JP4372268B2 - コーティング剤、および被覆層を有する樹脂成形品 - Google Patents

コーティング剤、および被覆層を有する樹脂成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多官能(メタ)アクリレート単量体と、所望により単官能(メタ)アクリレート単量体と、特定形状を有するコロイダルシリカとを含んでなるコーティング剤、および、それを硬化してなる耐摩耗性、耐候性、基材との密着性等に優れた被覆層を有する樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、AS樹脂などから製造される樹脂成形品は、ガラス製品に比べて軽量で耐衝撃性に優れるばかりでなく、透明性も良好で、成形加工が容易であるなどの種々の利点を生かし、各種分野で利用されている。
【0003】
しかしその反面、これら樹脂成形品は、表面の耐摩耗性が不足しているので、他の硬い物体との接触、摩擦、引っ掻き等によって表面に損傷を受け易く、この損傷によって商品価値が著しく低下したり、短期間で使用不能になったりする。したがって、これら樹脂成形品の表面の耐摩耗性を改良することが、強く要望されている。
【0004】
この点を改良する方法として、例えば、特開昭53−102936号公報、同53−104638号公報、および同54−97633号公報には、分子中に複数の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物からなる硬化液を成形品に塗布し、熱または紫外線等の活性エネルギー線により硬化せしめ、耐摩耗性の優れた成形品を得る方法が開示されている。この方法は、硬化液が比較的安価で、生産性にも優れるという利点を有する。しかし、硬化被膜が有機物であることからその被覆成形品の耐摩耗性には限界がある。
【0005】
一方、より高い耐摩耗性を成形品に付与する方法として、例えば、特開昭48−26822号公報、および同59−64671号公報には、アルコキシシラン化合物をプラスチック成形品の表面に塗布し、熱により硬化させる方法が開示されている。また例えば、特開昭56−106969号公報には、コロイダルシリカと有機樹脂の混合物をプラスチック成形品の表面に塗布し、熱により硬化させる方法が開示されている。しかし、これらの方法では、溶剤が用いられるので乾燥工程が必要であり、また熱により硬化させる必要があるのでエネルギー消費量が大きく、硬化に長時間を要するので工業的に不利である。更に、溶剤を塗膜の硬化・乾燥工程で揮散することは、近年特に注目されている地球環境保護といった観点からも好ましくない。
【0006】
これらの問題点を改良する方法として、例えば、特開昭57−131214号公報、および特開平3−56514号公報には、分子中に複数の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とコロイダルシリカからなる硬化液を、成形品に塗布し、紫外線等の活性エネルギー線により硬化せしめ、高い耐摩耗性を有する被覆成形品を得る方法が開示されている。しかし、この方法は、被覆成形品の耐候性に問題があり、耐摩耗性、耐候性および被覆層と基材との密着性のバランスに優れた被覆成形品を得ることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた外観、硬度を有し、耐摩耗性、耐候性、および、基材との密着性のバランスに優れた被覆層を成形品の表面に形成でき、かつ無溶剤化が可能なコロイダルシリカ含有コーティング剤、およびそのコーティング剤を硬化してなる被覆層を有する樹脂成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の形状を有するコロイダルシリカを用いることにより、非常に優れた効果が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のコーティング剤は、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)50〜100重量%と、それと共重合可能な単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)0〜50重量%とからなる単量体または単量体混合物(M)をコーティング剤100重量部中、50〜99重量部、および、コロイダルシリカをコーティング剤100重量部中、1〜50重量部を含んでなり、該コロイダルシリカは、平均太さが5〜20nm、平均長さが40〜300nmの細長い形状のコロイダルシリカを、コロイダルシリカ総重量中5〜100重量%含むことを特徴とするコーティング剤である。
【0010】
また、本発明の樹脂成形品は、本発明のコーティング剤を硬化してなる被覆層を有する樹脂成形品である。
【0011】
なお、本発明において「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0013】
本発明で用いる多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)は、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体である。この分子中の各(メタ)アクリロイルオキシ基を結合する残基は、特に限定されないが、一般的には、炭化水素またはその誘導体で構成される。また、その残基内に、エ−テル結合、チオエ−テル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等が含まれていてもよい。
【0014】
多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物、あるいは多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる線状エステル化物が挙げられる。
