JP2002275392A - 紫外線硬化性組成物及びそれを被覆した樹脂成型品 - Google Patents

紫外線硬化性組成物及びそれを被覆した樹脂成型品

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JP2002275392A
JP2002275392A JP2001078186A JP2001078186A JP2002275392A JP 2002275392 A JP2002275392 A JP 2002275392A JP 2001078186 A JP2001078186 A JP 2001078186A JP 2001078186 A JP2001078186 A JP 2001078186A JP 2002275392 A JP2002275392 A JP 2002275392A
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Toshihiro Shoji
敏博 庄司
Mayumi Aoki
真由美 青木
Keiichi Hashimoto
恵一 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環状オレフィン系樹脂からなる成型品・フイル
ムの表面に保護層を設ける為の紫外線硬化性組成物に関
し、透明で外観に優れ、接着性、耐摩耗性、耐薬品性、
硬化性の良好な紫外線硬化性組成物及びそれを被覆した
成型品を提供する。 【解決手段】紫外線硬化性組成物に光重合開始剤とし
て、分子内にベンゾフェノン構造と、紫外線を照射する
ことにより、開裂してラジカルを生ずる部分とを同時に
有する化合物を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状オレフィン系樹脂
より成る部品・フイルム等の成型品表面の被覆に適する
紫外線硬化性組成物及びこれを保護膜として有する成型
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学用透明プラスチック成型材料
としては、ポリカーボネート(PC)及びポリメチルメ
タクリレート(PMMA)が広く使用されている。しか
しながら、PCは複屈折が大きく、また、PMMAは吸
水性が大きく、耐熱性も不十分であり、プロジェクター
のレンズ材料、光ディスクのピックアップ用レンズ材料
及び基板材料、フラットディスプレィ用基板材料等への
適用において、これらの特性に対する改良要請がなされ
ている。
【0003】最近、これらの問題点を解消する成型材料
として、環状オレフィン系樹脂が上市されるようになっ
た。例えば、日本ゼオン社より、ノルボルネン誘導体を
モノマーとした環状オレフィン系樹脂が、主に射出成型
の基板用としては商品名「ゼオネックス」、また、押し
出し成型のフイルム用として、商品名「ゼオノア」が上
市されている(シーエムシー社刊「機能材料」2000
年8月号)。また、ジェイエスアール社より、分子内に
極性基を有するノルボルネン構造の環状オレフィン系樹
脂が商品名「アートン」(「機能材料」1993年1月
号)として、更に、三井化学社より、環状オレフィンコ
ポリマーが、商品名「アペル」として上市されている。
【0004】これらの樹脂は、低複屈折、低吸湿、高透
明性、高耐熱性を有しており、光学材料をはじめ、様々
な分野で利用されるようになっているが、これらの樹脂
からなる成型品は、用途によっては、表面に傷がつく場
合があり、耐擦傷性の改善が求められている。
【0005】一般に、合成樹脂成型品の傷つきを防止す
る方法として、成型品表面に保護層(ハードコートとも
呼ばれる)を設ける方法がある。このような保護層を設
けるのに用いられる保護コート剤としては、シリコーン
系または有機系のコート剤が一般的である。ところが、
シリコーン系コート剤を用いると、表面硬度に優れた保
護コート層を形成することができるものの、樹脂成形品
の表面に対する接着性が悪いため、容易に剥離するとい
う問題があった。
【0006】有機系コート剤には、メラミン系、アルキ
ッド系、ウレタン系、及び(メタ)アクリル系の熱硬化
型塗料と、多官能(メタ)アクリル系の紫外線硬化型塗
料が知られている。前者は取り扱いが容易であるが、保
護コート層の硬さや耐候性に劣り、しかも加熱硬化時に
該樹脂成型品の変形や樹脂の劣化を引き起こす場合があ
る。後者は硬さや生産性に優れ、しかも紫外線硬化のた
め加熱による該樹脂成型品への悪影響の問題は少ない。
従って、環状オレフィン系樹脂成型品に用いる保護コー
ト剤としては、熱硬化型塗料よりも、紫外線硬化型の多
官能(メタ)アクリル系コート剤が適していると言え
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、環状オ
レフィン系樹脂からなる成型品に、汎用の紫外線硬化型
多官能(メタ)アクリル系コート剤を適用して保護層を
形成すると、この保護層と成型品表面との接着性が不十
分であり、硬化後の保護層が成型品から容易に剥がれて
