JP2008207182A - 被覆層及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜部等でも必要な厚みを保持でき、更に、骨材が離脱しにくい、強度や耐剥離性を有する等の耐久性に優れた被覆層とその形成方法を目的とする。
【解決手段】本発明の被覆層は、アクリル系単量体(A)35〜65質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)20〜40質量%と、可塑剤(C)15〜25質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなる下層及び、アクリル系単量体(A)60〜85質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)15〜30質量%と、可塑剤(C)0〜10質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなる上層を有し、該下層と該上層との境界付近に骨材を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、被覆層及びその形成方法に関する。
従来、コンクリートやアスファルトなどによる床面、道路、及び壁面のコーティング剤並びに、樹脂モルタルのバインダーとして、メチルメタクリレートにアクリル重合体又はアクリル共重合体を溶解し、更に3級アミンやパラフィンワックスを添加した液状物に、過酸化ベンゾイルを硬化剤として用いる常温硬化型のシラップ組成物(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)が使用されてきた。
特開昭58−207449号公報 特開平4−96976号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているシラップ組成物は粘度が低く、これを用いて、アスファルト舗装道路の傾斜部等を塗工すると、シラップ組成物が流れてしまうため充分な厚さを有した被覆層を形成しにくいという問題があった。更に、このようにシラップ組成物が流れやすい被覆層においては、滑り止め材として含有する骨材の付着が良好でなく、その付着性を向上させることが望まれていた。
一方、特許文献2では厚塗りが可能なシラップ組成物が開示されているが、これは伸度が充分ではなく、アスファルト舗装道路等に塗工して得た被覆層の道路などへの接着性を向上させることが望まれていた。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、アスファルト舗装道路の傾斜部等でも必要な厚みを保持でき、更に、骨材が離脱しにくい、強度や耐剥離性を有する等の耐久性に優れた被覆層とその形成方法を目的とする。
本発明の被覆層は、アクリル系単量体(A)35〜65質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)20〜40質量%と、可塑剤(C)15〜25質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなる下層及び、アクリル系単量体(A)60〜85質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)15〜30質量%と、可塑剤(C)0〜10質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなる上層を有し、該下層と該上層との境界付近に骨材を含有することを特徴とする。
また、本発明の被覆層の形成方法は、基材に、アクリル系単量体(A)35〜65質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)20〜40質量%と、可塑剤(C)15〜25質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)を塗工し、次いで骨材を散布し、更にアクリル系単量体(A)60〜85質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)15〜30質量%と、可塑剤(C)0〜10質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)を塗工して、硬化した被覆層を得ることを特徴とする。
本発明の被覆層によれば、アスファルト舗装道路等の傾斜部であっても、シラップ組成物が流れることなく必要な厚みを保持でき、更に骨材の離脱量を少なくすることができ、強度や耐剥離性等の耐久性を得ることができる。
本発明の被覆層の形成方法によれば、骨材の離脱が少ない優れた被覆層を提供できる。
[被覆層]
本発明の被覆層は、下層及び上層を有し、該下層と該上層との境界付近に骨材を含有することを特徴とする。
[下層]
下層は、アクリル系単量体(A)35〜65質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)20〜40質量%と、可塑剤(C)15〜25質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなることを特徴とする。
<アクリル樹脂単量体(A)>
アクリル系単量体(A)としては、単官能アクリル系単量体、多官能アクリル系単量体が挙げられる。
単官能アクリル系単量体は、シラップ組成物(Y)の塗工作業性、並びにシラップ組成物(Y)より得られる下層の硬化性、強度等各種物性を制御することが可能な成分である。
単官能アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の窒素含有(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の非重合性の官能基を有する(メタ)アクリレート類;イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環型(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」および/または「メタクリレート」を意味する。
これら単官能アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能アクリル系単量体は、シラップ組成物(Y)の塗工作業性、並びにシラップ組成物(Y)より得られる下層の耐熱性及び強度等これら各物性を制御することが可能な成分である。
多官能アクリル系単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリス[エチルオキシ(メタ)アクリレート]、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル;部分エステル等の多官能アクリル系単量体類などが挙げられる。
これら多官能アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
下層のシラップ(X)におけるアクリル系単量体(A)の含有量は35〜65質量%であり、37〜63質量%であるとより好ましく、40〜60質量%であると更に好ましい。
含有量が35質量%以上であると、シラップ組成物(Y)の粘度が低くなって塗工作業性が良好となる。含有量が65質量%以下であると、シラップ組成物(Y)の硬化性が良好となり、かつ下層に強度を付与することが可能である。
<重合体(B)>
重合体(B)は、シラップ組成物(Y)、並びにシラップ組成物(Y)より得られる下層の粘度調整及び硬化時間の短縮を目的として配合されるものである。
重合体(B)としては、アクリル樹脂単量体(A)に可溶なものを用いる。具体的には1種のモノマーを重合させた単独重合体であっても、2種以上のモノマーを共重合させた共重合体であってもよく、アクリル系重合体などを用いることが可能である。
重合体(B)を得るためのモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
重合体(B)として好ましくは、メタクリル酸メチルの単独重合体、あるいは、メタクリル酸メチルと、ホモポリマーのガラス転移温度の低いモノマーとの共重合体が挙げられる。なお、モポリマーのガラス転移温度の低いモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルなどが挙げられる。
その他重合体(B)としては、スチレン/ブタジエン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテートブチレート樹脂、エポキシ樹脂なども使用可能である。
又、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)メタクリレートなどの(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーも任意の割合で使用できる。(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーの具体例としては、フタル酸、アジピン酸、マレイン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート、各種エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート、各種ポリオールとポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマーとの反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
下層のシラップ(X)における重合体(B)の含有量は20〜40質量%であり、20〜39質量%であるとより好ましく、22〜38質量%であると更に好ましい。含有量が20質量%以上であると、シラップ組成物(Y)の硬化性が良好となる。一方、含有量が40質量%以下であると、シラップ組成物(Y)の粘度が低くなり塗工作業性が良好となる。
<可塑剤(C)>
可塑剤(C)は、アスファルト等の舗装面へのシラップ組成物(Y)の追随性の向上を目的として配合されるものである。
可塑剤(C)としては、アクリル樹脂単量体(A)に可溶なものを用いる。
具体的には、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、アセチルクエン酸トリブチル、ポリプロピレングリコール、塩素化パラフィン;アジピン酸系、アゼライン酸系、セバチン酸系、フタル酸系のポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化油、エポキシ化脂肪酸エステル等のエポキシ系高分子可塑剤などが挙げられる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
下層のシラップ(X)における可塑剤(C)の含有量は15〜25質量%であり、15〜23質量%であるとより好ましく、16〜22質量%であると更に好ましい。含有量が15質量%以上であると、シラップ組成物(Y)の硬化物に伸度を付与することができ、基材への追随性が得られる。一方、含有量が25質量%以下であると、下層の表面に可塑剤が滲出することがない。
<ワックス(D)>
ワックス(D)は、空気遮断作用を利用した表面硬化性向上等の作用を奏する。
ワックス(D)としては、固形ワックス類が挙げられる。固形ワックス類としては、パラフィン類、ポリエチレン類、ステアリン酸等の高級脂肪酸類等が挙げられる。
ワックス(D)としては、パラフィンワックスが好ましい。パラフィンワックスは、融点の異なる2種以上を併用することが好ましい。パラフィンワックスの融点は、40〜80℃が好ましい。融点を40℃以上にすることによって、シラップ組成物を塗装硬化させた際に充分な空気遮断作用が得られ、表面硬化性が良好となる。融点を80℃以下にすることによって、シラップ組成物を製造する際、単量体(A)(好ましくは単量体(A)および重合体(B))への溶解性が良好となる。また、パラフィンワックスを併用することによって、シラップ組成物を塗装硬化させるときに、下地温度が変わったときであっても、充分な空気遮断作用が得られ、表面硬化性が良好となる。併用する際には、融点の差が5℃〜20℃程度のものを併用することが好ましい。
ワックス(D)としては、表面硬化性を向上させる点で、有機溶剤に分散したワックスを使用してもよい。ワックスが有機溶剤に分散状態にあり、微粒子化されていることにより、空気遮断作用を効果的に発現する。分散状態のワックス(D)は、市販されており、該ワックスをそのまま添加することにより、本発明のシラップ組成物を調製できる。この場合、本発明のシラップ組成物は有機溶剤も含有することになる。
分散状態のワックス(D)は、有機溶剤を全く含有せずに、重合性単量体(A)にワックス(C)が分散しているものであってもよい。
ワックス(D)の添加量は、アクリル系単量体(A)と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)と、可塑剤(C)とを含むシラップ(X)の100質量部に対して、0.1〜5質量部であり、0.1〜2質量部であるとより好ましい。
ワックス(D)の添加量が0.1質量部未満の場合、シラップ組成物を塗装硬化させた際の空気遮断作用が不十分で、表面硬化性が悪化する。ワックス(D)の添加量が5質量部を越えた場合、シラップ組成物(Y)の貯蔵安定性、ワックスの分散性が悪化する。
<その他の成分>
(3級アミン(E))
3級アミン(E)は、硬化反応を促進させる硬化促進剤である。
3級アミン(E)としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等が挙げられる。
本発明の被覆層においては、以上のような3級アミン(E)の中でも、芳香族3級アミンを用いるとより好ましい。芳香族3級アミンとしては、少なくとも1個の芳香族残基が窒素原子に直接結合しているものが好ましく、具体的には、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン;N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンまたはN,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。また、p(パラ)体に限定されず、o(オルト)体、m(メタ)体でもよい。
更に、シラップ組成物(Y)の反応性、硬化性の点から、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンを用いると特に好ましい。
3級アミン(E)は、上述した1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
3級アミン(E)の添加量は、硬化性とポットライフ(作業性)とのバランス等の点から、シラップ(X)100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.2〜8質量部がより好ましい。
3級アミン(E)の添加量を0.05質量部以上にすることによって、表面硬化性が良好となる。一方、3級アミン(E)の添加量を10質量部以下にすることによって適切な可使時間となる。
(他の効果促進剤)
硬化促進剤としては、3級アミン(E)の他に、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、アセトアセチル酸コバルト等の多価金属石鹸が挙げられる。
これらは、シラップ(X)100質量部に対して、0.2〜2質量部添加すると好ましく、0.3〜1質量部添加するとより好ましい。
(重合開始剤)
本発明のシラップ組成物(Y)を硬化させるには、硬化促進剤と硬化剤とを組み合わせたレドックス触媒を用いることが好ましい。
硬化剤としては、ラジカル重合を開始させることができる公知の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、アゾ化合物等が挙げられる。
重合開始剤としては、ジアシルパーオキサイドが好ましく、ベンゾイルパーオキサイドが特に好ましい。ベンゾイルパーオキサイドは、取扱性の点から、不活性の液体または固体によって濃度が30〜55質量%程度に希釈された液状、ペースト状または粉末状のものが好ましい。
硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤の添加量は、シラップ組成物(Y)の可使時間が5〜60分となるように適宜調整することが好ましい。該範囲で硬化剤を添加すれば、添加後すみやかに重合反応が開始され、シラップ組成物の硬化が進行する。
ベンゾイルパーオキサイドの添加量は、シラップ(X)100質量部に対して、0.25〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましい。ベンゾイルパーオキサイドの添加量を0.25質量部以上とすることにより、硬化性が良好となる傾向にある。ベンゾイルパーオキサイドの添加量を10質量部以下とすることにより、シラップ組成物の塗工作業性、得られる被覆層の各種物性が向上する傾向にある。
(シランカップリング剤)
シラップ組成物(Y)には、アスファルト舗装道路等、基材に対する接着性の安定化、接着強度の耐久性を付与する目的で、シランカップリング剤を添加してもよい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、シラップ(X)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、硬化性、コストの点から、5質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の添加量を10質量部以下にすることによって、シラップ組成物の基材への接着性の安定化を保持しつつ、表面硬化性が良好となる。
(重合禁止剤)
シラップ組成物(Y)には、貯蔵安定性の向上、重合反応の調整の目的で、重合禁止剤を添加してもよい。
重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−6−ジーt−ブチル4ーメチルフェノール等が挙げられる。
シラップ(X)100質量部に対して、重合禁止剤は0.001〜0.1質量部が好ましく、0.002〜0.08質量部がより好ましい。
(紫外線吸収剤又は耐光安定剤)
シラップ組成物(Y)には、必要に応じて紫外線吸収剤、耐光安定剤を任意の割合で添加することができる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2―ヒドロキシ−4,4’―ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノンなどの2−ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体或いは2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリイブチルフェニル)ベンゾトリアゾール或いはこれらのハロゲン化物或いはフェニルサリシレート、p−ターシャリイブチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合わせで用いても良い。
一方、耐光安定剤としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
(他の添加剤)
また、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、アエロジル等の揺変剤を任意の割合で添加してもよい。
更には、酸化クロム、ベンガラ、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料を任意の割合で添加してもよく、炭酸カルシウムなどの耐質顔料を用いてもよい。
なお、消泡剤としては、公知の消泡剤が挙げられる。具体的には、特殊アクリル系重合物を溶剤に溶解させたアクリル系消泡剤、特殊ビニル系重合物を溶剤に溶解させたビニル系消泡剤等を挙げることができ、楠本化成株式会社から市販されているディスパロンシリーズ(製品名:OX−880EF、OX−881、OX−883、OX−77EF、OX−710、OX−8040、1922、1927、1950、P−410EF、P−420、P−425、PD−7、1970、230、230HF、LF−1980、LF−1982、LF−1983、LF−1984、LF−1985等。)等がより好ましく、ディスパロンシリーズのうち、230、230HF、LF−1980、LF−1985がさらに好ましく、230、LF−1985が特に好ましい。また、ビックケミー・ジャパン(株)から市販されているBYK−052、BYK−1752を用いることもできる。
[上層]
上層は、アクリル系単量体(A)60〜85質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)15〜30質量%と、可塑剤(C)0〜10質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなることを特徴とする。
<アクリル系単量体(A)>
アクリル系単量体(A)としては、単官能アクリル系単量体、多官能アクリル系単量体が挙げられる。
単官能アクリル系単量体は、シラップ組成物(Y)の塗工作業性、並びにシラップ組成物(Y)より得られる上層の硬化性、強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性及び耐磨耗性等これら各種物性を制御することが可能な成分である。
一方、多官能アクリル系単量体は、シラップ組成物(Y)の塗工作業性、並びにシラップ組成物(Y)より得られる上層の耐熱性及び強度等これら各物性を制御することが可能な成分である。
なお、これらアクリル系単量体の具体例としては、下層と同様のものを挙げることが可能である。
上層のシラップ(X)におけるアクリル系単量体(A)の含有量は60〜85質量%であり、60〜80質量%であるとより好ましく、65〜75質量%であると更に好ましい。
含有量が60質量%以上であると、シラップ組成物(Y)の粘度が低くなって塗工作業性が良好となる。含有量が85質量%以下であると、シラップ組成物(Y)の硬化性が良好となり、かつ、上層に強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性及び耐磨耗性等を付与することが可能となる。
<重合体(B)>
重合体(B)は、シラップ組成物(Y)及びシラップ組成物(Y)より得られる上層の粘度調整及び硬化時間の短縮を目的として配合されるものである。
重合体(B)としては、下層と同様のものを使用することが可能である。
上層のシラップ(X)における重合体(B)の含有量は15〜30質量%であり、18〜30質量%であるとより好ましく、20〜28質量%であると更に好ましい。含有量が15質量%以上であると、シラップ組成物(Y)の硬化性が良好となる。一方、含有量が30質量%以下であると、シラップ組成物(Y)の粘度が低くなって塗工作業性が良好となる。
<可塑剤(C)>
可塑剤(C)は、シラップ組成物(Y)に伸度を付与することを目的として配合されるものである。
可塑剤(C)としては、下層と同様のものを使用することが可能である。
上層のシラップ(X)における可塑剤(C)の含有量は0〜10質量%であり、0質量%を超えて8質量%以下であるとより好ましく、0質量%を越えて6質量%以下であると更に好ましい。含有量が0質量%以上であると、シラップ組成物(Y)の硬化性が良好となる。一方、含有量が10質量%以下であると、強度を維持した上層が得られる。
<ワックス(D)>
ワックス(D)は、空気遮断作用を利用した表面硬化性向上等の作用を奏する。
ワックス(D)としては、下層と同様のものを使用することが可能である。
また、ワックス(D)の添加量も下層と同様であると好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、下層と同様のものを使用することが可能であり、また、その添加量も下層と同様であると好ましい。
[骨材]
本発明の被覆層は下層と上層との境界付近に骨材を含有する。
ここで、「境界付近に骨材を含有する」とは、少なくとも下層と上層とに亘って骨材が含有されている状態を示しており、骨材は、下層と上層との境界付近のみに存在していても、下層と上層との全域に存在していても良い。
用いられる骨材としては、例えば、硅砂、川砂、寒水石、エメリー、大理石などの天然無機鉱石、アルミナ、スラグ、ガラス、セラミック骨材、陶器、磁器、タイル、ガラスビーズ、着色骨材などが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上の併用で用いられる。
好ましい骨材粒径としては0.5〜4mmより好ましくは1〜3mmである。骨材粒径が小さすぎると上層用シラップ組成物(Y)を塗工した場合、滑り止めの効果が低くなり、大きすぎると歩行者が歩きにくくなり、転倒の恐れがある。
また、下層が着色されている場合は同色のセラミック骨材を用いることが好ましい。
その他、骨材としては不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂などを硬化して得られる人工石であってもよい。
また、骨材の含有量は特に限定しないが、被覆層前面を覆うことが可能である量を用いると好ましい。
[被覆層の性状]
[下層]
本発明の下層用シラップ組成物(Y)の粘度は塗工作業性、アスファルト舗装などの道路の傾斜を考慮し、1500〜4500mPa・Sが好ましく、特に2000〜4000mPa・Sが特に好ましい。粘度が1500mPa・S以上であると良好な作業性が得られ、4500mPa・S以下であると良好な骨材グリップ性が得られ、骨材離脱量を少なくすることが可能となる。
また、下地面のアスファルト舗装に塗工した塗布厚は0.5〜2mmであると好ましく、1〜1.8mmであると特に好ましい。塗布厚が薄すぎると硬化性、骨材のグリップ性が低下し、骨材離脱量が多くなる傾向にあり、厚すぎるとコストが上がる。
また下層は、伸度が100%以上で強度が15N/mm以下であると好ましく、伸度が200%以上で強度が10N/mm以下であると特に好ましい。一方伸度の上限値が300%で、強度の下限値が5N/mmであると好ましい。
伸度が100%以上で強度が15N/mm以下の場合、アスファルト舗装からの剥離が低くなる。一方、伸度が300%以下で強度が5N/mm以上であると、骨材の離脱量が少なくなる。
また、下層の体積収縮率は12%以下が好ましく、特に10%以下が好ましい。12%以下であれば、アスファルト舗装面へシラップ組成物(Y)が追随し、耐剥離性が向上する。
[上層]
本発明の上層用のシラップ組成物(Y)は骨材散布後の骨材の離脱を抑えるために用いられる。その粘度は50〜500mPa・Sが好ましく、100〜300mPa・Sが特に好ましい。粘度が50mPa・S以上であると骨材の離脱が小さくなり、500mPa・S以下であると硬化性が良好となる。また、粘度が50mPa・S未満では硬化性が悪くなり、500MPa・Sを超えると、シラップ組成物(Y)が骨材の間に入りにくく、厚塗りになり、滑り止めの効果が低減する。
また、骨材に塗工される上層の塗布厚は0.3〜2mmであると好ましく、0.5〜1mmであると特に好ましい。塗布厚が薄すぎると、硬化性や骨材のグリップ性が低下し、骨材離脱量が多くなる傾向にあり、厚すぎると、滑り止め効果が低くなる。
また上層は、強度が10N/mm以上であると好ましく、20N/mm以上であると特に好ましい。また、強度の上限値は40N/mmであると好ましい。強度が低すぎると骨材のグリップ性が低くなり、骨材離脱量が多くなる傾向にある。一方、強度が40N/mm以下であればアスファルト舗装面へ追随し、耐剥離性が向上する。
[被覆層の形成方法]
本発明の被覆層は道路、特にアスファルト舗装面への被覆層として用いる。
道路の舗装面等の施工面への被覆方法としては、施工面に、シラップ組成物(Y)及びシラップ組成物(Y)を塗工して被覆層を形成する方法が挙げられる。
本発明では、まずシラップ組成物(Y)を塗工し、次いで骨材を散布し、更にシラップ組成物(Y)を塗工して、硬化した被覆層を得ることを特徴としている。
具体的には、まず施工面にシラップ組成物(Y)を塗工して下層とし、次に骨材を散布する。なお、骨材の散布は、シラップ組成物(Y)の可使時間内に行うことが好ましく、下層が見えなくなる様に、手撒きあるいは散布機を用いて過剰に散布し、下層用シラップ組成物(Y)が硬化した後に、余剰の骨材を回収すると好ましい。
その後、骨材表面に、下層表面と骨材表面との隙間を埋めながら、シラップ組成物(Y)を塗工し、これを被覆層のトップコートとすると好ましい。
塗工手段としては、ローラー、金ゴテ、刷毛、自在ボウキ、塗装機(スプレー塗装機等)等を用いる公知の塗工方法が挙げられ、2液エアレス塗装機を用いる場合は主剤、硬化剤に分け、主剤側には促進剤を添加し、硬化剤側に例えば過酸化ベンゾイルを添加する方法が好ましい。
なお、硬化促進剤である3級アミン(E)は、シラップ組成物を硬化させる直前に添加してもよく、あらかじめシラップ組成物に添加しておいてもよい。
また、シラップ組成物の塗工時の温度は−30〜60℃が好ましく、特に−10〜40℃が好ましく、施工性の点から、硬化時間は20〜40分の範囲が好ましい。
硬化時間が20分以上であると、良好な塗装作業性、骨材グリップ性が得られ、40分以下であると基材であるアスファルト舗装等との良好な付着性が得られる。
硬化時間の調整は硬化剤及び促進剤量を塗工時の温度に応じて調整することにより得ることができる。
また本発明の被覆層の形成方法は、このようにシラップ組成物に骨材を混合せず、上層と下層との間に散布する方法であるので、骨材の離脱をより防ぐことが可能となる。
以上、本発明の被覆層においては、下層として、粘度が高く、かつ伸度と強度のバランスが良好で追随性を有したシラップ組成物(Y)を用いているので、アスファルト舗装道路に傾斜部等があったとしても、下層が流れず必要な塗布厚を得ることができ、かつ、被覆層全体が剥離しにくく、骨材が離脱しにくいものとなった。また、上層として、強度に優れているシラップ組成物(Y)を用いたため、被覆層の強度を保持することが可能となった。
また、本発明の被覆層の形成方法は、上層と下層との間に骨材を散布する方法である。従って、被覆層において骨材が上層と下層との境界付近に存在することになり、より骨材が脱離しにくい被覆層を得られた。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例において特に明記しない限り、「部」はすべて「質量部」を示す。
また、各製造例で得られたシラップ組成物の諸物性の測定は以下のようにして行った。
<粘度>
B型粘度計(BM型 トキメック(株)製)を用いて、20℃における粘度を測定した。
<比重>
比重カップを用いて、20℃における比重を測定した。
<硬化時間>
各シラップ組成物100質量部に対してBPO50(火薬アクゾー(株)製、以下「BPO50」と略す)を2質量部添加し、よく混合した後、直径10mm、長さ120mmの試験管の底部より70mmまで過酸化ベンゾイル入りシラップを投入し、熱電対をシラップの中間に来るよう入れ、20℃又は30℃の水中に放置し、過酸化ベンゾイル添加から、最高発熱温度になった時点までの時間を測定し、この時間を硬化時間とした。
<最大点強度、破断点伸度>
硬化時間の測定で得られた硬化物について、JIS K 6251に基づいて、破断点伸度および最大点強度を測定した。測定温度は20℃とした。
<体積収縮率>
JIS K 6901に準じて、測定温度23℃にて測定した。
[製造例1]
<シラップ組成物Y−1の製造>
攪拌機、温度計、冷却管付きの1Lフラスコに、メチルメタクリレート(以下「MMA」と略す。)38部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2−EHA」と略す。)16.8部、トリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDE−150、以下「PDE−150」と略す。)1.6部、トヨパラックス150(東ソー(株)製、塩素化パラフィン)16.4部、トヨパラックスA50(東ソー(株)製、塩素化パラフィン)1.6部、ビニサイザー85(花王(株)製、フタル酸系可塑剤)1.6部、ビニサイザー105(花王(株)製、フタル酸系可塑剤)0.4部、ヒドロキノン(以下「HQ」と略す。)0.005部、パラフィン−115(日本精鑞(株)製、パラフィンワックス、以下「P−115」と略す。)0.3部、パラフィン−130(日本精鑞(株)製、パラフィンワックス、以下「P−130」と略す。)0.25部、パラフィン−150(日本精鑞(株)製、パラフィンワックス、以下「P−150」と略す。)0.25部、JF−77−P(城北化学工業(株)製、紫外線吸収剤)0.3部、N,N−ジメチル−p−トルイジン(以下「DMPT」と略す)0.24部、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン(以下「DIPT」と略す)0.4部投入後、攪拌しながら、MMA/n−ブチルメタクリレート(以下「n−BMA」と略す)=60/40共重合体(ガラス転移温度(Tg)=66℃、質量平均分子量(Mw)=160,000、以下「ポリマー1」と略す。)23.6部を投入し、60℃で2時間加熱し、溶解した後、冷却して、下層用シラップ組成物Y−1を得た。
[製造例2〜3]
<シラップ組成物Y−2〜3の製造>
表1に記載の組成比にすること以外は、シラップ組成物Y−1の製造と同様にして、下層用シラップ組成物Y−2〜3を得た。
[製造例4〜6]
<シラップ組成物Y−1〜3の製造>
表2に記載の組成比にすること以外は、シラップ組成物Y−1の製造と同様にして、下層用シラップ組成物Y−1〜3を得た。
Figure 2008207182
Figure 2008207182
表中の略号は下記の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
PDE−150:トリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂(株)製)
NKエステル14G:ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)
アロニックスM−113:ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート(東亜合成(株)製)
ポリマー1:MMA/n−BMA=60/40共重合体 Tg66℃ Mw:160,000
ポリマー2:MMA/n−BMA=60/40共重合体 Tg66℃ Mw:41,000
ポリマー3:MMA/n−BMA=60/40共重合体 Tg66℃ Mw:25,000
ポリマー4:MMA/n−BA=92.5/7.5共重合体 Tg87℃ Mw62,000
トヨパラックス150、A50:可塑剤 塩素化パラフィン(東ソー(株)製)
ビニサイザー85、105:フタル酸エステル系可塑剤(花王(株)製)
ATBC:可塑剤アセチルクエン酸トリブチル
(ワックス(D))
P−115、P−130、P−150、HNP−9:パラフィンワックス(日本精鑞(株)製)
DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン
DIPT:N,N−ジ(2−ヒドロキプロピル)−p−トルイジン
PTEO:N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
JF−77−P:紫外線吸収剤(城北化学工業(株)製)
チヌビン328:紫外線吸収剤(日本チバガイキー(株)製)
BHT:2,6-ジ-t−ブチル-4-メチルフエノール
BYK−1752:消泡剤(ビックケミージャパン(株)製)
HQ:ヒドロキノン
[実施例1]
得られた下層用シラップ組成物Y−1;100部に、BPO50を2部加え混合し、密粒アスファルト板(サイズ:300×300×50mm 大有建設(株)製)に塗布厚1.6mmになるようコテで塗装した。直ちに滑り止め用の骨材(美州興産(株)製、セラサンドA1粒、粒径2〜3.3mm)を600g散布し、硬化後、余剰骨材170gを除去して、上層用シラップ組成物Y−1;100部にBPO50を2部加え混合し、ウーローラー(大塚刷毛製造(株)製塗装用ローラー)で塗布厚0.6mmになるよう塗装し、硬化させて試験片を作成した。
[実施例2〜5、比較例1〜4]
表3に示す構成とした他は、実施例1と同様にして試験片を得た。
各実施例及び比較例で得られた試験片について、以下の試験及び評価を行った。
<硬化性試験>
下層及び上層をそれぞれ塗付し、60分経過した際の表面状態について、指触をし、以下の基準で評価を行った。結果を表3に示す。
(評価方法)
○:表面のべたつきなし
<据え切り試験>
混合物据え切り試験機(インテスコ(株)製)を用い、実施例及び比較例にて得た各試験片を用いて、以下の条件で据え切り試験を行い、骨材離脱量を測定し、以下の基準で評価を行った。結果を表3に示す。
(試験条件)
取り付け自動車タイヤ:乗用車用14インチラジアルタイヤ
試験体駆動方式:試験体反復角度:±30°、反復速度:6rpm
載荷荷重:3KN
測定温度 20℃
据え切り回数:20往復
(評価方法)
骨材離脱量 ○:2g以下 △:3〜5g ×:6g以上
<ラベリング試験>
ラベルング試験機(ニッケン(株)製)を用い、実施例及び比較例にて得た各試験片を用いて、以下の条件でラベリング試験を行い、骨材離脱量を測定し、以下の基準で評価を行った。
(試験条件)
試験体駆動方式:回転速度:70rpm、回転数:100回
載荷荷重:約25kg ゴム輪使用 ゴム硬度60
測定温度 20℃
(評価方法)
骨材離脱量 ○:2g以下 △:3〜5g ×:6g以上
<すべり抵抗試験>
ラベリング試験前の試験片について、英国式ポータブルスキッドレジスタンス・テスタ(フリージア・マクロス(株)製)を用い、試験片を乾燥させた状態(Dry)、または試験片を水で充分濡らした状態(Wet)の状態ですべり抵抗値を測定した。
Figure 2008207182
以上、実施例1〜5において作成した試験片は、塗装作業性に優れ、良好な硬化性が得られ、骨材離脱量が少なく、すべり抵抗の高い被覆層を有していた。
対して、比較例1〜3のように上層を塗布しない試験片は、骨材の離脱量の多い被覆層となった。また、下層に上層用のシラップ組成物を用いた比較例4の試験片は、上層の塗布厚が厚いため、すべり抵抗値が低い被覆層となった。
本発明の被覆層は、骨材グリップ性に優れ、且つ、耐久性に優れるため、床面、壁面、道路舗装面等の被覆等の土木建築用途に有用であり、特に滑り止め工法に最適である。
具体的には、バスレーン、横断歩道の手前、高速道路のサービスエリアあるいはパーキングエリア、カーブなどに施工され安全性、視認性を確保するために使用することができる。

Claims (2)

  1. アクリル系単量体(A)35〜65質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)20〜40質量%と、可塑剤(C)15〜25質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなる下層及び、アクリル系単量体(A)60〜85質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)15〜30質量%と、可塑剤(C)0〜10質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)の硬化物よりなる上層を有し、該下層と該上層との境界付近に骨材を含有する被覆層。
  2. 基材に、アクリル系単量体(A)35〜65質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)20〜40質量%と、可塑剤(C)15〜25質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)を塗工し、次いで骨材を散布し、更にアクリル系単量体(A)60〜85質量%と、アクリル系単量体(A)に可溶な重合体(B)15〜30質量%と、可塑剤(C)0〜10質量%とを含むシラップ(X)の100質量部に対してワックス(D)を0.1〜5質量部含有するシラップ組成物(Y)を塗工して、硬化した被覆層を得る被覆層の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017115299A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 Dic株式会社 土木建築用構造体、及び、滑り止め舗装構造体の製造方法
JP2020158629A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 株式会社菱晃 樹脂組成物、構造体、及び構造体の製造方法

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