JP7231986B2 - 樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP7231986B2
JP7231986B2 JP2018053121A JP2018053121A JP7231986B2 JP 7231986 B2 JP7231986 B2 JP 7231986B2 JP 2018053121 A JP2018053121 A JP 2018053121A JP 2018053121 A JP2018053121 A JP 2018053121A JP 7231986 B2 JP7231986 B2 JP 7231986B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
resin composition
polymer
acrylate
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018053121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019163421A (ja
Inventor
英人 山澤
Original Assignee
三菱ケミカルインフラテック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱ケミカルインフラテック株式会社 filed Critical 三菱ケミカルインフラテック株式会社
Priority to JP2018053121A priority Critical patent/JP7231986B2/ja
Publication of JP2019163421A publication Critical patent/JP2019163421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7231986B2 publication Critical patent/JP7231986B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、樹脂組成物およびその硬化物に関する。
土木、建築等に用いられる樹脂組成物(道路用塗料、土木建築用塗料、補修材、目地材等)には、その硬化物の可塑化を目的として可塑剤が配合されることがある。可塑剤が配合された土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物としては、下記のものが知られている。
・アクリル系単量体、アクリル系単量体に可溶な重合体、可塑剤(塩素化パラフィン、フタル酸エステル、アセチルクエン酸トリブチル等)およびワックスを含むシラップ組成物(特許文献1)。
・アクリル系単量体、アクリル系重合体および可塑剤(アルキルスルホン酸フェニルエステル、フタル酸エステル等)を含む樹脂組成物(特許文献2)。
特開2008-207182号公報 特開2015-098527号公報
特許文献1に記載のシラップ組成物を硬化させて得られる硬化物および特許文献2に記載の樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、JIS K 6251:2010に準拠した引張試験において、室温における切断時引張強さと切断時伸びのバランスに優れるものの、低温において切断時伸びが低くなる。
本発明は、室温および低温において切断時引張強さと切断時伸びのバランスが良好な硬化物を得ることができる樹脂組成物およびその硬化物を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>(メタ)アクリロイル基を有する単量体(A)と、アクリル系重合体、および(メタ)アクリロイル基を有する重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)と、下記式(I)で表される化合物(C)とを含む、樹脂組成物。
Figure 0007231986000001
ただし、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1~20のアルキル基である。
<2>前記化合物(C)の含有量が、前記単量体(A)の含有量および前記重合体(B)の含有量の合計100質量部に対して5~30質量部である、前記<1>の樹脂組成物。
<3>下記作製方法にて前記樹脂組成物から得られた試験片が、下記条件(a)を満足する、前記<1>または<2>の樹脂組成物。
(試験片の作製方法)
温度23℃、湿度50%の雰囲気下、硬化剤未配合の樹脂組成物100質量部に過酸化ベンゾイル(純度50%)2部を加えて硬化剤入り樹脂組成物を調製する。硬化剤入り樹脂組成物を型に注入し、温度23℃の雰囲気下、2時間かけて硬化させ、厚さ3mmの硬化物を得る。打ち抜き具を用いて硬化物からJIS K 6251:2010に準拠したダンベル状1号形試験片を採取する。
(条件(a))
試験片について、JIS K 6251:2010に準拠し、引張速度200mm/minで測定した0℃における切断時引張強さおよび23℃における切断時引張強さが、下記式(1)を満足する。
0.6≦(K0-K23)/K23≦1.5 (1)
ただし、K0は、0℃における切断時引張強さ(N/mm)であり、K23は、23℃における切断時引張強さ(N/mm)である。
<4>下記作製方法にて前記樹脂組成物から得られた試験片が、下記条件(b)を満足する、前記<1>~<3>のいずれかの樹脂組成物。
(試験片の作製方法)
温度23℃、湿度50%の雰囲気下、硬化剤未配合の樹脂組成物100質量部に過酸化ベンゾイル(純度50%)2部を加えて硬化剤入り樹脂組成物を調製する。硬化剤入り樹脂組成物を型に注入し、温度23℃の雰囲気下、2時間かけて硬化させ、厚さ3mmの硬化物を得る。打ち抜き具を用いて硬化物からJIS K 6251:2010に準拠したダンベル状1号形試験片を採取する。
(条件(b))
試験片について、JIS K 6251:2010に準拠し、引張速度200mm/minで測定した0℃における切断時引張強さ、23℃における切断時引張強さおよび23℃における切断時伸びが、下記式(2)を満足する。
180≦(K0-K23)×S23/K23≦270 (2)
ただし、K0は、0℃における切断時引張強さ(N/mm)であり、K23は、23℃における切断時引張強さ(N/mm)であり、S23は、23℃における切断時伸び(%)である。
<5>土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物である、前記<1>~<4>のいずれかの樹脂組成物。
<6>前記<1>~<5>のいずれかの樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明の樹脂組成物によれば、室温および低温において切断時引張強さと切断時伸びのバランスが良好な硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、室温および低温において切断時引張強さと切断時伸びのバランスが良好である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの総称である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(A)と、アクリル系重合体、および(メタ)アクリロイル基を有する重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)と、下記式(I)で表される化合物(C)とを含む。
Figure 0007231986000002
ただし、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1~20のアルキル基である。
(単量体(A))
単量体(A)は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。
単量体(A)としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つのみ有する単官能(メタ)アクリレート、または1分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体(A)は、単官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートのいずれか一方を含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
・アルキル(メタ)アクリレート:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等。
・水酸基含有(メタ)アクリレート:2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等。
・窒素含有(メタ)アクリレート:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等。
