JP2011194756A - 加飾用ハードコートフィルム、加飾フィルムおよび加飾成形品 - Google Patents

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Keigo Mochizuki
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大輔 村松
Taeko Maeda
多恵子 前田
Takanori Mifune
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Abstract

【課題】 本発明は、耐摩耗性を有し、且つ、成形時において割れを生ずる恐れが少なく、且つ、アニール処理後の寸法安定性を向上させるような加飾用ハードコートフィルム、加飾フィルムおよび加飾成形品を提供することを目的とする。
【解決手段】 基材フィルムの片面にハードコート層が積層されてなり、前記ハードコート層がウレタンアクリレートと(メタ)アクリレートと酸化物粒子とを含有し、前記ウレタンアクリレートの伸び率が20〜85%であり、前記酸化物粒子がケイ素酸化物粒子またはアルミ酸化物粒子であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は加飾用ハードコートフィルム(以下、単にハードコートフィルムともいう)、当該加飾用ハードコートフィルムを用いた加飾フィルムおよび当該加飾フィルムを用いた加飾成形品に関する。
従来、加飾成形品を得る方法として、基材フィルムを金型の間に挟み所定の形状とし、この基材フィルム上に熱可塑性樹脂などの樹脂を注入・固化した後、塗装または印刷を行っていた。しかしながら、基材フィルムの形状が曲面である場合、塗装または印刷を行うことが困難であった。
そこで、加飾成形品を得る方法として、インモールド成形およびインサートモールド成形(以下、インモールド成形等という)が注目されている。これらの成形を行う場合、基材フィルム上に所定の絵柄や文字を有する印刷層が積層された加飾フィルムを使用する。この加飾フィルムを金型の間に挟み、所定の形状が形成された加飾フィルム上に樹脂を注入・固化することにより加飾成形品が得られる。当該方法によって得られる加飾成形品は、樹脂を注入・固化する前に印刷層を形成させるため、精細で鮮やかな絵柄や文字を施すことが可能となる。
インモールド成形等が使用される対象物としては、携帯電話の外装部品、自動車関係部品、医療用機械器具、エレクトロニクス製品、家電製品、建材、洗剤や化粧品などの容器、玩具などが挙げられる。
上記の基材フィルムにハードコート層を積層した加飾フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたハードコート層は、耐摩耗性および耐薬品性を有することが記載されている。
特開2005−292198号公報
特許文献1に記載されたハードコート層は、紫外線/電子線硬化型樹脂からなり、主な構造は多官能アクリル、アクリル官能ポリマーである。
しかしながら、当該材料からなるハードコート層は耐摩耗性を有するものの、柔軟性が低い問題を有していた。インモールド成形等において、当該ハードコート層を具備してなる加飾フィルムを金型の間に挟みこみ所定の形状にする際に、当該ハードコート層に割れが生ずる問題を有していた。この割れの問題は、成形の絞りが深くなるほど生じやすいものであり、また、ハードコート層を硬くして耐摩耗性を向上させるほど生じやすくなるものであった。
加えて、上記の割れの問題は、インモールド成形等を行う射出成形のみならず、射出成形前の予備成形(例えば、圧空成形や真空成形時)においても成形の絞りが深くなるほど生じやすいものであった。
また、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等からなる基材フィルムは、成型加工時に熱収縮する性質があり成型加工前に印刷されたデザイン等が著しく変形するため、成型加工時の寸法安定性を良くする目的で、印刷工程前に予めハードコート層が形成された基材フィルムを温度が60〜100℃及び時間が30〜120分で加熱するアニール処理工程が行われていた。前記従来のハードコート層が形成された基材フィルムからなる加飾フィルムに対して上記アニール処理工程をおこなうと基材フィルムがカールまたは波を打ったりしやすいためにその後の工程である印刷加工時において良好な印刷ができにくいという問題を有していた。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、耐摩耗性を有し、且つ、成形時において割れを生ずる恐れが少なく、且つ、アニール処理後の寸法安定性を向上させるような加飾用ハードコートフィルム、加飾フィルムおよび加飾成形品を提供することを目的とする。
本発明の加飾用ハードコートフィルムは、基材フィルムの片面にハードコート層が積層されてなり、前記ハードコート層がウレタンアクリレートと(メタ)アクリレートと酸化物粒子とを含有し、前記ウレタンアクリレートの伸び率が20〜85%であることを特徴とする。
また、前記ウレタンアクリレートの鉛筆硬度が3B以上であることが好ましい。
また、前記酸化物粒子がケイ素酸化物粒子またはアルミ酸化物粒子であり、前記酸化物粒子がアクリレート基を含む化合物で表面処理されていることが好ましい。
また、前記ハードコート層が光重合開始剤を含有してなることが好ましい。
また、本発明の加飾フィルムは加飾用ハードコートフィルムのハードコート層が積層されていない面に印刷層が積層されてなることを特徴とする。
また、本発明の加飾成形品は、前記加飾フィルムを用いて成形したことを特徴とする。
本発明によれば、耐摩耗性を有し、且つ、成形時において割れを生ずる恐れが少なく、アニール処理後の寸法安定性に優れる加飾用ハードコートフィルム、加飾フィルムおよび加飾成形品を提供することができる。
