JP2664268B2 - 重合性シリカ分散体及びそれを用いた硬化性被覆用組成物 - Google Patents

重合性シリカ分散体及びそれを用いた硬化性被覆用組成物

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JP2664268B2 JP12226590A JP12226590A JP2664268B2 JP 2664268 B2 JP2664268 B2 JP 2664268B2 JP 12226590 A JP12226590 A JP 12226590A JP 12226590 A JP12226590 A JP 12226590A JP 2664268 B2 JP2664268 B2 JP 2664268B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の詳細な説明) 〔産業上の利用分野〕 本発明は、重合性シリカゾルを用いた紫外線や電子線
等の照射により硬化する硬化性被覆用組成物に関するも
のである。さらに詳しくは、紫外線や電子線等の放射線
の照射により、優れた耐擦傷性、耐溶剤性を有する硬化
物が得られ、また各種基材に対して良好な密着性を有す
る放射線硬化性被覆用組成物に関する。
〔従来の技術〕
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートその他
のプラスティックスは、軽量性、透明性、耐衝撃性、加
工性等に優れた特性を有していることから種々の分野で
利用されつつある。一方、これらのプラスティックス
は、耐溶剤性に劣り、また耐擦傷性が低い等の問題点が
ある。これらの問題点を解消するためプラスティックス
を保護するハードコーティング剤が多数開発されてい
る。これらの中で熱硬化性型シリコン系組成物が多数提
案されているが、これらは一般に硬化触媒を必要とする
ため塗液の保存安定性は十分なものではない。また、硬
化に際しては30分以上の長時間を要し、また多大なエネ
ルギーを必要とすることから、生産性、経済性に劣るも
のである。従って、紫外線照射により短時間に硬化し得
るハードコーティング剤は産業上非常に有意なものであ
る。
この様な紫外線硬化性被覆用組成物としては、コロイ
ダルシリカ、アクリロキシ官能性シランもしくはその加
水分解物、及びアクリレート化合物よりなる紫外線硬化
性組成物もしくは製造法として、例えば特表昭57−5009
84、特開昭62−256874などに開示されている。これらは
コロイダルシリカを含有するため耐擦傷性を向上するこ
とが出来るとするものである。しかしながら、これらは
コロイダルシリカの分散媒中にアクリロキシ官能性シラ
ンもしくはその加水分解物が溶解または分散しているた
めに、シリカ微粒子と紫外線硬化成分との間の結合が十
分形成されない。またシリカ微粒子と紫外線硬化成分と
の間の結合を十分に形成せしめるためには、いわゆるシ
ランカップリング剤を大量に用いる必要がある。これ
は、得られる硬化物の耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性、可
撓性、経済性を低下させる原因となるものである。ま
た、親水性のアクリレート化合物を用いなければならな
い等の制限があり、組成設計の自由度を大きく阻害する
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、放射線を照射することにより短時間のうち
に硬化する事が可能で、組成設計の幅が広く、得られた
硬化物が高い耐擦傷性を持ち良好な耐溶剤性を有すると
同時に適度な可撓性を持ち、またプライマーを併用しな
くても基材との密着性に優れた放射線硬化性組成物の提
供を目的とする。
(発明の構成) 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、上記目的を達成するために鋭意研究を行っ
た結果、水を分散媒とするSiO2微粒子表面のシラノール
基に、重合性不飽和基を有する化合物を反応させること
により得られるラジカルにより(共)重合可能な疎水性
シリカ分散体を用いることにより、全ての反応,処理を
室温付近で行うことが可能で、耐擦傷性、耐溶剤性が向
上された硬化物が得られることを見いだし、本発明を完
成するに至ったものである。
即ち本発明は、水分散型コロイド状シリカ表面のシラ
ノール基に、重合性不飽和二重結合を有するアルコキシ
シラン化合物を反応させてなる重合性シリカ分散体であ
り、好ましくはpH7.5以上のアルカリ性水分散型コロイ
ド状シリカを使用してなる重合性シリカゾルであり、さ
らに (A)水分散型コロイド状シリカ表面のシラノール基
に、重合性不飽和二重結合を有するアルコキシシラン誘
導体を反応させてなる重合性シリカ分散体; (B)重合性不飽和二重結合を少なくとも1個以上有す
る化合物; 及び、必要に応じて、 (C)光重合開始剤; を含有してなる硬化性被覆用組成物であり、更に(B)
が高分子化合物或は部分加水分解アルコキシシラン縮合
物である硬化性被覆用組成物に関する。
本発明で用いられる水分散型コロイド状シリカは、酸
性タイプ,アルカリ性タイプのいずれでも使用できる
が、pH7.5以上のアルカリ性タイプで、低ナトリウム分
含有タイプのものを用いることがより好ましい。
重合性コロイド状シリカは、粒子表面に脂肪族α、β
−不飽和二重結合等の重合性不飽和二重結合を有する
(共)重合可能なシリカ分散体であり、水分散型コロイ
ド状シリカと、例えば以下に列記するようなアルコキシ
シラン化合物を反応させることにより得ることが出来
る。この様なアルコキシシラン化合物としては、たとえ
ば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシ
ラン,ビニルトリプロポキシシラン,ビニルトリブトキ
シシラン,ビニルメチルジメトキシシラン,ビニルメチ
ルジエトキシシラン,ビニルメチルジプロポキシシラ
ン,ビニルメチルジブトキシシラン,ビニルジメチルモ
ノメトキシシラン,ビニルジメチルモノエトキシシラ
ン,ビニルジメチルモノプロポキシシラン,ビニルジメ
チルモノブトキシシラン,γ−アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン,γ−アクリロキシプロピルトリエト
キシシラン,γ−アクリロキシプロピルトリプロポキシ
シラン,γ−アクリロキシプロピルトリブトキシシラ
ン,γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン,γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン,γ−アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン,γ−アクリロキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン,γ−
メタクリロキシロピルトリプロポキシシラン,γ−メタ
クリロキシプロピルトリブトキシシラン,γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン,γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシラン,γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジプロポキシシラン,γ−メタク
リロキシプロピルメチルジブトキシシラン,ビニルトリ
メトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルト
リプロポキシシラン,ビニルトリブトキシシラン,ビニ
ルフェニルジメトキシシラン,ビニルフェニルジエトキ
シシラン,ビニルフェニルジプロポキシシラン,ビニル
フェニルジブトキシシラン,ビニルジフェニルモノメト
キシシラン,ビニルジフェニルモノエトキシシラン,ビ
ニルジフェニルモノプロポキシシラン,ビニルジフェニ
ルモノブトキシシラン,γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン,γ−アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン,γ−アクリロキシロピルトリプロポキシシラ
ン,γ−アクリロキシプロピルトリブトキシシラン,γ
−アクリロキシプロピルフェニルジメトキシシラン,γ
−アクリロキシプロピルフェニルジエトキシシラン,γ
−アクリロキシプロピルフェエニルジプロポキシシシラ
ン,γ−アクリロキシプロピルフェニルジブトキシシラ
ン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン,γ−
メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン,γ−メ
タクリロキシプロピルトリブトキシシラン,γ−メタク
リロキシプロピルフェニルジメトキシシラン,γ−メタ
クリロキシプロピルフェニルジエトキシシラン,γ−メ
タクリロキシプロピルフェニルジプロポキシシラン,γ
−メタクリロキシプロピルフェニルジブトキシシラン,
ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラ
ン,ビニルトリプロポキシシラン,ビニルトリブトキシ
シラン,ビニルメチルジメトキシシラン,ビニルジエト
キシシラン,ビニルメチルジプロポキシシラン,ビニル
メチルジブトキシシラン,ビニルジメチルモノメトキシ
シラン,ビニルジメチルモノエトキシシラン,ビニルジ
メチルモノプロポキシシラン,ビニルジメチルモノブト
キシシラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエ
トキシシラン,ビニルトリプロポキシシラン,ビニルト
リブトキシシラン,ビニルフェニルジメトキシシラン,
ビニルフェニルジエトキシシラン,ビニルフェニルジプ
ロポキシシラン,ビニルフェニルジブトキシシラン,ビ
ニルジフェニルモノメトキシシラン,ビニルジフェニル
モノエトキシシラン,ビニルジフェニルモノブトキシシ
ラン,等を挙げることが出来るが、これらに限定される
ものではない。これらのアルコキシシラン化合物は1種
類以上で使用することが出来る。これらのアルコキシシ
ラン化合物は、水分散型コロイド状シリカの固形分100
重量部に対し5〜50重量部の範囲で用いることが望まし
い。シリカ固形分に対してアルコキシシラン化合物が少
なすぎると硬化物の耐擦傷性、耐溶剤性などが劣り、ま
た、アルコキシシラン化合物が多すぎると凝集物が生じ
使用できない。また、有機溶媒分散型コロイド状シリカ
を用いた場合には、粒子表面がアルコキシル化している
ため前記例示したアルコキシシラン化合物との反応性が
劣り、硬化物の耐擦傷性、耐溶剤性などが劣る。
水分散型コロイド状シリカと上記アルコキシシラン化
合物との反応方法は特に制限されないが通常室温で1〜
24時間行われる。得られた反応物は、有機溶媒に置換す
ることなく、水を含有するまま、硬化性被膜組成物とす
ることができる。さらには、重合性不飽和二重結合を有
する化合物の種類や有機溶媒の併用等により、有機溶媒
への置換操作を省略した重合性シリカゾルおよび硬化性
被覆組成物が得られる。
また、必要に応じて表面に重合性不飽和二重結合を持
つシリカ分散体組成物に有機溶媒を加え、共沸脱水など
の方法を用い実質的に系から水を除く事により(共)重
合可能な有機溶媒分散型シリカゾルを得ることも出来
る。この様な有機溶媒としては、特に制限はないが、比
較的低い温度で水と共沸出来るものがより好ましい。例
えば、メタノール,エタノール,イソプロパノール,n−
ブタノール及びイソブタノールなどが好適である。
この様にして得られる表面に重合性不飽和二重結合を
持つシリカ分散体組成物を以下、重合性シリカゾルと呼
ぶ。重合性シリカゾルは、(A)〜(C)の合計量100
重量部に対して固形分として40〜75重量部配合すること
が出来る。40重量部未満であると、硬化物の耐擦傷性,
耐溶剤性などが低下し、また75重量部より多いと造膜性
が劣る。
本発明組成物中(B)成分の、重合性不飽和二重結合
を少なくとも1個以上有する化合物としては、モノマー
(単量体)、プレポリマーなどいずれも使用することが
できる。単量体としては、例えば、エチレングリコール
アクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ト
リエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリ
コールアクリレート、プロピレングリコールアクリレー
ト、ジプロピレングリコールアクリレート、トリプロピ
レングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジ
プロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレン
グリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール
ジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエス
テルジアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、
ポリウレタンアクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート,ネオ
ペンチルグリコールアクリレート、2,2′−ビス(4−
アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2′
−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、トリメチロ−ルプロパントリアクリレート、トリメ
チロ−ルエタントリアクリレート、テトラメチロ−ルメ
タントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、エチレングリコールメタクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリ
コールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタク
リレート、プロピレングリコールメタクリレート、ジプ
ロピレングリコールメタクリレート、トリプロピレング
リコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメ
タクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレ
ート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリ
プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエステルメタクリ
レート、ポリエステルジメタクリレート、ポリエステル
ポリアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールメタク
リレート、2,2′−ビス(4−メタクリロキシプロピロ
キシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−メタクリ
ロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ル
プロパントリメタクリレート、トリメチロールエタント
リメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト等を例として挙げることが出来る。
また、分子内に重合性不飽和二重結合を少なくとも1
個以上有する高分子化合物としては重合性コロイダルシ
リカの分散媒に溶解すれば特に制限はなく、変性アクリ
ル系樹脂,ポリブタジエン及びその変性物等を例として
挙げることが出来るが、これらに限定されるものではな
い。
また、分子内に重合性不飽和二重結合を少なくとも1
個以上有するアルコキシシラン部分縮合物としては、前
記例示した脂肪族α、β−不飽和二重結合を有するアル
コキシシラン化合物及び必要であればメチルトリメトキ
シシラン,フェニルトリメトキシシラン,ジメチルジメ
トキシシラン,メチルフェニルジメトキシシラン,ジフ
ェニルジメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン,β−(3,4エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン,β−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン,γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,フェ
ニルトリエトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,
メチルフェニルジエトキシシラン,ジフェニルジエトキ
シシラン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン,γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン,β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエ
トキシシラン,β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エ
チルメチルジエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン,γ−アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン等で例示されるアルコキシシラン化合物の(共)
縮合体を挙げることが出来るが、これらに限定されるも
のではない。
重合性不飽和二重結合を少なくとも1個以上有するア
ルコキシシラン部分縮合物を使用した硬化性被覆用組成
物は、無機質に富み、耐熱性、耐候性に優れた被覆組成
物が得られるため、より好ましい。
これらの化合物(B)は1種類以上で使用することが
でき、(A)〜(C)の合計量100重量部に対して25〜6
0重量部使用することが出来る。これらの化合物が少な
すぎると硬化物が造膜せず、また多すぎると耐擦傷性、
耐溶剤性が低下する。
上記(A),(B)の混合物は熱ラジカル反応、電子
線の照射等によっても硬化せしめることができるが、比
較的安価な設備により十分な表面硬度、耐擦傷性、耐溶
剤性など得るためには紫外線照射による硬化が有効であ
る。この時必要とされる光重合開始剤としては、例え
ば、1−4(−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル
−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ
−1−プロパノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、1,2−
ジフェニルエタンジオン等を例として挙げる事が出来
る。
本発明の硬化性組成物には、上記の成分のほかに、他
の成分を含有せしめることができる。例えば、固形分調
整,相溶性改良,揮発性調整などのための有機溶媒、着
色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤等であ
る。
前記のようにして調整された本発明の硬化性組成物を
基材に塗布する方法としては、特に制限はないが、常
法、例えばディップコーティング法,刷毛塗り法,スプ
レー法,スピンコーティング法,ロールコーティング
法,フローコーティング法等により塗液を塗布すること
が出来る。これらの方法によりコーティングを施した
後、溶媒を除去し放射線の照射により硬化せしめる。溶
媒の除去は、通常25℃〜130℃で0.5〜30分行うが、より
好ましくは、80〜120℃で0.5〜5分で行われる。放射線
による硬化は通常、以下のような条件で行われる。電子
線照射による場合には加速電圧150〜300kV・吸収線量3
〜30Mradで、また、紫外線照射による場合には照射線量
0.5〜5J/cm2で行われる。以下、実施例および比較例に
より本発明を更に詳しく説明するが、この発明はこれら
により何等制限を受けるものではない。なお、部、%は
いずれも重量基準である。
実施例1 反応器にハイドロシリカゾルとしてスノーテックスN
(日産化学製SiO2分20%の水分散型コロイド状シリカ)
を500部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン5部とを入れ、十分撹拌しながら25〜30℃で24時
間反応させた後、n−ブタノール800部を添加し、減圧
下30〜40℃で水の400部を留出させた。得られた重合性
シリカゾルの固形分は約20%であった。
実施例2 反応器にハイドロシリカゾルとしてスノーテックスN
を500部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン25部とを入れ、十分撹拌しながら25〜30℃で24時
間反応させ重合性コロイダルシリカを得た。この重合性
シリカゾルの固形分は約20%であった。
実施例3 反応器にハイドロシリカゾルとしてスノーテックスN
を500部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン50部とを入れ、十分撹拌しながら25〜30℃で4時
間反応させた後、n−ブタノール800部を添加し、減圧
下30〜40℃で水の400部を留出させた。得られた重合性
シリカゾルの固形分は約20%であった。
実施例4 反応器にハイドロシリカゾルとしてスノーテックスN
を500部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン5部とを入れ、十分撹拌しながら25〜30℃で24時
間反応させた後、n−ブタノール800部を添加し、減圧
下30〜40℃で水の400部を留出させた。得られた重合性
シリカゾルの固形分は約20%であった。
この様にして得られた重合性シリカゾル600部、テト
ラエチレンオキサイドジアクリレート(大阪有機製ビス
コート335HP)14部、トリメチロールプロパントリアク
リレート(新中村化学製A−TMPT)26部、光重合開始剤
として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン3部を混合し、メチルエチルケトンを加
え塗液の固形分を20%に調整した。この様にして得た塗
液を80mm×80mm×1mmのポリカーボネート板(三菱瓦斯
化学製ユーピロンE−2000)に#20バーコーターで塗布
し風乾した後、1J/cm2なるエネルギーの紫外線を照射し
て硬化被膜を形成した。
実施例5 反応容器にメタクリル酸メチル150部,アクリル酸n
−ブチル120部,N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート30部,アゾビスイソブチロニトリル3部及びイソプ
ロピルアルコール700部を入れ、75℃で約8時間重合を
行ない、数平均分子量約12000(スチレン換算)の樹脂
溶液(I)を得た。この樹脂溶液に、グリシジルメタク
リレート27部を添加し、50℃で約4時間反応せしめ、メ
タクリル基を側鎖にもつアクリル共重合体溶液を得た。
次に、反応器にハイドロシリカゾルとしてスノーテッ
クスNを500部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン25部とを入れ、十分撹拌しながら25〜30℃
で24時間反応させ重合性コロイダルシリカを得た。この
重合性シリカゾルの固形分は約20%であった。
この重合性シリカゾル600部,前述した樹脂溶液
(I)140部及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン5部を混合し、メチルエチル
ケトンを加え塗液の固形分を20%に調整した。この様に
して得た塗液を実施例1と同様な方法で塗布、硬化させ
た。
実施例6 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100
部,ジメチルトリメトキシシラン40部,メチルトリメト
キシシラン60部,イソプロピルアルコール300部及び0.1
規定塩酸水溶液60部を混合し、室温で約1カ月間熟成
し、部分加水分解シラン共縮合体溶液(II)を得た。
次に、反応器にハイドロシリカゾルとしてスノーテッ
クスNを500部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン50部とを入れ、十分撹拌しながら25〜30℃
で4時間反応させた後、n−ブタノール800部を添加
し、減圧下30〜40℃で水の400部を留出させた。得られ
た重合性シリカゾルの固形分は約20%であった。
この重合性シリカゾル300部に、前述した部分加水分
解シラン共縮合体溶液(II)450重量部及び2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン7
部を添加し、メチルエチルケトンを加え塗液の固形分を
20%に調整した。この様にして得た塗液を実施例1と同
様な方法で塗布、硬化させた。
比較例1 オルガノシリカゾル(触媒化成cataloid OSCAL−143
2;IPA分散体,SiO230%)100部にγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン15部を混合し、このγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランのメトキシ基1
モルに対して1.5モルの水が加わるように0.5%塩酸水溶
液を添加し1カ月間熟成させた。
比較例2 オルガノシリカゾル(触媒化成cataloid OSCAL−143
2)100部にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン15部を混合し、このγ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランのメトキシ基1モルに対して1.5モル
の水が加わるように0.5%塩酸水溶液を添加し1カ月間
熟成させた。
この様にして得られた変性オルガノシリカゾル400部
に、実施例5で用いた樹脂溶液(I)140部及び2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン5部を添加し、メチルエチルケトンを加え塗液の固形
分を20%に調整した。この様にして得られた塗液を実施
例1と同様な方法で塗布、硬化させた。
比較例3 オルガノシリカゾル(触媒化成cataloid OSCAL−143
2)100部にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン25部を混合し、このγ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランのメトキシ基1モルに対して1.5モル
の水が加わるように0.5%塩酸水溶液を添加し1カ月間
熟成させた。
この様にして得られた変性オルガノシリカゾル300部
に、実施例6で用いた部分加水分解シラン共縮合体溶液
(II)450部及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン7部を添加し、メチルエチル
ケトンを加え塗液の固形分を20%に調整した。この様に
して得た塗液を実施例1と同様な方法で塗布、硬化させ
た。
実施例4〜6及び比較例2,3により得られた硬化被膜
性能の試験結果を表1に示した。また、得られた硬化被
膜は以下の方法により評価を行なった。「耐擦傷性」:
#000スティールウールで硬化被膜を数回手動で摩擦
し、表面についた傷を以下の3段階に評価した。
A:摩擦しても傷がつかない。
B:数本傷がつく。
C:細かい傷が無数につく。
「耐溶剤性」:メチルエチルケトンを含浸させた清浄で
軟らかい布で硬化被膜をラビングし被覆が侵されるまで
の往復回数により下記の基準で評価した。
A:100往復以上ラビングしても被覆が侵されない。
B:10〜100往復のラビングで被覆が侵される。
C:10往復以下のラビングで被覆が侵される。
「耐摩耗性」:テーバー摩耗試験機を用い、摩耗輪CS−
10F、荷重500gf,100サイクルの摩耗を硬化被覆に施した
後のヘイズ値により表した。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水分散型コロイド状シリカ表面のシラノー
    ル基に、重合性不飽和二重結合を有するアルコキシシラ
    ン化合物を反応させてなる重合性シリカ分散体。
  2. 【請求項2】pHが7.5以上である水分散型コロイド状シ
    リカを用いることを特徴とする請求項1記載の重合性シ
    リカ分散体。
  3. 【請求項3】(A)水分散型コロイド状シリカ表面のシ
    ラノール基に、重合性不飽和二重結合を有するアルコキ
    シシラン化合物を反応させてなる重合性シリカ分散体; (B)重合性不飽和二重結合を少なくとも1個以上有す
    る化合物; 及び、必要であれば、 (C)光重合開始剤; を含有してなることを特徴とする硬化性被覆用組成物。
  4. 【請求項4】重合性不飽和二重結合を少なくとも1個以
    上有する化合物が、高分子化合物であることを特徴とす
    る請求項3記載の硬化性被覆用組成物。
  5. 【請求項5】重合性不飽和二重結合を少なくとも1個以
    上有する化合物が、部分加水分解アルコキシシラン縮合
    物であることを特徴とする請求項3又は4記載の硬化性
    被覆用組成物。
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