JP6317873B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、良好なアンチブロッキング性を有する硬化物を提供することができる活性エネルギー線硬化性組成物に関する。また、該活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなるハードコートフィルム、及び該ハードコートフィルムを積層させてなるフィルム積層体に関する。
PETフィルムに代表される熱可塑性フィルム表面には、硬度や滑り性に優れたハードコーティングが施されている。このようなハードコーティングが行われた後のフィルムは、ロール状に巻回され保存することがある。ロール状に巻回することで保存場所の点で有利になることから、このような保存方法が用いられている。
しかしながら、このようにハードコーティング後のPETフィルムをロール状に巻回することで、ハードコーティング面同士やハードコーティング面と他のフィルム面が接触することとなり、この接触により予期せずブロッキングが生じる場合がある。
このようなブロッキングを防ぐ方法としては、ハードコート層に無機微粒子を混入することで層表面を特定の粗さとし、ブロッキングを防ぐ方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、樹脂及び炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位を含む特定の不飽和二重結合基含有モノマーを組成物中に含有させることにより、組成物に含有される樹脂を塗布後に相分離により析出させ、表面に凹凸を形成することでブロッキングを防ぐ方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開2004−42653号公報 特開2010−163535号公報
上記特許文献1に開示の技術では、粒子を混入するため、表面の凹凸形成のために膜厚を薄くする必要があり、膜硬度が低下し耐擦傷性が十分ではない傾向にある。
一方、上記特許文献2に開示の技術では、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位を含む特定の不飽和二重結合基含有モノマーのSP値に対して、別に含有させる樹脂のSP値を低く設定することで塗布後に樹脂を相分離により析出させている。しかしながら本発明者らが検討したところ、上記特許文献2に開示の技術では不飽和二重結合基含有モノマーにアルキレンオキシド単位を含むため、硬化させた際のハードコート層の硬度が低く、アンチブロッキング性と耐擦傷性が低くなる傾向があることが判明した。
本発明は、このような従来技術が有する問題を解決するものであり、十分なアンチブロッキング性能を有し、且つ高い硬度を有するハードコート層を形成し得る硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、硬化性組成物中に特定の共重合体を添加することで、上記課題を解決できることを見出した。本発明は以下に示すとおりである。
(1)側鎖に水素結合性基と不飽和二重結合を有する (メタ)アクリロイル共重合体と、
一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートと、を含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、
該(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、該多官能(メタ)アクリレートのSP値以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
(2)3μmの膜厚で硬化物を得たときの表面粗さRaが1nm以上である、(1)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(3)さらに平均一次粒子径1μm以下の無機粒子を含有する(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(4)活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、前記(メタ)アクリロイル共重合体を1〜20重量部含み、前記多官能(メタ)アクリレートを75〜98.5重量部含み、前記無機粒子を0.5〜5重量部含む(3)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(5)前記(メタ)アクリロイル共重合体は、重量平均分子量が1000以上100,000以下である(1)〜(4)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(6)前記(メタ)アクリロイル共重合体の有する水素結合性基が水酸基である(1)〜(5)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(7)前記(メタ)アクリロイル共重合体の有する水酸基の由来が、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応によるもので、且つ、前記(メタ)アクリロイル共重合体を構成するモノマー全量のうち、オキシラン骨格を持つモノマーが80重量%以上であることを特徴とする(6)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(8)前記オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応が(メタ)アクリル酸の付加反応である(7)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(9)前記多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化組成物を硬化させてなるハードコートフィルム。
(11) (10)に記載のハードコートフィルムを他の樹脂フィルムと積層させてなるフィルム積層体。
(12) (11)に記載のフィルム積層体をロール状に巻回してなるロール状フィルム積層体。
本発明の組成物を硬化させてなるハードコートは、表面に凹凸を形成するように設計されており、ハードコート同士が密着してもブロッキングを生じることがなく、且つ高い硬度を有する。本発明によれば、このようなハードコートを形成し得る活性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。
