JPH0657199A - 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物 - Google Patents

耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物

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JPH0657199A
JPH0657199A JP21608692A JP21608692A JPH0657199A JP H0657199 A JPH0657199 A JP H0657199A JP 21608692 A JP21608692 A JP 21608692A JP 21608692 A JP21608692 A JP 21608692A JP H0657199 A JPH0657199 A JP H0657199A
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JP
Japan
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monomer
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alkoxysilyl group
group
composition
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Application number
JP21608692A
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English (en)
Inventor
Noritaka Hosokawa
範孝 細川
Kazuhide Hayama
和秀 葉山
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)アルコキシシリル基を有するアクリル
シリコン樹脂、(b)分子内に3個以上のアクリロイル
基を有する多官能アクリレート、(c)有機溶剤を分散
媒としたシリカゾル、(d)有機溶剤および(e)光重
合開始剤を含有してなる。 【効果】 溶剤を乾燥した時点で塗膜が形成され、紫外
線照射前に成形、印刷、転写等の加工が可能である、耐
摩耗性に優れた塗膜を形成する耐摩耗性紫外線硬化性被
覆組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性紫外線硬化性
被覆組成物に関するものであり、さらに詳しくは、本発
明は、溶剤を乾燥した時点で塗膜を形成し、これに紫外
線照射を行う前に成形、印刷、転写等の加工・処理が可
能な、耐摩耗性に優れた塗膜を形成する、耐摩耗性紫外
線硬化性被覆組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】一般に、プラスチック製品、
例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、A
BS樹脂等は、軽量であり且つ加工性、耐衝撃性などに
優れているので、種々の用途に使用されている。しかし
ながら、これらプラスチック製品は、表面硬度が低いた
め傷がつき易く、耐摩耗性を必要とする分野での使用を
困難なものとしている。このため、これらプラスチック
製品に耐摩耗性を付与し表面硬度を高める、紫外線硬化
性ハードコート材料が求められている。さらに、これら
プラスチック製品の表面にハードコート処理を行う際、
ハードコート材料を紫外線硬化する前にプラスチック製
品を成形加工したり、また、ハードコート剤をプラスチ
ック製品の表面に直接塗布するのではなくて、他の基材
に塗布後、必要であれば印刷、接着層の塗布等の加工の
後、プラスチック製品の表面に転写したりするため、溶
剤を乾燥した時点で塗膜が形成される、耐摩耗性に優れ
た紫外線硬化性樹脂が求められている。
【0003】紫外線硬化性ハードコート剤としては、3
官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用いるハード
コート剤が、特公昭第53-43553号および特公昭第57-209
68号公報に開示されている。さらにこれらハードコート
剤の耐摩耗性を向上するため、微粉末状無機充填剤やコ
ロイダルシリカを添加することが、特開昭第59-41366号
および特開昭第63-92675号公報に開示されている。ま
た、コロイダルシリカと各種シランカップリング剤を添
加することが、公表昭第57-500984号および特開昭第59-
204669号公報に開示されている。これらの紫外線硬化性
ハードコート剤は耐摩耗性に優れるが、無溶剤系はもち
ろん、溶剤を含有するものも、溶剤を乾燥した時点で塗
膜を形成しないため、紫外線照射前に、成形、印刷、転
写等の加工を行うことができなかった。これらハードコ
ート剤に塗膜形成性を付与するには、ハードコート剤に
溶解する、例えば(メタ)アクリル酸エステル共重合体
のような熱可塑性樹脂を添加することが考えられるが、
単にこれらを添加するだけでは、ハードコート剤として
本来要求されている耐摩耗性が大幅に低下してしまうこ
ととなり、塗膜形成性、耐摩耗性とも優れたハードコー
ト剤は未だ得られていなかった。本発明は上記のような
従来の課題を解決し、溶剤を乾燥した時点で塗膜を形成
し、これに紫外線を照射する前に成形、印刷、転写等の
加工や処理をすることが可能な、耐摩耗性に優れた塗膜
を形成する、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明の第1は、(a)アルコキシシリル
基を有するアクリルシリコン樹脂、(b)分子内に3個
以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート、
(c)有機溶剤を分散媒としたシリカゾル、(d)有機
