JP2003321622A - 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品 - Google Patents

有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品

Info

Publication number
JP2003321622A
JP2003321622A JP2002309409A JP2002309409A JP2003321622A JP 2003321622 A JP2003321622 A JP 2003321622A JP 2002309409 A JP2002309409 A JP 2002309409A JP 2002309409 A JP2002309409 A JP 2002309409A JP 2003321622 A JP2003321622 A JP 2003321622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silica sol
meth
polymer
silicate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002309409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4846177B2 (ja
Inventor
Hiroshi Kusaka
央 草香
Noritaka Hosokawa
範孝 細川
Makoto Terauchi
真 寺内
Kazuhide Hayama
和秀 葉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2002309409A priority Critical patent/JP4846177B2/ja
Publication of JP2003321622A publication Critical patent/JP2003321622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4846177B2 publication Critical patent/JP4846177B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れた被膜を形成可能な活性エネ
ルギー線硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリロイル基を有する重合体
と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結
合を介して結合してなる有機無機複合体と、溶剤とを含
有する活性エネルギー線硬化性組成物である。好ましく
は、さらに、多官能アクリレートと光重合開始剤とを含
有する前記活性エネルギー線硬化性組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
硬化性組成物、及びそれに有用な新規な有機無機複合
体、ならびにその製造方法に関する。さらに本発明は、
耐摩耗性に優れた硬化被膜を表面に有する物品にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック製品、例えば、ポ
リカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
レンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢
酸セルロース、ポリプロピレン等は、その軽量性、易加
工性、耐衝撃性などに優れているので種々の用途に使用
されている。しかしながら、これらプラスチック製品は
表面硬度が低いため傷がつき易く、ポリカーボネートの
ような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透
明性あるいは外観を著しく損なうという欠点があり、耐
摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を
困難なものとしている。このため、これらプラスチック
製品に耐摩耗性を付与し表面硬度を高める活性エネルギ
ー線硬化性ハードコート材料が求められている。さら
に、これらプラスチック製品の表面にハードコート処理
を行う場合、活エネルギー線で硬化する前に成形加工し
たり、また、ハードコート剤をプラスック製品の表面に
直接塗布するのではなくて、他の基材に塗布し、必要で
あれ印刷、接着層の塗布等の加工の後、ハードコート層
をプラスチック製品の表面転写したりするため、溶剤を
乾燥した時点で被膜が形成され、耐摩耗性に優れ活性エ
ネルギー線硬化性樹脂が求められている。
【0003】活性エネルギー線硬化性ハードコート剤と
しては、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用
いるハードコート剤が、特公昭53−43553号公報
及び特公昭57−20968号公報に開示されている。
さらに、これらハードコート剤の耐摩耗性を向上するた
め、多官能アクリレートとシリカゾルを併用すること
が、特表昭57−500984号公報、特開平3−56
514号公報、特開平5−287215公報、及び特開
平10−81839号公報に開示されている。これらに
開示されているハードコート剤を用いると、耐摩耗性は
向上するが、溶剤を乾燥した時点(活性エネルギー線を
照射する前)においてはまだ液状であり、成形、印刷、
転写等の加工を行うことはできない。活性エネルギー線
照射前の被膜形成性を付与するため、多官能アクリレー
トにオリゴマー又はポリマーを添加することが特開昭6
2−62869号公報に、また多官能アクリレートにア
クリル樹脂及びシリカゾルを添加することが特開平6−
100799号公報に開示されている。これらに開示さ
れているハードコート剤は、溶剤を乾燥した時点で被膜
形成性が付与されるが、オリゴマー、ポリマー等を添加
するに従い、耐摩耗性が低下し、ハードコート本来の性
能が犠牲になるという問題があった。
【0004】一方、アルコキシシリル基を含有する有機
樹脂とシリカゾルとを反応して得られる有機無機複合体
が特公平2−9067号公報に、またカルボキシル基を
含有するアクリル共重合体とシリケートとを反応して得
られる有機無機複合体が特公昭56−15732号公報
に開示されているが、これらは被膜形成性は良好である
が、活性エネルギー線硬化性はなく、ハードコートとし
ての耐摩耗性は不充分なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記諸問題に
鑑みなされたものであって、耐摩耗性に優れた硬化被膜
を形成可能であるとともに、被膜形成性に優れた活性エ
ネルギー線硬化性組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、耐摩耗性に優れるとともに、硬化させ
る前に加工処理が可能で、種々の形態の硬化被膜を形成
可能な活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを
課題とする。また、本発明は、耐摩耗性および透明性に
優れた被膜を形成可能であるとともに、被膜形成性に優
れた活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを課
題とする。また、本発明は、活性エネルギー線硬化性を
有する新規な有機無機複合体及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。さらに、本発明は、耐摩耗性に優
れた硬化被膜を表面に有する硬化被膜形成物品を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、重合体
(ポリマー)成分に(メタ)アクリロイル基を導入し重
合体そのものに活性エネルギー線硬化性を付与するとと
もに、さらにこの重合体を、無機成分であるシリカゾル
又はシリケートとスルフィド結合を介して結合させるこ
とにより、優れた被膜形成性及び耐摩耗性を併せ持つ被
膜を形成可能であることを見出し、本発明を提供するに
至った。なお、本明細書において、「被膜形成性」と
は、溶剤を含む液状の組成物を、塗布後、乾燥して溶剤
を除去した時点での被膜形成性をいうものとする。
【0007】即ち、上記課題を解決するため、本発明の
有機無機複合体は、(メタ)アクリロイル基を有する重
合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィ
ド結合を介して結合してなることを特徴とする。なお、
本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、
メタクリロイル基及びアクリロイル基の双方を含む意味
で用いる。
【0008】また、上記課題を解決するため、本発明の
有機無機複合体の製造方法は、(メタ)アクリロイル基
を有する重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートと
がスルフィド結合を介して結合してなる有機無機複合体
の製造方法であって、メルカプト基含有シランカップリ
ング剤とシリカゾル及び/又はシリケートとを加水分解
縮合し、メルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシ
リケートを合成する第1の工程と、前記第1の工程で合
成したメルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリ
ケートの存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基
とを有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジ
カル重合性基を有する他の単量体とを共重合し、シリカ
ゾル及び/又はシリケートにスルフィド結合を介して結
合したエポキシ基を有する重合体を合成する第2の工程
と、前記第2の工程で合成した重合体に、カルボキシル
基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加さ
せる第3の工程とを含む方法;又は、メルカプト基含有
シランカップリング剤の存在下でエポキシ基と1個のラ
ジカル重合性基とを有する単量体を重合し、又は該単量
体と1個のラジカル重合性基を有する他の単量体とを共
重合して、前記シランカップリング剤とスルフィド結合
を介して結合したエポキシ基含有重合体を合成する第1
の工程と、前記第1の工程で合成したエポキシ基含有重
合体にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有
する化合物を付加させる第2の工程と、前記第2の工程
で合成した(メタ)アクリロイル基を有する重合体にシ
リカゾル及び/またはシリケートとを加水分解縮合する
第3の工程とを含む方法;である。
【0009】また、上記課題を解決するため、本発明の
活性エネルギー線硬化性組成物は、上記有機無機複合体
と、溶剤とを含有することを特徴とする。本発明の一態
様として、さらに、分子内に3個以上のアクリロイル基
を有する多官能アクリレートを、前記有機無機複合体1
00重量部に対して30重量部以下と、光重合開始剤と
を含有する上記活性エネルギー線硬化性組成物が提供さ
れる。
【0010】また、上記課題を解決するため、本発明の
硬化被膜形成物品は、上記活性エネルギー線硬化性組成
物を基材の面に供給し、乾燥して被膜とした後、前記基
材及び/又は前記被膜を加工(成形、印刷及び転写を含
む)し、その後、前記被膜に活性エネルギー線を照射し
て硬化被膜を形成してなることを特徴とする。
【0011】また、別の観点から、本発明によって、
(メタ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾル及
び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合し
てなる有機無機複合体を、前記(メタ)アクリロイル基
を重合することによって硬化させてなる硬化膜;上記活
性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗布して塗布層を
形成する塗布工程と、前記塗布層を乾燥して被膜とする
乾燥工程と、前記乾燥工程の後、前記基材及び/又は前
記被膜を加工(成形、印刷及び転写を含む)する加工工
程と、前記加工工程の後、前記被膜に活性エネルギー線
を照射して硬化被膜とする硬化工程を含む硬化被膜形成
方法;前記硬化工程の後、前記硬化被膜を他の基材に転
写する転写工程を含む前記硬化被膜形成方法;が提供さ
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施の形
態について詳細に説明する。まず、本発明の活性エネル
ギー線硬化性組成物を構成する各成分について説明す
る。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、特定の
構造を有する(A)有機無機複合体と(B)溶剤とを含
有する。さらに、所望により、(C)多官能アクリレー
ト及び/又は(D)光重合開始剤を含有する。
【0013】(A)有機無機複合体 本発明の有機無機複合体は、スルフィド結合を介し(メ
タ)アクリロイル基を有する重合体とシリカゾル及び/
又はシリケートとが結合してなる。前記有機無機複合体
は、特にその構造、分子量、粘度等は制限されない。
【0014】本発明の有機無機複合体の製造方法は特に
限定されるものではないが、以下の製法1及び製法2に
より製造するのが好ましい。 製法1:メルカプト基含有シランカップリング剤とシリ
カゾル及び/又はシリケートを加水分解及び縮合し、メ
ルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケートを
合成する(第1の工程)。次に、前記第1の工程で製造
されたメルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリ
ケートの存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基
とを有する単量体の少なくとも1種をラジカル重合する
(第2の工程)。次に、第2の工程で合成した重合体
に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する
化合物を付加させる(第3の工程)。 製法2:メルカプト基含有シランカップリング剤の存在
下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単
量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重合性基
を有する他の単量体とを共重合し、前記シランカップリ
ング剤とスルフィド結合を介して結合したエポキシ基含
有重合体を合成する(第1の工程)。次に前記第1の工
程で合成したエポキシ基を有する重合体にカルボキシル
基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加さ
せる(第2の工程)。次に、前記第2の工程で合成した
(メタ)アクリロイル基を有する重合体にシリカゾル及
び/またはシリケートとを加水分解縮合する(第3の工
程)。
【0015】前記製法1及び2の第1の工程に用いられ
るメルカプト基含有シランカップリング剤は、1分子中
にメルカプト基とアルコキシシリル基とを有するもので
あれば特にその構造は制限されない。例えば、トリメト
キシシリルプロピルメルカプタン(例えば信越シリコー
ンより「KBM803」の商品名で、東レダウコーニン
グシリコンより「SH6062」の商品名で入手可
能)、トリエトキシシリルプロピルメルカプタン等を挙
げることができる。
【0016】前記製法1の第1の工程及び製法2の第3
の工程で用いられるシリカゾルとしては、例えば、水、
メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ
ブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトア
ミド、キシレン及びこれらの混合溶剤を分散媒とし、粒
子径が5〜30nmのシリカを、その固形分として10
〜40重量%含有するシリカゾルが好ましい。特に、有
機溶剤に分散したシリカゾルを利用すると、塗膜とした
場合に、高い透明性を発現するので好ましい。代表的に
は水酸基を有する溶剤、又はケトン基を有する極性溶媒
に分散したオルガノシリカゾルを用いることが好まし
い。具体的には、「IPA−ST」(IPA分散オルガ
ノシリカゾル、日産化学)、「MEK−ST」(MEK
分散オルガノシリカゾル、日産化学)、「MIBK−S
T」(MIBK分散オルガノシリカゾル、日産化学)
等、又はこれらを原料に他の水酸基を有する溶剤に溶媒
置換したゾル(例えばPGM分散オルガノシリカゾル
等)を挙げることができる。
【0017】前記製法1の第1の工程及び製法2の第3
の工程で用いられるシリケートとしては、以下の一般式
(I)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
【0018】一般式(I)
【化1】
【0019】式中、Rはそれぞれ異なっていてもよい炭
素数1〜8のアルキル基を表し、nは0〜11のいずれ
かの整数を表す。
【0020】上記一般式で表されるシリケートとして
は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラn−プロピルシラン、テトラn−ブチルシ
ラン、またこれらテトラアルコキシシランを加水分解縮
合することにより得られるポリアルコキシシロキサンが
挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシランの
20〜60%の加水分解縮合物であるポリメトキシシロ
キサンが好ましい。ポリメトキシシロキサンの製造方法
は特に限定されるものではないが、例えば、テトラメト
キシシランの常法による加水分解縮合物から、モノマー
成分を除去して、実質的にモノマー成分を含まないよう
にするのが毒性の問題からも好ましい。これらのポリメ
トキシシロキサンは、例えば三菱化学(株)より、「M
KCシリケートMS51」(加水分解率40%、n=
4)、「MKCシリケートMS56」(加水分解率50
%、n=8)の商品名で入手することができる。
【0021】前記製法1の第1の工程、及び前記製法2
の第3の工程では、メルカプト基含有シランカップリン
グ剤(製法2では(メタ)アクリロイル基を有する重合
体中に存在するシランカップリング剤)とシリカゾル及
び/又はシリケートとを加水分解縮合させる。メルカプ
ト基含有シランカップリング剤とシリカゾルとの加水分
解縮合反応は、この混合物に水を添加することにより行
われる。メルカプト基含有シランカップリング剤のアル
