JP6273839B2 - 積層体及び光学フィルム - Google Patents
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Description
水素原子を引き抜く性能を有するベンゾフェノン構造と、光照射でラジカルを発生する官能基とを一つの分子内に有する重合開始剤を用いたものが記載されている。特許文献4には、シクロオレフィンポリマー基材用コート剤に適した、ポリベンゾフェノンのように、ベンゾフェノン構造を複数有し水素原子を引き抜く性能を有する重合性開始剤を用いたものが記載されている。特許文献5には、シクロオレフィンポリマー基材用コート剤に、α−ヒドロキシフェニルケトンのような重合開始剤とホスフィンオキシド系重合開始剤の併用が有効であることが記載されている。
層(A):シクロオレフィンポリマーからなる層
層(B):ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)、ベンゾフェノン系化合物(B−2)及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)を含む硬化性組成物からなる層であって、
前記ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)が、ジフェニルスルフィド、アルキル置換ジフェニルスルフィド、アルケニル置換ジフェニルスルフィド、アルコキシ置換ジフェニルスルフィド、ヒドロキシ置換ジフェニルスルフィド、アルキルケト置換ジフェニルスルフィド、アルキルチオ置換ジフェニルスルフィド、アルケニルチオ置換ジフェニルスルフィド、エステル置換ジフェニルスルフィドから選ばれる1種又は2種以上である。
本発明の積層体は、下記層(A)及び層(B)からなる。
層(A):シクロオレフィンポリマーからなる層
層(B):ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)、ベンゾフェノン系化合物(B−2)及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)を含む硬化性組成物からなる層
作用し、それぞれの重合開始剤としての活性を高めるため硬化性に寄与するものと考えられる。また、とりわけベンゾフェノン系化合物(B−2)がシクロオレフィンポリマーからなる層(A)から水素を引き抜く活性を高め、層(A)の表面に生じたラジカルと(メタ)アクリル基を有する化合物(B−3)から生じたラジカルとが反応し、層間密着性を高めるものと考えられる。また、ベンゾフェノン系化合物(B−2)が、基材から水素原子を引き抜く活性が高いだけはなく、表面の硬化性にも優れるため、層間密着性、耐傷つき性の向上にも寄与するものと考えられる。更に、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)は層(A)のシクロオレフィンポリマーと溶解度パラメータが近い化合物であるために層間密着性がさらに向上すると共に、(メタ)アクリロイル基を有するため、表面の硬化性や耐傷つき性が更に向上するものと考えられる。また、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)とベンゾフェノン系化合物(B−2)とは相溶性が高く、同時に、それぞれ(メタ)アクリル基を有する化合物(B−3)との相溶性が高く、また、それぞれ単独では、400nm以上の可視光吸収も小さく、結果として、無色かつ透明性に優れるために層(B)が透明となり、層(A)のシクロオレフィンポリマーの透明性と相俟って積層体全体として透明性に優れたものになるものと考えられる。
本発明の積層体は、層(A)のシクロオレフィンポリマーからなる層を有する。シクロオレフィンポリマーは透明性に優れるものである。
本発明の積層体において、層(A)に用いるシクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンを原料として得られるポリマーであり、例えば、シクロオレフィンモノマーを開環重合、付加重合、メタセシス重合等により得ることができるポリマーであり、例えば、特開平1−168725号公報、特開平1−190726号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報、特開平4−63807号公報等に開示されている公知のポリマーである。シクロオレフィンポリマーの代表的なものとしては、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンとの付加型共重合体等が挙げられる。
加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等が挙げられる。
本発明の積層体において、層(B)はジフェニルスルフィド系化合物(B−1)、ベンゾフェノン系化合物(B−2)及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)を含む硬化性組成物からなる層である。
<ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)>
本発明で使用するジフェニルスルフィド化合物(B−1)は、2個のベンゼン環がスルフィド(チオエーテル)結合を介して連結されている化合物あれば、特に限定されない。
換ジフェニルスルフィド;4−アリルジフェニルスルフィド、4−メタリルジフェニルスルフィド等のアルケニル置換ジフェニルスルフィド;2−メトキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジメトキシジフェニルスルフィド等のアルコキシ置換ジフェニルスルフィド;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド(チオジフェノール)、2,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のヒドロキシ置換ジフェニルスルフィド;4−アセトジフェニルスルフィド等のアルキルケト置換ジフェニルスルフィド;4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のアリールケト置換ジフェニルスルフィド;4,4’−ジビニルチオジフェニルスルフィド、4−メチルチオジフェニルスルフィド等のアルキルチオ置換ジフェニルスルフィド又はアルケニルチオ置換ジフェニルスルフィド;4,4’−ジアセトキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジメタクリロイルチオジフェニルスルフィド等のエステル置換ジフェニルスルフィド(ベンゼン環上の炭素原子に対し、エステル結合の酸素原子が結合したもの)又はチオエステル置換ジフェニルスルフィド等が挙げられる。以上に挙げたジフェニルスルフィド系化合物(B−1)は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用するベンゾフェノン化合物(B−2)は、2個のベンゼン環がカルボニル基を介して連結されている化合物であれば、特に限定されないが、以下のようなものが好ましい。
