JP2023155347A - ハードコートフィルム及び硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンチニュートンリング性、透明性に優れ、ギラツキを低減したハードコートフィルムを提供する。【解決手段】表面に凹凸構造を有するハードコートフィルムであり、該凹部は、溶解性パラメーター(SP値)が16~20であるアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)に由来するドメインより構成され、該凸部は、溶解性パラメーター(SP値)が10~15の重合体(B)を含み、かつSP値が10~15の多官能(メタ)アクリレート(C)に由来するドメインより構成されているハードコートフィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、アンチニュートンリング性、透明性に優れ、ギラツキを低減したハードコートフィルムと、硬化性組成物に関する。
プラスチック製品、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS、MS樹脂、AS樹脂などのスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、トリアセチルセルロースなどの酢酸セルロース等の樹脂基材は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性などが特に優れているので、容器、インストルメントパネル、包装材、各種ハウジング材、光デイスク基板、プラスチックレンズ、液晶デイスプレイやプラズマデイスプレイなどの表示機器の基材等、種々の用途に用いられている。
これらのプラスチック製品は表面硬度が低いため傷つきやすく、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートのような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観が著しく損なわれるという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。このため、これらプラスチック製品の表面に耐摩耗性を付与する活性エネルギー線硬化性ハードコート材料(被覆材)が用いられている。
また、近年、タッチパネルといった映像表示装置にハードコートを被覆した透明樹脂フィルムが多く使用されている。このようなタッチパネルの中でも特に抵抗膜式タッチパネルにおいて、押圧による入力時に上部電極フィルムと下部電極基板とが近づき、反射光が干渉し合うことによってニュートンリングと呼ばれる光学模様が発生することが問題となっている。
このようなニュートンリングを防止するための代表的な方法として、上部電極の表面に凹凸を設けることで反射光の干渉を抑制する方法が知られている。例えば、特許文献1では、凹凸形成するためにシリカ粒子を配合している。また、特許文献2では、有機微粒子を配合して凹凸を形成している。一方、特許文献3では、相溶性の異なる多官能アクリレートと溶解性パラメーターの値が小さいアクリル系重合体を相分離させることにより、凹凸を形成している。
特開2002-373056号公報 特開2003-191393号公報 特開2009-123685号公報
上記特許文献1では、高硬度のシリカ粒子が下部電極を傷付けることにより耐久性が低下してしまう場合がある。これに対して、上記特許文献2では、有機微粒子により下部電極の傷付を防いでいるものの、粒子の離脱が起こり、アンチニュートンリング性が低下してしまう問題がある。更に、上記特許文献3では、多官能アクリレートの粘度調整幅が狭いため、透明性を十分に良好なものとすることが難しい。
本発明は以上に挙げたような種々の問題点を解決することを目的とするものである。即ち、本発明の課題は、アンチニュートンリング性、透明性に優れ、ギラツキを低減したハードコートフィルム及びそのための硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の高SP値のアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)と、特定の低SP値の重合体(B)及び多官能(メタ)アクリレート(C)を所定の割合で含む硬化性組成物を硬化させることにより得られる、凹部が該重合体(A)に由来するドメインより構成され、凸部が該重合体(B)を含み、多官能(メタ)アクリレート(C)に由来するドメインより構成された表面凹凸構造を有するハードコートフィルムが、上記課題を解決できることを見出した。即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 表面に凹凸構造を有するハードコートフィルムであり、該凹部は、溶解性パラメーター(SP値)が16~20であるアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)に由来するドメインより構成され、該凸部は、溶解性パラメーター(SP値)が10~15の重合体(B)を含み、かつSP値が10~15の多官能(メタ)アクリレート(C)に由来するドメインより構成されているハードコートフィルム。
[2] 白色光干渉顕微鏡により測定した表面粗さ(Ra)が0.05~1.5μmである、[1]に記載のハードコートフィルム。
[3] 重合体(A)と重合体(B)と多官能(メタ)アクリレート(C)とを含み、[重合体(A)の重量]:[重合体(B)の重量と多官能(メタ)アクリレート(C)の重量の合計]が10:90~80:20である硬化性組成物の硬化物である、[1]又は[2]に記載のハードコートフィルム。
[4] 前記硬化性組成物の[重合体(B)の重量]:[多官能(メタ)アクリレート(C)の重量]が5:95~40:60である、[3]に記載のハードコートフィルム。
[5] 重合体(A)の25℃、プロピレングリコールモノメチルエーテル中の30重量%濃度で測定した粘度が100~4,000mPa・sである、[1]乃至[4]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[6] 重合体(A)の不飽和二重結合量が1.00~10.00mmol/gである、[1]乃至[5]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[7] 重合体(A)が(メタ)アクリロイル基を有する、[1]乃至[6]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[8] 重合体(B)が(メタ)アクリル系重合体である、[1]乃至[7]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[9] 重合体(A)が(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位を有する、[1]乃至[8]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[10] 重合体(A)が下記式(1)で表される構造単位の側鎖を有する、[1]乃至[9]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
Figure 2023155347000002
(式(1)中、Rは重合体(A)の主鎖部分を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
[11] 厚みが1~10μmである、[1]乃至[10]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[12] 溶解性パラメーター(SP値)が16~20であるアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)、溶解性パラメーター(SP値)が10~15の重合体(B)、及びSP値が10~15の多官能(メタ)アクリレート(C)を含み、かつ[重合体(A)の重量]:[重合体(B)の重量と多官能(メタ)アクリレート(C)の重量の合計]が10:90~80:20である硬化性組成物。
[13] [重合体(B)の重量]:[多官能(メタ)アクリレート(C)の重量]が5:95~40:60である、[12]に記載の硬化性組成物。
[14] 重合体(A)の25℃、プロピレングリコールモノメチルエーテル中の30重量%濃度で測定した粘度が100~4,000mPa・sである、[12]又は[13]に記載の硬化性組成物。
[15] 重合体(A)の不飽和二重結合量が1.00~10.00mmol/gである、[12]乃至[14]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[16] 重合体(A)が(メタ)アクリロイル基を有する、[12]乃至[15]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[17] 重合体(B)が(メタ)アクリル系重合体である、[12]乃至[16]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[18] 重合体(A)が(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位を有する、[12]乃至[17]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[19] 重合体(A)が下記式(1)で表される構造単位の側鎖を有する、[12]乃至[18]のいずれかに記載の硬化性組成物。