本発明は、フィルムなどの基材表面にハードコートを形成することに好適に用いられる組成物であり、活性エネルギー線照射によって硬化するものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、いずれか一方又は両方を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称であり、いずれか一方又は両方を意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称であり、いずれか一方又は両方を意味する。
本発明の組成物は、側鎖に水素結合性基と不飽和二重結合を有する (メタ)アクリロイ
ル共重合体と、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートと、を含有する活性エネルギー線硬化性組成物であって、該(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、該多官能(メタ)アクリレートのSP値以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物である。
<(メタ)アクリロイル共重合体>
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル共重合体は、側鎖に水素結合性基と不飽和二重結合を有する。水素結合性基とは、他の官能基に存在する元素と水素結合し得る元素を含む官能基を意味し、具体的には水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、リン酸基などが挙げられ、好ましくは水酸基である。また、水素結合性基の量は特段限定されないが、3.0mmol/g以上であることが好ましい。本発明において、(メタ)アクリロイル共重合体が水素結合性基を有することで、(メタ)アクリロイル共重合体のSP値を多官能(メタ)アクリレートより高くすることが容易となり好ましい。
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル共重合体は、不飽和二重結合を有する。このような不飽和二重結合を有する(メタ)アクリロイル共重合体は、例えば(メタ)アクリロイルモノマーを共重合した樹脂、(メタ)アクリロイルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリロイルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリロイルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂、などが挙げられる。
(メタ)アクリロイル共重合体が水素結合性基として水酸基を有する場合、該水酸基の由来が、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応によるものであることが好ましい。オキシラン骨格を持つモノマーとしては、エポキシ基を有する芳香族エポキシド、脂環族エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられ、例えば、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
オキシラン骨格を持つモノマーは、(メタ)アクリロイル共重合体を構成するモノマー全量のうち、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることが更に好ましい。オキシラン骨格を持つモノマー構成比率が大きいと、導入可能な水酸基量と不飽和二重結合量が多くなり好ましい。
また、オキシラン骨格を持つモノマーの開環・付加反応は、アクリル酸の付加反応であることが好ましい。アクリル酸の反応とすることにより、水酸基の導入による高SP値化を達成しつつ、不飽和二重結合の導入ができるため、光硬化性も向上可能となり好ましい。
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル共重合体は、重量平均分子量(Mw)が1,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることが更に好ましい。また、100,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることが更に好ましい。この範囲にあると、(メタ)アクリロイル共重合体に基づくゲル化が生じにくい。
なお、(メタ)アクリロイル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPCを用いて、ポリスチレン標準による換算値として決定することができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリロイル共重合体は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、1重量部以上含有させることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましく、5重量部以上であることが更に好ましい。また、20重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることが更に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物では、これらの(メタ)アクリロイル共重合体を1種単独で含んでいてもよく、また2種以上を含んでいてもよい。
<多官能(メタ)アクリレート>
本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレートは、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートである。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物である、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートのうち好ましくは、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ナノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの多官能(メタ)アクリレートは1種のみを単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレートは、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、75重量部以上含有させることが好ましく、85重量部以上であることがより好ましく、90重量部以上であることが更に好ましい。また、98.5重量部以下であることが好ましく、97重量部以下であることがより好ましく、95重量部以下であることが更に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物では、これらの多官能(メタ)アクリレートを1種単独で含んでいてもよく、また2種以上を含んでいてもよい。