しまうという問題があった。
【0008】この保護層と成型品の間の接着性を改善す
る手法として、従来提案されてきた手法を大別すると次
の3つに分けられる。 (1)樹脂材料自体を改質する方法、 (2)樹脂成型品の表面にプライマー(下塗り)層を形
成する方法、 (3)紫外線硬化型保護コート剤を改良する方法。
【0009】(1)には、3価以上の多価アルコールの
部分エーテル化物を配合するもの(特開平5−3940
3号)等がある。しかし、この方法は、環状オレフィン
系樹脂の持つ低吸湿性を損ない、また、透明性・耐熱性
の保持も充分とは言えないものであった。
【0010】(2)には、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等の熱可塑性樹脂をトルエン等の溶剤に溶解したもの
で下塗りするもの(特開平5−225613号)、ハロ
ゲン化プロピレン重合体の溶液で下塗りをするもの(特
開平5−247241号)等が挙げられる。しかし、こ
れらは保護層との接着性は改善されるものの製造工程
上、プロセスが増えることによる欠陥の発生、コストア
ップ等の問題があった。
【0011】(3)には、紫外線硬化型塗料(紫外線硬
化性組成物ともいう)に、ビニル系モノマーの単独重合
体または共重合体の塗料用樹脂を含有させるもの(特開
平8−12787号)、ポリスチレン系ブロック共重合
体等のエラストマー成分を含有させるもの(特開平6−
340849号)がある。しかし、これらの方法は、紫
外線硬化における架橋密度を下げ、保護層の耐擦傷性が
劣るものとなった。また、重合性化合物として脂環式
(メタ)アクリル化合物を配合するもの(特開平5−5
1542号、特開平5−306378号)が挙げられて
いるが、これは硬化塗膜の内部収縮を小さくするのに効
果はあるが、用途によっては耐擦傷性及び接着性が不足
する場合があり、より耐擦傷性と接着性に優れた紫外線
硬化性組成物の開発が求められていた。
【0012】本発明の目的は、環状オレフィン系樹脂か
らなる成型品の表面に、硬化性、耐擦傷性、接着性、透
明性等に優れた保護層を形成する為の紫外線硬化性組成
物を提供し、また、それを使用して表面を被覆した成型
品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環状オレ
フィン系樹脂成型品に対する保護層の強固な接着性と表
面硬度の問題を鋭意研究の結果、特定構造の光重合開始
剤を用いた紫外線硬化性組成物を保護コート剤として用
いることにより、環状オレフィン系樹脂成型品と保護層
とが強固に密着し、表面硬度、耐擦傷性、耐薬品性、耐
熱性、透明性に優れた樹脂成型品が得られることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は、少なくとも分子内にベン
ゾフェノン構造と、紫外線を照射することにより、開裂
してラジカルを生ずる部分とを同時に有する化合物を光
重合開始剤として含有する環状オレフィン系樹脂保護用
紫外線硬化性組成物、及びその硬化膜を保護膜として有
する環状オレフィン系樹脂成型品を提供するものであ
る。
【0015】本発明の紫外線硬化性組成物からなる保護
層が、環状オレフィン系樹脂成型品と強固に密着し、同
時に硬化性にも優れる理由は、後述のようにベンゾフェ
ノン構造による水素引き抜き作用により、環状オレフィ
ン系樹脂成型品への接着性を発現し、更に同一分子内
に、開裂してラジカルを発生する構造を有する為、接着
性、硬化性の良好な紫外線硬化性組成物を提供するもの
と推測される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で用いる紫外線硬化性組成
物は、(A)特定構造の光重合開始剤又は特定構造の光
重合開始剤とベンゾフェノン系化合物を併用する光重合
開始剤、(B)重合性化合物、(C)その他の成分、よ
り成る。
【0017】(A)成分 工業的に紫外線硬化に使用されるラジカル重合系光重合
開始剤を大別すると、 開裂型と水素引き抜き型に分けられる。紫外線硬化
性組成物を硬化した保護膜の環状オレフィン系樹脂成型
品への接着性について検討した結果、光重合開始剤とし
て、ベンゾフェノン及びそれと類似の構造を持つのタ
イプの光重合開始剤を使用することが必須であることが
判った。しかし、ベンゾフェノン系化合物のみを使用し
た場合は、紫外線硬化性が悪いこと、また、光硬化反応
を起こす重合性化合物の種類によっては、正常な硬化塗
膜が得られない場合もあった。
【0018】従って、これらの問題点を解決すべく、本
発明において使用される(A)成分の光重合開始剤は、
1つの分子でとの両方の型を持つもので、分子内に
ベンゾフェノン構造を有し、かつ同時に紫外線を照射す
ることにより、開裂してラジカルを生ずる部分を分子内
に有するものを含有する(A−1成分)ことが必須であ
る。そのような化合物としては、例えば、4−ベンゾイ
ル−4'−メチルジフェニルサルファイド(市販品名:
ワードブレキンソップ社カンタキュアBMS或いはラン
ブソン社スピードキュアBMDS)が挙げられる。これ