コキシシリル基が水で加水分解しシラノール基を生成
し、次いでこのシラノール基とシリカゾル表面のシラノ
ール基の縮合反応がおこり、メルカプト基を表面に有す
るシリカゾルが得られる。また、メルカプト基含有シラ
ンカップリング剤とシリケートの加水分解縮合反応は、
この混合物に水を添加することにより行われる。メルカ
プト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基
とシリケートのアルコキシシリル基が水で加水分解する
ことによりシラノール基が生成し、これらシラノール基
の間で縮合反応がおこり、メルカプト基を有するシリケ
ートが得られる。
【0022】また、メルカプト基含有シランカップリン
グ剤とシリカゾルとシリケートとの加水分解縮合反応
は、この混合物に水を添加することにより行われる。メ
ルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリ
ル基とシリケートのアルコキシシリル基が水で加水分解
することによりシラノール基が生成し、これらシラノー
ル基とシリカゾル表面のシラノール基の間で縮合反応が
おこり、メルカプト基を有するシリカゾルとシリケート
が得られる。水の添加量はメルカプト基含有シランカッ
プリング剤のアルコキシシリル基とシリケートのアルコ
キシシリル基が理論量として100%加水分解し得る量
以上の量であればよく、100〜300%相当量、好ま
しくは100〜200%相当量を添加する。
【0023】この加水分解反応を促進するため、加水分
解触媒を反応系に添加することができる。加水分解触媒
としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、ア
ルミニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘ
プテタンジオネート、アルミニウムジイソプロポキシド
エチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシドエ
チルアセトアセテート、ホウ酸ブトキシド、酢酸、塩
酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸、ジブチルスズジ
ラウレート、ジブチルスズジオクトエート、p−トルエ
ンスルホン酸及びこれらの混合物を使用することができ
る。その使用量はメルカプト基含有シランカップリング
剤とシリケートの合計量100重量部に対して、0.1
〜5重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。反応
は室温から100℃、1時間〜100時間、好ましくは
室温で4時間以上反応の後、室温〜70℃で1〜10時
間加熱し、反応を進行させる。また副反応を抑えるた
め、溶媒で反応系を希釈してもよい。用いられる溶媒と
しては用いる水、触媒との相溶性があるものが好まし
く、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエ
ーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等
の水酸基含有エーテル類、2−メトキシエチルアセター
ト、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチ
ルアセタート等のエーテルエステル類等を挙げることが
できる。
【0024】反応系におけるメルカプト基含有シランカ
ップリング剤とシリカゾル及び/又はシリケート(固形
分)との重量比は、0.1/99.9〜10/90であ
るのが好ましく、1/99〜5/95であるのがより好
ましい。メルカプト基含有シランカップリング剤の重量
比率が0.1未満であると、シリカゾル及びシリケート
と結合するメルカプト基量が少なく、エポキシ基を含有
する重合体と結合する部位が少なくなるため、重合体と
シリカゾル及び/又はシリケートとの有機無機複合体が
安定的に製造できない傾向がある。一方、メルカプト基
含有シランカップリング剤の重量比率が10を超えて
も、エポキシ基を有する重合体に対する結合部位の割合
はすでに充分であり、これ以上のメルカプト基含有シラ
ンカップリング剤を使用しても実用的でない。
【0025】前記製法1の第2の工程、及び前記製法2
の第1の工程で用いられるエポキシ基と1個のラジカル
重合性基とを有する単量体(以下、「エポキシ基を有す
る単量体」という場合がある)としては、例えば、グリ
シジル(メタ)アクリレート[本明細書で表記している
(メタ)アクリルはメタクリル及びアクリルの両方の意
味を表す]、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートグリシジルエーテル等を挙げることができ
る。必要であれば、前記エポキシ基を有する単量体を、
他の単量体と共にラジカル共重合することもできる。前
記エポキシ基を有する単量体と併用可能な他の単量体
は、1個のラジカル重合性基を有する単量体である。具
体的には、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカ
ルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シアノエチ
ル(メタ)アクリレート、スチレン等を挙げることがで
きる。
【0026】前記エポキシ基を有する単量体とともに、
他の単量体を併用する場合は、前記エポキシ基を有する
単量体と他の単量体とは、重量比が100/0〜10/
90の割合で用いられるのが好ましく、100/0〜3
0/70の割合で用いられるのがより好ましい。前記エ
ポキシ基を有する単量体の割合が10重量%未満である
と、後述する第3の工程において導入される(メタ)ア
クリロイル基の導入量が少なくなり、被膜を形成した場
合に、充分な耐摩耗性が得られない。
【0027】単量体(エポキシ基を有する単量体及び所
望により併用される他の単量体)と、無機成分(前記製
法1では第1の工程で、前記製法2では第3の工程で用
いられるシリカゾル及び/又はシリケートの固形分)と
は、重量比30/70〜99/1とするのが好ましく、
50/50〜95/5とするのがより好ましい。無機成
分であるシリカゾル及び/又はシリケートの重量比率が
70を超えると、安定な有機無機複合体が得られない。
一方、1未満であると、形成される被膜の耐摩耗性が不
充分になる傾向がある。
【0028】このラジカル重合反応は、溶剤中で通常の
ラジカル重合開始剤を用いて行われる。溶剤としては、
例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノ
ール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ
−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、2−メ
トキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセター
ト、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステ
ル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が
挙げられ、またこれらを混合使用することもできる。
【0029】重合反応に使用するラジカル重合開始剤と
しては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸
化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好適に用いら
れる。反応系における単量体の濃度は、通常10〜60
重量%であり、重合開始剤は、通常単量体の総重量に対
して0.1〜10重量%である。
【0030】前記製法1では第3の工程で、前記製法2
では第2の工程で用いられるカルボキシル基と(メタ)
アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アク
リロイル基導入試薬」という)としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフ
タル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサ
ヒドロフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物
の付加体等を挙げることができる。
【0031】前記製法1では第3の工程、及び前記製法
2では第2の工程で、重合体が有するエポキシ基と、
(メタ)アクリロイル基導入試薬が有するカルボキシル
基とが反応する。重合体と(メタ)アクリロイル基導入
試薬とは、エポキシ基/カルボキシル基が1以上となる
割合で混合するのが好ましく、1〜10となる割合で混
合するのがより好ましい。反応は、温度50〜110℃
で3〜50時間行うのが好ましい。本反応では、反応を
促進させるために、例えば、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチル
ベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリブ
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の公知の触
媒を使用することができる。その使用量は、反応混合物
に対して0.01〜5重量%であるのが好ましく、0.