【0015】
多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0016】
更に、多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物として、下記一般式(III)
【0017】
【化4】
Figure 0004372268
(式中、Mは少なくとも3個が(メタ)アクリロイルオキシ基で残りはヒドロキシル基を表わし、nは1〜4の正の整数を表わす。)
で示される化合物も挙げられる。
【0018】
この一般式(III)で示される化合物の具体例としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0019】
多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる線状エステル化物は、多価アルコールのヒドロキシル基と、多価カルボン酸および(メタ)アクリル酸の両者のカルボキシル基とが、最終的には等量となるような混合物を反応させることにより得られる。このようにして得られる飽和または不飽和ポリエステルポリ(メタ)アクリレートのうち、特に好ましいものとしては、例えば、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等の組み合わせによる縮合物が挙げられる。
【0020】
多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)のその他の具体例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、または3量化により得られる下記一般式(I)
【0021】
【化5】
Figure 0004372268
(式中、R1は各々独立して炭素数1〜12の炭化水素基を表わす。)
で示されるポリイソシアネートと、活性水素を有する(メタ)アクリル系単量体[例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等]とを常法により反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、あるいは、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレートまたはトリ(メタ)アクリレート等のポリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、さらには従来より知られる各種のエポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0022】
多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)が、前記一般式(I)で示されるポリイソシアネートと、活性水素を有する(メタ)アクリル系単量体とを常法により反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含むことは、耐摩耗性、耐候性および被覆層と基材との密着性のバランスに優れた被覆成形品を得る上で好ましい。また、下記式(II)
【0023】
【化6】
Figure 0004372268
(式中、Aは下記式(IIa)
【0024】
【化7】
Figure 0004372268
を表わす。)
で示されるウレタン(メタ)アクリレートを含むことが更に好ましい。
【0025】
本発明において、必要に応じて用いる単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)は、多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)と共重合可能な(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する単量体である。この分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基に結合する残基は、特に限定されないが、一般的には、炭化水素またはその誘導体で構成される。また、その残基内に、エ−テル結合、チオエ−テル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合などが含まれていてもよい。
【0026】
単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
本発明で用いる単量体または単量体混合物(M)は、多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)50〜100重量%と、単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)0〜50重量%からなる。単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)の割合が50重量%を超えると被覆層の充分な硬度が得られなくなる。
【0028】
本発明で用いるコロイダルシリカは、特定形状のコロイダルシリカ、すなわち平均太さが5〜20nm、平均長さが40〜300nmである細長い形状のコロイダルシリカを、コロイダルシリカ総重量中少なくとも5重量%含む。この細長い形状のコロイダルシリカの平均太さが5nm未満であると、被覆層の硬度が低下する。一方、その平均太さが20nmを超えると、被覆層の外観が悪化する。また、その平均長さが40nm未満であると、耐摩耗性、耐候性および被覆層と基材との密着性のバランスに優れた被覆成形品が得られなくなる。一方、その平均長さが300nmを超えると被覆層の外観が悪化する。
【0029】
この細長い形状のコロイダルシリカの太さに対する長さの比は3以上が好ましく、5以上がより好ましい。また、この細長い形状は、湾曲していてもよいし、分岐していてもよい。
【0030】
コロイダルシリカの微粒子形態は、コロイダルシリカを溶媒で希釈した後、コロジオン膜をはった金属メッシュ上に滴下し、乾燥後、透過型の電子顕微鏡により観察できる。コロイダルシリカの平均太さ、平均長さは、電子顕微鏡を用いて20万倍程度の倍率でコロイダルシリカを撮影し、無作為に選んだ30個のコロイダルシリカの太さと長さをそれぞれ測定して、太さ、長さ別に平均する方法で求めることができる。
【0031】
全てのコロイダルシリカのうち、この細長い形状のコロイダルシリカが占める割合(含有量)は、コロイダルシリカ総重量中5〜100重量%である。この量が5重量%未満であると、耐摩耗性、耐候性および被覆層と基材との密着性のバランスに優れた被覆成形品が得られなくなる。この細長い形状のコロイダルシリカの含有量は、50〜100重量%であることが好ましい。
【0032】
細長い形状のコロイダルシリカの含有量が100重量%未満の場合、すなわち他の形状のコロイダルシリカを併用する場合、そのコロイダルシリカの形状や粒径は特に限定されず、多様なコロイダルシリカを所望に応じ使用すればよい。
【0033】
コーティング剤100重量部中、コロイダルシリカの含有量は、1〜50重量部である。この含有量が1重量部未満であると、十分な被覆層の硬度が得られなくなる。一方、この含有量が50重量部を超えると、被覆層と基材との密着性が悪くなり、また無溶剤のコーティング剤とする場合は、その粘度が非常に高くなり、良好な塗工性が得られなくなる。
【0034】
本発明で用いるコロイダルシリカは、単量体または単量体混合物(M)と共重合可能なシラン化合物の加水分解物で表面が修飾されたアクリル官能化コロイダルシリカであることが、コーティング剤の安定性、被覆層の硬度発現等の点で好ましい。
【0035】
この単量体または単量体混合物(M)と共重合可能なシラン化合物としては、例えば、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン等の下記一般式(IV)
【0036】
【化8】
Figure 0004372268
(式中、R2はHまたはCH3、R3およびR4は各々独立してHまたは炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキレン基、sは0または1、tは1または2を表わす。)
で示される化合物、ジ(メタ)アクリロイルオキシジアルコキシシラン、一級もしくは二級アミノ基含有シランまたはメルカプト基含有シランと多官能(メタ)アクリレート単量体とのマイケル付加反応によって得られる分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン化合物等が挙げられる。なお、これらのシラン化合物は、重合性シランカップリング剤として機能するが、これらを使用する場合、さらに非重合性シランカップリング剤を併用することもできる。
【0037】
一級もしくは二級アミノ基含有シランと多官能(メタ)アクリレート単量体とのマイケル付加反応によって得られるシラン化合物とは、例えば、下記反応式(V)
【0038】
【化9】
Figure 0004372268
(式中、R7はHまたはCH3、R8はアルキレン基、R6およびR9はアルキル基、R10およびR11はHまたはCH3、Yは二価以上の炭化水素基または置換基を有する炭化水素基であり、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合を含んでいてもよい。bは1〜5の整数を表わし、zは0〜2の整数を表わす。)
で示される反応機構に従い合成される化合物である。
【0039】
また、メルカプト基含有シランと多官能(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応によって得られるシラン化合物とは、例えば、下記反応式(VI)
【0040】
【化10】
Figure 0004372268
(式中、R6、R8、R9、R10、R11およびbは、各々、前記反応式(V)と同じであり、yは0〜2の整数を表わす。)
で示される反応機構に従い合成される化合物である。
【0041】
前記シラン化合物を得る為にマイケル付加反応に用いる一級もしくは二級アミノ基含有シランの具体例としては、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0042】
前記シラン化合物を得る為にマイケル付加反応に用いるメルカプト基含有シランの具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルブチルジメトキシシラン、δ−メルカプトブチルトリメトキシシラン、δ−メルカプトブチルメチルジメトキシシラン、δ−メルカプトブチルエチルジメトキシシラン、δ−メルカプトブチルメチルジエトキシシラン、δ−メルカプトブチルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトイソブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトイソブチルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトブチルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエチルエトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアミノシラン等が挙げられる。
【0043】
前記シラン化合物を得る為にマイケル付加反応に用いる多官能(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)の具体例として先に挙げた各種単量体を、同様に挙げることができる。
【0044】