溶剤および(e)光重合開始剤を含有してなる、耐摩耗
性紫外線硬化性被覆組成物を提供するものである。
【0005】また、本発明の第2は、(a')アルコキ
シシリル基およびポリオルガノシロキサン単位を有する
アクリルシリコン樹脂、(b)分子内に3個以上のアク
リロイル基を有する多官能アクリレート、(c)有機溶
剤を分散媒としたシリカゾル、(d)有機溶剤および
(e)光重合開始剤を含有してなる、耐摩耗性紫外線硬
化性被覆組成物を提供するものである。
【0006】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物に塗膜形成性
を付与するために、アルコキシシリル基を有するアクリ
ルシリコン樹脂、またはアルコキシシリル基およびポリ
オルガノシロキサン単位を有するアクリルシリコン樹脂
と、有機溶媒を分散媒としたシリカゾルとを使用するこ
とに一つの特徴を有する。前記アクリルシリコン樹脂
は、アルコキシシリル基を有し、このアルコキシシリル
基、はシリカゾル粒子表面に存在するシラノール基と反
応し架橋構造が形成されるため、単に熱可塑性樹脂を添
加する場合とは異なり、耐摩耗性を低下することなく塗
膜形成性を付与することができる。さらに、ポリオルガ
ノシロキサン単位を含むアクリルシリコン樹脂を用いる
と、平滑性、滑り性に優れた塗膜が得られ、また、転写
工程を含む場合は、塗膜を基材フィルム等から容易に剥
離することができる。
【0007】[(a)成分]アルコキシシリル基を有す
るアクリルシリコン樹脂は、(メタ)アクリロイル基を
有する単量体(I)と、この単量体(I)と反応性のあ
るアルコキシシリル基を有する単量体(II)とからなる
重合体である。(メタ)アクリロイル基を有する単量体
(I)としては、例えば、メタクリル酸およびアクリル
酸[以下、(メタ)アクリル酸と記す]、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シア
ノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。次に、単量体(I)と反応性のあるアル
コキシシリル基を有する単量体(II)としては、例えば
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリ(エトキシメトキシ)シラン
等の単量体(I)と共重合する重合性不飽和二重結合を
有するもの(IIa)と、例えば(メタ)アクリル酸と付
加反応するグリシドキシ基を有するγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、また、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等と付加反応するイソシアネート基を
有するγ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、
γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イ
ソシアナトプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−イ
ソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン等の付加反
応する官能基を有するもの(IIb)等が挙げられる。ア
ルコキシシリル基を有するアクリルシリコン樹脂(a)
は、単量体(I)と、単量体(I)と共重合する不飽和
二重結合を有し且つアルコキシシリル基を有する単量体
(IIa)を共重合することにより得られる。あるいは、
アルコキシシリル基を有するアクリルシリコン樹脂
(a)は、単量体(I)と、単量体(I)と付加反応す
る官能基を有し且つアルコキシシリル基を有する単量体
(IIb)を付加反応した後重合することにより得られ
る。さらにまた、単量体(I)を単独重合または共重合
した後、この重合体にこれと付加反応する官能基を有し
且つアルコキシシリル基を有する単量体(IIb)を付加
反応させることによっても得られる。この場合、通常、
重合体への付加は、単量体(I)から由来する官能基に
付加することになる。単量体(I)と(II)を反応させ
る際の割合としては、単量体(I)が70〜95重量
部、単量体(II)が5〜30重量部である。単量体(I
I)が5重量部未満では、アルコキシシリル基とシリカ
ゾル粒子表面に存在するシラノール基の反応による耐摩
耗性向上効果が不十分であり、一方、30重量%を超え
ても耐摩耗性はそれ以上よくならず経済的に不利とな
る。
【0008】[(a')成分]次に、アルコキシシリル
基およびポリオルガノシロキサン単位を有するアクリル
シリコン樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する単量
体(I)と、単量体(I)と反応性のあるアルコキシシ
リル基を有する単量体(II)単位と、単量体(I)と反
応性のあるポリオルガノシロキサン単位を有する単量体
(III)単位と、からなる重合体である。単量体(I)
と単量体(II)は前述の(a)成分と同じものが用いら
れる。単量体(I)と反応するポリオルガノシロキサン
単位を有する単量体(III)としては、例えば単量体
(I)と共重合することのできるメタクリロイル基含有
ポリオルガノシロキサン、または単量体(I)と共重合
する際、連鎖移動によりスルフィド結合を介して共重合
体中に導入されるメルカプト基含有ポリオルガノシロキ
サン等が挙げられる。これら単量体(III)に含まれる
ポリオルガノシロキサン単位は下記一般式で表される。
【0009】
【化1】 (式中、Rはメチル基またはフェニル基を表し、各Rは
同一でも異なっていてもよい。またnは5以上の整数を
表す)
【0010】アルコキシシリル基およびポリオルガノシ
ロキサン単位を有するアクリルシリコン樹脂(a')
