JP4846177B2 - 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物、及びそれに有用な新規な有機無機複合体、ならびにその製造方法に関する。さらに本発明は、耐摩耗性に優れた硬化被膜を表面に有する物品にも関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチック製品、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン等は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性などに優れているので種々の用途に使用されている。しかしながら、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため傷がつき易く、ポリカーボネートのような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観を著しく損なうという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。このため、これらプラスチック製品に耐摩耗性を付与し表面硬度を高める活性エネルギー線硬化性ハードコート材料が求められている。
さらに、これらプラスチック製品の表面にハードコート処理を行う場合、活エネルギー線で硬化する前に成形加工したり、また、ハードコート剤をプラスック製品の表面に直接塗布するのではなくて、他の基材に塗布し、必要であれ印刷、接着層の塗布等の加工の後、ハードコート層をプラスチック製品の表面転写したりするため、溶剤を乾燥した時点で被膜が形成され、耐摩耗性に優れ活性エネルギー線硬化性樹脂が求められている。
【0003】
活性エネルギー線硬化性ハードコート剤としては、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用いるハードコート剤が、特公昭53−43553号公報及び特公昭57−20968号公報に開示されている。さらに、これらハードコート剤の耐摩耗性を向上するため、多官能アクリレートとシリカゾルを併用することが、特表昭57−500984号公報、特開平3−56514号公報、特開平5−287215公報、及び特開平10−81839号公報に開示されている。これらに開示されているハードコート剤を用いると、耐摩耗性は向上するが、溶剤を乾燥した時点(活性エネルギー線を照射する前)においてはまだ液状であり、成形、印刷、転写等の加工を行うことはできない。
活性エネルギー線照射前の被膜形成性を付与するため、多官能アクリレートにオリゴマー又はポリマーを添加することが特開昭62−62869号公報に、また多官能アクリレートにアクリル樹脂及びシリカゾルを添加することが特開平6−100799号公報に開示されている。これらに開示されているハードコート剤は、溶剤を乾燥した時点で被膜形成性が付与されるが、オリゴマー、ポリマー等を添加するに従い、耐摩耗性が低下し、ハードコート本来の性能が犠牲になるという問題があった。
【0004】
一方、アルコキシシリル基を含有する有機樹脂とシリカゾルとを反応して得られる有機無機複合体が特公平2−9067号公報に、またカルボキシル基を含有するアクリル共重合体とシリケートとを反応して得られる有機無機複合体が特公昭56−15732号公報に開示されているが、これらは被膜形成性は良好であるが、活性エネルギー線硬化性はなく、ハードコートとしての耐摩耗性は不充分なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題に鑑みなされたものであって、耐摩耗性に優れた硬化被膜を形成可能であるとともに、被膜形成性に優れた活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、耐摩耗性に優れるとともに、硬化させる前に加工処理が可能で、種々の形態の硬化被膜を形成可能な活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、耐摩耗性および透明性に優れた被膜を形成可能であるとともに、被膜形成性に優れた活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、活性エネルギー線硬化性を有する新規な有機無機複合体及びその製造方法を提供することを課題とする。さらに、本発明は、耐摩耗性に優れた硬化被膜を表面に有する硬化被膜形成物品を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、重合体(ポリマー)成分に(メタ)アクリロイル基を導入し重合体そのものに活性エネルギー線硬化性を付与するとともに、さらにこの重合体を、無機成分であるシリカゾル又はシリケートとスルフィド結合を介して結合させることにより、優れた被膜形成性及び耐摩耗性を併せ持つ被膜を形成可能であることを見出し、本発明を提供するに至った。
なお、本明細書において、「被膜形成性」とは、溶剤を含む液状の組成物を、塗布後、乾燥して溶剤を除去した時点での被膜形成性をいうものとする。
【0007】
即ち、上記課題を解決するため、本発明の有機無機複合体は、(メタ)アクリロイル基を有する重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合してなることを特徴とする。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基及びアクリロイル基の双方を含む意味で用いる。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明の有機無機複合体の製造方法は、(メタ)アクリロイル基を有する重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体の製造方法であって、メルカプト基含有シランカップリング剤とシリカゾル及び/又はシリケートとを加水分解縮合し、メルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートを合成する第1の工程と、前記第1の工程で合成したメルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートの存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、シリカゾル及び/又はシリケートにスルフィド結合を介して結合したエポキシ基を有する重合体を合成する第2の工程と、前記第2の工程で合成した重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる第3の工程とを含む方法;又は、メルカプト基含有シランカップリング剤の存在下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合して、前記シランカップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含有重合体を合成する第1の工程と、前記第1の工程で合成したエポキシ基含有重合体にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる第2の工程と、前記第2の工程で合成した(メタ)アクリロイル基を有する重合体にシリカゾル及び/またはシリケートとを加水分解縮合する第3の工程とを含む方法;である。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上記有機無機複合体と、溶剤とを含有することを特徴とする。
