JP3164407B2 - 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物 - Google Patents

耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物

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JP3164407B2
JP3164407B2 JP08392992A JP8392992A JP3164407B2 JP 3164407 B2 JP3164407 B2 JP 3164407B2 JP 08392992 A JP08392992 A JP 08392992A JP 8392992 A JP8392992 A JP 8392992A JP 3164407 B2 JP3164407 B2 JP 3164407B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック基材に塗
布し紫外線硬化することにより、耐摩耗性に優れた塗膜
を形成する、紫外線硬化性被覆組成物に関するものであ
る。さらに詳しくは、透明プラスチック基材への密着
性、透明性および耐摩耗性に優れた塗膜を形成する、紫
外線硬化性被覆組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】一般に、プラスチック製品、
例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂などは、
その軽量性、易加工性、耐衝撃性などに優れているの
で、種々の用途に使用されている。しかしながら、これ
らプラスチック製品は表面硬度が低いために傷がつき易
く、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観を著しく
損なうという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野で
のプラスチック製品の使用を困難なものとしている。こ
のようなプラスチック基材に耐摩耗性を付与し、表面硬
度を高める被覆材料として、アクリル系ハードコート
剤、シリコン系ハードコート剤等種々のハードコート剤
が提案されている。これらハードコート剤のなかで、ア
クリル系ハードコート剤は紫外線硬化ができるので、硬
化時間が短く、生産性が優れるという特徴を有するが、
シリコン系ハードコート剤と比較し耐摩耗性に劣るとい
う欠点があった。
【0003】このアクリル系ハードコート剤の耐摩耗性
を向上するため、公表昭57-500984号明細書には、アク
リレートに水を分散媒としたシリカゾルとアクリロキシ
官能性、またはグリシドキシ官能性シラン化合物の加水
分解物を加えた紫外線硬化性被覆組成物が開示されてい
る。しかしながら、上記の発明で用いられているシリカ
ゾルは水分散系のものであるため、アクリレートとして
耐摩耗性に優れる多官能アクリレートではなく、水との
混和性の良いヒドロキシ基含有アクリレートを用いざる
を得ない制約があり、未だ十分な耐摩耗性が得られてい
ない。この欠点を回避するため、特開昭59-204669号明
細書には、多官能アクリレートに有機溶媒を分散媒とし
た疎水性シリカゾル、および不飽和基を有するシラン化
合物の加水分解物を加えた耐摩耗性塗膜組成物が開示さ
れている。この塗膜用組成物では、シリカゾルとして有
機溶媒を分散媒とした疎水性シリカゾルが用いられるた
め、使用しうる多官能アクリレートの選択範囲が拡大さ
れ、より硬度の向上が図られている。しかしながら、こ
の組成物に用いられる不飽和基を有するシラン化合物
は、例えば、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリ
メトキシシランのような単官能(メタ)アクリロイル化
合物のため、多官能アクリレートと配合すると組成物全
体からみるとアクリロイル基密度が低下し、その結果紫
外線硬化時の架橋密度の低下が避けられず、未だシリコ
ン系ハードコート剤に匹敵する耐摩耗性を得ることがで
きなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明は、(a) 一般式
【0005】
【化2】
【0006】(式中R1およびR2は同一または異なる一
価炭化水素基、R3は炭素数2〜8の二価炭化水素基、
aは2〜3の整数、bは0〜1の整数、cは4−a−b
に等しい整数)で表されるイソシアネート基含有シラン
カップリング剤と、分子内に水酸基と3個以上のアクリ
ロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートとを反
応して得られる化合物、(b) 分子内に3個以上のアク
リロイル基を有する多官能アクリレート、(c) 有機溶
媒を分散媒としたシリカゾル、および(d) 光重合開始
剤よりなることを特徴とする、耐摩耗性紫外線硬化性被
覆組成物を提供するものであり、プラスチック基材への
密着性、透明性および耐摩耗性に優れた塗膜を形成する
ことができる。
【0007】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
( (a)成分 )本発明は、次に示される一般式を有する
イソシアネート基含有シランカップリング剤と、分子内
に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含
有多官能アクリレートとを反応して得られる化合物を使
用することに主たる特徴を有する:
【0008】
【化3】
【0009】(式中R1およびR2は同じまたは異なる一
価炭化水素基であり、好ましくはR1およびR2はメチ
ル、エチル、プロピル等の低級アルキル基である。R3
は炭素数2〜8の二価炭化水素基である。aは2〜3の
整数、bは0〜1の整数、cは4−a−bに等しい整数
である。)この化合物は、3個以上のアクリロイル基と
トリアルコキシシリル基またはジアルコキシシリル基を
同一分子中に有するため、本化合物を(b)成分である多
官能アクリレートと混合してもアクリロイル基密度の低