Figure 2023155347000003
(式(1)中、Rは重合体(A)の主鎖部分を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
本発明によれば、アンチニュートンリング性、透明性に優れ、ギラツキを低減したハードコートフィルムが提供される。
実施例1で形成したハードコートフィルムのラマンマッピング結果を示す図である。
以下に本発明について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、いずれか一方又は両方を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称であり、いずれか一方又は両方を意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称であり、いずれか一方又は両方を意味する。「(メタ)アクリルアミド系モノマー」についても同様である。
また、本発明において、重合体(A),(B)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて、ポリスチレン標準による換算値として決定することができる。重量平均分子量の具体的な測定方法は後掲の実施例の項に示す。
また、重合体(A),重合体(B)の粘度は、E型粘度計を用いて、以下の測定条件で測定することができるが、市販品についてはカタログ値を採用することができる。
<粘度の測定条件>
固形分:30重量%
温度:25℃
機器:TOKIMEC社製 E型粘度計TV-20
本発明のハードコートフィルムは、表面に凹凸構造を有するハードコートフィルムであり、凹部が、溶解性パラメーター(SP値)が16~20であるアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)に由来するドメインより構成され、凸部が、溶解性パラメーター(SP値)が10~15の重合体(B)を含み、かつSP値が10~15の多官能アクリレート(C)に由来するドメインより構成されているものである。
本発明のハードコートフィルムは上記の通り、凹部と凸部がそれぞれ特定のドメインより構成されているものであるが、各ドメインの構成は後掲の実施例に示すように、例えば、顕微ラマン分光測定等により確認することができる。
[本発明が効果を奏する理由]
本発明のハードコートフィルムは、アンチニュートンリング性、透明性等に優れ、更にギラツキを低減するという効果を奏する。本発明のハードコートフィルムがこのような効果を奏する理由は定かではないが次の理由によるものと推定される。
まず、後述する本発明の硬化性組成物は重合体(A)、重合体(B)及び多官能(メタ)アクリレート(C)を含むものであるが、これらの各成分は特定の溶解性パラメーター(SP値)を有するものであるため、該硬化性組成物を基材上に塗布して紫外線等を照射すると硬化反応に先立って、よりSP値の高い重合体(A)と、よりSP値の低い重合体(B)及び多官能(メタ)アクリレート(C)とに相分離が生じる。そして、硬化反応が進行すると重合体(A)に由来するドメインから構成される凹部と、重合体(B)を含み、かつ多官能(メタ)アクリレート(C)に由来するドメインから構成される凸部とが形成される。
ニュートンリングは、ハードコートフィルム表面を指等で押した際、ハードコートフィルム表面での反射光と基材表面での反射光とが干渉することにより発生する干渉縞であるが、本発明のハードコートフィルムは上記の通り凹凸構造を有するため、ハードコートフィルム表面の反射光と基材表面の反射光との間での干渉が抑えられ、ニュートンリングの発生を抑えること(アンチニュートンリング性を得ること)ができるものと考えられる。
ギラツキは、画素サイズの細かい高精細表示装置においては、従来の表面凹凸サイズでは画面のギラツキや文字ボケなどの画像品位低下をもたらす。すなわち、高精細表示装置の場合、従来の表面凹凸サイズは、高精細表示の画素サイズとオーダー的に近く、表面凹凸によるレンズ効果でギラツキが発生する。詳細は後述するが、本発明のハードコートフィルムは、表面凹凸の形状を従来のような球状とはならないように制御しているためにギラツキを低減することができるものと考えられる。
本発明のハードコートフィルムは更に、凹部を構成する重合体(A)に由来するドメインの屈折率に対し、凸部を構成する重合体(B)および多官能(メタ)アクリレート(C)に由来するドメインの屈折率が近いために透明性(光線透過率、ヘイズ)にも優れたものとすることができる。
[SP値]
溶解性パラメーター(SP値)は、Solubility Parameterであり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。本発明において、SP値は次の方法により実測される値である。
サンプル0.5gを100ml三角フラスコに秤量し、アセトン10mlを加えて樹脂を溶解させる。ここへ、マグネチックスターラーで攪拌しながら、ヘキサンを滴下していき、溶液に濁りが生じた点(濁点)のヘキサンの滴下量(vh)を求める。次に、ヘキサンの代わりに脱イオン水を使用したときの、濁点における脱イオン水の滴下量(vd)を求める。vh、vdより、SP値は参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A-1、5、1671~1681(1967)により示された式を用いて求めることができる。また、サンプルがアセトンに溶解しないなど、溶解性パラメーターが上記の方法により求めることができない場合には、Fedorsらが提案した方法によって推算する。具体的には「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147~154頁)」を参照して求めることができる。
[硬化性組成物]
本発明のハードコートフィルムは、具体的には、前記の重合体(A)と重合体(B)と多官能(メタ)アクリレート(C)とを含み、[重合体(A)の重量]:[重合体(B)の重量と多官能(メタ)アクリレート(C)の重量の合計]が10:90~80:20である本発明の硬化性組成物を硬化させることにより、製造することができる。
また、本発明の硬化性組成物において、[重合体(A)の重量]:[重合体(B)の重量と多官能(メタ)アクリレート(C)の重量の合計]は、好ましくは12:88~60:40であり、より好ましくは14:86~45~55であり、特に好ましくは16:84~40:60であり、最も好ましくは、20:80~35:65である。重合体(A)、重合体(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)の配合量が上記範囲であると、アンチニュートンリング性、透明性、ギラツキ等を良好にする観点から好ましい。更に、これらの効果をより良好なものとする観点から、[重合体(B)の重量]:[多官能(メタ)アクリレート(C)の重量]が、5:95~40:60であることが好ましく、10:90~35:65であることがより好ましく、20:80~30:70が最も好ましい。
以下に、本発明の硬化性組成物を硬化させて本発明のハードコートフィルムを製造する方法に従って、本発明のハードコートフィルムを詳細に説明するが、本発明のハードコートフィルムの製造方法は何ら以下の方法に限定されるものではない。
<重合体(A)>
重合体(A)は、SP値が16~20でアミド基と不飽和二重結合を含むものである。
硬化性組成物が硬化する際、凹部のドメインと凸部のドメインのそれぞれを形成するべく、重合体(A)が重合体(B)及び官能(メタ)アクリレート(C)との間で相分離するために、重合体(A)のSP値は16以上であることが必要である。また、重合体(A)のSP値が20以下であると硬化性組成物の塗工性が良好となり、また、アンチニュートンリング性も良好となる。
重合体(A)のSP値は特に17~19.8であることが好ましく、17.5~19.6がより好ましく、18~19.4が最も好ましい。
重合体(A)はアミド基と不飽和二重結合を含むものであればよく、特に制限はないが、重合体(A)は、(メタ)アクリロイル基を有することがUV硬化性の観点から好ましく、また、アミド基を有することがギラツキ改良の観点から好ましい。また、このアミド基は、(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位として、重合体(A)中に含まれていることがSP値の向上の観点から好ましい。
また、重合体(A)は、下記式(1)で表される構造単位の側鎖を有することが透明性とUV硬化性の観点から好ましい。
Figure 2023155347000004
(式(1)中、Rは重合体(A)の主鎖部分を表し、Rは水素原子またはメチル基を
表す。)