は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(I)と、
単量体(I)と共重合する不飽和二重結合を有し且つア
ルコキシシリル基を有する単量体(IIa)と、単量体
(I)と反応性のあるポリオルガノシロキサン単位を有
する単量体(III)とを共重合することにより得られ
る。あるいは、アルコキシシリル基およびポリオルガノ
シロキサン単位を有するアクリルシリコン樹脂(a')
は、単量体(I)と、単量体(I)と付加反応する官能
基を有し且つアルコキシシリル基を有する単量体(II
b)とを付加反応した後、これと単量体(III)を共重合
することにより得られる。さらにまた、単量体(I)と
単量体(III)とを共重合した後、この共重合体にこれ
と付加反応する官能基を有し且つアルコキシシリル基を
有する単量体(IIb)とを付加反応させることによって
も得られる。この場合、通常、重合体への付加は、単量
体(I)から由来する官能基に付加することになる。単
量体(I)、(II)および(III)を反応させる際の割
合としては、単量体(I)が70〜95重量部、単量体
(II)が5〜30重量部、単量体(III)が0.1〜20
重量部である。単量体(III)が0.1重量部未満では、
平滑性、滑り性に優れた塗膜が得られず、また、20重
量部を超えると、得られる重合体と(b)成分、(c)
成分および(d)成分とを混合した際の相溶性が悪くな
り、得られる塗膜の透明性が低下するため望ましくな
い。
【0011】アルコキシシリル基を有するアクリルシリ
コン樹脂、または、アルコキシシリル基およびポリオル
ガノシロキサン単位を有するアクリルシリコン樹脂は、
前記単量体(I)および(II)、または単量体(I)、
(II)および(III)を、前記の反応割合において
(d)成分である有機溶剤中で通常の方法により共重
合、または、付加反応を行うことにより製造される。共
重合は、使用する重合開始剤、溶剤により異なるが、6
0〜150℃で1〜10時間撹拌し行われる。共重合に
使用する重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始
剤であるベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニ
トリル等のアゾ化合物が好適に用いられる。単量体濃度
は通常10〜60重量%であり、重合開始剤は、通常単
量体混合物に対し、0.1〜10重量%である。また、
付加反応を行う場合は、例えば単量体(I)および単量
体(IIb)がエポキシ基とカルボキシル基を有するもの
である場合、80〜110℃で1〜10時間、ベンジル
ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブ
ロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリフェニルス
チビン等の触媒を使用し行われる。その使用量は、通常
単量体混合物に対し、0.1〜5重量%である。また、
単量体(I)と単量体(IIb)がそれぞれ水酸基とイソ
シアネート基を有する場合、60〜110℃で1〜20
時間撹拌することにより行われる。なお、反応を促進す
るためにジラウリン酸ジ−n−ブチル錫、トリエチレン
ジアミン等の触媒を使用することができる。その使用量
は、通常単量体混合物に対し、0.01〜0.1重量%で
ある。付加反応後の重合方法は、前記共重合の方法と同
様に、また、ホモ重合(共重合含む)後の付加反応の方
法も、前記付加反応の方法と同様に行われる。
【0012】[(b)成分]次に、分子内に3個以上の
アクリロイル基を有する多官能アクリレートとしては、
トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオ
キサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールプロパンテトラアク
リレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレ
ート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジ
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変
性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロ
ラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。これ
らの中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およ
びこれらの混合物が、耐摩耗性の点から特に望ましい。
(a)成分と(b)成分の使用量は、(a)/(b)=
0.3〜2(重量比)が、得られる紫外線硬化塗膜の耐
摩耗性の点から好ましい。重量比が0.3未満では、塗
膜形成性が不十分となる。一方、2を超えると多官能ア
クリレートのアクリロイル基による架橋密度が低下する
ため耐摩耗性が不十分となる。(a')成分と(b)成
分の使用量も、上記と同様の範囲であることが好まし
い。
【0013】[(c)成分]次に、有機溶剤を分散媒と
したシリカゾルとしては、粒子径5〜30nm、固形分1
0〜40%で、メチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
エチレングリコール、エチルセロソルブ、ジメチルアセ
トアミド、キシレンおよびこれらの混合溶剤を分散媒と
したものが挙げられる。これらの中でも、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、エチルセロソルブ、キシレンおよびこれらの混合
溶剤を用いたシリカゾルが、(a)成分である樹脂およ
び(b)成分である分子内に3個以上のアクリロイル基
を有する多官能アクリレートとの相溶性がよく、得られ