は、前述した様に、ベンゾフェノン構造による水素引き
抜き作用により、環状オレフィン系樹脂成型品への接着
性を発現し、更に同一分子内に、開裂してラジカルを発
生する構造を有する為、接着性、硬化性の良好な紫外線
硬化性組成物を提供するものと推測される。この光重合
開始剤に更に、接着性を向上するために、光重合開始剤
として、ベンゾフェノン系化合物(A−2成分)を併用
しても良い。ここで、用いられるベンゾフェノン系化合
物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイルベンゾイック
アシッド、3,3’−ジメチルー4−メトキシベンゾフ
ェノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、4−ベンゾイ
ルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾ
イルジフェニルエーテル、2,4,6−トリメチルベン
ゾフェノン等が挙げられる。
【0019】また、上記光重合開始剤以外のとに属
する光重合開始剤(A−3成分)を更に併用することも
出来るが、硬化膜の透明性、接着性の観点から光重合開
始剤総量の中で25重量%以下に限定される。の開裂
型光重合開始剤としては、ベンゾインモノメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェ
ニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレー
ト、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェ
ニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサ
イド等を挙げることができる。これらの中では、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニ
ルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレー
ト、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オンが透明性、硬化性の観点から好ましい。
の光重合開始剤として、2,4−ジエチルキサンソン、
イソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系の光
重合開始剤も併用可能であるが、硬化塗膜の着色が有る
ために併用は極少量に限られる。
【0020】また、4−ベンゾイル−4'−メチルジフ
ェニルサルファイドとは、反応機構が異なるが、同様
に、光重合開始剤分子1つで、との作用をするもの
として、分子中にベンゾフェノン構造を持たない2−メ
チル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリ
ノ−プロパン−1−オン(市販品名:チバスペシャルテ
ィ・ケミカル社製Irgacure 907)が知られ
ている。しかし、これを光重合開始剤として使用して
も、環状オレフィン系樹脂への接着性は確保出来ず、水
素引き抜きの構造として、ベンゾフェンノン構造が必須
であることが推測された。
【0021】(A)成分の使用割合は、(A)〜(C)
成分の固形分合計量100重量部中、0.1〜15重量
部、好ましくは1〜13重量部、より好ましくは2〜1
0重量部である。(A)成分がこの使用範囲より少ない
場合は、保護層の硬化が不十分となり、逆に多い場合
は、保護層の耐光性が低下する。更に、(A)成分の中
で、(A−1)成分は、20〜100重量%。(A−
2)成分は、0〜80重量%。(A−3)成分は、0〜
25重量%の範囲で使用される。
【0022】(B)成分 本発明で用いられる重合性化合物としては、(B−1)
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する
多官能オリゴマー、(B−2)1分子中に3個以上の
(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー、(B
−3)1分子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を
有する1〜2官能モノマーを挙げることができる。
【0023】(B−1)成分としては、ポリエステル
(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。本
発明の紫外線硬化性組成物中に含有するオリゴマー成分
として、構造中にポリエーテル構造を持つものの使用
は、あまり好ましくない。光重合開始剤の配合量、オリ
ゴマー中のポリエーテル濃度等により、ポリエーテル構
造を持つオリゴマーを配合することは可能であるが、少
量配合が好ましい。
【0024】これは、環状オレフィン系樹脂への接着付
与が水素引き抜き作用によるものと推測されるからであ
る。ポリエーテル構造が存在すると、用いた光重合開始