このような重合体(A)は、例えば、アミド基を有する(メタ)アクリル系モノマーである(メタ)アクリルアミド系モノマーとグリシジルメタクリレートとの共重合体の、グリシジルメタクリレートに由来する構造単位のグリシジル基部分にアクリル酸を反応させることで得ることができ、(メタ)アクリルアミド系モノマーとグリシジルメタクリレートの構成成分を適宜調整することで、SP値が上記範囲の重合体(A)とすることができる。
重合体(A)の製造に用いる(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシルメチルアクリルアミド、ヒドロキシルエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
重合体(A)の製造に当たり、これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
(メタ)アクリルアミド系モノマーとグリシジルメタクリレートとの共重合割合としては、好ましくは重量比で(メタ)アクリルアミド系モノマー:グリシジルメタクリレート=10~90:90~10、さらに好ましくは75~25:75~25、特に60~40:60~40であることが好ましい。(メタ)アクリルアミド系モノマーとグリシジルメタクリレートとの共重合割合が上記範囲内であると、重合体(A)のSP値や屈折率が適正な値となり、好ましい。
アクリル酸は(メタ)アクリルアミド系モノマーとグリシジルメタクリレートとの合計100重量部に対して、好ましくは10~50重量部、さらに好ましくは15~40重量部、特に20~30重量部用いることが好ましい。アクリル酸を上記範囲内で用いることにより、重合体(A)のポリマー側鎖に二重結合を効果的に導入することができ、透明性も向上し、UV硬化性の観点から、好ましい。
重合体(A)は、上記の(メタ)アクリルアミド系モノマーとグリシジルメタクリレートとアクリル酸を用いて、例えば次のようにして製造することができる。
温度計、攪拌機及び還流冷却管等を備えたセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加える。
一方、メスシリンダー等でグリシジルメタクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド系モノマー、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を加えてモノマー溶液を調製する。
その後、セパラブルフラスコの撹拌機を始動し、続いてセパラブルフラスコとメスシリンダーには窒素ガスを導入する。
次に、セパラブルフラスコをオイルバスに浸し、内温65℃程度まで加温する。次いで、セパラブルフラスコに、メスシリンダー内で調製したモノマー溶液をポンプ等により送液し、滴下することで、ラジカル重合を行う。滴下完了後、さらに内温65℃程度にて約2時間撹拌を続け、その後、さらに2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を加え約3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル258.8g、p-メトキシフェノールを加え100℃程度まで加熱する。
次に、アクリル酸、及びトリフェニルホスフィンを添加して、110℃程度で約6時間反応させることで、アミド基と不飽和二重結合を有する、重合体(A)を得ることができる。
このようにして得られる重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は5000~100000であることが好ましく、10000~80000であることがより好ましく、15000~50000が特に好ましく、20000~40000が最も好ましい。重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が上記下限以上であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が程よく低下するため、ギラツキを抑制するのに適切な相分離の大きさに調整することが可能であり、上記上限以下であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が適度に保たれ相分離の進行を阻害することなくアンチニュートンリング性が良好である。
また、重合体(A)は、25℃、プロピレングリコールモノメチルエーテル中の30重量%濃度で測定した粘度が100~4,000mPa・sであることが好ましく、500~3000mPa・sであることがより好ましく、800~2000mPa・sであることが最も好ましい。重合体(A)の粘度が上記下限以上であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が程よく低下するため、ギラツキを抑制するのに適切な相分離の大きさに調整することが可能であり、上記上限以下であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が適度に保たれ相分離の進行を阻害することなくアンチニュートンリング性が良好である。重合体(A)の粘度は、分子量を適宜調整することにより調整することができる。
また、重合体(A)は不飽和二重結合量が1.00~10.00mmol/gであることが好ましく、1.5~4.5mmol/gであることがより好ましく、2~4mmol/gであることが最も好ましい。重合体(A)の不飽和二重結合量が、上記下限以上であると硬化膜としたときに透明性(全光線透過率)および硬化性が良好であり、上記上限以下であると硬化膜としたときにアンチニュートンリング性が良好となる。
本発明の硬化性組成物は、重合体(A)の1種のみを含んでいてもよく、モノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を含有していてもよい。
<重合体(B)>
重合体(B)は、SP値が10~15の重合体である。
重合体(B)のSP値が10以上であることにより溶解可能な溶媒の選択肢が広がり、15以下であることにより重合体(A)との相分離を起こしやすくなりアンチニュートンリング性が向上する。
重合体(B)のSP値は特に11~14.5であることが好ましく、12~14であることがより好ましい。また、前述の重合体(A)のSP値との差が1~9程度であることが好ましく、3~8程度であることがより好ましく、4~7程度であること最も好ましい。この範囲の差であれば、前述のとおり、相分離を起こしやすくなりアンチニュートンリング性が向上する。
重合体(B)としては、特に制限はないが、(メタ)アクリル系重合体が好ましい。
本発明において、「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体を含む原料から合成される重合体を意味し、この重合体を更に変性した重合体も含む意味で用いられる。(メタ)アクリル酸若しくは(メタ)アクリル酸誘導体を少なくとも1種の原料((メタ)アクリレートモノマー)を使用した重合体であれば、その他については特に限定されない。例えば、(メタ)アクリレートモノマー以外の、ビニル基を有する炭化水素系モノマー等の公知の重合性モノマーを使用した共重合体であってもよい。また、「(メタ)アクリル酸誘導体」とは、(メタ)アクリル酸の金属塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸と類似した構造を有する化合物を意味する。
(メタ)アクリル系重合体を製造するための原料モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸のほか、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のオキシラン構造を有する(メタ)アクリレートモノマー;
パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H-ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H-ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー;
N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;
2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー;
また、(メタ)アクリル酸誘導体以外の原料として、スチレン、p-クロロスチレン、p-メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等のビニル基を有する炭化水素系モノマーが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
重合体(B)の製造に使用する原料モノマーの組成を適宜調整することにより、重合体(B)のSP値を上記範囲内とすることができる。
重合体(B)は、従来の公知の方法、例えば、有機溶媒中でラジカル重合開始剤の存在下、原料モノマーを重合させるラジカル重合反応により常法に従って、製造することができる。
このようにして得られる重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は50000~500000であることが好ましく、60000~300000であることがより好ましく、65000~200000であることがさらに好ましく、70000~100000であることが特に好ましく、75000~90000であることが最も好ましい。重合体(B)の重量平均分子量(Mw)が上記下限以上であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が程よく低下するため、ギラツキを抑制するのに適切な相分離の大きさに調整することが可能である。重合体(B)の重量平均分子量(Mw)が上記上限以下であると、乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が適度に保たれ相分離の進行を阻害することなくアンチニュートンリング性が良好となる。
また、重合体(B)は、25℃、メチルエチルケトン中の30重量%濃度で測定した粘度が400~2500mPa・sであることが好ましく、600~2200mPa・sであることがより好ましく、800~2000mPa・sであることが最も好ましい。重合体(B)の粘度が上記下限以上であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が程よく低下するため、ギラツキを抑制するのに適切な相分離の大きさに調整することが可能であり、上記上限以下であると乾燥中の塗膜中でのドメインを形成する成分の流動性が適度に保たれ相分離の進行を阻害することなくアンチニュートンリング性が良好となる。重合体(B)の粘度は、分子量を適宜調整することにより調整することができる。
本発明の硬化性組成物は、重合体(B)の1種のみを含んでいてもよく、モノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を含有していてもよい。
<多官能(メタ)アクリレート(C)>
多官能(メタ)アクリレート(C)とは、(メタ)アクリロイル基を有し、一分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有する化合物である。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物である、一分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明では、多官能(メタ)アクリレート(C)として、SP値10~15のものを用いる。多官能(メタ)アクリレート(C)のSP値が10以上であることにより溶解可能な溶媒の選択肢が広がり、15以下であることにより重合体(A)との相分離が起こしやすくなりアンチニュートンリング性が向上する。多官能(メタ)アクリレート(C)のSP値は特に11~14.5であることが好ましく、12~14であることがより好ましい。また、前述の重合体(A)のSP値との差が1~9程度であることが好ましく、3~8程度であることがより好ましく、4~7程度であること最も好ましい。この範囲の差であれば、前述のとおり、相分離を起こしやすくなりアンチニュートンリング性が向上する。
多官能(メタ)アクリレートのうち好ましくは、得られるハードコートフィルムの硬度や硬化性組成物の硬化性を良好なものとする観点から、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの混合物のSP値は12.6である)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの混合物のSP値は12.4である)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、得られるハードコートフィルムの硬度や硬化性組成物の硬化性を良好なものとする観点から、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、これらの多官能(メタ)アクリレート(C)の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含有していてもよい。
<化合物(D)>
本発明のハードコートフィルムは、炭素数が10以上で、二重結合を1つ以上有する化合物(D)に由来するドメインを有することにより、耐湿熱性を向上できるため好ましい。従って、同様に、本発明の硬化性組成物は、炭素数が10以上で、二重結合を1つ以上有する化合物(D)を含有することが好ましい。より具体的には、化合物(D)は、ダイマー酸骨格を有するアクリレートであることが好ましい。
化合物(D)の炭素数の下限値は10以上であり、耐水性の点から、14以上が好ましく、18以上がさらに好ましく、20以上が特に好ましい。上限値としては架橋性および相溶性の点から、70以下が好ましく、65以下がさらに好ましく、60以下が特に好ましい。
化合物(D)の二重結合の数の下限値は1つ以上であり、2つ以上であることが好ましく、耐水性の点から、上限値は、5以下が好ましく、4以下がさらに好ましく、3以下が特に好ましい。
化合物(D)の具体例としては、日立化成製TA37198、テスラック等が挙げられる。
化合物(D)の本発明の硬化性組成物中の含有量は、重合体(A)、重合体(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)の合計量を100重量部としたときに、0.1~20重量部であることが耐湿性および耐湿熱性の点から好ましく、0.5~15重量部であることがさらに好ましく、1~10重量部であることが最も好ましい。
<重合開始剤>
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー線により硬化させるために、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、本発明の硬化性組成物中の前記重合体(A)、重合体(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)、及び必要に応じて用いられる化合物(D)の合計100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下加えることができる。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタンノン-1などが挙げられる。これらの重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<無機粒子>
本発明の硬化性組成物は、更に、平均一次粒子径が1μm以下の無機粒子を含有していてもよく、このような無機粒子を含有することで、高い硬度を維持したまま良好なアンチブロッキング性を有するハードコートフィルムを提供できる。
即ち、高SP値の前述の重合体(A)と低SP値の重合体(B)及び多官能(メタ)アクリレート(C)を含有することで相分離させることができることに加え、無機粒子を併せて加えることで、硬化させた際に、相分離した樹脂とともに無機粒子も表面付近に存在することとなる。そして、この樹脂及び無機粒子の存在により、ハードコートフィルムの表面に適度な凹凸を形成し、優れたアンチブロッキング性を発揮させることができる。
無機粒子の例としては、シリカ(オルガノシリカゾルを含む)、アルミナ、チタニア、ゼオライト、雲母、合成雲母、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、スメクタイト、合成スメクタイト、バーミキュライト、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモンなどが挙げられ、これらの中でもシリカが好ましい。また、以上に挙げた無機粒子は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機粒子の平均一次粒子径は1μm以下であるが、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。無機粒子の平均一次粒子径の下限値は特段限定されないが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上である。平均一次粒子径が1μmを超える無機粒子を使用すると、粒子の自重により沈降が生じ硬化性組成物の塗液の貯蔵安定性が低下するおそれがある。
一方、平均一次粒子径が上記範囲である無機粒子の硬化性組成物の塗液中での運動は、重力による沈降よりも熱拡散が支配するため、無機粒子は硬化性組成物の塗液中に安定に分散可能となり、さらにハードコートフィルムを形成した際に効果的に表面に存在するようになる。また、無機粒子の平均一次粒子径が小さいほど、光学特性が良好になる傾向がある。
なお、上記の無機粒子の平均一次粒子径は、例えば、TEMなどの電子顕微鏡により観察される粒子の大きさを平均した値をいう。
上記の無機粒子は、アンチブロッキング性や硬度を向上させる点において、重合体(A)で表面修飾された無機粒子として本発明の硬化性組成物に配合してもよい。重合体(A)で表面修飾された無機粒子を製造するには、例えば、重合体(A)と無機粒子とを酸や塩基、アセチルアセトンアルミニウム等のシランカップリング反応触媒の存在下に25~120℃で1~24時間程度反応させる方法が挙げられる。
<その他の成分>
本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述の重合体(A)、重合体(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)、化合物(D)及び重合開始剤や無機粒子以外の他の成分を含有していてもよい。本発明の硬化性組成物が含有し得る他の成分としては、各成分を均一に混合するための溶媒や、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種の常用の添加剤などが挙げられる。
溶媒としては、特に限定されるものではなく、重合体(A)、重合体(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)、必要に応じて用いられる化合物(D)や下地となる基材の材質、組成物の塗布方法などを考慮して適宜選択される。用いることができる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。
これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく使用される。
溶媒の使用量には特に制限はなく、調製される硬化性組成物の塗布性、液の粘度・表面張力、固形分の相溶性等を考慮して適宜決定される。通常、本発明の硬化性組成物は、上述の溶媒を用いて固形分濃度が20~100重量%、特に30~80重量%の塗液として調製される。なお、ここで、本発明の硬化性組成物中の固形分とは、本発明の硬化性組成物に含まれる溶媒以外の成分の合計をさす。
<硬化性組成物の調製方法>
本発明の硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、例えば、重合体(A)、重合体(B)、多官能(メタ)アクリレート(C)、必要に応じて化合物(D)、溶媒、重合開始剤、添加剤などと併せて混合することにより調製することができる。
[ハードコートフィルム・積層体]
本発明のハードコートフィルムは、上述の本発明の硬化性組成物を硬化させてなるものである。即ち、本発明の硬化性組成物を基材の上などに塗布し、フィルム状に硬化させることで、本発明のハードコートフィルムを得ることができる。また、基材として他の樹脂フィルム上に本発明の硬化性組成物を塗布し、硬化させて本発明のハードコートフィルムを成形することで、他の樹脂フィルム上に本発明のハードコートフィルムを積層してなるフィルム積層体が得られる。
ハードコートフィルムを成形する基材としては、各種樹脂フィルム及び樹脂板などを使用することができる。樹脂フィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等が使用できる。また、樹脂板として、例えばアクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルスルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。また、必要に応じてガラスなどを使用することもできる。これらの基材はいずれも透明性に優れ、後述の表示装置への適用にも好ましい。なお、基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25~1000μm程度のものが用いられる。
本発明の硬化性組成物の塗布方法は特段限定されない。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法(米国特許第2681294号明細書)などの方法により塗布することができる。
本発明のハードコートフィルムの厚みは、特に制限されるものではなく、種々の要因を考慮して適宜設定することができるが、1~10μm、特に3~8μmの範囲であることが好ましく、4~7μmが最も好ましい。
基材上に塗布、成膜された塗膜は、室温にて相分離させてもよく、また硬化させる前に組成物を乾燥させることで予め相分離させておいてもよい。塗布された塗膜を硬化させる前に乾燥又は加熱する場合は、好ましくは30~200℃、より好ましくは40~150℃で、好ましくは0.01~30分間、より好ましくは0.1~10分間乾燥させて、予めハードコートフィルムの表面凹凸構造の凹部を構成する成分と凸部を構成する成分とを相分離させることができる。硬化前に乾燥させて予め相分離させておくことは、微細凹凸を有する塗膜中の溶媒を効果的に除去でき、かつ硬化膜であるハードコートフィルムに所望の大きさの凹凸を設けることができるために好ましい。
硬化させる前に相分離させる他の方法として、塗膜に活性エネルギー線を照射して相分離させる方法を用いることもできる。照射する活性エネルギー線として、例えば露光量0.1~3.5J/cmの光、好ましくは0.5~1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。例えば重合開始剤として2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどを用いる場合は、照射光は310nm付近或いは360nm付近の波長を有する光を照射するのが好ましく、360nm付近の波長を有する光を照射するのがより好ましい。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって、相分離及び硬化が生じることとなる。光を照射して相分離させることによって、硬化性組成物に含まれる溶媒の乾燥ムラに起因する表面形状のムラを回避することができるために好ましい。
硬化性組成物の塗布により得られた塗膜、又は塗布後、乾燥させた塗膜を硬化させることによって、表面に微細な凹凸構造を有する本発明のハードコートフィルムが形成される。硬化は、必要に応じた波長の活性エネルギー線を発する光源を用いて塗膜に光を照射することによって行うことができる。なお、硬化のための光照射は、積算光量が100mJ/cm以上20,000mJ/cm以下となるよう照射することが好ましい。光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いることができる。
[物性]
本発明のハードコートフィルムは、ハードコートフィルムの表面凹凸構造の凹部を構成する成分と凸部を構成する成分とが相分離することで、表面に良好な凹凸を付与することによるものである。
本発明のハードコートフィルムについて、白色光干渉顕微鏡により測定した表面粗さ(Ra)は、0.05~1.5μmであることが好ましく、0.1~1.2μmであることがより好ましく、0.15~1.0μmがさらに好ましく、0.2~0.85μmが特に好ましく、0.25~0.65μmが最も好ましい。表面粗さ(Ra)が上記下限以上であることにより、良好なアンチブロッキング性を得ることができる。一方、表面粗さ(Ra)が上記上限以下であることにより、低ヘイズとアンチニュートンリング性を両立できる。
本発明のハードコートフィルムについて、白色光干渉顕微鏡により測定した表面粗さ(Rz)は、0.05~1.5μmであることが好ましく、0.1~7μmであることがより好ましく、0.5~5.5μmがさらに好ましく、1~5μmが特に好ましく、2~4.5μmが最も好ましい。表面粗さ(Rz)が上記下限以上であることにより、良好なアンチブロッキング性を得ることができる。一方、表面粗さ(Rz)が上記上限以下であることにより、低ヘイズとアンチニュートンリング性を両立できる。
また、本発明のハードコートフィルムは、良好な硬度を有する。例えば、本発明の硬化性組成物により、3μmの膜厚で形成されたハードコートフィルムについて、JIS K-5600に従って測定した鉛筆硬度は、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
また、本発明のハードコートフィルムは、良好な透明性を有する。例えば、本発明の硬化性組成物により、2~3μmの膜厚で形成されたハードコートフィルムの全光線透過率は、85%以上、好ましくは90%以上であり、ヘイズは2.0%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%未満、特に好ましくは0.5%未満である。
なお、ハードコートフィルムの表面粗さ(Ra)、表面粗さ(Rz)、全光線透過率、ヘイズは、後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
[用途]
上記の基材と本発明のハードコートフィルムとを積層してなるフィルム積層体は、これを光源と共に用いて表示装置に適用することができる。この場合、基材は透光性基材であることが好ましい。また、光源は、好ましくは、基材の背面、すなわち基材のハードコートフィルム積層面とは反対側の面に配置され、そこから基材に向けて光を照射する。
光源としては、光を発することのできるものであれば特に限定はなく、例えば、発光ダイオード、冷陰極管、熱陰極管、EL素子などが挙げられるが、液晶モジュール、バックライトユニットなどを使用してもよい。
液晶モジュールは、上記光源を含み、さらに、その上に偏光板/液晶セル/偏光板がこの順に配置された構成を有するものである。液晶セルは、一般に液晶表示装置に用いられているものであれば特に制限されない。例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Alignment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment)型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどを挙げることができる。このような表示装置は、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。
本発明のハードコートフィルムを有するフィルム積層体を用いた表示装置は、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオードディスプレイ)、ELD(エレクトロルミネセンスディスプレイ)、VFD(蛍光ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などといった、フラットパネルディスプレイに適用することができる。
本発明のハードコートフィルムを有するフィルム積層体を用いた表示装置の用途としては、タッチパネルが挙げられ、これは、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有し、例えば、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館及びデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、携帯電話、鉄道車両のモニタ装置などにおいて有用である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
なお、以下の合成例で合成した重合体(A-1)、(A-2)、(a-1)、(a-2)の重量平均分子量は、以下の測定条件で測定した。
<重量平均分子量(Mw)の測定条件>
機器 :東ソー社製「HLC-8120GPC」
カラム :東ソー社製
「TSKgel Super H1000+H2000+H3000」
検出器 :示差屈折率検出器(RI検出器/内蔵)
溶媒 :テトラヒドロフラン
温度 :40℃
流速 :0.5mL/分
注入量 :10μL
濃度 :0.2重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリスチレン換算
また、以下の合成例1~4で合成した重合体(A-1)、(A-2)、(a-1)、(a-2)溶液及び調製例1~6で調製した樹脂溶液(B-1)~(B-6)の粘度は、E型粘度計を用いて、以下の測定条件で測定した。
<粘度の測定条件>
固形分:30重量%
温度:25℃
機器:TOKIMEC社製 E型粘度計TV-20
また、重合体(A-1)、(A-2)、(a-1)、(a-2)の不飽和二重結合量は、反応に用いたモノマー量から算出した。アクリル酸の消費率は以下の酸塩基滴定により、未反応のアクリル酸を定量し、反応率を求めた。
<アクリル酸の水酸化カリウム溶液による滴定>
反応溶液を0.5g三角フラスコに分取し、プロピレンリコールモノメチルエーテル溶液で10gまで希釈する。
この溶液に指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶解液(10%)を0.1gほど添加し、溶液が赤色に呈色するまで0.1Nのエタノール性水酸化カリウム溶液(和光純薬製)を滴下した。滴下量より未反応のアクリル酸を定量した。
各々の樹脂のSP値は、前述の方法で測定した。
[合成例1:アミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A-1)の合成]
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えた2000mLのセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル359.6gを加えた。
一方、1000mLのメスシリンダーにグリシジルメタクリレート180.0g、アクリロイルモルホリン180.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル180.0g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.80gを加えてモノマー溶液を調製した。
その後、セパラブルフラスコの撹拌機を始動し、続いてセパラブルフラスコとメスシリンダーにはそれぞれ流量300mL/minにて1時間ほど窒素ガスを導入した。
次に、セパラブルフラスコをオイルバスに浸し、内温65℃まで加温した。次いで、セパラブルフラスコに、メスシリンダー内で調製したモノマー溶液をポンプにより送液し、2時間かけて滴下することで、ラジカル重合を行った。滴下完了後、さらに内温65℃にて2時間撹拌を続け、その後、さらに2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.9gを加え3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル258.8g、p-メトキシフェノール1.55gを加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸93.07g、及びトリフェニルホスフィン6.80gを添加して、110℃で6時間反応させることで、アミド基と不飽和二重結合を有する、不飽和二重結合量(アクリロイル当量(アクリロイル基の導入量))2.82mmol/gの(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)を得た。
得られた(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)のSP値は19.1、アクリル酸の消費率は93%であった。
この溶液(固形分30重量%)の25℃における粘度は1,050mPa・sであった。また、(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)の重量平均分子量(Mw)は22,500であった。
[合成例2:アミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A-2)の合成]
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えた2000mLのセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル359.6gを加えた。
一方、1000mLのメスシリンダーに、グリシジルメタクリレート180.0g、アクリロイルモルホリン180.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル180.0g、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.80g、γ-トリメトキシシリルプロパンチオール(信越化学工業株式会社製 KBM-803)を7.2g加えてモノマー溶液を調製した。
その後、セパラブルフラスコの撹拌機を始動し、続いてセパラブルフラスコとメスシリンダーにはそれぞれ流量300mL/minにて1時間ほど窒素ガスを導入した。
次に、セパラブルフラスコをオイルバスに浸し、内温65℃まで加温した。次いで、セパラブルフラスコに、メスシリンダー内で調製したモノマー溶液をポンプにより送液し、2時間かけて滴下することで、ラジカル重合を行った。滴下完了後、さらに内温65℃にて2時間撹拌を続け、その後、さらに2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.9gを加え3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル258.8g、p-メトキシフェノール1.55gを加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸93.07g、及びトリフェニルホスフィン6.80gを添加して、110℃で6時間反応させることで、アミド基と不飽和二重結合を有する、不飽和二重結合量2.81mmol/gの(メタ)アクリロイル共重合体(A-2)を得た。
得られた(メタ)アクリロイル共重合体(A-2)のSP値は19.1、アクリル酸の消費率は93%であった。
この溶液(固形分30重量%)の25℃における粘度は220mPa・sであった。また、(メタ)アクリロイル共重合体(A-2)の重量平均分子量(Mw)は10,080であった。
[合成例3:アミド基を含まず不飽和二重結合を含む重合体(a-1)(比較例用)の合成]
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル157.3g、グリシジルメタクリレート98.0g、メチルメタクリレート1.0g、エチルアクリレート1.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.9g、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.0g、γ-トリメトキシシリルプロパンチオール(信越化学工業株式会社製 KBM-803)を1.9g加えて、65℃で3時間反応させた。