下がほとんどなく、また、トリアルコキシシリル基また
はジアルコキシシリル基は、(c)成分であるシリカゾル
と混合することにより、シリカゾル粒子表面に存在する
シラノール基と反応する。この両者の効果により高耐摩
耗性が実現出来る。
【0010】イソシアネート基含有シランカップリング
剤の具体例としては、3−イソシアナトプロピルトリメ
トキシシラン、2−イソシアナトエチルトリメトキシシ
ラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアナトエチルトリエトキシシラン、3−イソ
シアナトプロピルメチルジメトキシシラン、2−イソシ
アナトエチルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナ
トプロピルメチルジエトキシシラン、2−イソシアナト
エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。次に、
分子内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水
酸基含有多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0011】イソシアネート基含有シランカップリング
剤と水酸基含有多官能アクリレートの反応は、各化合物
を−NCO/−OH基≦1の割合で混合し、60〜11
0℃で1〜20時間撹拌することにより得られる。本反
応においては、反応中のアクリロイル基による重合を防
止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカ
テコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用するの
が好ましく、その使用量は、反応混合物に対して0.0
1〜1重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%で
ある。また、反応を促進させるために、例えば、ジラウ
リン酸ジ−n−ブチル錫や1,4−ジアザビシクロ[2・
2・2]オクタンのような公知の反応触媒を添加しても
よい。さらに、本反応は、例えば、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、トルエ
ン、キシレン等の有機溶剤の存在下、または(b)成分で
ある分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能
アクリレートの存在下で行うことができる。
【0012】( (b)成分 )本発明の組成物の一成分で
ある、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官
能アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレー
ト、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、
カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソ
シアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエ
リスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクト
ン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、お
よびこれら2種以上の混合物が挙げられる。これらの中
でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびこの
混合物が耐摩耗性の点から特に望ましい。 (a)成分と
(b)成分の使用量は、(a)/(b)=0.1〜10(重量比)
が得られる紫外線硬化塗膜の耐摩耗性の点から好まし
い。
【0013】( (c)成分 )次に、本発明の組成物の他
の成分である、有機溶媒を分散媒としたシリカゾルとし
ては、粒子径5〜30nm程度のシリカゾルを、固形分1
0〜40重量%濃度で、メチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ジメ
チルアセトアミド、キシレンとn−ブチルアルコールの
混合溶剤等を分散媒として、分散したものが挙げられ
る。これらの中でも、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、エチルセロソ
ルブ、キシレンとn−ブチルアルコールの混合溶剤を用
いたシリカゾルが、使用される前記(a)成分および
(b)成分との相溶性がよく、得られる塗膜の透明性の
点から特に望ましい。
【0014】有機溶媒を分散媒としたシリカゾルの使用
量としては、シリカゾルの固形分/{(a)成分+(b)成
分}(重量比)が0.1〜5が好ましい。重量比が0.1
未満ではシリカゾルによる耐摩耗性の向上はほとんど認
められない。一方、重量比が5を越えるとアクリロイル
基による架橋密度が低下するため、耐摩耗性は低下す
る。
【0015】( (d)成分 )次に、光重合開始剤として
は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブ
チルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジ
メチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ンジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−
プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミ
ヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソ
アミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチル
チオキサントン等が挙げられる。これらの光重合開始剤
はまた、2種以上を適宜に併用することもできる。光重
合開始剤は、(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に
対して0.1〜10重量部、好ましくは、1〜5重量部
である。
【0016】本発明の耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
には、塗膜物性を改良する目的で紫外線吸収剤(例え
ば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチ
ル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線
安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、
酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸
化防止剤)、ブロッキング防止剤、スリップ剤、レベリ
ング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を
配合することができる。また、粘度調整の目的で有機溶
剤(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等)を添加
することもできる。
【0017】本被覆組成物は、例えば、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタ
レート、ABS樹脂等のプラスチック基材に、ディッピ
ング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、
およびグラビアコート、ロールコート、ブレードコー
ト、エアーナイフコート等の塗工機械による塗工方法
で、溶剤乾燥、紫外線照射後、プラスチック基材表面に
1〜50μ、好ましくは3〜20μのハードコート層が
得られる条件下で塗工される。本被覆組成物の硬化は、
キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タング
ステンランプ等のランプを用い、紫外線を1〜60秒照
射することにより行われる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例によって限定される
ものではない。なお、例中の部および%は、重量部およ
び重量%をそれぞれ意味する。実施例 1 3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランと、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレートを67mol%含
有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日
本化薬社製:カヤラッドDPHA、、水酸基価69mgK
OH/g)とを、−NCO基/−OH基=1となるよう
に各々205gと813gをフラスコにとり、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル1g、ジラウリン酸ジ−n−ブ
チル錫0.2gを加え、110℃で3時間反応した。この
反応物を赤外線吸収スペクトルにより分析したところ−
NCO基の2250cm−1の吸収は認められず、反応が
終了したことを確認した。この得られた組成物(I)
は、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランとジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートとの反応物
と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを各々
71.6%、28.4%含有する。組成物(I)30部、
キシレンとn−ブチルアルコールを分散媒とするシリカ
ゾル(日産化学社製:XBA−ST、固形分30%、キ
シレン45%、n−ブチルアルコール25%)100
部、およびベンジルジメチルケタール1.5部を混合し
紫外線硬化性被覆組成物を得た。この紫外線硬化性被覆
組成物を、透明な2mm厚のポリカーボネート板に、バー
コーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるよう
に塗布し、100℃で10分間加熱乾燥した。このもの
を、試料通過方向に垂直に設置した出力7.5kw、出力
密度120w/cmの高圧水銀灯を用い、光源下10cmの
位置でコンベアスピード2m/分の条件で紫外線を照射
して紫外線硬化した。ポリカーボネート板上に形成され
たハードコート層のポリカーボネート板との密着性は、
ハードコート層にカッターナイフで1mm間隔の100個
の碁盤目を作り、ニチバン製粘着テープを圧着し、強く
剥がして評価したところ、100/100で良好な密着
性が得られた。(碁盤目テープ法 JIS K5400に準拠)ま
た、得られたハードコート処理ポリカーボネート板の透
明性をくもり価(%)で評価したところ0.5%であり
透明性は良好であった。なお、ハードコート処理前の2
mm厚のポリカーボネート板のくもり価は0.5%であっ
た。(くもり価=Td/Tt×100 ここに、Td:散
乱光線透過率、Tt:全光線透過率JIS K7105に準拠)次
に耐摩耗性は、Calibrase社製CS−10Fの摩耗輪を
用い、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行
い、テーバー摩耗試験の後と前のくもり価の差△Hを測
定したところ、僅かに0.6%であり耐摩耗性は良好で
あった。なお、ハードコート処理を行っていない2mm厚
のポリカーボネート板で同様のテーバー摩耗試験を行
い、得られた△Hは46.7%であった。(テーバー摩
耗試験法 ASTM D1044に準拠)
【0019】実施例 2 実施例1で得られた組成物(I)30部、キシレンとn
−ブチルアルコールを分散媒とするシリカゾル(日産化
学社製:XBA−ST)50部、およびベンジルジメチ