剤の水素引き抜き作用が、ポリエーテル部分に働き、環
状オレフィン系樹脂と硬化塗膜の接着性は劣化する。ま
た、保護層としての耐擦傷性の劣化も起こる傾向があ
る。
【0025】保護膜の耐擦傷性、強靭性等の観点からオ
リゴマー成分としては、ウレタン(メタ)アクリレート
が好ましい。
【0026】ウレタン(メタ)アクリレートは、(a)
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと分子内
に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート
化合物とのウレタン反応生成物、(b)分子内に2個以
上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物に
ポリオール、ポリエステル又はポリアミド系のジオール
を反応させて付加体を合成した後、残ったイソシアネー
ト基にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを
付加させる反応生成物が挙げられる。後者のウレタン
(メタ)アクリレートの方が前者に比較し、硬化塗膜の
強靱性、可撓性の観点から好ましいが、耐擦傷性の観点
からは、前者が好ましい。ポリオールの中心部分には、
ポリエーテル構造が好ましくないのは、前述した通りで
ある。
【0027】ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ
ートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0028】分子内に2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物としては、例えば、トリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
トリシクロデカンジイソシアネート等が挙げられ、硬化
塗膜の耐光性の観点からは、いわゆる無黄変タイプのヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、トリシクロデカンジイソシアネート等を用いる
ことが好ましい。
【0029】(a)の市販品の例としては、新中村化学
社製NKオリゴU−4HA、U−6HA、U−324
A、U−15HA、大日本インキ化学工業社製ユニディ
ック17−806、根上工業社製アートレジンUN−3
320シリーズ等がある。
【0030】(B−2)成分としては、例えば、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセ
ロールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)ア
クリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス
((メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)ア
クリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)
アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、耐擦傷
性、耐薬品性、耐熱性の点で、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシプ
ロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レートが好ましく、硬化収縮が小さく、成型品の変形、
フイルムのカールの防止の観点からは、環状構造を持つ
トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレー
ト、トリス(アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌ
レートが特に好ましい。これらの多官能モノマーは、そ
れぞれ単独、或いは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0031】(B−3)成分としては、例えば、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)
アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレー
ト、イソボニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモ
ルホリン等の1官能(メタ)アクリレートモノマー;エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメ
タノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノ
ールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ル変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、ビス−(2−メタアクリロイルオキシエチル)フタ
レート等の2官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げ
られる。
【0032】しかし、上記1〜2官能モノマーは、保護
膜の耐擦傷性の観点からは、紫外線硬化性組成物中に配
合できる範囲は限定される。成型品の変形、フイルムの
カール、要求される塗膜物性のの観点から、配合量が決
定される。上記したモノマーの中では、イソボルニル
(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビス
フェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート等の環状構造を持つモノマーの配合が好ましい。
これらの1〜2官能モノマーは、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】(B)成分中の(B−1)、(B−2)、
(B−3)の成分の割合は、求められる保護膜の物性に
より変わるが、一般的には、(B−1)は、(B)成分
中10〜70重量%。(B−2)は、(B)成分中30
〜90重量%。(B−3)成分は、(B)成分中0〜3
0重量%の範囲で配合されるのが好ましい。
【0034】(C)成分 本発明で用いる紫外線硬化性組成物は、そのままで用い
ることもできるが、フイルム等の厚みが薄い基板の上に
保護膜を着ける場合には、紫外線硬化性組成物中に、高
分子量のオリゴマー成分が必須となる。その場合、紫外
線硬化性組成物としての塗料粘度が大きくなり、塗布作
業における操作性の必要から有機溶剤の稀釈による低粘
度化が必要となる。ここで、使用する有機溶剤は、使用
する紫外線硬化性組成物、溶剤の乾燥条件等によって若
干異なるが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;イソプロピルアル
コール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤、
メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセト
ン等のケトン系溶剤;n−ブチルエーテル、ジエチルエ
ーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶剤、或いは、セロソルブ系溶剤、クロル
系溶剤などが使用出来る。
【0035】しかし、紫外線硬化性組成物を塗布する基
材(環状オレフィン系樹脂)を浸食する溶剤の使用は、
光学的用途には好ましくなく、アルコール系溶剤及びエ
ステル系溶剤の単独又は混合使用が好ましい。有機溶剤
は、通常、(A)+(B)+(C)全体量の5〜80重
量%の範囲で使用される。
【0036】また、紫外線硬化性組成物を環状オレフィ
ン系樹脂の様な低エネルギー表面を持つものに塗布する
場合は、良好な塗布品質の保護膜を得る為、界面活性
剤、塗料添加剤の添加が必要である。例えば、フッ素系
ノニオン界面活性剤、変性シリコーン系界面活性剤、ビ
ニル系重合体塗料添加剤、アクリル重合体塗料添加剤等
を紫外線硬化性組成物に単独或いは併用添加することに
より、環状オレフィン系樹脂基板・フイルム等の成型品
との濡れや硬化後の表面平滑性が改良される。帯電防止
剤を添加すると、ホコリの吸着を抑制できる。
【0037】更に、金属との接着性増強剤として、例え
ば、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレー
ト等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、
また、エチレンオキシド変性リン酸(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性リン酸基ジ(メタ)アクリレー
ト等のリン酸基を分子内に有する(メタ)アクリレート
を添加することも出来る。これにより、環状オレフィン
系樹脂の一部に金属膜を有する基板(例えば、ホログラ
ムカード、光ディスク、光カード等)でも良好な接着性
を確保出来る。
【0038】更にまた、硬化塗膜の耐光性向上の為に、
紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を、紫外線硬化
性組成物の塗布適性を変える為や、硬化膜表面の凸凹形
成等の為に、無機系フィラー又は有機系フィラー等を、
着色の為に、着色剤等を、それぞれ添加することが出来
る。
【0039】本発明の紫外線硬化性組成物を環状オレフ
ィン系樹脂の基板・フイルム等の成型品に塗布する方法
としては、特に限定されず、例えば、スプレー、浸漬、
スピンコート、ロールコーター等が採用できる。
【0040】紫外線硬化性組成物中の有機溶剤を除去す
るのに必要な熱乾燥温度と時間は、使用する溶剤の種類
