JP7480532B2 - フィルム及び積層体 - Google Patents

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JP7480532B2 JP2020040489A JP2020040489A JP7480532B2 JP 7480532 B2 JP7480532 B2 JP 7480532B2 JP 2020040489 A JP2020040489 A JP 2020040489A JP 2020040489 A JP2020040489 A JP 2020040489A JP 7480532 B2 JP7480532 B2 JP 7480532B2
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Description

本発明は、フィルム、詳しくは防汚性を有するフィルム及び該フィルムを有する積層体
に関する。
車両内外装部品、家電機器、ノートPC、携帯電話、家具などの部材の表面に装飾を施
す方法の一つとして、加飾用フィルムを基材に貼り合わせる方法がある。この加飾用フィ
ルムを使用した方法は、塗装などの従来の方法と比較して、意匠性や耐久性などに優れ、
多く用いられるようになってきている。
加飾用フィルムには、装飾を施すだけではなく、様々な機能を付与することが検討され
ている。例えば、防汚性、保温性、耐擦傷性、指紋付着性、抗菌性、電気や赤外線の透過
性等の機能付与が検討されている。
防汚性に優れたハードコートフィルムとして、特定のF原子含有化合物を含む防汚層を
有したフィルムが開示されている(特許文献1)。
また、防汚性、撥水性及び撥油性に優れる積層体として、パーフルオロ(ポリ)エーテ
ル基を有する化合物を含む透明層を有する積層体が開示されている(特許文献2)。
一方、加飾用フィルムを基材に貼り合わせ方法も様々な検討がなされている。例えば、
防汚性等の機能を発現する機能層を基材フィルムに形成し、加飾用フィルムを用いる。該
加飾用フィルムを射出成型金型内に配置し、そこに溶融樹脂を射出することにより、成形
品を形成すると同時に成形品に加飾用フィルムを貼り合わせる。その後、該基材フィルム
を剥離することで該射出成型品表面に該機能性層を設ける方法等が用いられている(特許
文献3)。
特開2015-16683号公報 特開2018-89938号公報 特開2011-140170号公報
特許文献1及び2で提案されている方法は、基材またはハードコートフィルム層の上面
に、重合性組成物と重合開始剤を含む溶液を塗布して乾燥後、その上面に特定の防汚剤を
含む溶液を塗布して乾燥後に硬化させる方式である。このため、成形品に処理する場合は
、あらかじめ製造された成形品の表面に貼りあわせるなどして新たに防汚層を形成する方
式に限定され、工程が複雑化する等の問題がある。
また、特許文献3で提案されている、射出成型品を製造すると同時に成形品に加飾用フ
ィルムを貼り合わせる方法は、工程は短縮化されるものの、防汚剤を偏析させるために基
材に特殊な表面処理が必要となる等の問題があり、製造性やコストの観点から十分ではな
かった。
また、無機粒子を含む防汚層が開発されているが表面に凹凸が生じる、分散状態の制御
が難しく均質膜を得るのが難しいという問題がある。
基材、ならびに防汚剤を含むハードコート用のフィルムに関して、その表面物性の詳細
や表面元素組成の定量的測定という観点での検討は十分になされていなかった。
本発明者は、上記課題を鑑みて検討した結果、フィルムの表面物性の中でも表面自由エ
ネルギーが特定の範囲であり、特定の厚みがあり、無機粒子を含まない又はその含有量が
少ないフィルムにより、防汚性に優れ、成形品への転写後もその機能が維持されることを
見出した。また、フィルム表面及び内部の原子割合が特定の範囲であるフィルムが殊更好
ましいことを見出した。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
本発明の第1の要旨は、F原子およびSi原子の少なくとも何れか一方を含有し、少な
くとも一方の面の表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下であり、膜厚
が1.5μm以上12μm以下であり、無機粒子の含有量が10質量以下%である、フィ
ルムに存する。
本発明の第2の要旨は、前記フィルムの少なくとも一方の面の表面におけるF原子とS
i原子の合計存在率X(atm%)が、4atm%以上45atm%以下である、第1の
要旨に記載のフィルムに存する。また、本発明の第3の要旨は、前記フィルムの少なくと
も一方の面の表面におけるF原子とSi原子の合計存在率X(atm%)が、4atm%
以上45atm%以下であり、同表面から100nm内部におけるF原子とSi原子の合
計存在率Yが0.09atm%以上0.5atm%以下である、第1又は第2の本発明の
要旨に記載のフィルムに存する。そして、本発明の第4の要旨は、前記フィルムの少なく
とも一方の面の表面におけるF原子とSi原子の合計存在率X(atm%)、同表面から
100nm内部におけるF原子とSi原子の合計存在率Yが、8<X/Y<500の式を
満たす、第1~3の何れか1つの要旨に記載のフィルムに存する。また、本発明の第5の
要旨は、両方の面の表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下である、第
1~4の何れか1つの要旨に記載のフィルムに存する。
本発明の第6の要旨は、第1~5の何れか1つの要旨に記載のフィルムと、表面自由エ
ネルギーが40mN/m以上55mN/m以下であるポリエチレンテレフタレートフィルム
が接して存在する積層体に存する。また、本発明の第7の要旨は、第1~4の何れか1つ
の要旨に記載のフィルムの表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下の面
と、表面自由エネルギーが40mN/m以上55mN/m以下であるポリエチレンテレフタ
レートフィルムが接している第5の要旨に記載の積層体に存する。
本発明によれば、防汚性に優れ、表面が平滑で、基材に対して隙間を生じることなく積
層することができ、成形品への転写後もその機能が維持されるフィルムが提供される。
本発明は、F原子およびSi原子の少なくとも何れか一方を含有し、少なくとも一方の
面の表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下であり、膜厚が1.5μm
以上12μm以下であり、無機粒子の含有量が10質量以下%である、フィルムであるこ
とを特徴とする。
本発明の実施例1に示す積層体1の断面構造である。 本発明の実施例1に示す積層体3の断面構造である。 本発明の実施例1に示す積層体(I)の断面構造である。
