JP6206072B2 - 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法 - Google Patents
路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6206072B2 JP6206072B2 JP2013214795A JP2013214795A JP6206072B2 JP 6206072 B2 JP6206072 B2 JP 6206072B2 JP 2013214795 A JP2013214795 A JP 2013214795A JP 2013214795 A JP2013214795 A JP 2013214795A JP 6206072 B2 JP6206072 B2 JP 6206072B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- meth
- road surface
- acrylate
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
例えば、特許文献1には、道路の舗装面を被覆するためのアクリル系シラップ組成物として、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(A)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)、単量体(A)に溶解可能である樹脂(C)を含むものが記載されている。また、前記単量体(A)として、ヘテロ環含有(メタ)アクリレート(a1)、オリゴエチレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート(a2)、及びヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a3)を含有することも記載されている。
しかしながら、これら単量体を含まないシラップ組成物の硬化物はカットバックが生じ易いという課題があった。
また、本発明の路面被覆方法は、施工面に、上記のいずれかの路面被覆用シラップ組成物を塗工して塗膜を形成する工程を有することを特徴とする。
A成分は、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート単官能化合物である。なお、本発明において「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び/又は「メタクリロイル基」を意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味する。
本発明の路面被覆用シラップ組成物におけるA成分は、a1成分のみからなるもの、またはa1成分とa2成分および/またはa3成分とからなるものである。
a1成分は、路面被覆用シラップ組成物の塗工作業性、硬化性、得られる塗膜の強度、耐候性、耐汚染性、耐磨耗性等の各種物性に関与する成分である。a1成分は、水酸基を有さず、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環からなる群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート単官能化合物である。
フラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、フリルメタクリレート、フルフリル(メタ)クリレート等が挙げられる。
ピラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、ピラニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロピラン環を有する(メタ)アクリレートとしては、ジヒドロピラニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、ジメチルジヒドロピラニル(メタ)アクリレート、ジメチルテトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
a1成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
a2成分は、必要に応じてa1成分とともに、またはa1成分およびa3成分とともに含有される成分である。a2成分は、路面被覆用シラップ組成物の塗工作業性、硬化性、得られる塗膜の強度、耐候性、耐汚染性、耐磨耗性等の各種物性に関与する成分であり、特に硬化性、塗膜の強度に関する成分である。a2成分は、a1成分以外で水酸基を有さない(メタ)アクリレート単官能化合物である。
a2成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
a3成分は、必要に応じてa1成分とともに、またはa1成分およびa2成分とともに含有される成分である。a3成分は、路面被覆用シラップ組成物の塗工作業性、硬化性、得られる塗膜の強度、耐候性、耐汚染性、耐磨耗性等の各種物性に関与する成分であり、特に硬化性、塗膜の強度に関する成分である。a3成分は、水酸基を有する(メタ)アクリレート単官能化合物である。
a3成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
B成分はアクリル系重合体である。B成分は、a1成分及び/又はa2成分に膨潤又は溶解可能であることが好ましい。成分Bは、路面被覆用シラップ組成物の粘度を向上させる効果がある。また、B成分は、路面被覆用シラップ組成物の硬化性を良好にする効果がある。ここで、アクリル系重合体とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体由来の単位を含む重合体のことである。
B成分としては、アルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
B成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
