JP5371562B2 - 低臭性アクリル系シラップ組成物及びその製造方法 - Google Patents

低臭性アクリル系シラップ組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、施工時の臭気が少ない低臭性アクリル系シラップ組成物に関し、さらに詳しくは、低臭気で、硬化性に優れ、コンクリートとの密着性にも優れる床材や壁材、さらには強化繊維などを用いるコンクリート補強用バインダー樹脂として有用な低臭性アクリル系シラップ組成物に関する。
従来より、床面や壁面などを被覆するために、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの合成樹脂を使用する方法が知られている。しかし、不飽和ポリエステル系樹脂は、耐溶剤に優れるが、耐候性に劣り、低温施工性が悪い。エポキシ系樹脂は、下地との密着性に優れるが、耐候性に劣り、硬化時間が長く、低温での硬化性に劣る。ポリウレタン系樹脂は、弾力性、柔軟性に優れるが、硬化時間が長い。
そこで、これらの樹脂に代えて、硬化時間が短く、低温硬化性に優れ、耐候性、耐薬品性に優れるアクリル系樹脂が、一般に使用されている。
しかしながら、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリレートモノマーに起因する特有の臭気を有するので、特に施工時の臭気が課題となっている。
この臭気を抑えることを目的として、例えば、特許文献1には、アルキルシクロヘキシル骨格を有する(メタ)アクリレート類を主成分とするアクリル系レジンコンクリート組成物が提案されている。しかし、この組成物は、硬化被膜の表面の硬化性が劣る傾向にある。
また、特許文献2には、イソボルニルメタクリレートおよびヒドロキシプロピルメタクリレートなどをモノマーとして含有する組成物が提案されている。さらに、特許文献3には、炭素数6〜16のアルキル(メタ)アクリレートを含むポリマーコンクリート用合成樹脂組成物が提案されている。しかし、いずれの組成物も臭気低減に対する効果は不十分であり、被膜表面の硬化性が劣る傾向にある。
さらに、特許文献4には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂組成物が提案されている。さらに、特許文献5には、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物が提案されている。しかし、いずれの組成物も、塗膜の表面の硬化性が不十分である。
一方、橋脚、橋梁、建造物の柱等のコンクリートから成る既存構造物の補修補強方法として、繊維強化樹脂を用いる方法が一般に知られている。特許文献6には、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維等の高強度繊維から成るシート状物や織物等にあらかじめ未硬化のエポキシ系樹脂を含浸させたプリプレグを補強材として使用し、このプリプレグをエポキシ系樹脂により構造物の表面に貼り付け、常温で硬化させる方法が提案されている。
しかしながら、エポキシ系樹脂は、アクリル系樹脂のような特有の臭気は無いものの、硬化剤として用いるアミン化合物の臭気が残留する上、10℃以下、特に5℃以下の硬化性に劣り、また、硬化養生に長期間を要するので、施工期間が長期化するという課題が有る。また、水分による硬化阻害のおそれがあり、コンクリート下地面や施工面の十分な管理が必要であるという施工管理上の課題も有る。
特許2512036号公報 特開平5−186539号公報 特開平6−329456号公報 特開平10−87770号公報 特開平10−158364号公報 特許2562704号公報
本発明は、上述した各課題を解決すべくなされたものであり、低臭気で、常温および低温での硬化性に優れ、かつ短期施工性に優れ、プライマーおよび床材およびトップコートに好適に使用され、一方、強化繊維を用いる既存構造物の補強工法用のバインダー樹脂として用いた場合、優れた補強効果を発現するアクリル系シラップ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、6.67kPa(50mmHg)における沸点が75℃以上の特定の(メタ)アクリレートモノマーを用いることにより、大気中へのモノマーの揮散が少なく、低臭気のシラップ組成物を得ることができ、また、特定のポリマーや特定のラジカル重合性オリゴマーを組み合わせることにより、短時間でかつ低温下でも硬化し、床材や壁材として、好適に使用できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルフェニル(メタ)アクリレート、トリメチルフェニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリレートモノマー(A)20〜90質量部、
アクリル系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー(B)10〜80質量部、および、
固形ワックス類0.1〜5質量部、並びに、固形ワックス類ではない有機溶剤に分散した微粒子化されているワックス(C)0.01〜0.5質量部
[(A)成分および(B)成分の合計100質量部]
を含んで成るアクリル系シラップ組成物である。
さらに、本発明は、上記(メタ)アクリレートモノマー(A)20〜90質量部、
アクリル系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー(B)10〜80質量部、および、
固形ワックス類0.1〜5質量部、並びに、有機溶剤と固形ワックス類ではない該有機溶剤に分散した微粒子化されているワックス(C)との合計0.1〜5質量部
[(A)成分および(B)成分の合計100質量部]
を混合するアクリル系シラップ組成物の製造方法である。
なお本発明において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。
本発明のアクリル系シラップ組成物は、臭気が少なく、低温においても短時間で硬化し、施工性に優れており、また、その硬化物の機械的特性も優れている。
このアクリル系シラップ組成物を用いた被覆材は、低温硬化性、耐候性、耐薬品性に優れるというアクリル系樹脂本来の特性に加えて、低臭気で、常温および低温での硬化性、短期施工性に優れたものになる。このような被覆材は、床面、壁面、その他各種の被覆に非常に有用である。