以下に本発明について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例で
あり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明のフィルムが、防汚性に優れ、成形品への転写後もその機能が維持される理由は
、以下のように考えられる。
本発明のフィルムの少なくとも一方の面の表面自由エネルギーは、水の表面自由エネル
ギーより低い。そのため水をはじく効果が生まれ、防汚性が確保される。加えて、上記特
定の範囲にあることで、非極性溶媒の濡れ性を確保でき、該フィルム表面上に種々のコー
ト層を形成することができる。
また、膜厚が特定範囲であることにより、膜内におけるF原子とSi原子を防汚性が発
現するのに適した存在状態とすることができるとともに、フィルム本来が持つバルクとし
てのフィルムを構成する樹脂の機械的・力学的物性が発現させることができる。そして、
無機粒子の含有量が少ないことにより、表面が平滑になり、基材との間に隙間を生じるこ
となく積層することができる。
[フィルム]
本発明のフィルムは、その少なくとも一方の面の表面自由エネルギーが特定の範囲であ
り、特定の膜厚であり、無機粒子の含有量が特定の範囲であれば特に限定されない。
<フィルムの表面自由エネルギー>
本発明のフィルムは、その少なくとも一方の面の表面自由エネルギーγが以下の範囲で
あることが好ましい。すなわち、好ましくは23mN/m以上であり、より好ましくは2
5mN/m以上である。また、好ましくは44mN/m以下であり、より好ましくは43m
N/m以下である。この範囲であることで、防汚性が得られ、且つ非極性溶媒の濡れ性を
維持できるため、フィルム上にコート層を積層しやすくなる傾向にある。
フィルムの両面の表面自由エネルギーは、異なっていても等しくてもよい。フィルムの
表面自由エネルギーは、フィルムの両面が上述の好ましい範囲であることが好ましい。
フィルムの表面自由エネルギーの測定方法は、特に限定されないが、表面自由エネルギ
ーが既知の液体試料2種(3成分の場合は3種)について固体表面上の表面接触角を測定
し、連立2元1次方程式(または連立3元1次方程式)を解くことによって得られる。
溶媒の接触角測定から解析する各種理論式が提出されており、Owens-Wendt
理論、Kaelble-Uy理論、北崎-畑理論、Wu理論等が挙げられる。これらの中
でもOwens-Wendt理論が上記のような多種多様の理論の中でも2成分で測定す
る方法が、試料間の比較や検証が容易であるため好ましい。そして、後述する実施例にお
ける測定方法が特に好ましい。
フィルムの表面自由エネルギーを上述の特定の範囲とする方法は、特に限定されないが
、物理的に表面の微細構造を変化させることにより接触角を変える方法;熱、光、電磁波
、酸化、還元等の物理化学的な処理により表面に官能基を導入して接触角を変える方法;
界面活性剤などの表面処理剤、カップリング剤等の化学的な処理で表面物性を変えて接触
角を変える方法等が挙げられる。これらの中でも、物理化学的な処理により表面に官能基
を導入して接触角を変える方法が、最適な元素や分子組成を定量的に表面に導入し、その
表面自由エネルギーを設計・制御しうるため好ましい。
<フィルムの膜厚>
フィルムの膜厚は、1.5μm以上12μm以下である。フィルムの膜厚は、好ましく
は1.6μm以上である。また、好ましくは11μm以下である。膜厚が、これらの範囲
であることで、膜内におけるF原子とSi原子を防汚性が発現するのに適した存在状態と
することができるとともに、十分な表面硬度を有し、フィルム上に更に塗布層を設ける場
合にもフィルムの反りを抑制でき、さらに外観も良好となる傾向にある。
<フィルムの組成>
本発明のフィルムは、F原子及びSi原子の少なくとも何れか一方を含有する。
本発明のフィルムを構成する材料は、特に限定されず、一般的にフィルムに用いられる
モノマーポリマー等の材料を用いることができる。例えば、分子中に複数個の硬化性の(
メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、イソシアネー
ト基を有する化合物などが挙げられる。これらの中でも、分子中に少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であることが、重合・架橋形成によるフィルム
構造安定化、耐久性向上の理由で好ましい。
また、フィルム内に機能を発現する化合物等を含んでいてもよい。例えば防汚機能を有
する材料、表面にすべり性を付与する材料、屈折率を変更する材料、光や熱などの電磁波
の透過・反射を制御する材料、帯電性を制御する材料等が挙げられる。これらの材料は、
フィルム内で分散していてもよく、表面等に偏在していてもよい。
本発明のフィルムに含有されるF原子やSi原子は、本発明のフィルムの防汚性発現に
寄与している。防汚機能等を発現する化合物(以下、防汚化合物)としては、F原子やS
i原子を分子内に含む硬化性の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物等が挙げら
れる。これらの中でも、分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有す
る化合物が、共有結合形成による固定化、耐久性向上の傾向があるため好ましい。
フィルム内の防汚化合物の割合は特に限定されないが、好ましくは部数にして0.01
部以上であり、より好ましくは0.1部以上である。また好ましくは50部以下であり、
より好ましくは40部以下である。
(無機粒子)
本発明のフィルムは、耐擦傷性向上等のために、一般的に用いられる方法であるシリカ
やチタニアなどの硬い無機粒子が混合されていても良い。
本発明のフィルムに配合される無機粒子としては、シリコン、チタニウム、ジルコニウ
ム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1
種の金属の酸化物を主成分としてなる物質が挙げられる。また、コロイダルシリカ、多孔
質シリカ、中空シリカ、フッ化マグネシウムなどを原料とする、低屈折率材料等も挙げら
れる。これらは、フィルムの硬度や屈折率を制御する機能で添加されるが、1種類を単独
で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
無機粒子のサイズは特に限定されないが、5nm以上であることが好ましく、10nm
以上であることがより好ましい。また500nm以下であることが好ましく、400nm
以下であることがより好ましい。これは、無機粒子をフィルム内に均等に分散させる際に
、フィルム厚みの10分の1以下のサイズが好ましいためである。
無機粒子は、表面が平滑になり、基材との間に隙間を生じることなく積層しやすく、フ