C成分は、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物である。C成分は、塗膜の強度や耐水性、耐カットバック性に関与する成分である。
C成分としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート等のビスフェノール変性ジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリス[エチルオキシ(メタ)アクリレート]、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル又はその部分エステル;等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートと、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールとを、公知の方法で反応させて得られるものが使用できる。
C成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
D成分は、必要に応じて含有される成分である。D成分は、可塑剤であり、塗膜の柔軟化及び硬化時の収縮の低減を図る成分である。
D成分としては、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルアジペート等のアジピン酸エステル類;ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル類;ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等のアゼラインエステル類等の2塩基性脂肪酸エステル類;アセチルクエン酸トリブチル;塩素化パラフィン、ノルマルパラフィン系、パラフィンワックス系等のパラフィン類;アルキルスルホン酸フェニルエステルが挙げられる。
D成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<ワックス>
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、ワックスを含有させてもよい。ワックスは、空気遮断作用を利用した表面硬化性向上等の作用を奏するので含有させることが好ましい。ワックスとしては、例えば固形ワックス類が挙げられる。固形ワックス類としては、例えばパラフィン類、ポリエチレン類、ステアリン酸等の高級脂肪酸類等が挙げられる。なかでもパラフィンワックスが好ましい。
パラフィンワックスの融点は、40〜120℃が好ましい。パラフィンワックスの融点が40℃以上であると、路面被覆用シラップ組成物を塗装硬化させた際に充分な空気遮断作用が得られ、表面硬化性が良好となりやすい。パラフィンワックスの融点が120℃以下であると、路面被覆用シラップ組成物を製造する際、路面被覆用シラップ組成物への溶解性が良好となりやすい。
また、ワックスは有機溶剤を用いずに、予めa1成分、a2成分等の路面被覆用シラップ組成物の成分に分散させたものを用いてもよい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、3級アミンを含有させてもよい。3級アミンは、路面被覆用シラップ組成物の硬化反応を促進させる硬化促進剤であるので、含有させることが好ましい。
3級アミンとしては、例えばアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等が挙げられる。
該芳香族3級アミンとしては、例えばN,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン;N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン又はN,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
芳香族3級アミンとしては、路面被覆用シラップ組成物の反応性、硬化性の点から、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンが好ましい。
3級アミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
3級アミンの添加量は、硬化性と可使時間(作業性)とのバランス等の点から、基本成分100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。3級アミンの添加量が多いほど、良好な表面硬化性が得られやすい。また、3級アミンの添加量は10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。3級アミンの添加量が少ないほど、可使時間が長くなる。
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、3級アミン以外の他の硬化促進剤として、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、アセトアセチル酸コバルト等の多価金属石鹸を含有させてもよい。
多価金属石鹸の添加量は、多価金属石鹸に含まれる金属の含有量が基本成分100質量部に対して、0.02質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上がより好ましい。多価金属石鹸に含まれる金属の含有量が多いほど、路面被覆用シラップ組成物の表面硬化性が良好となる。また、多価金属石鹸に含まれる金属の含有量は2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。多価金属石鹸に含まれる金属の含有量が少ないほど、塗膜の強度が高く良好である。
