JP6065608B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6065608B2
JP6065608B2 JP2013012206A JP2013012206A JP6065608B2 JP 6065608 B2 JP6065608 B2 JP 6065608B2 JP 2013012206 A JP2013012206 A JP 2013012206A JP 2013012206 A JP2013012206 A JP 2013012206A JP 6065608 B2 JP6065608 B2 JP 6065608B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
active energy
energy ray
weight
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013012206A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014141617A (ja
Inventor
洋祐 柘植
洋祐 柘植
佐藤 嘉秀
嘉秀 佐藤
知一 岩崎
知一 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013012206A priority Critical patent/JP6065608B2/ja
Priority to TW102111658A priority patent/TWI510542B/zh
Priority to CN201380018517.7A priority patent/CN104204013B/zh
Priority to KR1020147028056A priority patent/KR102088640B1/ko
Priority to PCT/JP2013/059509 priority patent/WO2013147151A1/ja
Publication of JP2014141617A publication Critical patent/JP2014141617A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6065608B2 publication Critical patent/JP6065608B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

本発明は、良好なアンチブロッキング性を有する硬化物を提供することができる活性エネルギー線硬化性組成物に関する。また、該活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなるハードコートフィルム、及び該ハードコートフィルムを積層させてなるフィルム積層体に関する。
PETフィルムに代表される熱可塑性フィルム表面には、硬度や滑り性に優れたハードコーティングが施されている。このようなハードコーティングが行われた後のフィルムは、ロール状に巻回され保存することがある。ロール状に巻回することで保存場所の点で有利になることから、このような保存方法が用いられている。
しかしながら、このようにハードコーティング後のPETフィルムをロール状に巻回することで、ハードコーティング面同士やハードコーティング面と他のフィルム面が接触することとなり、この接触により予期せずブロッキングが生じる場合がある。
このようなブロッキングを防ぐ方法としては、ハードコート層に無機微粒子を混入することで層表面を特定の粗さとし、ブロッキングを防ぐ方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、樹脂及び炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位を含む特定の不飽和二重結合基含有モノマーを組成物中に含有させることにより、組成物に含有される樹脂を塗布後に相分離により析出させ、表面に凹凸を形成することでブロッキングを防ぐ方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開2004−42653号公報 特開2010−163535号公報
上記特許文献1に開示の技術では、粒子を混入するため、表面の凹凸形成のために膜厚を薄くする必要があり、膜硬度が低下し耐擦傷性が十分ではない傾向にある。
一方、上記特許文献2に開示の技術では、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位を含む特定の不飽和二重結合基含有モノマーのSP値に対して、別に含有させる樹脂のSP値を低く設定することで塗布後に樹脂を相分離により析出させている。しかしながら本発明者らが検討したところ、上記特許文献2に開示の技術では不飽和二重結合基含有モノマーにアルキレンオキシド単位を含むため、硬化させた際のハードコート層の硬度が低く、アンチブロッキング性と耐擦傷性が低くなる傾向があることが判明した。
しかしながら、当該技術については、アンチブロッキング性、塗膜外観、液外観、透明性の更なる改良が望まれた。
本発明は、このような従来技術が有する問題を解決するものであり、十分なアンチブロッキング性能を有し、且つ高い硬度を有する塗膜外観が良好で透明性の高いハードコート層を形成し得る活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、硬化性組成物中に特定の
共重合体を添加することで、上記課題を解決できることを見出した。本発明は以下に示すとおりである。
(1)少なくとも一種以上の樹脂からなる第一成分、
少なくとも一種以上の(メタ) アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマ
ーからなる群から選択される第二成分、
および少なくとも一種以上のポリエーテル変性シリコーンオイルからなる第三成分を含有することを特徴とする
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(2)第一成分が(メタ) アクリル樹脂であることを特徴とする(1)に記載の活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物。
(3)第二成分が一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(4)該(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、該多官能(メタ)アクリレートのSP値以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(5)さらに平均一次粒子径1μm以下の無機粒子を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(6)活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、前記(メタ)アクリロイル共重合体を1〜20重量部含み、前記多官能(メタ)アクリレートを75〜98.5重量部含み、前記無機粒子を0.5〜5重量部含むことを特徴とする(5)に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(7)前記(メタ)アクリロイル共重合体は、重量平均分子量が1000以上100,000以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(8)前記(メタ)アクリロイル共重合体の有する水素結合性基が水酸基であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(9)前記(メタ)アクリロイル共重合体の有する水酸基の由来が、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応によるもので、且つ、前記(メタ)アクリロイル共重合体を構成するモノマー全量のうち、オキシラン骨格を持つモノマーが80重量%以上であることを特徴とすることを特徴とする(8)に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(10)前記オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応が(メタ)アクリル酸の付加反応であることを特徴とする(9)に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(11)前記多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化組成物を硬化させてなるハードコートフィルム。
