JP2004352780A - プライマー用組成物 - Google Patents

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和彦 岩崎
Mikio Takasu
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Abstract

【課題】基材の含水量によらず、硬化被覆層の付着性に優れ、かつ塗工作業性及び硬化性に優れる組成物を得る。
【解決手段】多価イソシアネート化合物(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)、多価アルコール(a3)、アリルエーテル基を含有するモノアルコール(a4)を反応させて得られるウレタンアクリル系オリゴマー(A)20〜70質量%、水酸基含有(メタ)アクリレート(B)10〜30質量%、及び水酸基を含有しない(メタ)アクリレート(C)20〜70質量%の合計量100質量部に対して、硬化剤(D)0.1〜15質量部及び硬化促進剤(E)0.001〜10質量部を含有する組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥あるいは湿潤状態にあるコンクリート被覆用又はモルタル被覆用の下塗り材として有用なプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートやモルタルは、外部環境から化学的作用を受け劣化する。そのため、近年コンクリート面及びモルタル面への保護を主目的として、エポキシ樹脂系プライマー、ウレタン樹脂系プライマー、ビニルエステル樹脂系プライマー等のコンクリート用プライマーが用いられている。
【0003】
しかしながら、それらのプライマーは、完全に乾燥したコンクリートに対する付着性は良好であるものの、雰囲気温度によって硬化性が左右される、低温時には十分な硬化性が得られない、湿潤状態のコンクリートやモルタルに対する接着強度が低いといった課題がある。そのため、被覆したプライマーの硬化被覆層が剥離するという課題があった。
【0004】
基材となるコンクリート硬化物やモルタル硬化物は、その表面状態が不均一であることや、含有水分量が不均一であること、その表層に凝集力が小さいレイタンス層が存在すること等が、その原因として挙げられる。
【0005】
このような状況下、低温時でも短時間での硬化が可能であるプライマー組成物として、例えばメタクリル樹脂系プライマー組成物や、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを基礎とするエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸、特定の飽和又は不飽和モノカルボン酸からなるエポキシ(メタ)アクリレートを主成分とするプライマー組成物等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特定のエポキシアクリレート系樹脂と水溶性重合モノマー等からなる樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献2、3を参照)。
【0006】
【特許文献1】特公昭64−10024号公報
【特許文献2】特許第2601316号公報
【特許文献3】特開平10−297982号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載のプライマー組成物は、湿潤状態のコンクリート硬化物又はモルタル硬化物に対する接着強度が十分ではなく、さらに後者のプライマー組成物は、低温時の粘度上昇が大きく、塗工作業性が不良となる傾向にある。
【0008】
また、特許文献2や特許文献3に記載のエポキシアクリレート系樹脂を構成するエポキシ樹脂の樹脂粘度又は分子量が低い場合には、それを含む組成物の硬化性が不十分となる傾向にあり、また、その樹脂粘度又は分子量が高い場合には、それを含む組成物の硬化性に優れるものの、低温時の粘度上昇が著しく、塗工作業性が不十分となる傾向にある。
【0009】
本発明は、基材の含水量によらず、乾燥状態であっても湿潤状態であっても、得られる硬化被覆層の基材に対する付着性が良好であり、かつ塗工作業性、硬化性に優れるプライマー組成物を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多価イソシアネート化合物(a1)(以下、成分(a1)という)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)(以下、成分(a2)という)、多価アルコール(a3)(以下、成分(a3)という)、アリルエーテル基を含有するモノアルコール(a4)(以下、成分(a4)という)を反応させて得られるウレタンアクリル系オリゴマー(A)(以下、成分(A)という)20〜70質量%、水酸基含有(メタ)アクリレート(B)(以下、成分(B)という)10〜30質量%、及び水酸基を含有しない(メタ)アクリレート(C)(以下、成分(C)という)20〜70質量%の合計量100質量部に対して、硬化剤(D)0.1〜15質量部及び硬化促進剤(E)0.001〜10質量部を含有するプライマー用組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる成分(A)は、成分(a1)、成分(a2)、成分(a3)、及び成分(a4)を反応させて得られるウレタンアクリル系オリゴマーである。