硬化促進剤は路面被覆用シラップ組成物を調製する際に含有させておき、塗工するまで保存しておいてもよいし、塗工時の硬化剤を加える直前に路面被覆用シラップ組成物に含有させてもよい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物を硬化させる際には、硬化促進剤と硬化剤とを組み合わせたレドックス触媒を用いることが好ましい。硬化剤としては、ラジカル重合を開始させることができる重合開始剤を用いることができる。かかる重合開始剤としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、アゾ化合物等が挙げられる。なかでもジアシルパーオキサイドが好ましく、ベンゾイルパーオキサイド(過酸化ベンゾイル)がより好ましい。ベンゾイルパーオキサイドは、取扱性の点から、不活性の液体又は固体によって濃度が30〜55質量%程度に希釈された液状、ペースト状又は粉末状のものが好ましい。
硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、基材に対する接着性の安定化、接着強度の耐久性を付与する目的で、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、貯蔵安定性の向上、重合反応の調整の目的で、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、基本成分100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.002質量部以上がより好ましい。重合禁止剤の添加量が多いほど、貯蔵安定性に優れる。また、重合禁止剤の添加量は、0.1質量部以下が好ましく、0.08質量部以下がより好ましい。重合禁止剤の添加量が少ないほど、重合反応の調整がし易く好ましい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、必要に応じてB成分に該当しないその他のポリマー成分として、スチレン/ブタジエン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテートブチレート樹脂、エポキシ樹脂等も含有させることができる。
本発明の路面被覆用シラップ組成物には、添加剤として、紫外線吸収剤、耐光安定剤、消泡剤等を任意の割合で添加することができる。また、添加剤として、酸化防止剤、レベリング剤、アエロジル等の揺変剤を添加してもよい。さらに、添加剤として、酸化クロム、ベンガラ、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料を添加してもよく、炭酸カルシウム等の耐質顔料を添加してもよい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物は特に、密粒、細粒、開粒アスファルト等のアスファルト舗装又はコンクリート舗装等に用いられる排水性トップコート又は遮熱性トップコートを形成するための組成物に好適に用いられる。すなわち本発明の路面被覆用シラップ組成物の硬化物は、排水性トップコート又は遮熱性トップコートとして好適である。
本発明の排水性トップコートは、本発明の路面被覆用シラップ組成物の硬化物からなるものである。したがって、本発明の排水性トップコートは、塗工時に臭気が気になることはないし、耐水性および耐カットバック性に優れたものとなる。よって、本発明の排水性トップコートは、路面からの骨材の離脱や空隙詰まりを効果的に防止できる。
本発明の排水性トップコートは、本発明の路面被覆用シラップ組成物を排水性舗装などに塗工して、路面被覆用シラップ組成物の硬化物を形成することにより得られる。
本発明の排水性トップコートは、バスレーン、高速道路のサービスエリアあるいはパーキングエリア、ETCレーンのカラー化等にも使用できる。
本発明の遮熱性トップコートは、光反射性粒子を含む本発明の路面被覆用シラップ組成物の硬化物からなるものである。したがって、本発明の遮熱性トップコートは、塗工時に臭気が気になることはないし、耐水性および耐カットバック性に優れたものとなる。
また、本発明の遮熱性トップコートは、光反射性粒子を含み、太陽光の赤外線を反射、放射するものであるため、熱吸収が少ない。したがって、本発明の遮熱性トップコートを、地面を覆うアスファルトやコンクリートなどの路面上に形成することにより、都市部での深刻なヒートアイランド現象を緩和できる。
本発明の路面被覆用シラップ組成物を、排水性トップコート又は遮熱性トップコートを形成するための組成物として使用する場合には、路面被覆用シラップ組成物に骨材を含有させて用いることが好ましい。排水性トップコート又は遮熱性トップコートを形成する場合、通常、下塗り層と上塗り層の2層を形成する。排水性トップコート及び/又は遮熱性トップコートの下塗り層及び/又は上塗り層には、滑り止めのための骨材を含有させることが好ましい。
好ましい骨材粒径は0.01〜3mmであり、より好ましくは0.1〜2mmである。
なお、骨材は、塗装機を用いないで路面被覆用シラップ組成物を塗工して排水性トップコート又は遮熱性トップコートを形成する場合には、路面被覆用シラップ組成物中に予め含有させておいてもよい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物を、遮熱性トップコートを形成するための組成物として使用する場合には、路面被覆用シラップ組成物に光反射性粒子を含有させる。光反射性粒子は、可視領域で吸収を示し、近赤外領域で反射を示すものである。したがって、路面被覆用シラップ組成物に光反射性粒子を含有させることにより、その硬化物である遮熱性トップコートにおける熱エネルギーの吸収を抑制でき、遮熱性トップコートの温度上昇を防ぐことができる。
中空セラミック粒子としては、ジルコニア・チタニア複合物からなる中空粒子、ホウ化ケイ素セラミックからなる中空粒子、シラスバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。
光反射性粒子として使用される日射反射率が12%以上である顔料としては、例えば、黒色またはそれに近い濃彩色の顔料;黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料及び緑色系顔料等の着色顔料;並びに白色顔料が挙げられる。
黄色系顔料の具体例としては、モノアゾ系エロー(商品名:ホスターパームエローH3G、ヘキスト(株)製)等が挙げられる。