(13)(12)に記載のハードコートフィルムを他の樹脂フィルムと積層させてなるフィルム積層体。
(14)(13)に記載のフィルム積層体をロール状に巻回してなるロール状フィルム積層体。
本発明の組成物を硬化させてなるハードコートは、表面に凹凸を形成するように設計されており、ハードコート同士が密着してもブロッキングを生じることがなく、且つ高い硬度を有し、塗膜外観が良好で透明性が高い。本発明によれば、このようなハードコートを形成し得る活性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。
本発明は、フィルムなどの基材表面にハードコートを形成することに好適に用いられる組成物であり、活性エネルギー線照射によって硬化するものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、いずれか一方又は両方を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称であり、いずれか一方又は両方を意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称であり、いずれか一方又は両方を意味する。
本発明の組成物は、以下を特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
少なくとも一種以上の樹脂からなる第一成分、
少なくとも一種以上の(メタ) アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマ
ーからなる群から選択される第二成分、
および少なくとも一種以上のポリエーテル変性シリコーンオイルからなる第三成分を含有することを特徴とする
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
<第一成分:樹脂>
第一成分の樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリシラン樹脂、ポリイミド樹脂またはフッ素樹脂などを用いることが好ましい。これらの樹脂は、低分子量であるいわゆるオリゴマーであってもよい。これらのなかでも、SP値が高い点から、(メタ)アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂を骨格構造に含む樹脂が好ましく、SP値の制御が可能でかつ容易に重合可能な(メタ)アクリル樹脂を骨格構造に含む樹脂が特に好ましい。
(メタ) アクリル樹脂を骨格構造に含む樹脂として、(メタ)アクリルモノマーを重
合または共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂などが挙げられる。オレフィン樹脂を骨格構造に含む樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体などが挙げられる。ポリエーテル樹脂を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にエーテル結合を含む樹脂であり、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。ポリエステル樹脂を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にエステル結合を含む樹脂であり、例えば不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。ポリウレタン樹脂を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にウレタン結合を含む樹脂である。ポリシロキサン樹脂を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にシロキサン結合を含む樹脂である。ポリシラン樹脂を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にシラン結合を含む樹脂である。ポリイミド樹脂を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にイミド結合を含む樹脂である。フッ素樹脂を骨格構造に含む樹脂は、ポリエチレンの水素の一部または全部をフッ素で置きかえられた構造を含む樹脂である。樹脂として、上記骨格構造の2種以上からなる共重合体であってもよく、上記骨格構造とそれ以外のモノマーとからなる共重合体であってもよい。
また、上述の樹脂のうち、(メタ)アクリロイル共重合体がSP値が高く、SP値の制御が可能でかつ容易に重合可能な点から好ましく、更には側鎖に水素結合性基を有するものが(メタ)アクリロイル共重合体のSP値を多官能(メタ)アクリレートより高くすることが容易となり更に好ましい。水素結合性基とは、他の官能基に存在する元素と水素結合し得る元素を含む官能基を意味し、具体的には水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキ
シル基、スルホン酸基、アミド基、リン酸基などが挙げられ、相分離しやすい(アンチブロッキング性が発現しやすい)点から好ましくは水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基であり、特に好ましくは水酸基である。また、水素結合性基の量は特段限定されないが、3.0mmol/g以上であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル共重合体は、不飽和二重結合を有することが硬度が高くなるため、好ましい。このような不飽和二重結合を有する(メタ)アクリロイル共重合体は、例えば(メタ)アクリロイルモノマーを共重合した樹脂、(メタ)アクリロイルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリロイルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリロイルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂、などが挙げられる。
(メタ)アクリロイル共重合体が水素結合性基として水酸基を有する場合、該水酸基の由来が、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応によるものであることが結合基を付与でき、硬度を向上させたり、ブリードアウトを防止できる点から好ましい。オキシラン骨格を持つモノマーとしては、エポキシ基を有する芳香族エポキシド、脂環族エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられ、例えば、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
オキシラン骨格を持つモノマーは、(メタ)アクリロイル共重合体を構成するモノマー全量のうち、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることが更に好ましい。オキシラン骨格を持つモノマー構成比率が大きいと、導入可能な水酸基量と不飽和二重結合量が多くなり好ましい。
また、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応は、アクリル酸の付加反応であることが好ましい。アクリル酸の反応とすることにより、水酸基の導入による高SP値化を達成しつつ、不飽和二重結合の導入ができるため、光硬化性も向上可能となり好ましい。
本発明に用いられる樹脂は、重量平均分子量(Mw)が1,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることが更に好ましい。また、100,000以下であることが好ましく、70,000以下であるこ
とがより好ましく、50,000以下であることが更に好ましい。この範囲にあると、アンチブロッキング性が良好になる。
なお、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPCを用いて、ポリスチレン標準による換算値として決定することができる。
本発明に用いられる樹脂は、耐傷つき性向上の点から、アクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)が、1mmol/g以上が好ましく、2mmol/g以上がより好ましく、3mmol/g以上が特に好ましい。また、ゲル化防止の点から、10mmol/g以下が好ましく、8mmol/g以下がより好ましく、6mmol/g以下が特に好ましい。
