JP6187099B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体、ハードコートフィルム及びフィルム積層体 - Google Patents
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Description
成分(A):重量平均分子量(Mw)が8,000以上40,000以下であり、溶解性パラメーター(SPA)が13.0以上20.0以下である樹脂
成分(B):重量平均分子量(Mw)が8,000未満であり、溶解性パラメーター(SPB)が9.5以上14.0以下であり、かつ1個以上の(メタ)アクリロイル基を有
するモノマー及び/又はオリゴマー
成分(C):重量平均分子量(Mw)が40,000超過150,000以下である(
メタ)アクリル樹脂
(SPC)よりも大きく、かつ成分(C)の溶解性パラメーター(SPC)が9.5以上14.0以下である、[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
(SPB)及び成分(C)の溶解性パラメーター(SPC)が下記条件1及び条件2を満たす、[1]乃至[3]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
条件1:SPA−SPB>4.0
条件2:|SPA−SPC|−|SPB−SPC|>0
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含み、かつ成分(A)の溶解性パラメーター(SPA)が成分(B)の溶解性パラメーター(SPB)より大きいものである。
成分(A):重量平均分子量(Mw)が8,000以上40,000以下であり、溶解性パラメーター(SPA)が13.0以上20.0以下である樹脂
成分(B):重量平均分子量(Mw)が8,000未満であり、溶解性パラメーター(SPB)が9.5以上14.0以下であり、かつ1個以上の(メタ)アクリロイル基を有
するモノマー及び/又はオリゴマー
成分(C):重量平均分子量(Mw)が40,000超過150,000以下であるである(メタ)アクリル樹脂
溶解性パラメーター(SP値)は、Solubility Parameterであり、溶解性の尺度となるものである。溶解性パラメーターは、その値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。本発明において、成分(A)、成分(
B)及び成分(C)の溶解性パラメーターは、SPA、SPB及びSPCとそれぞれ表記す
るものとする。
レングリコールモノメチルエーテルの代わりにアセトンを使用して求めるものとする。なお、サンプルがプロピレングリコールモノメチルエーテルやアセトンに溶解しない等、溶解性パラメーターが上記の方法により求めることができない場合には、Fedorsらが提案した方法(以下、「フェドアーズ法」と表記する。)によって推算する。具体的には「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」を参照して求めることができる。
)の溶解性パラメーター(SPB)より高いものである。また、成分(A)の溶解性パラ
メーター(SPA)は13.0以上20.0以下であり、成分(B)の溶解性パラメータ
ー(SPB)は9.5以上14.0以下である。SPAとSPBがこれらの条件を満たすこ
とにより、成分(A)と成分(B)がアンチブロッキング性を得るための相分離状態を形成することができる。
として脂環骨格を有する二官能以上のアクリレートを用いる方法等が挙げられる。
更に好ましくは14.0以上であり、特に好ましくは15.0以上であり、一方、より好ましくは19.5以下であり、更に好ましくは19.0以下である。また、成分(B)の溶解性パラメーター(SPB)は、より好ましくは10.0以上であり、更に好ましくは
10.5以上であり、一方、より好ましくは13.5以下であり、更に好ましくは13.0以下である。更に、成分(C)の溶解性パラメーターは(SPC)は、好ましくは9.
5以上であり、より好ましくは10.0以上であり、更に好ましくは10.5以上であり、一方、好ましくは14.0以下であり、より好ましくは13.5以下であり、更に好ましくは13.0以下である。成分(A)、成分(B)及び成分(C)の溶解性パラメーターがそれぞれ、上記範囲であると、塗膜の外観やアンチブロッキング性の向上の観点から好ましい。また、アンチブロッキング性の観点から、成分(A)の溶解性パラメーター(SPA)は、成分(C)の溶解性パラメーター(SPC)よりも大きいことが好ましい。
分(C)が成分(A)よりも成分(B)に親和性が高く、この条件2を満たしていると、硬化性樹脂組成物中で成分(C)は成分(B)のドメインに存在しながら成分(A)に対して排除体積効果(立体斥力)を有効に及ぼすことができるものと考えられるために好ましい。また、更に、条件3を満たすことが硬化性組成物の透明性を良好なものとする観点から好ましい。
条件1:SPA−SPB>4.0
条件2:|SPA−SPC|−|SPB−SPC|>0
条件3:SPA−SPB<2.0
本発明に含まれる成分(A)の樹脂と、成分(B)の1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー及び/又はオリゴマーは、それぞれ、互いに反応する官能基を有していることが好ましい。このような官能基を反応させることによって、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の硬度、耐溶剤性等を高めることができる。このような官能基の組合せとして、例えば、活性水素を有する官能基(水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等)とエポキシ基、活性水素を有する官能基とイソシアネート基、エチレン性不飽和基とエチレン性不飽和基(エチレン性不飽和基の重合が生じる)、シラノール基とシラノール基(シラノール基の縮重合が生じる)、シラノール基とエポキシ基、活性水素を有する官能基と活性水素を有する官能基、活性メチレンとアクリロイル基、オキサゾリン基とカルボキシル基等が挙げられる。
本発明に用いる成分(A)は、重量平均分子量(Mw)が8,000以上40,000以下であり、溶解性パラメーター(SPA)が13.0以上20.0以下である樹脂であ
る。成分(A)の樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリシラン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の樹脂が挙げられる。これらのなかでも、SP値の点から、(メタ)アクリル構造、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリイミド構造を骨格構造に含む樹脂が好ましく、SP値を容易に制御することが可能であり、また、容易に重合することができるために(メタ)アクリル構造を骨格構造に含む樹脂が特に好ましい。ここで、「(メタ)アクリル構造を骨格構造に含む樹脂」とは少なくとも(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを原料として重合して得られる樹脂、すなわち(メタ)アクリロイル基を有する樹脂(以下、「(メタ)アクリロイル重合体」と称する場合がある。)をさす。