ィルム内におけるF原子とSi原子を防汚性が発現するのに適した存在状態としやすいこ
とから少ないことが好ましい。そこで、無機粒子を配合する場合、フィルム内の無機粒子
の含有量は、10質量%以下であり、好ましくは、8質量%以下である。また、無機粒子
を配合する場合における、フィルム内の無機粒子の含有量は、好ましくは0.01質量%
以上である。無機粒子の含有量がこれらの範囲内であることにより、活性エネルギー線に
よるフィルム硬化時に、エネルギー線をフィルム深部まで十分に到達させ、内部を硬化さ
せることができる。
無機粒子は、塗布液中で分散安定化を図るために、あるいは樹脂成分との親和性、結合
性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活
性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がされてもよい。
フィルム中の無機粒子の量を測定する方法は、特に限定されないが、例えば熱重量分析
により、有機物加熱分解後の重量減少量と初期量の差分から、無機物の重量を特定するこ
とができる。
<フィルムのF原子及びSi原子の存在率>
本発明のフィルムは、F原子及びSi原子の少なくとも何れか一方を含有する。
(フィルム表面のF原子、Si原子の存在率X)
フィルムの少なくとも一方の面の表面におけるF原子とSi原子の合計存在率X(at
m%)は、4atm%以上45atm%以下であることが好ましい。
フィルム表面におけるF原子とSi原子の合計存在率は、より好ましくは4.2atm
%以上であり、さらに好ましくは4.4atm%以上である。また、好ましくは40at
m%以下であり、より好ましくは35atm%以下である。これらの範囲であることで、
フィルムの表面自由エネルギーを抑制し、水や非極性溶媒の濡れ性を制御することができ
る傾向にある。そのため、防汚性の発現、フィルム上にコート層を塗布する際のハジキ防
止等の効果が得られる。
(フィルム内部のF原子、Si原子の存在率Y)
フィルムの少なくとも一方の面については、表面から100nm内部におけるF原子と
Si原子の合計存在率Yは、0.09atm%以上、0.5atm%以下であることが好
ましい。Yは、より好ましくは0.10atm%以上であり、更に好ましくは0.11a
tm%以上である。また、Yは、より好ましくは0.49atm%以下であり、更に好ま
しくは0.48atm%以上である。これらの範囲であることで、フィルム本来が持つバ
ルクとしての樹脂の機械的・力学的物性を得られる傾向にある。
(フィルムにおけるF原子、Si原子の表面偏析)
本発明のフィルムの少なくとも一方の面の表面におけるF原子とSi原子の合計存在率
X(atm%)、同表面から100nm内部におけるF原子とSi原子の合計存在率Yは
、下記式(1)を満たすことが好ましい。
8<X/Y<500 (1)
X/Yは、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、一方、好ましくは4
00以下であり、より好ましくは350以下である。これらの範囲であることで、フィル
ム表面の濡れ性等の機能を有しながらも、フィルム本来が持つバルクとしてのフィルムを
構成する樹脂の機械的・力学的物性を得られる傾向にある。
本発明のフィルムにおけるF原子とSi原子の存在率は、少なくとも一方の面が上述の
範囲であることが好ましいが、本発明のフィルムを基材に積層し、基材と接触しているフ
ィルム表面から基材を剥離し、剥離したフィルム表面に防汚性を持たせる場合は、基材と
接触しているフィルムの面におけるF原子とSi原子の存在率が、上述の範囲であること
が好ましい。
(F原子、Si原子の存在率の測定法)
上述のXおよびYの測定方法は、特に限定されないが、X線光電子分光法で測定するこ
とができる。本発明におけるXおよびYは、後述する実施例におけるX線光電子分光法に
より測定した値とすることが好ましい。なお、この方法における表面は、通常最表面から
5nm内部の範囲までのことを表す。
フィルムのF原子及び/又はSi原子の存在率を上記範囲にする方法は特に限定されな
いが、使用材料の物性による方法、製造工程に起因する方法等が挙げられる。使用材料の
物性による方法とは、例えば、F原子やSi原子を有する分子の極性、分子量、樹脂との
相溶性、熱物性、不飽和官能基の個数、複数種類の分子や添加剤の混合、塗布溶媒の選定
といった化学的因子により調整する方法である。また、製造工程に起因する方法とは、例
えば、フィルムを製造するにあたり、加熱条件、乾燥条件、塗布スピード、加圧条件とい
った物理的・機械的因子を制御することにより調整する方法である。
フィルムの透過率やYI値に関して、活性エネルギー線硬化性組成物を材料として使用
する場合は、そのエネルギー線が有する特定の波長に対する透過性を妨げない透明性が必
要である。エネルギー線に対する透過率は、10%以上であることが好ましく、20%以
上であることがより好ましい。かかる範囲において、硬化時間を短縮し効率的な製造性を
維持することができる傾向にある。
<フィルムの製造方法>
本発明のフィルムの製造方法は特に限定されず、適宜公知の技術を用いて製造すること
ができる。
例えば、基材上に本発明のフィルムを作製し、その後基材を剥離する方法等が挙げられ
る。基材への積層方法は特に限定されないが、例えば、本発明のフィルム形成用組成物を
基材へ直接塗布し硬化させる方法、基材上に本発明のフィルムを形成し、一旦転写フィル
ムを作製し、その後、接着層等を介して他の基材側へ前記フィルムを転写させる方法が挙
げられるが、生産性向上、異物欠陥抑制の観点から後者の方法(以下、「転写方式」とも
いう)が好ましい。
(基材)
本発明のフィルムを製造する際に用いる基材は特に限定されないが、活性エネルギー線
透過性を持つことが好ましい。活性エネルギー線透過性フィルムとしては、公知のフィル
ムを利用することができる。
活性エネルギー線透過性フィルムとしては、例えばポリエチレンテレタレート(PET
)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等の合成樹脂フィルム;セルロース
アセテートフィルム等のセルロース系フィルム;セロハン紙、グラシン紙、等の洋紙、和
紙などのフィルム状の物;あるいはこれらの複合フィルム状物、複合シート状物等や、そ
れらに剥離層等の表面処理を設けてなるもの等が挙げられる。これらのなかでもポリエチ
レンテレフタレートフィルムが硬度と光学特性、表面自由エネルギーの理由で好ましい。
基材の表面自由エネルギーは特に限定されないが、好ましくは40mN/m以上であり
、より好ましくは41mN/m以上であり、さらに好ましくは42mN/m以上である、ま
た、好ましくは55mN/m以下であり、より好ましくは54mN/m以下であり、さらに
好ましくは53mN/m以下である。これらの範囲であることで、本発明のフィルム内の