その後、更に2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5gを加えて3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル138.1gとp-メトキシフェノール0.45gを加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸50.7g、及びトリフェニルホスフィン3.08gを添加して、110℃で6時間反応させることで、不飽和二重結合量4.62mmol/gの(メタ)アクリロイル共重合体(a-1)を得た。
得られた(メタ)アクリロイル共重合体(a-1)のSP値は17.4、アクリル酸の消費率は94%であった。
この溶液(固形分30重量%)の25℃における粘度は100mPa・sであった。また、(メタ)アクリロイル共重合体(a-1)の重量平均分子量(Mw)は17,700であった。
[合成例4:アミド基を含まず不飽和二重結合を含む重合体(a-2)(比較例用)の合成]
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル155.1g、グリシジルメタクリレート76.0g、メチルメタクリレート24.0g、エチルアクリレート1.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.9g、及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.0g、γ-トリメトキシシリルプロパンチオール(信越化学工業株式会社製 KBM-803)を1.9g加えて、65℃で3時間反応させた。
その後、さらに2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5gを加え3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル185.6g、p-メトキシフェノール0.49gを加え100℃まで加熱した。
次に、アクリル酸39.3g、及びトリフェニルホスフィン2.82gを添加して、110℃で6時間反応させることで、不飽和二重結合量4.59mmol/gの(メタ)アクリロイル共重合体(a-2)を得た。
得られた(メタ)アクリロイル共重合体(a-2)のSP値は17.1、アクリル酸の消費率は95%であった。
この溶液(固形分30重量%)の25℃における粘度は200mPa・sであった。また、(メタ)アクリロイル共重合体(a-2)の重量平均分子量(Mw)は20,700であった。
合成例1~4で用いた原料成分組成(重量部)を表-1にまとめて示す。表中、「-」はその成分を用いていないことを示す。
Figure 2023155347000005
[調製例1:樹脂溶液(B-1)の調製]
2000mLのナスフラスコにメチルエチルケトン700gを投入し、内温80℃まで加温した。次いで、(メタ)アクリル系重合体(クラレ製 メチルメタクリレート・メチルアクリレート共重合体 パラペットHR-L、重量平均分子量(Mw)80,700(以下の測定条件で測定した測定値))300gを少量ずつ添加し、完全に溶解するまで撹拌を続けた。この樹脂溶液(固形分30重量%)の粘度は1,100mPa・sであった。また、用いた(メタ)アクリル系重合体パラペットHR-LのSP値は13.5であった。
<重量平均分子量の測定条件>
機器 :東ソー社製「HLC-8120GPC」
カラム:東ソー社製
「TSKgel Super H3000+H4000+H6000」
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器/内蔵)
溶媒 :テトラヒドロフラン
温度 :40℃
流速 :0.5ml/分
注入量:10μL
濃度 :0.2重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン換算
[調製例2:樹脂溶液(B-2)の調製]
樹脂溶液の調製に用いる樹脂を三菱レイヨン製BR-75(アクリル系共重合体、重量平均分子量(Mw)85,000(カタログ値))とした以外は同様に行った。この樹脂溶液(固形分30重量%)の粘度は470mPa・sであった。また、用いた(メタ)アクリル系重合体BR-75のSP値は13.5であった。
[調製例3:樹脂溶液(B-3)の調製]
樹脂溶液の調製に用いる樹脂を三菱レイヨン製BR-80(アクリル系共重合体、重量平均分子量(Mw)95,000(カタログ値))とした以外は同様に行った。この樹脂溶液(固形分30重量%)の粘度は1,900mPa・sであった。また、用いた(メタ)アクリル系重合体BR-80のSP値は13.4であった。
[調製例4:樹脂溶液(B-4)の調製]
樹脂溶液の調製に用いる樹脂を三菱レイヨン製BR-84(アクリル系共重合体、重量平均分子量(Mw)120,000(カタログ値))とした以外は同様に行った。この樹脂溶液(固形分30重量%)の粘度は1,940mPa・sであった。また、用いた(メタ)アクリル系重合体BR-84のSP値は13.6であった。
[調製例5:樹脂溶液(B-5)の調製]
樹脂溶液の調製に用いる樹脂を三菱レイヨン製BR-85(アクリル系共重合体、重量平均分子量(Mw)280,000(カタログ値))とした以外は同様に行った。この樹脂溶液(固形分30重量%)の粘度は50,000mPa・sより大きかった。また、用いた(メタ)アクリル系重合体BR-85のSP値は13.5であった。
(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)、(A-2)、(a-1)、(a-2)及び樹脂溶液(B-1)~(B-5)の(メタ)アクリル系重合体の物性を表-2にまとめて示す。なお、(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)、(A-2)、(a-1)、(a-2)の粘度は30重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)中の25℃における粘度であり、樹脂溶液(B-1)~(B-5)に用いた(メタ)アクリル系重合体の粘度は30重量%メチルエチルケトン(MEK)中の25℃における粘度である。
Figure 2023155347000006
[実施例1]
<硬化性組成物の製造>
ガラス製のサンプル瓶に、(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)を7.32重量部、樹脂溶液(B-1)を2.05重量部、多官能(メタ)アクリレート(C-1)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA(SP値:12.1))を4.51重量部配合した後、重合開始剤として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASF社製「イルガキュア(登録商標)184」)を0.183重量部加え、更にメチルエチルケトン15.94重量部を加えることで、硬化性組成物を得た。
<塗布工程>
得られた硬化性組成物を、厚さ188μmの透明な二軸延伸PETフィルム(ヘイズ値0.8%;三菱樹脂社製 商品名:ダイアホイル(登録商標)O321E)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚さが2~3μmとなるように塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した。
<硬化工程>
硬化性組成物の塗膜が形成されたPETフィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下15cmの位置で、アイグラフィック社製「EYE UV METER UVPF-A1、PD365」を使用して積算光量500mJ/cmとなるように紫外線を照射して、硬化膜を得た。この硬化膜(ハードコートフィルム)が形成されたフィルム積層体について、以下の評価を行った。その結果を表-3に示す。
なお、表-3中、硬化性組成物配合量は、(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)と樹脂溶液(B-1)中の(メタ)アクリル系重合体とDPHA(C-1)の合計を100重量部としたときの換算量で示し、いずれも純分の配合量である。以下の実施例2~9及び比較例1~13においても同様である。
[ハードコートフィルムの評価]
<RaおよびRz(算術平均粗さ)>
測定は、白色光干渉顕微鏡(日本ビーコ社製「WYKO NP9100」)にて、900μm×1300μmの範囲でJIS B0601-1994年版に準拠して算術平均粗さ(Ra)および(Rz)を求めた。
RaおよびRz(JIS B 0601-1994)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、数式により求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