ポリエーテル構造を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にエーテル結合を含む樹脂であり、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステル構造を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にエステル結合を含む樹脂であり、例えば不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリウレタン構造を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にウレタン結合を含む樹脂である。
ポリシロキサン構造を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にシロキサン結合を含む樹脂である。
ポリシラン構造を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にシラン結合を含む樹脂である。
ポリイミド構造を骨格構造に含む樹脂は、分子鎖中にイミド結合を含む樹脂である。
フッ素構造を骨格構造に含む樹脂は、ポリエチレンの水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置き換えた構造を含む樹脂である。
成分(A)の樹脂は、上記骨格構造の2種以上を含む共重合体であってもよく、上記骨格構造とそれ以外の骨格構造とからなる共重合体であってもよい。
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール−(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する(メタ)アクリレートを原料として用いて重合する方法や、オキシラン構造を有するモノマーを重合したポリマーを製造し、これを開環・付加反応させる方法、オキシラン構造を有するモノマーを重合したポリマーを製造し、これに乳酸等の水酸基を有するモノマーを開環・付加反応させる方法、カルボキシル基、アミノ基等のオキシラン構造と開環・付加反応する反応性基を有するモノマーを重合してポリマーを製造し、これにオキシラン構造を有するモノマーを開環・付加反応させる方法等が挙げられる。
qは0〜7の整数を示す。)
の整数を示す。)
で表されるモノマーとしては3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートを例示することができる。その中で3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートが硬度等、硬化性樹脂組成物の硬化物の物性の面から好ましい。
であってもよく、樹脂種の異なるものや、官能基当量等の異なるものの2種以上を含むものであってもよい。
本発明に用いる成分(B)は、重量平均分子量(Mw)が8,000未満であり、溶解性パラメーター(SPB)が9.5以上14.0以下であり、かつ1個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーである。成分(B)のモノマー及び/又はオリゴマーとしては、多官能性モノマー、例えば多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物等を用いることができる。オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーや上記成分(A)で挙げられた樹脂の低分子量物等が挙げられる。これらの中でも得られる硬化物の硬度が高い又は硬化性が良好な点から、多官能性モノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、特に多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
ーをほとんど含有しないことが好ましく、実質的に含有しないことがより好ましい。エチレンオキシド(EO)単位を分子中に含むモノマーを含有しないことで、硬化物とした際の十分な硬度を確保できる。なお、ここでいう「実質的に含有しない」とは成分(B)全体100重量部に対し3重量部未満であることをいう。
成分(C)は、重量平均分子量(Mw)が40,000超過150,000以下である(メタ)アクリル樹脂である。
タクリレート(PMMA)系樹脂が特に好ましい。
る。例えば、SPCを高くする場合は、側鎖に極性が高い官能基を多く有するように設計
すればよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、アンチブロッキング性を向上させるため、レベリング剤を含有することが好ましい。レベリング剤としては成分(A)〜(C)に該当せず、かつ硬化性樹脂組成物の表面エネルギーを低下させ、アンチブロッキング性を向上させうるものであれば特に制限されない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、無機粒子を必須に用いなくともアンチブロッキング性を得るという効果を奏するが、更に、平均一次粒子径が1μm以下の無機粒子を含有することによりアンチブロッキング性を更に向上させることができる。
カップリング反応触媒の存在下に25〜120℃で1〜24時間程度反応させる方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線により硬化させるために、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、本発明の硬化性樹脂組成物中の前記成分(A)と前記成分(B)との合計100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下加えることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述の成分(A)〜(D)、重合開始剤、レベリング剤以外の他の成分を含有していてもよい。本発明の硬化性樹脂組成物が含有し得る他の成分としては、各成分を均一に混合するための溶媒や、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種の常用の添加剤等が挙げられる。
の溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく使用される。