る塗膜の透明性の点から特に望ましい。有機溶剤を分散
媒としたシリカゾル(c)の使用量としては、シリカゾ
ルの固形分/[(a)成分+(b)成分](重量比)が
0.2〜2が好ましい。重量比が0.2未満ではシリカゾ
ルによる耐摩耗性の向上はほとんど認められない。一
方、重量比が2を超えると、アクリロイル基による架橋
密度が低下するため、耐摩耗性は低下する。
【0014】[(d)成分]次に、有機溶剤としては、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−
エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類等が挙げられ、またこれらを混合使用
することもできる。これら有機溶剤は、(a)成分を製
造する際の反応溶媒として用いられたものでもよく、あ
るいはまた、本発明の紫外線硬化性被覆組成物の粘度調
整の目的で追加的に用いられるものでもよい。
【0015】[(e)成分]次に、光重合開始剤として
は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブ
チルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジ
メチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ンジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4
−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−
プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミ
ヒラーズケトン、N,N'−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤
は、2種以上を適宜に併用することもできる。光重合開
始剤は、(a)成分、(b)成分および(c)成分の固
形分の合計量100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは、1〜5重量部である。
【0016】本発明の組成物には、塗膜物性を改良する
目的で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート
系紫外線吸収剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダード
アミン系紫外線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノ
ール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防
止剤、スリップ剤、レベリング剤等のこの種の組成物に
配合される種々の添加剤を配合することができる。
【0017】本発明の組成物は、例えば、ポリカーボネ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフ
タレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等のプラスチッ
ク基材に、ディッピング法、フローコート法、スプレー
法、バーコート法、およびグラビアコート、ロールコー
ト、ブレードコート、エアーナイフコート等の塗工機械
による塗工方法で、溶剤乾燥、紫外線照射した後に、プ
ラスチック基材表面に1〜50μm、好ましくは3〜2
0μmのハードコート層が得られる条件下で塗工され
る。溶剤を乾燥した後、必要に応じ、成形、印刷、転写
等の加工を行うことができる。成形は、例えば本発明の
組成物を塗布した基材を適当な温度に加熱後、真空成
形、真空圧空成形、圧空成形、マット成形等の方法を用
いて行う基材と共にする成形や、また、干渉縞等の凸凹
形状をCDやレコードの複製のように本発明の組成物上
にエンボス成形するような、本発明の組成物の塗膜のみ
の成形等が挙げられる。印刷は、乾燥した本発明の組成
物上に通常の印刷機を用いて行われる。転写は、例えば
ポリレチレンテレフタレートフィルムのような基材に本
発明の組成物を塗布、乾燥した後、必要であれば前述の
印刷やエンボス成形等を行い、接着層を塗布後、他の基
材に転写することができる。
【0018】次に、上記のように塗膜形成された本発明
の組成物は、必要に応じて印刷・加工等の処理をされた
後、紫外線照射により硬化される。紫外線硬化は、常法
で行うことができ、例えばキセノンランプ、低圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等のランプ
を用い、紫外線を1〜60秒間照射することにより行わ
れる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例によって限定される
ものではない。なお、例中の部および%は重量部および
重量%をそれぞれ意味する。
【0020】実施例 1 単量体(I)として、メチルメタクリレート90部、単
量体(II)として、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン10部、および有機溶剤(d)成分
として、メチルエチルケトン150部の混合物を加熱
し、80℃に昇温し、この昇温時および同昇温時より2
時間後にそれぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3
部ずつ添加し、80℃で6時間反応して側鎖にアルコキ
シシリル基を有する共重合体の40%メチルエチルケト
ン溶液を得た。得られた共重合体の40%メチルエチル
ケトン溶液75部、(b)成分として、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレートを67モル%含有するジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬社