また、このアクリル系シラップ組成物と強化繊維を用いたコンクリート用強化材料は、アクリル系シラップ組成物の強化繊維への含浸性が優れているので、上述した各種の優れた特性が強化材料において良好に発現する。
本発明に用いる(メタ)アクリレートモノマー(A)は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルフェニル(メタ)アクリレート、トリメチルフェニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリレートモノマーである。この(メタ)アクリレートモノマー(A)は、常温での臭気が少なく、硬化成分であると共にシラップ組成物の粘度、硬化物の機械的強度等の特性を調整する成分であり、6.67kPaにおける沸点が75℃以上のものが好ましい。
これら各種の(メタ)アクリレートモノマーは、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。これらのうち、特に、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを主成分とすることが好ましい。
この(A)成分の使用量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部を基準として、20〜90質量部である。この使用量が10質量部未満であると、シラップ組成物の粘度が高くなり、強化繊維への含浸性に劣り、また、塗工時の作業性が劣る。一方、この使用量が90質量部を超えると、シラップ組成物の硬化性が劣り、その粘度が低くなり過ぎ、塗工時にたれが生じる。この使用量は30〜85質量部が好ましく、50〜85質量部がより好ましい。また、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を併用する場合の使用量は20質量部以下が好ましい。この使用量を20質量部以下に抑えれば、シラップ組成物のポットライフが良好になる。
本発明に用いる(B)成分は、アクリル系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーである。特に(A)成分への溶解性などの観点から、アクリル系モノマーの単独重合体または共重合体が好ましい。
この単独重合体または共重合体に用いるアクリル系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
これらモノマーを、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の従来より知られる各種の方法で重合することによって、(B)成分としてのアクリル系単独重合体または共重合体を得ることができる。その重量平均分子量は、5,000〜100,000が好ましい。
また、アクリル系モノマー以外にも、(A)成分への溶解性を損なわない範囲内で、その他のモノマーを使用しても何ら差し支えない。その他のモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明に用いる(B)成分として、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを使用できるが、必要に応じてそれ以外のラジカル重合性オリゴマーを併用してもよい。これらのオリゴマーとしては、例えば、ポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー;(メタ)アクリル酸またはマレイン酸やフタル酸等の二塩基酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応で(メタ)アクリレート末端モノカルボン酸を合成し、この(メタ)アクリレート末端モノカルボン酸とエポキシ樹脂との反応で得られるエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー;フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールとの反応で得られるオリゴマーの末端に、アクリル酸、メタクリル酸等との反応でアクリルロイル基、メタクリロイル基等を導入したポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー;などが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。これらのうち、硬化性の観点から、特にウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、すなわちカーボネート結合を分子内に有するポリオールからなるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを合成する為に用いるポリオールは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物である。このポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等の2価フェノールと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの付加反応生成物類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、メチルペンタンジオール等の多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸等の多塩基酸および無水物との反応で得られるポリエステルポリオール類;アルキレングリコールとラクトンから得られるポリラクトンジオール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールと、ホスゲン、ジメチルカーボネート等のカーボネート化剤との反応で得られるカーボネート結合を含むポリカーボネートジオール類;などが挙げられる。