ここで用いる(a1)は、一分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物を意味する。
このような化合物を用いれば、得られる組成物の空気硬化性や得られる硬化被覆層の塗膜強度をコントロールできる。
その中でも、一分子中に含まれるイソシアネート基の数は、平均3個以上であることが好ましく、3〜4個の範囲であることがより好ましい。
【0012】
成分(a1)の具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類;等が挙げられる。
また、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット変性体やヌレート変性体等のトリイソシアネート化合物類;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等、3価以上の多価イソシアネート化合物の混合物等も挙げられる。
これらは、要求性能に応じて適宜選択すればよい。
その中でも、例えば得られる硬化物に耐黄変性を付与する場合には、脂肪族イソシアネート類を用いることが好ましい。
【0013】
また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、その他メタクリロイルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物類を、本発明の組成物に混合して用いることもできる。
【0014】
成分(a2)は、成分(A)の成分(B)、(C)に対する相溶性を向上させ、又、成分(A)に、成分(B)、(C)との共重合性を付与する成分である。
【0015】
成分(a2)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート類;及びそれらの2量体や3量体等の多量体等、末端に水酸基を有する(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等、その他分子末端以外の部分に水酸基を有する(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチルメタクリレートへのγ−ブチロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシエチルアクリレートへのε−カプロラクトン開環付加物、メタクリル酸へのエチレンオキサイドの開環付加物、メタクリル酸へのプロピレンオキサイドの開環付加物;等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
【0016】
それらの中でも、成分(A)の成分(B)、(C)との相溶性、共重合性という点から、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート類が好ましく、その中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が特に好ましい。
【0017】
成分(a3)は、得られる硬化被覆層の柔軟性や剛性等の機械的強度を付与する成分である。
成分(a3)は二価以上のアルコール性水酸基を有する化合物であり、公知の多価アルコールを用いることができる。
【0018】
成分(a3)の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール;二塩基酸とポリオール類からなるポリエステルポリオール;ポリアクリルポリオール;水酸基含有ポリブタジエン等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
【0019】
成分(a3)の重量平均分子量は特に限定されないが、300〜5000であることが好ましい。
この重量平均分子量が300以上である場合には、柔軟性や剛性等の特性が十分に発現することから好ましい。また、同様に硬化被覆層の強度と硬化性とのバランスがとり易いことから5000以下であることが好ましい。
その中でも、重量平均分子量の下限値は400以上であることがより好ましい。またその上限値は2000以下であることがより好ましい。
【0020】
成分(a4)は、本発明の組成物の表面硬化性を付与するための成分である。
【0021】
成分(a4)の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
【0022】
