JP2015229683A - シラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法 - Google Patents

シラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基盤に対する浸透性に優れ、しかも基盤上で適度な塗布厚を維持でき、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できるシラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法の提供。【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)、ワックス、並びに三級アミンを含むシラップ組成物であって、特定の測定方法により測定される表面張力低減率が5〜30%である(メタ)アクリル系重合体(X)をさらに含有する、シラップ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、シラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法に関する。
建築物や橋梁等の床面などの構造体を構成するコンクリート基盤等には、通常、床面に機能を付与する目的で不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の被覆材料が塗布、硬化され、被覆層が形成されている。
特に、耐薬品性や耐候性などの機能が要求される被覆層を形成する場合や、短時間での施工或いは低温での施工などが要求される場合には、被覆材料として(メタ)アクリル系シラップ組成物が用いられることが多い。
また、基盤に対する接着性を向上させる目的で、基盤上に被覆材料を塗布する前に、プライマーと呼ばれる下塗り材を塗布してプライマー層を形成しておくことがある。
プライマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル単量体、重合体、硬化促進剤である三級アミン、硬化時に空気中の酸素による硬化阻害を防ぐ目的で添加されているワックスなどを含む(メタ)アクリル系シラップ組成物が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−279831号公報
しかしながら、(メタ)アクリル系シラップ組成物は短時間で硬化するため、プライマーとして用いた場合、基盤へ充分に浸透する前に硬化が完了してしまう傾向にある。そのため、基盤に対するプライマー層の接着性が充分に得られないことがあった。
浸透性を改善するには、(メタ)アクリル系シラップ組成物の粘度を低くすればよいが、粘度を低くすると基盤に浸透しすぎてしまうため、基盤上に塗布した(メタ)アクリル系シラップ組成物が薄膜となりやすい。その結果、(メタ)アクリル系シラップ組成物に含まれるワックスが塗膜表面に充分に存在しなくなるため、未硬化の部分が生じる場合があった。
また、コンクリート基盤等の下地は、緻密な箇所、目が粗い箇所、亀裂の少ない箇所や多い箇所など多種多様である。よって、プライマーには、どのような状況の下地に対しても適度に浸透し、かつ充分に硬化して、硬化後の表面が良好で、特にピンホールの発生が少ない塗膜(プライマー層)を形成できることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基盤に対する浸透性に優れ、しかも基盤上で適度な塗布厚を維持でき、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できるシラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] (メタ)アクリル酸エステル単量体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)、ワックス、並びに三級アミンを含むシラップ組成物であって、下記測定方法により測定される表面張力低減率が5〜30%である(メタ)アクリル系重合体(X)をさらに含有する、シラップ組成物。
(測定方法)
メタクリル酸メチル60質量部と、アクリル酸2−エチルヘキシル10質量部と、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸n−ブチルの共重合体(メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチルで表される質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移温度が65℃である)30質量部と、融点が47℃であるパラフィンワックス0.4質量部と、融点が55℃であるパラフィンワックス0.3質量部と、融点が66℃であるパラフィンワックス0.2質量部と、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン1質量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.0026質量部とからなるモデルシラップ組成物(Z)の表面張力(a1)と、前記モデルシラップ組成物(Z)100質量部に(メタ)アクリル系重合体(X)0.4質量部を添加した混合物の表面張力(a2)を測定し、下記式(1)より表面張力低減率を求める。
表面張力低減率(%)={(a1−a2)/a1}×100 ・・・(1)
[2] B型粘度計で測定される粘度が15〜150mPa・sである、[1]に記載のシラップ組成物。
[3] 前記(メタ)アクリル系重合体(X)の含有量が、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)、並びに(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)の合計100質量部に対し、0.05〜3質量部である、[1]または[2]に記載のシラップ組成物。
[4] 骨材と混合して使用する、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のシラップ組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれか1つに記載のシラップ組成物と、有機過酸化物とを含有する、シラップ配合組成物。
[6] 基盤上に[5]に記載のシラップ配合組成物を塗布し、該シラップ配合組成物を硬化させる、積層体の製造方法。
[7] 基盤上に[5]に記載のシラップ配合組成物を塗布し、該シラップ配合組成物を硬化させてなる、積層体。
本発明によれば、基盤に対する浸透性に優れ、しかも基盤上で適度な塗布厚を維持でき、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できるシラップ組成物、シラップ配合組成物、および積層体とその製造方法を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称である。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの総称である。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基の総称であり、一般式CH=C(R)−C(=O)−[Rは水素原子またはメチル基を示す。]で表される。
「シラップ組成物」
本発明のシラップ組成物は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)と、ワックスと、三級アミンとを含有し、(メタ)アクリル系重合体(X)をさらに含有する。
詳しくは後述するが、(B)成分としては、(メタ)アクリル酸重合体および(メタ)アクリル酸エステル重合体等の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体、並びにウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーおよびエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイル基を有する重合体が挙げられる。これら(B)成分と(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)との組み合わせによって、シラップ組成物は以下に示すシラップ組成物(a)〜(d)に分けられる。
・シラップ組成物(a):(A)成分と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体との組み合わせ。
・シラップ組成物(b):(A)成分と、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとの組み合わせ。
・シラップ組成物(c): (A)成分と、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとの組み合わせ。
・シラップ組成物(d): (A)成分と、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとの組み合わせ。
なお、(A)成分と(B)成分の組み合わせとしては、上述した以外にも、(A)成分と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等からなる群より選ばれる2種以上の(B)成分との組み合わせであってもよい。また、(A)成分と(B)成分の組み合わせとしては、(A)成分と、以下の(メタ)アクリロイル基を有する重合体との組み合わせであってもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体は、(メタ)アクリロイル基を含有する化合物である。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、1分子中に1つの重合性二重結合を有する単官能単量体、1分子中に2つ以上の重合性二重結合を有する多官能単量体などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単官能単量体および多官能単量体のいずれか一方を用いてもよいし、単官能単量体と多官能単量体とを併用しても何ら問題ない。