本発明の加飾用ハードコートフィルムの断面図である。 本発明の別の加飾用ハードコートフィルムの断面図である。 本発明の加飾フィルムの断面図である。 本発明の加飾成形品の製造方法を説明するための断面図であって、(a)成形前の断面図、(b)成形後の断面図、(c)加飾成形品の製造途中段階の断面図、(d)加飾成形品の断面図、である。
以下、本発明を図を用いて説明する。
図1に示すように、本発明のハードコートフィルム1は、基材フィルム10上にハードコート層20が積層されてなる構成を有する。基材フィルム10とハードコート層20間に粘着層または接着層を設けることもできる。これによって、基材フィルム10とハードコート層20間の接着力を向上させることができる。
本発明を構成するハードコートフィルム1は光透過性が高いほど好ましい。本発明における光透過性は、全光線透過率(JISK7361−1:1997)で表すことができる。ハードコートフィルム1の光線透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。これによって、ハードコートフィルム1に設けられてなる印刷層の印字部分を明りょうに識別することができる。
図2に示すように、ハードコート層20上には保護フィルム30を積層し、ハードコートフィルム2とすることができる。また、図2には示していないが、ハードコート層20が積層されていない基材フィルム10上に、保護フィルムを積層してもよい。加えて、ハードコート層20上および基材フィルム10上の両方に保護フィルムを積層することもできる。保護フィルムを積層することにより、ハードコート層20および基材フィルム10に傷や汚れがつきにくくなる。
図3に示すように、基材フィルム10上に印刷層40を形成させて、加飾フィルム3とすることができる。印刷層40上には接着層を形成させてもよい。印刷層の形成位置は限定されるものではなく、基材フィルム10とハードコート層20の間に形成しても、ハードコート層20(基材フィルム10と接していない面)上に形成してもよい。なお、ハードコート層20上には保護フィルム30が積層されていなくてもよい。
以下、本発明を構成する層ごとに材料を中心にして説明する。
<ハードコート層>
本発明を構成するハードコート層は、ウレタンアクリレートと(メタ)アクリレートと酸化物粒子とを含有することが必要である。
本発明を構成するハードコート層において、ウレタンアクリレート量と(メタ)アクリレート量とを合計した量は、ハードコート層の全固形分中、40〜99.99質量%の範囲にあることが好ましく、50〜95質量%であることが好ましい。40質量%未満であると塗膜の柔軟性や耐摩耗性、耐擦傷性、光学特性等が低下する問題がある。99.99質量%超であると、光重合の開始が遅くなるため、生産上好ましくない。
(ウレタンアクリレート)
本発明におけるウレタンアクリレートは、オリゴマー、プレポリマーのいずれであってもよく、特に制限されるものではない。
本発明を構成するウレタンアクリレートは、伸び率が20〜85%であることが必要である。ウレタンアクリレートの伸び率は25〜85%であることが好ましく、25〜80%であることがさらに好ましい。ウレタンアクリレートの範囲を当該範囲にすることによって、耐摩耗性と成形時における割れの発生が少ないハードコートフィルムを提供することができる。ウレタンアクリレートの伸び率が20%未満であると成形時に割れが発生する問題がある。ウレタンアクリレートの伸び率が85%超であるとハードコート層が軟らかくなり耐摩耗性が低下する問題がある。
ここで、ウレタンアクリレートの伸び率とは、JIS規格K−5600に準じ、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気下にて測定した値をいう。具体的には、ウレタンアクリレートと光重合開始剤からなる組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、この組成物側から高圧水銀灯(80mW/cm)で照射距離20cm、積算光量800mJ/cmで紫外線照射することにより硬化させ、膜厚100μmのウレタンアクリレートからなる硬化塗膜を形成した後、この硬化塗膜を試験片形状15mm幅、引張り速度10mm/minの条件で測定したときの値をいう。
ウレタンアクリレートのガラス転移点は40〜100℃であることが好ましく、40〜90℃であることがさらに好ましく、40〜80℃であることが特に好ましい。ウレタンアクリレートのガラス転移点を当該範囲にすることによって、常温における塗膜硬度及び耐摩耗性が向上する。ガラス転移点が40℃未満のウレタンアクリレートを使用したハードコート層は、耐摩耗性及び塗膜硬度が不十分になりやすくなる。ガラス転移点が100℃超であると、塗膜硬度が高くなり、成型時に割れが発生する問題がある。ここで、ウレタンアクリレートのガラス転移点とは、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した値をいう。
ウレタンアクリレートの鉛筆硬度は3B以上であることが好ましく、2B以上であることがさらに好ましく、B以上であることが特に好ましい。ウレタンアクリレートの鉛筆硬度を当該範囲にすることによって、ハードコート層の硬度が向上し耐摩耗性が向上するメリットがある。ウレタンアクリレートの鉛筆硬度が3B未満であると、本発明を構成するハードコート層の耐摩耗性が不十分になりやすくなる。
本発明におけるウレタンアクリレートの鉛筆硬度は、ウレタンアクリレートと光重合開始剤からなる組成物をガラス基板上に塗布し、組成物側から高圧水銀灯(80mW/cm)で照射距離20cm、積算光量800mJ/cmで紫外線照射する条件で硬化した厚さ10μmのフィルムをJIS K5400(荷重500g)で測定した値をいう。
ウレタンアクリレートの官能基は単官能であっても2官能以上の多官能であってもよいが、2〜8官能であることが好ましく、2〜6官能であることがさらに好ましく、2〜3官能であることが特に好ましい。2〜8官能のウレタンアクリレートを使用することによってハードコート層の硬度及び伸び率のバランスが安定するメリットがある。ハードコート層の硬度と伸び率のバランスを取ることによって、耐摩耗性と成形時の割れを生ずる恐れが少ない加飾用ハードコートフィルムを提供することができる。
ウレタンアクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハードコート層に含有するウレタンアクリレート量は、ハードコート層の全固形分中、10〜90質量%の範囲内にあることが好ましく、15〜60質量%にあることが好ましい。ハードコート層に含有するウレタンアクリレート量が10質量%未満であると、耐摩耗性が向上するもののハードコート層の柔軟性が少なくなり割れを生じなるため好ましくない。ハードコート層に含有するウレタンアクリレート量が90質量%超であると、ハードコート層の塗膜の柔軟性は良好であるものの、耐摩耗性及び塗膜硬度が低下するため好ましくない。
((メタ)アクリレート)
本明細書に使用される用語「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。本発明において、(メタ)アクリレートは、モノマー、オリゴマー、プレポリマーのいずれであってもよく、特に制限されるものではない。(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートでも2官能以上の多官能(メタ)アクリレートでもよく、極性基を有する分子構造でもよいし低極性分子構造でもよい。本発明においては、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、ハードコート層の耐摩耗性を向上させることができる。
これらの(メタ)アクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性基を有する分子構造の(メタ)アクリレートの極性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基等を挙げることができる。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。カルボキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸の他、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。アミド基含有の(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類等が挙げられる。アミノ基含有又はその他の(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステルの他、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
低極性分子構造の(メタ)アクリレートとしては、脂環式のものと脂環式以外のものを挙げることができる。脂環式(メタ)アクリレートとしては、例えばシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ノルボルニルアクリレート等が挙げられる。その他の(メタ)アクリレートとしては、例えばラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、べンジルアクリレート、ステアリルアクリレート、1,6−へキサンジオールアクリレート、ブチルアクリレート、スチレンモノマーが挙げられる。
(メタ)アクリレートを構成する(メタ)アクリレート系モノマーは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、骨格構造に環状構造を有するものを含有することが好ましい。環状構造は、炭素環式構造でも、複素環式構造でもよく、また、単環式構造でも多環式構造でもよい。このような多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えばジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート,トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート構造を有するもの、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エチレンオキサイド変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、アダマンタンジアクリレートなどが好適である。
(メタ)アクリレートモノマーとして、(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いることができる。このような(メタ)アクリレート系オリゴマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系、シリコーン(メタ)アクリレート系などが挙げられる。
ハードコート層に含有する(メタ)アクリレート量は、ハードコート層の全固形分中、5〜85質量%の範囲内にあることが好ましく、5〜60質量%にあることが好ましい。ハードコート層に含有する(メタ)アクリレート量が5質量%未満であると耐摩耗性及び塗膜硬度が低下する問題がある。ハードコート層に含有する(メタ)アクリレート量が85質量%超であると成形加工時においてハードコート層の割れが発生しやすくなる問題がある。
(酸化物粒子)
本発明における酸化物粒子としては、ケイ素酸化物、アルミ酸化物、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの酸化物粒子の中でも好ましいものは、ケイ素酸化物粒子及びアルミ酸化物粒子であり、これらを使用した塗膜は、塗膜成形後の透明性に優れ、可視光透過率、Tt及びHz等の光学特性が良好な塗膜が得られ、ディスプレイ及びその周辺部材に使用可能となり汎用性に優れる。