また、本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレートは、エチレンオキシド(EO)単位を分子中に含むモノマーを実質的に含有しないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。エチレンオキシド(EO)単位を分子中に含むモノマーを含有しないことで、ハードコートとした際の十分な硬度を確保できる。なお、ここでいう実質的とは多官能(メタ)アクリレート全体100重量部に対し3重量部未満であることをいう。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、多官能(メタ)アクリレートのSP値以上である。好ましくは(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、多官能(メタ)アクリレートのSP値よりも0.5以上高く、1.0以上高いことがより好ましい。
また、本発明に用いられる(メタ)アクリロイル共重合体のSP値は14.0以上であることが好ましく、16.0以上であることがより好ましく、20.0以下であることが好ましく、18.0以下であることがより好ましい。
一方、本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレートのSP値は8.0以上であることが好ましく、10.0以上であることがより好ましく、14.0以下であることが好ましく、13.0以下であることがより好ましい。
SP値とは、Solubility Parameter(溶解性パラメーター)の略
であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
本発明では、(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、多官能(メタ)アクリレートのSP値以上であることで、相分離を発生させやすくなり好ましい。
なお、(メタ)アクリロイル共重合体のSP値を多官能(メタ)アクリレートのSP値以上とするためには、例えば(メタ)アクリロイル共重合体の側鎖に極性が高い基を多く含むように設計すればよく、例えば(メタ)アクリル酸の付加によりオキシラン骨格を持つモノマーを開環することで共重合体を調製する方法などが挙げられる。その他多官能(メタ)アクリレートのSP値が低くなるように設計すればよく、例えば脂環骨格を有する二官能以上のアクリレートを添加する方法などが挙げられる。
本発明に含まれる(メタ)アクリロイル共重合体と、多官能(メタ)アクリレートはそれぞれ、互いに反応する官能基を有しているのが好ましい。このような官能基を互いに反応させることによって、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られる層の耐性を高めることができる。このような官能基の組合せとして、例えば、活性水素を有する官能基(水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基など)とエポキシ基、活性水素を有する官能基とイソシアネート基、エチレン性不飽和基とエチレン性不飽和基(エチレン性不飽和基の重合が生じる)、シラノール基とシラノール基(シラノール基の縮重合が生じる)、シラノール基とエポキシ基、活性水素を有する官能基と活性水素を有する官能基、活性メチレンとアクリロイル基、オキサゾリン基とカルボキシル基などが挙げられる。
また、ここにいう「互いに反応する官能基」としては、(メタ)アクリロイル共重合体と多官能(メタ)アクリレートのみを混合しただけでは反応は進行しないが、重合開始剤を併せて混合することによって互いに反応するものも含まれる。ここで使用できる重合開始剤としては、光重合開始剤であり、詳細は後述する。
<無機粒子>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、平均一次粒子径が1μm以下の無機粒子を含有することが好ましい。平均一次粒子径が1μm以下である無機粒子と極性の高い(メタ)アクリロイル共重合体とを含有させることで、高い硬度を維持したまま良好なアンチブロッキング性を有するハードコートを形成し得る硬化性組成物を提供できる。
本発明においては、極性の高い(メタ)アクリロイル共重合体を多官能(メタ)アクリレートとともに含有させることで共重合体を相分離させることができることに加え、無機粒子を併せて加えることで、硬化させた際に、相分離した共重合体とともに無機粒子も表
面付近に存在することとなる。そして、この共重合体及び無機粒子の存在により本発明の硬化性組成物はハードコート層とした際に表面に適度な凹凸を形成し、優れたアンチブロッキング性を有することから、無機粒子を含有することが好ましい。
無機粒子の例としては、シリカ(オルガノシリカゾルを含む)、アルミナ、チタニア、ゼオライト、雲母、合成雲母、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、スメクタイト、合成スメクタイト、バーミキュライト、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモンなどが挙げられ、これらの無機粒子は1種のみ含有させることでもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
無機粒子の平均一次粒子径は1μm以下であるが、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。下限値は特段限定されないが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上である。1μm以上の粒径の無機粒子を使用すると、粒子の自重により沈降が生じ、ハードコート液の貯蔵安定性が低下しやすくなり、好ましくない。
一方、上記範囲の無機粒子の運動は、重力による沈降よりも熱拡散が支配するため、ハードコート液中に安定に粒子を分散可能となり、さらにハードコート膜を形成した際に効果的に表面に無機粒子を存在させることができる。また、無機粒子の平均一次粒子径が小さいほど、光学特性が良好になる傾向がある。