キルケト置換ベンゾフェノン、アリールケト置換ベンゾフェノン、アルキルチオ又はアルケニルチオ置換ベンゾフェノン、エステル置換ベンゾフェノン等)が400nm以上に吸収を持ちにくく、あるいは同時にケトン部分の反応活性が高くなることによる黄変防止や硬化性向上による耐傷付き性向上の観点で好ましい。これらの中でも、黄変を生じにくくなることから、ベンゾフェノン、アルキル置換ベンゾフェノン、アルケニル置換ベンゾフェノン、アルコキシ置換ベンゾフェノン、ヒドロキシ置換ベンゾフェノン、エステル置換ベンゾフェノンがより好ましい。これらの中でも特にベンゾフェノン、炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゾフェノン、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゾフェノンが好ましい。これらの中でも低着色性の観点から、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、が特に好ましい。
層(B)の硬化性組成物に含まれる(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)は、(メタ)アクリロイル基を有し、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)及びベンゾフェノン系化合物(B−2)に該当するものでなければ、特に制限されない。
ン、メチレンビス(1,4−シクロヘキサンジイル)ビスイソシアナートのようなシクロアルキレン基を有するジイソシアネート、又はその三量体から誘導されるウレタン(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールのようなシクロアルキレン基を有するジオールから誘導されるウレタン(メタ)アクリレート等のシクロアルキレン基を有するウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
に優れるために好ましい。また、これらと、シクロアルキレン基を有するウレタン(メタ)アクリレートとを併用することで、基材表面を溶解したり膨潤したりすることを避けることができるため、特に好ましい。
層(B)の硬化性組成物において、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)の含有量はアクリロイル基を有する化合物(B−3)100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上であり、より好ましくは0.5重量部以上であり、更に好ましくは1重量部以上であり、一方、好ましくは10重量以下であり、より好ましくは5重量部以下である。
層(B)の硬化性組成物は、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)及びベンゾフェノン系化合物(B−2)以外に、その他の重合開始剤を含有していてもよい。その他の重合開始剤は、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)及びベンゾフェノン系化合物(B−2)に該当するものでなければ特に制限されない。
ェノン系化合物(B−2)の合計100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上であり、より好ましくは1重量部以上であり、更に好ましくは2重量部以上であり、一方、好ましくは80重量部以下であり、より好ましくは65重量部以下であり、更に好ましくは50重量部以下である。その他の重合開始剤の含有量が上記下限値以上であるとその他の重合開始剤を配合する効果を得る観点から好ましく、上記上限値以下であると密着性低下、黄変、濁り、耐傷つき性の低下等を防ぐ観点から好ましい。
層(B)の硬化性組成物は、有機溶剤を用いて粘度を調整することが好ましい。有機溶剤は本発明の効果が得られる範囲において公知の有機溶剤のいずれも使用することができる。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等の脂肪族ケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル;ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(本発明において、プロピレングリコールモノメチルエーテルは「脂肪族アルコール」ではなく、「脂肪族エーテル」)とみなすこととする。)等の脂肪族エーテル;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の脂肪族アルコール;トルエン、キシレン等の芳香族化合物等が挙げられる。
層(B)の硬化性組成物は、シラノール基及び/又はアルコキシシリル基を有する化合物を含有することが好ましい。シラノール基及び/又はアルコキシシリル基を有する化合物を含有することにより、硬化性組成物の反応性、表面硬度、溶液としたときの安定性等を向上させることができる。
学(株)製]等)等のトリアルコキシシリル基を有する化合物;ジメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシリル基を有する化合物;テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン又はそのオリゴマー等が挙げられる。なお、(メタ)アクリロイル基とシラノール基及び/又はトリアルコキシシリル基とを有する化合物(例えば、アクリロイル基を有するシランカップリング剤[商品名「KBM5103」信越化学(株)製]、アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン[信越化学工業社製 KBM5803]、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤[商品名「KBM503」、信越化学(株)製]等)は(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)とはみなさず、シラノール基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物とみなすこととする。
