JP7219642B2 - アクリル系樹脂組成物、硬化物、塗料、塗膜及び土木建築用被覆材 - Google Patents
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Description
アクリル系樹脂組成物の消泡性及び塗装外観を向上させる目的でシリコーン系及びアクリル系等の表面調整剤を配合することがある。しかし、パラフィンワックスを配合しているアクリル系樹脂組成物では、パラフィンワックスとの相溶性が低いシリコーン系表面調整剤は使用されず、相溶性の高いアクリル系の表面調整剤が使用されていた。
例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体及び/又は(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)、ワックス、並びに三級アミンを含むシラップ組成物と、有機過酸化物と、骨材と、アクリル系のレベリング剤(表面調整剤)として、特定の測定方法により測定される表面張力低減率が5~30%である(メタ)アクリル系重合体(X)とを含む樹脂配合物(アクリル系樹脂組成物)が記載されている(請求項1)。
そこで、本発明は、耐汚染性に優れた硬化物を得られるアクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、硬化物、塗料、塗膜及び土木建築用被覆材を提供することも目的とする。
[1](メタ)アクリロイル基を有する単量体(A)、(メタ)アクリロイル系重合体及び(メタ)アクリロイル基を有する重合体からなる群から選択される少なくとも1つの重合体(B)、下記式(1)により求められる表面張力低減率が10%以下である、シロキサン骨格を有する表面調整剤(C)、パラフィンワックス(D)、並びに還元剤(E)を含むアクリル系樹脂組成物。
表面張力低減率(%)={(a1-a2)/a1}×100 ・・・(1)
式(1)中、a1はメタクリル酸メチル由来の単量体単位/メタクリル酸n-ブチル由来の単量体単位の質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移点が65℃である、メタクリル酸メチルとメタクリル酸n-ブチルの共重合体20質量部と、メタクリル酸メチル80質量部とからなる組成物(X)の表面張力である。a2は前記組成物(X)100質量部に表面調整剤(C)0.5質量部を配合した組成物(Y)の表面張力である。
[2]前記表面調整剤(C)の表面張力低減率が5%以下である、[1]に記載のアクリル系樹脂組成物。
[3]さらに硬化剤(F)を含む、[1]又は[2]に記載のアクリル系樹脂組成物。
[4][3]に記載のアクリル系樹脂組成物を硬化した硬化物。
[5][1]又は[2]に記載のアクリル系樹脂組成物を含む塗料。
[6]さらに硬化剤(F)を含む、[5]に記載の塗料。
[7][6]に記載の塗料を硬化した塗膜。
[8][4]に記載の硬化物又は[7]に記載の塗膜からなる土木建築用被覆材。
また、本発明は、硬化物、塗料、塗膜及び土木建築用被覆材を提供する。
本発明において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの総称であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称である。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、単量体(A)、重合体(B)、表面調整剤(C)、パラフィンワックス(D)、及び還元剤(E)を含む。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物は、硬化剤(F)をさらに含んでもよい。
本発明のアクリル系樹脂組成物が含む各成分について以下に説明する。
単量(A)は(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。
本発明のアクリル系樹脂組成物中の単量体(A)の含有量を調整することによって、本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度、並びに本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の機械的強度及び引火点温度を調節できる。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、単量体(A)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
単量体(A)は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体であれば特に限定されないが、例えば、分子中に1個のアクリロイル基を有する単量体又は分子中に2個以上のアクリロイル基を有する単量体である。
以下、分子中に1個のアクリロイル基を有する単量体及び分子中に2個以上のアクリロイル基を有する単量体について説明する。
分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の具体例を以下に記載するが、単量体(A)はこれらに限定されるものではない。
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート及びブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート。
(メタ)アクリル酸。
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸モノエステル及び2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピル-フタル酸モノエステル等のカルボキシ基を有する(メタ)アクリレート。
2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール変性(メタ)アクリレート。
2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの6-ヘキサノリド付加重合物と無水リン酸との反応生成物等のリン酸エステル系重合性単量体。
(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド及びN,N-ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系重合性単量体。
スチレン及びα-メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体。
アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体。
酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体。
テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のヒドロフラン環を有する(メタ)アクリレート。
ピラニル(メタ)アクリレート等のピラン環を有する(メタ)アクリレート。
分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の具体例を以下に記載するが、単量体(A)はこれらに限定されるものではない。