ケイ素酸化物粒子としては、コロイダルシリカや粉体シリカが挙げられる。コロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)製 商品名:メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、STC、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製商品名:SGフレーク等を挙げることができる。
アルミ酸化物粒子としては、アルミナの水分散品として日産化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520を挙げることができる。
これらの酸化物粒子の一次粒子径は5〜100nmであることが好ましく、10〜40nmであることがさらに好ましい。一次粒子径が100nmより大きい場合はハードコート層が光を通しにくくなり透明性が低下する。一次粒子径が5nmより小さい場合では寸法安定性が低下し好ましくない。
前記酸化物粒子が、アクリレート基を含む化合物で表面処理されていることが好ましい。
(光重合開始剤)
本発明のハードコート層には光重合開始剤を含有させることができる。光重合開始剤を含有させることによって、光(紫外線)照射によるハードコート層の重合硬化反応を短時間に行うことができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
ハードコート層の固形分中に含有する光重合開始剤は、ハードコート層の全固形分中、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜7質量%であることがさらに好ましく、0.1〜5質量%配合されることが特に好ましい。光重合開始剤の含有量が0.01質量%未満では光硬化性が低下し、10質量%を超えて配合した場合には、ハードコート層の着色の発生を招くと共に、光硬化反応の進行が変わらないことから経済的に好ましくない。
また、光硬化性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。さらにハードコート層を加熱により硬化させることの出来る熱重合開始剤を光重合開始剤と共に併用することも出来る。この場合、光硬化の後に加熱することによりハードコート層の重合硬化を更に促進することが期待できる。
上記熱重合開始剤としては、特に限定されず、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられる。例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等を使用することができる。
また、熱重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(いずれも日本油脂社製)等が好適に用いられる。
これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
(添加剤)
ハードコート層には状況に応じてレベリング剤、消泡剤、防汚剤等の界面活性剤や、表面改質剤等の添加剤や、有機フィラー、無機フィラー等のフィラーを添加することができる。
<基材フィルム>
基材フィルムとしては例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢ビフィルム、アイオノマー基材フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等ならびに、これらの架橋フィルム等が用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。さらに必要に応じ、上記フィルムを着色したフィルム、フッ素基材フィルム等を用いることができる。
基材フィルムの厚さは、通常は50〜500μm、好ましくは80〜300μm程度であり、基材フィルムの厚さが薄くなるとハンドリング性が低下するおそれがある。
基材フィルムはインモールド成形時に熱が負荷されることから、耐熱性を有していることが好ましい。これによってインモールド成形時に基材フィルムの変形が少なくなるため、熱負荷前後において、基材フィルム上に隣接して積層されたハードコート層との密着状態(接着力)を好ましく維持することができるため、当該ハードコート層の割れが生じにくくなる。
本発明における耐熱性は、基材フィルムを150℃のオーブン内に5秒間投入した後、変形が全く認められないか、実質的に変形が認められないものであればよい。
基材フィルムの表面にはコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理的な処理の他、ポリエステルやウレタン等の易接着層を設ける易接着処理を施すことができる。これらの処理を施すことにより、基材フィルムと隣接する層との接着力が向上する。
<保護フィルム>
保護フィルムは、ハードコート層上および基材フィルム上に設けることができる。保護フィルムは樹脂フィルム上に粘着層を設けたものが好ましく使用される。保護フィルムを構成する樹脂フィルムとしては、上記の基材フィルムと同一のものを使用することができる。
上記以外に自己粘着ポリエチレンフィルムも使用できる。
粘着層に使用する樹脂成分としては、ハードコート層と樹脂フィルム、および基材フィルムと樹脂フィルムとを貼着することができるものであれば特に制限されるものではないが、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよいし、複数を混合して使用してもよい。
本発明においては、アクリル樹脂を主成分とする粘着層を使用することが透明性の点から好ましい。
<印刷層>
印刷層は金属またはインクを使用することにより形成することができる。
金属を使用する場合、蒸着またはスパッタリングにより形成させ、パターニングプロセスなどの方法により所定のパターンを形成させることができる。インクを使用する場合、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷または昇華熱転写などの印刷法によって基材フィルム上に形成させることができる。