低自由エネルギーの防汚剤分子を基材表面上へ偏析させることが容易になると同時に、フ
ィルム形成用組成物を塗布する際のハジキを防止し、塗工性が向上する傾向にある。
基材の形状や厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜調整することができる。基材
の厚みは、好ましくは4μm以上であり、より好ましくは12μm以上であり、30μm
以上がさらに好ましく、また、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは150
μm以下であり、120μm以下がさらに好ましい。これらの範囲であることで、しわや
亀裂などのない転写フィルムの製造が容易となる傾向にある。
基材とフィルムとの剥離性を向上させるために剥離層を設けてもよい。剥離層を設ける
場合、剥離層としては、公知のポリマーやワックスなどを適宜選択使用できる。また、こ
れらに界面活性剤を添加してもよい。
剥離層の形成方法としては、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコン系、メラミン系
、尿素系、尿素-メラミン系、セルロ-ス系、ベンゾグアナミン系などの樹脂やパラフィ
ンワックス等を単独またはこれらの混合物を主成分とした有機溶剤もしくは水に溶解させ
た塗料を、グラビア印刷法、スクリ-ン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法で
、基材上に塗布、乾燥(熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬
化性樹脂など硬化性塗膜には硬化)させて形成したもの等が挙げられる。
剥離層の厚みは、0.1~3μm程度が好ましい。剥離層は、剥離し易い点では厚いこ
とが好ましく、転写前に基材フィルム上の各層の脱離が起こり難い点では薄いことが好ま
しい。
<フィルム形成用組成物>
本発明のフィルムを形成するための組成物は、特に限定されず、上記フィルムを構成す
る材料で示したもの等が挙げられる。これらの中でも、分子中に少なくとも2個の(メタ
)アクリロイルオキシ基を有する化合物(以下、「成分(A)」という。)を含有するこ
とが好ましい。また、必要に応じて後述する防汚性化合物(以下、「成分(B)」という
。)を含有してもよい。
(成分(A))
成分(A)は、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合
物である。
フィルム形成用組成物中の成分(A)の含有量としては、フィルム用の組成物の全固形
成分中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、90質量%以
下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
成分(A)としては、例えば、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリ
ル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物及び多価カルボン酸又はその無水物と多
価アルコールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物等が挙げ
られる。
1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得ら
れるエステル化物の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;1,4-ブタンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9
-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキルジオールジ(メタ)アクリレート
;及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(
メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グ
リセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ
)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエ
リスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等の3官能以上のポリオールポリ(メタ)アク
リレートが挙げられる。
多価カルボン酸又はその無水物と多価アルコールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体
とから得られるエステル化物において、多価カルボン酸又はその無水物と多価アルコール
と(メタ)アクリル酸の組合せ(多価カルボン酸又はその無水物/多価アルコール/(メ
タ)アクリル酸)としては、例えば、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリ
ル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン
/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク
酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/
(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエ
リスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アク
リル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリ
セリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸
、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロー
ルプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グル
タル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタ
ン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、
セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(
メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/
トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロ
ールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アク
リル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリト
ール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル
酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/
グリセリン/(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)
アクリル酸が挙げられる。
分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物のその他の例
としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレン
ジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホ
ロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネー
トの3量化により得られるポリイソシアネート1モルに対して2-ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3
-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N
-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、15,3-プロパントリオール-1,3-ジ(メ
タ)アクリレート、3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等の活性水素を有するアクリル系単量体3モル以上を反応させて得られるウレタン(
メタ)アクリレート;トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アク
リレート又はトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチレン
]イソシアヌレート;エポキシポリ(メタ)アクリレート;及びウレタンポリ(メタ)ア
クリレートが挙げられる。イソシアネート化合物以外の例として、グリシジル(メタ)ア
クリレートを共重合したエポキシ基を有する化合物に対して、上記活性水素を有するアク
リル系単量体を反応させて得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで「(メ
タ)アクリ」とは、「メタクリ」又は「アクリ」を意味する。
なお、成分(A)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(成分(B))
成分(B)は、フィルムのF原子及び/又はSi原子の存在率の範囲を特定の範囲とす
るために用いることができる。成分(B)を含有することで、被膜へ防汚性(撥水性、撥
油性等)を付与することができる。
成分(B)は、F原子を有する化合物、Si原子を有する化合物、F原子及びSi原子
を有する化合物等が挙げられ、これら化合物を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使
用することができる。
F原子を有する化合物としては、パーフルオロアルキレンエーテル基、テトラフルオロ
エチレン基を有する化合物)等が挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキレン
エーテル基を有する化合物が低自由エネルギーでかつ非極性溶媒への親和性が高い傾向に
あるため好ましい。
F原子を有する化合物の市販品としては、例えば、ダイキン工業(株)製「オプツール
DAC-HP」(商品名)、信越化学工業(株)製「KY1271」(商品名)、SOL
VAY(株)製「Fluorolink AD1700」(商品名)、DIC(株)製「
RS-72」、「RS-75」、「RS-76」、「RS-78」(商品名)などが挙げ
られる。
F原子を有する化合物の量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは0.01
質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上である。また、好ましくは50質量
部以下であり、より好ましくは40質量部以下である。F原子を有する化合物の量が上記
下限以上であることにより、本発明のフィルムの防汚性能を十分とできる傾向にある。ま
た、F原子を有する化合物の量が上記上限値以下であることにより、本発明のフィルムの
硬化性及び透明性を良好とすることができる傾向にある。
Si原子を有する化合物としては、ジメチルシロキサン基、シクロシロキサン基を有す
る化合物等が挙げられる。これらの中でもジメチルシロキサン基を有する化合物が、低自
由エネルギーでかつ非極性溶媒への親和性が高い傾向となるため好ましい。
Si原子を有する化合物の市販品としては、例えば、例えば、信越化学工業(株)製「
KP414」、「KP418」、「KP420」、「KP423」、「X-12-104
8」、「X-12-1050」、「X-12-2475」、「X-22-2445」、「
X-22-174ASX」、「X-22-174BX」、「KF2012」(商品名)、
EVONIC(株)製「TEGO RAD2250」、「TEGO RAD2300」、
「TEGO RAD2500」(商品名)、BYK(株)製「BYK-333」(商品名
)、BYK(株)製「BYK-UV3570」(商品名)などが挙げられる。
Si原子を有する化合物の量は、成分(A)100質量部に対して好ましくは0.01
質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上である。また、好ましくは50質量
部以下であり、より好ましくは40質量部以下である。Si原子を有する化合物の量が上
記下限値以上であることにより、本発明のフィルムの防汚性能を十分とできる傾向にある
。また、Si原子を有する化合物の量が上記上限値以下であることにより、撥水層の硬化
性及び透明性を良好とすることができる傾向にある。
F原子とSi原子の両方を有する化合物としては、パーフルオロアルキレンエーテル基
、テトラフルオロエチレン基、ジメチルシロキサン基、シクロシロキサン基を有する化合
物等が挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキレンエーテル基、ジメチルシロ