これらシラン化合物を用いることによって、その加水分解物で表面が修飾されたアクリル官能化コロイダルシリカを得ることができる。ここで、「加水分解物で表面が修飾された」とは、コロイダルシリカの表面の一部または全部に、シラン化合物の加水分解物が縮合反応により保持された状態にあり、これにより表面特性が改質されていることを意味する。また、シラン化合物の加水分解物の縮合反応が進んだ状態の化合物が、同様に保持されているコロイダルシリカも含まれる。
【0045】
この表面修飾は、コロイダルシリカの存在下にシラン化合物を加水分解させることにより、あるいは加水分解と縮合反応を生じせしめることにより、容易に行うことができる。
【0046】
シラン化合物の加水分解を行う際の触媒としては、無機酸または有機酸を使用できる。無機酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸が挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
【0047】
シラン化合物の加水分解反応系には、反応を穏和に、かつ均一に行うために、溶媒を用いることができる。この溶媒としては、反応物であるシランアルコキシドと水、および触媒を相溶させ得るものが望ましい。溶媒の具体例として、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;などが挙げられる。溶媒の使用量は、反応物を均一に溶解できる量であれば特に制限は無い。ただし、反応速度が著しく遅くならない程度の反応物濃度となるように、適当な量に抑えることが好ましい。
【0048】
シラン化合物の加水分解と縮合反応は、好ましくは室温〜120℃程度の温度で30分〜24時間程度、より好ましくは室温〜溶媒の沸点程度の温度で1〜10時間程度行なう。
【0049】
シラン化合物の加水分解によって、表面が修飾されたアクリル官能化コロイダルシリカを得る場合、シラン化合物の使用量は、コロイダルシリカ(固形分)100重量部に対し、0.1〜500重量部が好ましく、0.5〜200重量部がより好ましい。
【0050】
本発明のコーティング剤には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、表面平滑剤、界面活性剤、熱安定剤、貯蔵安定剤などの各種添加剤を添加できる。中でも、本発明のコーティング剤を塗布硬化した樹脂成形品に耐候性が要求される場合は、コーティング剤に紫外線吸収剤および/または光安定剤を添加することが好ましい。
【0051】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。その具体例としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1,3−ベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレートが挙げられる。紫外線吸収剤の添加量は、被覆層の硬度等の点から、コーティング剤100重量部に対して、10重量部以下が好ましい。
【0052】
光安定剤の具体例としては、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物が挙げられる。光安定剤の添加量は、被覆層の硬度等の点から、コーティング剤100重量部に対して3重量部以下が好ましい。
【0053】
本発明のコーティング剤を基材の表面に塗布する方法としては、スプレーコート法、バーコート法、ローラーコート法、流延法、ディッピング法、エアーナイフコート法、フローコート法、刷毛塗り法等が挙げられる。
【0054】
また、ガラス板やステンレス板にコーティング剤を塗布し硬化させてから、そのガラス板やステンレス板を用いて鋳型を形成し、樹脂成形品の原料を注入し重合することにより被覆層を有する樹脂成形品を得ることもできる。
【0055】
さらに金型内部にコーティング剤を塗布し硬化させてから、金型内に溶融樹脂を注入し冷却することで被覆層を有する樹脂成形品を得ることもできる。
【0056】
本発明のコーティング剤は、有機溶剤を含有せずに使用できるが、コーティング法に応じて、必要であれば有機溶剤を含有させて粘度調整を行い使用することが好ましい。
【0057】
この有機溶剤としては、多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)、単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)、および重合開始剤と均一混合が可能であり、かつコーティング剤自体を均一分散できる溶剤を好適に使用できる。また、常圧での沸点が50℃以上200℃以下であり、常温(25℃)での粘度が10mPa・s以下の有機溶剤が好ましい。
【0058】
有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド;等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で、または二種類以上を混合して使用できる。
【0059】
コーティング剤を基材表面に塗布する際の基材表面の温度は、20〜120℃の範囲が好ましい。この温度が20℃以上であると、被覆層と基材表面との密着性が向上する傾向にある。一方、この温度が120℃以下であると、被覆層の外観が向上する傾向にある。
【0060】
被覆層の厚みは、0.5〜20μmであることが好ましい。この厚みが0.5μm以上であると、被覆層の耐摩耗性が向上する傾向にある。一方、この厚みが20μm以下であると、可とう性が向上し、変形に因るクラックが発生し難くなる傾向にある。
【0061】
基材となる樹脂成形品としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートを主構成成分とする共重合体、ポリスチレン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂からなる成形品が挙げられる。