本発明の一態様として、さらに、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートを、前記有機無機複合体100重量部に対して30重量部以下と、光重合開始剤とを含有する上記活性エネルギー線硬化性組成物が提供される。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明の硬化被膜形成物品は、上記活性エネルギー線硬化性組成物を基材の面に供給し、乾燥して被膜とした後、前記基材及び/又は前記被膜を加工(成形、印刷及び転写を含む)し、その後、前記被膜に活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成してなることを特徴とする。
【0011】
また、別の観点から、本発明によって、(メタ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体を、前記(メタ)アクリロイル基を重合することによって硬化させてなる硬化膜;上記活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗布して塗布層を形成する塗布工程と、前記塗布層を乾燥して被膜とする乾燥工程と、前記乾燥工程の後、前記基材及び/又は前記被膜を加工(成形、印刷及び転写を含む)する加工工程と、前記加工工程の後、前記被膜に活性エネルギー線を照射して硬化被膜とする硬化工程を含む硬化被膜形成方法;前記硬化工程の後、前記硬化被膜を他の基材に転写する転写工程を含む前記硬化被膜形成方法;が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を構成する各成分について説明する。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、特定の構造を有する(A)有機無機複合体と(B)溶剤とを含有する。さらに、所望により、(C)多官能アクリレート及び/又は(D)光重合開始剤を含有する。
【0013】
(A)有機無機複合体
本発明の有機無機複合体は、スルフィド結合を介し(メタ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾル及び/又はシリケートとが結合してなる。前記有機無機複合体は、特にその構造、分子量、粘度等は制限されない。
【0014】
本発明の有機無機複合体の製造方法は特に限定されるものではないが、以下の製法1及び製法2により製造するのが好ましい。
製法1:
メルカプト基含有シランカップリング剤とシリカゾル及び/又はシリケートを加水分解及び縮合し、メルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートを合成する(第1の工程)。
次に、前記第1の工程で製造されたメルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートの存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体の少なくとも1種をラジカル重合する(第2の工程)。
次に、第2の工程で合成した重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させる(第3の工程)。
製法2:
メルカプト基含有シランカップリング剤の存在下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、前記シランカップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含有重合体を合成する(第1の工程)。
次に前記第1の工程で合成したエポキシ基を有する重合体にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる(第2の工程)。
次に、前記第2の工程で合成した(メタ)アクリロイル基を有する重合体にシリカゾル及び/またはシリケートとを加水分解縮合する(第3の工程)。
【0015】
前記製法1及び2の第1の工程に用いられるメルカプト基含有シランカップリング剤は、1分子中にメルカプト基とアルコキシシリル基とを有するものであれば特にその構造は制限されない。例えば、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン(例えば信越シリコーンより「KBM803」の商品名で、東レダウコーニングシリコンより「SH6062」の商品名で入手可能)、トリエトキシシリルプロピルメルカプタン等を挙げることができる。
【0016】
前記製法1の第1の工程及び製法2の第3の工程で用いられるシリカゾルとしては、例えば、水、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、キシレン及びこれらの混合溶剤を分散媒とし、粒子径が5〜30nmのシリカを、その固形分として10〜40重量%含有するシリカゾルが好ましい。特に、有機溶剤に分散したシリカゾルを利用すると、塗膜とした場合に、高い透明性を発現するので好ましい。代表的には水酸基を有する溶剤、又はケトン基を有する極性溶媒に分散したオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。具体的には、「IPA−ST」(IPA分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MEK−ST」(MEK分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MIBK−ST」(MIBK分散オルガノシリカゾル、日産化学)等、又はこれらを原料に他の水酸基を有する溶剤に溶媒置換したゾル(例えばPGM分散オルガノシリカゾル等)を挙げることができる。
【0017】