05〜2重量%であるのがより好ましい。
【0032】また、本反応では(メタ)アクリロイル基
によるラジカル重合を防止するために、例えば、ハイド
ロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコ
ール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の
重合禁止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤の使用
量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%であるの
が好ましく、0.05〜0.5重量%であるのがより好
ましい。
【0033】(B)溶剤 本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は溶剤を含有す
る。前記(A)有機無機複合体は、前記溶剤に溶解及び
/又は分散した状態にある。溶剤を含有させることによ
り、種々の材料からなる基材の表面に塗工可能な液状の
形態になる。前記溶剤は、前記有機無機複合体の各製造
工程に用いられる種々の反応溶媒であってもよく、例え
ば、前記製法1の第1の工程で使用されるシリカゾル及
び/又はシリケートの分散媒であっても、また前記製法
1の第2の工程の反応に用いられる溶媒であってもよ
い。さらに、前記有機無機複合体を製造した後に、粘度
調整のために用いられる溶剤であってもよい。前記溶剤
としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブト
キシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1
−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエ
チルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエ
ーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエ
ステル類;等が挙げられ、またこれらを混合使用するこ
ともできる。
【0034】(C)分子内に3個以上のアクリロイル基
を有する多官能アクリレート 本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、形成され
る被膜の耐摩耗性をさらに向上させる目的で、溶剤を乾
燥した後の塗膜形成性を阻害しない範囲で、2個以上の
重合性基を有する単量体を含有させることができる。少
ない添加量で耐摩耗性を向上するためには、分子内に3
個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート
(以下、単に「多官能アクリレート」という)が好まし
い。前記多官能アクリレートとしては、例えば、トリス
(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロ
パンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等を挙げることができ
る。
【0035】(D)光重合開始剤 本発明の硬化性組成物には、活性エネルギー線を照射さ
れることによってラジカル等を発生する光重合開始剤を
含有させることができる。活性エネルギー線として紫外
線を用いる場合、光重合開始剤を含有させるのが好まし
い。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエト
キシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、
2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィ
ンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェ
ニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,
N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙
げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用
することもできる。
【0036】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、(A)有機無機複合体と、(B)溶剤と、所望によ
り(C)多官能アクリレート及び/又は(D)光重合開
始剤とを混合して、調製することができる。(C)多官
能アクリレートの使用量は、(A)有機無機複合体の1
00重量部に対して30重量部以下であるのが好まし
い。30重量部を超えると、溶剤を乾燥した時点におい
ても被膜形成性が充分でなくなり、活性エネルギー線照
射前に、基材全体及び塗膜に成形、印刷、転写等の加工
ができなくなる。紫外線を用いて硬化する際の(D)光
重合開始剤の使用量は、(A)有機無機複合体と(C)
多官能アクリレートとの合計量100重量部に対して、
0.1〜10重量部であるのが好ましく、1〜5重量部
であるのがより好ましい。
【0037】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
は、硬化被膜物性を改良する目的で、紫外線吸収剤(例
えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリ
チル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外
線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定
剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リ
ン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、レベリング剤
等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を、被膜
形成成分の重量に対し、それぞれ0.01〜2重量%を
配合することができる。
【0038】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、活性エネルギー線の照射により、(A)有機無機複
合体が有する(メタ)アクリロイル基が重合して、又は
所望により添加される(C)多官能アクリレートととも
に重合して、硬化し、硬化被膜を形成する。形成された
被膜は、スルフィド結合を介して結合した有機成分(重
合体)および無機成分(シリカゾル及び/又はシリケー
ト)を含んでいるので、耐摩耗性に優れている。また、
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は被膜形成性に
も優れているので、基材の表面に塗工して、溶剤を乾燥
した時点で被膜を形成する。従って、被膜を硬化させる
前に、基材の全体に又は被膜のみに、成形、印刷、転写
等の加工を施し、種々の形態としてから硬化させること
ができ、容易に所望の形態の硬化膜及び硬化被膜形成物
品が得られる点でも有利である。
【0039】以下、本発明の硬化性組成物を利用した硬
化被膜の形成方法及び硬化被膜形成物品の製造方法につ
いて説明する。まず、本発明の硬化性組成物を基材表面
に供給する。前記基材の材質には特に制限はなく、例え
ば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹
脂、酢酸セルロース、ポリプロピレン、合成紙、紙等か
らなる基材のいずれにも適用することができる。また、
前記基材の形態についても特に制限はなく、シート状、
フィルム状、成形体等いずれの形態であってもよい。
【0040】前記硬化性組成物の基材への供給は、通
常、塗布により行う。塗布方法についても特に制限され
ず、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、ス
ピンコート法、バーコート法等のいずれの方法によって
塗布することもできる。また、グラビアコート、ロール
コート、ブレードコート及びエアーナイフコート等のい
ずれの塗工器具によって塗布することもできる。また、
印刷等により画像様に供給することもできる。なお、塗
布量については特に制限されないが、活性エネルギー線
の照射によって硬化した被膜の膜厚が、1〜50μm、
好ましくは1〜20μmとなるように塗工する。
【0041】本発明の硬化性組成物を基材に供給した
後、乾燥して溶剤を除去する。本発明の硬化性組成物は
被膜形成性に優れているので、この時点で加工可能な被
膜となる。乾燥条件は、基材の材質、塗布量等によっ
て、好ましい範囲が異なるが、一般的には、30〜12
0℃で1〜30分間行い、好ましくは50〜100℃で