層(B)の硬化性組成物は無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有することにより、硬化性組成物の反応性、表面硬度、溶液としたときの安定性等を向上させることができる。
[平均一次粒子径(nm)]=6,000/〔[比表面積(m2/g)]×[密度(g/cm3)]〕
本発明における硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、反応性希釈剤、帯電防止剤(ただし、無機粒子に該当するものを除く。)、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明において層(B)を形成する硬化性組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)、ベンゾフェノン系化合物(B−2)及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)を混合し、また、必要に応じ、その他の重合開始剤、有機溶剤、シラノール基及び/又はアルコキシシリル基を有する化合物、無機粒子、その他の成分等を混合することにより得ることができる。各成分の混合に際しては、ディスパーザー、撹拌機等で均一混合して製造することが好ましい。
本発明において、積層体の製造方法は特に制限されてないが、通常、次のような方法で製造することができる。本発明の積層体に用いる層(A)は通常、基材として用いられ、これに層(B)の硬化性組成物を片面又は両面塗布することにより積層体とすることができる。また、本発明の積層体は通常、この層(B)を硬化させて用いられ、特に、層(A)の少なくとも片面の一部に層(B)の硬化物を硬化被膜(硬化膜)の状態として得ることが好ましい。なお、本発明において「塗布」とは一般的に「塗工」と呼ばれるものも含む概念として用いることとする。
本発明の積層体は、層間密着性、表面硬度、耐傷付き性等の表面保護性能、透明性、低着色性等の光学特性等に優れるものである。このため、ガラス、プラスチック等へのハードコーコートとして有用である。特に、フラットパネルデイスプレイ用のコート(表面コート/内部コート)、タッチパネル用のコート(表面コート/内部コート)、太陽電池の保護表面コート、自動車ガラスの表面コート等に好適に用いることができる。これらの中でも特に、フラットパネルデイスプレイ用のコート(表面コート、内部コート)、タッチパネルの表面コート/内部コート等の光学フィルムとして特に好適である。
表−1、表−2及び表−3に従って原料を配合し、硬化性組成物(実施例1〜19及び比較例1〜10)を得た。なお、実施例8については参考例とする。基材及び配合成分の種類とその略称は下記の通りである。下記の基材に、硬化性組成物を、バーコーターを用いて塗布(塗布直後の厚みは約15μm)した後、紫外線照射装置[型番 US5−XO40:アイグラフィックス社製]を用いて500mJ/cm2の紫外線を照射して塗膜を硬化させ、硬化後膜厚が10μmの積層体を得た(膜厚は、厚みゲージ(ミツトヨ社製ABSデジマチックインジケータ又は薄膜測定装置(フィルメトリックス社製F20−EXR)で測定した。)。この試験片を用いて以下の各種評価を行った。
COP:シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン社製、ゼオノア(登録商標)ZF−16、厚さ100μm、ヘーズ:0.1%、b値:0.15]
・DPS:ジフェニルスフフィド[東京化成社製]
・MPSMA:4,4’−ビスメタクリロイルチオジフェニルスルフィド[住友精化社製]
・MPV:4,4’−ビスビニルチオジフェニルチオジフェニルスルフィド[住友精化社製]
・BMS:4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド[東京化成社製]
・DHDPS:チオジフェノール[東京化成社製]
・BP:ベンゾフェノン
・MBP:4−メチルベンゾフェノン
・I184:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[BASF社製 イルガキュア(
登録商標)184]
・DETX:ジエチルチオキサントン[東京化成社製]
・MBF:ベンゾイル蟻酸メチル[BASF社製 ダロキュア(登録商標)MBF]
・L−TPO:ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド[BASF社製 ルシリン(登録商標)TPO]
・I651:ベンジルジメチルケタール[BASF社製 イルガキュア(登録商標)651]
・EDB:p−アミノ安息香酸エチル[東京化成社製]
・DABCO:トリエチレンジアミン[東京化成社製]
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[日本化薬社製 カヤラッドD
PHA]
・ADTMP:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート[新中村化学工業社製 NKエステルAD−TMP]
・UA122P:ポリエステル系非芳香族ウレタンアクリレート[新中村化学工業社製 NKオリゴUA122P]
・IBXA:イソボルニルアクリレート[新中村化学工業社製]
・NPGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート[東京化成社製]
・EHA:2−エチルヘキシルアクリレート[東京化成社製]
・KBM9659:トリアリルイソシアヌネートのトリメトキシシラン付加物トリメトキシシリル基を1分子中に3個有する化合物)[信越化学工業社製 KBM9659]
・KBM5803:アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン[信越化学工業社製
KBM5803]
・MS51/TBT:テトラメトキシシランオリゴマー[三菱化学社製 MS51]とトトラブトキシチタン[和光純薬社製]とを20:1(重量比)で反応させた変性シリケート
・MEK−ST:コロイダルシリカ[日産化学社製 MEK−ST](平均一次粒子径:10〜15nm(BET吸着法、カタログ値))
・ジルコニア:ジルコニア[日産化学 ナノユース(登録商標)AR−30AS](平均一次粒子径:42nm(動的光散乱法、カタログ値))
・PTO:リンドープ酸化錫[日産化学社製 セルナックス(登録商標)CX−S240IP)[(平均一次粒子径:50nm(動的光散乱法、カタログ値))
・MEK:メチルエチルケトン
・MIBK:メチルイソブチルケトン
・PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
・IPA:イソプロピルアルコール
(1)層間密着性
JIS K5600に準じ、碁盤目試験により層間密着性を下記の基準で評価した(隙
間間隔1mm)。
◎:残ったマス目数が100であり、2回繰り返しても残ったマス目数が100である
○:残ったマス目数が100であるが、2回繰り返すと一部はがれる
△:残ったマス目数が90〜99
×:残ったマス目数が0〜89
JIS K5600に準拠して、引っかき硬度(鉛筆法)により測定した。
JIS K7105に従って、各積層体のヘーズ値(H%)を求めた。ヘーズ値が小さいほど、透明性に優れるものと評価される。
スペクトロフォトメーターCM−3500d(コニカミノルタ社製)を用い、JIS K7105(1981年)に準拠してb値を測定した。同時に同じ装置で400nmでの光線透過率を測定、評価した。
スチールウール(グレード:#0000)を用い、250g荷重で傷が入らない最大の往復回数で評価した。
◎:10往復まで傷が入らない。
○:5往復まで傷が入らないが10往復では傷が入る。
△:1往復では傷が入らないが5往復では傷が入る。
×:1往復で傷が入る。
表−1、表−2及び表−3の結果から、本発明に該当する実施例1〜19は、10μmの厚膜であっても、層(A)COP基材との密着性に極めて優れることがわかる。併せてヘーズ、b値が小さく、光学特性に優れるうえ、硬度、耐傷つき性も優れている。これに対し、本発明に該当しない比較例1〜10は、密着性、硬化性、ヘーズ、b値、硬度、耐傷つき性の少なくとも一つ以上の性能が劣るため、実用上好ましくない。
Claims (11)
- 下記層(A)及び層(B)からなる積層体。
層(A):シクロオレフィンポリマーからなる層
層(B):ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)、ベンゾフェノン系化合物(B−2)及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)を含む硬化性組成物からなる層であって、
前記ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)が、ジフェニルスルフィド、アルキル置換ジフェニルスルフィド、アルケニル置換ジフェニルスルフィド、アルコキシ置換ジフェニルスルフィド、ヒドロキシ置換ジフェニルスルフィド、アルキルケト置換ジフェニルスルフィド、アルキルチオ置換ジフェニルスルフィド、アルケニルチオ置換ジフェニルスルフィド、エステル置換ジフェニルスルフィドから選ばれる1種又は2種以上である。 - 前記硬化性組成物が(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)100重量部に対し、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)を0.1〜10重量部、ベンゾフェノン系化合物(B−2)を0.1〜10重量部含む、請求項1に記載の積層体。
- [ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)の重量]:[ベンゾフェノン系化合物(B−2)の重量]が、1:10〜1:1である、請求項1又は2に記載の積層体。
- (メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)として、シクロアルキル基を有するモノ(メタ)アクリレート、アルキル基を有するモノ(メタ)アクリレート、シクロアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレート、アルキレン基を有するジ(メタ)アクリレート及びシクロアルキレン基を有するウレタン(メタ)アクリレートからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記硬化性組成物が有機溶剤を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記有機溶剤として、脂肪族ケトン、脂肪族エステル及び脂肪族エーテルからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の積層体。
- 前記硬化性組成物が、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)及びベンゾフェノン系化合物(B−2)以外の重合開始剤(その他の重合開始剤)を含み、該その他の重合開始剤の含有量が、ジフェニルスルフィド系化合物(B−1)及びベンゾフェノン系化合物(B−2)の合計100重量部に対し、0.5〜80重量部である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記硬化性組成物がシラノール基及び/又はアルコキシシリル基を有する化合物を含み、かつ該シラノール基及び/又はアルコキシシリル基を有する化合物の含有量が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)100重量部に対し1〜30重量部である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記硬化性組成物が平均一次粒子径100nm以下の無機粒子を含み、該無機粒子の含有量が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−3)100重量部に対し、1〜30重量部である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記硬化性組成物を硬化させてなる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の積層体からなる光学フィルム。
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