JP3782670B2 - 被覆用硬化性組成物、被覆物品、自動車用外板、および活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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本発明は、新規な組成物に関するものであり、より詳しくは基材表面に、透明性に優れ、かつ耐擦り傷性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、および下地塗膜との密着性に優れた上塗り塗膜を形成しうる被覆用硬化性組成物、該組成物の硬化塗膜を有する被覆物品、その被覆物品からなる自動車用外板、および重合硬化前に基材に形成した塗膜がタックフリーになる活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車外板等の上塗り塗装用塗料は、従来、水酸基含有アクリル樹脂をメラミン樹脂で加熱硬化させるタイプが主流であった。しかしながら、近年、酸性雨による塗膜のエッチングやシミ状汚れや、洗車機の普及に伴う洗車時の擦り傷が世界中で取り上げられていることから、十分な耐酸性雨性と耐擦り傷性を同時に満足できる上塗り塗装用塗料が要望されている。
【0003】
一方、地球温暖化防止という課題が全世界的な規模で取り上げられるようになっている。特に莫大な使用量である自動車用外板塗料は、そのほとんどが熱硬化型塗料である。そのため、該塗料の加熱焼付けを行う際には、二酸化炭素が発生してしまい地球温暖化を加速させるという課題がある。
【0004】
このような課題のもとで、特開平8−225770号公報には分子中にカルボキシル基と水酸基を有するポリマーと分子中にエポキシ基と水酸基を有するポリマーとを加熱硬化により上塗り塗膜として使用することにより、前記した耐酸性雨対策と耐擦り傷性克服を同時に満足させる方法が提案されている。さらに特開平5−59326号公報には、アミノ樹脂による架橋とブロック化イソシアネートによる架橋を併用することで耐酸性雨性に優れた塗膜が得られることが開示されている。
【0005】
しかしながら、これらの方法は、塗膜自体の性能向上は図れるものの、加熱硬化型塗料であるため、必要とされる加熱時の電気使用量は大きく、前記した後者の課題、すなわち二酸化炭素の排出量を抑制することはできず地球温暖化防止に寄与できるものではない。
【0006】
ところで、自動車外板に求められる性能のうち、耐擦り傷性は、有機材料のみからなる塗膜では業界基準が高くなるにつれ限界が生じてきた。そのため、これを重要視する透明合成樹脂成形品では、耐擦り傷性を改良する方法として、例えば、アルキルトリアルコキシシランを主成分としたシラン混合物の部分加水分解縮合物とコロイダルシリカとからなる塗料を成形品表面に塗布し、次いで加熱処理し、架橋塗膜を形成させて耐擦り傷性を改良する方法(米国特許第4,060,271号明細書)等が見出された。
【0007】
この方法により高度な耐擦り傷性を有する被膜を得ることはできるが、やはり加熱硬化型塗料であることから、硬化時間が長く、熱エネルギーが硬化時に必要であるため二酸化炭素の排出量の低減には効果がない。また着色下塗り塗膜上にはこの塗膜の形成は困難である。
【0008】
この耐擦り傷性と二酸化炭素の排出量低減に効果がある手法として、特表昭57−500984号(米国特許第4,438,462号)公報には、コロイダルシリカとメタクリロイルオキシ基またはグリシジル基の官能基を有するアルコキシシラン、非シリルアクリレートからなる紫外線硬化性塗料を成形品表面に塗布し、次いでこれに紫外線を照射し、耐擦り傷性合成樹脂成形品を得る方法が開示されている。この方法では、紫外線硬化型塗料を用いることで従来のシリコン系塗膜の硬化時間を大幅に短縮させ、また塗膜の耐擦り傷性向上も可能にした。
【0009】
しかしながら、この方法は、単純な形状の基材には対応できるものの、自動車外板のような3次元形状を有する基材には対応できない。
すなわち、3次元形状を有する基材に被覆するには、基材に塗布した後に塗料のたれが発生せず、タックフリーの塗膜にする必要があるが、前記した紫外線硬化性塗料はそれに含まれる有機溶剤を揮発させた後も、▲1▼液状でたれが生じてしまう、▲2▼高粘性の液状になってもタック性を有する膜になってしまう、などの不都合が生じ、前記紫外線硬化性塗料もまた、自動車用外板には使用できないのが現状である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、耐擦り傷性を塗膜に付与することが可能なコロイダルシリカと、ラジカル重合性シラン化合物を特定の条件下で反応させることによって得られる硬化性シリコン、および含有有機溶剤が揮発した後、タックフリーな塗膜が得られるラジカル重合性官能基を分子中に有する高分子化合物、塗膜に靭性と高度な耐硫酸性、耐溶剤性等の耐薬品性を付与できるエチレン性不飽和化合物とを併用することに着目した。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、
(A)側鎖にアクリロイルオキシ基を有する高分子化合物20〜80質量%、(B)(b1)コロイダルシリカ微粒子(固形分)40〜90質量%と、(b2)下記一般式(I)
【化2】
【0012】
(式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、またはビニルオキシ基を、R1は炭素数0〜8の直鎖型または分岐型アルキル基を、R2、R3は炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を、nは0〜2の正の整数を示し、m+nは1〜3の正数である。)で示される単量体もしくはその加水分解物(固形分)10〜60質量%(但し、(b1)成分と(b2)成分との合計量を100質量部とする)を加水分解、縮合反応して得られる硬化性シリコン(固形分)2〜60質量%、および(C)1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有する脂環式化合物群および/または1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有するヘテロ環式化合物群5〜50質量%の合計100質量部に対して、(D)ラジカル重合開始剤0.01〜10質量部を配合してなる被覆用硬化性組成物、
該被覆用硬化性組成物の硬化塗膜を有する被覆物品、
該被覆物品からなる自動車用外板、
および重合硬化前に基材に形成した塗膜がタックフリーになる活性エネルギー線硬化性組成物にある。
【0013】
まず、本発明の被覆用硬化性組成物について、詳細に説明する。
【0014】
本発明の被覆用硬化性組成物(以下、被覆用組成物と略す)は、
(A)側鎖にアクリロイルオキシ基を有する高分子化合物20〜80質量%、(B)(b1)コロイダルシリカ微粒子(固形分)40〜90質量%と、(b2)下記一般式(I)
【化3】
(式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、またはビニルオキシ基を、R1は炭素数0〜8の直鎖型または分岐型アルキル基を、R2、R3は炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を、nは0〜2の正の整数を示し、m+nは1〜3の正数である。)で示される単量体もしくはその加水分解物(固形分)10〜60質量%(但し、(b1)成分と(b2)成分との合計量を100質量部とする)を加水分解、縮合反応して得られる硬化性シリコン(固形分)2〜60質量%、および(C)1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有する脂環式化合物群および/または1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有するヘテロ環式化合物群5〜50質量%の合計100質量部に対して、(D)ラジカル重合開始剤0.01〜10質量部を配合してなる組成物である。
【0015】
以下、該被覆用組成物の各構成成分について、説明する。
【0016】
本発明の(A)成分は、側鎖にアクリロイルオキシ基を有する高分子化合物であり、柔軟性を付与する成分である。
【0017】
(A)成分の具体例としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水基を有するビニルモノマーとその他の共重合可能なモノマーから構成される共重合体を合成した後、ポリマー鎖中の酸無水基に、ヒドロキシアルキルアクリレート等の水酸基を有するアクリレートモノマーを付加してなる高分子化合物;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマーとその他の共重合可能なモノマーから構成される共重合体を合成した後、ポリマー鎖中のカルボキシル基にグリシジルアクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートモノマーを付加してなる高分子化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するビニルモノマーとその他共重合可能なモノマーから構成される共重合体を合成した後、ポリマー中のエポキシ基にアクリル酸などのカルボキシル基を有するアクリレートモノマーを付加してなる高分子化合物等を挙げることができる。
【0018】
これらの付加反応は、通常の方法で行えばよく、室温から80℃程度の温度で、必要であれば3級アミンなどを触媒として用いることにより行うことができる。
【0019】
酸無水基を有するビニルモノマーやカルボキシル基を有するビニルモノマー、エポキシ基を有するビニルモノマー等と共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のビニル化合物、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル等のアリルエーテルアルコール化合物等を挙げることができる。
【0020】
本発明の被覆用組成物の特性を最大限に生かすには、高分子化合物(A)中に、未付加の酸無水基やカルボキシル基ができるだけ残らないように留意する必要がある。未付加の状態で酸無水基やカルボキシル基が多量に残った場合、得られる硬化塗膜の耐溶剤性、耐候性が不良となる傾向にある。
【0021】
高分子化合物(A)の分子量は、後述する(B)成分と(C)成分との混合比により適宜選択すればよく特に限定されないが、重量平均分子量で通常1000〜50000程度の範囲、特に2000〜10000程度の範囲が好ましい。
【0022】
高分子化合物(A)の重量平均分子量が1000程度よりも小さいと、硬化後の塗膜性能が低下する傾向となり、50000程度より大きいと組成物の相溶性が低下する傾向にある。
【0023】
本発明の被覆用組成物における高分子化合物(A)の使用量は、(A)〜(C)成分の合計量100質量部中、20〜80質量%の範囲、好ましくは30〜75質量%の範囲、さらに好ましくは40〜70質量%の範囲である。高分子化合物(A)の使用量が20質量%より少ないと硬化塗膜の柔軟性が極端に低下し、クラックが入りやすくなる傾向があり、80質量%を超えると硬化塗膜の外観、耐薬品性、表面硬度、耐擦り傷性、耐候性が低下する傾向にある。
【0024】
本発明の(B)成分は、(b1)コロイダルシリカ微粒子(固形分)40〜90質量%と、(b2)下記一般式(I)
【化4】
(式中、Xはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、またはビニルオキシ基を、R1は炭素数0〜8の直鎖型または分岐型アルキル基を、R2、R3は炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を、nは0〜2の正の整数を示し、m+nは1〜3の正数である。)で示される単量体もしくはその加水分解物(固形分)10〜60質量%(但し、(b1)成分と(b2)成分との合計量を100質量部とする)を加水分解、縮合反応して得られる硬化性シリコンである。
【0025】
この硬化性シリコン(B)は、硬化塗膜に耐擦り傷性を付与する成分である。
【0026】
本発明の被覆用組成物において、(B)成分を得るために用いるコロイダルシリカ微粒子(b1)とは、一次粒子径が1〜200nmの範囲の無水ケイ酸の超微粒子を水または有機溶剤の分散媒に分散させた状態のものをいう。
【0027】
この分散媒の例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール等の多価アルコール系溶剤;エチレンセロソルブ、ブチルセロソルブ等の多価アルコール誘導体;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶剤;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のモノマー類等が挙げられる。
【0028】
これらの中でも、炭素数3以下のアルコール系溶剤が、後述する(b2)成分との反応工程上特に好ましい。コロダルシリカ微粒子(b1)は、公知の方法で製造することができ、また市販もされている。
【0029】
コロイダルシリカ微粒子(b1)は、硬化塗膜の耐擦り傷性を著しく改善することができ、特にケイ砂等の微粒子に対する耐擦り傷性の改善効果に優れる成分である。但し、コロイダルシリカ微粒子を単独で硬化塗膜とした場合には、基材に対する密着性に劣る。
【0030】
本発明の被覆用組成物において使用するコロダルシリカ微粒子(b1)の平均粒子径は特に限定されないが、1〜200nmの範囲、特に5〜80nmの範囲が好ましい。この平均粒子径が1nmより小さいと後述する(b2)成分との反応工程においてゲル化を起こしやすい傾向にあり、また、200nmを超えると硬化塗膜の透明性が低下する傾向にある。
【0031】
(b2)成分である上記一般式(I)で示される単量体(以下、シラン化合物と略す)もしくはその加水分解物は、コロイダルシリカ微粒子(b1)と反応して高分子化合物(A)と化合物(C)の相溶性を向上させる成分である。
【0032】
(b2)成分としては、紫外線照射により重合活性を示すアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、またはビニル基、スチリル基を有するシラン化合物が用いられ、このシラン化合物を用いることにより、高分子化合物(A)と化合物(C)との化学結合形成が可能であり、これにより硬化塗膜に合成樹脂成形表面に対する密着性を付与することができる。
【0033】
さらに、コロイダルシリカ微粒子(b1)と併用することにより硬化塗膜の耐擦り傷性をさらに向上させることができ、特にスチールウール等の金属繊維に対する耐擦り傷性の改善効果を大きくすることができる。
【0034】
(b2)成分の具体例としては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等から選ばれる少なくとも1種のシラン化合物もしくはその加水分解物が挙げられる。
【0035】
上記した中でも3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種のシラン化合物もしくはその加水分解物が特に好ましい。
【0036】
加水分解の製法は、シラン化合物1モルに対して、アルコール溶媒等有機溶媒の存在下または非存在下において、0.5〜6モルの水あるいは0.001〜0.1規定の塩酸または酢酸水溶液等の加水分解触媒を加え、加熱下で攪拌しつつ加水分解で生じるアルコールを系外に除去する第一の工程と、それに続く縮合反応で生じる水を系外に除去する第二の工程を行うことにより得ることができる。
【0037】
ここで、本発明における(B)成分の製法について以下詳細に説明する。
【0038】
(B)成分の製法は、コロイダルシリカ微粒子(b1)とシラン化合物の加水分解物(b2)の存在下で、コロイダルシリカ微粒子(b1)中の分散媒を常圧または減圧下でトルエン等の非極性溶媒とともに共沸留出させ、分散媒を非極性溶媒に置換した後、加熱下で反応させる工程で行われる。
【0039】
具体的には、まずコロイダルシリカ微粒子(b1)とシラン化合物(b2)に加水分解触媒を加え、常温または加熱下で攪拌する等の常法によって、シラン化合物の加水分解を行う。次に、コロイダルシリカ微粒子(b1)中の分散媒を常圧または減圧下で非極性溶媒とともに共沸留出させ、分散媒を非極性溶媒に置換した後、60〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度範囲で、固形分濃度を30〜90質量%の範囲、好ましくは50〜80質量%の範囲に保持しながら0.5〜10時間攪拌する。この反応時には、反応を促進させる目的で水、酸、塩基等の触媒を用いてもよい。
【0040】
このようにして得られた硬化性シリコン(B)は、親水性であるコロイダルシリカ微粒子(b1)の表面を(メタ)アクリロイル官能シリコンで被覆して疎水化されたため、本発明で併用する高分子化合物(A)と化合物(C)との相溶性が向上し、得られる硬化塗膜の透明性が良好となる。特に、本発明の組成物の硬化塗膜を厚膜にした場合には、塗膜のヘイズ値がごく僅かとなり、クリアトップコート膜としての外観が優れる傾向にある。
【0041】
なお、前記(B)成分の製造時に使用する非極性溶媒とは、誘電率、双極子能率あるいは水素結合パラメータを基準として適宜選択すればよく、広義には、中程度の極性を有する溶媒もここでいう非極性溶媒に含まれるものである。例えば、20℃の誘電率が2〜10の範囲の非極性溶媒が(B)成分の製造時に好ましい溶媒である。
【0042】
非極性溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類;メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体等を挙げることができる。
【0043】
また、不飽和エチレン性化合物、例えば1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を非極性溶媒として用いることもできる。
これらの非極性溶媒のなかでも、芳香族炭化水素類や多価アルコール誘導体を用いると(b1)成分と(b2)成分との反応の面から好ましく、トルエン、1−メトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。
【0044】
(B)成分の製造時には、反応系中の固形分濃度を一定に保持することが好ましく、特に30〜90質量%の範囲が好ましい。この固形分濃度が30質量%より少ない、すなわち溶媒が70質量%を超える場合には(b1)成分と(b2)成分との反応が不十分となる傾向にあり、これを用いた硬化塗膜は透明性が劣る傾向にある。一方この固形分濃度が90質量%を超えると、急激な反応が起こり、ゲル化する傾向にある。
【0045】
本発明における(B)成分は、(b1)成分と(b2)成分を質量比で(b1)/(b2)=40〜90/10〜60、好ましくは50〜80/20〜50(合計100質量部)の使用割合で反応させることにより得られる。
【0046】
この(b1)成分と(b2)成分の使用割合が上記範囲外では、例えば(b1)成分が90質量%を超えると反応系が白濁したりゲル化する等の傾向にあり、また硬化塗膜にクラックが発生し易くなる傾向にある。
【0047】
一方(b1)成分が40質量%より少ないと(b1)成分と(b2)成分との反応が不十分となる傾向にあり、また、厚い硬化塗膜を形成すると該塗膜の耐擦り傷性や透明性が低下する傾向にある。
【0048】
このような本発明以外の従来法で製造された硬化性シリコンは、硬化性が十分でなく、大気雰囲気下では十分に硬化できず、透明性の低下等、外観欠陥が起こりやすい傾向にある。また、硬化塗膜の十分な耐擦り傷性や耐候性等が得られなかった課題を、本発明は、非極性溶媒中で、(b1)成分と(b2)成分とを反応させることにより、従来にない優れた硬化性を実現させ、大気雰囲気下においても透明で耐擦り傷性に優れた硬化塗膜の形成を可能としたものである。
【0049】
本発明の被覆用組成物における硬化性シリコン(B)の使用量は、(A)〜(C)成分の合計量100質量部中、2〜60質量%の範囲、好ましくは10〜50質量%の範囲、さらに好ましくは15〜40質量%の範囲である。
【0050】
硬化性シリコン(B)の使用量が2質量%より少ないと表面タック性が不良となり、また耐擦り傷性の改善効果が十分に発現しない傾向にあり、一方、60質量%を超えると塗膜外観、耐薬品性、耐擦り傷性、表面硬度、耐候性、密着性が不良になり、硬化塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向にある。
【0051】
本発明の(C)成分は、1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有する脂環式化合物群および/または1分子中に1個以上のアクリロイルオキシ基を有するヘテロ環式化合物群であり、塗膜に高度な靭性と耐硫酸性、耐溶剤性等の耐薬品性を付与する成分である。
【0052】
本発明の(C)成分の具体例としては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、モルフォリノエチルアクリレート等のアクリロイルオキシ基を1個有するヘテロ環式化合物、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−シクロヘキシルエチルアクリレート、4−シクロヘキシルシクロヘキシルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、アダマンチルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート等のアクリロイルオキシ基を1個有する脂環式化合物、1,4−ジメチロールシクロヘキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロイルオキシジエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−(アクリロイルオキシジプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン等のアクリロイルオキシ基を2個有する脂環式化合物等を挙げることができる。これらの化合物は、1種単独または2種以上を併用して用いてもよいが、2種以上を併用することが特に好ましい。