前記製法1の第1の工程及び製法2の第3の工程で用いられるシリケートとしては、以下の一般式(I)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
【0018】
一般式(I)
【化1】
【0019】
式中、Rはそれぞれ異なっていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、nは0〜11のいずれかの整数を表す。
【0020】
上記一般式で表されるシリケートとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロピルシラン、テトラn−ブチルシラン、またこれらテトラアルコキシシランを加水分解縮合することにより得られるポリアルコキシシロキサンが挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシランの20〜60%の加水分解縮合物であるポリメトキシシロキサンが好ましい。ポリメトキシシロキサンの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシランの常法による加水分解縮合物から、モノマー成分を除去して、実質的にモノマー成分を含まないようにするのが毒性の問題からも好ましい。これらのポリメトキシシロキサンは、例えば三菱化学(株)より、「MKCシリケートMS51」(加水分解率40%、n=4)、「MKCシリケートMS56」(加水分解率50%、n=8)の商品名で入手することができる。
【0021】
前記製法1の第1の工程、及び前記製法2の第3の工程では、メルカプト基含有シランカップリング剤(製法2では(メタ)アクリロイル基を有する重合体中に存在するシランカップリング剤)とシリカゾル及び/又はシリケートとを加水分解縮合させる。
メルカプト基含有シランカップリング剤とシリカゾルとの加水分解縮合反応は、この混合物に水を添加することにより行われる。メルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基が水で加水分解しシラノール基を生成し、次いでこのシラノール基とシリカゾル表面のシラノール基の縮合反応がおこり、メルカプト基を表面に有するシリカゾルが得られる。
また、メルカプト基含有シランカップリング剤とシリケートの加水分解縮合反応は、この混合物に水を添加することにより行われる。メルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基とシリケートのアルコキシシリル基が水で加水分解することによりシラノール基が生成し、これらシラノール基の間で縮合反応がおこり、メルカプト基を有するシリケートが得られる。
【0022】
また、メルカプト基含有シランカップリング剤とシリカゾルとシリケートとの加水分解縮合反応は、この混合物に水を添加することにより行われる。メルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基とシリケートのアルコキシシリル基が水で加水分解することによりシラノール基が生成し、これらシラノール基とシリカゾル表面のシラノール基の間で縮合反応がおこり、メルカプト基を有するシリカゾルとシリケートが得られる。
水の添加量はメルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基とシリケートのアルコキシシリル基が理論量として100%加水分解し得る量以上の量であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加する。
【0023】
この加水分解反応を促進するため、加水分解触媒を反応系に添加することができる。加水分解触媒としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アルミニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプテタンジオネート、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシドエチルアセトアセテート、ホウ酸ブトキシド、酢酸、塩酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート、p−トルエンスルホン酸及びこれらの混合物を使用することができる。その使用量はメルカプト基含有シランカップリング剤とシリケートの合計量100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
反応は室温から100℃、1時間〜100時間、好ましくは室温で4時間以上反応の後、室温〜70℃で1〜10時間加熱し、反応を進行させる。また副反応を抑えるため、溶媒で反応系を希釈してもよい。用いられる溶媒としては用いる水、触媒との相溶性があるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有エーテル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステル類等を挙げることができる。
【0024】
反応系におけるメルカプト基含有シランカップリング剤とシリカゾル及び/又はシリケート(固形分)との重量比は、0.1/99.9〜10/90であるのが好ましく、1/99〜5/95であるのがより好ましい。メルカプト基含有シランカップリング剤の重量比率が0.1未満であると、シリカゾル及びシリケートと結合するメルカプト基量が少なく、エポキシ基を含有する重合体と結合する部位が少なくなるため、重合体とシリカゾル及び/又はシリケートとの有機無機複合体が安定的に製造できない傾向がある。一方、メルカプト基含有シランカップリング剤の重量比率が10を超えても、エポキシ基を有する重合体に対する結合部位の割合はすでに充分であり、これ以上のメルカプト基含有シランカップリング剤を使用しても実用的でない。
【0025】
前記製法1の第2の工程、及び前記製法2の第1の工程で用いられるエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体(以下、「エポキシ基を有する単量体」という場合がある)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート[本明細書で表記している(メタ)アクリルはメタクリル及びアクリルの両方の意味を表す]、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等を挙げることができる。必要であれば、前記エポキシ基を有する単量体を、他の単量体と共にラジカル共重合することもできる。前記エポキシ基を有する単量体と併用可能な他の単量体は、1個のラジカル重合性基を有する単量体である。具体的には、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、スチレン等を挙げることができる。