本発明に用いられる樹脂は、アンチブロッキング性向上の点から、2級水酸基当量が、1mmol/g以上が好ましく、2mmol/g以上がより好ましく、3mmol/g以上が特に好ましい。また、多官能アクリレートとの相溶性の点から、10mmol/g以下が好ましく、8mmol/g以下がより好ましく、6mmol/g以下が特に好ましい。
本発明に用いられる樹脂は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、1重量部以上含有させることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましく、5重量部以上であることが更に好ましい。また、20重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることが更に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物では、これらの樹脂を1種単独で含んでいてもよく、また2種以上を含んでいてもよい。
<第二成分:(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマー>
第二成分の(メタ)アクリロイル基を含有するモノマーあるいはオリゴマーとしては、例えば、多官能性モノマー、例えば多価アルコールと( メタ) アクリレートとの脱アルコール反応物などを用いることができる。オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーや上記第一成分であげられた樹脂の低分子量物などが挙げられる。これらの中でも硬度が高い又は硬化性が良好な点から、多官能性モノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。さらに、ハンドリング性・塗工性が良好な点から、重量平均分子量8000未満のものであることが好ましく、5000未満であることがさらに好ましい。
また、上述の(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのうち、硬度が高い又は硬化性が良好な点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートとは、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートである。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物である、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートのうち好ましくは、硬度が高い又は硬化性が良好な点から、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ナノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、硬度が高い又は硬化性が良好であるため、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
これらの(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーは1種のみを単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーは、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、75重量部以上含有させることが好ましく、85重量部以上であることがより好ましく、90重量部以上であることが更に好ましい。また、98.5重量部以下であることが好ましく、97重量部以下であることがより好ましく、95重量部以下であることが更に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物では、これらの多官能(メタ)アクリレートを1種単独で含んでいてもよく、また2種以上を含んでいてもよい。
また、本発明に用いられる(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーは、エチレンオキシド(EO)単位を分子中に含むモノマーを実質的に含有しないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。エチレンオキシド(EO)単位を分子中に含むモノマーを含有しないことで、ハードコートとした際の十分な硬度を確保できる。なお、ここでいう実質的とは多官能(メタ)アクリレート全体100重量部に対し3重量部未満であることをいう。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、第一成分の樹脂のSP値が、(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのSP値以上である方が好ましい。好ましくは樹脂のSP値が、(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのSP値よりも0.5以上高く、1.0以上高いことがより好ましい。
また、本発明に用いられる樹脂のSP値は14.0以上であることが好ましく、16.0以上であることがより好ましく、20.0以下であることが好ましく、18.0以下であることがより好ましい。
一方、本発明に用いられる(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのSP値は8.0以上であることが好ましく、10.0以上であることがより好ましく、14.0以下であることが好ましく、13.0以下であることがより好ましい。
SP値とは、Solubility Parameter(溶解性パラメーター)の略
であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
本発明では、第一成分の樹脂のSP値が、(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのSP値以上であることで、相分離を発生させやすくなり好ましい。
なお第一成分の樹脂のSP値を(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのSP値以上とするためには、例えば、第一成分の樹脂の側鎖に極性が高い基を多く含むように設計すればよく、例えば(メタ)アクリル酸の付加によりオキシラン骨格を持つモノマーを開環することで共重合体を調製する方法などが挙げられる。その他(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのSP値が低くなるように設計すればよく、例えば脂環骨格を有する二官能以上のアクリレートを添加する方法などが挙げられる。
本発明に含まれる第一成分の樹脂と、(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーはそれぞれ、互いに反応する官能基を有しているのが好ましい。このよう
な官能基を互いに反応させることによって、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られる層の耐性を高めることができる。このような官能基の組合せとして、例えば、活性水素を有する官能基(水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基など)とエポキシ基、活性水素を有する官能基とイソシアネート基、エチレン性不飽和基とエチレン性不飽和基(エチレン性不飽和基の重合が生じる)、シラノール基とシラノール基(シラノール基の縮重合が生じる)、シラノール基とエポキシ基、活性水素を有する官能基と活性水素を有する官能基、活性メチレンとアクリロイル基、オキサゾリン基とカルボキシル基などが挙げられる。
また、ここにいう「互いに反応する官能基」としては、樹脂と(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーのみを混合しただけでは反応は進行しないが、重合開始剤を併せて混合することによって互いに反応するものも含まれる。ここで使用できる重合開始剤としては、光重合開始剤であり、詳細は後述する。
<第三成分:ポリエーテル変性シリコーンオイル>