これらポリオールは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらポリオールの中では、硬化性の点で、特にポリカーボネートジオール類が好ましく、ブタンジオール、ペンタンジオールまたはヘキサンジオールを用いて得たポリカーボネートジオールがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを合成する為に用いるポリイソシアネートは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。このポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、これら化合物と水やトリメチロールプロパン等とのアダクト化合物や三量体環化化合物等もポリイソシアネートとして使用できる。これらポリイソシアネートは、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを合成する為に用いる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物などが挙げられる。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、必要に応じ、水酸基含有(メタ)アクリレートの代わりにアリル基含有アルコールを使用しても良い。このアリル基含有アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを合成する為に用いるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーの分子量について特に制限は無いが、塗工時の作業性の観点から、その重量平均分子量が30,000以下であることが好ましい。
(B)成分の使用量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部を基準として、10〜80質量部である。さらに、この使用量は15〜70質量部が好ましく、15〜50質量部がより好ましい。
本発明に用いる分散状態のワックス(C)は、空気遮断作用を利用した表面硬化性向上等の作用を奏する成分である。このワックスが分散状態にあり、微粒子化されていることにより、空気遮断作用を効果的に発現する。分散状態のワックス(C)は、例えば有機溶剤に分散したワックスとして市販されている。このようなワックスの市販品としては、例えば、ビックケミー社製商品名BYK−LP−S6665等が挙げられる。この有機溶剤に分散したワックスをそのまま添加することにより、本発明の組成物を調製することができる。この場合、本発明の組成物は有機溶剤も含有することになるが、本発明はこれに限定されず、有機溶剤を全く含有せずに、例えば(メタ)アクリレートモノマー(A)中においてワックス(C)が分散している状態の組成物であってもよい。
(C)成分の使用量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部を基準として、0.01〜0.5質量部である。また、有機溶剤に分散したワックスをそのまま添加する場合、有機溶剤とワックス(C)の合計量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部を基準として、0.1〜5質量部である。
この有機溶剤に分散されたワックス(C)以外に、さらに表面硬化性を向上させる等の目的で、固形ワックス類を添加することも好ましい。この固形ワックス類としては、例えば、パラフィン類、ポリエチレン類、ステアリン酸等の高級脂肪酸類などが挙げられる。特に、パラフィンワックスが好ましい。固形ワックス類の添加量は、空気硬化性と硬化物の物性とのバランス等の観点から、(A)成分および(B)成分の合計100質量部を基準として、0.1〜5質量部が好ましい。
本発明のアクリル系シラップ組組成物には、さらに、種々の特性を改善する目的で、例えば、シランカップリング剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、染料、顔料、消泡剤、重合抑制剤、充填剤等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明のアクリル系シラップ組成物の硬化方法としては、従来より知られるレドックス触媒系を用いて硬化する方法が好ましい。これに用いる硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;ジアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;などが挙げられる。特に、低温硬化性と短時間硬化性等の観点から、ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。このベンゾイルパーオキサイドは、取り扱い上の危険を避ける為、不活性の液体または固体として、濃度25〜50%程度に希釈された溶液状、ペースト状または粉体状の状態で用いることが好ましい。
硬化剤は、シラップ組成物を硬化させる前に添加すればよい。硬化剤の添加量は、硬化性とポットライフや作業性とのバランス等の観点から、シラップ組成物100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましい。
また、硬化反応を促進させる目的で、必要に応じて、硬化促進剤を使用することができる。硬化促進剤としては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、トリ−n−ブチルアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類;ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、アセトアセチル酸コバルト等の多価金属触媒;などが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
硬化促進剤は、シラップ組成物を硬化させる前に添加してもよいし、あるいはあらかじめシラップ組成物に添加しておいても差し支えない。硬化促進剤の添加量は、硬化性とポットライフや作業性とのバランス等の観点から、シラップ組成物100質量部に対し0.05〜10質量部が好ましい。
本発明のアクリル系シラップ組成物を硬化させる際は、特に、硬化剤としてベンゾイルパーオキサイド、および、硬化促進剤としてアミン類を添加することが好ましい。
本発明のアクリル系シラップ組成物の用途は特に限定されないが、例えば、プライマー、トップコート、床材、樹脂モルタル等の用途に好適である。また、強化繊維と組み合わせて、コンクリート構造物の補強・補修材料用の強化材料の用途に使用するのも好適である。
例えば、本発明のアクリル系シラップ組成物を用いて被覆材を製造すれば、この被覆材は、低温硬化性、耐候性、耐薬品性に優れるというアクリル系樹脂本来の特性に加えて、低臭気で、常温および低温での硬化性、短期施工性に優れたものになる。このような被覆材は、床面、壁面、その他各種の被覆に非常に有用である。
また例えば、本発明のアクリル系シラップ組成物は、強化繊維への含浸性が優れているので、繊維強化材料のマトリックス樹脂として非常に良好に作用する。この強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維等が挙げられる。異なる種類の強化繊維を混合して使用しても差し支えない。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。以下の記載中「部」は特記の無い限り「質量部」を意味する。また、実施例および比較例の評価は、以下の方法に従って実施した。
<評価方法>
臭気:
硬化剤、硬化促進剤配合時および施工時の臭気を判定し、モノマー臭気が少ないものを「○」とし、モノマー臭気が多いものを「×」とした。
含浸性:
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に炭素繊維シートを載せ、炭素繊維シートの上からシラップ組成物をローラーで2往復塗り、硬化させ、シラップ組成物がフィルムまで浸透しているかどうかフィルム側から観察し、シラップ組成物がフィルム側まで充分に浸透しているものを「○」とし、シラップ組成物のフィルムへの浸透が充分でないものを「×」とした。
硬化性:
室温(20℃)にて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ウールローラー(大塚刷毛製造製、商品名B−23)を用いて300μmの厚みになるようにシラップ組成物を塗工し、硬化させ、2時間後、表面のべとつき、タック感を観察し、べとつきやタック感の無いものを「○」とし、べとつきまたはタック感が若干有るものを「△」とし、べとつきまたはタック感の有るものを「×」とした。
接着強度:
レイタンス除去したコンクリート平板上にシラップ組成物を塗り、硬化後、同じシラップ組成物を用いて炭素繊維シートを貼り付けて硬化させた。この炭素繊維シートとしては、炭素繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名パイロフィルTR−30W)を経糸とし、5mm間隔でガラス繊維およびナイロンを緯糸とする炭素繊維目付300g/m2のシートを使用した。この貼り付け後のサンプルについて、建研式引張試験法に準拠し、コンクリートと炭素繊維シートとの接着試験を実施し、その接着強度(MPa)を求めた。また同時に、破壊状態も観察した。
<合成例1:ウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−1)の合成>
攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、カーボネートジオール(宇部興産(株)製、商品名UH−CARB50)502.7部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5.62部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)製、商品名スミライザーBHT)1.12部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート975.2部を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、反応温度50℃でトリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートT−80)348部を3時間かけて滴下し、さらに、テトラヒドロフルフリルメタクリレート87部を加え、1時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート273部を60分かけて滴下し、さらにテトラヒドロフルフリルメタクリレート68.3部を加えた。その後、95℃まで昇温し、イソシアネート基の反応率が98%以上となった時点で反応を終了し、冷却した。この結果、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを50質量%含むウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−1)を得た。
<合成例2:ウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−2)の合成>
合成例1と同様の容器に、カーボネートジオール(クラレ(株)製、商品名クラレポリオールC−1090)986.8部、ジメチルアミノエチルメタクリレート8.04部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(スミライザーBHT)1.61部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート1395.4部を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、反応温度50℃でトリレンジイソシアネート(コロネートT−80)348部を3時間かけて滴下し、さらに、テトラヒドロフルフリルメタクリレート87部を加え、1時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート273部を60分かけて滴下し、さらにテトラヒドロフルフリルメタクリレート68.3部を加えた。その後、95℃まで昇温し、イソシアネート基の反応率が98%以上となった時点で反応を終了し、さらに、テトラヒドロフルフリルメタクリレート66.8部加え、冷却した。この結果、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを50質量%含むウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−2)を得た。