赤色系顔料の具体例としては、酸化鉄(商品名:トダカラー120ED、戸田工業(株)製)、キナクリドンレッド(商品名:HostapermRedE2B70、ヘキスト(株)製)等が挙げられる。
青色系顔料の具体例としては、フタロシアニンブルー(商品名:シアニンブルーSPG−8、大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
緑色系顔料の具体例としては、フタロシアニングリーン(商品名:シアニングリーン5310、大日精化工業(株)製)等が挙げられる。
白色顔料は、特に限定されるものではなく、具体例としては、酸化チタン、亜鉛華等が挙げられる。酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型共に適用可能であり、ルチル型の酸化チタンが好適に用いられる。
光反射性粒子として顔料と中空セラミック粒子とを用いる場合、基本成分100質量部に対して、顔料5〜55質量部と、中空セラミック粒子5〜15質量部とを配合することがより好ましい。
本発明の路面被覆用シラップ組成物は、床面、壁面、道路の舗装面等への被覆材として用いることができる。床面、壁面、道路の舗装面等の施工面への被覆方法としては、施工面に、本発明の路面被覆用シラップ組成物を塗工して塗膜を形成する方法が挙げられる。該塗膜が硬化することにより、施工面上に硬化物からなる被覆層が形成される。被覆層としては、下塗り層と、その上に形成する上塗り層(トップコート)の2層を形成することが好ましい。
シラップ組成物S−1の製造:
撹拌機及びコンデンサーを備えた1Lの容器に、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(以下、「THFMA」と略す。)70部、ドデシルメタクリレートとステアリルメタクリレートの混合物(ドデシルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの質量比4/6、以下「SLMA」と略す。)4部、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、「3EDMA」と略す。)6部、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(第一工業製薬製、商品名:ニューフロンティアBPE−4)(以下、「BPE−4」と略す。)5部、融点55℃のパラフィンワックス(以下「ワックス1」と略す。)0.6部、融点66℃のパラフィンワックス(以下「ワックス2」と略す。)0.4部、融点75℃のパラフィンワックス(以下「ワックス3」と略す。)0.3部、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン(以下「アミン1」と略す。)2.2部、消泡剤(ビックケミー・ジャパン社製、商品名:BYK−1752)0.5部、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.05部を加え、攪拌しながら、メチルメタクリレート(MMA)/n−ブチルメタクリレート(n−BMA)=80/20共重合体(Tg=84℃、Mw=80,000、以下「ポリマー1」と略す。)を15部投入し、70℃で2時間加熱し、溶解した後、45℃まで冷却した。さらにワックス分散液(ビックケミー・ジャパン社製、商品名、BYK−S780、以下、「ワックス4」と略す。)5部を添加し、1時間撹拌してよく分散させた後、シラップ組成物S−1を得た。
シラップ組成物S−2〜S−11の製造:
表1に記載の割合にすること以外は、シラップ組成物S−1の製造と同様にしてシラップ組成物S−2〜S−11を得た。なお、ワックス4を配合しない場合は、70℃で2時間加熱し、溶解した後、45℃まで冷却し、シラップ組成物を得た。
路面被覆用シラップ組成物R−1〜R−11の製造:
S−1〜S−11の各シラップ組成物の合計質量部に、硬化剤として過酸化ベンゾイル(日油社製、以下「ナイパーNS」と略す。)及び硬化促進助剤として多価金属石鹸であるナフテン酸コバルト(日本化学産業社製、商品名;ナフテックスコバルト6%(T)、以下「ナフテン酸Co」と略す。)を表2の割合で加えて混合し、路面被覆用シラップ組成物R−1〜R−11を調製した。
(臭気)
硬化剤と硬化促進剤助剤を添加した路面被覆用シラップ組成物を、30cmの正方形のスレート板に0.5kg/m2の厚みとなるようにローラーにて塗布し、硬化させた。
臭気は、路面被覆用シラップ組成物をローラー塗布した際に臭気を感じたかどうかの感応試験とし、下記の基準で判定した。
○:3人とも臭気を感じなかった。
×:3人のうち1人以上が臭気を感じた。
硬化剤と硬化促進剤助剤を添加した路面被覆用シラップ組成物を、23℃の環境下でセルキャストに流し込み、硬化させた。厚み2mmで硬化させた樹脂硬化物を、JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム」に規定する打ち抜き具にて、ダンベル型1号片に10本成形した。
上記で成形した試験片5本を23℃環境下にて純水に10日間浸漬した。10日間浸漬した後、試験片を取り出し、水分を拭き取り23℃気中環境下に3時間放置後、上記と同様に引張試験機にて引張試験を実施し、最大引張強度を測定した。
○:水浸漬後の最大引張強度/水浸漬前最大引張強度=0.6以上
×:水浸漬後の最大引張強度/水浸漬前最大引張強度=0.6未満
これに対して、C成分が少なく、a3成分が規定の配合割合より多い比較例R−10は、耐水性が劣るものであった。また、a2成分が規定配合割合より多い比較例R−11は、臭気があり好ましくなかった。
排水性トップコート用シラップ組成物F−1〜10の製造:
S−1〜S−9及びS−11の各シラップ組成物の合計質量部に、ベンガラ色の着色剤としてMRT−60(製品名、菱晃製)10部を混合攪拌し、更に硬化剤としてナイパーNSと硬化促進助剤であるナフテン酸Coを表3の割合で加えて混合し、排水性トップコート用シラップ組成物F−1〜F−10を調製した。
(据え切り試験)