キサン基を有する化合物が、低自由エネルギーであり、且つ非極性溶媒への親和性が高い
傾向であるため好ましい。
F原子とSi原子の両方を有する化合物の市販品としては、例えば、信越化学工業(株
)製「KY1203」、「X-12-2430C」(商品名)、DIC(株)製「RS-
55」、「RS-56」、「RS-57」、「RS-58」(商品名)などが挙げられる

F原子とSi原子の両方を有する化合物の量は、成分(A)100質量部に対して、0
.01質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上である。また、好
ましくは50質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下である。F原子とSi原
子の両方を有する化合物の量が上記下限値以上であることにより、本発明のフィルムの防
汚性能を十分とできる傾向にある。また、F原子とSi原子の両方を有する化合物の量が
上記上限値以下であることにより、撥水層の硬化性及び透明性を良好とすることができる
傾向にある。
(重合開始剤)
本発明のフィルムを形成するための組成物は、重合反応させることにより硬化させるこ
とができる。重合方法は特に限定されず、活性エネルギー線重合でも、熱重合でもよい。
活性エネルギー線分解重合開始剤としては、紫外線硬化性混合物で使用するものと同様
のものとすることができる。活性エネルギー線分解重合開始剤の量としては、成分(A)
100質量部に対して0.1~10質量部が好ましい。
フィルム形成用組成物には、必要に応じて、スリップ性向上剤、レベリング剤、無機微
粒子、光安定剤(紫外線吸収剤、HALS等)等の各種成分が含まれていてもよい。積層
体の透明性の観点から、これらの量は、フィルム形成用組成物100質量部に対して、1
0質量部以下が好ましい。
本発明のフィルム形成用組成物が活性エネルギー線(以下、便宜的に「光」ともいう。
)硬化性の場合、光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p-メトキ
シベンゾフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、α,α-ジメトキシ-α-フェ
ニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレー
ト、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシ
ル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン
等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィド等の硫黄化合物;及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオ
キサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等のリン化合物が挙げられる。
本発明のフィルムを形成するための組成物が熱硬化性組成物である場合、熱硬化剤を配
合することができる。
熱硬化剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-(2,
4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤;及びラウロイルパーオキサイド、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4-t-
ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエ
ート、t-ヘキシルパーオキシピバレート等の有機過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの成分は、フィルムの透明性の点で、本発明のフィルムを形成する為の組成物の
固形分100質量部に対して、10質量部以下が好ましい。
本発明のフィルムを形成するための組成物の固形分濃度を調整するために、希釈溶剤を
用いてもよい。
希釈溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロ
パノール、エタノール、4-メチル-2-ペンタノン、1-メトキシ-2-プロパノール
及び2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール等が挙げられる。
フィルムを形成するための組成物の固形分濃度は、0.1~20質量%が好ましい。固
形分濃度を前記範囲とすることにより、フィルム形成用組成物の貯蔵安定性を良好とする
ことができ、フィルムを所望の膜厚にコントロールし易くなる傾向にある。
[フィルムを用いた積層体及び成型体]
本発明のフィルムは、他の層と組み合わせて積層体として用いることができる。また、
他の成型体に張り合わせて用いることもできる。例えば、前述の基材との積層体としても
よく、この積層体を他の成型体に貼り付けてから、基材を剥離して用いてもよい。
本発明のフィルムと基材との積層体としては、前述のとおり、本発明のフィルムと、表
面自由エネルギーが40mN/m以上55mN/m以下であるポリエチレンテレフタレート
フィルムが接して存在する積層体が好ましい。また、本発明のフィルムの表面自由エネル
ギーγが20mN/m以上44mN/m以下の面と、表面自由エネルギーが40mN/m以
上55mN/m以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムが接している積層体が特
に好ましい。
以下に、本発明のフィルムを用いた積層体の製造方法の一例を示す。この製造方法では
、第1の工程~第5の工程をこの順に行う。
第1の工程では、本発明のフィルムと基材を有する積層体を、型に貼り合わせる。具体
的には、直接貼り合わせる方法、熱可塑性樹脂を介して貼り合わせる方法、熱硬化性樹脂
を介して貼り合わせる方法、紫外線硬化性混合物を介して張り合わせる方法などが挙げら
れる。生産性が良好である観点から、熱可塑性樹脂を介して貼り合わせる方法が好ましい
。なお、型との間に中間層を設ける場合は、フィルムの中間層に接する面に易接着処理が
されていることが、型からの剥離の際、型表面に中間層が残存し難いことから好ましい。
ここで易接着処理とは、型からの剥離を容易にするための層を設けること等が挙げられる
熱可塑性樹脂を介して貼り合わせる方法としては、例えば、型もしくはフィルムに熱可
塑性樹脂を塗布し、ゴムロールで圧着する方法が挙げられる。特に、貼り合わせる際のエ
アーの巻き込みを防ぐためには、型上に過剰量の熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布し、フィ
ルムを介してゴムロールで過剰な塗料をしごき出しながら貼り付ける方法が好ましい。
第2の工程では、第1の工程で得られた基材とフィルムを有する積層体が貼り合わされ
た型を、他の型に、フィルム側が型の内側に位置するように向かい合わせた鋳型を作製す
る。
型を構成する部材としては、例えば、鏡面を有するステンレス板、ガラス板もしくは表
面に凹凸を有するステンレス板、ガラス板等を使用することができる。鋳型の作製は、例
えば、2枚の型の間の端部に、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合物、ポ
リエチレン、エチレン-メタクリル酸メチル共重合物等からなる中空形状物をガスケット
としてはさみ込み、端部をクランプで固定した構成の鋳型を組立てる等の工程により行う
ことができる。
さらに、第3の工程では、第2の工程で得られた鋳型に、樹脂原料を注入し、注型重合
を行う。
第2の工程で作製された鋳型内部にて、樹脂基材となる樹脂原料の注型重合を行なう際
の樹脂原料としては、特に限定されず各種の原料を使用できる。例えば、アクリル系樹脂
を注型重合で製造する場合は、その樹脂原料として、(メタ)アクリル酸のエステル類単
独の単量体、またはこれを主成分とする単量体、あるいは、この単量体とこの単量体の重
合物との混合物を含有するシロップ等を挙げることができる。
また、このようなアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸のエステル類の単独重
合物、あるいはこれを主な単量体成分とする、共重合物を例示することができる。(メタ
)アクリル酸のエステル類としては、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と称す。)
を例示することができる。例えば、MMAを主な単量体成分として共重合する場合、その
他の単量体成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のMMA以外のメタク
リル酸エステル;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン等の芳香族ビニル
化合物;等が挙げられる。
MMA単量体あるいはMMAを主成分とする単量体混合物中に、MMA単量体あるいは
MMAを主成分とする単量体混合物の一部重合物を含む場合は、MMA単量体あるいはM
MAを主成分とする単量体混合物に予め重合して得た前記重合物を溶解させてもよいし、
あるいはMMA単量体あるいはMMAを主成分とする単量体混合物を一部重合させてもよ
い。アクリル系樹脂原料を重合するための開始剤としては公知のアゾ系の開始剤、あるい
はパーオキサイド系開始剤等が挙げられ、これらの開始剤を用いて公知の方法により注型
重合を行う。アクリル系樹脂原料には、その他目的に応じ、離型剤、紫外線吸収剤、染顔
料等を添加することができる。
第4の工程では、第3の工程の注型重合後に、樹脂基材上にフィルムが積層された樹脂
積層体、すなわちフィルムと、基材(と中間層)とが順次積層された樹脂積層体を鋳型か
ら剥離する。
第5の工程では、第4の工程で得られた樹脂積層体から、基材を剥離して、樹脂積層体
表面を露出させる。その後、エネルギー硬化性樹脂の硬化を行う。硬化を紫外線照射によ
り行う場合、紫外線照射には、紫外線ランプ等を使用すればよい。紫外線ランプとしては
、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、蛍光紫外線ランプ等が挙げられる。紫外
線照射による硬化は、転写フィルムを介して1段階で行っても良いし、あるいは2段階に
分けて硬化を実施しても良い。紫外線硬化性混合物以外の硬化性混合物を用いる場合は、
例えば、電子線、放射線などの活性エネルギー線を、転写フィルムを介して照射すること
により硬化するか、あるいは加熱により硬化する硬化性混合物を選択することができる。
[用途]
本発明のフィルム及び該フィルムを有する積層体は、防汚機能を有することから、自動
車内外装の加飾用フィルムや、ディスプレイ等表示装置の面板、すなわち、携帯電話、携
帯型ゲーム機、カーナビゲーションシステム、ボータブルAV機器等に代表される製品の
表面を保護するフィルムとして好適である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例により限定されるものではない。以下において、「部」及び「%」はそ
れぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
(1)接触角と表面自由エネルギーの測定
(a)水に対する接触角
23℃、相対湿度50%の環境下において、対象サンプルに水0.2μLを1滴で滴下
し、接触角計(First Ten Angstroms社製、商品名:「FTA125
」)を用いて、水に対する接触角を測定した。
(b)ヨウ化メチレンに対する接触角
水の代わりにヨウ化メチレンを使用したこと以外は、水に対する接触角の測定と同様に
して、ヨウ化メチレンに対する接触角を求めた。
上記2成分の接触角から、FTA125に付属のソフトウエアにより、Owens-W
endt理論にから解析した表面自由エネルギーを算出した。
(2)防汚性(油性インク拭き取り性)
油性インク(黒字)として「マイネーム」((株)サクラクレパス製、商品名)で硬化
被膜の表面上に線を書き、3分後に「キムタオル」(日本製紙クレシア(株)製、商品名
)で線を拭き取り、その際の油性インクの拭き取れ具合を、目視により以下の基準で評価
した。
「○」:5回の拭取りで完全に拭き取れる
「×」:5回の拭取りで一部、又は全部のインクが付着したままである
(3)X線光電子分光法による原子存在率
Quantum2000(PHI社製)の試料ホルダーに試料を固定し、X線源単色化
Al-K線、出力16kV-34W(X線発生面積170μmφ)、帯電中和なし及び電
子銃5μA、イオン銃3Vの測定条件でX線を照射した。測定領域の面積は300μm□
であり、取り出し角は表面より45°で検出を行った。また、デプスプロファイル測定を
行った。デプスプロファイル測定では、出力2kVで、領域2x2mm、スパッタレート
は、4.35nm/min(SiO膜換算)で試料表面をArイオンによりスパッタ
ーした。
(4)フィルム層の膜厚
(株)ミツトヨ製のマイクロゲージ式厚み計を用い、基材上に塗布したフィルムの厚み
を基材込みで測定し、その厚みから、基材の厚みを差し引くことにより、フィルム層の膜
厚を算出した。
<実施例1>
四つ口のフラスコに、第1成分として、側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリ
ル系樹脂(製品名:ユピマーUV HH2150、三菱ケミカル社製)を99.0重量部
、次いで、第2成分として、多官能イソシアネート(製品名:CORONATE HL、