単量体(A)としては、上述した分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の中でも、硬化物の切断時引張強さ及び切断時伸びが高くなる点から、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロテンタニルメタクリレート及びジシクロペンテニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明のアクリル系樹脂組成物中の単量体(A)の含有量は、特に限定されないが、単量体(A)及び重合体(B)の合計含有量を100質量部として、30~90質量部が好ましく、35~85質量部がより好ましく、55~80質量部がさらに好ましい。
単量体(A)の含有量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の含有量が多いほど本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さを高くでき、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の含有量が少ないほど本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時伸びの低下を抑制することができる。
重合体(B)は(メタ)アクリロイル系重合体(以下「重合体(B1)」という場合がある。)及び(メタ)アクリロイル基を有する重合体(以下「重合体(B2)」という場合がある。)からなる群から選択される少なくとも1つの重合体である。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、重合体(B)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
以下、重合体(B1)及び重合体(B2)について説明する。
重合体(B1)は、(メタ)アクリロイル系重合体であれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する単量体単位を有する単独重合体又は(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する単量体単位を有する共重合体である。
より具体的には、重合体(B1)として、(メタ)アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリレート(共)重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体及び重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体が例示される。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、重合体(B1)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法は特に限定されない。
重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法の好ましい一例を下記に示す。
第1段階の反応として、1種類以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(b1)と、後述するエステル化反応に関与する第1の官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(b2)とを共重合させて、第1の官能基を有する前駆体共重合体(B1’)を得る。
第2段階の反応として、第1の官能基とエステル化反応して結合を生成する第2の官能基及び重合性二重結合を有する単量体(b3)を前駆体共重合体(B1’)に添加する。これにより、前駆体共重合体(B1’)の第1の官能基と単量体(b3)の第2の官能基とを反応させてエステルを形成させる。エステル形成後において単量体(b3)由来の重合性二重結合は残存する。したがって、エステル形成反応により、前駆体共重合体(B1’)に重合性二重結合を導入でき、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体を得ることができる。
重合体(B1)のガラス転移点は、特に限定されないが、0℃以上が好ましく、20~105℃がより好ましい。重合体(B1)のガラス転移点が高いほど重合体(B1)の単量体(A)に対する溶解性が向上し、重合体(B1)のガラス転移点が低いほど本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さが向上する傾向がある。
本発明において、重合体(B1)のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)(EXSTAR6000 DSC6200,セイコーインスツルメンツ社製)を用いて測定したガラス転移点である。
重合体(B1)の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、5,000~200,000が好ましく、10,000~180,000がより好ましい。質量平均分子量(Mw)が高いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さが向上し、質量平均分子量(Mw)が低いほど、重合体(B)の単量体(A)への溶解性が向上する傾向がある。
重合体(B1)の質量平均分子量(Mw)は、重合体(B)をテトラヒドロフランに溶解して調製した0.4質量%溶液をゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)装置(HLC-8320GPC,東ソー社製)に100μL注入し、流量:1mL/min、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件下で測定した分子量を標準ポリスチレン換算したものである。
重合体(B2)は、(メタ)アクリロイル基を有する重合体であれば特に限定されないが、具体例として、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー及びエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。ただし、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル系重合体は、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体として重合体(B1)に包含されるため、重合体(B2)からは除かれる。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、重合体(B2)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
・ポリアルキレングリコール
上記ポリアルキレングリコールの具体例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール及びポリヘキサメチレングリコールが挙げられる。
・2価フェノールとアルキレンオキサイドとの付加反応生成物
上記2価フェノールの具体例として、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSが挙げられ、上記アルキレンオキサイドの具体例として、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが挙げられる。
・多価アルコールと多塩基酸の酸無水物との反応で得られるポリエステルポリオール
上記多塩基酸の具体例として、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸及びトリメリット酸が挙げられる。