単官能単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有単量体類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の窒素含有単量体類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルホリル等の官能基含有単量体類;(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロテンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル等の脂環型(メタ)アクリル酸エステル類;2−メトキシ(メタ)アクリレート、2−エトシキ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;ベンジルメタクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートなどが挙げられる。
これら単官能単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能単量体としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタジエングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これら多官能単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シラップ組成物(a)に用いる(A)成分としては、上述した単官能単量体の中でも、硬化性や硬化物の物性などの観点から、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロテンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−メトキシ(メタ)アクリレート、2−エトシキ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートが好ましい。これらの中でも、さらに粘度を低減できることからメチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)クリレートがより好ましい。
これら単官能単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、シラップ組成物(a)に用いる(A)成分としては、上述した多官能単量体の中でも、シラップ組成物の硬化性や硬化物の物性を向上させる観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレートが好ましい。
これら多官能単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シラップ組成物(b)〜(d)に用いる(A)成分としては、シラップ組成物(a)に用いる(A)成分と同様のものが好ましい。
シラップ組成物がシラップ組成物(a)の場合、(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、50〜90質量%が好ましく、55〜85質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が50質量%以上であればシラップ組成物(a)の粘度を容易に低くすることができ、コンクリート基盤等の基盤により浸透しやすくなる傾向にあり、90質量%以下であればシラップ組成物(a)の粘度を調整しやすい。
また、(A)成分として多官能単量体を含む場合、その多官能単量体の含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。多官能単量体の含有量が1質量%以上であれば硬化体の強度を高くでき、20質量%以下であれば可使時間が極端に短くなることなく、硬化体の強度を高くすることができる。
シラップ組成物がシラップ組成物(b)の場合、(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、30〜80質量%が好ましく、40〜78質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が30質量%以上であればシラップ組成物の粘度を容易に調整することができ、塗工しやすくなる傾向にあり、80質量%以下であればシラップ組成物の粘度を低く調整できる。
シラップ組成物がシラップ組成物(c)の場合、(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、20〜70質量%が好ましく、30〜68質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が20質量%以上であればシラップ組成物の粘度を容易に調整することができ、塗工しやすくなる傾向にあり、70質量%以下であればシラップ組成物の粘度を低く調整できる。
シラップ組成物がシラップ組成物(d)の場合、(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、20〜70質量%が好ましく、30〜68質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が20質量%以上であればシラップ組成物の粘度を容易に調整することができ、塗工しやすくなる傾向にあり、70質量%以下であればシラップ組成物の粘度を低く調整できる。
<(B)成分>
(B)成分は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)である。
(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーなどのオリゴマーが挙げられる。また、(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、重合体(例えば(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体など)に、(メタ)アクリロイル基を導入した重合体であってもよい。
これら(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体:
(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体は、単独重合体でも共重合体でもよく、(メタ)アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、並びに(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸(共)重合体は、(メタ)アクリル酸の単独重合体または共重合体であり、具体的には、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸とメタクリル酸の共重合体、(メタ)アクリロイル基を有する単量体以外の単量体と(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、(メタ)アクリル酸エステルを単独重合または共重合して得られるポリ(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体以外の単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(A)成分の説明において先に例示した単官能単量体が挙げられる。中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
これら(メタ)アクリル酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して得られる共重合体である。この共重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体以外の単量体と(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合したものであってもよい。
(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体のガラス転移温度(Tg)は、それぞれ0℃以上が好ましく、20〜105℃がより好ましい。ガラス転移温度が0℃以上であれば良好な硬化性が得られる傾向にあり、105℃以下であればシラップ組成物の硬化性が向上する傾向にある。
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)の測定により求めたものである。
(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体の質量平均分子量(Mw)は、それぞれ5,000〜200,000が好ましく、10,000〜180,000がより好ましい。質量平均分子量が5,000以上であればシラップ組成物の適正な粘度や硬化速度が得られる傾向にあり、200,000以下であれば粘度が高くなりすぎず良好な作業性が得られる傾向にある。
質量平均分子量は、濃度が0.4質量%になるように重合体のテトラヒドロフラン溶液を調製し、この溶液をゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)用装置に100μl注入し、流量:1ml/min、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件下で、GPC法により測定した分子量を標準ポリスチレン換算したものである。
シラップ組成物がシラップ組成物(a)の場合、(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、10〜50質量%が好ましく、15〜45質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が10質量%以上であればシラップ組成物(a)の粘度を調整しやすくなり、50質量%以下であればシラップ組成物(a)粘度を容易に低くすることができ、コンクリート基盤等の基盤により浸透しやすくなる傾向にある。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー:
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネートおよびポリオールを反応させて得られるウレタンオリゴマーと、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物との反応物である。