東ソー製)を10質量部、第3成分として、反応触媒であるジラウリン酸ジブチルスズを
1質量部、第4成分として、側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系ポリマー
で、構造中にジメチルシロキサン基を含む防汚剤樹脂を5質量部配合した後、重合開始剤
として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキュア184)を5
重量部加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルを316.6重量部加えることで
、フィルム形成用組成物(1)を得た。
基材として厚み50μmのPETフィルムの表面に、フィルム形成用組成物(1)を、
14号バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥させて塗布膜(フィルム)とP
ETフィルムとの積層体1を得た。積層体1の断面構造を図1に示す。PET上に形成さ
れた塗布膜(フィルム)の膜厚は8μmであった。
積層体1の塗布膜(フィルム)の表面(PETフィルムに接触している面と対向する面
(表面B)の表面自由エネルギーを測定し、かつ防汚性を評価した。また、X線光電子分
光法により、F原子とSi原子の存在比を測定した。評価結果を表1に示す。
また、PETフィルムの表面自由エネルギーを、上記塗布膜と同様の方法で測定すると
、47mN/mであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて固形分濃度20質量%に調整した(
メタ)アクリル系樹脂接着剤(重量平均分子量約8,000)を、10号バーコーターを
用いて上記の表面Bに塗布した。その後、60℃で2分間乾燥させて接着層を形成し、1
日以上冷暗所で養生し、積層体2(転写フィルム)を得た。なお、前記フィルム表面Bに
接着層を形成する際にハジキ欠陥は発生しなかった。
厚みが1.5mmのアクリライトEX001(メタクリル樹脂板)の表面に、積層体2
(転写フィルム)を、接着層を介して重ね合わせた。その後、160℃で1分加熱した。
JIS硬度40°のゴムロールを用いて接着層をしごきながら気泡を含まないように圧着
させ、積層体3を得た。積層体3の断面構造を図2に示す。
次いで、上記の積層体3が十分に冷却された後に、PETフィルムを剥離した。塗布膜
(フィルム)のPETフィルムが剥離された面(表面A)を、6.0m/分の速度で、出
力2.8kWのメタルハライドランプ下(ランプとの距離5.3cm)を通過させ、積層
体(I)を得た。積層体(I)の断面構造を図3に示す。積算光量は1000mJ/cm2
であった。
積層体(I)の塗布膜(フィルム)表面(表面A)の表面自由エネルギーを測定し、か
つ防汚性を評価した。また、X線光電子分光法により、F原子とSi原子の存在比を測定
した。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、第4成分として防汚剤樹脂をRS-58(DIC社製UV反応性フ
ッ素系防汚剤RSシリーズ中の製品:フッ素樹脂にシリコーンを含有した組成物)とした
以外は実施例1と同様にして積層体(II)を得た。PET上に形成された塗布膜(フィ
ルム)の膜厚は9μmであった。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、第4成分を添加しない以外は実施例1と同様にして積層体(III
)を得た。PET上に形成された塗布膜(フィルム)の膜厚は8μmであった。評価結果
を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、基材のPETを離形処理したPETに変えた以外は、実施例1と同
様にして、このフィルムにフィルム形成用組成物(1)を塗布した。しかし、PETフィ
ルム上でフィルム形成用組成物(1)のハジキが観察され、均一に塗布することができな
かった。なお、離形処理したPETの表面自由エネルギーを測定すると、19mN/mで
あった。
Figure 0007480532000001
1 塗布膜(フィルム)
2 PETフィルム
3 接着層
4 樹脂板
5 表面A
6 表面B

Claims (7)

  1. F原子およびSi原子の少なくとも何れか一方を含有し、少なくとも一方の面の表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下であり、膜厚が1.5μm以上12μm以下であり、無機粒子の含有量が10質量下であり、少なくとも一方の面の表面におけるF原子とSi原子の合計存在率X(atm%)が、4atm%以上45atm%以下であり、側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネート化合物、および、パーフルオロアルキレンエーテル基に由来するF原子またはジメチルシロキサン基に由来するSi原子を含む防汚化合物を含む組成物から得た、表面自由エネルギーが40mN/m以上55mN/m以下の基材用フィルム。
  2. 前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記フィルムの表面から100nm内部におけるF原子とSi原子の合計存在率Yが0.09atm%以上0.5atm%以下である、請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 前記フィルムの少なくとも一方の面の表面におけるF原子とSi原子の合計存在率X(atm%)、同表面から100nm内部におけるF原子とSi原子の合計存在率Yが、下記式(1)を満たす、請求項1~3の何れか1項に記載のフィルム。
    8<X/Y<500 (1)
  5. 両方の面の表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下である、請求項1~4の何れか1項に記載のフィルム。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載のフィルムと、表面自由エネルギーが40mN/m以上55mN/m以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムが接して存在する積層体。
  7. 請求項1~4の何れか1項に記載のフィルムの表面自由エネルギーγが20mN/m以上44mN/m以下の面と、表面自由エネルギーが40mN/m以上55mN/m以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムが接している請求項に記載の積層体。
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