評価基準〕
◎・・・簡単に指紋が拭き取れる。
〇・・・普通にふいて指紋が拭き取れる。
△・・・しっかり擦れば指紋が拭き取れる。
×・・・指紋が拭き取れずに残る。
<ホログラム賦型フィルム再利用回数>
各ホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスについて、同一のホログラム賦型フィルムを複数回数用いて、ホログラム賦型フィルムへのニスの移行によりホログラム賦型フィルムが再利用出来なくなるまでの回数を数え、ホログラム賦型フィルムが再利用できた回数を「再利用回数」とした。この作業を10回繰り返して、再利用回数の最小回数〜最大回数の範囲を評価した。
第1表に示す配合処方により撹拌容器内で混合して実施例1〜4及び比較例1のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスを調製した後、各ホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスをそれぞれフレキソ印刷により印刷物基材である易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ25μm)に硬化後の厚さが3μmになるように塗布した。次に、ホログラム賦型フィルムを、塗布膜を介して印刷物基材に貼り合せた後、UVランプとして高圧水銀灯を用い、120w/cmにて30m/分の移行速度でそれらの硬化処理を行った。
その後、印刷物基材とホログラム賦型フィルムとを剥離して、ホログラム賦型フィルム上のホログラム面を印刷物基材のニス塗布膜面に転写して、ホログラム(大きさ:5cm×5cm)を形成した。得られた各ホログラムの指紋付着性及びホログラム賦型フィルム再利用回数を上記の方法で評価した。評価結果を第1表に示す。
1) フッ素系ポリマー:マイクロナイズド ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名「CERAFLOUR 980」粒径D50:3μm
2) 反応性フッ素化合物:ダイキン工業(株)製、商品名「オプツールDAC」(反応性フッ素化合物を20質量%、有機溶剤2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールを80質量%含む。第1表では、反応性フッ素化合物量を表示した。)
3) シリコーンアクリレート:ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名「BYK−UV3500」
4) 変性シリコーンオイル:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名「BYK−307」
5) 変性アクリレート:荒川化学工業(株)製の商品名「ビームセット 243NS」
6) トリプロピレングリコール ジアクリレート:ダイセル・サイテック(株)製の商品名「TPGDA」)
7) o−メチルベンゾイル ベンゾエート:ダイセル・サイテック(株)製の商品名「OBM100」
Claims (5)
- フッ素系ポリマー、反応性フッ素化合物及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とするホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
- 前記フッ素系ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド及びビニリデンフルオライド/エチレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
- 前記シリコーン化合物が、変性シリコーンオイル及びシリコーン(メタ)アクリレートから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
- 前記活性エネルギー線硬化性ニス中に、フッ素系ポリマー及び/又は反応性フッ素化合物を0.05〜10質量%、又はシリコーン化合物を0.05〜10質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニス。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のホログラム賦型用活性エネルギー線硬化性ニスを塗布してなる印刷物。
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