製、カヤラッドDPHA)30部、キシレンとn−ブチ
ルアルコールを分散媒とするシリカゾル(日産化学社
製、XBA−ST、固形分30%、キシレン45%、n
−ブチルアルコール25%)100部、および(e)成
分として、ベンジルジメチルケタール1.5部を混合
し、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物(A)を得た。こ
の組成物(A)を、透明な2mm厚のポリカーボネート板
に、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmと
なるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥した。
乾燥後のポリカーボネート板表面はタックがなく、この
組成物(A)に塗膜形成性があることが認められた。こ
のものを、試料通過方向に垂直に設置した出力7.5k
w、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を用い、光源下1
0cmの位置でコンベアスピード2m/分の条件で紫外線
を照射して紫外線硬化した。ポリカーボネート板上に形
成されたハードコート層のポリカーボネート板との密着
性は、ハードコート層にカッターナイフで1mm間隔の1
00個の碁盤目を作りニチバン製セロテープを圧着し強
く剥がして評価したところ、100/100で良好な密
着性が得られた(碁盤目テープ法、JIS K540
0)。また、得られたハードコート処理ポリカーボネー
ト板の透明性をくもり価(%)で評価したところ0.6
%であり透明性は良好であった。なお、ハードコート処
理前の2mm厚のポリカーボネート板のくもり価は0.5
%であった(くもり価=Td/Tt×100、Td:散
乱光線透過率、Tt:全光線透過率、JISK710
5)。次に、耐摩耗性は、カリブラーゼ(Calibrase)
社製CS−10Fの摩耗輪を用い、荷重500gで10
0回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後の
くもり価とテーバー摩耗試験前のくもり価との差ΔHを
測定したところ7.8%であり、耐摩耗性は良好であっ
た。なお、ハードコート処理を行っていない2mm厚のポ
リカーボネート板で同様のテーバー摩耗試験を行ったと
ころ、得られたΔHは46.7%であった(テーバー摩
耗試験法ASTM D1044)。
【0021】実施例 2 実施例1で、透明な2mm厚のポリカーボネート板の代わ
りに、透明な100μm厚のポリエチレンテレフタレー
トフィルムを用いる以外は実施例1と同様にしてハード
コート処理ポリエチレンテレフタレートフィルムを得
た。ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成され
たハードコート層のポリエチレンテレフタレートフィル
ムとの密着性を評価したところ、100/100で良好
な密着性が得られた。また、得られたハードコート処理
ポリエチレンテレフタレートフィルムの透明性をくもり
価(%)で評価したところ3.6%であり、透明性は良
好であった。なお、ハードコート処理前の100μm厚
のポリエチレンテレフタレートフィルムのくもり価は
3.7%であった。次に耐摩耗性を評価したところ、Δ
Hは7.1%であり、耐摩耗性は良好であった。なお、
ハードコート処理を行っていない100μm厚のポリエ
チレンテレフタレートのΔHは23.1%であった。
【0022】実施例 3 メチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート10部、およびメチルエチルケトン150
部の混合物を加熱し、80℃に昇温し、この昇温時およ
び同昇温時より2時間後にそれぞれアゾビスイソブチロ
ニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で6時間反応し
た後、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン1
0部、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.05部を加
え、80℃で2時間反応した。この反応物を赤外線吸収
スペクトルにより分析したところ、−NCO基の225
0cm-1の吸収は認められず、反応が終了したことを確認
した。側鎖にアルコキシシリル基を有する重合体の40
%メチルエチルケトン溶液を得た。得られた共重合体の
40%メチルエチルケトン溶液50部、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレートを67モル%含有するジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリ
スリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬社
製、カヤラッドDPHA)40部、イソプロピルアルコ
ールを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製、IPA
−ST、固形分30%、イソプロピルアルコール70
%)100部、およびベンジルジメチルケタール1.5
部を混合し、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物(B)を
得た。この組成物(B)を用いる以外は実施例1と同様
にしてハードコート処理ポリカーボネート板を得た。な
お、乾燥後のポリカーボネート板表面はタックがなく、
この組成物(B)に塗膜形成性があることが認められ
た。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価
したところ、密着性:100/100、くもり価:0.
6%、ΔH:7.2%であり、良好な結果が得られた。
【0023】実施例 4 単量体(I)として、メチルメタクリレート89部、単
量体(II)として、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン10部、単量体(III)として、片末
端メタクリロキシ変性ポリオルガノシロキサン(チッソ
社製、FM0721)1部、およびメチルエチルケトン
150部の混合物を加熱し、80℃に昇温し、この昇温
時および同昇温時より2時間後にそれぞれアゾビスイソ
ブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で6時間
反応して、アルコキシシリル基、およびポリオルガノシ
ロキサン単位を有する共重合体の40%メチルエチルケ
トン溶液を得た。得られた共重合体の40%メチルエチ
ルケトン溶液75部、ジペンタエリスリトールペンタア
クリレートを67モル%含有するジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタ
アクリレートの混合物(日本化薬社製、カヤラッドDP
HA)30部、イソプロピルアルコールを分散媒とする
シリカゾル(日産化学社製、IPA−ST、固形分30
%、イソプロピルアルコール70%)150部、および
ベンジルジメチルケタール1.5部を混合し、耐摩耗性
紫外線硬化性被覆組成物(C)を得た。この組成物
(C)を用いる以外は実施例1と同様にしてハードコー
ト処理ポリカーボネート板を得た。なお、乾燥後のポリ
カーボネート板表面はタックがなく、この組成物(C)
に塗膜形成性があることが認められた。実施例1と同様
に密着性、透明性、耐摩耗性を評価したところ、密着
性:100/100、くもり価:0.4%、ΔH:6.5
%であり、良好な結果が得られた。
【0024】実施例 5 メチルメタクリレート87部、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン10部、両末端メルカプ
トポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製、X−2
2−167B)3部、およびメチルエチルケトン150
部の混合物を加熱し、80℃に昇温し、この昇温時およ
び同昇温時より2時間後にそれぞれアゾビスイソブチロ
ニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で6時間反応し
てアルコキシシリル基、およびポリオルガノシロキサン
単位を有する共重合体の40%メチルエチルケトン溶液
を得た。得られた共重合体の40%メチルエチルケトン
溶液50部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
トを67モル%含有するジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ートの混合物(日本化薬社製、カヤラッドDPHA)4
0部、キシレンとn−ブチルアルコールを分散媒とする
シリカゾル(日産化学社製、XBA−ST、固形分30
%、キシレン45%、n−ブチルアルコール25%)2
00部、およびベンジルジメチルケタール1.5部を混
合し、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物(D)を得た。
この組成物(D)を用いる以外は実施例1と同様にして
ハードコート処理ポリカーボネート板を得た。なお、乾
燥後のポリカーボネート板表面はタックがなく、この組
成物(D)に塗膜形成性があることが認められた。実施
例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価したとこ
ろ、密着性:100/100、くもり価:0.4%、Δ
H:6.0%であり、良好な結果が得られた。
【0025】応用例 1 実施例1で得られた耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
(A)を、透明な2mm厚のポリカーボネート板上に、バ
ーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるよ
うに塗布し、100℃で10分間加熱乾燥した後、ヒー
ター温度400℃で70秒加熱後、絞り比(H/D)
0.2で真空成形し、次いで実施例1と同様の条件で紫
外線を照射した。これによりハードコート処理ポリカー
ボネート成形品が得られた。組成物(A)は、優れた耐
摩耗性表面を与えるだけでなく、成形加工性にも優れる
ことが認められた。
【0026】応用例 2 実施例3で得られた耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
(B)を、オフセット印刷を施したコート紙に、バーコ
ーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるように
塗布し、100℃で10分間加熱乾燥した後、エンボス
加工し、次いで実施例1と同様の条件で紫外線照射し
て、透明なレリーフ層をコート紙表面に形成させた。こ
れにより立体感を有する印刷物が得られた。組成物
(B)は、優れた耐摩耗性表面を与えるだけでなく、エ
ンボス加工性にも優れることが認められた。