ルケタール1.1部を混合し紫外線硬化性被覆組成物を
得た。この紫外線硬化性被覆組成物を用いる以外は実施
例1と同様にしてハードコート処理ポリカーボネート板
を得た。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を
評価したところ、密着性:100/100、くもり価:
0.6%、△H:0.8%であり良好な結果が得られた。
【0020】実施例 3 実施例1で得られた組成物(I)30部、キシレンとn
−ブチルアルコールを分散媒とするシリカゾル(日産化
学社製:XBA−ST)200部、およびベンジルジメ
チルケタール2.2部を混合し、紫外線硬化性被覆組成
物を得た。この紫外線硬化性被覆組成物を用いる以外は
実施例1と同様にして、ハードコート処理ポリカーボネ
ート板を得た。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩
耗性を評価したところ、密着性:100/100、くも
り価:0.5%、△H:0.5%であり良好な結果が得ら
れた。
【0021】実施例 4 実施例1で、透明な2mm厚のポリカーボネート板の代わ
りに、透明な100μm厚のポリエチレンテレフタレー
トフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、ハー
ドコート処理ポリエチレンテレフタレートフィルムを得
た。ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成され
たハードコート層のポリエチレンテレフタレートフィル
ムとの密着性を評価したところ、100/100で良好
な密着性が得られた。また、得られたハードコート処理
ポリエチレンテレフタレートフィルムの透明性をくもり
価(%)で評価したところ3.7%であり透明性は良好
であった。なお、ハードコート処理前の100μm厚の
ポリエチレンテレフタレートフィルムのくもり価は3.
7%であった。次に耐摩耗性を評価したところ、△Hは
0.5%であり耐摩耗性は良好であった。なお、ハード
コート処理を行っていない100μm厚のポリエチレン
テレフタレートの△Hは、23.1%であった。
【0022】実施例 5 3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランと、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレートを67mol%含
有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日
本化薬社製:カヤラッドDPHA)とを、−NCO基/
−OH基=0.8 となるように各々198gと813gを
フラスコにとり、ハイドロキノンモノメチルエーテル1
g、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.2gを加え、11
0℃で3時間反応した。この反応物を赤外線吸収スペク
トルにより分析したところ−NCO基の2250cm-1
吸収は認められず、反応が終了したことを確認した。こ
の得られた組成物(II)は、3−イソシアナトプロピル
トリエトキシシランとジペンタエリスリトールペンタア
クリレートとの反応物、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、およびジペンタエリスリトールペンタア
クリレートを各々61.0%、28.6%、10.4%含
有する。組成物(II)30部、キシレンとn−ブチルア
ルコールを分散媒とするシリカゾル(日産化学社製:X
BA−ST)100部、およびベンジルジメチルケター
ル1.5部を混合し紫外線硬化性被覆組成物を得た。こ
の紫外線硬化性被覆組成物を用いる以外は実施例1と同
様にしてハードコート処理ポリカーボネート板を得た。
実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価した
ところ、密着性:100/100、くもり価:0.5
%、△H:0.9%であり、良好な結果が得られた。
【0023】実施例 6 3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシランと、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを67mol
%含有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
とジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物
(日本化薬社製:カヤラッドDPHA)とを、−NCO
基/−OH基=0.7 となるように各々133gと81
3gをフラスコにとり、ハイドロキノンモノメチルエー
テル0.9g、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.2gを
加え、110同様にで3時間反応した。この反応物を赤
外線吸収スペクトルにより分析したところ、−NCO基
の2250cm-1の吸収は認められず、反応が終了したこ
とを確認した。この得られた組成物(III)は、3−イ
ソシアナトプロピルメチルジメトキシシランとジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートとの反応物、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、およびジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートを各々52.9%、
30.5%、16.6%含有する。組成物(III)20
部、n−ブチルアルコールを分散媒とするシリカゾル
(日産化学社製:NBA−ST、固形分20%、n−ブ
チルアルコール80%)100部、およびベンジルジメ
チルケタール1部を混合し紫外線硬化性被覆組成物を得
た。この紫外線硬化性被覆組成物を用いる以外は実施例
1と同様にしてハードコート処理ポリカーボネート板を