・アルキレングリコールとラクトンとから得られるポリラクトンジオール
上記アルキレングリコールの具体例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びヘキサメチレングリコールが挙げられる。
・ジオールとカーボネート化剤との反応で得られるポリカーボネートジオール
上記ジオールの具体例として、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール及びシクロヘキサンジメタノールが挙げられ、上記カーボネート化剤の具体例として、ホスゲン及びジメチルカーボネートが挙げられる。
・ジイソシアネート
上記ジイソシアネートの具体例として、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが挙げられる。
・イソシアネートと、水及び/又はトリメチロールプロパンとのアダクト化合物
・イソシアネートの三量体環化化合物
・水酸基含有(メタ)アクリレート
上記水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例として、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造において、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、水酸基及び(メタ)アクリロイル基以外のビニル基を有する化合物(アリル基含有アルコール等)とを併用してもよい。この場合、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基に加えて、水酸基及びビニル基を有する化合物由来のビニル基を有する。
上記アリル基含有アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル及びペンタエリスリトールトリアリルエーテルが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度の点から、30,000以下が好ましい。
質量平均分子量(Mw)が高いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、質量平均分子量(Mw)が低いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物を製造する際に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの単量体(A)への溶解性が向上する傾向がある。
なお、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの質量平均分子量は、上述した重合体(B1)の質量平均分子量(Mw)の測定方法により測定したものである。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基と複数のエステル結合とを有する化合物である。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、多塩基酸及び多価アルコールを反応させて得られたポリエステルと、その末端水酸基又はカルボキシ基とエステル結合が可能な官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて製造することができる。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を含む単量体成分との反応物である。
重合体(B)としては、アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリレート(共)重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー及びエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等からなる群から選択される1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明のアクリル系樹脂組成物中の重合体(B)の含有量は、特に限定されないが、単量体(A)及び重合体(B)の合計含有量を100質量部として、1~70質量部が好ましく、5~65質量部がより好ましく、10~60質量部がさらに好ましい。
重合体(B1)の含有量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さが向上する傾向がある。また、重合体(B1)の含有量が少ないほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
重合体(B2)の含有量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上する傾向がある。また、重合体(B2)の含有量が少ないほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
表面調整剤(C)は、表面張力低減率が10%以下であり、シロキサン骨格を有する。表面調整剤(C)は、本発明のアクリル系樹脂組成物を用いて形成される塗膜のレベリング性を向上させる成分である。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、表面調整剤(C)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
表面調整剤(C)の表面張力低減率は以下の式(1)により求められる。
表面張力低減率(%)={(a1-a2)/a1}×100 ・・・(1)
式(1)中、a1はメタクリル酸メチル由来の単量体単位/メタクリル酸n-ブチル由来の単量体単位の質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移点が65℃である、メタクリル酸メチルとメタクリル酸n-ブチルの共重合体20質量部と、メタクリル酸メチル80質量部とからなる組成物(X)の表面張力であり、a2は前記組成物(X)100質量部に表面調整剤(C)0.5質量部を配合した組成物(Y)の表面張力である。
上述した方法で測定される表面張力低減率は10%以下であり、5%以下であることが好ましい。表面張力低減率が10%を超えると、本発明のアクリル系樹脂組成物を塗装したときにパラフィンワックスをはじいてしまうため、充分な空気遮断効果が得られず、表面硬化性が著しく悪くなり、さらに揮発性の高い単量体(A)が揮発してしまう傾向にある。
表面調整剤(C)は、式(1)で求められる表面張力低減率が10%以下であり、シロキサン骨格を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエーテル鎖などの親水性高分子鎖及びポリシロキサン鎖をアクリル骨格に付加したもの、アラルキル基、ポリエーテル鎖又はポリエステル鎖で変性したポリメチルアルキルシロキサン、及びアクリル基を有する変性ジメチルシロキサンが挙げられる。
表面調整剤(C)の具体例は、ビックケミー・ジャパン社製のBYK-315N、BYK-320、BYK-3565、BYK-322、BYK-325、BYK-326、BYK-UV3576及びBYK-323等の市販の表面調整剤であるが、これらに限定されるものではない。
本発明のアクリル系樹脂組成物中の表面調整剤(C)の含有量は、特に限定されないが、単量体(A)及び重合体(B)の合計含有量を100質量部として、0.001~10質量部が好ましく、0.005~10質量部がより好ましく、0.01~5質量部がさらに好ましい。