1〜5分間行う。
【0042】乾燥して、溶剤を除去した後、必要に応
じ、基材全体に又は被膜のみに、成形、印刷、転写等の
加工処理を施すことができる。具体的には、硬化性組成
物を塗布した基材を適当な温度に加熱後、真空成形、真
空圧空成形、圧空成形、マット成形等の方法を用いて、
基材全体を成形することができる。また、干渉縞等の凸
凹形状をCDやレコードの表面に加工し複製するのと同
様、形成された被膜上にエンボス成形することもでき
る。また、形成された被膜上に、通常の印刷機を用い
て、印刷加工することができる。さらに、ポリエチレン
テレフタレートフィルムのような基材に、本発明の硬化
性組成物を塗布、乾燥した後、所望により前述の印刷加
工、エンボス成形等を行い、その後、所望により接着層
を塗布して、他の基材に転写することもできる。
【0043】次に、形成された被膜に、活性エネルギー
線を照射して、硬化させる。被膜に含有される有機無機
複合体が有する(メタ)アクリロイル基が単独で、又は
所望により多官能アクリレートとともに重合して、硬化
し、硬化被膜となる。前記硬化被膜は、有機成分(重合
体)及び無機成分(シリカゾル及び/又はシリケート)
を含んでいるので、耐摩耗性に優れている。活性エネル
ギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水
銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボン
アーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる
紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り
出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることがで
きる。この様にして、本発明の硬化性組成物からなる硬
化被膜が形成されてなる硬化被膜形成物品を作製でき
る。被膜を硬化させた後、さらに、物品全体を又は前記
硬化被膜を加工(成形、印刷、転写を含む)することも
できる。
【0044】
【実施例】以下に合成例及び実施例を記載して、本発明
をさらに具体的に説明する。以下の合成例及び実施例に
記載される成分、割合、手順等は、本発明の趣旨から逸
脱しない限り適宜変更することができる。したがって、
本発明の範囲は以下に記載される具体例に制限されるも
のではない。なお、合成例及び実施例に記載される
「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」をそれ
ぞれ意味する。
【0045】(合成例1:製法1による有機無機複合体
の合成例)プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートを分散媒とするシリカゾル166.7部(固形
分:30%)に、トリメトキシシリルプロピルメルカプ
タンを3部、水を0.8部及びアセチルアセトンアルミ
ニウムを0.03部、添加し、溶液が透明になるまで攪
拌混合した。水添加量はトリメトキシシリルプロピルメ
ルカプタンを理論量100%加水分解し得る量に対し1
94%であった。室温で1日放置した後、50℃で2時
間反応し、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンと
シリカゾル表面のシラノール基とを加水分解縮合するこ
とにより、メルカプト基を表面に有するシリカゾルを得
た。上記で得られたメルカプト基を表面に有するシリカ
ゾル溶液、グリシジルメタアクリレート100部、及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2
40部の混合物を加熱して80℃に達した時、及び80
℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチ
ロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で6時
間反応して、スルフィド基を介してシリカゾルと結合し
たエポキシ基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0046】得られた反応生成物にアクリル酸45.6
部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト106.4部、N,N−ジメチルベンジルアミン1
部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し、100
℃で12時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボ
キシル基を付加することにより、重合体にアクリル酸の
アクリロイル基を導入した。この反応により、スルフィ
ド結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリ
カゾルとが結合した構造を有する有機無機複合体[I]
(固形分30%)を得た。
【0047】(合成例2:製法1による有機無機複合体
の合成例)メチルイソブチルケトンを分散媒とするシリ
カゾル166.7部(固形分:30%)に、トリメトキ
シシリルプロピルメルカプタン3部、水0.8部及びア
セチルアセトンアルミニウム0.03部を添加し、溶液
が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はトリメトキ
シシリルプロピルメルカプタンを理論量100%加水分
解し得る量に対し194%であった。室温で1日放置し
た後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシリルプロ
ピルメルカプタンとシリカゾル表面のシラノール基を加
水分解縮合することにより、メルカプト基を表面に有す
るシリカゾルを得た。上記で得られたメルカプト基を表
面に有するシリカゾル溶液、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルメタクリレート90部、メチルメタクリレ
ート10部、及びメチルイソブチルケトン240部の混
合物を加熱して、80℃に達した時、及び80℃に達し
てから2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリ
ルを0.3部ずつ添加し、さらに80℃で8時間反応し
て、スルフィド基を介しシリカゾルと結合したエポキシ
基を有する重合体(固形分30%)を得た。
【0048】得られた反応生成物に、アクリル酸30
部、メチルイソブチルケトン70部、N,N−ジメチル
ベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部
を添加し100℃で12時間反応し、エポキシ基にアク
リル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合体
にアクリル酸のアクリロイル基を導入した。この反応に
より、スルフィド結合を介して、アクリロイル基を有す
る重合体とシリカゾルとが結合する構造を有する有機無
機複合体[II](固形分30%)を得た。
【0049】(合成例3:製法1による有機無機複合体
の合成例)ポリメトキシシロキサン(三菱化学製:MK
CシリケートMS51)98部に、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル200部、トリメトキシシリルプ
ロピルメルカプタン3部、水22部及びアセチルアセト
ンアルミニウム1部を添加し、溶液が透明になるまで攪
拌混合した。水添加量はポリメトキシシロキサンとトリ
メトキシシリルプロピルメルカプタンを、理論量100
%加水分解し得る量に対し110%であった。室温で1
日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシ
リルプロピルメルカプタンとポリメトキシシロキサンの
シラノール基を加水分解縮合することにより、メルカプ
ト基を有するポリメトキシシロキサンを得た。上記で得
られたメルカプト基を有するポリメトキシシロキサン溶
液、グリシジルメタクリレート80部、メチルメタクリ
レート20部、及びプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル180部の混合物を加熱して80℃に達した時、
及び80℃に達してから2時間後に、それぞれアゾビス
イソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、さらに80
℃で8時間反応して、スルフィド基を介しポリメトキシ
シロキサンと結合したエポキシ基含有重合体(固形分3
0%)を得た。
【0050】得られた反応生成物にアクリル酸36.5
部、プロピレングリコールモノメチルエーテル85.2
部、N,N−ジメチルベンジルアミン1部、p−メトキ