【0062】
本発明のコーティング剤を硬化する方法としては、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化等が挙げられる。
【0063】
硬化を熱硬化または紫外線硬化で行う場合は、コーティング剤に重合開始剤を添加すればよい。熱硬化に用いる重合開始剤の具体例としては、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、プロピオノイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシラウレート、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス−1−シクロペンタノニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノバレイックアシド、2,2'−アゾビス−2−ベンジルプロピオニトリル等のアゾ系開始剤;等が挙げられる。
【0064】
また、紫外線硬化に用いる重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
【0065】
これらの重合開始剤は一種を単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。重合開始剤の添加量は、コーティング剤100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましい。
【0066】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。以下の記載中、「部」は特記の無い限り「重量部」を示す。実施例中の各種物性の測定および評価は、以下の方法で行った。
【0067】
1)基材との密着性
サンプルの被覆層へ、カミソリの刃で1mm間隔に縦横11本ずつの切り目を入れて100個の碁盤目をつくり、セロハンテープをよく密着させた後、45゜手前方向に急激に剥した時、被覆層が剥離せずに残存したときのマス目の数Nを求め、N/100で示した。
【0068】
2)外観
サンプルの曇価(%)を、ヘーズメーターで測定した。
【0069】
3)耐摩耗性
テーバー摩耗試験法により、テーバー社製CALIBRASE CS−10F摩耗輪を用い、片輪500gの荷重にて500回転の摩耗試験をサンプルの被覆層に対して行い、摩耗部の曇価をヘーズメーターで測定した。この曇価の測定は摩耗サイクルの軌道の4箇所で行い、その平均値を算出し、テーバー摩耗性(%)は、(テーバー試験後の曇価)−(テーバー試験前の曇価)で示した。
【0070】
4)耐候性
サンシャインウエザオメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、63℃、雨有りの条件でサンプルの被覆層に対して曝露を行い、1000、2000、2500時間曝露後のサンプルの外観を目視し、表面にクラックが発生しているものは×、発生していないものは○とした。
【0071】
[実施例1]
イソプロパノール170部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、以下「C6DA」と略記する)155部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製、商品名KBM−803)50部、および、トリフェニルホスフィン(以下「TPP」と略記する)0.9部からなる混合物を、室温で72時間攪拌した。次いで、イソプロパノールに分散した細長形状コロイダルシリカ(固形分15重量%、平均太さ10nm、平均長さ200nm)145部を攪拌しながら、この中に上記混合物36部および0.01規定の塩酸水1.6部を加え、80℃にてさらに4時間攪拌した。その後C6DA103部を加え、均一に攪拌し、減圧脱気により揮発分を除去し、フィラー分散液(A)を得た。
【0072】
次いで、このフィラー分散液(A)100部に対し、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、商品名LucirinTPO、以下「TPO」と略記する)2.8部およびベンゾフェノン(和光純薬(株)製)1部、紫外線吸収剤として2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品名チヌビンPS)6部、ならびに光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共(株)製、商品名サノールLS770)1部を加え、攪拌溶解してコーティング剤(B)を調製した。
【0073】
次いで、このコーティング剤(B)を、表面温度を30℃、40℃、50℃に設定した縦300mm、横300mm、厚さ2mmのポリカーボネート板(三菱レイヨン(株)製、商品名ダイヤライトP)に塗布した。次いで、その上に厚さ50μmのポリエチレンテレフターレートの2軸延伸フィルム(以下「PETフィルム」と略記する)をかぶせ、ゴムロールを用いて塗布層の厚みを8μmに設定した。そして、PETフィルムを上面として、出力120W/cm2のメタルハライドランプの下、距離150mmの位置を3.0m/minのスピードで通過させ、1段目の硬化を行った。次いで、PETフィルムを剥離し、塗布面を上面として、出力120W/cm2の高圧水銀灯の下、距離150mmの位置を3.0m/minのスピードで通過させ、被覆層を形成した。得られた板の評価結果を、表1に示す。
【0074】
[実施例2]
実施例1において、C6DA103部を加える代わりに、トリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸の縮合反応(モル比2:1:4)により得られるポリエステルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、以下「TAS」と略記する)43部、およびC6DA60部を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0075】
[実施例3]
実施例1において、C6DA103部を加える代わりに、TAS65部、およびC6DA38部を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、フィラー分散液(C)を得た。
【0076】
次いで、このフィラー分散液(C)100部に対し、イソプロパノール30部、トルエン30部、TPO2.8部、ベンゾフェノン1部、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール6部、およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート1部を加え、攪拌溶解してコーティング剤(D)を調製した。
【0077】
次いで、このコーティング剤(D)を、フローコート法により、表面温度を45℃に設定した縦300mm、横300mm、厚さ2mmのポリカーボネート板に塗布層の厚みが8μmになるように塗布し、室温で5分間放置した。そして、塗布面を上面として、出力120w/cm2のメタルハライドランプの下、距離150mmの位置を3.0m/minのスピードで通過させ、1段目の硬化を行った。次いで、塗布面を上面として、出力120w/cm2の高圧水銀灯の下、距離150mmの位置を3.0m/minのスピードで通過させ、被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0078】
[実施例4]
イソプロパノール170部、C6DA155部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン50部、およびTPP0.9部からなる混合物を、室温で72時間攪拌した。次いで、イソプロパノール分散球形状コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名IPA−ST、固形分30重量%)100部を攪拌しながら、この中に、上記混合物80部および0.01規定の塩酸水3.6部を加え、80℃にてさらに4時間攪拌した。その後、C6DA130部を加え、均一に攪拌し、減圧脱気により揮発分を除去し、フィラー分散液(E)を得た。
【0079】
次いで、このフィラー分散液(E)50部と、実施例1と同様にして調製したフィラー分散液(A)50部とを混合して、フィラー分散液(F)を得た。以下、実施例1と同様にしてコーティング剤を調製し、板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0080】
[実施例5]
実施例1において、C6DA103部を加える代わりに、TAS23部、テトラヒドロフルフリルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製]20部およびC6DA60部を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0081】
[実施例6]
実施例1において、C6DA103部を加える代わりに、前記式(II)で示されるウレタンアクリレート(新中村化学工業(株)製、以下「U−6HA」と略記する)39部およびC6DA64部を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、フィラー分散液(G)を得た。
【0082】
次いで、このフィラー分散液(G)100部に対し、TPO2.8部およびチヌビンPS6部を加え、攪拌溶解してコーティング剤(H)を調製した。以下、このコーティング剤(H)を用いて、実施例1と同様にして、板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0083】
[実施例7]
実施例6において、U−6HA39部およびC6DA64部を加える代わりに、U−6HA29部、TAS29部およびC6DA45部を加えたこと以外は、実施例6と同様にして板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0084】
[実施例8]
イソプロパノールに分散した細長形状コロイダルシリカ(固形分15重量%、平均太さ10nm、平均長さ200nm)145部を撹拌しながら、この中にγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名KBM−503)4部、および0.01規定の塩酸水1.6部を加え、80℃にて4時間撹拌した。その後C6DA62部、U−6HA30部、TAS30部を加え、均一に撹拌し、減圧脱気により揮発分を除去し、フィラー分散液(I)を得た。
【0085】
次いで、このフィラー分散液(I)100部に対し、TPO2.8部およびチヌビンPS6部を加え、攪拌溶解してコーティング剤(J)を調製した。以下、このコーティング剤(J)を用いて、実施例1と同様にして板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0086】
[実施例9]
実施例6において、チヌビンPSの量を0.5部としたこと以外は、実施例6と同様にして、コーティング剤(K)を得た。
【0087】
次いで、このコーティング剤(K)を、表面温度を50℃に設定した縦300mm、横300mm、厚さ2mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名アクリライトE)に塗布した。以下、実施例1と同様にして、PETフィルムをかぶせて板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0088】
[実施例10]
コーティング剤(K)100部に対し、イソプロパノール45部およびトルエン15部を加え、攪拌溶解してコーティング剤(L)を調製した。以下、実施例3において、ポリカーボネート板の代わりにアクリル樹脂板を用いること、および塗布層の厚みを12μmとしたこと以外は、実施例3と同様にして、フローコート法に従い板上に被覆層を形成し、表1に示す結果を得た。
【0089】
[実施例11]
冷却管、温度計および攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル100部を供給し、攪拌しながら加熱して内温が80℃になった時点で、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05部を添加し、更に内温が90℃になるまで加熱し、その温度を8分間保持した後、室温まで冷却して重合率約22%、20℃における粘度1.5Pa・sのメタクリル酸メチルシラップを調製した。
【0090】
また、これとは別に、実施例1において、C6DA103部を加える代わりにU−6HA39部およびC6DA45部を加えたこと以外は、実施例1と同様にしてフィラー分散液(M)を得た。
【0091】
次いで、このフィラー分散液(M)100部に対し、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル(BASF社製)1.5部、および紫外線吸収剤としてチヌビンPS0.5部を加え、攪拌溶解してコーティング剤(N)を調製した。
【0092】
このコーティング剤(N)を、縦610mm、横460mm、厚さ2mmのSUS304板に塗布した。次いで、その上にPETフィルムをかぶせ、ゴムロールを用いて塗布層の厚みを20μmに設定した。そして、PETフィルムを上面として、ケミカルランプ(東芝製FL−40BL)の下、距離60mmの位置を0.3m/minのスピードで通過させ、1段目の硬化を行った。次いで、PETフィルムを剥離し、塗布面を上面として、高圧水銀灯(東芝製H4000L)の下、距離60mmの位置を0.3m/minのスピードで通過させ、被覆層を形成した。
【0093】
このように処理した2枚のSUS板を被覆層が内側になるように間隔3mmで対向させ、その間に、先に調製したメタクリル酸メチルシラップ100部に対して更に2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05部を添加したものを注入し、周囲を軟質塩化ビニルガスケットで封じ、80℃で1時間、次いで130℃で1時間加熱重合させた。冷却後、SUS板から樹脂板を剥離し、被覆層を有する厚さ2mmの樹脂板を作製し、表1に示す結果を得た。
【0094】
[比較例1]
実施例1〜8で用いたポリカーボネート板と同じものであって、コーティング剤を塗布していない未処理のポリカーボネート板を、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0095】
[比較例2]
実施例1において、フィラー分散液(A)100部を用いる代わりに、実施例4と同様にして調製した球形状コロイダルシリカフィラー分散液(E)100部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして板上に被覆層を形成し表1に示す結果を得た。
【0096】
[比較例3]
イソプロパノール170部、C6DA155部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン50部、およびTPP0.9部からなる混合物を、室温で72時間攪拌した。次いで、イソプロパノール分散球形状コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名IPA−ST、固形分30重量%)100部を攪拌しながら、この中に、上記混合物80部および0.01規定の塩酸水3.6部を加え、80℃にてさらに4時間攪拌した。その後、C6DA76部、およびTAS54部を加え、均一に攪拌し、減圧脱気により揮発分を除去し、フィラー分散液(O)を得た。以下、実施例1と同様にしてコーティング剤を調製し、板上に被覆層を形成し、表1の結果を得た。
【0097】
【表1】
Figure 0004372268
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコーティング剤によれば、優れた外観、硬度を有し、耐摩耗性、耐候性、および、基材との密着性のバランスに優れた被覆層を成形品の表面に形成でき、かつ無溶剤化が可能である。
【0099】
また、このコーティング剤を塗布後硬化してなる被覆層を有する本発明の樹脂成形品は、優れた外観、硬度を有し、耐摩耗性、耐候性、および、被覆層と基材との密着性のバランスに優れている。したがって、そのような性能が要求される、例えば、窓ガラス、看板、照明器具用カバー、光学用部品、自動車関連部品等の用途に非常に有用である。

Claims (2)

  1. 分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート単量体(m−1)50〜100重量%と、それと共重合可能な単官能(メタ)アクリレート単量体(m−2)0〜50重量%とからなる単量体または単量体混合物(M)をコーティング剤100重量部中、50〜99重量部、および、コロイダルシリカをコーティング剤100重量部中、1〜50重量部を含んでなり、該コロイダルシリカは、平均太さが5〜20nm、平均長さが40〜300nmの細長い形状のコロイダルシリカを、コロイダルシリカ総重量中5〜100重量%含むことを特徴とするコーティング剤。
  2. 請求項1に記載のコーティング剤を硬化してなる被覆層を有する樹脂成形品。
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