ウレタンオリゴマーを構成するポリオールとしては、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物が挙げられ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等の2価フェノールと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加反応生成物類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、メチルペンタンジオール等の多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸等の多塩基酸と、無水物との反応で得られるポリエステルポリオール類;アルキレングリコールとラクトンとから得られるポリラクトンジオール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールと、ホスゲン、ジメチルカーボネート等のカーボネート化剤との反応で得られるカーボネート結合を含むポリカーボネートジオール類などが挙げられる。これらの中でも、下地への追従性等の点から、ポリアルキレングリコール類が好ましく、その中でもポリブチレングリコールが特に好ましい。
これらのポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタンオリゴマーを構成するポリイソシアネートとしては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられ、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの化合物と、水やトリメチロールプロパン等とのアダクト化合物や、三量体環化化合物などをポリイソシアネートとして用いることもできる。
これらのポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを構成する水酸基及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;ε−カプロラクトンと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート付加物等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル以外の化合物などが挙げられる。
これらの水酸基及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じ、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの一部をアリル基含有アルコールに置き換えてもよい。アリル基含有アルコールとしては、例えばアリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、塗工時の作業性の観点から、質量平均分子量で30,000以下であることが好ましい。
質量平均分子量は、濃度が0.4質量%になるようにウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのテトラヒドロフラン溶液を調製し、この溶液をゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)用装置に100μl注入し、流量:1ml/min、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件下で、GPC法により測定した分子量を標準ポリスチレン換算したものである。
シラップ組成物がシラップ組成物(b)の場合、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、20〜70質量%が好ましく、23〜65質量%がより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が20質量%以上であれば硬化体の物性を調整しやすく、70質量%以下であればシラップ組成物の粘度を調整しやすい。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー:
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、二塩基酸成分および多価アルコール成分を反応させて得られる不飽和ポリエステルと、不飽和ポリエステルの末端水酸基またはカルボキシ基とエステル結合が可能な(メタ)アクリロイル基含有化合物との反応物である。
不飽和ポリエステルを構成する二塩基酸成分としては、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸などが挙げられる。
これらの二塩基酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和ポリエステルを構成する多価アルコール成分としては、例えばネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられる。
これらの多価アルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、具体的に、不飽和ポリエステルの分子末端のカルボキシ基を(メタ)アクリル酸グリシジル等の不飽和エポキシ化合物と反応させた不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート;不飽和ポリエステルの分子末端の水酸基をイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物と反応させて得られるウレタン結合含有不飽和ポリエステルアクリレートなどが挙げられる。
シラップ組成物がシラップ組成物(c)の場合、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、30〜80質量%が好ましく、32〜75質量%がより好ましい。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が30質量%以上であれば硬化体の物性を調整しやすく、80質量%以下であればシラップ組成物の粘度を調整しやすい。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー:
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を含む単量体成分との反応物である。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを構成するエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールE型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型などが挙げられ、固形や液状のものなど様々なものを用いることができる。
これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂と反応させる単量体成分には、必要に応じ、(メタ)アクリル酸以外の他の単量体が含まれていてもよい。他の単量体としては、(メタ)アクリル酸と共重合可能であれば特に制限されないが、例えば(A)成分の説明において先に例示した単官能単量体などが挙げられる。
シラップ組成物がシラップ組成物(d)の場合、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、(A)成分と(B)成分の含有量の合計100質量%中、30〜80質量%が好ましく、35〜75質量%がより好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が30質量%以上であれば硬化体の物性を調整しやすく、含有量が80質量%以下であればシラップ組成物の粘度を調整しやすい。
(メタ)アクリロイル基を有する重合体:
(B)成分として用いることができる(メタ)アクリロイル基を有する重合体は、上述したように、重合体(例えば(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体など)に、(メタ)アクリロイル基を導入した重合体であってもよく、該重合体は二重結合を有する。
このような(メタ)アクリロイル基を有する重合体は、例えば以下のようにして製造される。
まず、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とを共重合して共重合体(コポリマー)を得る。
グリシジル(メタ)アクリレートと、テトラブチルアンモニウムブロミド等のエステル化触媒との混合物中に、先のコポリマーを加えて共重合をさらに行うことで、コポリマーに(メタ)アクリロイル基を導入した、二重結合を有する重合体を得る。
(B)成分としては、上述した中でも、樹脂物性や樹脂粘度を調整し易いことから(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体を用いることが好ましい。
<(メタ)アクリル系重合体(X)>
本発明では、シラップ組成物のコンクリート基盤等の基盤への浸透性を向上させつつ、基盤上で適度な塗布厚を維持させるために、(メタ)アクリル系重合体(X)を用いる。
成分(B)や後述するワックスなどは、基盤への浸透性に影響を与えやすい成分であり、シラップ組成物がこれらを含むことで基盤への浸透が遅くなると考えられる。
しかし、シラップ組成物が(メタ)アクリル系重合体(X)を含んでいれば、シラップ組成物が成分(B)やワックスを含んでいても、基盤への浸透性を高めることができ、しかも、基盤上で適度な塗布厚を維持できる。基盤への浸透性が高まると、基盤由来から生じるピンホールの抑制も向上することができ、硬化後の表面が良好となる。
(メタ)アクリル系重合体(X)は、下記測定方法により測定される表面張力低減率が5〜30%である。すなわち、下記モデルシラップ組成物(Z)に所定量添加した場合に、モデルシラップ組成物(Z)の表面張力を5〜30%低減させる効果を有するものである。表面張力低減率が5%以上であれば、基盤への浸透性が向上できる。一方、表面張力低減率が30%以下であれば、基盤への浸透性が向上でき、ピンホールが少ない硬化体面を得ることができる。
(測定方法)
メタクリル酸メチル60質量部と、アクリル酸2−エチルヘキシル10質量部と、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸n−ブチルの共重合体(メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチルで表される質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移温度が65℃である)30質量部と、融点が47℃であるパラフィンワックス0.4質量部と、融点が55℃であるパラフィンワックス0.3質量部と、融点が66℃であるパラフィンワックス0.2質量部と、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン1質量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.0026質量部とからなるモデルシラップ組成物(Z)の表面張力(a1)と、前記モデルシラップ組成物(Z)100質量部に(メタ)アクリル系重合体(X)0.4質量部を添加した混合物の表面張力(a2)を測定し、下記式(1)より表面張力低減率を求める。
表面張力低減率(%)={(a1−a2)/a1}×100 ・・・(1)
(メタ)アクリル系重合体(X)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリエステル、(メタ)アクリル酸ポリエーテルの単独重合体またはこれらの共重合体などが挙げられる。また、これら単独重合体または共重合体に、(メタ)アクリル酸などのカルボキシ基含有化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有化合物をさらに共重合させたものや、これら単独重合体または共重合体中のカルボキシ基をアミン化合物で中和しアミン塩を導入したものを、(メタ)アクリル系重合体(X)として用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体(X)は、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリエステル、(メタ)アクリル酸ポリエーテルからなる群より選ばれる1種以上を溶液重合、塊状重合などにより重合することが得られるが、これらの方法に限定されない。
(メタ)アクリル系重合体(X)の質量平均分子量(Mw)は、コンクリート基盤等の基盤への浸透性がより高まる点から、2,000以上であることが好ましい。また、粘度が高くなりすぎず良好な取扱い性が得られる点から、100,000以下であることが好ましい。さらに、質量平均分子量の下限に関しては4,000以上がより好ましく、上限に関しては80,000以下がより好ましい。
質量平均分子量は、濃度が0.4質量%になるように重合体のテトラヒドロフラン溶液を調製し、この溶液をゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)用装置に100μl注入し、流量:1ml/min、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件下で、GPC法により測定した分子量を標準ポリスチレン換算したものである。
(メタ)アクリル系重合体(X)としては、市販品を用いることもでき、例えばビックケミー・ジャパン社より市販されている「BYK−350」、「BYK−352」、「BYK−354」、「YK−355」、「BYK−392」、「BYK−361N」などが挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体(X)は、そのままの状態で用いてもよいし、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシプロピルアセテート等の溶剤や(メタ)アクリル酸エステル単量体などで所望の濃度になるように希釈してから用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体(X)の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、0.05〜3質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。(メタ)アクリル系重合体(X)の含有量が0.05質量部以上であれば、シラップ組成物をコンクリート基盤などに塗布した際に浸透性がより高まる。一方、(メタ)アクリル系重合体(X)の含有量が3質量部以下であれば、シラップ組成物が充分にコンクリート基盤等へ浸透し易くなる。
(ワックス)
シラップ組成物は、硬化反応中におけるシラップ組成物の表面の空気遮断による表面硬化性を向上させる等の目的で、ワックスを含有する。
ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスを石油ナフサ等の溶剤に分散させた特殊ワックスなど、各種ワックスが挙げられる。
ワックスの融点は40℃以上が好ましく、120℃以下が好ましい。
また、本発明においては、融点が異なる同一種類のワックスを組み合わせて用いてもよいし、異なる種類のワックスを併用してもよい。
ワックスとしては、融点が異なるパラフィンワックスを2つ以上組み合わせて用いることが特に好ましい。
ワックスの含有量は固形分換算で、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、0.2〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましい。ワックスの含有量が0.2質量部以上であれば、充分な空気遮断性が得られ、表面硬化性が良好となる傾向にある。一方、ワックスの含有量が10質量部以下であれば、シラップ組成物の粘度が高くなりすぎず、硬化速度や塗膜の物性が良好となる傾向にある。
(三級アミン)
シラップ組成物には、後述する有機過酸化物と反応・硬化しやすくする目的で、三級アミンを含有する。三級アミンは、硬化反応を促進させる硬化促進剤の役割を果たす。
三級アミンとしては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2―ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン等の芳香族三級アミンなどが挙げられる。
これら三級アミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
三級アミンの含有量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜8質量部がより好ましい。三級アミンの含有量が0.1質量部以上であれば、シラップ組成物の硬化性が良好となる傾向にある。一方、三級アミンの含有量が10質量部以下であれば、作業に適した可使時間(シラップ組成物が流動性を有し、塗布可能な時間)が得られやすくなる。
(その他の成分)
シラップ組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、湿潤剤、可塑剤、重合禁止剤、消泡剤、シランカップリング剤、顔料などの添加剤が挙げられる。
湿潤剤:
湿潤剤はシラップ組成物と後述する骨材とを混合したときの、骨材の分散性や混合物(樹脂モルタル組成物)の流動性を向上させる目的で配合される。
湿潤剤としては、ビックケミー・ジャパン社から市販されているDisperbykシリーズ(製品名:103、112、163、164、166、167、182、183、184、2000、2050、2150、2163、2164)、BYKシリーズ(W969、W980、W9010)等が適している。
湿潤剤の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、0.1〜3質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。湿潤剤の含有量が多いほど湿潤剤の効果が充分に得られ、湿潤剤の含有量が少ないほど溶剤の影響を受けにくく、硬化後の物性が良好となる傾向にある。
可塑剤:
可塑剤は、硬化収縮の抑制や硬化後の塗膜に柔軟性を与える目的で配合される。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸エステル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類;アルキルスルホン酸フェニルエステル、アジピン酸ポリエステルなどが挙げられる。但し、パラフィン類はパラフィンワックスを含まない。
これら可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対し、0〜15質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。可塑剤の含有量15質量部以下であればシラップ組成物を硬化したときの柔軟性が好適となる傾向にある。
重合禁止剤:
重合禁止剤は、シラップ組成物の貯蔵安定性を向上させる目的で配合される。
重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、1,4−ナフトキノン、2-ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。
これら重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
消泡剤:
消泡剤は、シラップ組成物の調製の際の撹拌時および撹拌後の材料均一性の向上や、硬化時の酸素の影響を抑制する等の目的で配合される。
消泡剤としては、公知の消泡剤が挙げられる。具体的には、特殊アクリル系重合物を溶剤に溶解させたアクリル系消泡剤、特殊ビニル系重合物を溶剤に溶解させたビニル系消泡剤などを挙げることができる。市販品としては、楠本化成社から市販されているディスパロンシリーズや、ビックケミー・ジャパン社から市販されているBYKシリーズなどが挙げられる。
また、消泡剤は脱泡剤と組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤:
シランカップリング剤は、無機物への接着性を向上させる目的で配合される。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(粘度)
シラップ組成物の粘度としては、23℃においてJIS−Z8803規定のブルックフィールド型粘度計(B型粘度計)BM型で計測した溶液粘度が15〜150mPa・sであることが好ましく、30〜100mPa・sであることがより好ましい。
シラップ組成物の粘度が低いほど、コンクリート基盤等への浸透性が高まる。ただし、粘度が低すぎると、シラップ組成物を基盤上へ塗布する際に厚みが付け難くなり、作業性が悪くなる。厚みが付け難くなると、基盤上に塗布したシラップ組成物が薄膜となるため、ワックスが塗膜表面に充分に存在しにくくなり、未硬化の部分が生じる場合がある。シラップ組成物の粘度が上記範囲内であれば、基盤への浸透性と塗布厚の維持のバランスがより良好となる。また、塗布厚を維持できるので未硬化の部分が生じにくくなる。
<作用効果>
以上説明した本発明のシラップ組成物は、上述した(メタ)アクリル系重合体(X)を含有するので、コンクリート基盤等の基盤への浸透性に優れながらも、基盤上で適度な塗布厚を維持できる。また、本発明のシラップ組成物は、基盤への浸透性に優れるので、接着性に優れるとともに、ピンホールが生じにくく、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できる。
また、本発明のシラップ組成物を用いることで、後述する積層体とした場合でも外観が良好で、耐久性に優れた積層体が得られる。
<用途>
本発明のシラップ組成物は、コンクリート基盤等の基盤上に被覆層を形成する際のプライマー(下塗り材)として特に好適である。プライマーとして使用する場合は、後述する有機過酸化物と混合して使用することが好ましい。
また、本発明のシラップ組成物は、骨材と混合して使用することもできる。
なお、本発明のシラップ組成物と有機過酸化物とを混合したものを「シラップ配合組成物」といい、本発明のシラップ組成物と骨材とを混合したものを「樹脂モルタル組成物」という。
「シラップ配合組成物」
本発明のシラップ配合組成物は、本発明のシラップ組成物と有機過酸化物とを含有する。
本発明のシラップ組成物および後述する樹脂モルタル組成物を良好に硬化させるには、23℃の環境下の場合においてはゲル化時間を5分〜120分の範囲にすることが好ましい。ゲル化時間が5分未満では作業する時間が短くなる。また、ゲル化時間が120分を超えるとシラップ組成物や樹脂モルタル組成物の硬化が悪くなり、硬化体の物性が得られにくくなる。
ゲル化時間は、シラップ組成物に硬化剤として有機過酸化物を添加することにより制御できる。
なお、ゲル化時間とは硬化剤と硬化促進剤が同時に存在した時間から流動性を失うまでの時間のことである。
<有機過酸化物>
有機過酸化物としては、例えば過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性が良好なことから過酸化ベンゾイルやクメンハイドロパーオキサイドが好ましい。なお、クメンハイドロパーオキサイドを用いる場合には、後述する硬化促進助剤としてナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトなどの金属石鹸を併用することが好ましい。
これら有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機過酸化物は、シラップ組成物に含まれる三級アミン等の硬化促進剤と組み合わせたレドックス触媒として用いてもよい。
有機過酸化物の含有量は、シラップ組成物や樹脂モルタル組成物の使用温度により異なるため一概には決められないが、例えば23℃の環境下においては、シラップ組成物100質量部に対し、1〜5質量部が好ましい。有機過酸化物の添加量が1質量部以上であれば、シラップ組成物や樹脂モルタル組成物に未硬化部が生じることがなく、シラップ組成物や樹脂モルタル組成物の硬化が長時間にわたることがない。一方、有機過酸化物の添加量が5質量部以下であれば、硬化性が良く、かつ作業時間も確保できる。
なお、シラップ組成物や樹脂モルタル組成物の使用温度が23℃以外の場合は、有機過酸化物の含有量を調整して使用することが好ましい。
<硬化促進助剤>
硬化促進助剤は、上述した有機過酸化物の分解を促進させ、硬化反応を促す役割を果たす。
硬化促進助剤としては、多価金属石鹸などが挙げられる。シラップ組成物中の三級アミンと多価金属石鹸とを併用することで、硬化時間をより短縮できると共に、硬化性をより向上させることができる。
多価金属石鹸としては、例えばナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、アセトアセチル酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケルなどが挙げられる。これらの中でも、適度な可使時間および良好な硬化性を得ることができるなどの観点から、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトが好ましい。
これら多価金属石鹸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多価金属石鹸の含有量は、シラップ組成物100質量部に対し、0.01質量部超が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましい。多価金属石鹸の含有量が0.01質量部超であれば、良好な硬化性を得ることができる。
ただし、多価金属石鹸の含有量が多すぎると、多価金属石鹸を分散溶解している溶剤量が多くなることから硬化性が低下したり、硬化塗膜の強度が低下したりする傾向にある。従って、多価金属石鹸の含有量の上限値は、1.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましい。
なお、本発明において、「多価金属石鹸の含有量」とは、多価金属石鹸に由来する金属の含有量のことである。
<作用効果>
以上説明した本発明のシラップ配合組成物は、本発明のシラップ組成物を含有するので、コンクリート基盤等の基盤への浸透性に優れながらも、基盤上で適度な塗布厚を維持できる。また、本発明のシラップ配合組成物は、基盤への浸透性に優れるので、接着性に優れるとともに、ピンホールが生じにくく、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できる。
また、本発明のシラップ配合組成物を用いることで、後述する積層体とした場合でも外観が良好で、耐久性に優れた積層体が得られる。
本発明のシラップ配合組成物は、コンクリート基盤等の基盤上に被覆層を形成する際のプライマーとして特に好適である。
「樹脂モルタル組成物」
樹脂モルタル組成物は、本発明のシラップ組成物と骨材とを含有する。また、上述したように、樹脂モルタル組成物を良好に硬化させるには、シラップ組成物は有機過酸化物が添加されてシラップ配合組成物となっていることが好ましい。
<骨材>
骨材は、樹脂モルタル組成物の硬化物の強度付与や硬化収縮率を抑制する成分である。また、骨材は、コンクリート基盤等の基盤の表面の凹凸を調整する、いわゆる不陸調整の役割も果たす。
骨材としては、例えば珪砂、セラミック骨材、炭酸カルシウム、シリカヒューム、フライアッシュ、タルク、クレー、ガラスビーズなどが挙げられる。
これら骨材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、珪砂、またはセラミック骨材とガラスビーズの混合物を用いると、作業性、流動性が良好で、かつ硬化収縮率を低く抑えることができる。その中でも、硬化収縮を抑えるために骨材量を多くでき、かつコンクリート基盤への樹脂モルタル組成物の浸透性等を良好に維持できる観点から、セラミック骨材とガラスビーズの混合物を用いることが好ましい。
骨材の粒度(平均粒子径)としては特に制限されないが、2mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましい。
骨材の含有量は、シラップ組成物100質量部に対し、50〜500質量部が好ましく、80〜400質量部がより好ましい。骨材の含有量が50質量部以上であれば、コンクリート基盤への樹脂モルタル組成物の浸透性がより高まるとともに、充分な強度の硬化物が得られる。一方、骨材の含有量が500質量部以下であれば、コンクリート基盤への樹脂モルタル組成物の浸透性がより高まるとともに、硬化物の強度や硬化収縮抑制効果を得ることができる。
<作用効果>
以上説明した樹脂モルタル組成物は、本発明のシラップ組成物を含有するので、コンクリート基盤等の基盤への浸透性に優れながらも、基盤上で適度な塗布厚を維持できる。また、樹脂モルタル組成物は、基盤への浸透性に優れるので、接着性に優れるとともに、ピンホールが生じにくく、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できる。
また、樹脂モルタル組成物を用いることで、後述する積層体とした場合でも外観が良好で、耐久性に優れた積層体が得られる。
樹脂モルタル組成物は、コンクリート基盤等の基盤上に被覆層を形成する際のプライマーの他、後述する中塗り材や上塗り材としても使用できる。
[積層体]
本発明の積層体は、建築物や橋梁などの構造体を構成する基盤上に本発明のシラップ配合組成物を塗布し、該シラップ配合組成物を硬化させてなるものである。
本発明の積層体は、基盤に本発明のシラップ配合組成物を塗布し、該シラップ配合組成物を硬化させて基盤上に塗膜を形成することで製造できる。
構造体としては、例えばセメントコンクリート、モルタルコンクリート、レジンコンクリート、透水コンクリート、ALC板、PC板等が挙げられる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて構成される。また、コンクリートの場合は、鉄筋を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
これら構造体は、例えば建築物の床やプラットホーム、道路、橋、高架橋等の床版等に用いられるものである。建築物の床やプラットホーム、および床版防水構造体においては、既に塗膜を形成した建築物の床材や舗装層を形成した既設の構造体や、既設舗装層や既設防水層を剥がした後の構造体を、シラップ配合組成物を塗布する前の構造体として用いても特に問題はない。
構造体の形状については特に制限されず、例えば平面、曲面、傾斜面等、どのような形状であってもよい。
例えば、本発明のシラップ組成物を建築物の床面に用いる場合、本発明のシラップ組成物は、有機過酸化物と混合してシラップ配合組成物とした上で、あるいは骨材と混合して樹脂モルタル組成物とした上で用いることが好ましい。これらシラップ配合組成物や樹脂モルタル組成物は、建築物や構造物のコンクリートへの耐摩耗性や耐薬品性などの機能付与材、または欠損部などの補修目的の補修材として用いることができ、倉庫や機械室等の床面に好適に用いることができる。
シラップ配合組成物や樹脂モルタル組成物は、基盤のプライマー(下塗り材)として用いることができるが、その他にも、中塗り層を形成するための中塗り材や、仕上げ層(上塗り層)を形成するための上塗り材としても使用することができる。特に、シラップ配合組成物は下塗り材、上塗り材として好適であり、樹脂モルタル組成物は中塗り材、上塗り材として好適である。
なお、中塗り層をベースコート層といい、仕上げ層(上塗り層)をトップコート層という場合もある。
本発明のシラップ配合組成物を下塗り材として用いる場合の塗布量は、基盤にもよるが、0.1〜1.0kg/mが好ましく、0.2〜0.8kg/mがより好ましい。塗布量が0.1kg/m以上であれば硬化塗膜を容易に得ることができ、1.0kg/m以下であれば良好な接着性を得ることができる。
なお、基盤上に下塗り材を塗布するに際して、基盤の脆弱部あるいは水・油脂分など接着性能を阻害する因子は事前に処理しておくことが好ましい。
また、本発明のシラップ組成物を樹脂モルタル組成物として用いる場合、樹脂モルタル組成物は基盤上に直接塗布してもよいし、予め基盤上にプライマー層を形成しておき、該プライマー層上に樹脂モルタル樹脂を塗布してもよい。この場合のプライマー層を形成するためのプライマー(下塗り材)としては、本発明のシラップ配合組成物が好ましい。
樹脂モルタル組成物の塗布厚としては特に制限されないが、塗布作業性や塗布後の外観などから、0.5〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。樹脂モルタル組成物の塗布厚が0.5mm以上であれば均一な塗膜が得られ、塗布厚が10mm以下であれば骨材が分離しにくく、均一な硬化体を得ることができる。
本発明のシラップ配合組成物を上塗り材として用いる場合の塗布量は、基盤にもよるが、0.1〜1.0kg/mが好ましく、0.2〜0.8kg/mがより好ましい。トップコートは1層でもよいし、2層以上に積層してもよい。
さらに、滑りを防止する目的でシラップ配合組成物を塗布し硬化する前に、骨材を散布しシラップ配合組成物と一緒に硬化させ、固着させることもできる。
本発明の積層体は、基盤上に本発明のシラップ組成物を用いて形成された被覆層を備えるが、この被覆層としては、例えばプライマー層とベースコート層とトップコート層との3層構造や、プライマー層とトップコート層との2層構造などが挙げられる。
特に、本発明のシラップ組成物を下塗り材として基盤に塗布・硬化させた場合、プライマー層の外観に影響を与えるピンホールが発生していない場合や、ピンホールが発生していてもパテ材などでピンホールを簡単に処理できる場合には、プライマー層とトップコート層との2層構造とするのが好ましい。このときの上塗り材としては、上述した樹脂モルタル組成物を用いることが好ましく、その塗布厚は、1〜3mmが好ましい。
建築物の床面等を構成する基盤上にシラップ配合組成物や樹脂モルタル組成物を塗布する方法としては特に制限されず、ハケ、コテ、ローラーなどを用いた公知の塗布方法が挙げられる。
施工時の温度としては、−10〜35℃の温度範囲が可能であり、0〜30℃の範囲が好ましい。また、施工性の点からゲル化時間は10〜60分の範囲が好ましく、10〜45分の範囲がより好ましい。ゲル化時間や硬化時間の調整は、硬化剤(有機過酸化物)および硬化促進剤の量を塗布時の温度に応じて調節することにより行うことができる。
また、本発明のシラップ組成物を道路、橋、高架橋等の床版に用いる場合も、本発明のシラップ組成物は、有機過酸化物と混合してシラップ配合組成物とした上で、あるいは骨材と混合して樹脂モルタル組成物とした上で用いることが好ましい。これらシラップ配合組成物や樹脂モルタル組成物は、床版への劣化を抑制するための床版防水や、構造物としての床版の有効断面積を得るため床版増厚などの機能付与材、または補修目的の材料の一部として用いることができる。
なお、道路、橋、高架橋等の床版を構成する基盤上に本発明のシラップ配合組成物を塗布し、硬化させて形成されたプライマー層の上面には、本発明のシラップ組成物以外の他の樹脂を塗布してもよい。さらに、トップコート層をフィルムやシートを用いて形成することも可能である。
他の樹脂としては、例えば床版防水工法に用いられる樹脂などが挙げられ、具体的には、溶剤系樹脂やエマルション系樹脂、あるいは、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂等の施工後に硬化させる合成樹脂系塗料や樹脂、ゴム、アスファルト等の固体状のものを熱溶融し液状化してから塗工するもの、石油アスファルトやアスファルト乳剤、各種液状合成樹脂などの液体状のものなどが挙げられる。
また、他の樹脂としては、上述した以外にも、本発明のシラップ組成物以外のラジカル重合型アクリル樹脂や、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の常温硬化型樹脂組成物などが挙げられる。
また、プライマー層と、その上面に積層する他の樹脂からなる層との接着を強固にするために、これらの間に接着層を設けてもよい。
接着層の形成に使用する接着材の形状は特に制限されず、例えば、液状、粉状、粒状、シート・フィルム状の何れでもよい。
接着材としては、プライマー層と他の樹脂からなる層との接着を向上させるものであればよく、特に制限されないが、例えば樹脂、ゴム、アスファルト等の固体状のもの、石油アスファルトやアスファルト乳剤、各種液状合成樹脂等の液体状のものなどが挙げられる。
接着材が液状の場合は、その液状材料を、ハケ、ローラー、スプレー等でプライマー層上に塗布すればよい。また、接着材が粉状または粒状の場合は、それをプライマー層に均一に散布してもよいし、シラップ配合組成物を塗布した後、これを硬化させる前に塗布面に散布してもよい。さらに、接着材が粉状や粒状よりも粒径が大きい場合や、シート・フィルム状などの場合は、これらを加熱溶融し、液状化してから塗布すればよい。
道路、橋、高架橋等の床版を構成する基盤上にシラップ配合組成物や樹脂モルタル組成物の塗布する方法としては特に制限されず、ハケ、コテ、ローラー、自在ボウキ、塗装機(例えばスプレー塗装機、2液エアレス塗装機等)などを用いた公知の塗布方法が挙げられる。2液エアレス塗装機を用いる場合は、主剤側と硬化剤側の2液に分け、主剤側には少なくとも硬化促進剤を添加し、硬化剤側に少なくとも有機過酸化物を添加することが好ましい。
施工時の温度としては、−10〜60℃の温度範囲が可能であり、0〜40℃の範囲が好ましい。また、施工性の点から可使時間は5〜90分の範囲、硬化時間は5〜120分の範囲が好ましく、可使時間は5〜60分の範囲、硬化時間は10〜120分の範囲がより好ましく、可使時間は5〜60分の範囲、硬化時間は10〜90分の範囲がさらに好ましい。可使時間や硬化時間の調整は、硬化剤(有機過酸化物)および硬化促進剤の量を塗布時の温度に応じて調節することにより行うことができる。
以上説明した本発明の積層体は、基盤上に本発明のシラップ組成物を用いて形成された被覆層が設けられている。本発明のシラップ組成物は、躯体のコンクリート基盤等の基盤に充分に浸透することが可能となるため、被覆層にはピンホールが生じ難く、硬化後の表面が良好であり、しかも接着性にも優れる。また、本発明の積層体は、耐久性にも優れる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、各実施例、比較例中「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
[(メタ)アクリル系重合体(X)]
(メタ)アクリル系重合体(X)として、ビックケミー・ジャパン社製の「BYK−352」および「BYK−354」を用いた。なお、BYK−352は有効成分が80%であり、プロピレングリコールモノメチルエーテルを20%含有するものである。BYK−354は有効成分が51%であり、高沸点芳香族ジブチルイソケトンを49%含有するものである。
これら(メタ)アクリル系重合体(X)の表面張力低減率を以下のようにして測定した。結果を表1に示す。
<モデルシラップ組成物(Z)の調製>
撹拌機、コンデンサーを備えた容器に、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略す。)60部と、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「2−EHA」と略す。)10部と、融点が47℃であるパラフィンワックス0.4部と、融点が55℃であるパラフィンワックス0.3部と、融点が66℃であるパラフィンワックス0.2部と、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン(以下、「PTEO」と略す。)1.0部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.0026部とを混合し、これらを撹拌しながら、MMAおよびメタクリル酸n−ブチル(以下、「n−BMA」と略す。)の共重合体(MMA/n−BMAで表される質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移温度が65℃である)30部を投入した。水浴にて溶液温度を60℃にし2時間加熱し、共重合体を溶解した。共重合体の溶解を確認後、冷却し、モデルシラップ組成物(Z)を得た。
<表面張力の測定>
得られたモデルシラップ組成物(Z)を使用前によく撹拌し均一にした後、モデルシラップ組成物(Z)100gを計量した。モデルシラップ組成物(Z)100gに(メタ)アクリル系重合体(X)を固形分換算で0.4gを添加し、撹拌・混合して混合物を得た。
モデルシラップ組成物(Z)および得られた混合物をそれぞれPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製のシャーレに適量移し、自動表面張力計(協和界面科学社製、「CBVP−Z」)を用い、白金プレートにて表面張力を測定した。モデルシラップ組成物(Z)の表面張力をa1とし、混合物の表面張力をa2として、下記式(1)より表面張力低減率を求めた。
表面張力低減率(%)={(a1−a2)/a1}×100 ・・・(1)
Figure 2015229683
モデルシラップ組成物(Z)単独の表面張力は25.8mN/mであった。
また、モデルシラップ組成物(Z)とBYK−352との混合物の表面張力は19.3mN/mであり、表面張力低減率は25.2%であった。
モデルシラップ組成物(Z)とBYK−354との混合物の表面張力は20.1mN/mであり、表面張力低減率は22.1%であった。
なお、表1中のカッコ内の数字は、固形分換算した量(g)である。
[シラップ組成物]
<シラップ組成物(S−1)の調製>
撹拌機、コンデンサーを備えた容器に、(A)成分としてMMA53部、2−EHA15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「2−HEMA」と略す。)2部、アクリル酸2−サクシノイルオキシエチル(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−SA(以下、「A−SA」と略す。))4部、および1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン社製、商品名:アクリエステルBD(以下、「BDMA」と略す。))1部と、ワックスとして融点が47℃であるパラフィンワックス(以下、「ワックス1」と略す。)0.2部、融点が55℃であるパラフィンワックス(以下、「ワックス2」と略す。)0.2部、および融点が66℃であるパラフィンワックス(以下、「ワックス3」と略す。)0.15部と、三級アミン(硬化促進剤)としてN,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン(以下、「DIPT」と略す。)0.5部、およびN,N−ジメチル−p−トルイジン(以下、「DMPT」と略す。)0.3部と、重合禁止剤としてヒドロキノン(以下、「HQ」と略す。)0.006部と、(メタ)アクリル系重合体(X)としてBYK−352を0.5部と、シランカップリング剤としてKBM−503(信越化学工業社製)1部とを仕込み、撹拌しながら、(B)成分としてポリマー1(MMAおよびn−BMAの共重合体(MMA/n−BMAで表される質量比が60/40であり、質量平均分子量(Mw)が42,000であり、ガラス転移温度(Tg)が65℃である))25部を投入した。水浴にて溶液温度を60℃にし保持しながら2時間加熱し、(B)成分を溶解した。溶解を確認後、冷却し、シラップ組成物(S−1)を得た。シラップ組成物(S−1)の配合組成を表2に示す。