得た。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評
価したところ、密着性:100/100、くもり価:
0.8%、△H:1.0%であり良好な結果が得られた。
【0024】比較例 1 実施例1で得られた組成物(I)30部を水を分散媒と
するシリカゾル(日産化学社製:ST−30、固形分3
0%)100部と撹拌混合したが液は白濁し静置すると
分離し、透明な被膜を形成する紫外線硬化性被覆組成物
は得られなかった。
【0025】比較例 2 3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン20.5
gと、キシレンとn−ブチルアルコールを分散媒とする
シリカゾル(日産化学社製:XBA−ST)340gを
フラスコにとり、ハイドロキノンモノメチルエーテル
0.4g、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.07gを加
え、80℃で3時間反応した。この反応物を赤外線吸収
スペクトルにより分析したところ−NCO基の2250
cm-1の吸収は認められず、3−イソシアナトプロピルト
リメトキシシランとシリカゾルの分散媒であるn−ブチ
ルアルコールが反応したことを確認した。この反応物1
06部にジペンタエリスリトールペンタアクリレートを
67mol%含有するジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレート
の混合物(日本化薬社製:カヤラッドDPHA)24
部、およびベンジルジメチルケタール1.5部を混合し
紫外線硬化性被覆組成物を得た。この紫外線硬化性被覆
組成物を用いる以外は実施例1と同様にしてハードコー
ト処理ポリカーボネート板を得た。実施例1と同様に密
着性、透明性、耐摩耗性を評価したところ、密着性:1
00/100、くもり価:1.2%、△H:5.7%であ
り、耐摩耗性は十分でなかった。
【0026】比較例 3 3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランと2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートとを、−NCO基/−OH
基=1となるように、各々205gと116gをフラスコ
にとり、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.3g、ジ
ラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.06gを加え、100℃
で3時間反応した。この反応物を赤外線吸収スペクトル
により分析したところ−NCO基の2250cm-1の吸収
は認められず、反応が終了したことを確認した。この得
られた化合物20部、ジペンタエリスリトールペンタア
クリレートを67mol%含有するジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタ
アクリレートの混合物(日本化薬社製:カヤラッドDP
HA)10部、キシレンとn−ブチルアルコールを分散
媒とするシリカゾル(日産化学社製:XBA−ST)1
00部、およびベンジルジメチルケタール0.75部を
混合し紫外線硬化性被覆組成物を得た。この紫外線硬化
性被覆組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、ハ
ードコート処理ポリカーボネート板を得た。実施例1と
同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価したところ、密
着性:100/100、くもり価:0.5%、△H:7.
8%であり、耐摩耗性は十分でなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の組成物は上記のように構成した
ので、(a)成分の化合物は3個以上のアクリロイル基と
トリまたはジアルコキシシリル基を同一分子中に有する
ため、本化合物を多官能アクリレートと混合してもアク
リロイル基密度の低下がほとんどなく、また、トリまた
はジアルコキシシリル基はシリカゾル粒子の表面に存在
するシラノール基と反応する。これらのことから、透明
プラスチック基材への密着性、透明性および耐摩耗性に
優れた塗膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 133/04 C09D 133/04 // C08G 18/77 C08G 18/77 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 4/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 一般式 【化1】 (式中R1およびR2は同一または異なる一価炭化水素
    基、R3は炭素数2〜8の二価炭化水素基、aは2〜3
    の整数、bは0〜1の整数、cは4−a−bに等しい整
    数)で表されるイソシアネート基含有シランカップリン
    グ剤と、分子内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を
    有する水酸基含有多官能アクリレートとを反応して得ら
    れる化合物、 (b) 分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官
    能アクリレート、 (c) 有機溶媒を分散媒としたシリカゾル、および (d) 光重合開始剤よりなることを特徴とする、耐摩耗
    性紫外線硬化性被覆組成物。
  2. 【請求項2】 成分(b)の分子内に3個以上のアクリロ
    イル基を有する多官能アクリレートが、ジペンタエリス
    リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
    ペンタアクリレートおよびこれらの混合物からなる群か
    ら選ばれる、請求項1に記載の組成物。
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