と添加量、塗布量、塗布面の成型品の形状によっても異
なるが、環状オレフィン系樹脂成型品・フイルムの熱変
形が起こらないように、約100℃以下で、かつ、十分
に除去できるように条件を決定すればよい。具体的に
は、60〜100℃で、3〜30分間程度放置しておく
のが適当である。
【0041】高温で有機溶剤成分を除去した後は、成型
品・フイルムの変形が起こらない範囲で、高温下で紫外
線照射するのが好ましい。これは、低温では、保護膜−
樹脂表面での水素引き抜き作用が、接着性を確保するほ
ど充分には起こらないためである。
【0042】塗布後の紫外線硬化性組成物からなる保護
層の厚さは、2〜30μmであることが好ましい。有機
溶剤を用いた場合は、乾燥後にこの厚さになるようにす
る。保護層の厚さが薄い場合には、酸素阻害による硬化
阻害が起こりやすく、塗膜強度も不十分となり、十分な
表面硬度や接着性が得られない。保護層の厚さが厚い場
合には、紫外線硬化性組成物の硬化による内部応力が大
きくなり、硬化塗膜の接着性の確保が難しくなる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例を挙げて、本発
明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。
【0044】まず、表1、2に示す組成からなる無溶剤
系紫外線硬化性組成物を作製した。
【0045】
【表1】塗料A〜D:実施例1〜4
【0046】
【表2】塗料E、F、H:比較例1、2、3 塗料G:実施例5
【0047】ここで、配合中の略号はそれぞれ以下の化
合物を指す。 M−315:トリス(アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート TMP3A:トリメチロールプロパントリアクリレート M−310:エチレンオキシド変性(3モル)トリメチ
ロールプロパントリアクリレート BMDS:4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサ
ルファイド BP:ベンゾフェノン Irg.184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン FZ−2188:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シ
リコーンオイル
【0048】(硬化性の評価)表1、2の塗料を透明ポ
リカ基板上に膜厚が約10μmとなる様に塗布し、コン
ベア式紫外線硬化装置(アイグラフィックス社製集光型
コールドミラー+高圧水銀灯H03−L31;入力電力
120W/cm)にて、1パス0.25J/cm2(ア
イグラフィックス社製紫外線光量計UVPF−36にて
計測)となる様にコンベアスピードを調節し、塗膜表面
をメタノールで含浸したキムワイプで擦り、表面に白化
を生じないパス回数にて、紫外線硬化性を評価した。
【0049】(鉛筆硬度の評価)上記と硬化条件以外は
同条件にて、透明ガラス基板上に硬化塗膜を調製し、J
IS K−5400に従い、すり傷にて評価を行った。
紫外線照射条件は、塗料E、H以外は0.5J/c
2。塗料E、Hは、1.0J/cm2で行った。
【0050】(塗膜の接着性評価)上記と硬化条件以外
は同条件にて、硬化塗膜を調製し、JIS K−540
0に従い、フイルムの場合は、クロスカット−セロテー
プ剥離試験方法により評価した。OKは、硬化塗膜のフ
イルムからの剥離が見られなかった場合を表し、NGは
剥離が見られた場合を表す。また、成型基板の場合は、
クロスカット−セロテープ剥離試験方法以外に、同じく
JIS K−5400に従い、碁盤目−セロテープ剥離
試験方法でも評価を行った。
【0051】紫外線照射条件は、塗料E、H以外は0.
5J/cm2。塗料E、Hは、1.0J/cm2で行っ
た。
【0052】(日本ゼオン社製環状オレフィンフイルム
への接着性評価)日本ゼオン社製「ゼオノア」フイルム
(100μm厚み;鉛筆硬度HB)上に塗料を上記と同
条件で塗布・硬化し、硬化膜の接着性をクロスカット−
セロテープ剥離法により評価した。塗料A〜Hの硬化
性、硬化膜の鉛筆硬度、「ゼオノア」フイルムへの接着
性の評価結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】即ち、通常の開裂型光重合開始剤である1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使用した
場合には、環状オレフィンフイルム「ゼオノア」には接
着しないことが判る。代表的な水素引き抜き型の光重合
開始剤であるベンゾフェノンを単独使用した場合には、
「ゼオノア」フイルムへの接着性は良好なるも、硬化性
が本発明の実施例の2〜倍悪化し、また塗膜の鉛筆硬
度も1段階低下する。光重合開始剤として、4−ベンゾ
イル−4'−メチルジフェニルサルファイド単独及びベ
ンゾフェノンとの併用は、硬化性・接着性・硬度が良好
であることが判る。塗料Bのエーテル鎖の短いモノマー