<全光線透過率・ヘイズ>
ハードコートフィルムの全光線透過率(Tt(%))は、ハードコートフィルムに対する入射光強度(T0)とハードコートフィルムを透過した全透過光強度(T1)とを測定し、下記式により算出した。
Tt(%)=(T1/T0)×100
なお、全光線透過率は、例えばヘーズメーター(日本電色工業株式会社製(SH7000))を用いて測定することができる。
ハードコートフィルムのヘイズは、JIS K-7136(2000年)に準拠して、下記式より算出した。
H(%)=(Td/Tt)×100
H:ヘイズ(曇価)(%)
Td:拡散透光率(%)
Tt:全光線透過率(%)
<ギラツキ性>
約123dpi(対角10.4インチ、XGA(1,024×768ドット))の液晶ディスプレイ上に、得られたフィルム積層体を設置しギラツキの有無を目視で確認した。ギラツキが全く確認できないものを優良(◎)、ギラツキが確認できないが、◎の場合よりも劣るものを良好(○)、かすかに確認されるものをやや良好(△)、明確に確認されるものを不良(×)と評価した。
<アンチニュートンリング(ANR)性>
フィルム積層体のハードコートフィルム上に厚さ5mmのガラス板を、ガラス板とハードコートフィルムが接するように置いた後、ハードコートフィルムをガラス板に向けて押し当てた時に、斜め60度の方向から、ハードコートフィルムとガラス板を、接触させた領域でのニュートンリングの有無を目視で観察した。
ニュートンリングが全く観測できないものを優良(◎)、ニュートンリングを観測できないが、◎の場合よりも劣るものを良好(○)、かすかに観測されるものをやや良好(△)、明確に観測されるものを不良(×)と評価した。
<顕微ラマン分光測定>
共焦点顕微ラマン分光装置(ナノフォトン社製RAMANtouch)を用い、ハードコートフィルムのラマン分光測定を行った。励起光は532nm(レーザー出力:0.1mW以下)を用い、顕微鏡に導入し、対物レンズにより試料部で集光した。試料からの後方散乱を同じ対物レンズで集め、ピンホールに通して共焦点効果を得た。ノッチフィルターによりレイリー散乱光を除去し、分光器(回折格子:300groove/mm)に導入し、CCDカメラによりラマンスペクトルを得た。
上記のラマン分光測定において、露光時間を各点10sでピエゾステージを動かし、各点でのラマンスペクトルを取得し、ラマンマッピングを行った。各点におけるラマンスペクトルに対し、DPHAに帰属される3100~3400cm-1をピークとするラマンバンドを多官能(メタ)アクリレート(C-1)の指標とし、これを基準ピークとした。さらに、950~1050cm-1をピークとするラマンバンドを(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)の指標、800~850cm-1をピークとするラマンバンドを重合体(B)-1の指標とした。それぞれのピーク強度に基づくラマンマッピングの結果を図1に示す。
図1より、ハードコートフィルムの凹部は、主として(メタ)アクリロイル共重合体(A-1)のドメインで構成され、凸部は、樹脂(B-1)と多官能(メタ)アクリレート(C-1)のドメインで構成されることが分かる。
[実施例2~9、比較例1~13]
硬化性組成物の配合を表-3、表-4に示す通り変更したこと以外は実施例1と同様にハードコートフィルムを得た。Ra、Rz、全光線透過率、ヘイズ、ギラツキ性及びANR性について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表-3、表-4に示した。
なお、表-3、表-4において、「重合体(A)」、「重合体(B)」、「多官能(メタ)アクリレート(C)」は、それぞれ「成分(A)」、「成分(B)」、「成分(C)」と記載した。
Figure 2023155347000007
Figure 2023155347000008
表-3、表-4より、成分(A)と成分(B)と成分(C)を用いた本発明のハードコートフィルムは、アンチニュートンリング性、透明性に優れ、ギラツキの問題もないことが分かる。

Claims (19)

  1. 表面に凹凸構造を有するハードコートフィルムであり、
    該凹部は、溶解性パラメーター(SP値)が16~20であるアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)に由来するドメインより構成され、
    該凸部は、溶解性パラメーター(SP値)が10~15の重合体(B)を含み、かつSP値が10~15の多官能(メタ)アクリレート(C)に由来するドメインより構成されている
    ハードコートフィルム。
  2. 白色光干渉顕微鏡により測定した表面粗さ(Ra)が0.05~1.5μmである、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 重合体(A)と重合体(B)と多官能(メタ)アクリレート(C)とを含み、[重合体(A)の重量]:[重合体(B)の重量と多官能(メタ)アクリレート(C)の重量の合計]が10:90~80:20である硬化性組成物の硬化物である、請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記硬化性組成物の[重合体(B)の重量]:[多官能(メタ)アクリレート(C)の重量]が5:95~40:60である、請求項3に記載のハードコートフィルム。
  5. 重合体(A)の25℃、プロピレングリコールモノメチルエーテル中の30重量%濃度で測定した粘度が100~4,000mPa・sである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. 重合体(A)の不飽和二重結合量が1.00~10.00mmol/gである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  7. 重合体(A)が(メタ)アクリロイル基を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  8. 重合体(B)が(メタ)アクリル系重合体である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  9. 重合体(A)が(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  10. 重合体(A)が下記式(1)で表される構造単位の側鎖を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
    Figure 2023155347000009
    (式(1)中、Rは重合体(A)の主鎖部分を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
  11. 厚みが1~10μmである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  12. 溶解性パラメーター(SP値)が16~20であるアミド基及び不飽和二重結合を含む重合体(A)、溶解性パラメーター(SP値)が10~15の重合体(B)、及びSP値が10~15の多官能(メタ)アクリレート(C)を含み、かつ[重合体(A)の重量]:[重合体(B)の重量と多官能(メタ)アクリレート(C)の重量の合計]が10:90~80:20である硬化性組成物。
  13. [重合体(B)の重量]:[多官能(メタ)アクリレート(C)の重量]が5:95~40:60である、請求項12に記載の硬化性組成物。
  14. 重合体(A)の25℃、プロピレングリコールモノメチルエーテル中の30重量%濃度で測定した粘度が100~4,000mPa・sである、請求項12又は13に記載の硬化性組成物。
  15. 重合体(A)の不飽和二重結合量が1.00~10.00mmol/gである、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  16. 重合体(A)が(メタ)アクリロイル基を有する、請求項12乃至15のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  17. 重合体(B)が(メタ)アクリル系重合体である、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  18. 重合体(A)が(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位を有する、請求項12乃至17のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  19. 重合体(A)が下記式(1)で表される構造単位の側鎖を有する、請求項12乃至18のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    Figure 2023155347000010
    (式(1)中、Rは重合体(A)の主鎖部分を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
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