表面調整剤(C)の含有量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の耐汚染性を向上させることができる。また、表面調整剤(C)の含有量が少ないほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物のリコート性を向上させることができる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、空気中の酸素により表面の硬化が阻害されることがある。硬化の阻害を抑制するため、本発明のアクリル系樹脂組成物は、パラフィンワックスを含む。
パラフィンワックスの融点は、特に限定されないが、40℃~80℃が好ましい。パラフィンワックスの融点が高いほど、充分な空気遮断作用が得られるので、本発明のアクリル系樹脂組成物の表面硬化性を向上させることができる。また、パラフィンワックスの融点が低いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物を調製する際、パラフィンワックスと他の成分との溶解性が良好となる。
パラフィンワックス(D)の具体例は、日本精蝋社製のパラフィン115(融点47℃、以下「P-115」と表記する場合がある。)、パラフィン130(融点55℃、以下「P-130」と表記する場合がある。)及びパラフィン150(融点66℃、以下「P-150」と表記する場合がある。)等であるが、これらに限定されるものではない。
パラフィンワックス(D)としては、表面硬化性を向上させる点で、有機溶剤に分散したワックスを使用してもよい。パラフィンワックス(D)が有機溶剤に分散状態にあり、分散状態のワックスの粒子径が0.1~50μmに微粒子化されていると、空気遮断作用をより発揮しやすくなる。有機溶剤に分散されたパラフィンワックス(D)は市販されており、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のBYK-S780(パラフィンワックス10質量%の石油ナフサ分散液、以下「S780」と表記する場合がある。)等が挙げられる。有機溶剤に分散されたパラフィンワックス(D)の市販品をそのまま配合してもよい。
パラフィンワックス(D)は、温度が変化した場合でも、充分な空気遮断作用が得られ、本発明のアクリル系樹脂組成物の良好は表面硬化性が維持できることから、融点の異なる2種類以上を併用することが好ましい。融点の異なる2種類以上のパラフィンワックス(D)を併用する際には、融点の差が5℃~20℃程度のものを併用することが好ましい。
本発明のアクリル系樹脂組成物中のパラフィンワックス(D)の含有量は、特に限定されないが、単量体(A)及び重合体(B)の合計含有量を100質量部として、0.001~10質量部が好ましく、0.01~10質量部がより好ましく、0.01~5質量部がさらに好ましい。
パラフィンワックス(D)の含有量が0.001質量部以上であると、良好な空気遮断性が得られ、本発明のアクリル系樹脂組成物の表面硬化性がより向上する傾向がある。また、パラフィンワックス(D)の含有量が10質量部以下であると、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の物性がより向上する傾向がある。
還元剤(E)は、後述する硬化剤(F)と組み合わせることにより、レドックス系重合開始剤として機能する。すなわち、還元剤(E)が後述する硬化剤(F)を還元してラジカルを発生させ、発生したラジカルが単量体(A)及び重合体(B)のラジカル重合を進行させるので、本発明のアクリル系樹脂組成物を速やかに硬化させることができる。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、還元剤(E)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
還元剤(E)は、特に限定されないが、例えば、ピリジン、脂肪族アミン、複素環式アミン、芳香族アミン、金属石鹸及びチオ尿素化合物が挙げられる。
・脂肪族アミン
上記脂肪族アミンの具体例として、トリエタノールアミン及びジエチレントリアミンが挙げられる。
・複素環式アミン
上記複素環式アミンの具体例として、フェニルモルホリン及びピペリジンが挙げられる。
上記芳香族アミンの例として、アニリン、アニリン誘導体、p-トルイジン、m-トルイジン、N-置換-p-トルイジン、N,N-置換-p-トルイジン及び4-(N,N-置換アミノ)ベンズアルデヒドが挙げられる。
上記アニリン誘導体の具体例としては、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アニリン及びジエタノールアニリンが挙げられる。
上記N-置換-p-トルイジンの具体例としては、N-エチル-m-トルイジンが挙げられる。
上記N,N-置換-p-トルイジンの具体例としては、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン又はN,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンのエチレンオキサイド付加物、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン及びN,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンのプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
上記4-(N,N-置換アミノ)ベンズアルデヒドの具体例としては、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド及び4-(N-メチル-N-ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒドが挙げられる。
上記金属石鹸の具体例として、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ネオデカン酸銅、バーサチック酸銅、ナフテン酸マンガン、2-エチルヘキサン酸コバルト、2-エチルヘキサン酸ニッケル、コバルトアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート及びバナジウムアセチルアセトネートが挙げられる。
上記チオ尿素化合物の具体例として、チオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’-ジメチルチオ尿素、N,N’-ジエチルチオ尿素、N,N’-ジプロピルチオ尿素、N,N’-ジ-n-ブチルチオ尿素、N,N’-ジラウリルチオ尿素、N,N’-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、1-アセチル-2-チオ尿素及び1-ベンゾイル-2-チオ尿素が挙げられる。
還元剤(E)としては、芳香族アミンが好ましく、本発明のアクリル系樹脂組成物の反応性及び硬化性を高くできる点から、芳香族第三級アミンがより好ましい。
・芳香族第三級アミン
上記芳香族第三級アミンの具体例として、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン又はN,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンのエチレンオキサイド付加物、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン又はN,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンのプロピレンオキサイド付加物、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド及び4-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4-(N-メチル-N-ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒドが挙げられる。
芳香族第三級アミンのなかでも、本発明のアクリル系樹脂組成物の反応性及び硬化性をより高くできる点から、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン及びN,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンからなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なお、芳香族第三級アミンは、p(パラ)体に限定されず、o(オルト)体又はm(メタ)体であってもよい。
本発明のアクリル系樹脂組成物中の還元剤(E)の含有量は、特に限定されないが、単量体(A)及び重合体(B)の合計含有量を100質量部として、0.001~20質量部が好ましく、0.01~15質量部がより好ましく、0.1~10質量部がさらに好ましい。
還元剤(E)の含有量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。また、還元剤(E)の含有量が少ないほど、可使時間が延長され、作業性が向上する。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、さらに硬化剤(F)を含んでもよい。
硬化剤(F)は、上述した還元剤(E)と組み合わせることにより、レドックス系重合開始剤として機能する。すなわち、硬化剤(F)は、上述した還元剤(E)に還元されてラジカルを発生し、発生したラジカルが単量体(A)及び重合体(B)のラジカル重合を進行させるので、本発明のアクリル系樹脂組成物を速やかに硬化させることができる。
ただし、本発明のアクリル系樹脂組成物が硬化剤(F)を含むと、硬化が速やかに進行してしまうため、本発明のアクリル系樹脂組成物は硬化剤(F)を含まない状態で調製しておき、硬化させる直前に硬化剤(F)を添加することが好ましい。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、硬化剤(F)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
硬化剤(F)は、特に限定されないが、上述した還元剤(E)によって還元され、速やかにラジカルを発生させられることから、有機過酸化物であることが好ましい。
・ケトンパーオキサイド
上記ケトンパーオキサイドの具体例として、メチルエチルケトンパーオキサイドが挙げられる。
・パーオキシケタール
上記パーオキシケタールの具体例として、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン及び1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンが挙げられる。
・ハイドロパーオキサイド
上記ハイドロパーオキサイドの具体例として、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びp-メンタンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
・ジアルキルパーオキサイド
上記ジアルキルパーオキサイドの具体例として、ジクミルパーオキサイド及びジ-t-ブチルパーオキサイドが挙げられる。
・ジアシルパーオキサイド
上記ジアシルパーオキサイドの具体例として、ジラウロイルパーオキサイド及びジベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
・パーオキシジカーボネート
上記パーオキシジカーボネートの具体例として、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート及びジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートが挙げられる。
・パーオキシエステル
上記パーオキシエステルの具体例として、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート及びt-ブチルパーオキシベンゾエートが挙げられる。
還元剤(E)と硬化剤(F)の組合せとしては、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化性がより優れることから、還元剤(E)として芳香族第三級アミンを使用し、硬化剤(F)としてジベンゾイルパーオキサイドを使用することが好ましい。
本発明のアクリル系樹脂組成物中の硬化剤(F)の含有量は、特に限定されないが、単量体(A)、重合体(B)、表面調整剤(C)及びパラフィンワックス(D)の合計含有量を100質量部として、0.1~10質量部が好ましく、0.3~8質量部がより好ましく、0.5~6質量部がさらに好ましい。
硬化剤(F)の含有量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。また、本発明のアクリル系樹脂組成物における(E)成分の含有量が少ないほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の引張強さを向上させることができる。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物を硬化剤(F)を含まない状態で調製しておき、硬化させる直前に硬化剤(F)を添加する場合の硬化剤(F)の添加量は、特に限定されないが、単量体(A)及び重合体(B)の合計含有量を100質量部として、0.1~10質量部が好ましく、0.3~8質量部がより好ましく、0.5~6質量部がさらに好ましい。
硬化剤(F)の添加量が多いほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。また、硬化剤(F)の添加量が少ないほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の引張強さを向上させることができる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、単量体(A)及び重合体(B)以外のラジカル重合性化合物(以下「その他の重合性化合物」という場合がある。)を含んでもよい。
なお、本発明のアクリル系樹脂組成物において、その他の重合性化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明のアクリル系樹脂組成物がその他の重合性成分を含むと、本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度及び本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の硬度をより調整しやすくなることがある。
その他の重合性化合物の含有量が少ないほど、本発明のアクリル系樹脂組成物の臭気が低減する傾向がある。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、単量体(A)、重合体(B)、表面調整剤(C)及びその他の重合性化合物以外の成分(以下「その他の成分」という場合がある。)を含んでもよい。