本発明における無機粒子の平均一次粒子径は、例えば、TEMなどの電子顕微鏡により観察される粒子の大きさを平均した径をいう。
本発明に用いられる無機粒子は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対し、0.5重量部以上含有させることが好ましく、0.7重量部以上であることがより好ましく、1重量部以上であることが更に好ましい。また、5重量部以下であることが好ましく、3重量部以下であることがより好ましく、2重量部以下であることが更に好ましい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギーにより硬化させるために、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、硬化性組成物100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下加えることができる。
重合開始剤としては、光重合開始剤であればよく、例えば、2−ヒドロキシ−2メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンノン−1などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の調製方法は特段限定されず、例えば、(メタ)アクリロイル共重合体と多官能(メタ)アクリレートを、必要に応じて、溶媒、重合開始剤、添加剤などと併せて混合することにより調製することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の調製で用いられる溶媒は、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリロイル共重合体、多官能(メタ)アクリレート、塗布の下地となる基材の材質、および組成物の塗布方法などを考慮して適宜選択される。用いることができる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチ
ルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。
これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒およびケトン系溶媒が好ましく使用される。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤などの常用の添加剤が挙げられる。
<ハードコートフィルム>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を基材の上などに塗布し、フィルム状に硬化させることで、本発明のハードコートフィルムが得られる。また、基材として他の樹脂フィルム上に本発明の組成物を塗布し、硬化させることにより、ハードコートフィルムを成形することで、ハードコート層を有するフィルム積層体が得られる。
ハードコートフィルムを成形する基材としては、各種プラスチックフィルムおよびプラスチック板などを使用することができる。プラスチックフィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等が使用できる。また、プラスチック板として、例えばアクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。なお、基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の塗布方法は特段限定されず、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)などにより塗布することができる。
ハードコート層の厚みは、特に制限されるものではなく、種々の要因を考慮して適時設定することができ、通常膜厚が0.01〜20μmとなるように活性エネルギー線硬化性組成物を塗布することができる。
基材上に成形されたハードコートは室温にて相分離させてもよく、また硬化させる前に
組成物を乾燥させることで予め相分離させておいてもよい。塗布された組成物を硬化させる前に乾燥又は加熱させる場合は、30〜200℃、より好ましくは40〜150℃で、0.01〜30分間、より好ましくは0.1〜10分間乾燥させて、予め相分離させることができる。硬化前に乾燥させて予め相分離させておくことは、微細凹凸を有する塗布膜中の溶媒を効果的に除去でき、かつハードコートに所望の大きさの凹凸を設けることができ、好ましい。
硬化させる前に相分離させる他の方法として、塗膜に光を照射して相分離させる方法を用いることもできる。照射する光として、例えば露光量0.1〜3.5J/cm2の光、
好ましくは0.5〜1.5J/cm2の光を用いることができる。またこの照射光の波長
は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。例えば重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどを用いる場合は、照射光は310nm付近の波長を有する光を照射するのが好ましく、そしてさらに360nm付近の波長を有する光を照射するのがより好ましい。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって、相分離および硬化が生じることとなる。光を照射して相分離させることによって、硬化性組成物に含まれる溶媒の乾燥ムラに起因する表面形状のムラを回避でき、好ましい。
アンチブロッキング性硬化性樹脂組成物の塗布により得られた塗膜を、または乾燥させた塗膜を、硬化させることによって、微細凹凸を有する被膜が形成される。硬化には、必要に応じた波長の光を発する光源を用いて光を照射することによって、硬化させることができる。なお、硬化のための光照射は、積算光量が100mJ/cm2以上20,000
mJ/cm2以下となるよう照射することが好ましい。光源としては、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯などを用いることができる。
こうして形成される本発明のハードコートは、良好なブロッキング性を有する。本発明の良好なブロッキング性は、ハードコート層において(メタ)アクリロイル共重合体が相分離し、含有される無機粒子が表面近傍に存在することで、ハードコート層表面に良好な凹凸を付与することに起因するものである。
