JP2002080550A - 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびインサート成形品の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびインサート成形品の製造方法

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JP2002080550A
JP2002080550A JP2001100794A JP2001100794A JP2002080550A JP 2002080550 A JP2002080550 A JP 2002080550A JP 2001100794 A JP2001100794 A JP 2001100794A JP 2001100794 A JP2001100794 A JP 2001100794A JP 2002080550 A JP2002080550 A JP 2002080550A
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賢二 末村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性の良好な成形品の製造に有利に用いる
ことのできる、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性に優
れ、かつ、粘着性がなく、加工性および保存安定性に優
れた光硬化性積層シートを提供する。 【解決手段】 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する
アクリル樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)およ
び無機微粒子(a−3)を含み、前記(a−1)以外の
架橋性化合物を実質的に含まない光硬化性樹脂組成物、
この光硬化性樹脂組成物(A)の層と基材シート(B)
とを含む光硬化性シート、この光硬化性シートを用いた
光硬化性加飾シートおよび光硬化性インサート成形用シ
ート、これらの光硬化性シートを用いたインサート成形
品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた外観、意匠
性、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性を有し、粘着性の
ない光硬化性シート、それを用いた成形品の製造方法お
よびそのような光硬化性シートを与える光硬化性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製品の成形と同時にその表
面に装飾を施す方法として、(1)金型内表面に予め模
様を付けておく方法、(2)金型内壁面に転写フィルム
を装着し、成形と同時にフィルムの模様等を成形品の外
面に転写する方法、(3)機能付シートまたは印刷シー
トを金型内壁面に貼り付けておき、成形と同時にそのシ
ートを成形品表面に貼り付けする方法等が提案されてい
る。(2)または(3)の方法については、例えば、特
開昭60−250925号公報、特公昭59−3684
1号公報、特公平8−2550号公報に耐候性付与シー
トまたは印刷シートを金型内壁面に形成した後、成形用
樹脂を射出成形することによリ、シートで表面が被覆さ
れた成形品を製造する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、上記の技術は、加飾や機能
性の付与を熱可塑性シートや印刷の転写で行っているた
め、得られた成形品の表面硬度が不十分なものであっ
た。例えば、成形品に耐候性を付与する場合には、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)などからなる高耐候性シ
ートを用いれば良いが、充分な表面硬度が得られないと
いう問題がある。これに対して、表面硬度の高い成形品
を得ようとする場合には、予め架橋した表面硬度の高い
シートを用いなければならない。しかしながら、そのよ
うなシートは、立体形状の成形品への適用が困難であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特公平7−3
23号公報に示されているように、アクリル樹脂、反応
性ビニル基を有する化合物および光重合開始剤を含有す
る樹脂組成物により形成される光硬化性樹脂層とシート
基材とが積層されてなる光硬化性シートが提案された。
しかしながら、この方法では、光硬化させる前のシート
は、低分子量の反応性ビニル基を有する化合物を含有す
るため、表面に粘着性が有り、あるいは表面の粘着性が
時間と共に変化する等の現象が起こり、ロール状態での
保存安定性が不良である。具体的には、粘着して巻き出
せなかったり、低温で保存しないと両端より化合物がし
み出す等の問題があった。さらには、その粘着性のた
め、印刷シートとして使用する場合の印刷工程において
不具合が生じていた。
【0005】かかる問題を解決するため、本発明者ら
は、先に、側鎖に脂環式エポキシ基を有するアクリル樹
脂と光重合開始剤からなる組成物を積層した基材シート
を開発することにより粘着性のない光硬化性シートを提
案したが、さらに高い表面硬度および良好な耐候性を達
成するために鋭意検討した結果、本発明に至った。すな
わち、本発明の目的は、意匠性の良好な成形品の製造に
有利に用いることのできる、耐磨耗性、耐候性および耐
薬品性に優れ、かつ、粘着性がなく、加工性および保存
安定性に優れた光硬化性積層シートを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するア
クリル樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および
無機微粒子(a−3)を含み、前記(a−1)以外の架
橋性化合物を実質的に含まない光硬化性樹脂組成物
(A)、さらには光硬化性樹脂組成物(A)が基材シー
ト(B)上に積層された光硬化性シート、それを用いた
光硬化性加飾シートおよび光硬化性インサート成形用シ
ート、並びにそのような光硬化性シートを用いたインサ
ート成形品の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて順次説明する。本発明の光硬化性樹脂組成物(A)
は、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹
脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および無機微粒
子(a−3)を含み、前記(a−1)以外の架橋性化合
物を実質的に含まないものである。本発明においては、
この光硬化性樹脂組成物(A)の層を基材シート(B)
上に積層することにより、光硬化性シートを得ることが
できる。本発明の光硬化性樹脂組成物においては、無機
微粒子を必須成分として含むことから、著しく良好な耐
磨耗性が得られる。また、このようにポリマー側鎖にラ
ジカル重合性不飽和基を有する構造を導入したことによ
り、ポリマー側鎖間で架橋反応が進行するため、反応性
ビニル基を有する低分子量架橋性化合物を含有させる必
要が無く、そのため粘着性が無く、保存安定性に優れる
シートが得られるという利点を有する。
【0008】側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するア
クリル樹脂としては、例えば、ガラス転移温度が25〜
170℃、好ましくは30〜150℃の、ポリマー中に
ラジカル重合性不飽和基を有するものが挙げられる。具
体的には、ポリマーとして以下の化合物1〜8を重合ま
たは共重合させたものに対し、後述する方法(イ)〜
(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入したものを
用いることができる。
【0009】1.水酸基を有する単量体:N−メチロー
ルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等 2.カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル
酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等 3.エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)ア
クリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート等 4.アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリル等 5.アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等 6.スルホン基を有する単量体:2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等 7.イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレー
トの等モル付加物のような、ジイソシアネートと活性水
素を有するラジカル重合性単量体の付加物、2−イソシ
アネートエチル(メタ)アクリレート等 8.さらに、上記の共重合体のガラス転移温度を調節し
たり、光硬化性シートの物性を調和させたりするため
に、上記の化合物をそれと共重合可能な単量体と共重合
させることもできる。そのような共重合可能な単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、トリシ
クロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、N−フ
ェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−ブ
チルマレイミド等のイミド誘導体、ブタジエン等のオレ
フィン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳
香族ビニル化合物等を挙げることができる。
【0010】次に、上述のようにして得た重合体に、以
下に述べる方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不
飽和基を導入する。 (イ)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の
場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有
する単量体等を縮合反応させる。 (ロ)カルボキシル基、スルホン基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する
単量体を縮合反応させる。
【0011】(ハ)エポキシ基、イソシアネート基また
はアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合
体の場合には、前述の水酸基を有する単量体またはカル
ボキシル基を有する単量体を付加反応させる。 (ニ)水酸基またはカルボキシル基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単
量体またはアジリジニル基を有する単量体、あるいはイ
ソシアネート基を有する単量体、またはジイソシアネー
ト化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体との等
モル付加物を付加反応させる。
【0012】上記の反応は、微量のハイドロキノン等の
重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好
ましい。アクリル樹脂(a−1)の側鎖のラジカル重合
性不飽和基の量は、二重結合当量(側鎖ラジカル重合性
不飽和基1個あたりの平均分子量)が、仕込み値からの
計算値で平均1〜1200g/molであることが、耐
擦傷性、耐磨耗性向上の観点から好ましい。さらに好ま
しい二重結合当量の範囲は、平均1〜600g/mol
である。
【0013】このように、架橋に関与する官能基をアク
リル樹脂中に複数導入することにより、後述する長期間
の保管や加熱成形時においても、粘着性を有することな
く、効率的に硬化物性を向上させることが可能となる。
アクリル樹脂(a−1)の数平均分子量は、5,000
〜2,500,000の範囲が好ましく、10,000
〜1,000,000の範囲がさらに好ましい。アクリ
ル樹脂(a−1)を含む光硬化性樹脂組成物(A)を用
いて形成した光硬化性シートをインサート成形する際
に、成形時の予備加熱により成形用金型に光硬化性シー
トが貼り付きにくくなる点や光硬化後のインサート成形
品の表面硬度の点から、数平均分子量は5,000以上
であることが好ましい。一方、合成の容易さや外観の観
点、また基材シートとの密着性の観点から、数平均分子
量は2,500,000以下であることが好ましい。
【0014】また、アクリル樹脂(a−1)はガラス転
移温度が25〜175℃に調節されていることが好まし
く、30〜150℃に調節されていることがさらに好ま
しい。インサート成形時の光硬化性シートの金型剥離性
や光硬化後のインサート成形品の表面硬度の観点から、
ガラス転移温度が25℃以上であることが好ましい。一
方、光硬化性シートの取り扱い性の観点から、ガラス転
移温度は175℃以下であることが好ましい。
【0015】また、得られるアクリル樹脂共重合体のガ
ラス転移温度を考慮すると、ホモポリマーとして高いガ
ラス転移温度を有するものとなるビニル重合性単量体を
使用することが好ましい。また、本発明において必須成
分として用いられる無機微粒子(a−3)の表面の官能
基と反応し得る基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン化シリル基およびアルコキシシリル基
からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を分子
内に有するビニル重合性単量体は、得られる光硬化性樹
脂組成物の剛性、靱性、耐熱性等の物性をより向上させ
るように働くので、かかる官能基がラジカル重合可能な
ビニル重合性単量体成分の一部として含有されていても
よい。
【0016】このような反応性の基を分子内に含有する
ビニル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチル
シラン等が挙げられる。
【0017】本発明で用いる光重合開始剤(a−2)と
しては、光照射によってラジカルを発生させる光ラジカ
ル重合開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤とし
ては、公知の化合物を用いることができ、特に限定はな
いけれども、硬化時の黄変性や耐候時の劣化を考慮する
と、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホス
フィンオキサイド系のような分子内にアミノ基を含まな
い開始剤が良い。例えば、1−(4−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドが好まし
い。これらのうちには成形方法によっては一時的にその
化合物の沸点以上の温度になることがあるので、注意が
必要である。成形品の表面硬度を上げるため、n−メチ
ルジエタノールアミンなどの酸素重合禁止硬化防止剤を
添加してもよい。また、これらの光重合開始剤の外に、
成形時の熱を利用しての硬化も考慮して、各種過酸化物
を添加してもよい。光硬化性シートに過酸化物を含有さ
せる場合には、150℃、30秒程度で硬化させる必要
があるので、臨界温度の低い過酸化物、例えば、ラウロ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好ま
しく用いられる。
【0018】光重合開始剤の添加量は、硬化後の残存量
が耐候性に影響するため、側鎖にラジカル重合性不飽和
基を有するアクリル樹脂(a−1)100質量部に対し
て0.1〜5質量部が望ましく、特に硬化時の黄変に関
連するアミノ系の光ラジカル重合開始剤は1質量部以下
が望ましい。本発明に用いられる無機微粒子(a−3)
においては、得られる光硬化性樹脂組成物が透明となれ
ば、その種類や粒子径、形態は特に制限されない。有用
な無機微粒子の例としては、コロイダルシリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ
(ATO等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化イ
ンジウム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモ
ン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよい
し、2種類以上の組み合わせで用いられてもよい。なか
でも、入手の容易さや価格面、得られる光硬化性樹脂組
成物層の透明性や耐磨耗性の観点から、コロイダルシリ
カが特に好ましい。
【0019】コロイダルシリカは、通常の水性分散液の
形態や、有機溶媒に分散させた形態で用いることができ
るが、(a−1)成分であるアクリル樹脂とともに均一
かつ安定に分散させるためには、有機溶媒に分散させた
コロイダルシリカを用いることが好ましい。そのような
有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、エチレングリコール、キシレン/
ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンを例示
することができる。なかでも、アクリル樹脂とともに均
一に分散させるためには、アクリル樹脂を溶解可能な有
機溶媒を選択することが好ましい。
【0020】有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシ
リカとしては、分散媒に分散されている市販品、例え
ば、メタノールシリカゾルMA−ST、イソプロピルア
ルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリ
カゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルE
G−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−S
T、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチル
セロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムア
ミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシ
リカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾ
ルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルM
IBK−ST(以上商品名、日産化学社製)を用いるこ
とができる。
【0021】無機微粒子(a−3)の粒子径は、得られ
る光硬化性樹脂組成物層の透明性の観点から、通常は2
00nm以下であるのが好ましい。より好ましくは10
0nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下であ
る。また、下限値としては1nm以上であるのが好まし
い。無機微粒子(a−3)の添加量は、側鎖にラジカル
重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(a−1)100
質量部に対して、無機微粒子固形分で5〜400質量部
の範囲が好ましく、10〜200質量部の範囲が特に好
ましい。無機微粒子の添加量が5質量部未満の場合に
は、耐磨耗性向上効果が認められないことがあり、また
添加量が400質量部を超える場合には、光硬化性樹脂
組成物(A)の保存安定性が低下するばかりか、得られ
る光硬化性シートの成形性が低下することがある。
【0022】また、本発明で用いられる無機微粒子(a
−3)としては、下記構造式(1)で表されるシラン化
合物によって、予め表面が処理されたものを用いてもよ
い。表面処理された無機微粒子の使用は、光硬化性樹脂
組成物(A)の保存安定性がさらに良好となり、また得
られる光硬化性シートの表面硬度および耐候性も良好と
なるので好ましい。
【0023】 SiR4 a5 b (OR6c (1) (上式中、R4 およびR5 は、それぞれ、エーテル結
合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重
結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基
を表し、R6 は水素原子またはエーテル結合、エステル
結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有し
ていてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、a
およびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−
a−bを満足する1〜4の整数である)前記構造式
(1)で表されるシラン化合物のなかでも、下記構造式
(2)〜(7)で表されるシラン化合物を好ましいもの
として挙げることができる。
【0024】 SiR7 a8 b (OR9c (2) SiR7 n (OCH2 CH2 OCO(R10)C=CH24-n (3) CH2 =C(R10)COO(CH2p SiR11 n (OR93-n (4) CH2 =CHSiR11 n (OR93-n (5) HS(CH2p SiR11 n (OR93-n (6)
【0025】
【化1】 (上式中、R7 およびR8 は、それぞれ、エーテル結
合、エステル結合またはエポキシ結合を有していてもよ
い炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R9 は水素原
子または炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R10
水素原子またはメチル基を表し、R11は炭素数1〜3の
アルキル基またはフェニル基を表し、aおよびbは、そ
れぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−bを満足す
る1〜4の整数であり、nは0〜2の整数であり、pは
1〜6の整数である)前記構造式(2)で表されるシラ
ン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエト
キシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラ
ン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシ
エチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メ
チルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシ
エトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0026】前記構造式(3)で表されるシラン化合物
としては、例えば、テトラキス(アクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシ
エトキシ)シラン等が挙げられる。前記構造式(4)で
表されるシラン化合物としては、例えば、β−アクリロ
イルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリ
ロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メ
タクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
【0027】前記構造式(5)で表されるシラン化合物
としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等
が挙げられる。前記構造式(6)で表されるシラン化合
物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキ
シメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0028】前記構造式(7)で表されるシラン化合物
としては、例えば、p−ビニルフェニルメチルジメトキ
シシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が
挙げられる。かかるシラン化合物は、無機微粒子(a−
3)の固形分1モル部に対して、0〜3モル部の割合で
使用することが好ましい。シラン化合物の使用量が3モ
ル部を超える場合には、得られる光硬化性シートの耐磨
耗性が低下することがある。
【0029】シラン化合物で表面処理された無機微粒子
は、少量の水の存在下で、シラン化合物と無機微粒子を
加熱攪拌することにより、得ることができる。無機微粒
子(a−3)を、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有す
るアクリル樹脂(a−1)に添加する方法としては、予
めアクリル樹脂を合成後、無機微粒子を混合してもよい
し、またアクリル樹脂(a−1)を構成するビニル重合
性単量体と無機微粒子を混合した条件下でアクリル樹脂
を重合する方法等の任意の方法を選択することができ
る。
【0030】本発明において用いられる光硬化性樹脂組
成物(A)においては、必須成分であるアクリル樹脂、
光重合開始剤および無機微粒子以外に、必要に応じて、
増感剤、変性用樹脂、染料、顔料およびレベリング剤や
ハジキ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化安定剤等
の添加剤を配合することができる。上記の増感剤は、硬
化反応を促進するものであって、その例としてはベンゾ
フェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサ
ントン等が挙げられる。
【0031】ただし、光硬化性樹脂組成物(A)は、前
記アクリル樹脂(a−1)以外の架橋性化合物は実質的
に含有すべきではない。特に、40℃において液体状の
架橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2000以下の
低分子量の架橋性モノマー、オリゴマーを実質的に含有
するべきではない。特に、40℃において液体状の架橋
性モノマー、オリゴマーや、分子量2000以下の低分
子量の架橋性モノマー、オリゴマーを含有すると、長期
間の保管や加熱成形時において粘着性を有するようにな
り、印刷工程において不具合を生じたり、インサート成
形時において金型を汚染する等の問題を生じることがあ
る。より好ましくは、50℃において液体状の架橋性モ
ノマー、オリゴマーを実質的に含有するべきではなく、
さらに好ましくは60℃において液体状の架橋性モノマ
ー、オリゴマーを実質的に含有するべきではない。
【0032】本発明においては、上記の如き光硬化性樹
脂組成物(A)を用いているため、光硬化性樹脂組成物
を基材シート(B)上に積層して光硬化性シートを形成
した場合にも、光硬化性シートの表面は粘着性がなく、
また表面の粘着性が時間と共に変化する等の現象も起こ
らず、ロール状態での保存安定性が良好となる。基材シ
ート(B)としては、その使用方法によって好適なもの
が選ばれるが、例えば、ABS(アクリロニトリル/ブ
タジエン/スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロ
ニトリル/スチレン共重合体)系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂、フッ素系樹脂、セロファン系樹脂、セル
ロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン等のポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニル
アルコール系樹脂、軟質アクリル系樹脂等の材質からな
るシートが挙げられる。また、これらの各シートの複合
体、積層体などを使用することもできる。なかでも、1
00℃加熱時における伸度が100%以上である熱可塑
性樹脂シートが、インサート成形時に金型形状への追従
性が良好となるので好ましい。光硬化性樹脂組成物
(A)との密着性や耐候性、透明性等を考慮すると、さ
らに好ましくは、架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリ
ル樹脂シートである。架橋ゴム成分を有する透明熱可塑
性アクリル樹脂シートとしては、特開平9−26361
4号公報等に開示されているような、多層構造を有する
アクリル樹脂を押し出し成形することによって得られる
透明熱可塑性アクリルシートがある。
【0033】また、基材シート(B)中には、必要に応
じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワック
ス等の滑剤、シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等
の減摩剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、
微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、
着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0034】光硬化性シートの製造方法としては、例え
ば、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹
脂(a−1)と光重合開始剤(a−2)および無機微粒
子(a−3)を含む光硬化性樹脂組成物(A)を有機溶
媒などに十分に攪拌溶解させ、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の印刷方法や、
ナイフコート法、コンマコート法、リバースコート法、
ディップコート法等の公知のコート方法により基材シー
ト(B)上にコーティングし、溶媒除去のための乾燥を
行い、積層シートとする方法がある。また、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる基材シ
ート上に上記樹脂液をコーティングする際には、基材シ
ートと光硬化性樹脂組成物との密着性を上げるため、
(1)予め、基材シート上に低分子量ポリオレフィン等
からなるプライマーを塗布しておくか、または(2)予
め、コロナ放電などで基材シート表面を活性化しておく
(このコロナ放電を行う工程としては、活性化された直
後の方が密着性が高いのでコーティングの少し前である
のが好ましい)のが好ましい。さらに、光硬化性樹脂組
成物が光硬化時に体積収縮し、基材シートとの密着性が
低下するのを防ぐ目的で、プライマー層を積層すること
が好ましい。
【0035】本発明の光硬化性シートは、基材シート側
に印刷層を設けることにより、光硬化性加飾シートとす
ることもできる。印刷層は、インサート成形品表面に模
様や文字等の加飾を施すものである。加飾の形態は、任
意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学
模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄が挙げられる。印
刷層の材料としては、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合
体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタ
ン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹
脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂をバインダー
とし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有す
る着色インキを用いるとよい。
【0036】印刷層に用いられるインキの顔料として
は、例えば、次のものが使用できる。通常、顔料とし
て、黄色顔料としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、イソイ
ンドリノン等の有機顔料や黄鉛等の無機顔料、赤色顔料
としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有
機顔料や弁柄等の無機顔料、青色顔料としてはフタロシ
アニンブルー等の有機顔料やコバルトブルー等の無機顔
料、黒色顔料としてはアニリンブラック等の有機顔料、
白色顔料としては二酸化チタン等の無機顔料が使用でき
る。
【0037】印刷層に用いられるインキの染料として
は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種公知の染料
を使用することができる。また、インキの印刷方法とし
ては、オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スクリ
ーン印刷法等の公知の印刷法やロールコート法、スプレ
ーコート法等の公知のコート法を用いるのがよい。この
際、本発明におけるように、低分子の反応性ビニル化合
物を使用するのではなく、ポリマー同士を架橋させる構
成の光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、表面に粘着
性が無く、印刷時のトラブルが少なく、歩留まりが良好
である。
【0038】また、インサート成形品表面に加飾を施す
ための層として、印刷層の代わりに蒸着層を設けてもよ
いし、印刷層と蒸着層の両方を設けてもよい。蒸着層
は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、
銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛等の
群から選ばれる少なくとも1つの金属、またはそれらの
合金もしくは化合物を使用して、真空蒸着法やスパッタ
リング法、イオンプレーティング法、鍍金法等の方法に
より形成することができる。
【0039】これらの加飾のための印刷層や蒸着層は、
所望のインサート成形品の表面外観が得られるよう、イ
ンサート成形時の伸張度合いに応じて、適宜その厚みを
選択すればよい。また、本発明の光硬化性シートは、基
材シート側に印刷層および/または蒸着層、接着層、お
よびさらに必要に応じてプライマーシートが形成された
光硬化性インサート成形用シートとすることができる。
その場合、光硬化性インサート成形用シートの好ましい
厚み範囲は、30〜750μmである。シート厚みが3
0μm未満の場合には、深しぼり成形を行った際に、曲
面でのシート厚みが著しく低下し、結果として耐磨耗性
や耐薬品性等のシート物性が低下することがある。ま
た、シート厚みが750μmを超える場合には、金型へ
の形状追従性が低下することがある。
【0040】上記接着層には、印刷層または蒸着層と成
形樹脂、印刷層または蒸着層とプライマーシートとの密
着性を高める性質のものであれば、任意の合成樹脂状材
料を選択して用いることができる。例えば、成形樹脂が
ポリアクリル系樹脂の場合は、ポリアクリル系樹脂を用
いるとよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシド
・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチ
レン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場
合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用す
ればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン系樹脂等
のポリオレフィン系樹脂である場合には、塩素化ポリオ
レフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂、ブロックイソシ
アネートを用いた熱硬化型ウレタン樹脂等が使用可能で
ある。なお、接着層の粘着性低減や耐熱性向上の目的
に、疎水性シリカやエポキシ樹脂、石油樹脂等をさらに
含有させることもできる。
【0041】上記プライマーシートは、必要に応じて形
成されるものであり、ウレタン樹脂等の公知の樹脂が使
用可能であるが、成形樹脂との密着性を高める目的から
は、成形樹脂と相溶性の材料からなるのがよい。現実的
には、プライマーシートは成形樹脂と同じポリマー材料
からなるのが好ましい。また、プライマーシートの存在
は、射出成形品の表面欠陥が光硬化性樹脂組成物上に伝
搬されるのを最少にするといった利点を与える。その場
合、プライマーシートは、光硬化性樹脂組成物の完全に
円滑な上面を呈しながら、成形樹脂の表面欠陥を吸収す
るほどの厚みを有することが好ましい。
【0042】また、本発明の光硬化性シートには、基材
シート(B)上の光硬化性樹脂組成物(A)層の上に、
さらにカバーフィルムを設けることもできる。このカバ
ーフィルムは、光硬化性シート表面の防塵に有効であ
り、また活性エネルギー線照射前の光硬化性樹脂組成物
(A)層表面の傷つき防止にも有効である。上記カバー
フィルムは、後述するようにインサート成形を行う前ま
で光硬化性樹脂組成物(A)層に密着しており、インサ
ート成形する際は直ちに剥離されるので、光硬化性樹脂
組成物(A)層に対して適度な密着性と良好な離型性を
有していることが必要である。このような条件を満たし
たフィルムで有れば、任意のフィルムを選択して用いる
ことができる。そのようなフィルムとしては、例えば、
ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、
ポリエステル系フィルム等が挙げられる。
【0043】ところで、自動車のボディーパネルやスポ
イラー等のような成形品のサイズが大きく、かつ、成形
品の肉厚が薄い場合には、成形樹脂から発生するガスが
成形樹脂内に残留したり、金型内の空気が成形樹脂とシ
ートとの間に介在しやすくなり、成形樹脂に対するシー
トの密着性が低下するという問題が生じることがある。
そのような場合、成形樹脂に接するシート面に、ガス透
過性を有する層を設けることにより、問題を解決するこ
とができる。そのようなガス透過性を有する層として
は、スパンデックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊
維、ポリアミド系繊維等で構成された織布または不織布
を挙げることができる。また、織布や不織布の代わり
に、発泡層からなるものを用いてもよい。発泡層の形成
方法としては、公知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗布した
後に加熱等により発泡させて連続空孔を形成させる方法
等が挙げられる。
【0044】次に、上記の光硬化性シート、光硬化性加
飾シートおよび光硬化性インサート成形用シートを用い
たインサート成形品の製造方法の一例について説明す
る。本発明においては、上記光硬化性シート、光硬化性
加飾シートまたは光硬化性インサート成形用シートを、
光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うよう
に挿入配置する工程(1)、金型を閉じて、溶融樹脂を
金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性
シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート
成形用シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する
工程(3)、および光照射することにより成形品表面の
光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程(4)を含むイ
ンサート成形品の製造方法、または上記光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向
かい合うように挿入配置する工程(1)、光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる
工程(2)、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出
し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート、光硬
化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形用シート
が表面に配置された樹脂成形品を形成する工程(3)、
および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂
組成物を光硬化させる工程(4)を含む製造方法によっ
て、インサート成形品とすることができる。
【0045】上記の工程(1)〜(4)は、必ずしもそ
の順番に行われる必要はないが、それぞれ工程(1)→
(3)→(4)の順および工程(1)→(2)→(3)
→(4)の順で行われるのが好ましい。まず、光硬化性
シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート
成形用シートにカバーフィルムが設けられている場合
は、カバーフィルムをシートより剥離して除去する。な
お、カバーフィルムは、金型内にシートを挿入配置する
直前に剥離してもよいし、シートを金型内に挿入配置す
る遥か以前に剥離しておいてもよい。ただし、光照射前
の光硬化性樹脂組成物(A)層の防塵や傷つき防止を考
慮すると、前者のほうが好ましい。
【0046】光硬化性シート、光硬化性加飾シートまた
は光硬化性インサート成形用シートを、光硬化性樹脂組
成物(A)側が金型の内壁面に向かい合うように(すな
わち、光硬化性樹脂組成物(A)層の反対側が成形樹脂
と接する状態に)挿入配置する。この際、長尺のシート
のまま(ロールから巻き出しながら)必要部分を間欠的
に送り込んでもよいし、シートを枚葉化して1枚ずつ送
り込んでもよい。特に加飾のための印刷層や蒸着層を有
する長尺のシートを使用する場合、位置決め機構を有す
る送り装置を使用して、加飾のための層と金型との見当
が一致するようにするとよい。また、シートを間欠的に
送り込む際に、シートの位置をセンサーで検出した後に
シートを固定するようにすれば、常に同じ位置でシート
を固定することができ、加飾のための層の位置ずれが生
じないので便利である。
【0047】次いで、必要に応じて、光硬化性シート、
光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形用シ
ートを予備成形する。例えば、ホットパック等の加熱手
段によりシートをその軟化点以上に軟化させ、金型に設
けられた吸引孔を通じて真空吸引することにより金型形
状にシートを追従させることで予備成形することができ
る。なお、シートを金型内に挿入配置する前に、シート
を予めシートの熱変形温度未満の温度に予熱しておく
と、シートを金型内に挿入配置後に行う加熱時間を短縮
することができ、生産性を向上させることが可能とな
る。また、射出成形用金型とは別の立体加工成形用型を
用いて、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押
し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知の成形法に
より、シートを予め所望の形状に予備成形してもよい。
もちろん、シートを予備成形せずに、後述する成形樹脂
の射出圧により、シートの成形および成形樹脂との一体
化を同時に行うことも可能である。この際、シートを予
め予備加熱して軟化させておくことも可能である。
【0048】その後、金型を閉じて、キャビティー内に
溶融状態の成形樹脂を射出し、樹脂を固化させることに
より光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化
性インサート成形用シートが表面に配置された樹脂成形
体を形成する。本発明で使用する成形樹脂としては、種
類は問わず、射出成形可能な全ての樹脂が使用可能であ
る。そのような成形樹脂としては、例えば、ポリエチレ
ン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、
ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重
合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹
脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン系共重合体)系樹脂、AS
(アクリロニトリル/スチレン系共重合体)系樹脂、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂等の汎用の熱可塑性または熱硬化
性樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオ
キシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェ
ニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル
系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂を使用す
ることもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラー
(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補
強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂や各種変
性樹脂を使用することもできる。なお、成形樹脂の成形
後の収縮率を前記シートの収縮率に近似させることによ
り、インサート成形品の反りやシートの剥がれ等の不具
合を解消できるので好ましい。
【0049】最後に、金型内よりインサート成形品を取
り出した後、光照射することにより成形品表面の光硬化
性樹脂組成物を光硬化させる。照射する光としては、電
子線、紫外線、γ線等を挙げることができる。照射条件
は、光硬化性樹脂組成物(A)層の光硬化特性に応じて
定められるが、照射量は、通常100〜10,000m
J/cm2 程度である。これによって、光硬化性樹脂組
成物が硬化して硬質の被膜が表面に形成されたインサー
ト成形品を得ることができる。
【0050】インサート成形品に接着した光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートのうち、不要な部分は必要に応じて適宜トリミ
ングして除去されてもよい。このトリミングは、シート
を金型内に挿入配置した後や、インサート成形品に光照
射する前または光照射した後に行うことができる。トリ
ミングの方法としては、レーザー光線等を照射してシー
トを焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製
し、プレス加工によってシートを打ち抜く方法、人手に
よりシートをちぎるようにして除去する方法等の公知の
方法により行うことができる。
【0051】なお、上記では、インサート成形品の製造
方法として、射出成形を用いた製造方法について説明し
たが、射出成形の代わりにブロー成形を用いることも可
能である。また、本発明の光硬化性インサート成形用シ
ートにより加飾された成形品が主に屋外で使用されるも
のである場合には、シートに紫外線吸収剤や光安定剤を
加えることもできる。紫外線吸収剤としては、ベンゾト
リアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の
有機物、または粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜
鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を使用するこ
とができる。また、光安定剤としては、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート
等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系
ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができ
る。
【0052】このようにして得られた成形品は、成形と
同時に色もしくはデザインが付与され、さらには短時間
の光照射によって、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性等
が向上する。さらに、従来の成形後のスプレー塗装等と
比較して、工程の短縮、歩留まりの向上、環境への影響
低減を達成することができる。また、本発明の光硬化性
シートは、既に射出成形等により成形された物品に直接
あるいは接着剤層を介してラミネートして、成形品表面
に積層して使用することもできる。
【0053】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。なお、例中、「部」は「質量部」を意味す
る。 合成例1(成分(a−1)としてのアクリル樹脂Iの合
成) 窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備え
た1Lの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン50部
を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でメチルメタ
クリレート67.8部、グリシジルメタクリレート3
2.2部およびアゾビスイソブチロニトリル0.5部の
混合物を3時間かけて滴下した。その後、メチルエチル
ケトン80部とアゾビスイソブチロニトリル0.2部の
混合物を加え、重合させた。4時間後、メチルエチルケ
トン50部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5
部、トリフェニルホスフィン2.5部およびアクリル酸
16.3部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30
時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラスコ
より取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する
アクリル樹脂Iの溶液を得た。
【0054】アクリル樹脂Iにおける単量体の重合率は
99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質量
%、数平均分子量は約6万、ガラス転移温度は約77℃
であった。 合成例2(成分(a−1)としてのアクリル樹脂IIの
合成) 窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備え
た1Lの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン50部
を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でメチルメタ
クリレート19部、グリシジルメタクリレート81部、
アゾビスイソブチロニトリル0.5部およびn−オクチ
ルメルカプタン2部の混合物を3時間かけて滴下した。
その後、メチルエチルケトン80部とアゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部の混合物を加え、重合させた。4時
間後、メチルエチルケトン50部、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.5部、トリフェニルホスフィン2.
5部およびアクリル酸40.6部を加え、空気を吹き込
みながら80℃で30時間攪拌した。その後、冷却した
後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖にラジカル重
合性不飽和基を有するアクリル樹脂IIの溶液を得た。
【0055】アクリル樹脂IIにおける単量体の重合率
は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約45質
量%、数平均分子量は約1万5千、ガラス転移温度は約
41℃であった。 合成例3(成分(a−1)としてのアクリル樹脂III
の合成) 窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備え
た1Lの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン50部
を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でメチルメタ
クリレート33.8部、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレート66.2部、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5部およびn−オクチルメルカプタン2
部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、メチルエ
チルケトン80部とアゾビスイソブチロニトリル0.2
部の混合物を加え、重合させた。4時間後、メチルエチ
ルケトン50部、ハイドロキノンモノメチルエーテル
0.5部、トリフェニルホスフィン2.5部およびアク
リル酸24部を加え、空気を吹き込みながら80℃で3
0時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラス
コより取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有す
るアクリル樹脂IIIの溶液を得た。
【0056】アクリル樹脂IIIにおける単量体の重合
率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40
質量%、数平均分子量は約1.5万、ガラス転移温度は
約54℃であった。 合成例4 (成分(a−1)としてのアクリル樹脂IVの
合成) 窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備え
た1Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート100
部、メチルエチルケトン60部およびアゾビスイソブチ
ロニトリル0.3部を入れ、撹拌しながら湯浴の温度を
75℃に上げ、その温度で2時間重合させた。次いで、
アゾビスイソブチロニトリル0.7部を1時間おきに5
回に分けて添加した後、フラスコ内温を溶剤の沸点まで
上昇させてその温度でさらに2時間重合させた。その
後、フラスコ内温度が50℃以下になってから、メチル
エチルケトン90部を添加して重合反応物をフラスコよ
り取り出し、アクリル樹脂IVの溶液を得た。
【0057】アクリル樹脂IVにおける単量体の重合率
は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質
量%、数平均分子量は約3万、ガラス転移温度は約73
℃であった。 コロイダルシリカの表面処理例(表面処理コロイダルシ
リカSの調製)
【0058】
【表1】 注)表中のモル部は固形分換算である。 1)KBM503:γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業製)、分子量=24
8 攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコ
に、上記表1に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の
温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させ、表面
がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカSを得
た。
【0059】実施例1〜3および比較例1、2 合成したアクリル樹脂I〜IVおよび表1の化合物を用
いて、表2の組成を有する光硬化性樹脂溶液を調製し
た。なお、比較例1は成分(a−1)以外の架橋性化合
物を含む例であり、比較例2はコロイダルシリカ(a−
3)を含まない例である。
【0060】
【表2】 注)数値は固形分換算の重量部である。 1)トリメチロールプロパントリアクリレート 2)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3)トリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート 得られたこれらの組成物溶液をそれぞれプロペラ型ミキ
サーで撹拌し、基材シートとして架橋ゴム成分を含む、
厚さ125μmの透明軟質アクリルシート上に塗工幅3
50mmに塗布し、次いで熱風乾燥機を用いて乾燥さ
せ、厚さ8μmの光硬化性樹脂層を形成した。続いて、
幅300mmにスリットして20mの長さにABS製コ
アにロール状に巻き取った。なお、透明軟質アクリルシ
ートのみの破断伸度をテンシロンにより測定すると、1
00℃加熱時の破断伸度は260%であった。
【0061】室温にて約2週間ロール状態で保存した
後、巻きだしながら表面の粘着性を評価した。結果を表
3に示す。これらの光硬化性インサート成形用シート
を、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うよう
に金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター温度350℃
で10秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行い
ながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従
させた。なお、この金型の形状は、切頭角錐形状で、切
頭面のサイズは100mm×100mmで、底面のサイ
ズは108mm×117mm、深さは10mmであり、
切頭面の端部の曲率半径がそれぞれ3、5、7、10m
mであった。その際の金型追従性を目視で評価したとこ
ろ、各端部とも良好に追従していた。
【0062】次に、成形温度280〜300℃、金型温
度40〜60℃の条件において、ポリカーボネート樹脂
を成形樹脂として用いてインサート成形を行い、光硬化
性インサート成形用シートが成形品表面に密着したイン
サート成形品を得た。この際の成形用金型の汚れを目視
で評価した。結果を表3に示す。次いで、紫外線照射装
置を用いて、約700mJ/cm2 の紫外線を照射して
光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面物性を評価した。
結果を表3に示す。
【0063】シート物性評価方法 耐酸性:47質量%硫酸水溶液を40℃で3時間スポッ
ト試験した後の外観を目視評価した。 ○:良好 △:薄く跡有り ×:著しい跡有り 耐温水性:80℃の温水中に24時間浸漬後のシート状
態を目視評価した。
【0064】 ○:良好 △:薄く白化有り ×:著しい白化有り 透明性:ASTM D1003に準じて、ヘイズメータ
ーを用いて全光線透過率およびヘイズを測定した。
【0065】耐磨耗性:テーバー磨耗試験(片側500
g荷重、CS−10F磨耗輪を用い、回転速度60rp
m、試験回数500回で試験を実施)後の曇価をヘイズ
メーターで測定した。そして(試験後の曇価)−(試験
前の曇価)で表される数値を耐磨耗性(%)として示し
た。
【0066】耐候性:サンシャインウエザーメーター
(スガ試験機製)を用い、乾燥48分、雨12分のサイ
クルで1500時間曝露試験したときの外観を目視評価
した。 ○:良好 ×:白化またはクラック有り
【0067】
【表3】 1)○:粘着性無し、△:粘着性有り、×:粘着性大、
巻きだし不可 2)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大 3)本発明の光硬化性樹脂層を有していない軟質アクリ
ルフィルムのみをインサート成形した成形品の耐磨耗性
は50%であった。
【0068】実施例1〜3で調製した組成物溶液をそれ
ぞれプロペラ型ミキサーで撹拌し、基材シートとして架
橋ゴム成分を含む、厚さ200μm の透明軟質アクリル
シート上に塗工幅350mmに塗布し、次いで熱風乾燥
機を用いて乾燥させ、厚さ20μm の光硬化性樹脂層を
形成した。続いて、幅300mmにスリットして20m
の長さにABS製コアにロール状に巻き取った。なお、
透明軟質アクリルシートのみの破断伸度をテンシロンに
より測定すると、100℃加熱時の破断伸度は400%
であった。
【0069】次いで、黒、茶、黄の各色の顔料からなる
インキを用い、透明軟質アクリルシート面に絵柄をグラ
ビア印刷法によって印刷した後、光硬化性インサート成
形用シートを得た。このシートは粘着性がないので、印
刷適性は良好であった。シートの厚みは223μmであ
った。これらの光硬化性インサート成形用シートを、光
硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型
内に配置し、次いで赤外線ヒーター温度300℃で15
秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら
真空吸引することにより金型形状にシートを追従させ
た。
【0070】次に、成形温度220〜250℃、金型温
度40〜60℃の条件において、アクリロニトリル/ブ
タジエン/スチレン共重合体樹脂を成形樹脂として用い
てインサート成形を行い、光硬化性インサート成形用シ
ートが成形品表面に密着したインサート成形品を得た。
次いで、紫外線照射装置を用いて、約700mJ/cm
2 の紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、
表面硬度が高く、光沢に優れ、印刷絵柄を有して意匠性
に優れる成形品を得た。
【0071】表3に示すとおり、比較例においては、シ
ート表面に粘着性が有り、ロール状態での保存安定性の
不良、印刷適性の不良を引き起こす。一方、実施例にお
いては、何れのフィルムも粘着性が無く、保存安定性、
印刷適性が良好であり、インサート成形性に優れてお
り、また硬化後の物性、特に耐磨耗性が良好である。 実施例4 実施例1で調製した組成物溶液をプロペラ型ミキサーで
撹拌し、基材シートとして架橋ゴム成分を含む、厚さ2
00μmの透明軟質アクリルシート上に塗工幅350m
mに塗布し、次いで熱風乾燥機を用いて乾燥させ、厚さ
20μmの光硬化性樹脂層を形成した。続いて、幅30
0mmにスリットして20mの長さにABS製コアにロ
ール状に巻き取った。なお、透明軟質アクリルシートの
みの破断伸度をテンシロンにより測定すると、100℃
加熱時の破断伸度は400%であった。
【0072】次いで、黒、茶、黄の各色の顔料からなる
インキを用い、透明軟質アクリルシート面に絵柄をグラ
ビア印刷法によって印刷した。このシートは粘着性がな
いので、印刷適性は良好であった。さらに、塩素化ポリ
プロピレン樹脂(塩素化度15%)からなる接着層を、
印刷面にグラビア印刷法によって形成させた後、光硬化
性インサート成形用シートを得た。シートの厚みは25
5μmであった。
【0073】この光硬化性インサート成形用シートを、
光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金
型内に配置し、次いで赤外線ヒーター温度300℃で1
5秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いなが
ら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させ
た。次に、成形温度200〜240℃、金型温度30〜
60℃の条件において、ポリプロピレン系樹脂(タルク
を20重量%含有し、エチレン−プロピレン系ゴムを1
0重量%含有する)を成形樹脂として用いてインサート
成形を行い、光硬化性インサート成形用シートが成形品
表面に密着したインサート成形品を得た。
【0074】次いで、紫外線照射装置を用いて、約70
0mJ/cm2 の紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物
を硬化させ、表面硬度や耐磨耗性が高く、光沢に優れ、
印刷絵柄を有して意匠性に優れる成形品を得た。
【0075】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
色もしくはデザインの印刷が可能な非粘着性の光硬化性
の印刷シートが容易に得られ、それを用いて射出成形時
に同時成形することにより、樹脂成形品の上に、色もし
くはデザイン等の意匠をもち、良好な外観、耐磨耗性、
耐候性および耐薬品性を有する表面が形成でき、インス
トルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバ
ー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワー
ウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッ
シュボード等の自動車内装材用途、ウェザーストリッ
プ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、
ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラ
ットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ド
アミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドア
モール、ウインドモール等、窓、ヘッドランプカバー、
テールランプカバー、風防部品等の自動車外装材用途、
AV機器や家電製品のフロントパネル、ボタン、エンブ
レム、表面化粧材等の用途、携帯電話等のハウジング、
表示窓、ボタン等の用途、さらには家具用外装材用途、
壁面、天井、床等の建築用内装材用途、サイディング等
の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用
途、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧
材用途、各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグ
ル、窓ガラス等の光学部材用途、あるいは電車、航空
機、船舶等の自動車以外の各種乗物の内外装材用途、
瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器および材
料、景品や小物等の雑貨等のその他各種用途等に好適に
使用することができる。また、透明樹脂の上においては
その透明性を活かしたまま良好な耐磨耗性、耐候性およ
び耐薬品性を有する表面が形成でき、自動車や鉄道車
両、飛行機等の窓やヘッドランプカバー、風防部品等に
好適に使用することができる。また、成形品の表面を塗
装する場合に比べて工程数を省略することができて生産
性もよく、環境に対する影響も少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 33/00 C08L 33/00 // B29K 33:00 B29K 33:00 B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 末村 賢二 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 渡辺 博之 富山県富山市海岸通3番地 三菱レイヨン 株式会社富山事業所内 Fターム(参考) 4F100 AA01B AA20B AK25B AL05B AR00D AR00E AT00A BA02 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E CA30B DE01B EH66D HB00 HB31C JB01 JB14B JK09 JL11E 4F206 AA21 AD05 AD09 AD20 AD32 AF16 AG03 JA07 JB12 JB19 JW34 4J002 BF001 BG011 BG071 BG131 CD191 CK021 DE096 DE126 DE136 DE146 DJ016 FD016 4J011 PA07 PA13 PB06 PB22 PC02 QB02 QB03 QB14 QB19 QB23 QB24 SA04 SA06 SA14 SA61 SA84 UA01 WA07 4J027 AA01 AA02 AB10 AE07 AG27 AG33 CA11 CA18 CA20 CA36 CB10 CC05 CD01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する
    アクリル樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)およ
    び無機微粒子(a−3)を含み、前記(a−1)以外の
    架橋性化合物を実質的に含まない光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機微粒子(a−3)がコロイダルシリ
    カである、請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 基材シート(B)と、およびその上に積
    層された、請求項1または2に記載した光硬化性樹脂組
    成物(A)の層を含む光硬化性シート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した光硬化性シートの基
    材シート側に施された印刷層および/または蒸着層を含
    む光硬化性加飾シート。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載した光硬化性シートの基
    材シート側に形成された、印刷層および/または蒸着
    層、および接着層を含む光硬化性インサート成形用シー
    ト。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載した光硬化性シートの基
    材シート側に形成された、印刷層および/または蒸着
    層、接着層およびプライマーシートを含む光硬化性イン
    サート成形用シート。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載した光硬
    化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサ
    ート成形用シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内
    壁面に向かい合うように挿入配置する工程(1)、金型
    を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させ
    ることにより光硬化性シート、光硬化性加飾シートまた
    は光硬化性インサート成形用シートが表面に配置された
    樹脂成形品を形成する工程(3)、および光照射するこ
    とにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させ
    る工程(4)を含むインサート成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3〜6のいずれかに記載した光硬
    化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサ
    ート成形用シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内
    壁面に向かい合うように挿入配置する工程(1)、光硬
    化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサ
    ート成形用シートを予備成形してシートを金型形状に追
    従させる工程(2)、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内
    に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シー
    ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
    用シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程
    (3)、および光照射することにより成形品表面の光硬
    化性樹脂組成物を光硬化させる工程(4)を含むインサ
    ート成形品の製造方法。
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