その他の成分としては、例えば、表面調整剤(C)以外の表面調整剤、ゴム、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、揺変剤、重合禁止剤、シランカップリング剤及びホルマリンキャッチャー剤等の各種添加剤、並びに熱重合開始剤及び光重合開始剤などのラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記表面調整剤(C)以外の表面調整剤の具体例は、楠本化成社製ディスパロンシリーズ(商品名:OX-880EF、OX-881、OX-883、OX-77EF、OX-710、OX-8040、1922、1927、1950、P-410EF、P-420、P-425、PD-7、1970、230、230HF、230EF、LF-1980、LF-1982、LF-1983、LF-1984及びLF-1985)、並びにビックケミー・ジャパン社製「BYK-052」及び「BYK-1752」である。
本発明のアクリル系樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、単量体(A)、重合体(B)、表面調整剤(D)、パラフィンワックスD)及び還元剤(E)を混合してシラップ状混合液を調製する方法が挙げられる。なお、シラップ状混合液の調製の際には、必要に応じてその他の重合性化合物及び/又はその他の成分を混合することができる。
これらの成分を加熱混合する場合は、相溶性が良好となり、より均一に混合できる観点から、40~100℃の加熱下で混合することが好ましく、混合の撹拌時間は0.1~5時間の範囲内が好ましい。
本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度は、特に限定されないが、1~3,000mPa・sが好ましく、1~2000mPa・sがより好ましく、1~1500mPa・sがさらに好ましく、10~1000mPa・sが特に好ましい。
なお、上記粘度は、23℃においてB型粘度計を用いた回転速度60rpmの測定値である。
本発明のアクリル系樹脂組成物の粘度が上記範囲内であると、塗工における作業性がより良好となる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、上述した表面調整剤(C)を含むことにより、本発明のアクリル系樹脂組成物の硬化物の耐汚染性が優れたものとなる。
従来、シリコーン系表面調整剤は、パラフィンワックスを配合しているアクリル系樹脂組成物との相溶性が低いため、塗膜にパラフィンワックスのハジキが発生するので用いられていなかった。しかし、本発明のアクリル系樹脂組成物は、適度な表面張力低減率を有するシリコーン系表面調整剤を選択することによって、パラフィンワックスのハジキがなく、良好な塗膜が得られる。さらに、その塗膜はシリコーン系表面調整剤の特長である良好なスリップ性を有し、汚染物質を塗膜表面に付着させにくくなると考えられる。
本発明の硬化物は、上述した本発明のアクリル系樹脂組成物を硬化したものである。
本発明の硬化物は、例えば、硬化剤(F)を含まない状態で調製した本発明のアクリル系樹脂組成物に硬化剤(F)を混合することにより製造できる。
本発明のアクリル系樹脂組成物に硬化剤(F)を混合した後は、硬化反応が終了するまで、混合物を静置することが好ましい。
静置する際の雰囲気温度(静置温度)は、特に限定されないが、適度な硬化性が得られる点から、-20~50℃が好ましく、-10~45℃がより好ましく、0~40℃がさらに好ましい。また、静置時間は、特に限定されないが、雰囲気温度、還元剤(E)の含有量及び硬化剤(F)の含有量に応じて適宜選択すればよい。例えば、静置温度を-20~50℃にする場合には、静置時間を0.5~48時間の範囲とすれば、硬化反応はほぼ終了する。
本発明の塗料は、上述した本発明のアクリル系樹脂組成物を含む。ここで、本発明のアクリル系樹脂組成物は、硬化剤(F)を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。硬化剤(F)を含んでいない場合には、硬化剤(F)を混合することにより、硬化させることができる。
本発明の塗料は、硬化剤(F)を含まない状態の主剤と、硬化剤(F)を含む硬化剤とを含む、2液型の態様で提供されてもよいし、使用者が硬化剤を準備することとして、主剤のみの態様で提供されてもよい。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、硬度及び耐衝撃性に優れる硬化物が得られるため、塗料に好適である。
上記骨材は、特に限定されないが、例えば、砂、硅砂、川砂、寒水石、エメリー、大理石、炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、マイカ、タルク、炭化珪素粉、窒化珪素粉、窒化ほう素粉、アルミナ、スラグ、ガラス粉末、セラミック骨材、陶器屑、着色骨材及び中空粒子が挙げられる。
なお、本発明の塗料において、骨材は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記顔料は、特に限定されないが、例えば、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
上記有機顔料の具体例としては、アゾ顔料及びフタロシアニン顔料が挙げられる。
上記無機顔料の具体例としては、セラミック顔料、酸化鉄及び酸化チタンが挙げられる。
なお、本発明の塗料において、顔料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記道路用塗料の具体例としては、滑り止め用塗料、排水性塗料、遮熱塗料、道路マーキング用塗料及び床版防水工法用塗料が挙げられる。
上記土木建築用塗料の具体例としては、壁面用塗料、床用塗料、屋根用塗料、橋梁用塗料、プラント用塗料、鉄構造物用塗料及びコンクリート用塗料が挙げられる。
本発明の塗膜は、上述した本発明の塗料を硬化したものである。
本発明の塗膜は、例えば、硬化剤(F)を含まない状態で調製した本発明の塗料に硬化剤(F)を混合したものを塗工することにより製造できる。
本発明の塗料に硬化剤(F)を混合した後は、硬化反応が終了するまで、塗膜を静置することが好ましい。
静置する際の雰囲気温度(静置温度)は、特に限定されないが、適度な硬化性が得られる点から、-20~50℃が好ましく、-10~45℃がより好ましく、0~40℃がさらに好ましい。また、静置時間は、特に限定されないが、雰囲気温度、還元剤(E)の含有量及び硬化剤(F)の含有量に応じて適宜選択すればよい。例えば、静置温度を-20~50℃にする場合には、静置時間を0.5~48時間の範囲とすれば、硬化反応はほぼ終了する。
本発明の土木建築用被覆材は、上述した硬化物又は塗膜である。
本発明の土木建築用被覆材は、床面、壁面又は道路の舗装面等の施工面の被覆材として使用することが好ましい。
本発明の土木建築用被覆材は、例えば、施工面に直接形成した被覆層、施工面に下塗り層及び上塗り層の2層を形成する場合の少なくとも一方の層に用いたり、施工面に下塗り層、中塗り層及び上塗り層の3層を形成する場合の少なくとも1つの層に用いたりすることができる。
特に、本発明の土木建築用被覆材は、耐汚染性に優れるため、上塗り層として好適に使用できる。例えば、道路の滑り止め舗装においては、骨材を配合したモルタル組成物を塗工して形成した下塗り層又は中塗り層の上に、上述した本発明の塗料を塗工し、硬化して形成した本発明の土木建築用被覆材からなる上塗り層を設けることが好ましい。ここで、上記下塗り層と上記中塗り層との間及び/又は上記中塗り層と上記上塗り層との間には、他の層が設けられていてもよい。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、上述した用途以外に、例えば、注型材料、バインダー材、接着剤、補修材又は目地材の用途にも好適に使用できる。