以下、本発明の製造方法を説明する。
<加飾用ハードコートフィルムの製造方法>
本発明を構成するハードコート層を基材フィルム上に塗布する際には、溶剤を添加することができる。溶剤としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン等が挙げられる。希釈剤の配合量は適宜選定すればよい。
本発明の加飾用ハードコートフィルムは、ハードコート層を構成する各材料を混合し、溶剤を添加した後、基材フィルムの表面に塗布される。ハードコート層を構成する各材料を基材フィルム上に塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンコート法など従来公知の方法が挙げられる。
次いで、溶剤を蒸発させ放射線(紫外線、可視光線、赤外線または電子線)を照射することにより硬化されて、ハードコート層が形成される。これらの放射線は、偏光であっても、無偏光であってもよい。特に、設備コスト、安全性、ランニングコスト等の観点から紫外線が好適である。紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。紫外線のエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などが好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、100〜5,000mJ/cmの範囲が好ましく、300〜3,000mJ/cm照射量が、100mJ/cm未満の場合は、硬化が不十分となるため、ハードコート層の硬度が低下する場合がある。また5,000mJ/cmを超えると、ハードコート層が着色して透明性が低下する。
放射線照射時における酸素濃度は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下が特に好ましい。酸素不含又は低濃度雰囲気には、酸素以外に含まれる気体は不活性ガスが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。また、紫外線は偏光であっても無偏光であってもよい。
紫外線照射等の放射線照射により形成させたハードコートフィルムの片面または両面には、保護フィルムを積層することができる。
<加飾フィルムの製造方法>
ハードコートフィルムを構成する基材フィルム上には印刷層を設けることができる。なお、ハードコートフィルムの片面または両面に保護フィルムが積層されている場合、該保護フィルムを剥離して基材フィルムを露出させた後に、印刷層を形成すればよい。
<加飾成形品の製造方法>
図4を用いて、本発明の加飾成形品の製造方法を説明する。
図4(a)は成形前の断面図であって、第1の金型50と第2の金型60の間に、加飾フィルム3が配置されている。第2の金型60には加飾フィルム3に樹脂材料を被覆するための樹脂注入口61が形成されている。
図4(a)の段階において、加飾フィルム3を構成するハードコート層は紫外線照射により固められていることが好ましい。これによって、所定の形状を有する加飾成形品を得た後に紫外線照射処理を行う必要がなくなるため、作業性が向上する。
図4(b)は成形後の断面図であって、図4(a)に示す第1の金型50と第2の金型60との間に、成形された加飾フィルム3’が挟み込まれてなる。図4(b)の段階においては、加熱処理(120℃〜200℃程度、1秒〜60秒程度)がなされる。
図4(c)は、加飾成形品の製造途中段階の断面図である。第2の金型60と、成形された加飾フィルム3’間に間隙を形成させた後、その間隙に樹脂注入口61から成形用樹脂62が加飾フィルム3’を被覆するように注入される。成形用樹脂としては熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
図4(d)は、加飾成形品の断面図である。図4(c)の段階において冷却あるいは放冷することにより、成形用樹脂62を固めた後、第1の金型50および第2の金型60から引き離すことにより、本発明の加飾成形品70を得ることができる。
以下、本発明の実施例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定されるものではない。なお、以下において部とは質量部を示す。
下記組成からなるハードコート層形成用材料をメチルエチルケトンに均一に溶解混合させ、真空脱法により泡を取り除き、ハードコート層形成用塗料を作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−6640B) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
上記のハードコート層形成用塗料を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム上に塗布した。次いで、100℃で1分間乾燥させてメチルエチルケトンを揮発させた。続いて、ハードコート層形成用塗料側から高圧水銀灯(120mW/cm)で照射距離10cm、積算光量800mJ/cmで紫外線照射することにより、本発明のハードコートフィルムを作製した。なお、紫外線照射後のハードコート層の厚さは4μmであった。
ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムの厚さを188μmとした以外は実施例1と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−6640B) 10部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 37.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムの厚さを188μmとした以外は実施例3と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−7510B) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムの厚さを188μmとした以外は実施例5と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−7510B) 10部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 37.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・アルミナ酸化物粒子(日産化学社製 製品名:アルミナゾル−100) 33.3部