排水性トップコート用シラップ組成物(以下、排水性トップコート組成物という。)F−1〜F−10を用いて据え切り試験用試験体を作成した。すなわち、開粒度アスファルト板(サイズ:縦300mm横300mm厚み50mm、大有建設社製)に、エアースプレー(製品名:スプレーガンワイダー88、アネスト岩田社製)を用いて、エアー圧0.3〜0.4MPaで、塗布量が500g/m2となるように排水性トップコート組成物を下塗りし、直ちに滑り止め用の骨材(美州興産社製、製品名:セラサンドA1粒)を、散布量が250g/m2となるように散布した。その上に、同じ排水性トップコート組成物を同様にして上塗りし、直ちに滑り止め用の骨材を同様に散布した。これを室温(23℃±2℃)で硬化させて据え切り試験用の試験体を得た。
取り付け自動車タイヤ:乗用車用14インチラジアルタイヤ。試験体駆動方式、試験体反復角度:±30°反復速度:6rpm。載荷荷重:3KN。
測定は23℃±2℃の試験体について行った。判定は据え切り試験後に被覆層の剥離箇所の数を目視で数え、下記の基準に基づいて評価判定した。
○:10個以下
×:剥離箇所11個以上
硬化剤入り排水性トップコート組成物F−1〜F−10約110g〜120gを直径10mm、長さ120mmの試験管に、底部より70mmまで投入し、熱電対を該排水性トップコート組成物の深さ方向中央部に入れた。この試験管を23℃の水中に静置して排水性トップコート組成物を硬化させつつ、前記熱伝対により発熱温度を経時的に測定した。
硬化剤の添加時から、最高発熱温度になった時点までの時間を求め、この時間を硬化時間とした。また、試験管に入れた残りの該排水性トップコート組成物の流動性がなくなる(ゲル化)までの時間を求め、この時間をゲル化時間とした。それぞれの結果を表3に示す。
これに対して、a2成分が規定の配合割合より多い比較例F−10の排水性トップコート組成物は、据え切り試験が×であり、カットバックが起こり易い。
[遮熱性トップコート用のシラップ組成物]
実施例S−1で得られたシラップ組成物の合計質量部に、光反射性粒子として黒色顔料(製品名:クロモファインブラックA−1103、大日精化工業社製)8.3部を混合し、分散媒体として粒度2.1mmのガラスビーズを加え、卓上バッチ式ミルを用いて、顔料が10ミクロン以下となるよう分散した。ガーゼでガラスビーズを取り除いた後、この混合物に、揺変剤として微粒シリカ及び有機ベントナイト、さらに光反射性粒子としてガラスバルーンをそれぞれ表4の配合量となるように加え、充分に混合した。次いで硬化促進助剤であるナフテン酸Coを1部加え、攪拌して均一にした。さらに硬化剤としてナイパーNSを加えて遮熱性トップコート用シラップ組成物H−1を得た。
表4において、濃茶色顔料は大日精化工業社製のダイピロキサイドブラウン9270(製品名)、黄色顔料はヘキスト社製のホスターパームエローH3G(製品名)、青色顔料はフタロシアニンブルー、白色顔料は酸化チタンである。
(据え切り試験)
得られた遮熱性トップコート用シラップ組成物H−1〜H−3をそれぞれ用いて据え切り試験用試験体を作成した。すなわち、密粒アスファルト板(サイズ:縦300mm横300mm厚み40mm、大有建設社製)に、エアースプレー(製品名:スプレーガンワイダー88、アネスト岩田社製)を用いて、エアー圧0.3〜0.4MPaで、塗布量が1kg/m2となるように塗装し、直ちに滑り止め用骨材として硅砂5号を散布量が250g/m2となるように散布した。これを室温(23℃±2℃)で硬化させて据え切り試験用の試験体を得た。得られた試験体を用い、上述した据え切り試験と同じ方法でタイヤの据え切りに対する耐久性を評価した。結果を表4に示す。
Claims (6)
- 1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート単官能化合物(A成分)、アクリル系重合体(B成分)、及び2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物(C成分)を含み、
さらに可塑剤(D成分)を任意成分として含み、
前記A成分、B成分、C成分及びD成分からなる基本成分の総量に対して、水酸基を有さず、フラン環、ヒドロフラン環、ピラン環およびヒドロピラン環からなる群より選ばれるヘテロ環を有する(メタ)アクリレート単官能化合物(a1成分)が30〜85質量%、a1成分以外で水酸基を有さない(メタ)アクリレート単官能化合物(a2成分)が0〜12質量%、水酸基を有する(メタ)アクリレート単官能化合物(a3成分)が0〜5質量%、B成分が10〜25質量%、C成分が7〜60質量%である路面被覆用シラップ組成物。 - 前記基本成分の総量に対して、D成分が20質量%以下である請求項1に記載の路面被覆用シラップ組成物。
- 請求項1または請求項2に記載の路面被覆用シラップ組成物の硬化物からなる排水性トップコート。
- 前記基本成分100質量部に対して光反射性粒子5〜70質量部を含む請求項1または請求項2に記載の路面被覆用シラップ組成物。
- 請求項4に記載の路面被覆用シラップ組成物の硬化物からなる遮熱性トップコート。
- 施工面に、請求項1、請求項2、請求項4のいずれか一項に記載の路面被覆用シラップ組成物を塗工して塗膜を形成する工程を有する路面被覆方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013214795A JP6206072B2 (ja) | 2013-10-15 | 2013-10-15 | 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013214795A JP6206072B2 (ja) | 2013-10-15 | 2013-10-15 | 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015078264A JP2015078264A (ja) | 2015-04-23 |
JP6206072B2 true JP6206072B2 (ja) | 2017-10-04 |
Family