第三成分のポリエーテル変性シリコーンオイルは、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーによって構成される。シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーとしては、側鎖の一部がメチル基であるもの、側鎖の全てと両末端又は片末端とがメチル基であるもの、側鎖の一部がフェニル基であるもの、側鎖の一部が水素結合基であるもの、及び側鎖の一部が水素原子であるものが挙げられる。これらの中でも、側鎖の全てと両末端又は片末端とがメチル基であるもの、側鎖の一部が水素結合基であるもの、及び側鎖の一部が水素原子であるものが、アンチブロッキング性が良好でかつ光学特性が良好な点から好ましく、側鎖の全てと両末端又は片末端とがメチル基であるものが表面偏析しやすい点から特に好ましい。また、シリコーンオイルは、さまざまな有機基を導入することでき、有機基の種類により性質が異なる。ポリエーテル変性シリコーンオイルには、さらに有機基を導入してもよく、アルキル基、アラルキル基、水酸基、アクリロイル基、カルボキシル基、カルボニル基、フルオロ基、アミノ基、エポキシ基などが挙げられる。これらの中でも、アンチブロッキング性が良好であるため、アルキル基、アラルキル基、水酸基、アクリロイル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基が好ましく、アルキル基、アラルキル基、水酸基、アクリロイル基が特に好ましい。
第三成分のポリエーテル変性シリコーンオイルの具体例として、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−342、BYK−345、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−3455、BYK−3500、BYK−3510、BYK−3530、シルフェイス SAG001、シルフェイス SAG005(以上、日信化学工業株式会社)FZ−2191、FZ−2166、FZ−2154、FZ−2120、L−720、SH 8700、L−7002、L−7001、SF 8410、FZ−2123、SH 8400、FZ−2164、FZ−77、FZ−2105、FZ−2
208(以上、東レダウコーニング社(Dow Corning Toray Co., Ltd.)製商品名)、SILWET L−8500、SILWET L−8610、SILW
ET L−8620、SILWET L−77、SILWET L−7280、SILWE
T L−7608、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILW
ET L−7087、SILWET L−7210、SILWET L−7220、SIL
WET L−7230、SILWET L−7500、SILWETL−7510、SILWET L−7602、SILWET L−7622、SILWET L−7650、SI
LWET L−720(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン
社製商品名)が挙げられる。これらの中でも、アンチブロッキング性が良好である点から、BYK306、BYK307、BYK325、BYK331、BYK333、BYK3
42、BYK375、BYK377、BYK378、BYK−UV3500、BYK−UV3510、シルフェイス SAG001が好ましく、更に相溶性が良好である点からB
YK325、BYK331、BYK−UV3500、BYK−UV3510、シルフェイス SAG001が特に好ましい。
これらの第三成分のシリコーンオイルは1種のみを単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる 第三成分のシリコン系樹脂は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、0.001重量部以上含有させることが好ましく、0.05重量部以上であることがより好ましく、0.1重量部以上であることが更に好ましい。また、10.0重量部以下であることが好ましく、5.0重量部以下であることがより好ましく、1.0重量部以下であることが更に好ましい。この範囲であれば、アンチブロッキング性と面性が良好であるため好ましい。
<無機粒子>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、平均一次粒子径が1μm以下の無機粒子を含有することが好ましい。平均一次粒子径が1μm以下である無機粒子と極性の高い樹脂とを含有させることで、高い硬度を維持したまま良好なアンチブロッキング性を有するハードコートを形成し得る硬化性組成物を提供できる。
本発明においては、極性の高い樹脂を(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーとともに含有させることが好ましい。極性の高い樹脂を(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーとともに含有させることで樹脂を相分離させることができることに加え、無機粒子を併せて加えることで、硬化させた際に、相分離した共重合体とともに無機粒子も表面付近に存在することとなる。そして、この共重合体及び無機粒子の存在により本発明の硬化性組成物はハードコート層とした際に表面に適度な凹凸を形成し、優れたアンチブロッキング性を有することから、無機粒子を含有することが好ましい。
無機粒子の例としては、シリカ(オルガノシリカゾルを含む)、アルミナ、チタニア、ゼオライト、雲母、合成雲母、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、スメクタイト、合成スメクタイト、バーミキュライト、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモンなどが挙げられ、これらの無機粒子は1種のみ含有させることでもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
無機粒子の平均一次粒子径は1μm以下であるが、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。下限値は特段限定されないが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上である。1μm以上の粒径の無機粒子を使用すると、粒子の自重により沈降が生じ、ハードコート液の貯蔵安定性が低下しやすくなり、好ましくない。
一方、上記範囲の無機粒子の運動は、重力による沈降よりも熱拡散が支配するため、ハードコート液中に安定に粒子を分散可能となり、さらにハードコート膜を形成した際に効果的に表面に無機粒子を存在させることができる。また、無機粒子の平均一次粒子径が小さいほど、光学特性が良好になる傾向がある。
本発明における無機粒子の平均一次粒子径は、例えば、TEMなどの電子顕微鏡により観察される粒子の大きさを平均した径をいう。
本発明に用いられる無機粒子は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部
に対し、0.5重量部以上含有させることが好ましく、0.7重量部以上であることがより好ましく、1重量部以上であることが更に好ましい。また、5重量部以下であることが好ましく、3重量部以下であることがより好ましく、2重量部以下であることが更に好ましい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギーにより硬化させるために、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、硬化性組成物100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下加えることができる。
重合開始剤としては、光重合開始剤であればよく、例えば、2−ヒドロキシ−2メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンノン−1などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の調製方法は特段限定されず、例えば、樹脂と(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマーを、必要に応じて、溶媒、重合開始剤、添加剤などと併せて混合することにより調製することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の調製で用いられる溶媒は、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリロイル共重合体、多官能(メタ)アクリレート、塗布の下地となる基材の材質、および組成物の塗布方法などを考慮して適宜選択される。用いることができる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。
これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒およびケトン系溶媒が好ましく使用される。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤などの常用の添加剤が挙げられる。
<ハードコートフィルム>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を基材の上などに塗布し、フィルム状に硬化させることで、本発明のハードコートフィルムが得られる。また、基材として他の樹脂フィルム上に本発明の組成物を塗布し、硬化させることにより、ハードコートフィルムを成形することで、ハードコート層を有するフィルム積層体が得られる。
ハードコートフィルムを成形する基材としては、各種プラスチックフィルムおよびプラスチック板などを使用することができる。プラスチックフィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等が使用できる。また、プラスチック板として、例えばアクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。なお、基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の塗布方法は特段限定されず、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)などにより塗布することができる。
ハードコート層の厚みは、特に制限されるものではなく、種々の要因を考慮して適時設定することができ、通常膜厚が0.01〜20μmとなるように活性エネルギー線硬化性組成物を塗布することができる。
基材上に成形されたハードコートは室温にて相分離させてもよく、また硬化させる前に組成物を乾燥させることで予め相分離させておいてもよい。塗布された組成物を硬化させる前に乾燥又は加熱させる場合は、30〜200℃、より好ましくは40〜150℃で、0.01〜30分間、より好ましくは0.1〜10分間乾燥させて、予め相分離させることができる。硬化前に乾燥させて予め相分離させておくことは、微細凹凸を有する塗布膜中の溶媒を効果的に除去でき、かつハードコートに所望の大きさの凹凸を設けることができ、好ましい。
硬化させる前に相分離させる他の方法として、塗膜に光を照射して相分離させる方法を用いることもできる。照射する光として、例えば露光量0.1〜3.5J/cm2の光、
好ましくは0.5〜1.5J/cm2の光を用いることができる。またこの照射光の波長
は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。例えば重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどを用いる場合は、照射光は310nm付近の波長を有する光を照射するのが好ましく、そしてさらに360nm付近の波長を有する光を照射するのがより好ましい。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって、相分離および硬化が生じることとなる。光を照射して相分離させることによって、硬化性組成物に含まれる溶媒の乾燥ムラに起因する表面形状のムラを回避でき、好ましい。
アンチブロッキング性硬化性樹脂組成物の塗布により得られた塗膜を、または乾燥させた塗膜を、硬化させることによって、微細凹凸を有する被膜が形成される。硬化には、必要に応じた波長の光を発する光源を用いて光を照射することによって、硬化させることができる。なお、硬化のための光照射は、積算光量が100mJ/cm2以上20,000
mJ/cm2以下となるよう照射することが好ましい。光源としては、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯などを用いることができる。
こうして形成される本発明のハードコートは、良好なブロッキング性を有する。本発明の良好なブロッキング性は、ハードコート層において樹脂が相分離し、含有される無機粒子が表面近傍に存在することで、ハードコート層表面に良好な凹凸を付与することに起因するものである。
そのため、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときの表面粗さRaが1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましい。上限は特段限定されないが、通常200nm以下である。
上記表面粗さRaは、算術平均粗さ(Ra)を意味し、JIS B 0601−2001において規定されるパラメーターであり、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製のカラー3Dレーザー顕微鏡などを用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときのSmが0.001μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.005μm以上、5μm以下であることがより好ましく、0.01μm以上、3μm以下であることが特に好ましい。ここでSmとは、表面の粗さ曲線要素の平均長さであり、一般に粗さ曲線の山谷平均間隔または凹凸の平均間隔と言われるものである。
Smは、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製のカラー3Dレーザー顕微鏡などを用いて、JIS B0633に準拠して測定することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させたハードコートは、良好な硬度を有する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときのJIS−K5600に従い測定された鉛筆硬度が、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
加えて、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させたハードコートは、良好な透明性を有する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときの全光線透過率とヘイズは、全光線透過率が85%以上、好ましくは90%以上であり、ヘイズは2.0%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%未満である。
全光線透過率(Tt(%))は、硬化物に対する入射光強度(T0)と硬化物を透過した全透過光強度(T1)とを測定し、下記式により算出される。
Tt(%)=(T1/T0)×100
なお、全光線透過率の測定は、例えば濁度計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
ヘイズは、JIS K7136に準拠して、下記式より算出することができる。
H(%)=(Td/Tt)×100
H:ヘイズ(曇価)(%)
Td:拡散透光率(%)
Tt:全光線透過率(%)
なお、ヘイズの測定は、例えば濁度計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
<ロール状フィルム積層体>
本発明のフィルム積層体は、巻回してロール状にした場合に、良好なアンチブロッキン
グ性が発揮され、このような態様に好ましく適用される。
このようなロール状フィルム積層体は、基材フィルム上に本発明ハードコートを形成し、ロール状に巻き付けていくことにより製造される。
<表示装置>
本発明は、さらに、本発明の積層体フィルムと、光源とを含む表示装置に関する。この場合、積層体フィルムに含まれる基材は透光性基材であることが望ましい。また、光源は、基材の背面、すなわち基材の微細凹凸層とは反対側の面に配置され、そこから基材に向けて光を照射することが好ましい。
透光性基材としては、上記基材のなかでも、透光性のプラスチックフィルムおよびプラスチック板が好ましく、また必要に応じて、ガラスなどを使用してもよい。透光性プラスチックフィルムとしては、特に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムが好ましく、透光性プラスチック板としては、特に、アクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板が好ましい。透光性基材として、PETフィルムを使用するのが強度などの点から好ましい。なお、透光性基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