・イソプロピルアルコール 50部
ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムの厚さを188μmとした以外は実施例7と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−6640B) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・アルミナ酸化物粒子(日産化学社製 製品名:アルミナゾル−100) 33.3部
・イソプロピルアルコール 50部
ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムの厚さを188μmとした以外は実施例9と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−6640B) 10部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 37.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・アルミナ酸化物粒子(日産化学社製 製品名:アルミナゾル−100) 33.3部
・イソプロピルアルコール 50部
ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルムの厚さを188μmとした以外は実施例11と同様にして、本発明のハードコートフィルムを作製した。
[比較例1]
ウレタンアクリレートを用いない下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、比較用のハードコートフィルムを作製した。
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 48.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 1.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
[比較例2]
ケイ素酸化物粒子を除いた以外は実施例1と同様にして比較用のハードコートフィルムを作製した。
[比較例3]
アルミナ酸化物粒子を除いた以外は実施例7と同様にして比較用のハードコートフィルムを作製した。
[比較例4]
ウレタンアクリレートの伸び率が本発明における範囲からはずれるウレタンアクリレートを用いた下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、比較用のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:EBECRYL8807) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
[比較例5]
ウレタンアクリレートの伸び率が本発明における範囲からはずれるウレタンアクリレートを用いた下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、比較用のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 製品名:UV−3520TL) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
[比較例6]
ウレタンアクリレートの伸び率が本発明における範囲からはずれるウレタンアクリレートを用いた下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、比較用のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(Miwon社製 製品名:Miramer PU340 ) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
[比較例7]
ウレタンアクリレートの伸び率が本発明における範囲からはずれるウレタンアクリレートを用いた下記組成からなるハードコート層形成用材料以外は実施例1と同様にして、比較用のハードコートフィルムを作製した。
・ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:EBECRYL8402) 40部
・アクリレート(ダイセル・サイテック社製 製品名:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)) 7.5部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−イルフェニルケトン) 2.5部
・ケイ素酸化物粒子(日産化学社製 製品名:MEK−ST) 33.3部
・メチルエチルケトン 50部
上記実施例および比較例のハードコート層形成用材料におけるウレタンアクリレートの伸び率及び鉛筆硬度を表1に示した。
Figure 2011194756
<評価>
上記のようにして得られた実施例および比較例のハードコートフィルムにおいて、下記の特性を評価した。得られた結果を表2に示した。
(鉛筆硬度)
ハードコート層の鉛筆硬度をJISK5600−5−4:1999に準拠して測定した。
(耐スチールウール性試験)