・複素環含有(メタ)アクリレート:グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリル(メタ)アクリレート等。
・脂環含有(メタ)アクリレート:イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロテンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等。
・アルキル基末端(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート:2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトシキエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等。
・芳香環含有(メタ)アクリレート:ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等。
単官能(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
・アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等。
・ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等。
・アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等。
・三官能(メタ)アクリレート:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等。
多官能(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体(A)としては、上述した単官能(メタ)アクリレートの中でも、硬化物の切断時引張強さおよび切断時伸びが高くなる点から、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロテンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの中でも、樹脂組成物の粘度を低減できる点から、メチルメタクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートがより好ましい。
単量体(A)としては、上述した多官能(メタ)アクリレートの中でも、硬化物の切断時引張強さおよび切断時伸びが高くなる点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(重合体(B))
重合体(B)は、アクリル系重合体(以下、「重合体(B1)」とも記す。)、および(メタ)アクリロイル基を有する重合体(以下、「重合体(B2)」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である。
重合体(B1)は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する単量体単位を有する単独重合体または共重合体である。重合体(B1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリレート(共)重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸(共)重合体は、(メタ)アクリル酸に由来する単量体単位を有する単独重合体または共重合体である。(メタ)アクリル酸(共)重合体としては、例えば、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸と他の単量体(ただし、(メタ)アクリレートを除く。)との共重合体が挙げられる。他の単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニル基含有モノマーが挙げられる。他の単量体を用いる場合、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート(共)重合体は、(メタ)アクリレートに由来する単量体単位を有する単独重合体または共重合体である。(メタ)アクリレート(共)重合体としては、例えば、1種以上の(メタ)アクリレートのみを重合した重合体、1種以上の(メタ)アクリレートと他の単量体(ただし、(メタ)アクリル酸を除く。)との共重合体が挙げられる。他の単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニル基含有モノマーが挙げられる。他の単量体を用いる場合、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレートとしては、単量体(A)の説明において先に例示した単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する単量体単位を有し、かつ重合性二重結合を有する。
重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法は特に限定されない。重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法の好ましい一例を下記に示す。
第1段階の反応として、1種以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(b1)と、後述するエステル化反応に関与する第1の官能基および(メタ)アクリロイル基を有する単量体(b2)とを共重合させて、第1の官能基を有する前駆体共重合体(B1’)を得る。
第2段階の反応として、第1の官能基とエステル化反応して結合を生成する第2の官能基および重合性二重結合を有する単量体(b3)を前駆体共重合体(B1’)に添加する。これにより、前駆体共重合体(B1’)の第1の官能基と単量体(b3)の第2の官能基とを反応させてエステルを形成させる。エステル形成後において単量体(b3)由来の重合性二重結合は残存する。したがって、エステル形成反応により、前駆体共重合体(B1’)に重合性二重結合を導入でき、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体を得ることができる。
単量体(b1)の具体例としては、単量体(A)の説明において先に例示した単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。第1の官能基と第2の官能基との組み合わせとしては、例えば、カルボキシ基とグリシジル基との組み合わせ、水酸基とイソシアネート基との組み合わせが挙げられる。第1の官能基と第2の官能基との組み合わせをカルボキシ基とグリシジル基との組み合わせにする場合、単量体(b2)として(メタ)アクリル酸を用い、単量体(b3)としてグリシジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
重合体(B1)のガラス転移温度(以下、「Tg」と記す。)は、0℃以上が好ましく、20~105℃がより好ましい。Tgが高いほど単量体(A)への溶解性が向上し、Tgが低いほど樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さが向上する傾向がある。Tgは、示差走査熱量計(DSC)の測定により求める。
重合体(B1)の重量平均分子量(Mw)は5,000~200,000が好ましく、10,000~180,000がより好ましい。重量平均分子量が高いほど樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さが向上し、重量平均分子量が低いほど単量体(A)への溶解性が向上する傾向がある。
重量平均分子量は、重合体(B1)の0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)装置に100μL注入し、流量:1mL/min、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件下で測定した分子量を標準ポリスチレン換算したものである。
重合体(B2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。ただし、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル系重合体は、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体として重合体(B1)に包含されるため、重合体(B2)からは除かれる。重合体(B2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基と複数のウレタン結合とを有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリオールとイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基(-NCO)を有するウレタンオリゴマーと、水酸基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて製造することができる。
ウレタンオリゴマーの製造に用いられるポリオールとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
・ポリアルキレングリコール:ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等。
・2価フェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)と、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)との付加反応生成物。
・多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、メチルペンタンジオール等)と、多塩基酸(フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸等)と、酸無水物との反応で得られるポリエステルポリオール。
・アルキレングリコールとラクトンとから得られるポリラクトンジオール。
・ジオール(ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等)と、カーボネート化剤(ホスゲン、ジメチルカーボネート等)との反応で得られるポリカーボネートジオール。
ポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタンオリゴマーの製造に用いられるイソシアネートとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
・ジイソシアネート:2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロへキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等。
・イソシアネートと、水、トリメチロールプロパン等とのアダクト化合物。
・イソシアネートの三量体環化化合物。
イソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられる水酸基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基および(メタ)アクリロイル基を含有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造において、水酸基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、水酸基および(メタ)アクリロイル基以外のビニル基を有する化合物(アリル基含有アルコール等)とを併用してもよい。この場合、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基に加えて、水酸基およびビニル基を有する化合物由来のビニル基を有する。
アリル基含有アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、樹脂組成物の粘度の点から、30,000以下が好ましい。重量平均分子量が高いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、重量平均分子量が低いほど樹脂組成物を製造する際、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの単量体(A)への溶解性が向上する傾向がある。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、重合体(B1)の場合と同様にして測定したものである。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基と複数のエステル結合とを有する化合物である。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、多塩基酸および多価アルコールを反応させて得られたポリエステルと、その末端水酸基またはカルボキシ基とエステル結合が可能な官能基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて製造することができる。
ポリエステルの製造に用いられる多塩基酸としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸等の二塩基酸が挙げられる。多塩基酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルの製造に用いられる多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオールおよび1,10-デカンジオール等の2価アルコールが挙げられる。多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を含む単量体成分との反応物である。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、固形状のもの、液状のもの等、様々なものを用いることができる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられる単量体成分には、必要に応じて(メタ)アクリル酸以外の他の単量体が含まれていてもよい。他の単量体としては、(メタ)アクリル酸と共重合可能であれば特に制限されないが、例えば、単量体(A)の説明において先に例示した単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合体(B)としては、アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリレート(共)重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーおよびエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等からなる群より選ばれる1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(C))
化合物(C)は、下記式(I)で示される脂環式二塩基酸エステル系可塑剤である。
Figure 0007231986000003
ただし、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1~20のアルキル基である。
化合物(C)としては、例えば、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソペンチルエステル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシルエステル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2-エチルヘキシル)エステル、アルキル基の炭素数が7~11である1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル、アルキル基の炭素数が9~11である1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル、アルキル基の炭素数が7~9である1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルが挙げられる。
化合物(C)の具体的な製品名としては、例えば、Hexamoll DINCH(1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、BASFジャパン(株)製)が挙げられる。
およびRの炭素数は、硬化物の室温および低温における切断時引張強さと切断時伸びのバランスが良好となることから、1~20が好ましく、3~16がより好ましい。
(重合開始剤(D))
本発明の樹脂組成物は、レドックス系重合開始剤(以下、重合開始剤(D)とも記す。)を構成する、還元剤(D1)および硬化剤(D2)のいずれか一方または両方をさらに含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物においては、レドックス系重合開始剤から発生するラジカルによって、硬化反応が進行し、硬化物とすることができる。
レドックス系重合開始剤は、還元剤(D1)と硬化剤(D2)とを併用した重合開始剤である。還元剤(D1)と硬化剤(D2)との組み合わせとしては、例えば、下記の(i)~(iv)が挙げられる。
(i)還元剤(D1):芳香族3級アミン類と、硬化剤(D2):ジベンゾイルパーオキサイドとの組み合わせ。
芳香族3級アミン類としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N-(2-ヒドロキシエチル)N-メチル-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジン等。
・N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジンまたはN,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等。
芳香族3級アミン類は、p(パラ)体に限定されず、o(オルト)体、m(メタ)体でもよい。
(ii)還元剤(D1):金属石鹸類と、硬化剤(D2):ハイドロパーオキサイドとの組み合わせ。
金属石鹸類としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸マンガン、オクチル酸コバルト、オクチル酸ニッケル、コバルトアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネートが挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド、t-アミルハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイドが挙げられる。
(iii)還元剤(D1):チオ尿素化合物と、硬化剤(D2):ハイドロパーオキサイドとの組み合わせ。
チオ尿素化合物としては、例えば、チオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’-ジメチルチオ尿素、N,N’-ジエチルチオ尿素、N,N’-ジプロピルチオ尿素、N,N’-ジ-n-ブチルチオ尿素、N,N’-ジラウリルチオ尿素、N,N’-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、1-アセチル-2-チオ尿素、1-ベンゾイル-2-チオ尿素が挙げられる。
(iv)還元剤(D1):チオ尿素化合物と、硬化剤(D2):モノカーボネート型過酸化物との組み合わせ。
モノカーボネート型過酸化物としては、例えば、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、1,6-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサンが挙げられる。
還元剤(D1)および硬化剤(D2)は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
還元剤(D1)と硬化剤(D2)との組み合わせとしては、樹脂組成物のゲル化時間を短くして生産性を向上する点から、(i)の組み合わせが特に好ましい。樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さと切断時伸びのバランスの点から、(i)の組み合わせにおける芳香族3級アミン類としては、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジンが特に好ましい。
本発明においては、硬化反応を行う前は、単量体(A)、重合体(B)、化合物(C)および還元剤(D1)を含み、硬化剤(D2)を含まない硬化剤未配合の樹脂組成物とし、硬化反応を行う直前に硬化剤(D2)を配合して硬化剤入り樹脂組成物とすることが好ましい。
(他の成分)
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて単量体(A)、重合体(B)、化合物(C)および重合開始剤(D)以外の成分(以下、「他の成分」とも記す。)をさらに含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、化合物(C)以外の可塑剤(以下、「他の可塑剤」とも記す。)、パラフィンワックス、ゴム、酸化防止剤、紫外線吸収剤、揺変剤、消泡剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、各種添加剤、重合開始剤(D)以外のラジカル重合開始剤(熱重合開始剤、光重合開始剤等)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、重合体(B)との相溶性を考慮して化合物(C)以外の他の可塑剤を加えてもよい。他の可塑剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・フタル酸エステル:フタル酸ジブチル、フタル酸ジ2-エチルヘキシル、フタル酸ジイソデシル等。
・アジピン酸エステル:ジ-2-エチルヘキシルアジペート、オクチルアジペート等。
・セバシン酸エステル:ジブチルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート等。
・アゼラインエステル:ジ-2-エチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等。
・パラフィン(ただし、下記のパラフィンワックスを除く。):塩素化パラフィン等。
本発明の樹脂組成物には、酸素による硬化阻害を抑制するために、パラフィンワックスを加えてもよい。
パラフィンワックスの融点は、40~80℃が好ましい。融点が40℃以上であれば、樹脂組成物を硬化させる際に十分な空気遮断作用が得られ、表面硬化性が良好となる。融点が80℃以下であれば、樹脂組成物を調製する際、パラフィンワックスの樹脂組成物への溶解性が良好となる。
パラフィンワックスは、融点の異なる2種以上を併用することが好ましい。融点の異なるパラフィンワックスを併用することによって、温度が変わったときであっても、十分な空気遮断作用が得られ、表面硬化性が良好となる。併用する際には、融点の差が5~20℃程度のものを併用することが好ましい。
パラフィンワックスとしては、表面硬化性を向上させる点で、有機溶剤に分散したワックスを用いてもよい。ワックスが有機溶剤に分散状態にあり、分散状態のワックスの粒子径が0.1~50μmに微粒子化されていることにより、空気遮断作用を効果的に発現する。分散状態のパラフィンワックスは市販されており、これをそのまま添加することができる。
パラフィンワックス具体的な製品名としては、例えば、パラフィン115(カタログ記載の融点:47℃、日本精蝋(株)製)、パラフィン130(カタログ記載の融点:55℃、日本精蝋(株)製)、パラフィン150(カタログ記載の融点:66℃、日本精蝋(株)製)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、硬化物の引張破壊強度、引張破断伸度を向上するために、ゴムを加えてもよい。ゴムとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル-ブタジエン-スチレン共重体、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、硬化物の酸化劣化を防止するために、酸化防止剤を加えてもよい。酸化防止剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・フェノール系酸化防止剤:n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコールビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等。
・リン系酸化防止剤:トリフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト等。
・硫黄系酸化防止剤:ジヘキシルスルフィド、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(β-ラウリルチオプロピオネート)。
本発明の樹脂組成物には、硬化物の光劣化を抑制するために、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・2-ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体:2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-デシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4,4’-ジブトキシベンゾフェノン等。
・2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジターシャリイブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、またはこれらのハロゲン化物等。
・フェニルサリシレート、p-ターシャリイブチルフェニルサリシレート等。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物に後述する骨材を配合した際の沈降を抑制するために、揺変剤を加えてもよい。揺変剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
有機系揺変剤:ウレタンウレア系揺変剤、脂肪酸アマイド、有機ベントナイト、酸化ポリエチレンワックス、有機変性セピオライト等。
・無機系揺変剤:微粒子シリカ等。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物中の気泡を取り除くために、消泡剤を加えてもよい。消泡剤としては、例えば、特殊アクリル系重合物を溶剤に溶解させたアクリル系消泡剤、特殊ビニル系重合物を溶剤に溶解させたビニル系消泡剤等が挙げられる。
消泡剤の具体的な製品名としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・楠本化成(株)製のディスパロンシリーズ:OX-880EF、OX-881、OX-883、OX-77EF、OX-710、OX-8040、1922、1927、1950、P-410EF、P-420、P-425、PD-7、1970、230、230HF、LF-1980、LF-1982、LF-1983、LF-1984、LF-1985等。
・ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK-052、BYK-1752等。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の貯蔵安定性を向上するために、重合禁止剤を加えてもよい。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、2-メチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物と後述する骨材との密着性を向上するために、シランカップリング剤を加えてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の硬化性を向上するために、熱重合開始剤を加えてもよい。熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。
過酸化物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・ケトンパーオキサイド:メチルエチルケトンパーオキサイド等。
・パーオキシケタール:1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等。
・ジアルキルパーオキサイド:ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド等。
・ジアシルパーオキサイド:ジラウロイルパーオキサイド等。
・パーオキシジカーボネート:ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等。
・パーオキシエステル:t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス-1-シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリック酸、2,2’-アゾビス-(2-アミジノプロパン)ジハイドロクロライドが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の硬化性を向上するために、光重合開始剤を加えてもよい。光重合開始剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・ベンゾフェノン型化合物:ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4-フェニルベンゾフェノン等。
・アントラキノン型化合物:t-ブチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン等。
・アルキルフェノン型化合物:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、2-メチル-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン等。
・チオキサントン型化合物:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等。
・アシルフォスフィンオキサイド型化合物:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等。
・フェニルグリオキシレート型化合物:フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル等。
(各成分の含有量)
単量体(A)の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、30~90質量%が好ましく、35~85質量%がより好ましく、55~80質量%がさらに好ましい。単量体(A)の含有量が多いほど樹脂組成物の粘度が低くなり、単量体(A)の含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度が高くなる傾向がある。
単量体(A)として多官能(メタ)アクリレートを含む場合、多官能(メタ)アクリレートの含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、1~20質量%が好ましく、1.5~15質量%がより好ましい。多官能(メタ)アクリレートの含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さを高くでき、多官能(メタ)アクリレートの含有量が少ないほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びの低下を抑制することができる。
重合体(B)として重合体(B1)を含む場合、重合体(B1)の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、10~50質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましい。重合体(B1)の含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さが向上し、重合体(B1)の含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
重合体(B)として重合体(B2)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む場合、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、10~70質量%が好ましく、15~65質量%がより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
重合体(B)として重合体(B2)のポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む場合、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、10~70質量%が好ましく、15~65質量%がより好ましい。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
重合体(B)として重合体(B2)のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを含む場合、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、10~70質量%が好ましく、15~65質量%がより好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
2種以上の重合体(B)を併用する場合、重合体(B)の合計の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量%中、10~70質量%が好ましく、15~65質量%がより好ましい。重合体(B)の含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、重合体(B)の含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度が低くなる傾向がある。
化合物(C)の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量部に対して、5~30質量部が好ましく、10~25質量部がより好ましい。化合物(C)の含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、化合物(C)の含有量が少ないほど切断時引張強さの低下が抑えられる。
他の可塑剤を併用する場合、化合物(C)の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量部に対して、5~25質量部が好ましく、10~20質量部がより好ましい。化合物(C)の含有量が多いほど樹脂組成物の硬化物の切断時伸びが向上し、化合物(C)の含有量が少ないほど切断時引張強さの低下が抑えられる。
還元剤(D1)を含む場合、還元剤(D1)の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.2~5質量部がより好ましく、0.3~3質量部がさらに好ましい。還元剤(D1)の含有量が多いほど硬化性が良好となるため、樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さおよび切断時伸びが向上する。還元剤(D1)の含有量が少ないほど、ゲル化時間が長くなり、樹脂組成物の撹拌、注入等の作業を行いやすくなる。
硬化剤(D2)を含む場合、硬化剤(D2)の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.2~5質量部がより好ましく、0.3~3質量部がさらに好ましい。硬化剤(D2)の含有量が多いほど、硬化性が良好となるため、樹脂組成物の硬化物の切断時引張強さおよび切断時伸びが向上する。硬化剤(D2)の含有量が少ないほど、ゲル化時間が長くなり、樹脂組成物の撹拌、注入等の作業を行いやすくなる。
本発明の樹脂組成物は、下記作製方法にて樹脂組成物から得られた試験片が、下記条件(a)を満足することが好ましい。
(試験片の作製方法)
温度23℃、湿度50%の雰囲気下、硬化剤未配合の樹脂組成物100質量部に過酸化ベンゾイル(純度50%)2部を加えて硬化剤入り樹脂組成物を調製する。硬化剤入り樹脂組成物を型に注入し、温度23℃の雰囲気下、2時間かけて硬化させ、厚さ3mmの硬化物を得る。打ち抜き具を用いて硬化物からJIS K 6251:2010に準拠したダンベル状1号形試験片を採取する。
(条件(a))
試験片について、JIS K 6251:2010に準拠し、引張速度200mm/minで測定した0℃における切断時引張強さおよび23℃における切断時引張強さが、下記式(1)を満足する。
0.6≦(K0-K23)/K23≦1.5 (1)
ただし、K0は、0℃における切断時引張強さ(N/mm)であり、K23は、23℃における切断時引張強さ(N/mm)である。
条件(a)を満足する樹脂組成物によれば、23℃における切断時引張強さと0℃における切断時引張強さとの差が小さく、切断時引張強さの温度依存性が小さい硬化物を得ることができる。
(K0-K23)/K23は、0.7以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。(K0-K23)/K23は、1.4以下がより好ましく、1.35以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記作製方法にて樹脂組成物から得られた試験片が、下記条件(b)を満足することが好ましい。
(条件(b))
試験片について、JIS K 6251:2010に準拠し、引張速度200mm/minで測定した0℃における切断時引張強さ、23℃における切断時引張強さおよび23℃における切断時伸びが、下記式(2)を満足する。
180≦(K0-K23)×S23/K23≦270 (2)
ただし、K0は、0℃における切断時引張強さ(N/mm)であり、K23は、23℃における切断時引張強さ(N/mm)であり、S23は、23℃における切断時伸び(%)である。
条件(b)を満足する樹脂組成物によれば、23℃における切断時引張強さと0℃における切断時引張強さとの差が小さく、切断時引張強さの温度依存性が小さく、かつ0℃における良好な切断時伸びを有する硬化物を得ることができる。
(K0-K23)×S23/K23は、185以上がより好ましく、195以上がさらに好ましい。(K0-K23)×S23/K23は、250以下がより好ましく、245以下がさらに好ましい。
(樹脂組成物の調製)
本発明の樹脂組成物を調製する方法としては、単量体(A)、重合体(B)、化合物(C)および還元剤(D1)、必要に応じて他の成分を混合して硬化剤未配合の樹脂組成物を調製し、硬化反応を行う直前に硬化剤(D2)を硬化剤未配合の樹脂組成物に配合して硬化剤入り樹脂組成物を調製する方法が好ましい。
樹脂組成物の調製の際には、必要に応じて他の成分を混合してもよい。
各成分を混合する方法としては、例えば、常温で撹拌混合する方法、加熱しながら撹拌混合する方法が挙げられる。加熱する際の温度は、相溶性が良好となり、より均一に混合できる点から、40~100℃が好ましい。混合する際の撹拌時間は、0.1~5時間が好ましい。
(樹脂組成物の用途)
本発明の樹脂組成物の用途としては、例えば、塗料、注型材料、バインダー材、接着剤、補修材、目地材が挙げられる。
塗料としては、例えば、下記のものが挙げられる。
道路用塗料:滑り止め用塗料、排水性塗料、遮熱塗料、道路マーキング用塗料、床版防水工法用塗料等。
土木建築用塗料:壁面用塗料、床用塗料、屋根用塗料、橋梁用塗料、プラント用塗料、鉄構造物用塗料、コンクリート用塗料等。
・家具用塗料、装飾品用塗料、電子機器用塗料、モバイル機器用塗料、家電用塗料、防水用塗料、自動車用塗料、バイク用塗料、重機用塗料、鉄道車両用塗料、船舶用塗料等。
注型材料として用いた場合に得られる成形品としては、例えば、フィルム、シート、レンズ、光導波路、封止材が挙げられる。成形品は、例えば、発光ダイオードモジュール、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター、カメラ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)デバイス、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、プロジェクター等に用いられる。成形品は、光学部材として用いることもできる。
バインダー材としては、例えば、人工大理石、繊維強化プラスチック、点字タイル等のバインダーが挙げられる。
接着剤としては、例えば、ガラス用接着剤、樹脂用接着剤、金属用接着剤、第二世代のアクリル系接着剤(SGA)が挙げられる。
補修材としては、例えば、コンクリート用補修材、道路用補修材が挙げられる。
目地材としては、例えば、タイル用目地材、石材用目地材、コンクリート用目地材、アスファルト用目地材が挙げられる。
(土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物)
これら用途のうち、本発明の樹脂組成物の用途としては、土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物(道路用塗料、土木建築用塗料、補修材、目地材等)が好ましい。
土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物は、成形時の硬化収縮の抑制、強度の向上、耐摩耗性等の耐久性の向上を目的として、他の成分として骨材をさらに含むことが好ましい。
骨材としては、例えば、砂、硅砂、川砂、寒水石、エメリー、大理石、炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、マイカ、タルク、炭化珪素粉、窒化珪素粉、窒化ホウ素粉、アルミナ、スラグ、ガラス粉末、セラミック骨材、陶器屑、着色骨材が挙げられる。これら骨材は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
骨材の粒径は、樹脂組成物の硬化物の厚さにもよるが、ふるい分けによる粒径で5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下がさらに好ましい。骨材の粒子径が5mm以下であれば、硬化物の柔軟性が得られやすい。骨材の粒度分布は、硬化性樹脂組成物の粘度、骨材の形状、成形する硬化物の厚さ等に起因するため、特に規定されるものではなく、適宜調整すればよい。
骨材の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量部に対して、50~400質量部が好ましく、75~350質量部がより好ましく、100~300質量部がさらに好ましい。骨材の含有量が多いほど、硬化物の強度や耐摩耗性を向上することができる。骨材の含有量が少ないほど硬化物の割れを生じ難くできる。
土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物は、着色のために他の成分として顔料を含んでいてもよい。顔料としては、例えば、有機顔料(アゾ顔料、フタロシアニン顔料等)、無機顔料(セラミック顔料、酸化鉄、酸化チタン等)が挙げられる。顔料は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
顔料の含有量は、単量体(A)の含有量と重合体(B)の含有量との合計100質量部に対して、0~40質量部が好ましく、0.5~35質量部がより好ましく、1~30質量部がさらに好ましい。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の樹脂組成物が硬化したものである。
本発明の硬化物を製造する方法としては、単量体(A)、重合体(B)、化合物(C)および還元剤(D1)、必要に応じて他の成分を混合して硬化剤未配合の樹脂組成物を調製し、硬化反応を行う直前に硬化剤(D2)を硬化剤未配合の樹脂組成物に配合して硬化剤入り樹脂組成物を調製するとともに硬化反応を開始させて硬化物を得る方法が好ましい。
本発明の樹脂組成物を注型材料として用いる場合、硬化剤入り樹脂組成物を型内に流し込む等の手法によって、凹凸や特定形状を有する硬化物(成形品)が得られる。
硬化剤(D2)を配合した後の養生温度は、-10~65℃が好ましく、10~60℃がより好ましく、15~55℃がさらに好ましい。養生温度を-10~65℃とすることによって、硬化剤入り樹脂組成物の硬化反応が十分に進行し、硬化物の特性が良好となる。養生時間は、養生温度によって異なるが、10分間~24時間が好ましい。
硬化物中の気泡を抑制するために、硬化剤(D2)を追加で配合した後に、硬化剤入り樹脂組成物に対して真空脱泡、振動脱泡等を実施してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定される
ものではない。各実施例および比較例中「部」は「質量部」を意味する。
(粘度)
樹脂組成物の液温を23℃とし、B型粘度計を用いて60rpmの条件にて粘度を測定した。
(引張試験)
室内温度23℃、湿度50%の環境可変室内で、硬化剤未配合の樹脂組成物100部に過酸化ベンゾイル(化薬アクゾ社製、パーカドックスCH-50L、純度50%)2部を加えて、撹拌、混合し、硬化剤入り樹脂組成物を得た。これを型に注入し、温度23℃の雰囲気下、2時間かけて硬化させた後に硬化物を取り出して、厚さ3mmの注型板を得た。打ち抜き具を用いて注型板からJIS K 6251:2010に準拠したダンベル状1号形試験片を採取した。
試験片について、JIS K 6251:2010に準拠し、23℃、0℃、40℃で引張試験を実施し、切断時引張強さおよび切断時伸びを測定した。切断時引張強さは硬化物の機械的強度の指標の一つである。
(合成例1)
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置内に、脱イオン水135部、および分散剤としてポリビニルアルコール(ケン化度80モル%、重合度1,700)0.4部を加えて撹拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、一旦撹拌を停止した。メチルメタクリレート92.5部、n-ブチルアクリレート7.5部、重合開始剤として2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル0.2部、連鎖移動剤としてn-ドデシルメルカプタン0.8部、電解質として炭酸ナトリウム0.1部を加えて再度撹拌し、75℃に昇温して2.5時間反応させた。さらに、98℃に昇温して1.5時間保持した後、反応を終了させた。
40℃に冷却した後、得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、脱水した。40℃で16時間乾燥して、粒状のアクリル系重合体(重合体P-1)を得た。重合体P-1のTgは100℃であり、重量平均分子量は73,000であった。
(合成例2)
メチルメタクリレート92.5部およびn-ブチルアクリレート7.5部を、メチルメタクリレート40部およびn-ブチルメタクリレート40部に変更し、n-ドデシルメルカプタンの使用量を0.8部から0.5部に変更した以外は、合成例1と同様にして粒状のアクリル系重合体(重合体P-2)を得た。重合体P-2のTgは65℃であり、重量平均分子量は160,000であった。
(略号)
MMA:メチルメタクリレート、
2-EHA:2-エチルヘキシルアクリレート、
PDE-150:トリエチレングリコールジメタクリレート(日油(株)製)、
RUA-012:ウレタンアクリレートオリゴマー(亜細亜工業(株)製)、
EBECRYL810:ポリエステルアクリレートオリゴマー(ダイセル・オルネクス(株)製)、
DINCH:1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル(BASFジャパン(株)製)、
P-115、P-130、P-150、:パラフィンワックス(日本精蝋(株)製)、
PTEO:N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、
トヨパラックスA50:塩素化パラフィン(東ソー(株)製)、
ビニサイザー85:フタル酸エステル系可塑剤(花王(株)製)、
アデカサイザーP300:アジピン酸ポリエステル系可塑剤((株)ADEKA製)、
JF-77:紫外線吸収剤(城北化学工業(株)製)、
HQ:ヒドロキノン。
(実施例1~8、比較例1~3)
撹拌機、温度計、冷却管付きの1Lフラスコに、表1または表2に示す配合量にて重合体P-1または重合体P-2以外の各成分を投入した後、撹拌しながら、表1または表2に示す配合量にて重合体P-1または重合体P-2を投入し、75℃で2時間加熱して溶解した。重合体P-1または重合体P-2の溶解を確認した後、冷却し、硬化剤未配合の樹脂組成物(S-1~S-11)を得た。
硬化剤未配合の樹脂組成物の粘度を表1または表2に示す。また、硬化物の引張試験の結果を表1または表2に示す。
Figure 0007231986000004
Figure 0007231986000005
実施例1~8は、樹脂組成物の粘度が適正な範囲内であり、23℃および0℃で行った引張試験における硬化物の切断時引張強さ、切断時伸びが条件(a)、条件(b)を満足し、室温および低温において切断時引張強さと切断時伸びのバランスが良好となった。
比較例1~3の樹脂組成物は、実施例1で配合されている化合物(C)を含まず、代わりに別の可塑剤を同量配合したものである。比較例1の硬化物は、23℃における切断時伸びの値が低くなり、その結果、条件(a)および条件(b)を満足しない結果となった。比較例2の硬化物は、23℃における切断時引張強さの値が低くなり、その結果、条件(b)を満足しない結果となった。比較例3の硬化物は、23℃における切断時伸びの値が低くなり、その結果、条件(a)および条件(b)を満足しない結果となった。
本発明の樹脂組成物は、土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物(道路用塗料、土木建築用塗料、補修材、目地材等)等として有用である。

Claims (3)

  1. アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、窒素含有(メタ)アクリレート、複素環含有(メタ)アクリレート、脂環含有(メタ)アクリレート、アルキル基末端(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレート、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレートのうちの2種以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(A)と、
    アクリル系重合体である重合体(B1)、および(メタ)アクリロイル基を有する重合体である重合体(B2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)と、
    芳香族3級アミン類及び金属石鹸のうちの1種以上の還元剤と、
    下記式(I)で表される化合物(C)とを含み、
    前記単量体(A)の含有量は、前記単量体(A)の含有量と前記重合体(B)の含有量との合計100質量%中、55~80質量%であり、
    前記重合体(B)としては、前記単量体(A)の含有量と前記重合体(B)の含有量との合計100質量%に対し、15~40質量%の前記重合体(B1)、10~45質量%の前記重合体(B2)であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および、10~45質量%の前記重合体(B2)であるポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記化合物(C)の含有量は、前記単量体(A)の含有量と前記重合体(B)の含有量の合計100質量部に対して5~30質量部である、樹脂組成物。
    Figure 0007231986000006
    ただし、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1~20のアルキル基である。
  2. 土木用樹脂組成物または建築用樹脂組成物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
JP2018053121A 2018-03-20 2018-03-20 樹脂組成物およびその硬化物 Active JP7231986B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018053121A JP7231986B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 樹脂組成物およびその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018053121A JP7231986B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 樹脂組成物およびその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019163421A JP2019163421A (ja) 2019-09-26
JP7231986B2 true JP7231986B2 (ja) 2023-03-02

Family

ID=68065801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018053121A Active JP7231986B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 樹脂組成物およびその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7231986B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7394403B2 (ja) * 2021-06-18 2023-12-08 株式会社ミラクール 遮熱性水系塗料

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065139A (ja) 2008-09-10 2010-03-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd ラテックスの製造方法、及びアクリルゾル組成物
JP2013155374A (ja) 2008-09-17 2013-08-15 Kaneka Corp 一液型シーリング材
JP2014237745A (ja) 2013-06-06 2014-12-18 デクセリアルズ株式会社 光硬化性樹脂組成物、及び画像表示装置の製造方法
US20150097136A1 (en) 2012-05-22 2015-04-09 Basf Se Non-aqueous sound-absorbing compound with a solvent-free polyacrylate binder
JP2015078264A (ja) 2013-10-15 2015-04-23 三菱レイヨン株式会社 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法
JP2016088944A (ja) 2014-10-29 2016-05-23 株式会社カネカ 活性エネルギー線硬化性組成物およびその硬化物
JP2018016664A (ja) 2016-07-25 2018-02-01 協立化学産業株式会社 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、及び複合構造物の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065139A (ja) 2008-09-10 2010-03-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd ラテックスの製造方法、及びアクリルゾル組成物
JP2013155374A (ja) 2008-09-17 2013-08-15 Kaneka Corp 一液型シーリング材
US20150097136A1 (en) 2012-05-22 2015-04-09 Basf Se Non-aqueous sound-absorbing compound with a solvent-free polyacrylate binder
JP2015527412A (ja) 2012-05-22 2015-09-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 溶剤不含のポリアクリレートバインダーを有する非水系の制振材
JP2014237745A (ja) 2013-06-06 2014-12-18 デクセリアルズ株式会社 光硬化性樹脂組成物、及び画像表示装置の製造方法
JP2015078264A (ja) 2013-10-15 2015-04-23 三菱レイヨン株式会社 路面被覆用シラップ組成物、排水性トップコート、遮熱性トップコート及び路面被覆方法
JP2016088944A (ja) 2014-10-29 2016-05-23 株式会社カネカ 活性エネルギー線硬化性組成物およびその硬化物
JP2018016664A (ja) 2016-07-25 2018-02-01 協立化学産業株式会社 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、及び複合構造物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019163421A (ja) 2019-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7258112B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び塗料
JP5915251B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化成形物
JP5962291B2 (ja) パテ用樹脂組成物
JP7231986B2 (ja) 樹脂組成物およびその硬化物
JP5556118B2 (ja) 硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物、積層材中間膜及び積層材
JP6807692B2 (ja) 機械的強度に優れるポリマー微粒子含有硬化性組成物
WO2013054896A1 (ja) ラジカル重合型アクリル系樹脂組成物、防水材組成物、および積層体とその製造方法
JP2019077854A (ja) アクリル系硬化性樹脂組成物、塗料、硬化物及び土木建築用被覆材
JP7219642B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、硬化物、塗料、塗膜及び土木建築用被覆材
JP2022078856A (ja) 硬化性樹脂組成物及び積層体
CN106957392B (zh) 盲道贴用固化性树脂组合物、盲道贴用树脂组合物、盲道贴以及盲道贴的制造方法
JP2022077778A (ja) 硬化性組成物、被覆材組成物およびそれらの硬化物
KR101104149B1 (ko) 에틸렌 비닐 아세테이트 및 하이드록시아크릴레이트를 포함하는 바닥재의 제조방법 및 그에 의해 제조된 바닥재
JP2007112985A (ja) ラジカル硬化性樹脂組成物
JP7041215B2 (ja) 硬化性組成物、成型物及び積層体
JP3244077B2 (ja) ビニルエステル樹脂組成物
JP7453814B2 (ja) 積層体、滑り止め舗装構造体及び滑り止め舗装構造体の製造方法
CN112778462A (zh) 固化性组合物、成型物及层叠体
JP4392591B2 (ja) 注型成形用樹脂組成物及び注型成形品
JP2023117017A (ja) 積層体、滑り止め舗装構造体及び滑り止め舗装構造体の製造方法
JP2023138400A (ja) 硬化性組成物、被覆材組成物およびそれらの硬化物
JP4419018B2 (ja) 嫌気硬化性組成物
JP2023160763A (ja) 硬化性組成物、被覆材組成物およびそれらの硬化物
JP4462068B2 (ja) チクソトロピー性ラジカル重合型成形材料、その製造方法および成形品
JP4090898B2 (ja) ラジカル重合性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210929

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20211208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7231986

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150