上記フィルム積層体と組み合わせることのできる光源としては、光を発することのできるものであれば特に限定はないが、例えば、光源としては、発光ダイオード、冷陰極管、熱陰極管、ELなどが挙げられる。本発明の表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。また、光源として、液晶モジュール、バックライトユニットなどを使用してもよい。
光透過性部材として、各種の光透過性板、光透過性フィルムなどを使用することができる。光透過性板として、例えば強化ガラス、アクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。光透過性フィルムとして、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムなどが挙げられる。光透過性部材として、アクリル板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、強化ガラスを用いるのがより好ましい。なお、光透過性部材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
液晶モジュールとする場合には、上記光源を含み、さらに、その上に偏光板/液晶セル/偏光板がこの順に配置された構成を有するものである。液晶セルは、一般に液晶表示装置に用いられているものならば特に制限されない。例えば、TN(Twisted Ne
matic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Ali
gnment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどを挙げることができる。
本発明の表示装置は、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオードディスプレイ)、ELD(エレクトロルミネセンスディスプレイ)、VFD(蛍光ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などといった、フラットパネルディスプレイに適用することができる。また、本発明の表示装置の作製に使用することのできる本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、アンチブロッキング性に加えて、耐候性をも有するので、これらの表示装置の屋外での使用が可能となる。例えば、広告などの情報掲示を目的としたパネルディスプレイとして屋外または半屋外に設置することが可能となる。
また、本発明の表示装置の屋外または半屋外での用途としては、タッチパネルが挙げられ、これは、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有し、例えば、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館およびデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、携帯電話、鉄道車両のモニタ装置などにおいて有用である。
<本発明が効果を奏する理由>
本願発明が効果を奏する理由は、未だ明らかではないが、以下のように推察される。
すなわち、本願発明の構成をもつことで、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させた際に、第一成分、例えば、側鎖に水素結合性基を有する (メタ)ア
クリロイル共重合体などのアクリル樹脂が相分離により塗布表面に析出する。これにより、第一成分が塗布表面に微細な凹凸を形成する際、例えば、水素結合性基と同様に親水性であるポリエーテル変性シリコーンオイルが第一成分の相分離を阻害することなく塗布表面に偏析する。これにより、塗膜の表面エネルギーを低下し、表面凹凸に加えて滑り性を付与できるため、アンチブロッキング性がより向上しているものと推察される。
以下、実施例による具体的な態様により本発明を詳細に説明するが、本発明が実施例の態様のみに限定されないことは言うまでもない。
<合成例1>
(A−1) 樹脂Aの合成方法
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル157.3g、グリシジルメタクリレート98.0g、メチルメタクリレート1.0g、エチルアクリレート1.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.9g、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0gを入れ、65℃で3時間反応させた。
その後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加え3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル138.1g、p−メトキシフェノール0.45gを加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸50.7g、及びトリフェニルホスフィン3.08gを添加して、1
10℃で6時間反応させることで、アクリロイル基とメトキシシリル基を有する、重量平均分子量20,000でアクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)4.47mmol/g、2級水酸基を4.47mmol/g含む樹脂(A−1)を得た。なお、樹脂(A−1)のSP値は17.8であった。
<合成例2>
(A−2) 樹脂A−1で表面修飾されたコロイダルシリカの合成方法
四つ口のフラスコに、合成例1で得た(メタ)アクリロイル共重合体(A−1)3.75重量部に(C−1)コロイダルシリカ(日産化学製:MEK−ST(平均一次粒子径1
0〜15nm))1.25重量部を投入し、シランカップリング反応の触媒としてアセチ
ルアセトンアルミニウムを0.005重量部加え、70℃で4時間反応を行い、樹脂(A−1)で表面修飾されたコロイダルシリカを調製した。
<実施例1>
四つ口のフラスコに、第1成分として、(A−2)樹脂A−1で表面修飾されたコロイダルシリカを5.0重量部、次いで、第2成分として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値12.1)95.0重量部に、第3成分としてBYK300を0.5重量部配合したのち、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)を5重量部加え、メチルエチルケトン157.5重量部加えることで、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例2>
第3成分としてBYK302を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例3>
第3成分としてBYK306を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例4>
第3成分としてBYK307を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例5>
第3成分としてBYK331を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例6>
第3成分としてBYK333を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例7>
第3成分としてBYK337を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例8>
第3成分としてBYK342を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例9>
第3成分としてBYK378を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例10>
第3成分としてBYK−UV3510を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例11>
第3成分としてBYK325を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例12>
第3成分としてBYK377を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例13>
第3成分としてBYK−UV3500を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例14>
第3成分としてBYK345を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例15>