耐摩耗性を耐スチールウール試験により評価した。ハードコート層上に、#0000のスチールウールを載せ、加重250gをかけた状態で10往復させ、ハードコート層の状態を観察した。キズが全くないものを○、キズが若干あるものを△、キズが中程度あるものを×、キズが多数あるものを××とした。
(全光線透過率)
ハードコートフィルムの全光線透過率をJISK7361−1:1997に準拠して測定した。
(90度折り曲げ試験)
実施例および比較例のハードコートフィルムを30mm×270mmにカットし、ハードコート層が外側になるように各ハードコートフィルムを約90度折り曲げ、折り曲げた部位の基材フィルム側に1kgの重しを載せた。なお、90度折り曲げる部位は、ハードコートフィルムの端から50mmのところで行った。続いて、折り曲げたハードコートフィルムを180度2分間オーブンの中に放置した。加熱終了後に室温になるまで各ハードコートフィルムを放冷した後、ハードコート層の割れをルーペにて観察した。評価基準は、全く割れが認められなかったものを○、割れが若干あるものを△、割れが中程度あるものを×、割れが多数あるものを××とした。
(寸法安定性試験)
実施例および比較例のハードコートフィルムをA4サイズにカットし、ハードコートフィルムの裏面にインクジェットプリンターにて絵柄を印刷した後、ハードコートフィルムを100℃30分間オーブンの中に放置しアニール処理を行った。加熱終了後に室温になるまでハードコートフィルムを放冷後、ハードコートフィルム裏面の絵柄の変形を目視にて観察した。評価基準は、絵柄の変形が認められなかったものを○、絵柄の変形が若干あるものを△、絵柄の変形が中程度あるものを×、絵柄の変形が著しいものを××とした。
(成型加工性試験)
実施例および比較例のハードコートフィルムをA4サイズにカットし縦20mm×横30mm×高さ5mm、曲面部R5の金型を使用し圧空成型機にてフィルム加熱温度180℃にて成型加工した。成型加工品のハードコート層の割れをルーペにて観察した。評価基準は、全く割れが認められなかったものを○、割れが若干あるものを△、割れが中程度あるものを×、割れが多数あるものを××とした。
Figure 2011194756
表2に示すように、各実施例のハードコートフィルムは、耐スチールウール性試験において、キズが全く認められなかったため耐摩耗性に優れていた。また、各実施例のハードコートフィルムは、90度折り曲げ試験及び成型加工性試験においても割れが全く認められなかったことから、柔軟性を有していることが確認され、成形時において割れを生ずる恐れが少ないことが確認された。さらに各実施例のハードコートフィルムは、寸法安定性試験においてアニール処理後の寸法安定性に優れていることが確認できた。すなわち、各実施例のハードコートフィルムは、耐摩耗性及び柔軟性、寸法安定性を具備した性質を有することを確認した。
一方、ウレタンアクリレートを含有せずアクリレートからなる比較例1のハードコートフィルムは、耐スチールウール性に優れているものの90度折り曲げ試験及び成型加工性試験において割れが多数生じていたことから、インモールド成形の用途には使用しにくいものであった。また、酸化微粒子を含有していない比較例2および3については、寸法安定性試験においてアニール処理後の寸法安定性が著しく悪かった。また、ウレタンアクリレートの伸び率が本発明の範囲よりも高いウレタンアクリレートを使用した比較例4および5、鉛筆硬度が低いウレタンアクリレートを使用した比較例7は、90度折り曲げ試験及び成型加工性試験において割れが認められなかったものの、耐スチールウール性試験においてキズが多数認められた。伸び率が低いウレタンアクリレートを使用した比較例6は、90度折り曲げ試験及び成型加工性試験において割れが発生した。すなわち、比較例1から7は、耐摩耗性と成形加工性を両立していないため、加飾用のハードコートフィルム(例えば、携帯電話の外装部品等)には使用しにくいものであった。
上記のように、本発明によれば、耐摩耗性及びアニール処理後の寸法安定性に優れ、且つ、成形時において割れを生ずる恐れが少ないハードコートフィルムを提供することができるため、加飾用ハードコートフィルム、加飾フィルムおよび加飾成形品として好適に使用することができる。
1、2 ハードコートフィルム
3 加飾フィルム
3’ 成形された加飾フィルム
10 基材フィルム
20 ハードコート層
30 保護フィルム
40 印刷層
50 第1の金型
60 第2の金型
61 樹脂注入口
62 成形用樹脂
70 加飾成形品

Claims (7)

  1. 基材フィルムの片面にハードコート層が積層されてなり、前記ハードコート層がウレタンアクリレートと(メタ)アクリレートと酸化物粒子とを含有し、前記ウレタンアクリレートの伸び率が20〜85%であることを特徴とする加飾用ハードコートフィルム。
  2. 前記ウレタンアクリレートの鉛筆硬度が、3B以上であることを特徴とする請求項1に記載の加飾用ハードコートフィルム。
  3. 前記酸化物粒子が、ケイ素酸化物粒子またはアルミ酸化物粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加飾用ハードコートフィルム。
  4. 前記酸化物粒子が、アクリレート基を含む化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加飾用ハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコート層が、光重合開始剤を含有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の加飾用ハードコートフィルム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の加飾用ハードコートフィルムのハードコート層が積層されていない面に印刷層が積層されてなることを特徴とする加飾フィルム。
  7. 請求項6に記載の加飾フィルムを用いて成形したことを特徴とする加飾成形品。
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