【0027】応用例 3 実施例4で得られた耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
(C)を、100μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が1
0μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾
燥した後、その上にグラビア印刷法で絵柄印刷し、さら
にヒートシール用のアクリル系接着剤(ホットスタンプ
剤)を塗工した。合板の上に前記アクリル系接着剤面を
下にしてフィルム面側から熱ロールにて熱転写を行っ
た。次いで、フィルムを剥がし、実施例1と同様の条件
で紫外線を照射して表層の組成物(C)を硬化させた。
このものは壁材として用いることができる。組成物
(C)は、平滑な耐摩耗性表面を与えるだけでなく、絵
柄印刷、フィルムの剥離の加工性にも優れることが認め
られた。
【0028】応用例 4 実施例5で得られた耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
(D)を、100μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が1
0μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾
燥した後、その上にレーザー光を用いて作ったマスター
ホログラムから引き続き作製したプレススタンバーによ
り150℃で加熱プレスして、微細な凸凹層を形成させ
た。次いで、実施例1と同様の条件で紫外線を照射し
て、凸凹層が形成された組成物(D)を硬化させた。さ
らに、真空蒸着法によりAl層をこの上に蒸着し、ヒー
トシール用のアクリル系接着剤(ホットスタンプ剤)を
塗工した後、クレジットカードの上に前記アクリル系接
着剤面を下にしてフィルム面側から熱ロールにて熱転写
を行い、次いで、フィルムを剥がし、クレジットカード
の上にホログラムを作成した。組成物(D)は、平滑な
耐摩耗性表面を与えるだけでなく、スタンバー加工性、
フィルムの剥離性にも優れることが認められた。
【0029】比較例 1 メチルメタクリレート100部、およびメチルエチルケ
トン150部の混合物を加熱し、80℃に昇温し、この
昇温時および同昇温時より2時間後にそれぞれアゾビス
イソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で6
時間反応してメチルメタクリレート重合体の40%メチ
ルエチルケトン溶液を得た。得られた重合体の40%メ
チルエチルケトン溶液75部、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレートを67モル%含有するジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレートの混合物(日本化薬社製、カヤラ
ッドDPHA)30部、キシレンとn−ブチルアルコー
ルを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製、XBA−
ST、固形分30%、キシレン45%、n−ブチルアル
コール25%)100部、およびベンジルジメチルケタ
ール1.5部を混合し、紫外線硬化性被覆組成物(E)
を得た。この組成物(E)を用いる以外は実施例1と同
様にしてハードコート処理ポリカーボネート板を得た。
なお、乾燥後のポリカーボネート板表面はタックがな
く、この組成物(E)に塗膜形成性があることが認めら
れた。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評
価したところ、密着性:100/100、くもり価:
0.6%、ΔH:15.8%であり、耐摩耗性は十分では
なかった。
【0030】比較例 2 メチルメタクリレート97部、両末端メルカプトポリオ
ルガノシロキサン(信越化学工業社製、X−22−16
7B)3部およびメチルエチルケトン150部の混合物
を加熱し、80℃に昇温し、この昇温時および同昇温時
より2時間後にそれぞれアゾビスイソブチロニトリルを
0.3部ずつ添加し、80℃で6時間反応してポリオル
ガノシロキサン単位を有する重合体の40%メチルエチ
ルケトン溶液を得た。得られた共重合体の40%メチル
エチルケトン溶液50部、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレートを67モル%含有するジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレートの混合物(日本化薬社製、カヤラッド
DPHA)40部、キシレンとn−ブチルアルコールを
分散媒とするシリカゾル(日産化学社製、XBA−S
T、固形分30%、キシレン45%、n−ブチルアルコ
ール25%)200部、およびベンジルジメチルケター
ル1.5部を混合し、紫外線硬化性被覆組成物(F)を
得た。この組成物(F)を用いる以外は実施例1と同様
にしてハードコート処理ポリカーボネート板を得た。な
お、乾燥後のポリカーボネート板表面はタックがなく、
この組成物(F)に塗膜形成性があることが認められ
た。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価
したところ、密着性:100/100、くもり価:0.
4%、ΔH:14.5%であり、耐摩耗性は十分ではな
かった。
【0031】比較例 3 実施例5で得られた、アルコキシシリル基およびポリオ
ルガノシロキサン単位を有する共重合体の40%メチル
エチルケトン溶液75部、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレートを67モル%含有するジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレートの混合物(日本化薬社製、カヤラッド
DPHA)30部およびベンジルジメチルケタール1.
5部を混合し、紫外線硬化性被覆組成物(G)を得た。
この組成物(G)を用いる以外は実施例1と同様にして
ハードコート処理ポリカーボネート板を得た。なお、乾
燥後のポリカーボネート板表面はタックがなく、この組
成物(G)に塗膜形成性があることが認められた。実施
例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価したとこ
ろ、密着性:100/100、くもり価:0.4%、Δ
H:33.6%であり、耐摩耗性は十分ではなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明によって、溶剤で乾燥した時点で
塗膜が形成され、紫外線照射前に成形、印刷、転写等の
加工が可能である、耐摩耗性に優れた塗膜を形成する紫
外線硬化性樹脂組成物が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルコキシシリル基を有するアク
    リルシリコン樹脂、(b)分子内に3個以上のアクリロ
    イル基を有する多官能アクリレート、(c)有機溶剤を
    分散媒としたシリカゾル、(d)有機溶剤および(e)
    光重合開始剤を含有してなる、耐摩耗性紫外線硬化性被
    覆組成物。
  2. 【請求項2】 (a')アルコキシシリル基およびポリ
    オルガノシロキサン単位を有するアクリルシリコン樹
    脂、(b)分子内に3個以上のアクリロイル基を有する
    多官能アクリレート、(c)有機溶剤を分散媒としたシ
    リカゾル、(d)有機溶剤および(e)光重合開始剤を
    含有してなる、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)のアルコキシシリル基を有す
    るアクリルシリコン樹脂が、(メタ)アクリロイル基を
    有する単量体(I)70〜95重量部と、該単量体
    (I)と反応性のあるアルコキシシリル基を有する単量
    体(II)5〜30重量部との反応により得られる重合体
    である、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 成分(a')のアルコキシシリル基およ
    びポリオルガノシロキサン単位を有するアクリルシリコ
    ン樹脂が、(メタ)アクリロイル基を有する単量体
    (I)70〜95重量部と、該単量体(I)と反応性の
    あるアルコキシシリル基を有する単量体(II)5〜30
    重量部と、該単量体(I)と反応性のあるポリオルガノ
    シロキサン単位を有する単量体(III)0.1〜20重量
    部との反応により得られる重合体である、請求項2に記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 成分(b)の分子内に3個以上のアクリ
    ロイル基を有する多官能アクリレートが、ジペンタエリ
    スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトー
    ルペンタアクリレートおよびこれらの混合物からなる群
    から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002179989A (ja) * 2000-12-11 2002-06-26 Daicel Chem Ind Ltd コーティング用樹脂組成物および記録シート
WO2012101820A1 (ja) 2011-01-28 2012-08-02 大日本印刷株式会社 加飾シート及びそれを用いてなる加飾樹脂成形品
WO2015008869A1 (ja) * 2013-07-18 2015-01-22 住友ベークライト株式会社 複合体および工作機械用部品

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US9108392B2 (en) 2011-01-28 2015-08-18 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Decorative sheet, and decorative resin-molded article employing same
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