第3成分としてBYK349を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例16>
第3成分としてBYK3455を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例17>
第3成分としてBYK3530を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例18>
第3成分としてシルフェイス SAG001を0.5重量部とした以外は実施例1と同
様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例19>
第3成分としてシルフェイス SAG005を0.5重量部とした以外は実施例1と同
様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例20>
第一成分として、(A−1)樹脂A−1を5.0重量部とした以外は実施例6と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例1>
第3成分としてBYK310を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例2>
第3成分としてBYK313を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例3>
第3成分としてBYK315を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例4>
第3成分としてBYK322を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エ
ネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例5>
第3成分としてBYK323を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例6>
第3成分としてBYK371を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例7>
第3成分としてBYK−UV3570を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例8>
第3成分を配合しない以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
次に、上記実施例1〜20、及び比較例1〜8で得られた活性エネルギー線硬化性組成物に対し、以下の塗布工程、硬化工程を経ることで、成形体を得た。
<塗布工程>
活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ188μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ値 0.8%;三菱化学ポリエステル社製 商品名:ダイアホイルT300E)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が2〜3μmとなるように塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した。
<硬化工程>
活性エネルギー線硬化性組成物の塗布されたPETフィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下15cmの位置で、アイグラフィック社製EYE UV METER UVPF−A1、PD365を使用して積算光量200mJ/cmとなるようにUVを照射して、硬化膜を得た。
得られた硬化膜に対し、評価試験を行った。その結果を表1に示す。なお、評価方法は以下のとおりである。
<塗膜外観>
得られた硬化膜の塗膜外観を目視で観察し、以下の基準で評価を行った。
塗膜表面に欠陥が100個/500cm以上又は大きな欠陥あり:1
塗膜表面に欠陥が100個/500cm未満:2
塗膜表面に欠陥が50個/500cm以下:3
塗膜表面に欠陥が30個/500cm以下:4
塗膜表面に欠陥が20個/500cm以下:5
塗膜表面に欠陥が10個/500以下:6
※本発明では、評価結果の数値が大きいものほど効果があるものである。
<液外観>
得られた塗液を目視で観察し、以下の基準で評価を行った。
塗液が濁る:×
塗液が透明:○
<透明性(ヘイズ値)>
得られた硬化膜を23℃、相対湿度60%の恒温室に12時間放置した後、硬化膜の透明性をJIS K−7105に従ってヘイズ値(H%)で評価し、PETフィルムのヘイ
ズ値(H%)を差し引くことで、硬化膜のヘイズ値(H%)を求め、以下の基準で評価を行った。
0.5未満:○
0.5〜1.0未満:△
1.0以上:×
<耐ブロッキング性>
硬化後の活性エネルギー線硬化性組成物によりコートされた基材を2枚用意し、23℃、相対湿度60%下で塗工面同士を重ね合わせ、指圧にて約1kgの荷重を負荷した後、塗工面同士が易滑性を有しているかを確認し、以下の基準で耐ブロッキング性の評価をした。
容易にずらすことができるもの:○
ずらすことは可能であるが音が鳴るもの:△
塗工面同士が密着して塗工面同士をずらすことが出来ない場合:×
Figure 0006065608
上記の測定結果から、塗膜外観が2以下、液外観が×、ヘイズが×、AB性が×のいずれかの結果となったものを不合格とし、それ以外を合格とした。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物によりコートされたフィルムは、フィルム同士
が接触した際に生じるブロッキングの発生を抑制することができる。このため、予期せぬブロッキングによるフィルムの損傷などを回避することができ、巻回ロールによる保管などをする際に有利である。

Claims (12)

  1. 少なくとも一種以上の樹脂からなる第一成分、
    少なくとも一種以上の(メタ) アクリロイル基を含有するモノマー若しくはオリゴマ
    ーからなる群から選択される第二成分、
    および少なくとも一種以上のポリエーテル変性シリコーンオイルからなる第三成分を含有し、
    第一成分である樹脂が、アクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)が、1mmol/g以上、10mmol/g以下、かつ、2級水酸基当量が、1mmol/g以上、10mmol/g以下である(メタ)アクリロイル共重合体であり、
    第二成分である少なくとも一種以上の(メタ) アクリロイル基を含有するモノマー若
    しくはオリゴマーが、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、
    前記(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、前記多官能(メタ)アクリレートのSP値よりも1.0以上高い
    活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. さらに平均一次粒子径1μm以下の無機粒子を含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、前記(メタ)アクリロイル共重合体を1〜20重量部含み、前記多官能(メタ)アクリレートを75〜98.5重量部含み、前記無機粒子を0.5〜5重量部含む請求項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(メタ)アクリロイル共重合体は、重量平均分子量が1000以上100,000以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 前記(メタ)アクリロイル共重合体の有する水酸基の由来が、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応によるもので、且つ、前記(メタ)アクリロイル共重合体を構成するモノマー全量のうち、オキシラン骨格を持つモノマーが80重量%以上である請求項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応が(メタ)アクリル酸の付加反応
    である請求項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が14.0以上、20.0以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  8. 前記多官能(メタ)アクリレートのSP値が8.0以上で、13.0以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  9. 前記多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む請求項1〜のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化組成物を硬化させてなるハードコートフィルム。