【0026】
前記エポキシ基を有する単量体とともに、他の単量体を併用する場合は、前記エポキシ基を有する単量体と他の単量体とは、重量比が100/0〜10/90の割合で用いられるのが好ましく、100/0〜30/70の割合で用いられるのがより好ましい。前記エポキシ基を有する単量体の割合が10重量%未満であると、後述する第3の工程において導入される(メタ)アクリロイル基の導入量が少なくなり、被膜を形成した場合に、充分な耐摩耗性が得られない。
【0027】
単量体(エポキシ基を有する単量体及び所望により併用される他の単量体)と、無機成分(前記製法1では第1の工程で、前記製法2では第3の工程で用いられるシリカゾル及び/又はシリケートの固形分)とは、重量比30/70〜99/1とするのが好ましく、50/50〜95/5とするのがより好ましい。無機成分であるシリカゾル及び/又はシリケートの重量比率が70を超えると、安定な有機無機複合体が得られない。一方、1未満であると、形成される被膜の耐摩耗性が不充分になる傾向がある。
【0028】
このラジカル重合反応は、溶剤中で通常のラジカル重合開始剤を用いて行われる。
溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられ、またこれらを混合使用することもできる。
【0029】
重合反応に使用するラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好適に用いられる。
反応系における単量体の濃度は、通常10〜60重量%であり、重合開始剤は、通常単量体の総重量に対して0.1〜10重量%である。
【0030】
前記製法1では第3の工程で、前記製法2では第2の工程で用いられるカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリロイル基導入試薬」という)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体等を挙げることができる。
【0031】
前記製法1では第3の工程、及び前記製法2では第2の工程で、重合体が有するエポキシ基と、(メタ)アクリロイル基導入試薬が有するカルボキシル基とが反応する。重合体と(メタ)アクリロイル基導入試薬とは、エポキシ基/カルボキシル基が1以上となる割合で混合するのが好ましく、1〜10となる割合で混合するのがより好ましい。
反応は、温度50〜110℃で3〜50時間行うのが好ましい。本反応では、反応を促進させるために、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の公知の触媒を使用することができる。その使用量は、反応混合物に対して0.01〜5重量%であるのが好ましく、0.05〜2重量%であるのがより好ましい。
【0032】
また、本反応では(メタ)アクリロイル基によるラジカル重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%であるのが好ましく、0.05〜0.5重量%であるのがより好ましい。
【0033】
(B)溶剤
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は溶剤を含有する。前記(A)有機無機複合体は、前記溶剤に溶解及び/又は分散した状態にある。溶剤を含有させることにより、種々の材料からなる基材の表面に塗工可能な液状の形態になる。前記溶剤は、前記有機無機複合体の各製造工程に用いられる種々の反応溶媒であってもよく、例えば、前記製法1の第1の工程で使用されるシリカゾル及び/又はシリケートの分散媒であっても、また前記製法1の第2の工程の反応に用いられる溶媒であってもよい。さらに、前記有機無機複合体を製造した後に、粘度調整のために用いられる溶剤であってもよい。
前記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられ、またこれらを混合使用することもできる。
【0034】
(C)分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、形成される被膜の耐摩耗性をさらに向上させる目的で、溶剤を乾燥した後の塗膜形成性を阻害しない範囲で、2個以上の重合性基を有する単量体を含有させることができる。少ない添加量で耐摩耗性を向上するためには、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(以下、単に「多官能アクリレート」という)が好ましい。
前記多官能アクリレートとしては、例えば、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
【0035】
(D)光重合開始剤
本発明の硬化性組成物には、活性エネルギー線を照射されることによってラジカル等を発生する光重合開始剤を含有させることができる。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、光重合開始剤を含有させるのが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することもできる。
【0036】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、(A)有機無機複合体と、(B)溶剤と、所望により(C)多官能アクリレート及び/又は(D)光重合開始剤とを混合して、調製することができる。
(C)多官能アクリレートの使用量は、(A)有機無機複合体の100重量部に対して30重量部以下であるのが好ましい。30重量部を超えると、溶剤を乾燥した時点においても被膜形成性が充分でなくなり、活性エネルギー線照射前に、基材全体及び塗膜に成形、印刷、転写等の加工ができなくなる。
紫外線を用いて硬化する際の(D)光重合開始剤の使用量は、(A)有機無機複合体と(C)多官能アクリレートとの合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、1〜5重量部であるのがより好ましい。
【0037】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、硬化被膜物性を改良する目的で、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、レベリング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を、被膜形成成分の重量に対し、それぞれ0.01〜2重量%を配合することができる。