そのため、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときの表面粗さRaが1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましい。上限は特段限定されないが、通常200nm以下である。
上記表面粗さRaは、算術平均粗さ(Ra)を意味し、JIS B 0601−2001において規定されるパラメーターであり、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製のカラー3Dレーザー顕微鏡などを用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときのSmが0.001μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.005μm以上、5μm以下であることがより好ましく、0.01μm以上、3μm以下であることが特に好ましい。ここでSmとは、表面の粗さ曲線要素の平均長さであり、一般に粗さ曲線の山谷平均間隔または凹凸の平均間隔と言われるものである。
Smは、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製のカラー3Dレーザー顕微鏡などを用いて、JIS B0633に準拠して測定することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させたハードコートは、良好な硬度を有する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たと
きのJIS−K5600に従い測定された鉛筆硬度が、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
加えて、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させたハードコートは、良好な透明性を有する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3μmの膜厚で硬化物を得たときの全光線透過率とヘイズは、全光線透過率が85%以上、好ましくは90%以上であり、ヘイズは2.0%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%未満である。
全光線透過率(Tt(%))は、硬化物に対する入射光強度(T0)と硬化物を透過した全透過光強度(T1)とを測定し、下記式により算出される。
Tt(%)=(T1/T0)×100
なお、全光線透過率の測定は、例えば濁度計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
ヘイズは、JIS K7136に準拠して、下記式より算出することができる。
H(%)=(Td/Tt)×100
H:ヘイズ(曇価)(%)
Td:拡散透光率(%)
Tt:全光線透過率(%)
なお、ヘイズの測定は、例えば濁度計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
<ロール状フィルム積層体>
本発明のフィルム積層体は、巻回してロール状にした場合に、良好なアンチブロッキング性が発揮され、このような態様に好ましく適用される。
このようなロール状フィルム積層体は、基材フィルム上に本発明ハードコートを形成し、ロール状に巻き付けていくことにより製造される。
<表示装置>
本発明は、さらに、本発明の積層体フィルムと、光源とを含む表示装置に関する。この場合、積層体フィルムに含まれる基材は透光性基材であることが望ましい。また、光源は、基材の背面、すなわち基材の微細凹凸層とは反対側の面に配置され、そこから基材に向けて光を照射することが好ましい。
透光性基材としては、上記基材のなかでも、透光性のプラスチックフィルムおよびプラスチック板が好ましく、また必要に応じて、ガラスなどを使用してもよい。透光性プラスチックフィルムとしては、特に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムが好ましく、透光性プラスチック板としては、特に、アクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板が好ましい。透光性基材として、PETフィルムを使用するのが強度などの点から好ましい。なお、透光性基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
上記フィルム積層体と組み合わせることのできる光源としては、光を発することのできるものであれば特に限定はないが、例えば、光源としては、発光ダイオード、冷陰極管、熱陰極管、ELなどが挙げられる。本発明の表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。また、光源として、液晶モジュール、バックライトユニットなどを使用してもよい。
光透過性部材として、各種の光透過性板、光透過性フィルムなどを使用することができる。光透過性板として、例えば強化ガラス、アクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。光透過性フィルムとして、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムなどが挙げられる。光透過性部材として、アクリル板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、強化ガラスを用いるのがより好ましい。なお、光透過性部材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
液晶モジュールとする場合には、上記光源を含み、さらに、その上に偏光板/液晶セル/偏光板がこの順に配置された構成を有するものである。液晶セルは、一般に液晶表示装置に用いられているものならば特に制限されない。例えば、TN(Twisted Ne
matic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Ali
gnment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどを挙げることができる。
本発明の表示装置は、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオードディスプレイ)、ELD(エレクトロルミネセンスディスプレイ)、VFD(蛍光ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などといった、フラットパネルディスプレイに適用することができる。また、本発明の表示装置の作製に使用することのできる本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、アンチブロッキング性に加えて、耐候性をも有するので、これらの表示装置の屋外での使用が可能となる。例えば、広告などの情報掲示を目的としたパネルディスプレイとして屋外または半屋外に設置することが可能となる。
また、本発明の表示装置の屋外または半屋外での用途としては、タッチパネルが挙げられ、これは、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有し、例えば、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館およびデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、携帯電話、鉄道車両のモニタ装置などにおいて有用である。
以下、実施例による具体的な態様により本発明を詳細に説明するが、本発明が実施例の態様のみに限定されないことは言うまでもない。
<合成例1>
(A−1)(メタ)アクリロイル共重合体Aの合成方法
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル157.3g、グリシジルメタクリレート98.0g、メチルメタクリレート1.0g、エチルアクリレート1.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.9g、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0gを入れ、65℃で3時間反応させた。
その後、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを加え3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル138.1g、p−メトキシフェノール0.45gを加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸50.7g、及びトリフェニルホスフィン3.08gを添加して、110℃で6時間反応させることで、アクリロイル基とメトキシシリル基を有する、重量平均分子量20,000でアクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)4.47mmol/g、2級水酸基を4.47mmol/g含む(メタ)アクリロイル共重合体(A−1)を得た。なお、(メタ)アクリロイル共重合体(A−1)のSP値は17.8であった。
<合成例2>
(A−2)(メタ)アクリロイル共重合体A−1で表面修飾されたコロイダルシリカの合成方法
四つ口のフラスコに、合成例1で得た(メタ)アクリロイル共重合体(A−1)3.75重量部に(C−1)コロイダルシリカ(日産化学製:MEK−ST(平均一次粒子径1
0〜15nm))1.25重量部を投入し、シランカップリング反応の触媒としてアセチ
ルアセトンアルミニウムを0.005重量部加え、70℃で4時間反応を行い、(メタ)アクリロイル共重合体(A−1)で表面修飾されたコロイダルシリカを調製した。
<合成例3>
(AD−1)添加材としての(メタ)アクリロイル共重合体の合成方法
四つ口のフラスコに、メチルメタクリレート50g、ステアリルメタアクリレート33g、PEO変成メタアクリレート17g、およびメチルエチルケトン233.3g投入し、さらに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0gを投入し、65℃で3時間反応させ、(メタ)アクリロイル共重合体(AD−1)を得た。
また、(AD−2)添加剤として、楠本化成製PEO変成シリコーンのLC−915を準備した。
参考例1>
四つ口のフラスコに、(A−2)(メタ)アクリロイル共重合体A−1で表面修飾されたコロイダルシリカを1重量部、次いで(O−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値12.1)99.0重量部に、添加剤として(AD−1)を1重量部、及び(AD−2)を0.1重量部配合したのち、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)を5重量部加え、メチルエチルケトン157.5重量部加えることで、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例7>
(A−2) (メタ)アクリロイル共重合体A−1で表面修飾されたコロイダルシリカに
変えて、(A−1) (メタ)アクリロイル共重合体を0.75重量部、(C−1)コロイ
ダルシリカ(日産化学性:MEK−ST、平均一次粒子径10〜15nm)を0.25重量部とした以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例8>
(A−1) (メタ)アクリロイル共重合体を2.25重量部、(C−1)コロイダルシ
リカを0.75重量部、(O−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを97重量部とした以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例9>
(A−1) (メタ)アクリロイル共重合体を3.75重量部、(C−1)コロイダルシ
リカを1.25重量部、(O−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを95重量部とした以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<参考例3>
(A−1) (メタ)アクリロイル共重合体を15重量部、(C−1)コロイダルシリカ
を5重量部、(O−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを80重量部とした
以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
参考
(A−1) (メタ)アクリロイル共重合体を3.75重量部、(O−1)ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートを96.25重量部とし、(C−1)コロイダルシリカを配合しなかった以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<実施例11>