  11. 請求項1に記載のハードコートフィルムを他の樹脂フィルムと積層させてなるフィルム積層体。
  12. 請求項1に記載のフィルム積層体をロール状に巻回してなるロール状フィルム積層体。
JP2013012206A 2012-03-30 2013-01-25 活性エネルギー線硬化性組成物 Active JP6065608B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013012206A JP6065608B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 活性エネルギー線硬化性組成物
TW102111658A TWI510542B (zh) 2012-03-30 2013-03-29 活性能量射線硬化性樹脂組成物、積層體及捲筒狀積層體
CN201380018517.7A CN104204013B (zh) 2012-03-30 2013-03-29 活性能量射线固化性树脂组合物、层积体和卷状层积体
KR1020147028056A KR102088640B1 (ko) 2012-03-30 2013-03-29 활성 에너지 선 경화성 수지 조성물, 적층체 및 롤상 적층체
PCT/JP2013/059509 WO2013147151A1 (ja) 2012-03-30 2013-03-29 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、積層体およびロール状積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013012206A JP6065608B2 (ja) 2013-01-25 2013-01-25 活性エネルギー線硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014141617A JP2014141617A (ja) 2014-08-07
JP6065608B2 true JP6065608B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=51423183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013012206A Active JP6065608B2 (ja) 2012-03-30 2013-01-25 活性エネルギー線硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6065608B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015034193A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 三菱化学株式会社 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、ハードコートフィルム及びフィルム積層体
JP2015091943A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 三菱化学株式会社 硬化性組成物

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6098225B2 (ja) * 2013-02-26 2017-03-22 三菱化学株式会社 積層体およびロール状積層体
JP6645316B2 (ja) * 2016-03-29 2020-02-14 三菱ケミカル株式会社 硬化性組成物、硬化物及び積層体
JP7219642B2 (ja) * 2019-03-14 2023-02-08 三菱ケミカルインフラテック株式会社 アクリル系樹脂組成物、硬化物、塗料、塗膜及び土木建築用被覆材

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009013384A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Nippon Paint Co Ltd 易滑性アンチブロッキング光硬化性樹脂組成物、それを基材上に被覆硬化したアンチブロッキング性構造体およびその製法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015034193A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 三菱化学株式会社 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、ハードコートフィルム及びフィルム積層体
JP2015091943A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 三菱化学株式会社 硬化性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014141617A (ja) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI409306B (zh) Hard coating
JP6331725B2 (ja) 積層体
JP4746863B2 (ja) 防眩性ハードコート層形成用材料及び防眩性ハードコートフィルム
JP6331726B2 (ja) 積層体
KR102088640B1 (ko) 활성 에너지 선 경화성 수지 조성물, 적층체 및 롤상 적층체
JP2010163535A (ja) アンチブロッキング性硬化性樹脂組成物、アンチブロッキング性ハードコートフィルム、アンチブロッキング性層状構造体、アンチブロッキング性層状構造体を含む表示装置およびそれらの製造方法
JP6065608B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物
JP2015531021A (ja) ハードコーティング組成物
TW201634597A (zh) 硬塗覆組合物及使用其之硬塗膜
TWI542466B (zh) An optical laminate, a polarizing plate, and an image display device
JP2009013384A (ja) 易滑性アンチブロッキング光硬化性樹脂組成物、それを基材上に被覆硬化したアンチブロッキング性構造体およびその製法
WO2013146482A1 (ja) ハードコーティング組成物および高屈折率アンチブロッキング層形成組成物
JP7193050B2 (ja) 光学積層体
JP6317873B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物
TWI389798B (zh) 抗反射薄膜
JP6098225B2 (ja) 積層体およびロール状積層体
CN111093984A (zh) 层叠体、偏振片及图像显示装置
JP5925012B2 (ja) 高屈折率アンチブロッキング層形成組成物
JP6364719B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、ハードコートフィルム及びフィルム積層体
JP6187099B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、ハードコートフィルム及びフィルム積層体
KR20160066917A (ko) 하드코팅층 형성용 조성물, 이를 이용한 하드 코팅 필름 및 이를 포함하는 화상표시장치
JP2020032619A (ja) 積層体
JP2018072588A (ja) ハードコートフィルム及び硬化性組成物
JP6894835B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及び硬化物
JP2014193943A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、コート剤およびそれを硬化して得られる層を含むフィルム、シートおよび成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6065608

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350