その中でも、特に本発明の組成物の表面硬化性に優れることから、3個のアリルエーテル基を有するモノアルコールが好ましく、さらにその中でもペンタエリスリトールトリアリルエーテルが特に好ましい。
【0023】
本発明の組成物の表面硬化性をさらに向上させる場合には、この成分(a4)の分子内にアリルエーテル基を含有させることが好ましい。
そのアリルエーテル基の含有量は、表面硬化性を発現させる効果が十分に発現することから、その下限値が本発明の組成物中に0.5mmol/g以上であることがより好ましい。また、その上限値は、本発明の組成物の貯蔵安定性に優れることから、5mmol/g以下であることがより好ましい
さらにその中でも、アリルエーテル基の含有量は、下限値が0.8mmol/g以上であることが特に好ましく、上限値が3mmol/g以下であることが特に好ましい。
【0024】
本発明に用いる成分(A)は、前記した成分(a1)〜(a4)を反応させて得られるウレタンアクリル系のオリゴマーである。
この成分(A)の分子量は特に限定されないが、本発明の組成物の塗工作業性や得られる硬化被覆層の基材に対する付着性等が十分に発現することから、GPC法により測定される重量平均分子量の下限値は2000以上であることが好ましい。
また、塗工作業性に優れることから、その重量平均分子量の上限値は100000以下であることが好ましい。
その中でも、成分(A)の重量平均分子量は、下限値が3000以上であることがより好ましい。またその上限値が50000以下であることがより好ましい。
【0025】
成分(A)の合成法としては、公知の合成法を用いればよい。
具体的には、例えば成分(a1)に公知のウレタン化触媒を添加し、次いで成分(a2)成分(a3)及び成分(a4)を順次滴下して反応させる方法が挙げられる。また、逆に成分(a2)〜(a4)中に成分(a1)を徐々に加える方法等も挙げられる。
【0026】
成分(A)の合成は、成分(a1)中のイソシアネート基(NCO)と成分(a2)〜(a4)中の水酸基(OH)との官能基のモル比率は、NCO/OH=1/0.95〜0.95/1の範囲であることが好ましく、NCO/OH=1/1であることがより好ましい。
【0027】
なお、成分(A)を合成する反応系には、本発明の特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて、水酸基等を含有しない(メタ)アクリレートやスチレン等のビニル系単量体等の不活性溶媒を含有させてもよい。
【0028】
本発明において成分(A)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計量100質量%中に20〜70質量%の範囲である。
成分(A)の含有量が20質量%より少ない場合には、本発明の組成物に硬化性を十分に付与することができない傾向にある。また、成分(A)の含有量が70質量%を超える場合には、得られる硬化物に基材に対する付着性や適度な塗工作業性が十分に発現させることができない傾向にある。
その中でも、成分(A)の含有量は、下限値が20質量%以上であることが好ましい。またその含有量の上限値は、60質量%以下であることが好ましい。
【0029】
本発明に用いる成分(B)は、基材の含有水分量によらず、乾燥状態であっても湿潤状態であっても、得られる硬化被覆層に、基材に対する優れた付着性を付与する成分である。
このような成分(B)を用いれば、本発明の組成物の基材に対する浸透性を向上させることができる。
【0030】
成分(B)の具体例としては、例えば、成分(a2)に記載した化合物が挙げられる。
それらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、基材に対する浸透性いう点から、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート類が好ましく、その中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等がより好ましい。
【0031】
本発明において成分(B)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計量100質量%中に10〜30質量%の範囲である。
成分(B)の含有量が10質量%より少ない場合には、基材に対する浸透性が十分ではなく、その結果得られる硬化物の基材に対する付着性を十分に付与できない傾向にある。
また、成分(B)の含有量が30質量%を超える場合には、組成物の硬化性及び得られる硬化物の強度が十分に発現させることができない傾向にある。
その中でも、成分(B)の含有量は、下限値が12質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。また、その上限値は、28質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。
【0032】
成分(C)は、組成物の塗工作業性、重合性、及び得られる硬化被覆層の物性を制御する成分である。
【0033】