(A−1) (メタ)アクリロイル共重合体を3.75重量部、(O−1)ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートを95重量部とし、(C−1)コロイダルシリカに代えて、(C−2)アクリル微粒子(綜研化学製:ケミスノー8H3WT、平均一次粒子径0.8μm)を1.25重量部配合した以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
<比較例1>
(O−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを100重量部とし、添加剤として(AD−1)を1重量部、及び(AD−2)を0.1重量部配合したのち、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)を5重量部加え、メチルエチルケトン157.5重量部加えることで、活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
Figure 0006317873
次に、上記実施例7〜9、11、及び参考例3、4及び比較例1で得られた活性エネルギー線硬化性組成物に対し、以下の塗布工程、硬化工程を経ることで、成形体を得た。
<塗布工程>
活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ188μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ値 0.8%;三菱化学ポリエステル社製 商品名:ダイア
ホイルT300E)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が2〜3μmとなるように塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した。
<硬化工程>
活性エネルギー線硬化性組成物の塗布されたPETフィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下15cmの位置で、アイグラフィック社製EYE UV METER UVPF−A1、PD365を使用して積算光量200mJ/cm2
となるようにUVを照射して、硬化膜を得た。
得られた硬化膜に対し、評価試験を行った。その結果を表2に示す。なお、評価方法は以下のとおりである。
<全光線透過率>
得られた硬化膜を23℃、相対湿度60%の恒温室に12時間放置した後、硬化膜の透明性をJIS K−7105に従い、ヘイズメーターにて評価した。
<透明性(ヘイズ値)>
得られた硬化膜を23℃、相対湿度60%の恒温室に12時間放置した後、硬化膜の透明性をJIS K−7105に従ってヘイズ値(H%)で評価し、PETフィルムのヘイズ値(H%)を差し引くことで、硬化膜のヘイズ値(H%)を求め、以下の基準で評価を行った。
0.5未満:○
0.5〜1.0未満:△
1.0以上:×
<鉛筆硬度>
得られた硬化膜に対し、JIS−K5600に従い鉛筆硬度を測定した。
<表面粗さRa>
得られた硬化膜を23℃、相対湿度60%の恒温室に12時間放置した後、硬化膜の表面粗さRaをAFMにて測定した。なお、比較例1のみ測定を行った。
<耐摩耗性>
得られた硬化膜の表面に対して、ボンスター製スチールウール(#0000)を荷重500gで20往復させたときの傷を目視で観察し、以下の基準で耐摩耗性を評価した。この傷の入る本数が少ないほど、耐摩耗性に優れる。
傷の無いもの:◎
数本の傷が入るもの:○
無数の傷が入るもの:△
傷が酷くフィルムが白化するもの:×
<耐ブロッキング性>
硬化後の活性エネルギー線硬化性組成物によりコートされた基材を2枚用意し、23℃、相対湿度60%下で塗工面同士を重ね合わせ、指圧にて約1kgの荷重を負荷した後、塗工面同士が易滑性を有しているかを確認し、以下の基準で耐ブロッキング性の評価をした。容易にずらすことができるもの:○
ずらすことは可能であるが音が鳴るもの:△
塗工面同士が密着して塗工面同士をずらすことが出来ない場合:×
Figure 0006317873
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物によりコートされたフィルムは、フィルム同士が接触した際に生じるブロッキングの発生を抑制することができる。このため、予期せぬブロッキングによるフィルムの損傷などを回避することができ、巻回ロールによる保管などをする際に有利である。

Claims (8)

  1. 側鎖に水酸基と不飽和二重結合とアルコキシシリル基とを有する(メタ)アクリロイル共重合体と、一分子中に二つ以上の不飽和二重結合基を有する多官能(メタ)アクリレートと、平均一次粒子径が1μm以下のコロイダルシリカとを配合してなり
    活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、該(メタ)アクリロイル共重合体を10重量部以下、該多官能(メタ)アクリレートを75〜95重量部、該コロイダルシリカを5重量部以下含有し、
    前記(メタ)アクリロイル共重合体の有する水酸基の由来が、オキシラン骨格を持つモノマー共重合体に(メタ)アクリル酸が付加反応したことによるものであり、前記(メタ)アクリロイル共重合体を構成するモノマー全量のうち、オキシラン骨格を持つモノマーが80重量%以上であり、
    該(メタ)アクリロイル共重合体のSP値が、該多官能(メタ)アクリレートのSP値以上であり、
    かつ、3μmの膜厚で硬化物を得たときの表面粗さRaが1nm以上である、活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、前記(メタ)アクリロイル共重合体を1重量部以上含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、前記コロイダルシリカを0.5重量部以上含む、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 前記(メタ)アクリロイル共重合体は、重量平均分子量が1000以上100,000以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 前記多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなるハードコートフィルム。
  7. 請求項6に記載のハードコートフィルムを他の樹脂フィルムと積層させてなるフィルム積層体。
  8. 請求項7に記載のフィルム積層体をロール状に巻回してなるロール状フィルム積層体。
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