<シラップ組成物(S−2)、(S−6)、(S−8)、(S−9)、(S−11)の調製>
表2に記載の配合組成にすること以外は、シラップ組成物(S−1)の調製と同様にしてシラップ組成物(S−2)、(S−6)、(S−8)、(S−9)、(S−11)を得た。
<シラップ組成物(S−3)の調製>
(エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(E−1)の合成)
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:jER1001、エポキシ当量;472)476.7部と、メタクリル酸86部と、MMA243.8部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート(三菱レイヨン社製、商品名:アクリエステルDM)5.6部と、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.56部を仕込み、撹拌しながら90℃まで加熱した。この温度を維持した状態で反応を進行させた。酸価が7以下となった時点で反応を終了し、冷却し、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(E−1)を得た。
(シラップ組成物(S−3)の調製)
得られたE−1の68部に、MMA32部と、ワックス2を0.15部と、ワックス3を0.15部と、シランカップリング剤としてKBM−403(信越化学工業社製)1部と、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(以下、「BHT」と略す。)0.05部と、三級アミン(硬化促進剤)としてPTEO0.5部と、(メタ)アクリル系重合体(X)としてBYK−352を0.3部加え、シラップ組成物(S−3)を得た。
<シラップ組成物(S−4)の調製>
(エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(E−2)の合成)
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:jER1004、エポキシ当量;887)895.9部と、メタクリル酸86部と、MMA425部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート(三菱レイヨン社製、商品名:アクリエステルDM)9.8部と、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.98部を仕込み、撹拌しながら90℃まで加熱した。この温度を維持した状態で反応を進行させた。酸価が4以下となった時点で反応を終了し、冷却し、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(E−2)を得た。
(シラップ組成物(S−4)の調製)
得られたE−2の34部に、MMA66部と、ワックス2を0.15部と、ワックス3を0.15部と、シランカップリング剤としてKBM−403を1部と、重合禁止剤としてBHTを0.05部と、三級アミン(硬化促進剤)としてPTEO0.5部と、(メタ)アクリル系重合体(X)としてBYK−352を0.5部加え、シラップ組成物(S−4)を得た。
<シラップ組成物(S−5)の調製>
(ポリマー3の合成)
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置内に、脱イオン水135部と、分散剤としてポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,700)0.4部とを加えて撹拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した。その後、一度撹拌を停止し、これにメタクリル酸(以下、「MAA」と略す。)4部と、MMA60部と、n−BMA36部と、重合開始剤として2,2’−アゾビス2−メチルブチロニトリル(以下、「AMBN」と略す。)0.2部と、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン(以下、「n−DM」と略す。)0.8部と、電解質として炭酸ナトリウム0.1部とを加えて再度撹拌し、75℃に昇温して2.5時間反応させた後、さらに98℃に昇温して1.5時間保持して第1段階の反応を終了させた。40℃に冷却後、得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、脱水後、40℃で16時間乾燥して、粒状ビニル系重合体(コポリマー)を得た。
得られた粒状ビニル系重合体は、MMA/n−BMA/MAAで表される質量比が60/36/4であり、Tgが71℃、質量平均分子量が40,000であった。なお、粒状ビニル系重合体のTgはDSCによって測定した。
次いで、撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置内に、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」と略す。)6.6部と、エステル化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド1.5部と、重合禁止剤としてBHT0.1部と、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(以下、「THFMA」と略す。)108.16部と、MMA54部とを加え、撹拌しながら先に得られた粒状ビニル系重合体(コポリマー)100部を徐々に投入し、全量投入後90℃に昇温して2時間保持して第2段階の反応を行い、粒状ビニル系重合体(コポリマー)に、THFMAおよびMMA由来のメタクリロイル基が導入した、二重結合を有する重合体(ポリマー3)を得た。第1段階の反応に用いたMAAの1モルに対して、第2段階の反応で使用したGMAは1.0モルであった。
得られたポリマー3は、コポリマー/(GMA+THFMA+MMA)で表される質量比が100/(6.6+108.16+54)であり、酸価が0.3mgKOH/gであった。
(シラップ組成物(S−5)の調製)
得られたポリマー3の5部に、MMA18部と、THFMA32部と、2−HEMA30部と、EO変性ビスフェノールAジアクリレート(以下、「BPE−4」と略す。)14部と、ワックス1を0.4部と、ワックス2を0.3部と、ワックス3を0.2部と、シランカップリング剤としてKBM−403を1部と、重合禁止剤としてBHTを0.05部と、三級アミン(硬化促進剤)としてDMPT0.6部と、(メタ)アクリル系重合体(X)としてBYK−352を0.5部加え、シラップ組成物(S−5)を得た。
<シラップ組成物(S−7)の調製>
表2に記載の配合組成にすること以外は、シラップ組成物(S−3)の調製と同様にしてシラップ組成物(S−7)を得た。
<シラップ組成物(S−10)の調製>
表2に記載の配合組成にすること以外は、シラップ組成物(S−4)の調製と同様にしてシラップ組成物(S−10)を得た。
<粘度の測定>
得られたシラップ組成物の粘度について、B型粘度計(トキメック社製、「BM型」)を用い、23℃において測定を開始してから1分後の値を測定し、その値をシラップ組成物の粘度とした。結果を表2に示す。
Figure 2015229683
表2中の記号は以下の通りである。
・MMA:メタクリル酸メチル、
・2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル(三菱化学社製)、
・THFMA:テトラヒドロフルフリルメタクリレート(三菱レイヨン社製、商品名:アクリエステルTHF)、
・2−HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(三菱レイヨン社製、商品名:アクリエステルHO)、
・BDMA:1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン社製、商品名:アクリエステルBD) 、
・BPE−4:EO変性ビスフェノールAジアクリレート(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアBPE−4)、
・A−SA:アクリル酸2−サクシノイルオキシエチル(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−SA)、
・ポリマー1:MMA/n−BMA=60/40の共重合体(Tg=65℃、Mw=42,000)
・ポリマー2:MMA/n−BMA=60/40の共重合体(Tg=55℃、Mw=24,000)、
・ポリマー3:MMA/n−BMA/MAA=60/36/4のコポリマー(Tg=717℃、Mw=40,000)と、GMA、THFMA、およびMMAとの共重合体(コポリマー/(GMA+THFMA+MMA)=100/(6.6+108.16+54))、
・E−1:エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、
・E−2:エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、
・BYK−352:(ビックケミー・ジャパン社製、商品名:BYK−352)、
・BYK−354:(ビックケミー・ジャパン社製、商品名:BYK−354)、
・DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン、
・DIPT:N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、
・PTEO:N、N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、
・ワックス1:パラフィンワックス(日本精蝋社製、商品名:パラフィン115)、
・ワックス2:パラフィンワックス(日本精蝋社製、商品名:パラフィン130)、
・ワックス3:パラフィンワックス(日本精蝋社製、商品名:パラフィン150)、
・KBM−503:シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBM−503)、
・KBM−403:シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBM−403)、
・Disperbyk−167:湿潤剤(ビックケミー・ジャパン社製、商品名:Disperbyk−167)、
・HQ:ヒドロキノン、
・BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール。
「実施例1」
シラップ組成物(S−1)100部に、有機過酸化物(硬化剤)として過酸化ベンゾイル(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックスCH−50L)2部添加し、充分に混合して有機過酸化物を溶解させ、シラップ配合組成物を得た。
得られたシラップ配合組成物を用いて、以下の評価を行った。結果を表3に示す。
<浸透性の評価>
温度23℃において、JIS K5600に規定されているモルタル板(70×70×20mm)の表面をサンドペーパー(番手:#180)にて研磨・清掃し、評価用の基盤とした。基盤にシラップ配合組成物を刷毛にて0.3kg/m塗布した。塗布後、表面全体が濡れ色となるまでの時間を測定し、これを基盤への浸透時間とした。浸透時間が短いほど、浸透性に優れることを意味する。
◎:浸透時間が15秒以下である。
○:浸透時間が15秒を超え、30秒以下である。
×:浸透時間が30秒を超える。
<表面性の評価>
浸透性の評価と同様にして評価用の基盤を作製し、該基盤にシラップ配合組成物を刷毛にて0.4kg/m塗布し、硬化させて基盤上に塗膜を形成した。塗膜表面のピンホールの有無について目視にて確認し、以下の評価基準にて評価した。
○:塗膜表面にピンホールがなく、良好であった。
×:塗膜表面にピンホールが1個以上見られた。
<接着性の評価>
浸透性の評価と同様にして評価用の基盤を作製し、該基盤にシラップ配合組成物をローラーにて0.4kg/m塗布し、硬化させて基盤上に塗膜が形成された試験片を得た。
得られた試験片を23℃で24時間放置した後、塗り床の付着強さ試験方法(日本塗り床工業会試験方法、NNK−005:2006)に準拠して、接着強度を測定し、さらに以下の評価基準にて接着性を評価した。
○:基盤の凝集破壊。
×:基盤と塗膜の層間剥離、または塗膜の凝集破壊。
「実施例2〜8、比較例1〜3」
シラップ組成物の種類を表3、4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてシラップ配合組成物を調製し、浸透性、表面性、接着性の各評価を行った。結果を表3、4に示す。
なお、実施例3〜5、7、および比較例2については、シラップ組成物に有機過酸化物を添加する前に、硬化促進助剤として表3、4に示す量のナフテン酸コバルト6%溶液(日本化学産業社製、製品名:ナフテックスコバルト6%(T)、コバルト含有量6%)をシラップ組成物に添加し、充分に混合しておいた。
Figure 2015229683
Figure 2015229683
なお、表3、4中のカッコ内の数字は、金属(コバルト)の量(部)である。
また、表3、4中の記号は以下の通りである。
・BPO−50:過酸化ベンゾイル(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックスCH−50L)、
・Co6%:ナフテン酸コバルト6%(日本化学産業社製、商品名:ナフテックスコバルト6%(T))。
表3の結果より、実施例1〜8のシラップ配合組成物は、浸透性が良好であり、硬化後の表面性および基盤に対する接着性が良好な硬化塗膜を形成できた。
一方、表4の結果より、(メタ)アクリル系重合体(X)を含まない比較例1、2のシラップ配合組成物は、浸透性、表面性、接着性の全てを満足するものではなかった。
ワックスを含まないシラップ組成物(S−11)を用いた比較例3のシラップ配合組成物は、表面が硬化せず、硬化塗膜を得ることができなかった。
「実施例9」
シラップ組成物(S−1)100部に、有機過酸化物(硬化剤)として過酸化ベンゾイル(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックスCH−50L)2部添加し、充分に混合して有機過酸化物を溶解させた後、トナー(菱晃社製、商品名:MRT−21)2部をさらに加え、ミキサーにて回転数850rpmにて1分間撹拌混合し、シラップ配合組成物を得た。なお、トナーはピンホールを識別しやすくするために配合した。
得られたシラップ配合組成物を用いて、以下の評価を行った。結果を表5に示す。
<表面性の評価>
コンクリート下地(基盤)の表面の脆弱部をライナックスにて研磨後、掃除機にて清掃した1m×1mの箇所に、シラップ配合組成物をローラーまたはコテにて0.4kg/m塗布し、硬化させて基盤上に塗膜を形成した。塗膜表面のピンホールの個数を計測した。
なお、本評価は、ピンホールが生じやすい施工場所(例えば倉庫床)を想定し、試験施工を実施した。
「実施例10、比較例4」
シラップ組成物の種類を表5に示すように変更した以外は、実施例9と同様にしてシラップ配合組成物を調製し、表面性の評価を行った。結果を表5に示す。
なお、実施例10については、シラップ組成物に有機過酸化物を添加する前に、硬化促進助剤として表5に示す量のナフテン酸コバルト6%溶液(日本化学産業社製、製品名:ナフテックスコバルト6%(T)、コバルト含有量6%)をシラップ組成物に添加し、充分に混合しておいた。
「実施例11」
シラップ組成物(S−1)100部に、有機過酸化物(硬化剤)として過酸化ベンゾイル(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックスCH−50L)2部添加し、充分に混合して有機過酸化物を溶解させた後、骨材(菱晃社製、商品名:KS−1)240部と、トナー(菱晃社製、商品名:MRT−21)2部をさらに加え、ミキサーにて回転数850rpmにて1分間撹拌混合し、樹脂モルタル組成物を得た。
得られた樹脂モルタル組成物を用いた以外は、実施例9と同様にして表面性の評価を行った。結果を表5に示す。なお、表面性の評価において、樹脂モルタル組成物を2mm厚となるように基盤上に塗布した。
「実施例12〜14」
シラップ組成物の種類、骨材の種類と量を表5に示すように変更した以外は、実施例11と同様にして樹脂モルタル組成物を得た。
なお、実施例12については、シラップ組成物に有機過酸化物を添加する前に、硬化促進助剤として表5に示す量のナフテン酸コバルト6%溶液(日本化学産業社製、製品名:ナフテックスコバルト6%(T)、コバルト含有量6%)をシラップ組成物に添加し、充分に混合しておいた。
得られた樹脂モルタル組成物を用いた以外は、実施例9と同様にして表面性の評価を行った。結果を表5に示す。なお、表面性の評価において、樹脂モルタル組成物を2mm厚となるように基盤上に塗布した。
Figure 2015229683
なお、表5中のカッコ内の数字は、金属(コバルト)の量(部)である。
また、表5中の記号は以下の通りである。
・BPO−50:過酸化ベンゾイル(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックスCH−50L)、
・Co6%:ナフテン酸コバルト6%(日本化学産業社製、商品名:ナフテックスコバルト6%(T))、
・KS−1:セラミック骨材とガラスビーズの混合品(菱晃社製、商品名:KS−1)、
・KZ−006:硅砂6号(菱晃社製、商品名:KZ−006(硅砂6号))、
・MRT−21:トナー(菱晃社製、商品名:MRT−21)。
表5の結果より、(メタ)アクリル系重合体(X)を含むシラップ組成物を用いた場合(実施例9〜14)、(メタ)アクリル系重合体(X)を含まないシラップ組成物を用いた場合(比較例4)と比較して、ピンホールの個数が少なく、硬化後の表面性が良好な硬化塗膜を形成できた。
本発明のシラップ組成物は、コンクリート基盤等の基盤に対する浸透性に優れ、しかも基盤上で適度な塗布厚を維持でき、硬化後の表面が良好な塗膜を形成できる。本発明のシラップ組成物は、自動車工場、倉庫、食品工場、加工場、部品組立工場など建築物の床や構造物の床面、道路などの土木建築用途に有用である。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル酸エステル単量体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)、ワックス、並びに三級アミンを含むシラップ組成物であって、
    下記測定方法により測定される表面張力低減率が5〜30%である(メタ)アクリル系重合体(X)をさらに含有する、シラップ組成物。
    (測定方法)
    メタクリル酸メチル60質量部と、アクリル酸2−エチルヘキシル10質量部と、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸n−ブチルの共重合体(メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチルで表される質量比が60/40であり、質量平均分子量が42,000であり、ガラス転移温度が65℃である)30質量部と、融点が47℃であるパラフィンワックス0.4質量部と、融点が55℃であるパラフィンワックス0.3質量部と、融点が66℃であるパラフィンワックス0.2質量部と、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン1質量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.0026質量部とからなるモデルシラップ組成物(Z)の表面張力(a1)と、前記モデルシラップ組成物(Z)100質量部に(メタ)アクリル系重合体(X)0.4質量部を添加した混合物の表面張力(a2)を測定し、下記式(1)より表面張力低減率を求める。
    表面張力低減率(%)={(a1−a2)/a1}×100 ・・・(1)
  2. B型粘度計で測定される粘度が15〜150mPa・sである、請求項1に記載のシラップ組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル系重合体(X)の含有量が、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)、並びに(メタ)アクリロイル基を有する単量体の重合体および/または(メタ)アクリロイル基を有する重合体(B)の合計100質量部に対し、0.05〜3質量部である、請求項1または2に記載のシラップ組成物。
  4. 骨材と混合して使用する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシラップ組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシラップ組成物と、有機過酸化物とを含有する、シラップ配合組成物。
  6. 基盤上に請求項5に記載のシラップ配合組成物を塗布し、該シラップ配合組成物を硬化させる、積層体の製造方法。
  7. 基盤上に請求項5に記載のシラップ配合組成物を塗布し、該シラップ配合組成物を硬化させてなる、積層体。
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