成分(C)の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の単官能重合性単量体類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートや、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多官能重合性単量体類;等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
【0034】
本発明において成分(C)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計量100質量%中に20〜70質量%の範囲である。
【0035】
成分(C)の含有量が20質量%より少ない場合には、組成物の重合性、硬化被覆層の物性、及び塗工作業性の制御が困難となる傾向にある。また、その含有量が70質量%を超える場合には、成分(A)、(B)にて付与すべき各種性能を十分に発現させることが困難であったり、得られる硬化物層の基材に対する付着性が十分に発現しない傾向にある。
【0036】
本発明の組成物は、硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)を含有する。これらを併用すれば、組成物の塗工作業性と硬化性を兼ね備える組成物を得ることができ、かつ得られる硬化物に基材に対する付着性や目的とする強度等を付与することができる。
【0037】
硬化剤(D)としては、ラジカル重合を開始させることができればよく、公知の各種重合開始剤が挙げられる。
【0038】
硬化剤(D)の具体例としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
【0039】
本発明において硬化剤(D)の含有量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量100質量部に対して0.1〜15質量部の範囲である。
その中でも、硬化剤(D)の含有量は、十分に硬化性を付与できることから、下限値は0.5質量部以上であることが好ましい。またその上限値は、組成物の塗工作業性、及び得られる硬化物の付着性が十分に発現することから、10質量部以下であることが好ましい。
【0040】
また、硬化促進剤(E)の具体例としては、例えばN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等の芳香族第3級アミン類や、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケル等の金属石鹸類を挙げることができる。
これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
【0041】
本発明において硬化促進剤(E)の含有量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量100質量部に対して0.001〜10質量部の範囲である。その中でも、硬化促進剤(E)の含有量は、促進効果が十分に発現することから、下限値が0.01質量部以上であることが好ましい。また、その上限値は、組成物の塗工作業性、及び得られる硬化被覆層の付着性が十分に発現することから、5質量部以下であることが好ましい。
【0042】
本発明の組成物は、この硬化剤(D)及び硬化促進剤(E)の含有量を適宜調整することにより、所望する可使時間及び硬化時間を有する組成物を得ることができる。
その中でも、屋外、特に道路等の施工に本発明の組成物を用いる場合には、取り扱い性及び塗工作業性に優れ、しかも塗工後には速やかに硬化することが望まれている。
そこで、本発明の組成物は、可使時間が20〜60分であることが好ましい。その中でも、さらに可使時間が20〜60分経過後に、速やかに重合反応が開始して、組成物が硬化することがより好ましい。
【0043】
本発明の組成物には、硬化時に塗膜表面の硬化性を向上させる目的で、各種パラフィンワックス(F)を添加してもよい。
【0044】
パラフィンワックス(F)は、特に限定されないが、その中でも融点が40〜80℃のパラフィンワックスを用いることが好ましい。また、本発明の組成物を使用する雰囲気温度が低温下から高温下まで多岐にわたることより、2種類以上の融点の異なるパラフィンワックスを併用することがより好ましい。
【0045】
パラフィンワックス(F)の含有量は特に限定されないが、本発明の組成物との相溶性や、本発明の組成物を重ね塗りした場合における硬化被覆層同士の付着性の観点から、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部の範囲であることが好ましい。その中でも、0.01〜5質量部の範囲がより好ましく、特に好ましくは0.1〜2質量部の範囲である。
【0046】
本発明の組成物には、見かけ上の硬化を速める、硬化時の収縮を抑制して低減化する、及び組成物の粘度を調整するといった目的で、成分(B)に溶解もしくは膨潤可能な熱可塑性高分子を必要に応じて添加してもよい。
なお、ここでいう成分(B)に溶解もしくは膨潤可能とは、成分(B)中に一部又は全部が溶解、又は膨潤して均一に分散するものを意味する。
【0047】
この熱可塑性高分子の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を重合して得られるポリアルキル(メタ)アクリレート類;ポリスチレン系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のビニル芳香族炭化水素を単量体成分とするビニル共重合体;等が挙げられる。
その中でも、硬化性という点から、ガラス転移温度が20〜105℃である熱可塑性高分子を用いることが好ましい。
【0048】
本発明において熱可塑性高分子の含有量は、特に限定されないが、その中でも組成物の塗工作業性を十分に確保できることから、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して0.001〜50質量部の範囲であることが好ましい。その含有量が50質量部を超える場合には、基材への付着性を低下させたり、作業性を低下させる傾向にある。
そこで、本発明における熱可塑性高分子の含有量は、10〜30質量部であることがより好ましい。
【0049】
また、本発明に用いる熱可塑性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、良好な塗工作業性を確保できることから、GPC法により測定される重量平均分子量が200000以下であることが好ましい。その中でも、その重量平均分子量は、添加による粘度上昇にて作業性が損なわれることより、30000〜100000であることがより好ましい。
【0050】
本発明の組成物には、必要に応じて各種添加剤を含有させることができる。
具体的には、例えば、得られる硬化被覆層の耐候性を更に向上させる目的で、紫外線吸収剤を含有させることができる。この紫外線吸収剤の含有量は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計量100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲であることが好ましい。
【0051】
本発明の組成物は、基材の含有水分量によらず、基材に対する付着性に優れる硬化被覆層を形成することができる。しかしながら、例えばコンクリート硬化物中の骨材がその表面に露出している等の場合には、本発明の組成物の浸透効果だけでは付着性が十分ではない傾向にある。このように、基材、特に無機物に対する付着性を向上させる目的で、シランカップリング剤を含有させることができる。
【0052】
このシランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等、公知の各種シランカップリング剤が挙げられる。
その中でも、特に本発明の組成物の無機物に対する付着性を格段に向上させ、かつ、組成物の硬化性にも優れることから、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシランが好ましい。
【0053】
その他、得られる硬化被覆層の外観を向上させる目的で、各種の消泡剤やレベリング剤を、また本発明の組成物の貯蔵安定性を向上させる目的で、ヒドロキノン類等の重合抑制剤を含有させてもよい。
【0054】
さらに、本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、所望する性能に応じて可塑剤を添加することができる。
可塑剤の具体例としては、ジ−2−エチルへキシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類等の二塩基性脂肪酸エステル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;等、公知の可塑剤が挙げられる。
【0055】
本発明の組成物は、無機充填材及び/又は骨材と混合して、それらを含む硬化物を得ることもできる。
無機充填材としては、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク等、公知のものを用いることができる。
また、無機充填材の平均粒子径、形状、粒度分布等は、適宜選択すればよい。その中でも、配合物の作業性という点から、平均粒子径が1μm以上であることが好ましい。
無機充填材の吸油量は、配合物の作業性という点から、アマニ油100gに対する吸油量が35g以下であることが好ましい。
骨材としては、例えば、硅砂、石英砂、着色した磁器、陶器素地等を焼成硬化して粉砕したもの;ガラスビーズ、山砂、川砂;等の細骨材等、公知のものを用いることができる。これらは、塗工作業性、上塗り材との付着性等、所望する特性に合わせて適宜選択、配合して用いることができる。
【0056】
無機充填材及び/又は骨材の全配合量は、塗工作業性や所望する性能を損なわない範囲で、その種類や平均粒子径、要求性能等に応じて適宜選択すればよい。
【0057】
本発明の組成物に対する無機充填材や骨材の配合割合を高くしていくと、配合物は必然的に粘性が高くなり、流動性が低下し、塗工作業性が低下する傾向にある。
そこで、その中でも、得られる配合物の取り扱い性や塗工作業性の観点から本発明の組成物100質量部に対して、0.001〜500質量部の範囲で配合することが好ましい。
【0058】
その他、本発明の組成物には、組成物に塗工時の揺変性を付与する目的で、アスベストやセピオライト、アエロジルのようなシリカ粉末等の揺変性付与材を添加することができる。また、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、クロムバーミリオン、ベンガラ、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色顔料や染料を添加することもできる。
【0059】
本発明の組成物を塗布して硬化被覆層を形成する基材は、無機基材であっても有機基材であってもよい。その中でも、本発明の組成物は、特に基材の含水量によらず優れた付着性を有する硬化被覆層を形成することができるという優れた効果を有することから、特にコンクリートやモルタルといった材質からなる基材が好ましい。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
なお、実施例中の部は、全て質量部を意味する。
【0061】
[合成例1:オリゴマー1の合成]
攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:ミリオネートMR−400、NCO含有量:30.3%)(以下、PMPPという)443.5部、メチルメタクリレート(以下、MMAという)258.9部、ジラウリン酸ジn−ブチル錫0.16部、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール(吉富ファインケミカル(株)製、商品名:ヨシノックスBHT)1.04部を加え、攪拌しながら40℃まで加熱した。この温度を維持した状態で、そこに2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、2−HEAという)116.1部を2時間かけて滴下し、その後55℃に昇温し1時間反応させた。次に、65℃まで昇温して、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー(株)製、商品名:ネオアリルP−30M、水酸基価:239mgKOH/g)234.7部を2時間かけて滴下し、次いで分子量約400のポリエーテルポリオール(旭電化工業(株)製、商品名:アデカポリエーテルP−400、水酸基価:269mgKOH/g)208.6部を2時間かけて滴下した。
さらにこれを75℃まで加熱し、この温度を1時間維持した後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、2−HEMAという)32.5部を滴下し、その後75℃で反応を継続し、イソシアネート基の反応率が97%以上となった時点で反応を終了し、50℃まで冷却して、オリゴマー1を含む溶液を得た。得られたオリゴマー1の重量平均分子量は、約4000であった。
【0062】
[合成例2〜8:オリゴマー2〜8の合成]
表1に示す組成及び使用量とする以外は実施例1と同様にして、オリゴマー2〜8を含む溶液をそれぞれ得た。得られたオリゴマー2〜8の重量平均分子量は、表1に示す。
【0063】
[合成例9:オリゴマー9の合成]
攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、PMPP443.5部、MMA229.2部、ジラウリン酸ジn−ブチル錫0.14部、及びBHT0.92部を加え、攪拌しながら40℃まで加熱し、この温度を維持した状態で2−HEA232.2部を3時間かけて滴下し、その65℃まで昇温し、1時間反応させた、
次に、分子量約400のポリエーテルポリオール208.6部を、2時間かけて滴下した。さらにこれを75℃まで加熱し、この温度を1時間維持した後、2−HEMA32.5部を滴下し、さらに75℃で反応を継続し、イソシアネート基の反応率が97%以上となった時点で反応を終了し、50℃まで冷却して、オリゴマー9を含む溶液を得た。
得られたオリゴマー9の重量平均分子量は、約4000であった。
【0064】
[合成例10:オリゴマー10の合成]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、MMA975.0部、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール5.0部、及びビスフェノールAとエポキロルヒドリンを基礎としエポキシ当量925であるエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート1004)2000.0部を加え攪拌しながら70℃に加温し、溶解を確認後トリエチルアミン27.0部を加え、80℃に昇温した。
次いで、メタクリル酸112.0部及びラウリン酸130.0部の混合物を2時間かけて滴下し、反応を8時間進行させ、MMA250.0部を加え、酸価が5となったところで反応を停止して、オリゴマー10を含む溶液を得た。
得られたオリゴマー10の重量平均分子量は、約3000であった。
【0065】
【表1】
Figure 2004352780
【0066】
表1中の略号は、下記の通りである。
PMPP:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:ミリオネートMR−400、NCO含有量30.3%)
HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート三量体
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
2,4−DMBPH:2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール
PEPO400:ポリエーテルポリオール(重量平均分子量:400)
PEPO1000:ポリエーテルポリオール(重量平均分子量:1000)
PETAE:ペンタエリスリトールトリアリルエーテル
MMA:メチルメタクリレート
【0067】
[実施例1]
合成例1で得られたオリゴマー1を含む溶液を50部(内、オリゴマー1が40部、MMAが10部)、MMA23部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(三菱レイヨン(株)製)(以下、TMPTMAという)2部、及び2−HEMA25部を追加投入して、均一に撹拌した。
次に、20℃条件下で、ナフテン酸コバルト(日本化学産業(株)製、ナフテックスコバルト8%(T))1部、及びクメンハイドロパーオキサイド(化薬アクゾ(株)製、商品名:B−CH45;純分37%)を2部添加して組成物(アリルエーテル基の含有量:1.16mmol/g)を得た。
【0068】
[実施例2]
合成例2で得られたオリゴマー2を含む溶液を40部(内オリゴマー2が32部、MMAが8部)、MMA23部、TMPTMA2部、ジシクロペンタジエニルオキシメタクリレート(日立化成工業(株)製、商品名:FA−512M)15部、2−HEMA20部、パラフィンワックス0.8部、及びN,N−ジメチル−p−トルイジン(以下、DMPTという)0.4部を追加投入し、再度60℃に加熱し均一に溶解撹拌した後、完全に溶解したことを確認してから30℃まで冷却した。
次に、20℃条件下で、ナフテン酸コバルト(日本化学産業(株)製、ナフテックスコバルト8%(T))1部、及びクメンハイドロパーオキサイド(化薬アクゾ(株)製、商品名:B−CH45;純分37%))を2部添加して、組成物(アリルエーテル基の含有量:0.92mmol/g)を得た。
【0069】
[実施例3、及び比較例1、3、5]
表2に示す組成及び使用量とする以外は、実施例2と同様にして、組成物を得た。
【0070】
[実施例4、及び比較例2、4]
表2に示す組成及び使用量とする以外は、実施例1と同様にして、組成物を得た。
【0071】
[比較例6]
合成例10で得られたオリゴマー10を含む溶液69部(内、オリゴマー10が45部、MMAが24部)に、MMA31部、パラフィンワックス0.5部、及びDMPT1部を加えて、再度60℃に加熱し均一に溶解撹拌した後、完全に溶解したことを確認してから30℃まで冷却した。
次に、過酸化ベンゾイル50%顆粒品(化薬アクゾ(株)製、商品名:カドックスB−CH50)を2部添加して組成物を得た。
得られた組成物について、以下に示す評価を行い、その評価結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
Figure 2004352780
【0073】
表2中の略号は、下記の通りである。
*1:硬化被覆層が硬化不良のため評価不能
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
DPDOM:ジシクロペンタジエニルオキシメタクリレート(日立化成工業(株)製、商品名:FA−512M)
KHPO:クメンハイドロパーオキサイド(化薬アクゾ(株)製、商品名:B−CH45;純分37%)
BN:過酸化ベンゾイル50%顆粒品(化薬アクゾ(株)製、商品名:カドックスB−CH50)
NACO:ナフテン酸コバルト(日本化学産業(株)製、ナフテックスコバルト8%(T))
DMPT:N,N−ジメチル−p−トルイジン
【0074】
なお、組成物の評価用基材は、JIS A 5304に規定する300mm×300mm×60mmのコンクリート平板を乾燥した基材を用いる。
塗工面が乾燥状態(「乾燥面」という)である場合の評価は、この基材表面をそのまま用いる。また、塗工面が湿潤状態(「湿潤面」という)である場合の評価は、そのコンクリート平板を20℃の水中に24時間浸漬し、水中より取り出してその表面の水をふき取った直後の基材表面を用いる。
[組成物の粘度]
得られた組成物250gを、20℃条件下でB型粘度計((株)トキメック製B型粘度計)を用いて測定し、その値(mPa・S)を表2に示す。
[アリルエーテル基の含有量]
組成物中に占めるアリルエーテル基の理論含有量を表2に示す。
[塗工作業性]
得られた組成物を、前記した乾燥面と湿潤面に対して、それぞれ20℃雰囲気下、得られる硬化被覆層の厚さが0.3mmとなるよう、ローラー(大塚刷毛製造(株)製、品番:B−23)を用いて塗布する。
組成物の塗工作業性を、下記基準で評価し、その評価結果を表2に示す。
○:良好
△:塗り跡等が残りやや塗りにくい
×:塗工不可(糸ひきが発生する、及び/又はローラーに含浸しない)
【0075】
[硬化性]
20℃条件下で膜厚0.3mmの塗膜を形成し、硬化剤を添加してからその塗膜が硬化するまでの時間を下記基準で評価し、その評価結果を表2に示す。
なおここでいう「硬化」とは、塗膜表面について指触乾燥性を評価し、塗膜表面がタックフリーである状態を意味する。
◎:60分未満で硬化
〇:60分〜120分で硬化
△:120分経過後もタックあり
×:120分経過後も、一部又は全部が未硬化
[付着性]
塗工作業性の評価で形成した塗膜を、塗膜形成後1日間養生した後、硬化被覆層の基材に対する付着性を評価する。
まず、20℃雰囲気下、建研式接着強度試験器を用いて、日本塗り床工業会の付着強さ試験に準ずる方法で、基材に対する付着強度(MPa)を測定し、その値を表2に示す。
[剥離/破壊状態]
付着性試験の結果、剥離又は破壊した部分を下記基準で分類し、その評価結果を表2に示す。
基材破壊:コンクリート平板が破壊
層間剥離:コンクリート平板の表層と硬化被覆層の間が剥離
基材/剥離:試験面の50%が基材破壊、残りの50%がコンクリート平板とプライマーの層間剥離
[上塗り層の付着性]
硬化した硬化被覆層の上に、ローラーを用いて、メタクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:DR−460)を塗膜厚1mmに塗布し、1日間養生後、20℃雰囲気下にて、建研式接着強度試験器にて、上塗り層の硬化被覆層に対する付着性(MPa)を測定し、その結果を表2に示す。
【0076】
[比較例の考察]
比較例1は、オリゴマーの含有量が少ない組成物の例である。そのため、塗工作業性は良好であるものの、硬化性が十分ではなかった。
比較例2は、オリゴマーの含有量が多い組成物の例である。そのため、硬化被覆層の基材に対する付着性が十分でなく、層間剥離した。
比較例3は、成分(B)が不含有の組成物の例である。そのため、湿潤面での硬化被覆層の基材に対する付着性が十分ではなかった。
比較例4は、成分(B)の含有量が多い組成物の例である。そのため、乾燥面及び湿潤面のいずれの場合も、硬化性が十分ではなかった。
比較例5は、アリルエーテル基の濃度が0である組成物の例である。そのため、乾燥面及び湿潤面のいずれの場合も、硬化性が十分ではなかった。
比較例6は、成分(A)の代わりに、エポキシアクリレート系組成物を用いた例である。基材が湿潤面である場合には、硬化被覆層の基材に対する付着性が十分でなく、層間剥離した。
【0077】
【発明の効果】
本発明の組成物は、基材の含水量によらず、乾燥状態であっても湿潤状態であっても、得られる硬化被覆層の基材に対する付着性が良好であり、かつ塗工作業性、硬化性に優れるものである。
また、本発明の組成物からなる硬化被覆層は上塗り層の付着性にも優れることから、本発明の組成物はプライマーとして用いることもできるものである。
そこで、特にコンクリート構造物やモルタル構造物等、水分を含有する基材に硬化被覆層を形成する材料として、産業上の利用度は大である。

Claims (4)

  1. 多価イソシアネート化合物(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)、多価アルコール(a3)、アリルエーテル基を含有するモノアルコール(a4)を反応させて得られるウレタンアクリル系オリゴマー(A)20〜70質量%、水酸基含有(メタ)アクリレート(B)10〜30質量%、及び水酸基を含有しない(メタ)アクリレート(C)20〜70質量%の合計量100質量部に対して、硬化剤(D)0.1〜15質量部及び硬化促進剤(E)0.001〜10質量部を含有するプライマー用組成物。
  2. アリルエーテル基含有量が0.5〜5mmol/gである請求項1記載のプライマー組成物。
  3. さらに、パラフィンワックス(F)を含有する請求項1又は2記載の組成物。
  4. コンクリート被覆用又はモルタル被覆用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライマー用組成物。
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