【0053】
上記した中でも、1,4−ジメチロールシクロヘキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートが特に好ましい。
【0054】
本発明において化合物(C)の使用量は、(A)〜(C)成分の合計量100質量部中、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲である。化合物(C)の使用量が5質量%より少ないと得られる硬化塗膜の耐候性および基材との密着性が低下する傾向にあり、一方、50質量%を超えると硬化塗膜にクラックが発生したり、タックフリー性が低下する傾向にある。
【0055】
(D)成分について
本発明の被覆用組成物には、ラジカル重合開始剤(D)を配合する。このラジカル重合開始剤(D)はラジカルを発生する化合物であればよく、活性エネルギー線によりラジカルが発生する化合物でも熱によりラジカルが発生する化合物でもよい。
【0056】
(D)成分の具体例のうち、活性エネルギー線によりラジカルが発生する化合物の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシド等のパーオキシド化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物等を挙げられる。
【0057】
また、熱によりラジカルが発生する化合物の具体例としては、例えば過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。
【0058】
ラジカル重合開始剤(D)のうち、本発明ではベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドメチルフェニルグリオキシレートから選ばれる1種以上の化合物が特に好ましい。
なお、本発明においては、必要に応じて、活性エネルギー線によりラジカルが発生する化合物と、熱によりラジカルが発生する化合物とを併用して使用してもよい。
【0059】
本発明においてラジカル重合開始剤(D)の使用量は、被覆用組成物の(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲、好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。
【0060】
ラジカル重合開始剤(D)の使用量が0.01質量部より少ないと硬化不良となる傾向にあり、一方、10質量部を超えると硬化塗膜が帯色し耐候性が低下する傾向にある。
【0061】
(E)成分について
本発明の被覆用組成物には、必要に応じて、有機溶剤(E)を配合してもよい。
【0062】
有機溶剤(E)の具体例としては、例えば、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、スワゾール1000(商品名、丸善石油化学社製)等の高沸点芳香族溶剤等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;エチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシプロピル、酢酸エトキシエチル等のエステル系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、メトキシブタノール、エチルジグリコール等の多価アルコール誘導体系溶剤等が挙げられる。
【0063】
これら有機溶剤(E)は、本発明の組成物の均一溶解性、分散安定性や、この硬化塗膜の基材への密着性、平滑性、均一性などの諸物性面や、塗布時の作業性向上の点から粘度を適正に調整するという観点から適宜選択して用いればよく、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0064】
本発明の組成物を上塗り塗膜として使用する場合には、有機溶剤(E)を使用することが好ましい。特に好ましい具体例としては、有機溶剤(E)100質量%とした場合、アルコール系有機溶剤(e1)0〜30質量%、酢酸エステル系有機溶剤(e2)0〜30質量%、ケトン系溶剤(e3)1〜30質量%、多価アルコール誘導体系溶剤(e4)1〜30質量%、芳香族系溶剤(e5)1〜30質量%の組み合わせが挙げられる。
【0065】
本発明において有機溶剤(E)を使用する場合には、(A)〜(C)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜1000質量部の範囲、特に好ましくは50〜800質量部の範囲である。
【0066】
有機溶剤(E)の使用量が1000質量部を超えると、溶剤揮発に長時間を要したり、塗装時にたれが発生しやすくなるといった作業性の低下を引き起こす可能性がある。
【0067】
なお、本発明の被覆用組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
【0068】
次に、本発明の被覆物品について以下詳細に説明する。
本発明の被覆物品とは、前記被覆用組成物の硬化塗膜を有する物品である。
【0069】
本発明の被覆物品を得るには、まず前記被覆用組成物を、ハケ塗り法、スプレーコート法、シャワーフローコート法、ディップコート法、カーテンコート法等、公知の方法で基材に塗布すればよい。
【0070】
前記被覆用組成物の塗布量は適宜決めればよいが、好ましくは硬化塗膜の膜厚が5〜80μmの範囲、より好ましくは10〜60μmの範囲、さらに好ましくは20〜50μmの範囲であれば、十分な耐擦り傷性と基材への密着性を有する硬化塗膜が得られ、その硬化収縮による耐久性にも優れる。
【0071】
前記被覆用組成物の塗膜を硬化させる手段は公知の方法で行えばよく特に限定されない。例えば、α、β、およびγ線等の活性エネルギー線を照射する方法等が好ましく、中でも汎用性があり低コストで生産性のよい、紫外線を用いることが好ましい。
【0072】
紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から紫外線ランプが一般に用いられている。具体例としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。これらを照射する雰囲気は、空気でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガスでもよい。実用性、経済性の面からは空気雰囲気下が好ましい。
【0073】
なお、前記被覆用組成物を基材に塗布した後、活性エネルギー線などで硬化させる前に、有機溶剤を使用している場合はこれを塗膜から揮発除去する。この揮発除去は常温でそのまま放置して行ってもよいし、赤外線または熱風乾燥炉を用いて、20〜120℃で1〜60分間の熱処理で行ってもよい。
【0074】
本発明の被覆物品に用いる基材は、特に限定されるものではなく、化成処理した鋼板にプライマーを電着塗装し、必要に応じて中塗り塗料を塗装した基材、各種プラスチック基材(必要に応じて予めプライマー塗装、中塗り塗装等の表面処理を行ったものでも可)、これらのものが組合わさった複合部材等が挙げられる。
【0075】
前記プラスチック基材の具体例としては、例えば、ポリメチルメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等が挙げられる。
【0076】
また、前記した基材の他、ガラス、金属、木材、紙、布等を基材として用いてもよい。
本発明の物品としては、特に自動車用外板に好適である。
【0077】
自動車用外板の具体的な製法としては、以下具体的に説明する。
【0078】
この形成方法は、基材に熱硬化型着色塗料でベースコート膜を形成した後、本発明の組成物でクリアトップコート膜を形成する方法、または、基材に熱硬化型着色塗料でベースコート膜およびメラミンタイプもしくは酸−エポキシタイプの熱硬化型クリアコート膜を形成した後、本発明の組成物でクリアトップコート膜を形成する方法が適用できる。
【0079】
該熱硬化型着色塗料の具体例としては、例えば、アクリル樹脂/アミノ樹脂系、アルキド樹脂/アミノ樹脂系、ポリエステル樹脂/アミノ樹脂系、アクリル樹脂/ポリイソシアネート系、アルキド樹脂/ポリイソシアネート系、ポリエステル樹脂/ポリイソシアネート系、エポキシ系アクリル樹脂/カルボン酸系アクリル樹脂等、公知の樹脂組成物に、着色顔料を配合した塗料組成物が挙げられる。
【0080】
また、該熱硬化型着色塗料の形態は、有機溶剤型、ハイソリッド型、非分散型、水溶液型、水分散型等の任意の形態が使用可能である。但し、塗膜形成時に溶剤の排出量を抑えるという観点からすると、水を含有する系の熱硬化型着色塗料で着色ベースコート膜を形成することが好ましい。
【0081】
上記ベースコート膜を形成した後、本発明のクリアトップコート膜を形成してもよいが、中塗りクリアとして、メラミンタイプもしくは酸−エポキシタイプの熱硬化型クリアコート膜を形成した後、本発明のクリアトップコート膜を形成してもよい。
【0082】
本発明は、このような構成成分からなる被覆用組成物とすることにより、該被覆用組成物を基材に塗布した後に、有機溶剤を含有する場合は含有する有機溶剤を揮発させるとタックフリーとなり、かつこの塗膜は、活性エネルギー線照射により重合硬化することを見出したものである。
【0083】
このような組成物とすることにより、従来困難であった特に3次元形状を有する基材に被覆しても、塗工作業時に塗料のたれが発生せず、かつ塗布後に有機溶剤を含有する場合にはそれを揮発させた後に、塗膜はタックフリーとなり作業性を向上させることができる。
特に、前記組成物は、自動車用外板のクリアコート膜用として実用化が可能なものである。これは、活性エネルギー線照射による硬化が可能であり、短時間で生産性がよい、地球温暖化防止という課題も同時に解決することができるものである。
【0084】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中の評価方法は、以下の通りである。
【0085】
1.表面タック性:基材に被覆用硬化性組成物の塗膜を形成した試験板を、120℃で10分間加熱して、該塗膜中の有機溶剤を揮発させた。その後常温まで自然冷却した該塗膜表面について、手で触れてべたつきの有無を評価した。
○:表面タックなし
×:表面タックあり
【0086】
2.塗膜外観:硬化塗膜の外観を目視で評価した。
○:硬化塗膜に異常がなく平滑性に優れる
×:硬化塗膜の表面が柚肌状またはかなりの凹凸が認められ、平滑性に劣る
【0087】
3.耐硫酸性:40%硫酸溶液約0.3mlを硬化塗膜表面に滴下し、80℃で25分間加熱した後、水洗し、該塗膜を目視で評価した。
○:全く変化なし
×:硬化塗膜表面がエッチングされた、もしくは黄変した。
【0088】
4.耐溶剤性:メチルエチルケトンおよびキシレンを十分に染み込ませたガーゼを500g荷重で50往復させた後、硬化塗膜表面の外観を目視で評価した。
○:全く変化なし
△:傷が付く、もしくは硬化塗膜が曇る
×:硬化塗膜が膨潤する、もしくは溶解する
【0089】
5.耐擦り傷性:クレンザーをしみ込ませたフェルトを500g荷重で20往復させさせた。そして、光反射率を光沢計(日本電色工業株式会社製、商品名:グロスメーターVG2000)で測定し、初期光沢と傷部光沢から硬化塗膜の光沢保持率を算出した。なお、この光沢保持率が40%以上を、耐擦り傷性合格(○)として表示する。
【0090】
6.鉛筆硬度:JIS K 5400に従い、硬化塗膜の鉛筆硬度を測定した(三菱鉛筆社製、商品名ユニを使用)。なお、この鉛筆硬度がH以上を鉛筆硬度合格(○)として表示する。
【0091】
7.耐候性:試験板をサンシャインウェザオメーターにて1000時間試験した後の硬化塗膜表面を目視にて観察した。
○:硬化塗膜面に変化なし
×:クラック、変色、剥離等の異常あり
【0092】
8.密着性:塗膜に、カッターで100個の碁盤目を作成し、これにセロテープ(ニチバン社製)を貼り、一気に剥がした。塗膜が剥がれなかったものは○、塗膜が一部でも剥離したものは×とした。
【0093】
〈高分子化合物の調整〉
合成例1
メタクリル酸グリシジル108質量部、メタクリル酸シクロヘキシル150質量部、メタクリル酸イソブチル42質量部、アゾビスイソブチロニトリル21質量部の混合溶液(a1)を調整した。
次に、攪拌機および冷却管付きの2リットル4つ口フラスコに、酢酸n−ブチル210質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部を仕込み、窒素置換しながら120℃に昇温後、該混合溶液(a1)を4時間かけて滴下し攪拌反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル3質量部を酢酸n−ブチル60質量部に溶解させたものを1時間かけて滴下した。さらに、80℃でテトラメチルアンモニウムブロマイド6質量部、アクリル酸57質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量部の混合物を1時間かけて滴下し攪拌した後、酸価が5mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了した。
このようにして、高分子化合物(A1)を46質量%含む溶液を得た。得られた高分子化合物(A1)の重量平均分子量は約6000であった。
【0094】
合成例2
合成例1同様に混合溶液(a2)を調整した。
次に、攪拌機および冷却管付きの2リットル4つ口フラスコに、酢酸n−ブチル210質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部を仕込み、窒素置換しながら120℃に昇温後、該混合溶液(a2)を4時間かけて滴下し攪拌反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル3質量部を酢酸n−ブチル60質量部に溶解させたものを1時間かけて滴下した。さらに、80℃でテトラメチルアンモニウムブロマイド6質量部、メタクリル酸66質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量部の混合物を1時間かけて滴下し攪拌した後、酸価が5mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了した。
このようにして、高分子化合物(A2)を48質量%含む溶液を得た。得られた高分子化合物(A2)の重量平均分子量は約6000であった。
【0095】
〈硬化性シリコンの合成〉
合成例3
攪拌機および冷却管付きの3リットル4つ口フラスコに、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503、信越シリコーン社製)382質量部、イソプロパノール分散コロイダルシリカ(SiO2濃度30質量%、商品名:IPA−ST、日産化学社製)2000質量部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.038質量部を仕込み、80℃に加熱し、環流が始まったらイオン交換水139質量部を20分かけて滴下した。
滴下終了後、2時間かけて揮発分を留出させたところ留出した揮発分は1204質量部であった。その後反応系の温度を昇温し、攪拌環流しながら110℃で4時間反応させた。得られた反応物(B1)は固形分60質量%の淡褐色透明の溶液であった。
【0096】
実施例1
〈被覆用組成物の調整〉
(A)成分として高分子化合物(A1)を含む溶液130質量部(固形分46質量%)、(B)成分として硬化性シリコンを含む溶液(B1)17質量部(固形分60質量%)、(C)成分としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学株式会社製)(C1)30質量部、(D)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(D1)(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティーケミカルズ社製)2質量部とメチルフェニルグリオキシレート(D2)(商品名:バイキュア55、ストーファー社製)1質量部を攪拌混合して、被覆用組成物を調整した。
【0097】
〈評価試験板の作成〉
リン酸亜鉛処理された鋼板(10cm×30cm)に自動車用カチオン電着塗料を塗装し、180℃で30分焼き付け、さらにアミノアルキッド系の中塗り塗料を塗装し、160℃で30分焼き付けた後、塗膜を水研ぎし、乾燥させた板を得た。この板に、表1に示す各種被覆用組成物を塗布し、120℃で5分乾燥させた後、空気雰囲気下で高圧水銀灯(フュージョン社製)を用い、3000mJ/cm2(波長320〜380nmの紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、厚さ35μmの硬化塗膜を有する評価試験板を得た。
【0098】
実施例1〜5、比較例1〜9
表1に示す組成とする以外は、実施例1と同様にして被覆用組成物を調整した。その後、前記した方法で評価試験板を作成し、硬化塗膜の評価を行った。この硬化塗膜の評価結果も表1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
なお、表中の組成欄の数値は全て質量部であり、高分子化合物(A)および光硬化性有機シリコン(B1)の数値はそれぞれ固形分(質量部)である。また、有機溶剤(D)の数値は合成例1〜4記載の溶液中に含まれる有機溶剤量と単独で追加した有機溶剤量の合計量である。
【0101】
また、表中の略記号は、以下の化合物を表す。
(A)成分
(A1):合成例1で重合した高分子化合物(固形分)
(A2):合成例2で重合した高分子化合物(固形分)
(B)成分
(B1):合成例3で合成した光硬化性有機シリコン(固形分)
(C)成分
(C1):トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学社製)
(C2):イソボルニルアクリレート(商品名:IBXA、大阪有機化学工業社製)
(C3):1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(商品名:NKエステルHD、新中村化学工業社製)
(D)成分
(D1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
(D2):メチルフェニルグリオキシレート(商品名:バイキュア−55、ストウファ−社製)
【0102】
比較例1は、本発明における(C)成分以外の不飽和化合物が含まれている被覆用組成物の例であり、本発明の組成物より、耐硫酸性、耐擦り傷性、耐溶剤性に劣る硬化塗膜であった。
【0103】
比較例2は、本発明における(A)成分以外の高分子化合物を含む被覆用組成物の例であり、耐硫酸性、耐溶剤性に劣る硬化塗膜であった。
【0104】
比較例3は、本発明における(A)成分以外の高分子化合物、および、本発明における(C)成分以外の不飽和化合物が含まれている被覆用組成物の例であり、耐硫酸性、耐溶剤性、耐擦り傷性に劣る硬化塗膜であった。
【0105】
比較例4は、本発明における(A)成分が少ない被覆用組成物の例であり、表面タック性に劣る塗膜であり、また耐候性、密着性に劣る硬化塗膜であった。
【0106】
比較例5は、本発明における(A)成分が多い被覆用組成物の例であり、塗膜外観、耐硫酸性、耐溶剤性、耐擦り傷性、鉛筆硬度、耐候性において劣る硬化塗膜であった。
【0107】
比較例6は、本発明における(B)成分が少ない被覆用組成物の例であり、表面タック性に劣る塗膜であり、また耐擦り傷性に劣る硬化塗膜であった。
【0108】
比較例7は、本発明における(B)成分が多い被覆用組成物の例であり、塗膜外観、耐硫酸性、耐溶剤性、耐擦り傷性、鉛筆硬度、耐候性、密着性に劣る硬化塗膜であった。
【0109】
比較例8は、本発明における(C)成分が多い被覆用組成物の例であり、表面タック性に劣る塗膜であり、また耐候性、密着性に劣る硬化塗膜であった。
【0110】
比較例9は、本発明で不飽和化合物を含まない被覆用組成物の例であり、塗膜外観、耐硫酸性、耐溶剤性、耐擦り傷性、鉛筆硬度、耐候性、密着性に劣る硬化塗膜であった。
【0111】
【発明の効果】
本発明は、基材に塗布した後にタックフリーとなり、たれが発生しないという従来にない画期的な組成物である。また、基材表面に、透明性、耐擦り傷性、耐溶剤性、耐硫酸性、および耐候性に優れる高硬度の硬化塗膜を形成でき、かつ活性エネルギー線の照射により硬化するため、作業性に優れ、かつ地球温暖化防止という課題を解決するものである。
このように、本発明は、各種基材の優れた表面改善を短時間に容易に達成できるものであり、産業上極めて有用である。
Claims (10)
- (A)側鎖にアクリロイルオキシ基を有する高分子化合物20〜80質量%、(B)(b1)コロイダルシリカ微粒子(固形分)40〜90質量%と、(b2)下記一般式(I)
- (A)〜(C)成分の合計量100質量部に対して、有機溶剤(E)10〜1000質量部を配合してなる被覆用硬化性組成物。
- ラジカル重合開始剤(D)が、活性エネルギー線によってラジカルが発生する化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の被覆用硬化性組成物。
- 基材上に、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆用硬化性組成物の硬化塗膜を有する被覆物品。
- 硬化塗膜がクリアトップコート膜である、請求項4記載の被覆物品。
- クリアトップコート膜の膜厚が5〜80μmである、請求項5記載の被覆物品。
- 基材、着色ベースコート膜および一層または複数層のクリアトップコート膜を順次形成させてなり、かつ最外層のクリアトップコート膜が請求項4記載の硬化塗膜である、請求項4記載の被覆物品。
- 着色ベースコート膜が、水分を含む塗料組成物の硬化物である請求項7記載の被覆物品。
- 請求項4〜8のいずれかに記載の被覆物品からなる自動車用外板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物からなる塗膜が重合硬化前に、タックフリーになる、活性エネルギー線硬化性組成物。
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