JP3164431B2 - 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物 - Google Patents

耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物

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JP3164431B2
JP3164431B2 JP24776792A JP24776792A JP3164431B2 JP 3164431 B2 JP3164431 B2 JP 3164431B2 JP 24776792 A JP24776792 A JP 24776792A JP 24776792 A JP24776792 A JP 24776792A JP 3164431 B2 JP3164431 B2 JP 3164431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線硬化することに
より耐摩耗性に優れた塗膜を形成する紫外線硬化性被覆
組成物に関するものである。さらに詳しくは、溶剤を乾
燥した時点で塗膜が形成され、紫外線照射前に成形、印
刷、転写等の加工が可能である、耐摩耗性に優れた塗膜
を形成する紫外線硬化性被覆組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および課題】一般に、プラスチック製品、
例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、A
BS樹脂等は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性などに
優れているので種々の用途に使用されている。しかしな
がら、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため傷
がつき易く、耐摩耗性を必要とする分野での使用を困難
なものとしている。このため、これらプラスチック製品
に耐摩耗性を付与し表面硬度を高める紫外線硬化性ハー
ドコート材料が求められている。さらに、これらプラス
チック製品の表面にハードコート処理を行う場合、紫外
線硬化する前に成形加工したり、また、ハードコート剤
をプラスチック製品の表面に直接塗布するのではなく
て、他の基材に塗布し、必要であれば印刷、接着層の塗
布等の加工の後、ハードコート層をプラスチック製品の
表面に転写したりするため、溶剤を乾燥した時点で塗膜
が形成される、耐摩耗性に優れた紫外線硬化性樹脂が求
められている。
【0003】紫外線硬化性ハードコート剤としては、3
官能以上の多官能(メタ)アクリレートを用いるハード
コート剤が、特公昭53−43553号及び特公昭57−20968号
公報に開示されている。さらに、これらハードコート剤
の耐摩耗性を向上するため、微粉末状無機充填剤やコロ
イダルシリカを添加することが、特開昭59−41366号及
び特開昭63−92675号公報に、また、コロイダルシリカ
と各種シランカップリング剤を添加することが、公表昭
57−500984号及び特開昭59−204669号公報に開示されて
いる。 これらの紫外線硬化性ハードコート剤は耐摩耗
性に優れるが、無溶剤系はもちろん、溶剤を含有するも
のも溶剤を乾燥した時点での塗膜形成性を有しないた
め、紫外線照射前に、成形、印刷、転写等の加工を行う
ことができなかった。これらハードコート剤に塗膜形成
性を付与するには、ハードコート剤に溶解する、例え
ば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体のような熱可
塑性樹脂を添加することが考えられるが、十分な塗膜形
成性を付与するだけの量を単に添加すると、ハードコー
ト剤として本来要求されている耐摩耗性が大幅に低下し
てしまうこととなり、塗膜形成性、耐摩耗性とも優れた
ハードコート剤は未だ得られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。即ち、本発明は、(a)アクリル樹脂、(b)下記一般
式(1):
【0005】
【化2】
【0006】(式中R1およびR2は同一または異なる一
価炭化水素基、R3は炭素数2〜8の二価炭化水素基、
aは2〜3の整数、bは0〜1の整数、cは4−a−b
に等しい整数を表す)で表されるイソシアネート基含有
シランカップリング剤と、分子内に水酸基及び3個以上
のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレー
トとを反応して得られる化合物、(c)分子内に3個以上
のアクリロイル基を有する多官能アクリレート、(d)有
機溶剤を分散媒としたシリカゾル、(e)有機溶剤、およ
び(f)光重合開始剤を含有し、(a)成分、(b)成分、
(c)成分及び(d)成分のシリカゾル固形分の割合が、
これら成分の合計重量当たり、 (a)成分 5〜35重量% (b)成分+(c)成分 25〜60重量% (b)成分/(c)成分 0.2以上 (d)成分のシリカゾル固形分 20〜70重量% であることを特徴とする、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組
成物を提供するものであり、このものは溶剤を乾燥した
時点で塗膜が形成され、成形、印刷、転写等の加工が可
能であり、さらに紫外線照射後に耐摩耗性に優れた塗膜
を形成することができる。