使用の場合は、鉛筆硬度が若干落ちるが、「ゼオノア」
フイルムへの接着性は良好となった。
【0055】同様に、日本ゼオン社製環状オレフィン樹
脂「ゼオネックス」の射出成形基板に於いても、塗料A
〜Hの硬化膜の接着性は表3と同様な結果を示した。
【0056】(ジェイエスアール社製環状オレフィンフ
イルムへの接着性評価)ジェイエスアール社製「アート
ン」フイルム(188μm厚み)上に塗料を上記と同条
件で塗布・硬化し、硬化膜の接着性をクロスカット−セ
ロテープ剥離法により評価した。
【0057】
【表4】
【0058】表3の結果と同様に、光重合開始剤とし
て、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使
用した場合(塗料F)には、「アートン」フイルムとの
接着は不良となった。光重合開始剤として、ベンゾフェ
ノンを単独使用した塗料Hは、1.0J/cm2では、
未硬化であり、硬化する紫外線量の1.5J/cm2
照射した場合に、塗膜に皺の発生が見られた。
【0059】(三井化学社製環状オレフィン樹脂への接
着性評価)同様に、三井化学社製環状オレフィン樹脂
「アペル」の射出成形基板上に、塗料D〜Fを約10μ
mの厚みに塗布し、上記と同様な条件で、保護膜を作製
した。硬化塗膜の接着性は、クロスカット−セロテープ
剥離試験方法と碁盤目−セロテープ剥離試験方法で評価
した。
【0060】
【表5】
【0061】上表より、光重合開始剤を4−ベンゾイル
−4'−メチルジフェニルサルファイドとベンゾフェノ
ンとの併用とすることにより、ベンゾフェノン単独の場
合に比較し、半分の紫外線照射量で基板との接着性を確
保出来ることが分かる。一方、光重合開始剤として、開
裂型の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを
使用した場合、硬化性は良いが基板との接着性は確保出
来なかった。
【0062】更に、塗料Fについて、1.0J/cm2
で硬化しても、0.5J/cm2と同様な結果であっ
た。
【0063】(比較例4)モノマー成分として、M−3
15 31重量部、TMP3A 60重量部、光重合開
始剤として、Irgacure907(2−メチル−1
−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロ
パン−1−オン) 9重量部、FZ−2188 0.1
重量部を配合した無溶剤型紫外線硬化性組成物:塗料I
を作製し、上記と同様に、硬化性の評価と日本ゼオン社
「ゼオノア」フイルムへの接着性評価を行った。その結
果、0.25J/cm2で硬化するが、フイルムへの接
着性(0.5J/cm2で硬化)はNGとなった。即
ち、光重合開始剤として、Irgacure 907を
用いた場合は接着性が確保出来ないことが確認された。
【0064】次に、有機溶剤を含有する溶剤系紫外線硬
化性組成物についても同様な評価を行った。検討を行っ
た配合組成を表6に示す。
【0065】
【表6】塗料J:実施例6 塗料K〜M:比較例5〜7
【0066】ここで、配合中の新規な略号はそれぞれ以
下の化合物を指す。 U−324A:新中村化学社製ポリエステル系ウレタン
アクリレート D1173:1−フェニル−2−ヒドロキシ−2メチル
プロパン−1−オン DETX:2,4−ジエチルキサンソン
【0067】(硬化性の評価)表6の塗料を透明ポリカ
基板上に最終(UV硬化後)膜厚が約10μmとなる様
に塗布し、コンベア式紫外線硬化装置(前記、集光型コ
ールドミラー+高圧水銀灯H03−L31;入力電力8
0W/cm)にて、1パス0.05J/cm2(紫外線
光量計UVPF−36にて計測)となる様にコンベアス
ピードを調節し、塗膜表面をメタノールで含浸したキム
ワイプで擦り、表面に白化を生じないパス回数にて、紫
外線硬化性を評価した。
【0068】(鉛筆硬度の評価)上表6の塗料を透明ガ
ラス基板上に最終(UV硬化後)膜厚が約10μmとな
る様に塗布し、溶剤を除去する為に、60℃熱風乾燥機
中で10分間保管した。その後、上記と同様の紫外線硬
化装置(但し、入力電力120W/cm)にて、0.5
J/cm2で硬化し硬化塗膜を調製した。その後、JI
S K−5400に従い、すり傷にて評価を行った。
【0069】(硬化塗膜の黄色度)上記と同条件(硬化
条件:0.5J/cm2)にて硬化塗膜を調製し、ガラ
ス基板及び硬化膜を形成したガラス基板の透過モードで
の黄色度を測定した。硬化塗膜の黄色度は、下記の計算
式で求めた。 硬化塗膜の黄色度=硬化膜付きガラス基板黄色度−ガラ
ス基板黄色度 なお、黄色度の測定は、日本電色工業社製測色計Σ80
を使用した。
【0070】(日本ゼオン社製環状オレフィンフイルム
への接着性評価)前記「ゼオノア」フイルム(100μ
m厚み)上に塗料を上記と同条件で塗布・乾燥・硬化
し、硬化膜の接着性をJIS K−5400に従い、ク
ロスカット−セロテープ(登録商標)剥離試験方法によ
り評価した。
【0071】塗料J〜Mの硬化性、硬化膜の鉛筆硬度、
黄色度、「ゼオノア」フイルムへの接着性の評価結果を