【0038】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射により、(A)有機無機複合体が有する(メタ)アクリロイル基が重合して、又は所望により添加される(C)多官能アクリレートとともに重合して、硬化し、硬化被膜を形成する。形成された被膜は、スルフィド結合を介して結合した有機成分(重合体)および無機成分(シリカゾル及び/又はシリケート)を含んでいるので、耐摩耗性に優れている。また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は被膜形成性にも優れているので、基材の表面に塗工して、溶剤を乾燥した時点で被膜を形成する。従って、被膜を硬化させる前に、基材の全体に又は被膜のみに、成形、印刷、転写等の加工を施し、種々の形態としてから硬化させることができ、容易に所望の形態の硬化膜及び硬化被膜形成物品が得られる点でも有利である。
【0039】
以下、本発明の硬化性組成物を利用した硬化被膜の形成方法及び硬化被膜形成物品の製造方法について説明する。
まず、本発明の硬化性組成物を基材表面に供給する。前記基材の材質には特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン、合成紙、紙等からなる基材のいずれにも適用することができる。また、前記基材の形態についても特に制限はなく、シート状、フィルム状、成形体等いずれの形態であってもよい。
【0040】
前記硬化性組成物の基材への供給は、通常、塗布により行う。塗布方法についても特に制限されず、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、バーコート法等のいずれの方法によって塗布することもできる。また、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート及びエアーナイフコート等のいずれの塗工器具によって塗布することもできる。また、印刷等により画像様に供給することもできる。
なお、塗布量については特に制限されないが、活性エネルギー線の照射によって硬化した被膜の膜厚が、1〜50μm、好ましくは1〜20μmとなるように塗工する。
【0041】
本発明の硬化性組成物を基材に供給した後、乾燥して溶剤を除去する。本発明の硬化性組成物は被膜形成性に優れているので、この時点で加工可能な被膜となる。乾燥条件は、基材の材質、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜120℃で1〜30分間行い、好ましくは50〜100℃で1〜5分間行う。
【0042】
乾燥して、溶剤を除去した後、必要に応じ、基材全体に又は被膜のみに、成形、印刷、転写等の加工処理を施すことができる。具体的には、硬化性組成物を塗布した基材を適当な温度に加熱後、真空成形、真空圧空成形、圧空成形、マット成形等の方法を用いて、基材全体を成形することができる。また、干渉縞等の凸凹形状をCDやレコードの表面に加工し複製するのと同様、形成された被膜上にエンボス成形することもできる。また、形成された被膜上に、通常の印刷機を用いて、印刷加工することができる。さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような基材に、本発明の硬化性組成物を塗布、乾燥した後、所望により前述の印刷加工、エンボス成形等を行い、その後、所望により接着層を塗布して、他の基材に転写することもできる。
【0043】
次に、形成された被膜に、活性エネルギー線を照射して、硬化させる。被膜に含有される有機無機複合体が有する(メタ)アクリロイル基が単独で、又は所望により多官能アクリレートとともに重合して、硬化し、硬化被膜となる。前記硬化被膜は、有機成分(重合体)及び無機成分(シリカゾル及び/又はシリケート)を含んでいるので、耐摩耗性に優れている。活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
この様にして、本発明の硬化性組成物からなる硬化被膜が形成されてなる硬化被膜形成物品を作製できる。被膜を硬化させた後、さらに、物品全体を又は前記硬化被膜を加工(成形、印刷、転写を含む)することもできる。
【0044】
【実施例】
以下に合成例及び実施例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下の合成例及び実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるものではない。なお、合成例及び実施例に記載される「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
【0045】
(合成例1:製法1による有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを分散媒とするシリカゾル166.7部(固形分:30%)に、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンを3部、水を0.8部及びアセチルアセトンアルミニウムを0.03部、添加し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はトリメトキシシリルプロピルメルカプタンを理論量100%加水分解し得る量に対し194%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンとシリカゾル表面のシラノール基とを加水分解縮合することにより、メルカプト基を表面に有するシリカゾルを得た。
上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液、グリシジルメタアクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート240部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で6時間反応して、スルフィド基を介してシリカゾルと結合したエポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0046】
得られた反応生成物にアクリル酸45.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.4部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し、100℃で12時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとが結合した構造を有する有機無機複合体[I](固形分30%)を得た。
【0047】
(合成例2:製法1による有機無機複合体の合成例)
メチルイソブチルケトンを分散媒とするシリカゾル166.7部(固形分:30%)に、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン3部、水0.8部及びアセチルアセトンアルミニウム0.03部を添加し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はトリメトキシシリルプロピルメルカプタンを理論量100%加水分解し得る量に対し194%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンとシリカゾル表面のシラノール基を加水分解縮合することにより、メルカプト基を表面に有するシリカゾルを得た。
上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート90部、メチルメタクリレート10部、及びメチルイソブチルケトン240部の混合物を加熱して、80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介しシリカゾルと結合したエポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0048】
得られた反応生成物に、アクリル酸30部、メチルイソブチルケトン70部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し100℃で12時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとが結合する構造を有する有機無機複合体[II](固形分30%)を得た。
【0049】
(合成例3:製法1による有機無機複合体の合成例)
ポリメトキシシロキサン(三菱化学製:MKCシリケートMS51)98部に、プロピレングリコールモノメチルエーテル200部、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン3部、水22部及びアセチルアセトンアルミニウム1部を添加し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はポリメトキシシロキサンとトリメトキシシリルプロピルメルカプタンを、理論量100%加水分解し得る量に対し110%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンとポリメトキシシロキサンのシラノール基を加水分解縮合することにより、メルカプト基を有するポリメトキシシロキサンを得た。
上記で得られたメルカプト基を有するポリメトキシシロキサン溶液、グリシジルメタクリレート80部、メチルメタクリレート20部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル180部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介しポリメトキシシロキサンと結合したエポキシ基含有重合体(固形分30%)を得た。
【0050】
得られた反応生成物にアクリル酸36.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル85.2部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し、90℃で20時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とポリメトキシシロキサンとが結合する構造を有する有機無機複合体[III](固形分30%)を得た。
【0051】
(合成例4:製法1による有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルを分散媒とするシリカゾル133.3部(固形分:30%)、ポリメトキシシロキサン(三菱化学製:MKCシリケートMS51)19.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテル106.7部、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン3部、水5部及びアセチルアセトンアルミニウム0.3部を添加し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はポリメトキシシロキサンとトリメトキシシリルプロピルメルカプタンを理論量100%加水分解し得る量に対し115%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンとポリメトキシシロキサンとシリカゾル表面のシラノール基を加水分解縮合することにより、メルカプト基を有するシリカゾルとポリメトキシシロキサンを得た。
【0052】
上記で得られたメルカプト基を有するシリカゾルとポリメトキシシロキサン溶液、グリシジルメタクリレート90部、スチレン10部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル160部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド基を介しポリメトキシシロキサンと結合したエポキシ基含有重合体(固形分30%)を得た。
得られた反応生成物にアクリル酸41部、プロピレングリコールモノメチルエーテル95.7部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し90℃で20時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカゾルとポリメトキシシロキサンとが結合した構造を有する有機無機複合体[IV](固形分30%)を得た。
【0053】
(合成例5:製法2による有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート139.5部と、グリシジルメタクリレート90部と、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン3.0部とを混合し、該混合物を加熱して65℃に達した時、及び65℃に達してから3時間後にそれぞれ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.94部ずつ添加し、さらに65℃にて3時間反応し重合体(固形分40%)を得た。
得られた重合体にアクリル酸51.7部、トリフェニルホスフィン1.45部、p−メトキシフェノール0.29部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート198.2部を添加し、110℃にて10時間反応しアクリロイル基を有する共重合体を得た。
上記で得られたアクリロイル基を有する共重合体にメチルエチルケトンを分散媒とするシリカゾル171.9部(固形分30%)、水1.0部、アセチルアセトンアルミニウム0.05部を添加し、70℃で4時間反応し有機無機複合体[V](固形分30%)を得た。
【0054】
(合成例6:製法2による有機無機複合体の合成例)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート139.5部に、グリシジルメタクリレート90部、及びトリメトキシシリルプロピルメルカプタン3.0部を混合し、該混合物を加熱して65℃に達した時、及び65℃に達してから3時間後にそれぞれ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.94部ずつ添加し、さらに65℃にて3時間反応し重合体(固形分40%)を得た。
得られた重合体にアクリル酸46.7部、ペンタエリスリトールトリアクリレート無水コハク酸付加物(東亞合成社製、商品名アリニックスTO−756)32.8部、トリフェニルホスフィン1.73部、p−メトキシフェノール0.29部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート263.0部を添加し、110℃にて10時間反応しアクリロイル基を有する共重合体を得た。
上記で得られたアクリロイル基を有する共重合体に、メチルエチルケトンを分散媒とするシリカゾル191.62部(固形分30%)、水1.0部、アセチルアセトンアルミニウム0.05部を添加し70℃で4時間反応し、有機無機複合体[VI](固形分30%)を得た。
【0055】
(合成例7:(メタ)アクリロイル基を有さない有機無機複合体の合成例(比較例用))
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを分散媒とするシリカゾル166.7部(固形分:30%)に、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン3部、水0.8部及びアセチルアセトンアルミニウム0.03部を添加し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はトリメトキシシリルプロピルメルカプタンを理論量100%加水分解し得る量に対し194%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンとシリカゾル表面のシラノール基を加水分解縮合することにより、メルカプト基を表面に有するシリカゾルを得た。
上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカゾル溶液、グリシジルメタクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート240部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で6時間反応して、スルフィド基を介しシリカゾルと結合したエポキシ基含有有機無機複合体[VII](固形分30%)を得た。
【0056】
(合成例8:(メタ)アクリロイル基を有する重合体の合成例(比較例用))
グリシジルメタクリレート100部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート233.3部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で6時間反応して、エポキシ基含有重合体(固形分30%)を得た。
得られた反応生成物にアクリル酸45.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.4部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し、100℃で12時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導入し、アクリロイル基を有する重合体[VIII](固形分30%)を得た。
【0057】
(実施例1〜8及び比較例1〜2:活性エネルギー線硬化性組成物の製造例)
有機無機複合体[I]〜[VII]及び重合体[VIII]のいずれか1種と、溶剤と、必要に応じて分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートと、光重合開始剤とを、表1に示す割合で均一に配合して活性エネルギー線硬化性組成物を調製した(実施例1〜8及び比較例1〜2)。
【0058】
【表1】
【0059】
I〜VIII : 合成例1〜8参照
PGMEA : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MIBK : メチルイソブチルケトン
PGM : プロピレングリコールモノメチルエーテル
DPHA : ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
TAEI : トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート
イルガキュア184 : 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
【0060】
各活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ100μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ値 1.4%;三菱化学ポリエステル社製;商品名「T600E」)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が6μmとなるように塗布し、80℃で2分間加熱乾燥した。
得られた塗布フィルムについて、指触によりタックの有無を確認し、タックのないものは被膜形成性良好(○)、タックのあるものは被膜形成性不良(×)とした。
【0061】
次いで、この塗布フィルムを、出力密度120W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下10cmの位置で、コンベアスピード3m/分の条件で紫外線を照射して塗膜を硬化させた。
各硬化被膜を23℃、相対湿度60%の恒温室に24時間放置した後、各硬化被膜の透明性をJIS K−7105に従って、ヘイズ値(H%)で評価した。また、摩耗輪(Calibrase社製:CS−10F)を用いて、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘイズ値とテーバー摩耗試験前のヘイズ値との差ΔH%を測定することによって耐摩耗性を評価した。
評価結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
(実施例9:活性エネルギー線硬化性組成物の応用例)
実施例1で得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、透明な2mm厚のポリカーボネート板に、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるように塗布し、100℃で2分間加熱乾燥した後、ヒーター温度400℃で70秒加熱後、絞り比(H/D)0.2で真空成形し、次いで紫外線を照射してハードコート処理ポリカーボネート成形品を得た。得られた硬化性組成物は優れた耐摩耗性表面を与えるだけでなく、成形加工性にも優れていた。
【0064】
(実施例10:活性エネルギー線硬化性組成物の応用例)
実施例1で得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が10μmとなるように塗布した。100℃で2分間加熱乾燥した後、塗膜の上にグラビア印刷法で絵柄印刷し、さらにヒートシール用のアクリル系接着剤(ホットスタンプ剤)を塗工した。ポリカーボネート板の上に、前記アクリル系接着剤面を下にしてフィルム面側から熱ロールにて加温後、ポリエチレンテレフタレートフィルム側より紫外線を照射した。次いで、フィルムを剥離し、ハードコート層をポリカーボネート板上に転写した。本硬化性組成物は優れた耐摩耗性表面を与えるだけでなく、印刷、転写の加工性にも優れていた。
【0065】
(実施例11:活性エネルギー線硬化性組成物の応用例)
実施例1で得られた活性エネルギー線硬化性組成物を、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるように塗布し、100℃で2分間加熱乾燥した。その後、塗膜上にレーザー光を用いて作ったマスターホログラムから引き続き作製したプレススタンパーにより150℃で加熱プレスして微細な凸凹層を形成させた。次いで紫外線を照射して凸凹層が形成された活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた。さらに、真空蒸着法によりアルミニウム層をこの上に蒸着し、ヒートシール用のアクリル系接着剤(ホットスタンプ剤)を塗工した後、クレジットカードの上に、前記アクリル系接着剤面を下にしてフィルム面側から熱ロールにて熱転写を行い、次いで、フィルムを剥し、クレジットカードの上にホログラムを形成した。本硬化性組成物は優れた耐摩耗性表面を与えるだけでなく、スタンパー加工および転写の加工性に優れていた。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、耐摩耗性に優れた硬化被膜を形成可能であるとともに、被膜形成性に優れた活性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、耐摩耗性に優れるとともに、硬化させる前に加工処理が可能で、種々の形態の硬化被膜を形成可能な活性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、活性エネルギー線硬化性を有する新規な有機無機複合体及びその製造方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、耐摩耗性に優れた硬化被膜を表面に有する硬化被膜形成物品を提供することができる。
Claims (6)
- (メタ)アクリロイル基を有する重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体。
- メルカプト基含有シランカップリング剤とシリカゾル及び/又はシリケートとを加水分解縮合し、メルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートを合成する第1の工程と、前記第1の工程で合成したメルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートの存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、シリカゾル及び/又はシリケートにスルフィド結合を介して結合したエポキシ基を有する重合体を合成する第2の工程と、前記第2の工程で合成した重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる第3の工程とを含む、(メタ)アクリロイル基を有する重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体の製造方法。
- メルカプト基含有シランカップリング剤の存在下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共重合して、前記シランカップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含有重合体を合成する第1の工程と、前記第1の工程で合成したエポキシ基含有重合体にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる第2の工程と、前記第2の工程で合成した(メタ)アクリロイル基を有する重合体にシリカゾル及び/またはシリケートとを加水分解縮合する第3の工程とを含む、(メタ)アクリロイル基を有する重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体の製造方法。
- 請求項1に記載の有機無機複合体と、溶剤とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
- さらに、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートを、前記有機無機複合体100重量部に対して30重量部以下と、光重合開始剤とを含有する請求項4に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項4又は5に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を基材の面に供給し、乾燥して被膜とした後、前記基材及び/又は前記被膜を加工し、その後、前記被膜に活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成してなる硬化被膜形成物品。
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