シフェノール0.2部を添加し、90℃で20時間反応
し、エポキシ基にアクリル酸のカルボキシル基を付加す
ることにより重合体にアクリル酸のアクリロイル基を導
入した。この反応により、スルフィド結合を介して、ア
クリロイル基を有する重合体とポリメトキシシロキサン
とが結合する構造を有する有機無機複合体[III](固
形分30%)を得た。
【0051】(合成例4:製法1による有機無機複合体
の合成例)プロピレングリコールモノメチルエーテルを
分散媒とするシリカゾル133.3部(固形分:30
%)、ポリメトキシシロキサン(三菱化学製:MKCシ
リケートMS51)19.6部、プロピレングリコール
モノメチルエーテル106.7部、トリメトキシシリル
プロピルメルカプタン3部、水5部及びアセチルアセト
ンアルミニウム0.3部を添加し、溶液が透明になるま
で攪拌混合した。水添加量はポリメトキシシロキサンと
トリメトキシシリルプロピルメルカプタンを理論量10
0%加水分解し得る量に対し115%であった。室温で
1日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシ
シリルプロピルメルカプタンとポリメトキシシロキサン
とシリカゾル表面のシラノール基を加水分解縮合するこ
とにより、メルカプト基を有するシリカゾルとポリメト
キシシロキサンを得た。
【0052】上記で得られたメルカプト基を有するシリ
カゾルとポリメトキシシロキサン溶液、グリシジルメタ
クリレート90部、スチレン10部、及びプロピレング
リコールモノメチルエーテル160部の混合物を加熱し
て80℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後
に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ず
つ添加し、さらに80℃で8時間反応して、スルフィド
基を介しポリメトキシシロキサンと結合したエポキシ基
含有重合体(固形分30%)を得た。得られた反応生成
物にアクリル酸41部、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル95.7部、N,N−ジメチルベンジルアミ
ン1部、p−メトキシフェノール0.2部を添加し90
℃で20時間反応し、エポキシ基にアクリル酸のカルボ
キシル基を付加することにより重合体にアクリル酸のア
クリロイル基を導入した。この反応により、スルフィド
結合を介して、アクリロイル基を有する重合体とシリカ
ゾルとポリメトキシシロキサンとが結合した構造を有す
る有機無機複合体[IV](固形分30%)を得た。
【0053】(合成例5:製法2による有機無機複合体
の合成例)プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート139.5部と、グリシジルメタクリレート9
0部と、トリメトキシシリルプロピルメルカプタン3.
0部とを混合し、該混合物を加熱して65℃に達した
時、及び65℃に達してから3時間後にそれぞれ2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.94部ずつ添加し、さらに65℃にて3時間反応し
重合体(固形分40%)を得た。得られた重合体にアク
リル酸51.7部、トリフェニルホスフィン1.45
部、p−メトキシフェノール0.29部、及びプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート198.2
部を添加し、110℃にて10時間反応しアクリロイル
基を有する共重合体を得た。上記で得られたアクリロイ
ル基を有する共重合体にメチルエチルケトンを分散媒と
するシリカゾル171.9部(固形分30%)、水1.
0部、アセチルアセトンアルミニウム0.05部を添加
し、70℃で4時間反応し有機無機複合体[V](固形分
30%)を得た。
【0054】(合成例6:製法2による有機無機複合体
の合成例)プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート139.5部に、グリシジルメタクリレート9
0部、及びトリメトキシシリルプロピルメルカプタン
3.0部を混合し、該混合物を加熱して65℃に達した
時、及び65℃に達してから3時間後にそれぞれ2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.94部ずつ添加し、さらに65℃にて3時間反応し
重合体(固形分40%)を得た。得られた重合体にアク
リル酸46.7部、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート無水コハク酸付加物(東亞合成社製、商品名アリニ
ックスTO−756)32.8部、トリフェニルホスフ
ィン1.73部、p−メトキシフェノール0.29部、
及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト263.0部を添加し、110℃にて10時間反応し
アクリロイル基を有する共重合体を得た。上記で得られ
たアクリロイル基を有する共重合体に、メチルエチルケ
トンを分散媒とするシリカゾル191.62部(固形分
30%)、水1.0部、アセチルアセトンアルミニウム
0.05部を添加し70℃で4時間反応し、有機無機複
合体[VI](固形分30%)を得た。
【0055】(合成例7:(メタ)アクリロイル基を有
さない有機無機複合体の合成例(比較例用))プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテートを分散媒と
するシリカゾル166.7部(固形分:30%)に、ト
リメトキシシリルプロピルメルカプタン3部、水0.8
部及びアセチルアセトンアルミニウム0.03部を添加
し、溶液が透明になるまで攪拌混合した。水添加量はト
リメトキシシリルプロピルメルカプタンを理論量100
%加水分解し得る量に対し194%であった。室温で1
日放置した後、50℃で2時間反応し、トリメトキシシ
リルプロピルメルカプタンとシリカゾル表面のシラノー
ル基を加水分解縮合することにより、メルカプト基を表
面に有するシリカゾルを得た。上記で得られたメルカプ
ト基を表面に有するシリカゾル溶液、グリシジルメタク
リレート100部、及びプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート240部の混合物を加熱して80
℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、そ
れぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加
し、さらに80℃で6時間反応して、スルフィド基を介
しシリカゾルと結合したエポキシ基含有有機無機複合体
[VII](固形分30%)を得た。
【0056】(合成例8:(メタ)アクリロイル基を有
する重合体の合成例(比較例用))グリシジルメタクリ
レート100部、及びプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート233.3部の混合物を加熱して8
0℃に達した時、及び80℃に達してから2時間後に、
それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添
加し、さらに80℃で6時間反応して、エポキシ基含有
重合体(固形分30%)を得た。得られた反応生成物に
アクリル酸45.6部、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート106.4部、N,N−ジメチル
ベンジルアミン1部、p−メトキシフェノール0.2部
を添加し、100℃で12時間反応し、エポキシ基にア
クリル酸のカルボキシル基を付加することにより、重合
体にアクリル酸のアクリロイル基を導入し、アクリロイ
ル基を有する重合体[VIII](固形分30%)を得た。
【0057】(実施例1〜8及び比較例1〜2:活性エ
ネルギー線硬化性組成物の製造例)有機無機複合体
[I]〜[VII]及び重合体[VIII]のいずれか1種
と、溶剤と、必要に応じて分子内に3個以上のアクリロ
イル基を有する多官能アクリレートと、光重合開始剤と
を、表1に示す割合で均一に配合して活性エネルギー線
硬化性組成物を調製した(実施例1〜8及び比較例1〜
2)。
【0058】
【表1】
【0059】I〜VIII : 合成例1〜8参照 PGMEA : プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート MIBK : メチルイソブチルケトン PGM : プロピレングリコールモノメチルエーテル DPHA : ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート TAEI : トリス(アクリロキシエチル)イソシア
ヌレート イルガキュア184 : 1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン
【0060】各活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ
100μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(ヘイズ値 1.4%;三菱化学ポリエステ
ル社製;商品名「T600E」)に、バーコーターを用
いて、乾燥後の塗膜厚が6μmとなるように塗布し、8
0℃で2分間加熱乾燥した。得られた塗布フィルムにつ
いて、指触によりタックの有無を確認し、タックのない
ものは被膜形成性良好(○)、タックのあるものは被膜
形成性不良(×)とした。
【0061】次いで、この塗布フィルムを、出力密度1
20W/cmの高圧水銀灯を光源として、光源下10c
mの位置で、コンベアスピード3m/分の条件で紫外線
を照射して塗膜を硬化させた。各硬化被膜を23℃、相
対湿度60%の恒温室に24時間放置した後、各硬化被
膜の透明性をJIS K−7105に従って、ヘイズ値
(H%)で評価した。また、摩耗輪(Calibras
e社製:CS−10F)を用いて、荷重500gで10
0回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後の
ヘイズ値とテーバー摩耗試験前のヘイズ値との差ΔH%
を測定することによって耐摩耗性を評価した。評価結果
を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】(実施例9:活性エネルギー線硬化性組成
物の応用例)実施例1で得られた活性エネルギー線硬化
性組成物を、透明な2mm厚のポリカーボネート板に、
バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなる
ように塗布し、100℃で2分間加熱乾燥した後、ヒー
ター温度400℃で70秒加熱後、絞り比(H/D)
0.2で真空成形し、次いで紫外線を照射してハードコ
ート処理ポリカーボネート成形品を得た。得られた硬化
性組成物は優れた耐摩耗性表面を与えるだけでなく、成
形加工性にも優れていた。
【0064】(実施例10:活性エネルギー線硬化性組
成物の応用例)実施例1で得られた活性エネルギー線硬
化性組成物を、100μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗膜
厚が10μmとなるように塗布した。100℃で2分間
加熱乾燥した後、塗膜の上にグラビア印刷法で絵柄印刷
し、さらにヒートシール用のアクリル系接着剤(ホット
スタンプ剤)を塗工した。ポリカーボネート板の上に、
前記アクリル系接着剤面を下にしてフィルム面側から熱
ロールにて加温後、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム側より紫外線を照射した。次いで、フィルムを剥離
し、ハードコート層をポリカーボネート板上に転写し
た。本硬化性組成物は優れた耐摩耗性表面を与えるだけ
でなく、印刷、転写の加工性にも優れていた。
【0065】(実施例11:活性エネルギー線硬化性組
成物の応用例)実施例1で得られた活性エネルギー線硬
化性組成物を、100μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が
10μmとなるように塗布し、100℃で2分間加熱乾
燥した。その後、塗膜上にレーザー光を用いて作ったマ
スターホログラムから引き続き作製したプレススタンパ
ーにより150℃で加熱プレスして微細な凸凹層を形成
させた。次いで紫外線を照射して凸凹層が形成された活
性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた。さらに、真
空蒸着法によりアルミニウム層をこの上に蒸着し、ヒー
トシール用のアクリル系接着剤(ホットスタンプ剤)を
塗工した後、クレジットカードの上に、前記アクリル系
接着剤面を下にしてフィルム面側から熱ロールにて熱転
写を行い、次いで、フィルムを剥し、クレジットカード
の上にホログラムを形成した。本硬化性組成物は優れた
耐摩耗性表面を与えるだけでなく、スタンパー加工およ
び転写の加工性に優れていた。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、耐摩耗性に優れた硬化
被膜を形成可能であるとともに、被膜形成性に優れた活
性エネルギー線硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、耐摩耗性に優れるとともに、硬
化させる前に加工処理が可能で、種々の形態の硬化被膜
を形成可能な活性エネルギー線硬化性組成物を提供する
ことができる。また、本発明によれば、活性エネルギー
線硬化性を有する新規な有機無機複合体及びその製造方
法を提供することができる。さらに、本発明によれば、
耐摩耗性に優れた硬化被膜を表面に有する硬化被膜形成
物品を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 59/17 C08G 59/17 4J038 77/02 77/02 4J100 C09C 3/10 C09C 3/10 C09D 5/00 C09D 5/00 Z 201/06 201/06 (72)発明者 寺内 真 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 葉山 和秀 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4J026 AB44 BA26 BA30 BB02 DA05 DB02 DB12 DB13 EA03 EA08 GA01 GA02 GA06 GA08 4J027 AE05 AJ06 BA24 BA25 BA26 BA27 BA29 CC03 CC05 CD08 4J035 AA03 AB06 CA061 CA25M CA26M CA261 FB01 LA03 LB01 LB20 4J036 AK08 CA20 CA21 4J037 AA17 AA18 CC29 FF18 FF22 4J038 GA01 HA446 HA456 NA11 PA17 PC08 4J100 AL08P BA15H BC54H DA47 HA35 HA57 HA62 HC29 HG16 JA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリロイル基を有する重合体
    と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフィド結
    合を介して結合してなる有機無機複合体。
  2. 【請求項2】 メルカプト基含有シランカップリング剤
    とシリカゾル及び/又はシリケートとを加水分解縮合
    し、メルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケ
    ートを合成する第1の工程と、前記第1の工程で合成し
    たメルカプト基を有するシリカゾル及び/又はシリケー
    トの存在下、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを
    有する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル
    重合性基を有する他の単量体とを共重合し、シリカゾル
    及び/又はシリケートにスルフィド結合を介して結合し
    たエポキシ基を有する重合体を合成する第2の工程と、
    前記第2の工程で合成した重合体に、カルボキシル基と
    (メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させる
    第3の工程とを含む、(メタ)アクリロイル基を有する
    重合体と、シリカゾル及び/又はシリケートとがスルフ
    ィド結合を介して結合してなる有機無機複合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 メルカプト基含有シランカップリング剤
    の存在下でエポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有
    する単量体を重合し、又は該単量体と1個のラジカル重
    合性基を有する他の単量体とを共重合して、前記シラン
    カップリング剤とスルフィド結合を介して結合したエポ
    キシ基含有重合体を合成する第1の工程と、前記第1の
    工程で合成したエポキシ基含有重合体にカルボキシル基
    と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を付加させ
    る第2の工程と、前記第2の工程で合成した(メタ)ア
    クリロイル基を有する重合体にシリカゾル及び/または
    シリケートとを加水分解縮合する第3の工程とを含む、
    (メタ)アクリロイル基を有する重合体と、シリカゾル
    及び/又はシリケートとがスルフィド結合を介して結合
    してなる有機無機複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の有機無機複合体と、溶
    剤とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、分子内に3個以上のアクリロイ
    ル基を有する多官能アクリレートを、前記有機無機複合
    体100重量部に対して30重量部以下と、光重合開始
    剤とを含有する請求項4に記載の活性エネルギー線硬化
    性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の活性エネルギー
    線硬化性組成物を基材の面に供給し、乾燥して被膜とし
    た後、前記基材及び/又は前記被膜を加工し、その後、
    前記被膜に活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成
    してなる硬化被膜形成物品。
JP2002309409A 2002-02-27 2002-10-24 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品 Expired - Fee Related JP4846177B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002309409A JP4846177B2 (ja) 2002-02-27 2002-10-24 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002050831 2002-02-27
JP2002-50831 2002-02-27
JP2002050831 2002-02-27
JP2002309409A JP4846177B2 (ja) 2002-02-27 2002-10-24 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003321622A true JP2003321622A (ja) 2003-11-14
JP4846177B2 JP4846177B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=29552014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002309409A Expired - Fee Related JP4846177B2 (ja) 2002-02-27 2002-10-24 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4846177B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171216A (ja) * 2003-05-23 2005-06-30 Mitsubishi Chemicals Corp 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム
JP2006045316A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Nagase Chemtex Corp シルセスキオキサン含有化合物及びその製造方法
JP2009113479A (ja) * 2007-10-16 2009-05-28 Mitsubishi Chemicals Corp 転写シート及びその利用
JP2013209516A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsubishi Chemicals Corp 活性エネルギー線硬化性組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171216A (ja) * 2003-05-23 2005-06-30 Mitsubishi Chemicals Corp 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム
JP2006045316A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Nagase Chemtex Corp シルセスキオキサン含有化合物及びその製造方法
JP4517229B2 (ja) * 2004-08-03 2010-08-04 ナガセケムテックス株式会社 シルセスキオキサン含有化合物及びその製造方法
JP2009113479A (ja) * 2007-10-16 2009-05-28 Mitsubishi Chemicals Corp 転写シート及びその利用
JP2013209516A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsubishi Chemicals Corp 活性エネルギー線硬化性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4846177B2 (ja) 2011-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4363077B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム
JP4517590B2 (ja) 耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品
JP3400530B2 (ja) 耐摩耗性被覆組成物
JP5168073B2 (ja) 転写シート及びその利用
JP2003201444A (ja) 活性エネルギー線硬化性の帯電防止性コーティング組成物
JPH10279833A (ja) 活性エネルギー線硬化性被覆組成物
JP2010077438A (ja) 活性エネルギー線硬化性の帯電防止コーティング剤組成物
JP4967999B2 (ja) 転写シート及びその利用
JPH06287470A (ja) 耐摩耗性被覆組成物
JP2002234906A (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物
KR101015081B1 (ko) 경화성 수지 조성물 및 이 조성물을 이용한 적층체의 제조방법, 및 전사재, 이의 제조방법 및 전사물
JP2006212987A (ja) 転写材
JP3164431B2 (ja) 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
JP3164407B2 (ja) 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
JP4166391B2 (ja) 光硬化性シリコーンブロックアクリル共重合体、共重合体組成物、およびその塗膜、塗膜付き基材、並びに該共重合体の製造方法
JP2002194250A (ja) 活性エネルギー線硬化性被覆組成物及び該組成物の硬化被膜を有する材料
JP4846177B2 (ja) 有機無機複合体、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性組成物ならびに硬化被膜形成物品
JP2000063549A (ja) 耐摩耗性薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスク
JP4320277B2 (ja) 有機無機ハイブリッド樹脂組成物、および、これを用いた硬化物ならびに物品
JP3442255B2 (ja) 紫外線硬化型組成物及び機能性表面を有する材料
JP4348992B2 (ja) 転写材、その製造方法及び転写物
JP4352847B2 (ja) ホログラム記録材料用組成物、レリーフホログラム及びホログラムの製造方法
JPH0657199A (ja) 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
JPH1095937A (ja) コーティング剤及び硬化塗膜を有する樹脂成形品
JP4205358B2 (ja) 撥水性被膜および塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090422

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111012

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4846177

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees