JP3436492B2 - 耐摩耗性薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスク - Google Patents
耐摩耗性薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスクInfo
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Description
性を向上させた物品に関し、より詳しくは、光エネルギ
ーの照射により、基材表面に、硬化膜厚が3μm未満と
いう極薄で、かつ特に耐摩耗性に優れた、透明性、表面
平滑性、耐熱性、耐薬品性、耐久性、および基材との密
着性が良好な架橋硬化被膜を形成させた薄型物品に関す
る。
タクリルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリオレフィン樹脂などから製造された合成
樹脂成形品は、ガラス製品に比べて軽量で耐衝撃性に優
れるばかりでなく、透明性も良好で成形加工が容易であ
るなどの種々の利点を生かして、近年、光学ディスクや
家電部品、自動車用プラスチック材料、各種フィルム材
料等、種々の分野で利用されている。
その表面の耐摩耗性が不足しているため、他の硬い物体
との接触、摩擦、ひっかきなどによって表面に損傷を受
けやすく、表面に発生した損傷はその商品価値を著しく
低下させたりする。そのため、該成形品表面の耐摩耗性
を改良することが強く要求されている。
方法については、従来より種々検討されてきており、例
えば、アルキルトリアルコキシシランを主成分としたシ
ラン混合物の部分加水分解縮合物とコロイダルシリカと
からなる塗料を成形品表面に塗布し、次いでこれを加熱
処理し、架橋硬化被膜を形成させて耐摩耗性を改良する
方法(米国特許第4,006,271号)が開示されて
いる。この方法では、高度な耐摩耗性は得られるが、成
形品表面との密着性が不十分な場合が多く、この密着性
を改良するためにアクリル系またはシリコン系等からな
るポリマーをプライマーとして用いる必要があり、該被
膜の形成工程が複雑となる問題点がある。また、硬化時
間が長いため、経済的にも不利であり、生産性も劣る。
7−500984号、米国特許第4,438,462号
には、コロイダルシリカとメタクリロイルオキシ基また
はグリシジル基の官能基を有するアルコキシシラン、非
シリルアクリレートからなる紫外線硬化性塗料を成形品
表面に塗布し、次いでこれに紫外線を照射し、耐摩耗性
合成樹脂成形品を得る方法が、そして特開昭58−17
56号には、コロイダルシリカとシリルアクリレートの
加水分解物、多官能アクリレートおよび光重合開始剤と
からなる実質的に有機溶剤を含有しない被覆材組成物お
よびその製法が、さらに特開平4−214743号に
は、アクリレート修飾したコロイダルシリカ、多官能ア
クリレート及び限定構造の多官能ウレタンアクリレート
からなる実質的に有機溶剤を含有しない被覆材組成物が
それぞれ開示されている。これらの方法は、シリコン系
被膜を紫外線照射により硬化させる方法であり、従来か
ら課題であった該被膜の硬化時間を大幅に短縮できる利
点があり、また合成樹脂成形品の耐摩耗性改良について
も有利なものである。
の分野では、その高密度化の要求がなされていることか
ら、比較的薄肉の基材が使用されるようになり、基材に
そりが発生せず、かつ表面平滑性を維持させることが重
要な課題となっている。ところが、上記した従来方法で
は、硬化膜厚が3〜100μmの膜厚の厚い被覆膜は形
成できるものの、薄肉基材からなる光学ディスクやフィ
ルム、シート等の薄肉の基材に適用した場合には、膜厚
が厚いために硬化収縮に伴う応力により該被覆膜付与側
へ基材がそるという不具合が生じてしまう。このそりが
微少であったとしても、それは、特に高密度化した光学
ディスクに適用する場合、そのまま光学ディスクの性能
低下に結びつくので、重要な課題である。
縮は、ラジカル重合性組成物の場合、一般に6%〜十数
%になる。この硬化収縮を0%とすることは不可能なた
め、そりを最小限にとどめるためには、硬化膜厚をでき
る限り薄くする必要がある。ところが、通常、光等の活
性エネルギー線で重合が開始されるラジカル重合は、特
殊な不活性ガス雰囲気下、または真空下でなければ空気
中の酸素による重合阻害のために、上記のような従来方
法による耐摩耗性被膜では、3μm未満の薄膜状態で硬
化させるのは困難である。まして該薄膜の状態で耐摩耗
性と耐久性等の各種性能をバランスよく付与することは
できないのが現状である。
かつ透明性、表面平滑性、耐熱性、耐薬品性、耐久性及
び基材との密着性等の各種性能をバランスよく有する膜
厚の薄い架橋硬化被膜で基材表面が被覆された、そりの
ない薄型物品を提供することにある。
記課題について鋭意検討した結果、有機溶媒分散型コロ
イダルシリカ微粒子と特定のラジカル重合性シラン化合
物を加水分解し、縮合反応して得られる光硬化性シリコ
ーンと1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する単量体を併用することにより、3μ
m未満の薄膜状態でも硬化できる光感応性被覆材組成物
を用いることにより、非常に優れた性能を有する薄型物
品が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
機溶媒分散型コロイダルシリカ微粒子(固形分)40〜
90重量部と、(a−2)下記の一般式(I)
キシ基、又はビニルオキシ基をR1は炭素数0〜8の直
鎖型又は分岐型アルキレン基を、 R2、R3は炭素数
1〜8の直鎖型又は分岐型アルキル基を、aは1〜3の
正の整数を、bは0〜2の正の整数を示し、a+bは1
〜3の正数である。)で示される単量体(固形分)10
〜60重量部(ただし、(a−1)成分と(a−2)成
分との合計量を100重量部とする)を加水分解し、縮
合反応して得られる光硬化性シリコーンの固形分10〜
70重量%と、 (B)1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する単量体の少なくとも1種30〜90
重量%の合計量100重量部に対して、 (C)光重合開始剤0.01〜10重量部、 (D)有機溶剤の少なくとも1種30〜2000重量部
からなる光感応性被覆材組成物を厚さ1.5mm未満の
基材上に塗布した後、含有する有機溶剤(D)を揮発さ
せ、光エネルギー照射により重合硬化させた、膜厚3μ
m未満の硬化被膜を有することを特徴とする、耐摩耗性
薄膜を有する薄型物品、 (A)(a−1)有機溶媒分散型コロイダルシリカ微粒
子(固形分)40〜90重量部と、(a−3)下記の一
般式(II)
キシ基、又はビニルオキシ基をR1は炭素数0〜8の直
鎖型又は分岐型アルキレン基を、R2は炭素数1〜8の
直鎖型又は分岐型アルキル基を、aは1〜3の正の整数
を、bは0〜2の正の整数を示し、a+bは1〜3の正
数である。)で示される単量体の加水分解物(固形分)
10〜60重量部(ただし、(a−1)成分と(a−
3)成分との合計量を100重量部とする)を、縮合反
応して得られる光硬化性シリコーンの固形分10〜70
重量%と、 (B)1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する単量体の少なくとも1種30〜90
重量%の合計量100重量部に対して、 (C)光重合開始剤0.01〜10重量部、 (D)有機溶剤の少なくとも1種30〜2000重量部
からなる光感応性被覆材組成物を厚さ1.5mm未満の
基材上に塗布した後、含有する有機溶剤(D)を揮発さ
せ、光エネルギー照射により重合硬化させた、膜厚3μ
m未満の硬化被膜を有することを特徴とする、耐摩耗性
薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスクにある。
ート」とは「アクリレートおよび/またはメタクリレー
ト」を、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは「アク
リロイルオキシ基および/またはメタアクリロイルオキ
シ基」をそれぞれ意味する。
ついて説明する。まず、本発明の耐摩耗性薄膜を有する
薄型物品について、まず、その耐摩耗性薄膜を形成する
光感応性被覆材組成物(以下、被覆組成物と略記す
る。)について説明する。
れらの表面に付与する耐摩耗性被膜を、光硬化性シリコ
ーン(A)を含む被覆組成物で形成することを特徴とす
る。
のコロイダルシリカ微粒子と一般式(I)で示される単
量体の加水分解物の存在下で、コロイダルシリカ微粒子
中の分散媒を常圧または減圧下でトルエン等の非極性溶
媒とともに共沸留出させ、該分散媒を非極性溶媒に置換
した後、加熱下で反応させる工程で行う。
説明する。ここでいう(a−1)成分のコロイダルシリ
カ微粒子と一般式(I)で示される単量体の加水分解物
の存在下とは、(a−1)成分と(a−2)成分を混
合した後、加水分解触媒を加え、常温または加熱下で撹
拌する等の常法によって、一般式(I)で示される単量
体の加水分解を行った該加水分解物存在下と、予め加
水分解反応をして得た(a−2)成分の加水分解物(a
−3)と(a−1)成分を混合した該加水分解物存在下
の2通りを意味する。
物の製法は、一般式(I)で示される単量体1モルに対
して、アルコール溶媒等有機溶媒の存在下または非存在
下において、前記の方法の場合には(a−1)成分も
存在下、0.5〜6モルの水、あるいは0.001〜
0.1規定の塩酸または酢酸水溶液等の加水分解触媒を
加え、加熱下で撹拌しつつ、加水分解で生じるアルコー
ルを系外に除去すればよい。
えばよい。具体的には、前記の方法では得られたこの
加水分解物を存在下、前記の方法ではここで(a−
1)成分を加えて、まず、コロイダルシリカ微粒子(a
−1)中の分散媒と縮合反応で生じる水を常圧または減
圧下で60〜100℃、好ましくは70〜90℃の温度
で共沸留出させ、固形分濃度を50〜90重量%とす
る。次に系内にトルエン等の非極性溶媒を加え、この非
極性溶媒、水、及びコロイダルシリカ微粒子の分散媒を
さらに共沸留出させながら60〜150℃、好ましくは
80〜130℃の温度で固形分濃度を30〜90重量
%、好ましくは50〜80重量%に保持しながら、0.
5〜10時間撹拌し縮合反応を行う。この際、反応を促
進させる目的で、水、酸、塩基、塩等の触媒を用いても
よい。これにより、光硬化性シリコーン(A)は得られ
る。
ルシリカ微粒子の表面を(メタ)アクリロイル官能シリ
コーンで被覆して疎水化した光硬化性シリコ−ン(A)
を用いることにより、本発明に用いる被覆組成物中で併
用する多官能アクリレートとの相溶性が向上し、得られ
る架橋硬化被膜の透明性が良好となる。
(A)成分を得るために用いる(a−1)〜(a−3)
成分について説明する。
粒子径が1〜200nmの範囲の無水ケイ酸の超微粒子
を、有機溶媒に分散させた状態のものである。
れる分散媒としては、例えばメタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノー
ル、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤;エチレン
グリコールなどの多価アルコール系溶剤;エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブなどの多価アルコール誘導体;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセ
トンアルコールなどのケトン系溶剤;2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどのモノマ
ー類が挙げられる。
溶剤が、(a−2)成分もしくは(a−3)成分との反
応工程上、特に好ましい。
は、公知の方法で製造することもできるが、市販もされ
ている。本発明において(a−1)成分の一次粒子径は
1〜200nmの範囲内であることが好ましく、5〜8
0nmの範囲が特に好ましい。この一次粒子径が1nm
に満たないものは(a−2)成分もしくは(a−3)成
分との反応工程においてゲル化を起こしやすく、目的と
する被覆組成物を得ることができず、また、一次粒子径
が200nmを超える場合には、硬化被膜の透明性が低
下する傾向にある。
化被膜の耐摩耗性を著しく改善でき、特に、ケイ砂等の
微粒子に対する耐摩耗性の改善効果が大きい。しかし、
コロイダルシリカを単独で硬化被膜とした場合には、合
成樹脂成形品表面に対する密着性が劣る。
体(以下、シラン化合物と略す。)は、コロイダルシリ
カ微粒子(a−1)と予め反応させることにより、
(B)成分である多官能(メタ)アクリレートとの相溶
性を向上させる成分である。
射により重合活性を示すアクリロイルオキシ基、メタク
リロイルオキシ基またはビニル基を有するシラン化合物
が用いられ、このシラン化合物を用いることにより、
(B)成分の多官能(メタ)アクリレートとの化学結合
形成が可能な光硬化性シリコーンを形成することがで
き、かつ得られる硬化被膜に強靱性を付与することがで
きる。さらに、コロイダルシリカ微粒子(a−1)と
(a−2)成分を併用することにより、得られる硬化被
膜の耐摩耗性をさらに向上させることができ、特に、ス
チールウール等の金属繊維に対する耐摩耗性の改善効果
を大きくすることができる。
具体例として、例えば、3−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエ
チルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエ
チルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチ
ルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシランなどから選択され
る、少なくとも1種のシラン化合物が挙げられる。
シプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオ
キシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオ
キシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシランから選択される少な
くとも1種のシラン化合物が、(a−1)成分との反応
性が優れる点で特に好ましい。
記(a−2)成分の代わりに、(a−3)成分として一
般式(II)で示される単量体(a−2)の加水分解物を
用いることができる。(a−3)成分の具体例として
は、前記した(a−2)成分のシラン化合物から選択さ
れる少なくとも1種のシラン化合物の加水分解物が挙げ
られる。この(a−3)成分である(a−2)成分の加
水分解物の製法は、前記した通り、シラン化合物に対し
て、有機溶媒の存在下または非存在下において、加水分
解触媒を加え、常温、又は加熱下で撹拌しつつ加水分解
で生じるアルコールを系外に除去すればよい。
(A)の製造時に用いる非極性溶媒とは、誘電率、双極
子能率あるいは水素結合パラメータを基準として選ばれ
るものであり、広義には、中程度の極性を有する溶媒も
含むものである。例えば、20℃の誘電率が2〜10の
範囲の非極性溶媒が本発明においては好ましい溶媒であ
る。
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロ
ヘキサン等の炭化水素類;トリクロルエチレン、テトラ
クロルエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジ
オキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類;メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類;酢酸n−ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステ
ル類;1−メトキシ−2―プロパノール、エチレングリ
コールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体等
を挙げることができる。また、不飽和エチレン性化合
物、例えば、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する単量体を非極性溶媒として用いるこ
ともできる。
類、芳香族炭化水素類、または多価アルコール誘導体を
用いることが(a−1)成分と(a−2)成分との反応
の面から好ましく、特に好ましい非極性溶媒としては、
トルエン、1−メトキシ−2―プロパノールを挙げるこ
とができる。
固形分濃度は30〜90重量%の範囲が好ましい。この
固形分濃度が30重量%未満、すなわち溶媒が70重量
%を超える場合には、(a−1)成分と(a−2)又は
(a−3)成分との反応が不十分となり、これを用いた
被覆組成物を用いて得られる架橋硬化被膜は、透明性が
劣る傾向にある。一方、この固形分濃度が90重量%を
超えると、縮合反応が急激に起こり、反応系がゲル化状
態となる等の問題が生じるようになる。
は60〜150℃の範囲が好ましい。これは、反応温度
が60℃未満の場合には、反応が十分に進行しないため
反応時間を長く要し、一方反応温度が150℃を超える
場合には、シラノールの縮合以外の反応が起こったり、
またはゲルが生成する等の問題が起こるようになる。
て、反応工程での(a−1)成分の固形分と、(a−
2)成分の加水分解物又は(a−3)成分の固形分(シ
ラノールとして換算)との使用割合は、重量比で(a−
1)/(a−2)又は(a−3)=40〜90/10〜
60、好ましくは50〜80/20〜50(合計100
重量部)である。
(a−1)成分が90重量部を超えると反応系が白濁し
たり、ゲルが生成したりする等の問題が生じ、また、架
橋硬化被膜にクラックが発生し易い傾向となる。一方、
(a−1)成分が40重量部未満では硬化被膜の耐摩耗
性が低下する傾向がある。
2)成分又は(a−3)成分とを反応させることによ
り、得られる被覆組成物の硬化性が改善され、3μm未
満の薄膜の形成が可能となるとともに、かつ大気雰囲気
下においても透明で耐摩耗性に優れる硬化被膜の形成が
可能となる。
ーンを用いた被覆組成物は、その硬化性が十分でなく大
気雰囲気下では十分に硬化できず、3μm未満の薄膜と
した場合に、透明性の低下等、外観欠陥が起こりやす
く、また、硬化被膜の十分な耐摩耗性や耐久性等が得る
ことができない。
(A)成分である光硬化性シリコーンは、架橋硬化被膜
の耐摩耗性、耐久性を改善する成分である。(A)成分
の使用割合は、(A)成分(固形分量)と(B)成分の
合計量に対して10〜70重量%の範囲、好ましくは2
0〜60重量%の範囲、さらに好ましくは25〜55重
量%の範囲となる量である。
場合、十分な硬化性、耐摩耗性、耐久性の改善効果が得
られず、一方、70重量%を超えるときは硬化被膜にク
ラックの発生が認められるようになる。
アクリロイルオキシ基を有する単量体としては、脂肪族
系、脂環族系または芳香族系のモノ、又はポリ(メタ)
アクリレートや、脂肪族、脂環族または芳香族のウレタ
ンポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)ア
クリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートが
使用できる。
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、無水
フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
との付加物などのモノ(メタ)アクリレート化合物;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9
−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、トリメチロールプロパンジアクリレート、ビス(2
−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−
イソシアヌレートなどのジ(メタ)アクリレート化合
物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)
イソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイル
オキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピル)−2−エトキシプロピルイソシアヌレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多
官能(メタ)アクリレート化合物;ビスフェノールA型
ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキ
シジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)ア
クリレート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
の3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
を反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソ
ホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)ア
クリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウ
レタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジ
イソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレー
ト、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(n=6−
15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物
に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応
させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポ
リ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタンとコハ
ク酸、(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンとコハ
ク酸、エチレングリ、コール及び(メタ)アクリル酸と
を反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポ
リエステルポリ(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
よいし、2種以上を混合して用いてもよいが、優れた耐
摩耗性を薄型物品に付与させる場合には、分子内に2個
以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を(B)
成分として使用するのが好ましい。
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビ
ス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキ
シエチルイソシアヌレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリ
レート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタ
ンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソ
シアネートとポリ(n=6−15)テトラメチレングリ
コールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシ
エチル)イソシアヌレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の化合物
が特に好ましい。
形分量)と(B)成分の合計量に対して30〜90重量
%の範囲である。
場合には、得られる薄膜硬化被膜の耐久性、及び基材と
の密着性が低下し、90重量%以上では、耐摩耗性と空
気中での反応性が低下する傾向にあるためである。好ま
しくは40〜80重量%の範囲、より好ましくは45〜
75重量%の範囲である。
合開始剤を配合する。
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾ
インイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、ト
ルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベ
ンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルフェニ
ルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレー
ト、4,4−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン等のカルボニル化合
物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチル
チウラムジスルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジター
シャリーブチルパーオキシド等のパーオキシド化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド等のアシルホスフィンオキサイド化合物を挙げること
ができる。
ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレ
ートから選ばれる1種以上の化合物が特に好ましい。
形分量)と(B)成分の合計量100重量部に対して
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部で
ある。(C)成分の使用割合が10重量部を超えると架
橋硬化被膜が帯色し、耐候性が低下し、0.01重量部
未満では得られる被覆組成物を硬化させることができな
い。
解性、分散安定性、さらには基材との密着性および硬化
被膜の平滑性、均一性などの面から、(D)成分として
有機溶剤を用いる。本発明に用いる被覆組成物を基材に
塗布するには、ハケ塗り、スプレーコート、ディップコ
ート、スピンコート、ロールコート、カーテンコートな
どの常法が使用可能であるが、塗布時には低粘度である
ことが望ましい。しかし、(A)成分である光硬化性シ
リコーンと(B)成分の混合物は非常に高粘度であるこ
とから、有機溶剤(D)により塗工に好適な粘度に希釈
するのが好ましい。
ではなく、(A)成分(固形分量)と(B)成分の合計
量100重量部に対して30〜2000重量部の範囲
で、少なくとも1種の有機溶剤を配合すればよい。
炭化水素系、ケトン系、エーテル系、エステル系、多価
アルコール誘導体、ハロゲン化炭化水素系等の有機溶剤
から選ばれる少なくとも1種以上を挙げることができ
る。
ば、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブ
タノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶
剤、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、
高沸点芳香族溶剤(スワゾール1000等)等の炭化水
素系溶剤、MEK、MIBK、DIBK、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶剤、エチルエーテル等のエーテル系
溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、酢酸
メトキシプロピル、酢酸エトキシエチル等のエステル系
溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、メトキシプロパノール、メトキシブタノー
ル、エチルジグリコール等の多価アルコール誘導体溶剤
が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を
混合して用いてもよい。
分散安定性、さらには基材との密着性および被膜の平滑
性、均一性などの面から、有機溶剤(D)として、(d
−1)アルコール系有機溶剤10〜50重量%、(d−
2)酢酸エステル系有機溶剤10〜50重量%、(d−
3)ケトン系溶剤5〜30重量%、(d−4)多価アル
コール誘導体溶剤1〜30重量%((D)成分の総量を
100重量%としたとき)の組み合わせからなるものが
特に好ましい。
(固形分量)と(B)成分の合計量100重量部に対し
て、30〜2000重量部の範囲、好ましくは50〜1
000重量部の範囲で添加するのが好ましい。
る必須成分であるが、さらに、必要に応じて、酸化防止
剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング
剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が含まれ
ていてもよい。
ては、架橋硬化被膜の膜厚が3μm未満、好ましくは
0.5〜2.5μmの範囲に塗布するのがよい。この膜
厚が0.3μm未満の場合は十分な耐摩耗性と基材との
密着性が劣る傾向にあり、3μmを超える場合は、被覆
組成物の硬化収縮による基材のそりが増加する傾向にあ
る。
させる手段としては、光エネルギー照射、例えばα,β
およびγ線などの活性エネルギー線を公知の方法で被覆
組成物の塗膜に照射することにより行えばよく、特に限
定されるものではない。より薄い薄型基材に適用するに
は、被覆組成物の硬化手段として紫外線を用いることが
特に好ましい。この際に用いる紫外線発生源としては、
実用性、経済性の面から一般に使用されている紫外線ラ
ンプでよい。紫外線ランプの具体例としては、例えば、
低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、
キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられ
る。光エネルギー照射の雰囲気下は、空気中でもよい
し、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよいが、実用
性、経済性の面からは空気中が好ましい。
前記被覆組成物を塗布した後、紫外線照射エネルギーに
て硬化させる前に、該被覆組成物中に含有される有機溶
剤成分(D)を揮発除去する、あるいは硬化被膜の基材
に対する密着性向上を目的として、赤外線または熱風乾
燥炉を用いて、20〜120℃で1〜60分間の熱処理
を行ってもよい。
材を適用することができるが、特に、従来から耐摩耗性
や耐候性等の表面改質要望のある各種の熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂などの合成樹脂が挙げられる。
ルメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アク
リロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポ
リアリルジグリコールカーボネート樹脂などが挙げられ
る。特に、ポリメチルメタクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂は、透
明性に優れ、かつ耐摩耗性の改良要求も強いため、本発
明の基材として用いると特に有効である。また本発明に
おける薄型物品とは特に限定されないが、これらの基材
からなる光ディスク成型品、シート状成形品、フィルム
状成形品、レンズ状成型品、および各種形状のキャスト
法、押し出し法、加圧成形法あるいは射出成形法により
得られる物品に好適である。
明する。なお、実施例および比較例における評価は次の
ような方法で行った。
て曇価を測定した。なお、表中の評価結果には、ヘイズ
値と併せて、光学的に問題がないヘイズ値が1未満の場
合には○を、光学的に問題が有るヘイズ値が1以上の場
合には×を記している。 (2)基材のそり 直径120mm、厚さ1.2mmのCD光ディスク(ポ
リカーボネート射出成型品)のレーザー読みとり面に被
覆組成物を塗布、硬化させた後、該CD光ディスクのそ
り具合を、光ディスク光学機械特性測定装置(DLD−
3000、ジャパンイーエム(株)製)で測定し、硬化
被膜形成前の値と形成後の値の差を記載した。なお、表
中の評価結果には、前記値と併せて、信号読みとりに全
く問題がない△mRa(ミリラシ゛アン)=0〜±3の場合に
は◎を、信号読みとりの許容範囲である△mRa(ミリラシ
゛アン)=0〜±5の場合には○を、信号読みとりに問題
がある△mRa(ミリラシ゛アン)=±5を超える場合には×
を記している。
F、荷重500g、回転数100サイクルの条件で摩耗
テストを行った。摩耗した後、試料を中性洗剤を用いて
洗浄し、ヘーズメータで曇価を測定した。なお、表中の
評価結果には、上記曇価のヘイズ値と併せて、耐摩耗性
は摩耗前に対する摩耗後のヘイズ増加値が、実用レベル
である10未満の場合には○を、実用に耐えられないレ
ベルである10以上を×で示している。 (2)スチールウールテスト #000スチールウール(日本スチールウール(株)、
ボンスター(登録商標))を1cm2の円形パッドに装
着し、往復式摩耗試験機台上に保持された試料表面にこ
のパッドを置いて荷重1,000g下で50サイクル摩
耗した。この試料を中性洗剤を用いて洗浄し、ヘーズメ
ータで曇価を測定した。なお、表中の評価結果には、上
記曇価のヘイズ値と併せて、耐摩耗性は摩耗前に対する
摩耗後のヘイズ増加値が、実用レベルである5未満の場
合には○を、実用に耐えられないレベルである5以上を
×で示している。
m間隔で基材に達する傷を入れて100個のます目をつ
くり、セロハンテープ(巾25mm、ニチバン社製)を
ます目に対して圧着させて上方に急激にはがし、基材に
残存するます目数を数えた。なお、上記の残存するます
目数は、100個のものは密着性が良好、0−99個の
ものは密着性に問題有りを示すものである。
0型)を用い、温度80℃、湿度85%RHの試験条件
で2,000時間の加速耐久性テストを行った。このテ
スト終了後のサンプルについて、外観を目視で観察し、
さらに密着性、そりについても評価した。なお、外観
(ヘイズ値)及び密着性の評価基準は、前記した各評価
方法と同様とし、そり具合の評価は、前記のそり評価に
準ずる。
の4ツ口フラスコに、イソープロパノールシリカゾル
(分散媒;イソ−プロパノール、SiO2 濃度;30
重量%、一次粒子径;12nm、商品名;IPA−S
T、日産化学工業(株))(以下、IPA−STと略記
する。)2,000部と、3−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン(商品名;TSL−837
0、東芝シリコン(株))(以下、TSL−8370と
略記する。)382部を計量し、撹拌しながら昇温さ
せ、揮発成分の還流が始まると同時に純水を150部徐
々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間撹拌しなが
ら加水分解を行った。加水分解終了後、常圧状態でアル
コール、水等の揮発成分を留出させ、固形分(IPA−
STのSiO2 600部とTSL−8370の317
部の合計量917部)濃度が約60%の時点でトルエン
600部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒
に共沸留出させた。
けて追加し、完全に溶媒置換を行い、トルエン分散系と
した。このときの固形分濃度は約40重量%であった。
さらに、トルエンを留出させながら110℃で4時間反
応を行ない、固形分濃度を約60重量%とした。この後
さらにメトキシプロパノール1000部を追加し、トル
エンを蒸発留出させ溶媒置換を行い、メトキシプロパノ
ール分散系とした。得られた光硬化性シリコーン(以
下、SC−1と略記する。)は、黄色状でニュートン流
体の透明、粘稠な液体であり、25℃の粘度が30mP
・sであった。また、固形分濃度は加熱残分で58重量
%であった。なお、加熱残分は、(加熱後の重量(g)
/加熱前重量(g))×100(重量%)で示し、加熱
条件は105℃で3時間である。
2)の合成 合成例1の3−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシランの代わりに、3−アクリロイルオキシプロピ
ルトリエトキシシランを用いる以外は、合成例1と同様
にして光硬化性シリコーン(以下、SC−2と略記す
る。)を得た。
3)の合成 合成例1の3−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシランの代わりに、ビニルトリメトキシシランを用
いる以外は、合成例1と同様にして光硬化性シリコーン
(以下、SC−3と略記する。)を得た。
を86.2g(固形分として50g、溶剤成分として1
−メトキシ−2−プロパノールを36.2g含む)、
(B)成分として、トリス(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート(商品名;アロニックスM−31
5、東亜合成化学工業(株)製)20g、ビス(アクリ
ロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト(商品名;アロニックスM−215、東亜合成化学工
業(株)製)20g、1,9−ノナンジオールジアクリ
レート(商品名;ビスコート#260、大阪有機化学工
業(株)製)10g、(C)成分として、ベンゾフェノ
ン、1.5g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリ
ティーケミカルズ(株)製)1.5g、(D)成分とし
て、1−メトキシ−2−プロパノール、155g(総計
294g、固形分35wt%)からなる組成で被覆組成
物を調製した。この被覆組成物を用いてコンパクトディ
スク(CD)射出成形品(素材、ポリカーボネート、色
調クリヤー、1.2mm厚、120mm直径)にスピン
コート法により塗布(回転数4000rpm、振り切り
時間2秒)し、40℃の温風乾燥機内で2分間乾燥した
後、空気雰囲気中において高圧水銀灯を用い、1,00
0mJ/cm2(波長320〜380nmの紫外線積算
エネルギー)の紫外線を照射し、硬化被膜の膜厚が1.
1μmである耐摩耗性薄膜が読みとり面に形成されたC
Dを得た。この性能の評価結果を表2に示した。
す組成で各被覆組成物を調製した。これを実施例1と同
様の方法でCD射出成形品に塗布、硬化させ、表1に記
載の膜厚のCDを得た。この性能の評価結果を表2に示
した。
材であるコンパクトディスク(CD)射出成形品(素
材、ポリカーボネート、色調クリヤー、1.2mm厚、
120mm直径)の耐久性テストを行い、性能の評価結
果を表2に示した。
化合物を表わす。
ルトリメトキシシランの代わりに、3−アクリロイルオ
キシプロピルトリエトキシシランを用いる以外は合成例
1と同様にして製造した光硬化性シリコーン SC−3:合成例1の3−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシランの代わりに、ビニルトリメトキシ
シランを用いる以外は合成例1と同様にして製造した光
硬化性シリコーン
ト(商品名;アロニックスM−315、東亜合成化学工
業(株)製)40g ・ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチル
イソシアヌレート(商品名;アロニックスM−215、
東亜合成化学工業(株)製)40g ・1,9−ノナンジオールジアクリレート(商品名;ビ
スコート#260、大阪有機化学工業(株)製)20g (B−2):下記モノマー混合物(計100g中) ・イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート2.1モルを反応させたウレタン
アクリレート(合成品)50g ・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品
名:DPHA、日本化薬(株)製)30g ・4−ヒドロキシブチルアクリレート、20g
名:イルガキュア184、チバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製)50g (C−2):下記光開始剤混合物(計100g中) ・2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフ
ィンオキサイド(商品名;Lucirin−TPO、B
ASF(株)製)40g ・メチルフェニルグリオキシレート(商品名;バイキュ
アー55、ストウファー(株)製)60g
0g中) (D−1):1−メトキシ−2−プロパノール100g (D−2):イソ−ブチルアルコール50g、酢酸エチ
ル30g、 メチル−イソブチルケトン(MIBK)2
0g
は、耐摩耗性と耐久性に優れるばかりでなく、光ディス
クを始めとする薄肉樹脂成形品の形状精度にも優れるも
のであり、耐摩耗性、耐久性、寸法精度等の要求の強い
光学関連部材、特に、光ディスク、ディスプレイ関連部
品、液晶関連部品、太陽電池関連部品などの用途に特に
有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)(a−1)有機溶媒分散型コロイ
ダルシリカ微粒子(固形分)40〜90重量部と、(a
−2)下記の一般式(I) 【化1】 (式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオ
キシ基、又はビニルオキシ基をR1は炭素数0〜8の直
鎖型又は分岐型アルキレン基を、 R2、R3は炭素数
1〜8の直鎖型又は分岐型アルキル基を、aは1〜3の
正の整数を、bは0〜2の正の整数を示し、a+bは1
〜3の正数である。)で示される単量体(固形分)10
〜60重量部(ただし、(a−1)成分と(a−2)成
分との合計量を100重量部とする)を加水分解し、縮
合反応して得られる光硬化性シリコーンの固形分10〜
70重量%と、 (B)1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する単量体の少なくとも1種30〜90
重量%の合計量100重量部に対して、 (C)光重合開始剤0.01〜10重量部、 (D)有機溶剤の少なくとも1種30〜2000重量部
からなる光感応性被覆材組成物を厚さ1.5mm未満の
基材上に塗布した後、含有する有機溶剤(D)を揮発さ
せ、光エネルギー照射により重合硬化させた、膜厚3μ
m未満の硬化被膜を有することを特徴とする、耐摩耗性
薄膜を有する薄型物品。 - 【請求項2】 (A)(a−1)有機溶媒分散型コロイ
ダルシリカ微粒子(固形分)40〜90重量部と、(a
−3)下記の一般式(II) 【化2】 (式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオ
キシ基、又はビニルオキシ基をR1は炭素数0〜8の直
鎖型又は分岐型アルキレン基を、R2は炭素数1〜8の
直鎖型又は分岐型アルキル基を、aは1〜3の正の整数
を、bは0〜2の正の整数を示し、a+bは1〜3の正
数である。)で示される単量体の加水分解物(固形分)
10〜60重量部(ただし、(a−1)成分と(a−
3)成分との合計量を100重量部とする)を、縮合反
応して得られる光硬化性シリコーンの固形分10〜70
重量%と、 (B)1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する単量体の少なくとも1種30〜90
重量%の合計量100重量部に対して、 (C)光重合開始剤0.01〜10重量部、 (D)有機溶剤の少なくとも1種30〜2000重量部
からなる光感応性被覆材組成物を厚さ1.5mm未満の
基材上に塗布した後、含有する有機溶剤(D)を揮発さ
せ、光エネルギー照射により重合硬化させた、膜厚3μ
m未満の硬化被膜を有することを特徴とする、耐摩耗性
薄膜を有する薄型物品。 - 【請求項3】 耐摩耗性薄膜を有する薄型物品が光学デ
ィスクである、請求項1及び請求項2記載の耐摩耗性薄
膜を有する薄型物品。
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