本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、例えば、成分(A)〜(C)、必要に応じて更にレベリング剤、無機粒子、溶媒、重合開始剤、添加剤等と併せて混合することにより調製することができる。前述の通り、無機粒子を用いる場合、無機粒子は成分(A)の樹脂で表面修飾した形態で用いることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、硬化物を得ることができる。特に、本発明の硬化性樹脂組成物を基材の上等に塗布して硬化させることにより、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化層を基材上に形成してなる本発明の積層体とすることができる。また、このように、本発明の硬化性樹脂組成物を基材の上等に塗布し、フィルム状に硬化させることで、本発明のハードコートフィルム(ハードコート層)を得ることができる。また、基材として他の樹脂フィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させてハードコートフィルムを成形することで、他の樹脂フィルム上に本発明のハードコートフィルムを積層してなるフィルム積層体が得られる。
,000mJ/cm2以下となるよう照射することが好ましい。光源としては、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯等を用いることができる。
本発明のハードコートフィルムは、良好なアンチブロッキング性を有する。本発明のハードコートフィルムの良好なアンチブロッキング性は、ハードコート層において成分(A)と成分(B)とが相分離することで、表面に良好な凹凸を付与することによるものである。
を有する。例えば、本発明の硬化性樹脂組成物により乾燥後の塗膜厚さが2〜3μmとし、これを硬化させた場合のハードコートフィルムについて、JIS K−5600に従って測定した鉛筆硬度は、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
Tt(%)=(T1/T0)×100
なお、全光線透過率の測定は、例えば濁度計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
ハードコートフィルムのヘーズは、JIS K−7136(2000年)に準拠して、下記式より算出することができる。
H(%)=(Td/Tt)×100
H:ヘーズ(曇価)(%)
Td:拡散透光率(%)
Tt:全光線透過率(%)
なお、ヘーズは、例えば濁度計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明のハードコートフィルムを他の樹脂フィルム上に形成してなる本発明のフィルム積層体は、巻回してロール状にした場合に、良好なアンチブロッキング性が発揮され、このような態様に好ましく適用される。このようなロール状フィルム積層体は、基材となる樹脂フィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、硬化させて本発明のハードコートフィルムを形成し、ロール状に巻き付けていくことにより製造される。
本発明の硬化性樹脂組成物により基材上にハードコート層を形成してなる積層体は、これを光源と共に用いて表示装置に適用することができる。この場合、ハードコート層を形成する基材は透光性基材であることが好ましい。透光性基材としては、ハードコートフィルムを形成する基材として前述したものを用いることができる。また、光源は、好ましくは、基材の背面、すなわち基材のハードコート層形成面とは反対側の面に配置され、そこから基材に向けて光を照射する。
AN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In
Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Alignment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment)型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セル等を挙げることができる。このような表示装置は、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板等を備えていてもよい。
以下の実施例及び比較例で調製した塗液(硬化性樹脂組成物)を用いて製造した硬化膜(ハードコートフィルム)を用い、以下の方法によりアンチブロッキング性を評価した。
フィルム積層体を2枚用意し、23℃、相対湿度60%下で硬化膜面同士を重ね合わせ、指圧にて約1kgの荷重を負荷した後、硬化膜面同士が易滑性を有しているか否かを確認し、以下の基準でアンチブロッキング性の評価を行った。
○:滑らせることが可能であり、更に荷重をかけて滑らせることが可能であるもの
×:滑らせることは可能であるが、更に荷重をかけると滑らせにくくなるもの
以下の実施例及び比較例で用いた成分(A)は以下の方法で合成した。
温度計、攪拌機及び還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル157.3g、グリシジルメタクリレート98.0g、メチルメタクリレート1.0g、エチルアクリレート1.0g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.9g、及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0gを入れ、65℃
で3時間反応させた。その後、さらに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)0.5gを加えて3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル
138.1gとp−メトキシフェノール0.45gを加え100℃まで加熱した。次に、アクリル酸50.7g、及びトリフェニルホスフィン3.08gを添加して、110℃で6時間反応させることで、アクリロイル基とメトキシシリル基を有する、重量平均分子量(Mw)20,100でアクリロイル当量(アクリロイル基の導入量)4.47mmol/g、2級水酸基当量(2級水酸基の導入量)4.47mmol/gのアクリロイル共重合体を得た(固形分:30重量%)。このアクリロイル共重合体のSP値は17.8であった。以下、このアクリロイル共重合体を「A−1」と表記する。
機器 :東ソー株式会社製「HLC−8120GPC」
カラム:東ソー株式会社製「TSKgel Super H3000+H4000+H6000」
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器/内蔵)
溶媒 :テトラヒドロフラン
温度 :40℃
流速 :0.5ml/分
注入量:10μL
濃度 :0.2重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン換算
以下の実施例、比較例においては成分(B)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値12.4)を使用した。
以下の実施例、比較例においては成分(C)としてクラレ社製パラペット(登録商標)HR−L(メタクリル樹脂、ISO 1133に準拠したMFR(230℃、37. 3N):2g/10分(カタログ値)、重量平均分子量(Mw):80,700、SP値:13.7)をメチルエチルケトン(MEK)溶液(固形分:30重量%)として使用した。
(硬化性樹脂組成物の製造)
四つ口フラスコに、成分(A)として、樹脂(A−1)を5.0重量部(固形分)、成分(B)として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを93.0重量部、成分(C)としてパラペット(登録商標) HR−Lを0.5重量部(固形分)、レベリング剤としてポリフローNo.77(共栄社化学社製、アクリルポリマー、フェドアーズ法に基づくSP値:10.3(カタログ値))を1.0重量部配合した後、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製「イルガキュア(登録商標)184」)を5重量部加え、更にメチルエチルケトン142.7重量部を加えることで、硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物を、厚さ188μmの透明な二軸延伸PETフィルム(ヘーズ値0.8%;三菱樹脂社製 商品名:ダイアホイル(登録商標)O321E)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚さが2〜3μmとなるように塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した。
硬化性樹脂組成物の塗膜が形成されたPETフィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下15cmの位置で、アイグラフィック社製EYE UV METER UVPF−A1、PD365を使用して積算光量200mJ/cm2となる
ように紫外線を照射して、硬化膜を得た。
調製した硬化性樹脂組成物(塗液)と形成された硬化膜(ハードコートフィルム)について、前述の評価を行って、結果を表−1に示した。
用いた原料の配合量を表−1、表−2に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施して硬化性樹脂組成物を得た。これらの硬化性樹脂組成物を製造し、硬化膜を得た。また、それぞれ実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表−1、表−2に示す。
成分(C)を用いずに表−1、表−2に示す配合に変更した以外は実施例1と同様に実施し、硬化性樹脂組成物を得た。これらの硬化性樹脂組成物を製造し、硬化膜を得た。また、それぞれ実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表−1、表−2に示す。
表−1より、本発明に該当する実施例1〜4は、比較例1との対比から、良好なアンチブロッキング性を示すことがわかる。また、表−2より、実施例5〜8についても比較例2より良好なアンチブロッキング性を示していることがわかる。
Claims (15)
- 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含み、かつ成分(A)の溶解性パラメーター(SPA)が成分(B)の溶解性パラメーター(SPB)より大きいものであり、さらに成分(A)の溶解性パラメーター(SP A )および成分(B)の溶解性パラメーター(
SP B )が下記条件1を満たす硬化性樹脂組成物。
成分(A):重量平均分子量(Mw)が8,000以上40,000以下であり、溶解性パラメーター(SPA)が13.0以上20.0以下であり、2級水酸基当量(2級水
酸基の導入量)が1.0mmol/g以上10.0mmol/g以下である樹脂
成分(B):重量平均分子量(Mw)が8,000未満であり、溶解性パラメーター(SPB)が9.5以上14.0以下であり、かつ1個以上の(メタ)アクリロイル基を有
するモノマー及び/又はオリゴマー
成分(C):重量平均分子量(Mw)が40,000超過150,000以下である(メタ)アクリル樹脂
条件1:SP A −SP B >4.0 - 成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量に対し、成分(A)を0.1〜30.0重量%、成分(B)を50.0〜99.8重量%、成分(C)を0.1〜40.0重量%含む、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 成分(A)の溶解性パラメーター(SPA)が成分(C)の溶解性パラメーター(SPC)よりも大きく、かつ成分(C)の溶解性パラメーター(SPC)が9.5以上14.0
以下である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。 - 成分(A)の溶解性パラメーター(SPA)、成分(B)の溶解性パラメーター(SPB)及び成分(C)の溶解性パラメーター(SPC)が条件2を満たす、請求項1乃至3の
いずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
条件2:|SPA−SPC|−|SPB−SPC|>0 - 成分(A)が、水素結合性基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記水素結合性基が水酸基である、請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
- 成分(C)のメルトフローレート(230℃、37.3N)が、0.1〜30g/10分である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 成分(A)の(メタ)アクリロイル当量が1.0mmol/g以上10.0mmol/g以下である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 成分(B)が、一分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレートである、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記多官能(メタ)アクリレートとして、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む、請求項9に記載の硬化性樹脂組成物。
- 成分(A)が、オキシラン構造を有する化合物の開環・付加反応によるものである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化層を
基材上に形成してなる積層体。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなるハードコートフィルム。
- 請求項14に記載のハードコートフィルムを他の樹脂フィルムと積層させてなるフィルム積層体。
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