<ガラス転移点(Tg)>
重合体のガラス転移点(Tg)は、DSC(示差走査熱量計)(EXSTAR6000 DSC6200,セイコーインスツルメンツ社製)を用いて測定した値(単位:℃)である。
重合体の質量平均分子量(Mw)は、重合体をテトラヒドロフランに溶解して調製した0.4質量%溶液をゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)装置(HLC-8320GPC,東ソー社製)に100μL注入し、流量:1mL/min、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件下で測定した分子量を標準ポリスチレン換算して算出した。
表面調整剤の表面張力低減率は、以下の方法により求めた。
メタクリル酸メチル80質量部と、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸n-ブチルの共重合体(後述のP-1);「メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル」で表される質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移点が65℃である。)20質量部とを均一に混合して樹脂組成物(X)を調製する。
樹脂組成物(X)100質量部に、表面張力低減率を測定しようとする表面調整剤0.5質量部を添加して撹拌し、均一な樹脂組成物(Y)を調製する。
樹脂組成物(X)及び樹脂組成物(Y)を、それぞれ、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製のシャーレに適量移し、自動表面張力計(CBVP-Z,協和界面科学社製)を用いて、白金プレートにて表面張力を測定する。
以下の式(1)により、表面張力低減率を算出する。
表面張力低減率(%)={(a1-a2)/a1}×100 ・・・(1)
ただし、式(1)中、a1は樹脂組成物(X)の表面張力であり、a2は樹脂組成物(Y)の表面張力である。
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置内に、脱イオン水145質量部と、分散安定剤として、ポリビニルアルコール(ケン化度:80%、重合度:1,700)0.5質量部とを加えて撹拌した。ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、撹拌を停止し、メチルメタクリレート60質量部と、n-ブチルメタクリレート40質量部と、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部と、n-オクチルメルカプタン0.5質量部とを加えて、再度撹拌した。撹拌下で重合装置内の雰囲気を窒素置換し、70℃に昇温して重合を行った。重合発熱のピークを検出後、98℃に昇温して、さらに0.5時間反応を行い、その後、40℃に冷却して水性懸濁液を得た。得られた水性懸濁液を、目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄した。濾過物を脱水した後、40℃で20時間乾燥して、粒状の(メタ)アクリロイル系重合体(以下「P-1」という。)を得た。
GPCにより測定したP-1の質量平均分子量(Mw)は42,000であり、DSCにより測定したP-1のガラス転移点(Tg)は65℃であった。
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた重合装置内に、脱イオン水145質量部と、分散安定剤として、ポリビニルアルコール(ケン化度:80%、重合度:1,700)0.5質量部とを加えて撹拌した。ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、撹拌を停止し、メチルメタクリレート60質量部と、n-ブチルメタクリレート40質量部と、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部と、n-オクチルメルカプタン0.1質量部とを加えて、再度撹拌した。撹拌下で重合装置内の雰囲気を窒素置換し、70℃に昇温して重合を行った。重合発熱のピークを検出後、98℃に昇温して、さらに0.5時間反応を行い、その後、40℃に冷却して水性懸濁液を得た。得られた水性懸濁液を、目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄した。濾過物を脱水した後、40℃で20時間乾燥して、粒状の(メタ)アクリル系重合体(以下「P-2」という。)を得た。
GPCにより測定したP-2の質量平均分子量(Mw)は160,000であり、DSCにより測定したガラス転移点(Tg)は65℃であった。
撹拌機、温度計及び冷却管付きの1Lフラスコに、エポキシ樹脂(JER1004,三菱ケミカル社製;エポキシ当量910)61.56質量部と、メチルメタクリレート30質量部と、触媒としてトリメチルアミン0.84質量部と、重合禁止剤として2,6-ジtert-ブチル-4-メチルフェノール0.16質量部とを添加し、80℃に昇温した。次いで、ラウリン酸(ルナックL-98,花王社製)4.0質量部と、メタクリル酸3.44質量部とを追加仕込みし、10時間かけて反応を進行させた。その後、さらに、メチルメタクリレート7.6質量部を追加仕込みし、室温まで冷却を行ってエポキシメタクリレートオリゴマーのメチルメタクリレート溶液(EA-1)を得た。
この溶液のオリゴマー含有率は64%であった。
上述した表面張力低減率の測定方法に従い、樹脂組成物(X)及び樹脂組成物(Y)(表面調整剤の種類の違いにより、Y1~Y11とした。)を調製し、樹脂組成物の表面張力(単位:mN/m)を測定して、表面調整剤の表面張力低減率を算出した。
樹脂組成物(X)の表面張力は24.5(mN/m)であった。
樹脂組成物(Y1)(表面調整剤としてBYK-315Nを配合したもの)の表面張力は23.5(mN/m)であった。
これらの測定値に基づいて式(1)により算出したBYK-315Nの表面張力低減率は、
{(24.5-23.5)/24.5}×100=4.08(mN/m)
であった。
同様にして、樹脂組成物(Y2)~樹脂組成物(Y11)の表面張力を測定し、各表面調整剤の表面張力低減率を算出した。
樹脂組成物(X)及び樹脂組成物(Y1)~樹脂組成物(Y11)の表面張力の測定値を表1の「表面張力[mN/m]」の欄に、式(1)により算出した表面調整剤の表面張力低減率を表1の「表面張力低減率[%]」の欄に、それぞれ示す。
・BYK-315N ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-320 ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-3565 シリコーン及びポリエーテルのマクロマー変性アクリレート(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-322 アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-325 ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-326 ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-UV3576 アクリル基を有する変性ジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-323 アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-302 ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・BYK-UV3505 アクリル基を有する変性ジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製)
・ディスパロン230EF アクリル系表面調整剤(楠本化成社製)
<実施例1~14、比較例1~3>
撹拌機、温度計及び冷却管付きの1Lフラスコに、表2に示す配合量にて重合体P-1又は重合体P-2以外の各成分を投入した後、撹拌しながら、表2に示す配合量にて重合体P-1又は重合体P-2を投入し、65℃で2時間加熱して溶解した。重合体P-1又は重合体P-2の溶解を確認した後、冷却し、アクリル系樹脂組成物を得た。
合成したEA-1(オリゴマー含有率64%)71.5質量部を用いて、表2に示す配合量で配合し、65℃で2時間加熱して溶解した。溶液が均一になったことを確認した後、室温まで冷却し、エポキシメタクリレートオリゴマーを45.8質量部含むアクリル系樹脂組成物を得た。
-単量体-
・MMA:メチルメタクリレート(アクリエステルM,三菱ケミカル社製)
・EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート(ブレンマーPDE150,日油社製)
・PGDMA:ポリプロピレングリコールジメタクリレート(ブレンマーPDP400N,日油社製)
・P-1:上述した方法により合成したもの(Mw 42,000;Tg 65℃)
・P-2:上述した方法により合成したもの(Mw 160,000;Tg 65℃)
・UA-1:脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL4738,ダイセルオルネクス社製)
・EA-1:上述した方法により合成したもの(オリゴマー含有率64%,表1中の配合量はオリゴマーの正味量で示す)
表1に記載したものである。
・P115:パラフィンワックス115(日本精蝋社製;融点48℃)
・P130:パラフィンワックス130(日本精蝋社製;融点55℃)
・P150:パラフィンワックス150(日本精蝋社製;融点66℃)
・PTEO:N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン(日本乳化剤社製)
・BHT:2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(H-BHT,本州化学社製)
実施例1~15及び比較例1~3のアクリル系樹脂組成物について、評価板を作製し、塗膜揮発量、塗装外観及び耐汚染性を評価した。
実施例及び比較例のアクリル系樹脂組成物100質量部に、硬化剤として、過酸化ベンゾイル2質量部を添加して硬化剤入りアクリル系樹脂組成物を調製した。
研磨面の削り粉を払い落とした後、ラジカル重合型アクリル樹脂系プライマー(XD-115,菱晃社製)を、0.3kg/m2の塗布量となるようにローラーを用いて塗布し、硬化させて、下塗り層を形成した。
硬化した表面をNo.400のサンドペーパーを用いて研磨し、削り粉を払い落として、中塗り層を形成した。
以下の式(2)により、塗膜揮発量(評価板の単位面積当たりの揮発量)を算出し、以下の評価基準に基づいて塗膜揮発量を評価した。表3の「塗膜揮発量」の欄に塗膜揮発量の結果及び評価を示す。
(塗膜揮発量の算出式)
塗膜揮発量[g/m2]=(W1-W2)/0.09・・・(2)
但し、式(2)中、W1は作製した評価板の上塗り塗膜を形成した直後の評価板の重量(W1[g])であり、W2は塗布後1日養生させて完全硬化した後の評価板の重量(W2[g])である。
(塗膜揮発量の評価基準)
○:揮発量が70g/m2未満
△:揮発量が70g/m2以上、150g/m2未満
×:揮発量が150g/m2以上
完全硬化した後の評価板を目視にてベナードセルの有無、硬化ムラの有無及び色別れの有無を観察し、以下の評価基準に基づいて評価板の塗装外観を評価した。表3の「塗装外観」の欄に評価を示す。
(評価基準)
○:ベナードセル、硬化ムラ及び色別れがいずれも無かった
×:顕著なベナードセル、硬化ムラ及び色別れが一つ以上有った
恒温槽付き小型ラベリング試験機(ニッケン社製)を用い、塗装外観の評価する際において完全硬化した上塗り塗膜を有する評価板を用いて、以下の評価条件で試験を行い、一定荷重を載荷したゴム輪を回転させたときのゴムの輪の跡を観察し、以下の評価基準に基づいて評価板の耐汚染性を評価した。表3の「耐汚染性」の欄に評価を示す。
(試験条件)
試験体駆動方式:回転速度:70rpm、回転数:1000回
載荷輪荷重:50kg ゴム硬度60のゴム輪(黒色)使用
測定温度 23℃
(評価基準)
○:上塗り塗膜にゴム輪の跡が残らない、又は、薄く残るが消しゴムで擦ると消えた
×:上塗り塗膜にゴム輪の跡がはっきりと残り、消しゴムで擦っても消えなかった
これに対し、比較例1~3のアクリル系樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、耐汚染性が望まれる水準に達していなかった。
これに対し、表面調整剤として、シロキサン骨格を有するが表面張力低減率が10%超であるものを使用した比較例1及び比較例2のアクリル系樹脂組成物から形成された上塗り塗膜は、パラフィンワックスをはじいてしまうため、揮発量が高く、塗装外観が悪かった。また、耐汚染性も悪かった。表面調整剤として、アクリル系表面調整剤を使用した比較例3の樹脂組成物から形成された上塗り塗膜は、塗装外観が優れていたが、耐汚染性が悪かった。
Claims (8)
- (メタ)アクリロイル基を有する単量体(A)、
(メタ)アクリロイル系重合体及び(メタ)アクリロイル基を有する重合体からなる群から選択される少なくとも1つの重合体(B)、
下記式(1)により求められる表面張力低減率が1.22%以上10%以下である、シロキサン骨格を有する表面調整剤(C)、
パラフィンワックス(D)、並びに
還元剤(E)を含むアクリル系樹脂組成物。
表面張力低減率(%)={(a1-a2)/a1}×100 ・・・(1)
式(1)中、a1はメタクリル酸メチル由来の単量体単位/メタクリル酸n-ブチル由来の単量体単位の質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移点が65℃である、メタクリル酸メチルとメタクリル酸n-ブチルの共重合体20質量部と、メタクリル酸メチル80質量部とからなる組成物(X)の表面張力である。a2は前記組成物(X)100質量部に表面調整剤(C)0.5質量部を配合した組成物(Y)の表面張力である。 - 前記表面調整剤(C)の表面張力低減率が5%以下である、請求項1に記載のアクリル系樹脂組成物。
- さらに硬化剤(F)を含む、請求項1又は2に記載のアクリル系樹脂組成物。
- 請求項3に記載のアクリル系樹脂組成物を硬化した硬化物。
- 請求項1又は2に記載のアクリル系樹脂組成物を含む塗料。
- さらに硬化剤(F)を含む、請求項5に記載の塗料。
- 請求項6に記載の塗料を硬化した塗膜。
- 請求項4に記載の硬化物又は請求項7に記載の塗膜からなる土木建築用被覆材。
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