ID=53009976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013214795A Active JP6206072B2 (ja) | 2013-10-15 | 2013-10-15 | 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6206072B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7497954B2 (ja) * | 2017-10-20 | 2024-06-11 | 三菱ケミカルインフラテック株式会社 | アクリル系硬化性樹脂組成物、塗料、硬化物及び土木建築用被覆材 |
JP7231986B2 (ja) * | 2018-03-20 | 2023-03-02 | 三菱ケミカルインフラテック株式会社 | 樹脂組成物およびその硬化物 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3927992B1 (ja) * | 2005-09-21 | 2007-06-13 | 三菱レイヨン株式会社 | シラップ組成物、樹脂モルタル組成物および被覆方法 |
JP5134947B2 (ja) * | 2007-12-28 | 2013-01-30 | 三菱レイヨン株式会社 | シラップ組成物、その硬化物および被覆方法 |
JP2012140513A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び被覆方法 |
JP5880912B2 (ja) * | 2011-04-28 | 2016-03-09 | 三菱レイヨン株式会社 | 樹脂モルタル組成物 |
JP5741835B2 (ja) * | 2011-05-23 | 2015-07-01 | 三菱レイヨン株式会社 | シラップ組成物及び積層体 |
JP2012246452A (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-13 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | シラップ組成物 |
-
2013
- 2013-10-15 JP JP2013214795A patent/JP6206072B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015078264A (ja) | 2015-04-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3927992B1 (ja) | シラップ組成物、樹脂モルタル組成物および被覆方法 | |
KR101659511B1 (ko) | 글라스비드의 부착성이 우수한 노면 표지용 도료 조성물 | |
JP5134947B2 (ja) | シラップ組成物、その硬化物および被覆方法 | |
JP6186994B2 (ja) | アクリル系樹脂組成物 | |
JP6545336B2 (ja) | 化粧方法 | |
KR101728416B1 (ko) | 상온경화형 노면표지용 차선 조성물 및 이를 이용하는 차선 도색방법 | |
JP5741835B2 (ja) | シラップ組成物及び積層体 | |
KR20090063928A (ko) | 미끄럼방지 바닥용 수성 칼라 코팅제 조성물 | |
JP2018025045A (ja) | 防水積層構造及びその製造方法 | |
JP2005023277A (ja) | 舗装面用遮熱塗料 | |
JP2018131622A (ja) | 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び塗料 | |
JP6206072B2 (ja) | 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法 | |
KR20200110515A (ko) | 미끄럼 방지를 위한 포장재 수지 조성물을 이용한 포장재 | |
JP5780018B2 (ja) | シラップ組成物、シラップ配合組成物および積層体 | |
JP6388303B2 (ja) | 積層体 | |
JP2012140513A (ja) | シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び被覆方法 | |
CN103842432B (zh) | 自由基聚合型丙烯酸系树脂组合物、防水材料组合物和层积体及其制造方法 | |
JP5824910B2 (ja) | 樹脂モルタル組成物、および被覆物 | |
JP2867086B2 (ja) | アクリル系シラップ組成物 | |
JP5840824B2 (ja) | 水性被覆材及び塗装物 | |
JP7497954B2 (ja) | アクリル系硬化性樹脂組成物、塗料、硬化物及び土木建築用被覆材 | |
JP2008207182A (ja) | 被覆層及びその形成方法 | |
JP3269483B2 (ja) | 土木建築材用被覆組成物、これを用いた土木建築材及び土木建築物 | |
JP5880912B2 (ja) | 樹脂モルタル組成物 | |
JP2008007595A (ja) | 硬化性樹脂組成物および被覆材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160808 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170530 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170728 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170808 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170821 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6206072 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |