JP6893721B2 - 紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた物品 - Google Patents
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Description
本発明2は、前記(メタ)アクリル基を有するシラン化合物が、下記式:
R−Alk−Si(R’)3
(式中、Rは、アクリル基又はメタクリル基であり、Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、R’は、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である)
で示される、本発明1の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明3は、(B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサンが、下記式:
R1は、独立して、非置換又は置換の、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基であり、
Lは、5≦L≦10,000であり、
Xは、独立して、式(Ia):
−Q1−Si(R2)p(R3)3−p (Ia)
(式中、
Q1は、C2−4アルキレン基又は酸素原子であり、
R2は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
R3は、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)で示される基である〕
で示されるオルガノポリシロキサンである、本発明1又は2の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明4は、さらに、(D)湿気硬化性樹脂及び湿気硬化触媒を含む、本発明1〜3のいずれか記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明5は、前記本発明1〜4のいずれか記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる、電気・電子機器のコーティング剤である。
一般にコロイダルシリカは、平均粒子径が1〜200μmの二酸化ケイ素又はその水和物のコロイドで、一定の形状を持たないものをいう。成分(A)に用いられるコロイダルシリカは、その種類に特に限定はなく、市販のものを用いることができる。また、コロイダルシリカは、公知の方法により製造することもできる。
表面処理剤は、コロイダルシリカの有効成分量に対して一定量を配合することで、酸性水溶液下で加水分解によりコロイダルシリカと反応し、結合を形成する。本発明で用いられる表面処理剤は、(メタ)アクリル基を有するシラン化合物である。(メタ)アクリル基を有するシラン化合物としては、アクリル基又はメタクリル基とシリル基とを少なくとも一つずつ有するものであれば、その構造に特に制限はない。入手容易性の点からは、シリル基と(メタ)アクリル基とが炭化水素鎖を介して結合しているものが好ましい。
R−Alk−Si(R’)3
(式中、Rは、アクリル基又はメタクリル基であり、Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、R’は、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である)
で示される化合物が挙げられる。
R’は、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である。アルキル基及びアルコキシ基の例としては上述の基が挙げられる。対応するシラン化合物の入手容易性や、表面処理時の加水分解反応の効率等の点から、少なくとも一つはアルコキシ基であることがより好ましく、メトキシ基を少なくとも一つ有することが特に好ましい。
これらの中でも、好ましいラジカル重合禁止剤として、キノン系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤、ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤、1−オキシル系重合禁止剤を挙げることができる。特に好ましいラジカル重合禁止剤として、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、アルキル化ジフェニルアミン、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルのエステル等を挙げることができる。重合禁止剤の配合量としては表面処理時のラジカル重合反応の抑制効果及びハードコート組成物に調製したときのハードコート組成物の紫外線に対する反応性の面から0.001〜1質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
本発明の組成物は、成分(B)として、1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサンを含む。成分(B)は、紫外線により硬化し硬化物を形成する主要な成分である。
〔式中、
R1は、独立して、非置換又は置換の、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基であり、
Lは、5≦L≦10,000であり、
Xは、独立して、式(Ia):
−Q1−Si(R2)p(R3)3−p (Ia)
(式中、
Q1は、C2−4アルキレン基又は酸素原子であり、
R2は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
R3は、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)で示される基である〕
で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられるが、これに限定されない。
M:−Si(CH3)3O1/2
D:Si(CH3)2O2/2
T:Si(CH3)O3/2
Q:SiO4/2
ここで、各単位を表すアルファベットの右肩に何らかの記号が付されているときは、各単位のメチル基が当該記号で表される官能基で置換されていることを意味する。例えば、「TAC単位」は、メチル基がアクリル基で置換されたT単位、すなわちSi(OC(=O)CH=CH2)O3/2を意味する。
本発明の組成物は、(C)光反応開始剤を含む。(C)は、光を受けて励起し、(メタ)アクリル基を含有するシロキサンに励起エネルギーを与えて紫外線照射による硬化反応を開始させるものである。
成分(A):
〔コロイダルシリカ〕
・スノーテックスO−40(水分散コロイダルシリカ、40%シリカ分、PH:3、粒子径19nm:日産化学工業株式会社製)
・スノーテックスO(PH:3、粒子径11nm:日産化学工業株式会社製)
・スノーテックスOL(PH:3、粒子径40nm:日産化学工業株式会社製)
〔表面処理剤〕
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSL8370)
・3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製KBM5103)
〔反応性希釈剤〕
d−1:1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
d−2:1,3−ビス(3−アクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
d−3:1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
〔反応性樹脂〕
PS−1:α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピルジメチルシリル)ジメチルポリシロキサン
PS−2:α,ω−ビス(3−アクリロキシプロピルジメチルシリル)ジメチルポリシロキサン
PS−3:α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピルジメトキシシリル)ジメチルポリシロキサン
PS−4:α,ω−ビス(3−アクリロキシプロピルジメトキシシリル)ジメチルポリシロキサン
TAC 5D10M3;TAC 10D85M3:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びトリメチルクロロシランの加水分解縮合物
RMS−083:メタクリロキシメチルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー
UMS−992:メタクリロキシメチルシロキサン−ホモポリマー
UMS−182:アクリロキシメチルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー
(C)−1:Irgacure819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド;BASF社製)
(C)−2:Darocure1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン;BASF社製)
・オルガチックスTA−30(マツモトファインケミカル社製;テトラオクチルチタネート)
・ネオスタンU−220(日東化成株式会社製;ジブチルスズ)
[合成例1]
イソプロパノール(IPA)220部、スノーテックスO−40(水分散コロイダルシリカ、40%シリカ分、PH:3、粒子径19nm:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン65部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水、IPAを減圧留去、乾燥させて予備分散物1を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、反応性希釈剤として両末端2官能性の{1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン}147.2部(0.38mol)を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.1%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−1)を得た。
合成例1と同様の操作にて、イソプロパノール(IPA)の代わりに1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン65部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物2を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、両末端2官能性の{1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン}147.2部(0.38mol)を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.0%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−2)を得た。
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン61.3部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物3を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、両末端2官能性の{1,3−ビス(3−アクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン}147.2部(0.41mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.3%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−3)を得た。
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン61.3部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物4を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.4%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−4)を得た。
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール440部、スノーテックスO(コロイダルシリカ、PH:3、粒子径11nm:日産化学工業株式会社製)1500部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン156.8部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.4部を混合し、80〜85℃で8時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物5を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.5%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−5)を得た。
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール440部、スノーテックスOL(コロイダルシリカ、PH:3、粒子径40nm:日産化学工業株式会社製)1500部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.4部を混合し、80〜85℃で6時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物6を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.2%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−6)を得た。
合成例5と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール440部、スノーテックスO(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)1500部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン156.8部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.4部を混合し、80〜85℃、8時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、ヘキサメチルジシラザン42.3部(0.26mol)を加え、室温で2時間攪拌し、その後、70℃で1時間攪拌した。水100gを加えて冷却後、さらに1−メトキシ−2−プロパノール500部を加え、水を減圧留去、乾燥させ、セライトを加えて混合し、冷却後にろ過を行い、予備分散物7を得た。その後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.4%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−7)を得た。
合成例7と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン61.3部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、ヘキサメチルジシラザン20部(0.124mol)を加え、室温で2時間攪拌し、その後、70℃で1時間攪拌した。水100gを加えて冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を加え、水を減圧留去、乾燥させ、セライトを加えて混合し、冷却後にろ過を行い、予備分散物8を得た。その後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.3%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−8)を得た。
実施例1−1:
表2に示す各成分を、5Lの万能混合攪拌機(ダルトン社製)に入れ、室温(23℃)にて30分間で均一に混合した。均一に混合した後、氷水冷却下(8℃)にて30分間、冷却減圧にて均一に混合した。得られた組成物を10μmのメンブレンフィルターにて異物等を除去した後、組成物を得た。
実施例及び比較例で得られた各々の紫外線硬化性樹脂組成物を、金型に塗布して塗膜を形成し、ウシオ電機株式会社製高圧水銀灯:UVL−4001Mを用い、120w/cm2にて所定の紫外線照射により厚さ2mmの試料を作製した。得られた塗膜について以下の条件により物性を測定、評価した。
〔外観〕
塗膜の透明度を目視にて観察、評価した。
〔表面の硬化状態〕
硬化させた塗膜の表面を目視及び指触観察して評価した。ウシオ電機株式会社製高圧水銀灯:UVL−4001Mを用い、120w/cm2にて所定の紫外線照射により厚さ2mmの試料を硬化させる際の表面の硬化状態を観察した。表面が液状になっているか、タックが生じているかを観察した。
〔硬さ〕
・A硬度:JIS K 6253 Eに準拠し、DUROMETER HARDNESS TYPE A(ASKER製)にて23℃における硬化物のA硬度を測定した。
・E硬度:JIS K 6253 Eに準拠し、DUROMETER HARDNESS TYPE E(ASKER製)にて23℃における硬化物のE硬度を測定した。
・マイクロ硬度計:マイクロ硬度計(高分子計器株式会社製、製品名:M250)により硬度を測定した。
〔伸び〕JIS K 6301に準拠し、ショッパー引張試験機(東洋精機製作所製)にて23℃における試料の伸びを測定した。
〔引張強度〕JIS K 6301に準拠し、ショッパー引張試験機(東洋精機製作所製)にて23℃における試料の伸びを測定した。
〔粘度〕
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、No.4ローターを使用し、30rpmで、23℃における粘度を測定した。また、50℃の環境下に3日間置いた後の粘度を同様にして測定した。表中の単位はPa・sである。
〔密着性〕
硬化被膜を形成したフィルム表面にJIS K 5600−5−6に準拠して格子状のクロスカットを形成し、25mm幅のセロハンテープ剥離試験をおこなった。密着性評価は、残存マス目数/全マス目数で示した。
〔カール〕
ポリオルガノシロキサン組成物を、トリアセチルセルロースフィルム(80μm)上に100μmの厚さで塗布し、前記紫外線照射装置を用いて、2000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。100mmX100mm角のサンプルを調製し、23℃、50%RHの条件下で16時間放置、その後サンプルの4隅の浮き上がり状態を測定、平均値を評価した。
〔耐スクラッチ性〕
ポリオルガノシロキサン組成物を、トリアセチルセルロースフィルム(80μm)上に100μmの厚さで塗布し、前記紫外線照射装置を用いて、2000mJ/cm2の照射量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。次いで、形成された硬化被膜に対して、JIS K5600−5−4に準じて鉛筆硬度試験を行い、耐スクラッチ性を評価した。鉛筆硬度試験では、2B及び4Bの鉛筆を用い、750g荷重で線を引き、硬化被膜のその後の状態を目視し、硬化被膜のめくれがない場合に、「OK」と評価した。
湿気硬化触媒を配合している実施例の組成物について、23℃、50%RHの条件にて7日間養生することにより硬化させ、上記方法と同様にして、硬さ、伸び及び引張強度を測定した。結果を以下の表に示す。
Claims (4)
- (A)(メタ)アクリル基を有するシラン化合物で処理され、水が除去された、pH6以下の水分散性コロイダルシリカ;
(B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ、及び場合により水との反応性を有する官能基を有するポリシロキサン;
(C)光反応開始剤;及び
(D)湿気硬化触媒;
を含み、前記(B)が水との反応性を有する官能基を有さない場合には、さらに湿気硬化性樹脂を含み;
成分(B)の量が、樹脂組成物全体100質量部に対して、50〜95質量部の範囲である、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。 - 前記(メタ)アクリル基を有するシラン化合物が、下記式:
R−Alk−Si(R’)3
(式中、Rは、アクリル基又はメタクリル基であり、Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、R’は、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である)
で示される、請求項1記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。 - (B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサンが、下記式:
〔式中、
R1は、独立して、非置換又は置換の、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基であり、
Lは、5≦L≦10,000であり、
Xは、独立して、式(Ia):
−Q1−Si(R2)p(R3)3−p (Ia)
(式中、
Q1は、C2−4アルキレン基又は酸素原子であり、
R2は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
R3は、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)で示される基である〕
で示されるオルガノポリシロキサンである、請求項1又は2記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。 - 請求項1〜3のいずれか一項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる、電気・電子機器のコーティング剤。
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