表7に示す。
【表7】
【0072】溶剤系紫外線硬化性組成物に関しても、開
裂型光重合開始剤である1−フェニル−2−ヒドロキシ
−2メチルプロパン−1−オンを使用した場合、硬化性
・鉛筆硬度・黄色度は良好であるが、接着性を確保出来
ないことが判る。水素引き抜き型光重合開始剤の1つで
ある2,4−ジエチルキサンソンを使用した場合は、硬
化性・鉛筆硬度・接着性は比較的良好なるも、黄色度が
大きい。同じく、水素引き抜き型光重合開始剤のベンゾ
フェノンを単独で使用した場合は、透明性・接着性は良
好であるが、硬化性に劣り、鉛筆硬度も劣ることが判
る。これらの中で、4−ベンゾイル−4'−メチルジフ
ェニルサルファイドを光重合開始剤として使用した塗料
が、硬化性・硬度・黄色度・接着性がバランス良く優れ
ていることが判る。
【0073】次に、同じく溶剤型紫外線硬化性組成物
で、ウレタンアクリレートをU−324Aから大日本イ
ンキ化学工業社製のユニディック17−806(有機溶
剤20重量%含有、固形分80重量%)に変更し、光重
合開始剤を4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサ
ルファイド単独とベンゾフェノン併用系について、上記
と同様に評価した。配合表と評価結果を表8に示す。な
お、硬化性(パス回数)については、塗料N〜Qで差が
見られなかったので省略した。
【0074】
【表8】塗料N〜Q:実施例7〜10
【0075】上表より、光重合開始剤として、4−ベン
ゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド単独或い
は、ベンゾフェノンとの併用を行った場合、鉛筆硬度・
黄色度・接着性の差はあまり見られず、全て良好である
ことが判る。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも環状オレフ
ィン系樹脂成型品の表面保護の為に好適に使用される、
硬化性、耐擦傷性、透明性の良好な紫外線硬化性組成物
が提供される。また、環状オレフィン系樹脂は、紫外線
硬化性組成物の硬化に有効な波長200−400nmの
光透過性が良好である。この為、環状オレフィン系樹脂
成型品を通して紫外線硬化しても、本発明の紫外線硬化
性組成物を硬化できるので、環状オレフィン系樹脂成型
品同士の接着剤としても使用出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/16 C09D 175/16 Fターム(参考) 4F100 AH02A AH02H AH04A AH04H AK02B AK25A AL05A AL06A BA02 CA30A CC00A EH46 EJ54 GB90 JB01 JB12 JB14A JK06 JK07 JK12A JL11 JN01 4J011 QA04 SA21 SA26 SA34 SA64 SA83 UA01 VA01 WA02 4J038 FA121 FA131 FA141 FA151 FA161 FA251 FA261 FA281 JA33 KA03 KA06 NA11 PA17 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも分子内にベンゾフェノン構造
    と、紫外線を照射することにより、開裂してラジカルを
    生ずる部分とを同時に有する化合物を光重合開始剤とし
    て含有する環状オレフィン系樹脂保護用紫外線硬化性組
    成物。
  2. 【請求項2】光重合開始剤が、4−ベンゾイル−4'−
    メチルジフェニルサルファイドである請求項1に記載の
    紫外線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】光重合開始剤として、更にベンゾフェノン
    系化合物を含有する請求項1及び2の何れかに記載の紫
    外線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】重合性化合物として、分子中に2以上の重
    合性官能基を有し、環状構造を有する多官能(メタ)ア
    クリレートを含有する請求項1、2及び3の何れかに記
    載の紫外線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】重合性化合物として、分子中に2以上の重
    合性官能基を有し、分子中にポリエーテル結合を持たな
    い多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求
    項1、2、3及び4の何れかに記載の紫外線硬化性組成
    物。
  6. 【請求項6】少なくとも環状オレフィン系樹脂の表面に
    請求項1、2、3、4及び5の何れかに記載の紫外線硬
    化性組成物の硬化膜を保護膜として有する環状オレフィ
    ン系樹脂成型品。
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