【0007】以下に本発明をさらに詳細に説明する。(a)成分 :アクリル樹脂としては、次の(イ)〜(ニ)の化
合物が挙げられる。 (イ)(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合
体:(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合
体は、例えば、メタクリル酸、および、アクリル酸(以
下(メタ)アクリル酸と記す)、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ルオキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリロイル基を有する単量体(I)の重合体、または単
量体(I)二種以上の共重合体が挙げられる。
【0008】(ロ)(メタ)アクリル酸エステルの重合体
または共重合体の側鎖に(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物:(メタ)アクリル酸エステルの重合体または
共重合体の側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する化合
物は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートの重合
体またはグリシジル(メタ)アクリレートを構成成分と
する共重合体への(メタ)アクリル酸付加体、(メタ)
アクリル酸を構成成分とする共重合体へのグリシジル
(メタ)アクリレート付加体、水酸基含有(メタ)アク
リル酸エステルを構成成分とする共重合体へのポリイソ
シアネートと水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル付
加物の付加体等が挙げられる。
【0009】(ハ)アルコキシシリル基を有するアクリル
シリコン樹脂:アルコキシシリル基を有するアクリルシ
リコン樹脂は、前記(メタ)アクリロイル基を有する単
量体(I)と、単量体(I)と反応するアルコキシシリル基を
有する単量体(II)とからなる重合体である。単量体(II)
としては、例えば、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(エトキシ
メトキシ)シラン等の単量体(I)と共重合する重合性不
飽和二重結合を有するもの、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン等の単量体(I)と付加反応する官能基を
有するもの、などが挙げられる。アルコキシシリル基を
有するアクリルシリコン樹脂は、(メタ)アクリロイル
基を有する単量体(I)と、単量体(I)と共重合する重合性
不飽和二重結合及びアルコキシシリル基を有する単量体
(II)とを共重合することにより得られる。また、アルコ
キシシリル基を有するアクリルシリコン樹脂は、(メ
タ)アクリロイル基を有する単量体(I)と、単量体(I)と
付加反応する官能基及びアルコキシシリル基を有する単
量体(II)とを付加反応した後重合することにより、また
は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(I)を重合
した後、この重合体と単量体(I)と付加反応する官能基
及びアルコキシシリル基を有する単量体(II)とを付加反
応することにより得られる。
【0010】(ニ)アルコキシシリル基及びポリオルガノ
シロキサン単位を有するアクリルシリコン樹脂:アルコ
キシシリル基及びポリオルガノシロキサン単位を有する
アクリルシリコン樹脂は、前記(メタ)アクリロイル基
を有する単量体(I)と、単量体(I)と反応するアルコキシ
シリル基を有する前記単量体(II)と、単量体(I)と反応
するポリオルガノシロキサン単位を有する単量体(III)
とからなる重合体である。単量体(I)と反応するポリオ
ルガノシロキサン単位を有する単量体(III)としては、
例えば、単量体(I)と共重合することのできるメタクリ
ロイル基含有ポリオルガノシロキサン、または、単量体
(I)を重合する際連鎖移動によりスルフィド結合を介し
て重合体中に導入されるメルカプト基含有ポリオルガノ
シロキサン等が挙げられる。これら単量体(III)に含ま
れるポリオルガノシロキサン単位は下記一般式(2)で
表される。
【0011】
【化3】
【0012】(式中Rは同一でも異なっていてもよく、
メチル基もしくはフェニル基、nは5以上の整数を表
す。) アルコキシシリル基及びポリオルガノシロキサン単位を
有するアクリルシリコン樹脂は、(メタ)アクリロイル
基を有する単量体(I)と、単量体(I)と共重合する重合性
不飽和二重結合及びアルコキシシリル基を有する単量体
(II)と、単量体(I)と反応するポリオルガノシロキサン
単位を有する単量体(III)とを共重合することにより得
られる。また、アルコキシシリル基及びポリオルガノシ
ロキサン単位を有するアクリルシリコン樹脂は、(メ
タ)アクリロイル基を有する単量体(I)と、単量体(I)と
付加反応する官能基及びアルコキシシリル基を有する単
量体(II)を付加反応した後、単量体(III)と共重合する
ことにより、または、(メタ)アクリロイル基を有する
単量体(I)と単量体(III)を共重合した後、この共重合体
と単量体(I)と付加反応する官能基とアルコキシシリル
基を有する単量体(II)を付加反応することにより得られ
る。
【0013】上記(a)成分のアクリル樹脂、例えば(イ)
〜(ニ)の化合物は、前記単量体(I)、(II)及び(III)を、
(e)成分である有機溶剤中で通常の方法により重合反
応、必要に応じ付加反応を行うことにより製造される。
重合反応に使用する重合開始剤としては、通常のラジカ
ル重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
スバレロニトリル等のアゾ化合物が好適に用いられる。
単量体濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤
は通常単量体混合物に対し、0.1〜10重量%であ
る。また、付加反応を行う場合、例えば、エポキシ基と
カルボキシル基の付加反応を行う場合は、ベンジルジメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ト
リエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、トリフェニルスチビン
等の触媒を使用することができる。その使用量は、通常
単量体混合物に対し、0.1〜5重量%である。また、
水酸基とイソシアネート基の付加反応を行う場合、ジラ
ウリン酸ジ−n−ブチル錫、トリエチレンジアミン等の
触媒を使用することができる。その使用量は、通常単量
体混合物に対し、0.01〜0.1重量%である。
【0014】(b)成分:(b)成分は、下記一般式(1)
で表される、イソシアネート基含有シランカップリング
剤と、分子内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有
する水酸基含有多官能アクリレートとを反応して得られ
る化合物である。
【0015】
【化4】
【0016】上記式において、R1およびR2は同じまた
は異なる一価炭化水素基であり、好ましくはR1および
2はメチル、エチル、プロピル等の低級アルキル基で
ある。R3は炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜3の
二価炭化水素基である。aは2〜3の整数、bは0〜1
の整数、cは4−a−bに等しい整数である。
【0017】イソシアネート基含有シランカップリング
剤の具体例としては、3−イソシアナトプロピルトリメ
トキシシラン、2−イソシアナトエチルトリメトキシシ
ラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアナトエチルトリエトキシシラン、3−イソ
シアナトプロピルメチルジメトキシシラン、2−イソシ
アナトエチルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナ
トプロピルメチルジエトキシシラン、2−イソシアナト
エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。分子内
に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含
有多官能アクリレートの具体例としては、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート、およびこれらの混合物等が挙げられる。これ
らのものは、後述する(c)成分として使用可能であ
り、水酸基を含有しない(c)成分の多官能アクリレー
トとの混合物を使用することもできる。
【0018】イソシアネート基含有シランカップリング
剤と水酸基含有多官能アクリレートとの反応は、各化合
物を−NCO/−OH基≦1の割合で混合し、60〜1
10℃で1〜20時間撹拌することにより得られる。こ
の反応においては、反応中のアクリロイル基による重合
を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチ
ルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用す
るのが好ましく、その使用量は、反応混合物に対して
0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%
である。また、反応を促進させるために、例えば、ジラ
ウリン酸ジ−n−ブチル錫、トリエチレンジアミン等の
触媒を使用することができる。さらに、本反応は、(c)
成分の分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官
能アクリレートや(e)成分の有機溶剤の存在下に行うこ
ともできる。
【0019】(c)成分:(c)成分は、分子内に3個以
上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートであ
り、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリ
ス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラ
クトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリア
クリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、およびこれら2種以上
の混合物が挙げられる。これらの中でも、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、およびこの混合物が耐摩耗性の
点から特に望ましい。
【0020】(d)成分:(d)成分は、有機溶剤を分散
媒としたシリカゾルであり、例えば粒子径5〜30n
m、固形分10〜40%で、メチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、
ジメチルアセトアミド、キシレンおよびこれらの混合溶
剤を分散媒とし、シリカの粒子径が5〜30nm、その
固形分が10〜40%であるものが挙げられる。これら
分散媒の中でも、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、イソブチルアルコール、エチルセロソル
ブ、キシレンおよびこれらの混合溶剤を用いたシリカゾ
ルが、(a)成分であるアクリル樹脂、(b)成分であるイ
ソシアネート基含有シランカップリング剤と分子内に水
酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有
多官能アクリレートとを反応して得られる化合物、およ
び(c)成分である分子内に3個以上のアクリロイル基を
有する多官能アクリレートとの相溶性がよく、得られる
塗膜の透明性の点から特に望ましい。
【0021】次に、(a)成分、(b)成分、(c)成分、
(d)成分のシリカゾル固形分の構成割合は、これら成
分の合計重量当たり、 (a)成分 5〜35重量%、好ましくは10〜30重量% (b)成分+(c)成分 25〜60重量%、好ましくは30〜50重量% (b)成分/(c)成分 0.2以上、好ましくは0.5以上 (d)成分のシリカゾル固形分 20〜70重量%、好ましくは30〜60重量% であることが、得られる紫外線硬化塗膜の塗膜形成性、
および耐摩耗性の点から望ましいことである。(a)成
分が5重量%未満では、塗膜形成性が不十分となり、3
5重量%を超えると耐摩耗性が不十分となる。(b)成
分と(c)成分の合計が25重量%未満では、アクリロ
イル基による架橋密度が低下するため耐摩耗性が低下す
る。一方、該合計が60重量%を超えると、塗膜形成性
が低下する。(b)成分と(c)成分の割合が0.2未
満では、(b)成分のアルコキシシリル基と(d)成分
のシリカゾルとの架橋形成が少なくなり、耐摩耗性、塗
膜形成性ともに低下する。該割合には特に上限はない
が、入手の容易さから一般には10程度である。また、
(d)成分のシリカゾル固形分が20重量%未満では、シ
リカゾルによる耐摩耗性の向上はほとんど認めらず、一
方、70重量%を超えると(b)成分+(c)成分が相対的
に減少し、アクリロイル基による架橋密度が低下するた
め耐摩耗性は低下する。
【0022】本発明で用いられる(b)成分、即ちイソシ
アネート基含有シランカップリング剤と分子内に水酸基
及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官
能アクリレートとを反応して得られる化合物は、3個以
上のアクリロイル基と、トリアルコキシシリル基または
ジアルコキシシリル基とを同一分子中に有するので、
(b)成分を(c)成分である多官能アクリレートと混合し
てもアクリロイル基密度の低下がほとんどなく高耐摩耗
性が得られる。また、(b)成分中に存在するトリアルコ
キシシリル基またはジアルコキシシリル基は、(d)成分
であるシリカゾルの粒子表面に存在するシラノール基と
反応するため、溶剤乾燥時、実質的に液状成分であるの
は(c)成分の多官能アクリレートのみとなり、塗膜形成
性を付与するため添加される(a)成分のアクリル樹脂は
少量ですむ。さらに、(d)成分のシリカゾルは耐摩耗性
を付与すると同時に液状成分である(c)成分を相対的に
減少する効果を有する。以上のことから、本発明の被覆
組成物は、耐摩耗性を低下することなく塗膜形成性を付
与することができるのである。
【0023】(e)成分:有機溶剤としては、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチル等のエステル類、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、
n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
タノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエー
テル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシ
エチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等の
エーテルエステル類等が挙げられ、またこれらを混合使
用することもできる。これら有機溶剤は(a)成分及び
(b)成分を製造する際、また、本紫外線硬化性被覆組成
物の粘度調整の目的で用いられる。
【0024】(f)成分 光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフ
ェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−
トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、こ
れらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することも
できる。光重合開始剤は、(a)成分、(b)成分及び(c)
成分の合計量100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは、1〜5重量部である。
【0025】本発明の耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物
には、塗膜物性を改良する目的で紫外線吸収剤(例え
ば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチ
ル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線
安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、
酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸
化防止剤)、ブロッキング防止剤、スリップ剤、レベリ
ング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を
配合することができる。
【0026】本発明の被覆組成物は、例えば、ポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテ
レフタレート、塩化ビニル樹脂及びABS樹脂等のプラ
スチック基材に、ディッピング法、フローコート法、ス
プレー法、バーコート法、およびグラビアコート、ロー
ルコート、ブレードコート及びエアーナイフコート等の
塗工機械による塗工方法で、溶剤乾燥、紫外線照射後、
プラスチック基材表面に1〜50μ、好ましくは3〜2
0μのハードコート層が得られる条件下で塗工すること
ができる。
【0027】溶剤乾燥後、必要に応じ、成形、印刷、転
写等の加工が行われる。成形は、例えば、ハードコート
剤を塗布した基材を適当な温度に加熱後、真空成形、真
空圧空成形、圧空成形、マット成形等の方法を用いて行
う基材込みの成形や、干渉縞等の凸凹形状をCDやレコ
ードの複製のようにハードコート剤上にエンボス成形す
る場合のようなハードコート層のみの成形等が挙げられ
る。印刷は、乾燥したハードコート剤上に通常の印刷機
を用い行われる。転写は、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムのような基材に本発明のハードコート
剤を塗布、乾燥した後、必要であれば前述の印刷やエン
ボス成形等を行い、接着層を塗布後、他の基材に転写す
る。紫外線硬化は、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧
水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボ
ンアーク灯、タングステンランプ等のランプを用い、紫
外線を1〜60秒照射することにより行われる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例によって限定される
ものではない。なお、例中の部および%は、重量部およ
び重量%をそれぞれ意味する。 実施例1 メチルメタクリレート100部及びメチルエチルケトン
150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、およ
び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチ
ロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応
してポリメチルメタクリレートの40%メチルエチルケ
トン溶液を得た。次に、3−イソシアナトプロピルトリ
メトキシシランと、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレートを67mol%含有するジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ
アクリレートの混合物(日本化薬社製:カヤラッドDP
HA、水酸基価69mgKOH/g)とを、−NCO基
/−OH基=1となるように各々205gと813gを
フラスコに入れ、ハイドロキノンモノメチルエーテル1
g及びジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.2gを加え、
110℃で3時間反応させた。この反応物を赤外線吸収
スペクトルにより分析したところ、−NCO基の2250cm
-1の吸収は認められず、反応が終了したことを確認し
た。得られた組成物(I)は、3−イソシアナトプロピル
トリメトキシシランとジペンタエリスリトールペンタア
クリレートとの反応物、及びジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートを各々71.6%、28.4%含有して
いた。
【0029】上記で得られたポリメチルメタクリレート
の40%メチルエチルケトン溶液25部、組成物(I)4
0部、キシレン及びn−ブチルアルコールを分散媒とす
るシリカゾル(日産化学社製:XBA-ST、固形分30%、
キシレン45%、n−ブチルアルコール25%)167
部、およびベンジルジメチルケタール1.5部を混合し
紫外線硬化性被覆組成物(A)を調製した。この紫外線硬
化性被覆組成物(A)を、透明な2mm厚のポリカーボネ
ート板に、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10
μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥
した。乾燥後のポリカーボネート板表面はタックがな
く、この被覆組成物(A)に塗膜形成性があることが認め
られた。このものを、試料通過方向に垂直に設置した出
力7.5kw、出力密度120w/cmの高圧水銀灯を用
い、光源下10cmの位置でコンベアスピード2m/分
の条件で紫外線を照射して紫外線硬化した。
【0030】ポリカーボネート板上に形成されたハード
コート層のポリカーボネート板との密着性は、ハードコ
ート層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤
目を作りニチバン製セロテープを圧着し強く剥がして評
価したところ、100/100で良好な密着性が得られ
た(碁盤目テープ法 JIS K5400)。また、得
られたハードコート処理ポリカーボネート板の透明性を
くもり価(%)で評価したところ、0.7%であり透明
性は良好であった。なお、ハードコート処理前の2mm
厚のポリカーボネート板のくもり価は0.5%であった
(くもり価=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過
率、Tt:全光線透過率 JISK7105)。次に耐
摩耗性は、Calibrase社製CS-10Fの摩耗輪を用い、荷重
500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバ
ー摩耗試験後のくもり価とテーバー摩耗試験前のくもり
価との差△Hを測定したところ5.2%であり耐摩耗性
は良好であった。なお、ハードコート処理を行っていな
い2mm厚のポリカーボネート板で同様のテーバー摩耗
試験を行い得られた△Hは46.7%であった(テーバ
ー摩耗試験法 ASTM D1044)。
【0031】実施例2 メチルメタクリレート70部、グリシジルメタクリレー
ト20部及びトルエン150部の混合物を加熱して80
℃に昇温した時、同昇温時より2時間後にそれぞれアゾ
ビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃
で6時間反応させた。次いで110℃まで昇温した後、
アクリル酸10部及びトリメチルアンモニウムブロマイ
ド1部を加え、110℃で6時間反応し、メチルメタク
リレートとグリシジルメタクリレートの共重合体の側鎖
にアクリロイル基を有する化合物の40%トルエン溶液
を得た。なお、このものの酸価は2mgKOH/gであ
った。この得られた化合物の40%トルエン溶液50
部、実施例1で得られた組成物(I)30部、イソプロピ
ルアルコールを分散媒とするシリカゾル(日産化学社
製:IPA-ST、固形分30%、イソプロピルアルコール7
0%)167部、およびベンジルジメチルケタール1.
5部を混合し紫外線硬化性被覆組成物(B)を得た。この
紫外線硬化性被覆組成物(B)を用いる以外は実施例1と
同様にしてハードコート処理ポリカーボネート板を得
た。なお、乾燥後のポリカーボネート板表面はタックが
なく、この被覆組成物(B)に塗膜形成性があることが認
められた。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性
を評価したところ、密着性:100/100、くもり
価:0.6%、△H:7.5%であり良好な結果が得られ
た。
【0032】実施例3 メチルメタクリレート90部、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン10部、およびメチルエ
チルケトン150部の混合物を加熱して80℃に昇温し
た時、および昇温時より2時間後にそれぞれアゾビスイ
ソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時
間反応してアルコキシシリル基を有するアクリルシリコ
ン樹脂の40%メチルエチルケトン溶液を得た。次に、
3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランと、カヤ
ラッドDPHAとを、−NCO基/−OH基=0.8と
なるように各々198gと813gをフラスコに入れ、
ハイドロキノンモノメチルエーテル1g、ジラウリン酸
ジ−n−ブチル錫0.2gを加え、110℃で3時間反
応させた。この反応物を赤外線吸収スペクトルにより分
析したところ−NCO基の2250cm-1の吸収は認められ
ず、反応が終了したことを確認した。この得られた組成
物(II)は、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラ
ンとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの反
応物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、お
よびジペンタエリスリトールペンタアクリレートを各々
61.0%、28.6%、10.4%含有する。得られた
アクリルシリコン樹脂の40%メチルエチルケトン溶液
37.5部、組成物(II)50部、シリカゾル(IPA-ST)
117部、およびベンジルジメチルケタール1.5部を
混合し紫外線硬化性被覆組成物(C)を得た。この紫外線
硬化性被覆組成物(C)を用いる以外は実施例1と同様に
してハードコート処理ポリカーボネート板を得た。な
お、乾燥後のポリカーボネート板表面はタックがなく、
この被覆組成物(C)に塗膜形成性があることが認められ
た。実施例1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価
したところ、密着性:100/100、くもり価:0.
6%、△H:6.8%であり良好な結果が得られた。
【0033】実施例4 メチルメタクリレート89部、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン10部、両末端メルカプ
トポリオルガノシロキサン(信越化学工業社製:X-22-1
67B)1部、およびメチルエチルケトン150部の混合
物を加熱して80℃に昇温した時、および昇温時より2
時間後にそれぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3
部ずつ添加し、80℃で8時間反応させて側鎖にアルコ
キシシリル基およびポリオルガノシロキサン単位を有す
るアクリルシリコン樹脂の40%メチルエチルケトン溶
液を得た。得られたアクリルシリコン樹脂の40%メチ
ルエチルケトン溶液25部、実施例3で得られた組成物
(II)50部、シリカゾル(IPA-ST)133部、およびベ
ンジルジメチルケタール1.5部を混合し紫外線硬化性
被覆組成物(D)を得た。この紫外線硬化性被覆組成物
(D)を用いる以外は実施例1と同様にしてハードコート
処理ポリカーボネート板を得た。なお、乾燥後のポリカ
ーボネート板表面はタックがなく、この被覆組成物(D)
に塗膜形成性があることが認められた。実施例1と同様
に密着性、透明性、耐摩耗性を評価したところ、密着
性:100/100、くもり価:0.5%、△H:5.3
%であり良好な結果が得られた。
【0034】実施例5 実施例4で得られた被覆組成物(D)及び透明な100
μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる
以外は実施例1と同様にしてハードコート処理ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを得た。ポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に形成されたハードコート層のポ
リエチレンテレフタレートフィルムとの密着性を評価し
たところ、100/100で良好な密着性が得られた。
また、得られたハードコート処理ポリエチレンテレフタ
レートフィルムの透明性をくもり価(%)で評価したと
ころ3.8%であり透明性は良好であった。なお、ハー
ドコート処理前の100μm厚のポリエチレンテレフタ
レートフィルムのくもり価は3.7%であった。次に耐
摩耗性を評価したところ△Hは6.4%であり耐摩耗性
は良好であった。なお、ハードコート処理を行っていな
い100μm厚のポリエチレンテレフタレートの△Hは
23.1%であった。
【0035】応用例1 実施例1で得られた紫外線硬化性被覆組成物(A)を、オ
フセット印刷をほどこしたコート紙に、バーコーターを
用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるように塗布し、
80℃で3分間加熱乾燥した後、エンボス加工し、次い
で実施例1と同様の条件で紫外線を照射して透明なレリ
ーフ層をコート紙表面に形成させた。これにより立体感
を有する印刷物が得られた。被覆組成物(A)は優れた耐
摩耗性表面を与えるだけでなく、エンボス加工性にも優
れているものであった。
【0036】応用例2 実施例4で得られた紫外線硬化性被覆組成物(D)を、1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、バ
ーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が10μmとなるよ
うに塗布し、100℃で10分間加熱乾燥した後、上に
グラビア印刷法で絵柄印刷し、さらにヒートシール用の
アクリル系接着剤(ホットスタンプ剤)を塗工した。合
板の上に前記アクリル系接着剤面を下にしてフィルム面
側から熱ロールにて熱転写を行った。次いで、フィルム
を剥がし、実施例1と同様の条件で紫外線を照射して表
層の紫外線硬化性被覆組成物(D)を硬化させた。このも
のは壁材として用いることができるものであり、被覆組
成物(D)は平滑な耐摩耗性表面を与えるだけでなく、絵
柄印刷、フィルムの剥離の加工性にも優れているもので
あった。。
【0037】比較例1 実施例1で得られた組成物(I)40部、シリカゾル(XBA
-ST)167部、およびベンジルジメチルケタール1.5
部を混合し紫外線硬化性被覆組成物(E)を得た。この紫
外線硬化性被覆組成物(E)を、透明な2mm厚のポリカ
ーボネート板に、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚
が10μmとなるように塗布し、100℃で10分間加
熱乾燥した。しかし、乾燥後のポリカーボネート板表面
にはタックがあり、この被覆組成物(E)に塗膜形成性は
認められなかった。
【0038】比較例2 実施例1で得られたポリメチルメタクリレートの40%
メチルエチルケトン溶液25部、カヤラッドDPHA4
0部、シリカゾル(IPA-ST)167部、およびベンジル
ジメチルケタール1.5部を混合し紫外線硬化性被覆組
成物(F)を得た。この紫外線硬化性被覆組成物(F)を用
いる以外は実施例1と同様にしてハードコート処理ポリ
カーボネート板を得た。なお、乾燥後のポリカーボネー
ト板表面は少しタックがあり、この被覆組成物(F)の塗
膜形成性は十分でなかった。また、実施例1と同様に密
着性、透明性、耐摩耗性を評価したところ、密着性:1
00/100、くもり価:0.6%、△H:18.5%で
あり、耐摩耗性は十分でなかった。
【0039】比較例3 実施例3で得られたアクリルシリコン樹脂の40%メチ
ルエチルケトン溶液37.5部、組成物(II)50部、お
よびベンジルジメチルケタール1.5部を混合し紫外線
硬化性被覆組成物(G)を得た。この紫外線硬化性被覆組
成物(G)を用いる以外は実施例1と同様にしてハードコ
ート処理ポリカーボネート板を得た。なお、乾燥後のポ
リカーボネート板表面は少しタックがあり、この被覆組
成物(G)の塗膜形成性は十分でなかった。また、実施例
1と同様に密着性、透明性、耐摩耗性を評価したとこ
ろ、密着性:100/100、くもり価:0.7%、△
H:16.4%であり、耐摩耗性は十分でなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08G 18/38 C08G 18/38 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 4/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アクリル樹脂、 (b)下記一般式(1): 【化1】 (式中R1およびR2は同一または異なる一価炭化水素
    基、R3は炭素数2〜8の二価炭化水素基、aは2〜3
    の整数、bは0〜1の整数、cは4−a−bに等しい整
    数を表す)で表されるイソシアネート基含有シランカッ
    プリング剤と、分子内に水酸基及び3個以上のアクリロ
    イル基を有する水酸基含有多官能アクリレートとを反応
    して得られる化合物、 (c)分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能
    アクリレート、 (d)有機溶剤を分散媒としたシリカゾル、 (e)有機溶剤、および (f)光重合開始剤 を含有し、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成
    分のシリカゾル固形分の割合が、これら成分の合計重量
    当たり、 (a)成分 5〜35重量% (b)成分+(c)成分 25〜60重量% (b)成分/(c)成分 0.2以上 (d)成分のシリカゾル固形分 20〜70重量% であることを特徴とする、耐摩耗性紫外線硬化性被覆組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記アクリル樹脂(a)が、下記(イ)〜
    (ニ)の化合物より選ばれるものである請求項1に記載の
    組成物。 (イ)(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合
    体 (ロ)(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合
    体の側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する化合物 (ハ)アルコキシシリル基を有するアクリルシリコン樹脂 (ニ)アルコキシシリル基及びポリオルガノシロキサン単
    位を有するアクリルシリコン樹脂
  3. 【請求項3】 前記分子内に3個以上のアクリロイル基
    を有する多官能アクリレート(c)が、ジペンタエリス
    リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
    ペンタアクリレート、およびこれらの混合物からなる群
    から選ばれるものである請求項1に記載の組成物。
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