<合成例3:ウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−3)の合成>
合成例1と同様の容器に、ポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)製、商品名スミジュールN3200)331.6部、ジブチルチンジラウリレート0.132部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(スミライザーBHT)0.882部、2−エチルヘキシロキシジエチレングリコールアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM120)176.2部を加え、攪拌しながら40℃まで加熱し、反応温度40℃で2−ヒドロキシエチルアクリレート69.7部を3時間かけて滴下し、さらに反応温度を50℃にして1時間反応させた。次いで65℃まで加熱し、反応温度65℃でペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー製、商品名ネオアリルP−30)303.4部を2時間かけて滴下し、イソシアネート基の反応率が98%以上となった時点で反応を終了し、冷却した。この結果、2−エチルヘキシロキシポリエチレングリコールアクリレートを20質量%含むウレタンアクリレート系オリゴマー(UA−3)を得た。
<合成例4:ウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−4)の合成>
合成例1と同様の容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート3量体(旭化成工業(株)製、商品名デュラネートTPA−100)1086部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート564部、ジブチルチンジラウリレート0.47部、2,6−ジn−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)製、商品名スミライザーBHT−P)3.13部を加え、攪拌しながら40℃まで加熱し、反応温度40℃で2−ヒドロキシエチルメタクレート520部を3時間かけて滴下した。その後65℃まで昇温し、ポリエーテルポリオール(旭電化工業(株)製、商品名アデカポリエーテルBPX−33)587部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート376部を2時間かけて滴下し、さらに75℃まで昇温し、イソシアネート基の反応率が97%以上となった時点で反応を終了し、冷却した。この結果、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを30質量%含むウレタンメタクレート系オリゴマー(UM−4)を得た。
<合成例5:エポキシメタクリレート系オリゴマー(EM−5)の合成>
合成例1と同様の容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコート1055)850部、メタクリル酸86部、ジメチルアミノエチルメタクリレート9.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.94部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート631部を加え、90℃に昇温して、酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。次いで、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを315部加えた。この結果、テトラヒドロフルフリルメタクリレートを50質量%含有するエポキシメタクリレート系オリゴマー(EM−5)を得た。
<合成例6:ウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−6)の合成>
合成例1と同様の容器に、カーボネートジオール(UH−CARB50)502.7部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5.62部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(スミライザーBHT)1.12部、メチルメタクリレート975.2部を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、反応温度50℃でトリレンジイソシアネート(コロネートT−80)348部を3時間かけて滴下し、さらにメチルメタクリレート87部を加え、1時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート273部を60分かけて滴下し、さらにメチルメタクリレート68.3部を加えた。その後、95℃まで昇温し、イソシアネート基の反応率が98%以上となった時点で反応を終了し、冷却した。この結果、メチルメタクリレートを50質量%含むウレタンメタクリレート系オリゴマー(UM−6)を得た。
<実施例1〜7および比較例1〜4>
表1および表2に示す配合量にて(A)〜(C)成分およびその他の各種成分を調合し、その臭気、含浸性、硬化性を評価した。さらに、含浸性および硬化性が良好なものについては、コンクリート板に炭素繊維シートを貼り付け、コンクリートと炭素繊維シートとの密着性を評価した。結果を、表1および表2に示す。なお、各合成例で得たオリゴマーは、アクリル系モノマーを含有しているので、表1および表2においては、(B)成分の欄にはオリゴマーのみの質量を示し、オリゴマー中に含まれるアクリルモノマーの質量は(A)成分の欄に示してある。
Figure 0005371562
Figure 0005371562
表1および表2中の略号は以下の化合物を示す。
・THFMA: テトラヒドロフルフリルメタクリレート[℃/kPa=75/0.4]
・2−HPMA: 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート[℃/kPa=87/0.67]
・2−HBMA: 2−ヒドロキシブチルメタクリレート
・DPHA: ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・TMPTMA: トリメチロールプロパントリメタクリレート[℃/kPa=185/0.67]
・アクリエステルPBOM: ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製)
・アロニックスM111: ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート(東亞合成(株)製)
・アロニックスM120: 2−エチルヘキシロキシジエチレングリコールアクリレート(東亞合成(株)製)
・BR−541: アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製)
・BR−599: アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製)
・MMA: メチルメタクリレート[℃/kPa=29/6.67]
・BYK−LP−S6665: 有機溶剤に分散されたワックス(ビックケミー社製、ワックス含量率10%)
・パラフィンワックス115: パラフィンワックス(融点47℃、日本精鑞(株)製)
・パラフィンワックス130: パラフィンワックス(融点55℃、日本精鑞(株)製)
・パラフィンワックス150: パラフィンワックス(融点66℃、日本精鑞(株)製)
・BHT: 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)製)
・KBM−403: シランカップリング剤(信越化学工業(株)製)
・ナイパーNS: ベンゾイルパーオキサイド含有エマルジョン(日本油脂(株)製)
・DIPT: N,N−ジ(ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン
・ナフテックスCo8%T: ナフテン酸コバルト(日本化学産業(株)製)
・UM−1〜2、4、6: 合成例1〜2、4、6で得たウレタンメタクリレート
・UA−3: 合成例3で得たウレタンアクリレート
・EM−5: 合成例5で得たエポキシメタクリレート。
<実施例8>
環境温度23℃で、実施例1のシラップ組成物100部に対し、硬化剤としてベンゾイルパーオキサイド40%品(日本油脂(株)製、商品名ナイパーNS)2部、硬化促進剤としてナフテン酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名ナフテックスCo8%T)1部を加え、レイタンスを除去したコンクリート上にウールローラー(大塚刷毛製造(株)製、商品名B−23)で塗装し、1時間放置した。1時間後の塗膜はタック感がなかった。また、配合、塗装時の臭気の問題も無かった。
次いで、実施例2のシラップ組成物100部対し、緑色顔料3部、骨材(三菱レイヨン(株)製、商品名KM−17A)400部、ベンゾイルパーオキサイド40%品(ナイパーNS)2部、ナフテン酸コバルト(ナフテックスCo8%T)1部を加えて床材を調製し、前記塗膜の上にコテで5mmの厚みになるように塗工した。配合、施工時の臭気の問題は無く、塗工1時間後、硬化性の問題も無かった。
次いで、実施例3のシラップ組成物100部に対し、緑色顔料5部、ベンゾイルパーオキサイド40%品(ナイパーNS)2部、ナフテン酸コバルト(ナフテックスCo8%T)1部を加え、前記床材の上にウールローラー(大塚刷毛製造(株)製、商品名B−23)で塗装し、2時間放置した。2時間後の塗膜はタック感がなかった。また、配合、塗装時の臭気の問題も無かった。
<実施例9>
環境温度0℃において、実施例1および2のシラップ組成物に添加するベンゾイルパーオキサイド40%品(ナイパーNS)の量を4部(実施例1)、3.5部(実施例2)に変更し、実施例1〜3のシラップ組成物に添加する硬化促進剤としてナフテン酸コバルト(ナフテックスCo8%T)1部と共に、N,N−ジメチル−p−トルイジン1部(実施例1、2)、0.75部(実施例3)を併用したこと以外は、実施例8と同様にして配合、塗装作業を行った。各作業においては、実施例8と同様の良好な結果が得られた。

Claims (3)

  1. 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルフェニル(メタ)アクリレート、トリメチルフェニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリレートモノマー(A)20〜90質量部、
    アクリル系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー(B)10〜80質量部、および、
    固形ワックス類0.1〜5質量部、並びに、固形ワックス類ではない有機溶剤に分散した微粒子化されているワックス(C)0.01〜0.5質量部
    [(A)成分および(B)成分の合計100質量部]
    を含んで成るアクリル系シラップ組成物。
  2. ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含み、それが、カーボネート結合を分子内に有するポリオールからなるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーである請求項1記載のアクリル系シラップ組成物。
  3. 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルフェニル(メタ)アクリレート、トリメチルフェニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の(メタ)アクリレートモノマー(A)20〜90質量部、
    アクリル系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー(B)10〜80質量部、および、
    固形ワックス類0.1〜5質量部、並びに、有機溶剤と固形ワックス類ではない該有機溶剤に分散した微粒子化されているワックス(C)との合計0.1〜5質量部
    [(A)成分および(B)成分の合計100質量部]
    を混合するアクリル系シラップ組成物の製造方法。
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