JP5339320B2 - 硬化性組成物及び反射防止膜 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性組成物及びそれからなる硬化膜に関する。より詳細には、優れた耐擦傷性が求められるハードコート膜を形成するのに有用な硬化性組成物に関する。
液晶表示パネル、冷陰極線管パネル、プラズマディスプレー等の各種表示パネルにおいて、外光の映りを防止し、画質を向上させるために、低屈折率性、耐擦傷性、塗工性、及び耐久性に優れた硬化物からなる低屈折率層を含む反射防止膜が求められている。
これら表示パネルにおいては、付着した指紋、埃等を除去するため表面を、エタノール等を含侵したガーゼで拭くことが多く、耐擦傷性が求められている。
特に、液晶表示パネルにおいては、反射防止膜は、偏光板と貼り合わせた状態で液晶ユニット上に設けられている。また、基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等が用いられているが、このような基材を用いた反射防止膜では、偏光板と貼り合わせる際の密着性を増すために、通常、アルカリ水溶液でケン化を行う必要がある。
従って、液晶表示パネルの用途においては、耐久性において、特に、耐アルカリ性に優れた反射防止膜が求められている。
反射防止膜の低屈折率層用材料として、例えば、水酸基含有含フッ素重合体を含むフッ素樹脂系塗料が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
しかし、このようなフッ素樹脂系塗料では、塗膜を硬化させるために、水酸基含有含フッ素重合体と、メラミン樹脂等の硬化剤とを、酸触媒下、加熱して架橋させる必要があり、加熱条件によっては、硬化時間が過度に長くなったり、使用できる基材の種類が限定されてしまうという問題があった。
また、得られた塗膜についても、耐候性には優れているものの、耐擦傷性や耐久性に乏しいという問題があった。
そこで、上記の問題点を解決するため、少なくとも1個のイソシアネート基と少なくとも1個の付加重合性不飽和基とを有するイソシアネート基含有不飽和化合物と水酸基含有含フッ素重合体とを、イソシアネート基の数/水酸基の数の比が0.01〜1.0の割合で反応させて得られる不飽和基含有含フッ素ビニル重合体を含む塗料用組成物が提案されている(例えば、特許文献4)。
特開昭57−34107号公報 特開昭59−189108号公報 特開昭60−67518号公報 特開昭61−296073号公報
また、ハードコート材は耐擦傷性に優れるが反射率が高いという問題点を有している。この問題を解決するために、反射防止層を有するハードコート材(反射防止膜)が用いられる。しかしながら、このような構成により反射率を抑えることはできるが、ハードコート層と反射防止層(1〜3層)の多層塗工をする必要があり、コスト・生産性に劣る。さらに、反射防止層とハードコート層との界面剥離が起こりやすく、耐擦傷性が低いという問題がある。
そこで、本発明は、反射率が低く、かつ、耐擦傷性、塗工性及び耐久性に優れた硬化膜を与える硬化性組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、中空粒子、多官能(メタ)アクリレート化合物及び特定の有機溶剤を含有する硬化性組成物の一の塗膜から、中空粒子成分が高密度に存在する層と、中空粒子成分が実質的に存在しない層との二層を形成することができ、ハードコートに求められる優れた耐擦傷性と、反射防止特性の両方を満足する硬化膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の硬化性組成物、硬化膜及び積層体が提供される。
1.下記成分(A)、(B)及び(C):
(A)中空粒子、
(B)2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
(C)メチルエチルケトン
を含有し、該成分(A)の配合量が、該成分(B)100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲内であり、該(C)成分の配合量が、固形分100重量部に対して、100〜600重量部の範囲である硬化性組成物。
2.前記成分(A)が、シリカを主成分とする粒子である上記1に記載の硬化性組成物。
3.前記成分(A)が、重合性不飽和基を有する化合物によって表面処理されている上記1又は2に記載の硬化性組成物。
4.前記成分(A)の数平均粒径が1〜100nmである上記1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
5.前記成分(A)の屈折率が1.35以下である上記1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
6.さらに、(D)活性エネルギー線を照射することによって活性種を発生する化合物を含有する上記1〜5いずれかに記載の硬化性組成物。
7.上記1〜6いずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化膜。
8.前記成分(A)が高密度に存在する層と、前記成分(A)が実質的に存在しない層からなる二層構造を有する上記7に記載の硬化膜。
9.少なくとも基材と、上記7又は8に記載の硬化膜とを含む積層体。
10.前記基材が、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)からなる上記9に記載の積層体。
本発明の硬化性組成物は優れた塗工性を有し、一の塗膜からハードコート層として機能する層と、反射防止膜として機能する層との2層を形成することができる。
本発明によれば、反射率が低く、かつ、優れた耐擦傷性及び耐久性を有する硬化膜並びにそれを含む積層体が得られる。
本発明の硬化性組成物、硬化膜及び積層体の実施形態について以下説明する。
まず、本発明の最大の特徴である本発明の硬化性組成物(以下、本発明の組成物という)を硬化させて得られる硬化膜(以下、本発明の硬化膜という)の二層構造について説明する。
本発明の組成物を基材上に塗布し硬化させた硬化膜は、後述する成分(A)中空粒子が高密度に存在する層と、成分(A)が実質的に存在しない層との二層構造を有する。中空粒子は、基材から遠い側、即ち、空気界面側に偏在し、成分(A)が高密度に存在する層となる。基材に近い側に形成される成分(A)が実質的に存在しない層は、主として成分(B)2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が重合した重合体からなる。ここで、「成分(A)が実質的に存在しない」とは、成分(A)が全く存在しないか、又は反射防止機能を損なわない範囲内で低密度に存在していてもよいことを意味する。
図1に本発明の硬化膜を含む積層体(以下、本発明の積層体という)の構造を示す模式図を示す。本発明の積層体1は、基材2上に本発明の組成物を塗布し硬化させると、中空粒子(成分(A))3が実質的に存在しない層5及び中空粒子3が高密度に存在する層4とをこの順に有する。
屈折率の低い中空粒子3が最外層に存在することにより、反射防止機能を発現することができると同時に、耐擦傷性を高めることができる。従来の反射防止膜では、ハードコート層と反射防止層(低屈折率層)を別々に形成する必要があり、ハードコート層と反射防止層との間で剥離が生じやすかった。これに対し、本発明の硬化膜では、ハードコート層と反射防止層(低屈折率層)との界面は実質的に化学的に結合(架橋)されているため、反射防止層の剥離が起こらず、優れた耐擦傷性発現することができる。
1.硬化性組成物
本発明の硬化性組成物(以下、本発明の組成物という)は、下記成分(A)〜(F)を含み得る。これらの成分のうち、(A)〜(C)は必須成分であり、(D)〜(F)は適宜含むことのできる任意成分である。
(A)中空粒子
(B)2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
(C)メチルエチルケトン
(D)活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物
(E)有機溶剤
(F)添加剤
本発明の組成物によれば、(A)中空粒子が硬化塗膜の最表面に偏在化することにより、(A)中空粒子が高密度に存在する層(反射防止層又は低屈折率層ということがある)と(A)中空粒子が実質的に存在しない層(ハードコート層又は中屈折率層ということがある)の二層構造を一括形成し、ハードコートとしての高い耐擦傷性と反射防止膜の低反射率を発現する硬化塗膜が得られる。一度の塗工で反射防止機能を有する塗膜を形成することができ、プロセスメリットに非常に優れている。
以下、上記各成分について以下説明する。
(A)中空粒子
前述したように、本発明の組成物を硬化させて得られる二層構造を有する硬化膜において、中空粒子は、基材から遠い側、即ち、空気界面側に偏在し、反射防止層(低屈折率層)を形成する。中空粒子の空気界面側への偏在により、得られる硬化膜の耐擦傷性及び低反射率を発現させることができる。中空粒子は、その内部に空間を有するため、中実粒子と比べて屈折率が低いため、反射防止特性に優れている。
中空粒子としては、シリカを主成分とする粒子(以下、シリカ粒子という)が好ましい。屈折率が低いシリカ粒子を用いることにより、得られる硬化膜の反射率をさらに低くすることができる。
透過型電子顕微鏡により測定した中空粒子の数平均粒径は、1〜100nmであることが好ましく、5〜60nmであることがより好ましい。
中空粒子の形状は、球状に限らず、不定形の粒子であってもよい。
シリカ粒子としては、固形分が5〜40重量%のコロイダルシリカが好ましい。
分散媒としては、水あるいは有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独で、又は2種以上混合して分散媒として使用することができる。
シリカを主成分とする中空粒子の市販品としては、例えば、触媒化成工業(株)製のJX1008SIV(透過型電子顕微鏡で求めた数平均粒子径50nm、固形分20重量%、イソプロピルアルコール溶媒)、JX1009SIV(透過型電子顕微鏡で求めた数平均粒子径50nm、固形分20重量%、メチルイソブチルケトン溶媒)等を挙げることができる。
また、シリカ表面に化学修飾等の表面処理を行ったものを使用することができ、例えば分子中に1以上のアルキル基を有する加水分解性ケイ素化合物又はその加水分解物を含有するもの等を反応させることができる。このような加水分解性ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、1,1,1―トリメトキシ−2,2,2−トリメチル−ジシラン、ヘキサメチル−1,3−ジシロキサン、1,1,1―トリメトキシ−3,3,3−トリメチル−1,3−ジシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−ジメチルメトキシシリル−ポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−トリメトキシシリル−ポリジメチルシロキサンヘキサメチル−1,3−ジシラザン等を挙げることができる。また、分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物を使用することもできる。分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物は、例えば反応性基としてNH基を有するものとして、尿素プロピルトリメトキシシラン、N―(2−アミノエチル)―3―アミノプロピルトリメトキシシラン等、OH基を有するものとして、ビス(2−ヒドロキシエチル)―3アミノトリプロピルメトキシシラン等、イソシアネート基を有するものとして3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等、チオシアネート基を有するものとして3−チオシアネートプロピルトリメトキシシラン等、エポキシ基を有するものとして(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等、チオール基を有するものとして、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ましい化合物として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
シリカ粒子は、重合性不飽和基を含む有機化合物(以下、「特定有機化合物」ということがある。)によって表面処理がなされたものであることが好ましい。かかる表面処理により、本発明の組成物を硬化せしめた硬化物の耐擦傷性がアルカリ性水溶液に浸漬後も劣化しにくくなる。
(2)特定有機化合物
本発明に用いられる特定有機化合物は、分子内に重合性不飽和基含む重合性の化合物である。この化合物は、分子内に、さらに下記式(11)に示す基を含む化合物であること及び分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
[式(11)中、XはNH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、YはO又はSを示す。]
(i)重合性不飽和基
特定有機化合物に含まれる重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
(ii)式(11)に示す基
特定有機化合物は、分子内に前記式(11)に示す基をさらに含むものであることが好ましい。前記式(11)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1とを併用することが好ましい。
前記式(11)に示す基[−X−C(=Y)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
(iii)シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基
特定有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合物(以下、「シラノール基含有化合物」ということがある)又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物(以下、「シラノール基生成化合物」ということがある)であることが好ましい。このようなシラノール基生成化合物としては、ケイ素原子上にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等を有する化合物を挙げることができるが、ケイ素原子上にアルコキシ基又はアリールオキシ基を含む化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
シラノール基又はシラノール基生成化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子と結合する構成単位である。
(iv)好ましい態様
特定有機化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記式(12)に示す化合物を挙げることができる。
19、R20は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基であり、aは1、2又は3の数を示す。
19、R20の例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。
[(R19O)a20 3−aSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
21は炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。そのような有機基としては例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。これらのうち好ましい例は、メチレン、プロピレン、シクロヘキシレン、フェニレン等である。
また、R22は2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記式(11)に示す基を含むこともできる。
23は(b+1)価の有機基であり、好ましくは鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。例えば、アクリロイル(オキシ)基、メタアクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、アクリルアミド基、メタアクリルアミド基等を挙げることができる。これらの中でアクリロイル(オキシ)基及びメタアクリロイル(オキシ)基が好ましい。また、bは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
本発明で用いられる特定有機化合物の合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。即ち、(イ)メルカプトアルコキシシランと、ポリイソシアネート化合物と、活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加反応により行うことができる。また、(ロ)分子中にアルコキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物と、活性水素含有重合性不飽和化合物との直接的反応により行うことができる。さらに、(ハ)分子中に重合性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物と、メルカプトアルコキシシラン又はアミノシランとの付加反応により直接合成することもできる。
前記式(12)に示す化合物を合成するためには、これらの方法のうち(イ)が好適に用いられる。より詳細には、例えば、
(a)法;まずメルカプトアルコキシシランとポリイソシアネート化合物とを反応させることで、分子中にアルコキシシリル基、[−S−C(=O)−NH−]基及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、次に中間体中に残存するイソシアネートに対して活性水素含有重合性不飽和化合物を反応させて、この不飽和化合物を[−O−C(=O)−NH−]基を介して結合させる方法、
(b)法;まずポリイソシアネート化合物と活性水素含有重合性不飽和化合物とを反応させることで分子中に重合性不飽和基、[−O−C(=O)−NH−]基、及びイソシアネート基を含む中間体を形成し、これにメルカプトアルコキシシランを反応させてこのメルカプトアルコキシシランを[−S−C(=O)−NH−]基を介して結合させる方法、
等を挙げることができる。さらに両者の中では、マイケル付加反応による重合性不飽和基の減少がない点で(a)法が好ましい。
前記式(12)に示す化合物の合成において、イソシアネート基との反応により[−S−C(=O)−NH−]基を形成することができるアルコキシシランの例としては、アルコキシシリル基とメルカプト基を分子中にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。このようなメルカプトアルコキシシランとしては、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、メルカプトプロピルトリフェノキシシシラン、メルカプトプロピルトリブトキシシシラン等を挙げることができる。これらの中では、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。また、アミノ置換アルコキシシランとエポキシ基置換メルカプタンとの付加生成物、エポキシシランとα,ω−ジメルカプト化合物との付加生成物を利用することもできる。
特定有機化合物を合成する際に用いられるポリイソシアネート化合物としては鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネート化合物の中から選ぶことができる。
このようなポリイソシアネート化合物の例としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げることができる。これらの中で、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、等が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
特定有機化合物の合成において、前記ポリイソシアネート化合物と付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を介し結合できる活性水素含有重合性不飽和化合物の例としては、分子内にイソシアネート基との付加反応により[−O−C(=O)−NH−]基を形成できる活性水素原子を1個以上有しかつ重合性不飽和基を1個以上含む化合物を挙げることができる。
これらの活性水素含有重合性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を用いることができる。これらの化合物の中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
これらの化合物は1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
(3)特定有機化合物によるシリカ粒子(以下、粒子ともいう。)の表面処理方法
特定有機化合物による粒子の表面処理方法としては特に制限はないが、特定有機化合物と粒子とを混合し、加熱、攪拌処理することにより製造することも可能である。尚、特定有機化合物が有するシラノール基生成部位と、粒子とを効率よく結合させるため、反応は水の存在下で行われることが好ましい。ただし、特定有機化合物がシラノール基を有している場合、水はなくてもよい。従って、粒子及び特定有機化合物を少なくとも混合する操作を含む方法により表面処理できる。
粒子と特定有機化合物の反応量は、粒子及び特定有機化合物の合計を100重量%として、好ましくは0.01重量%以上であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上である。0.01重量%未満であると、組成物中における粒子の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性が十分でなくなる場合がある。
以下、特定有機化合物として、前記式(12)に示すアルコキシシリル基含有化合物(アルコキシシラン化合物)を例にとり、表面処理方法をさらに詳細に説明する。
表面処理時においてアルコキシシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水分解される量であればよい。好ましくは加水分解の際に添加、又は存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキシ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好ましくは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上3倍未満である。完全に水分の存在しない条件下でアルコキシシラン化合物と粒子とを混合して得られる生成物は、粒子表面にアルコキシシラン化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成分から構成される粒子を含有する組成物の硬化物においては、高硬度及び耐擦傷性の発現の効果は低い。
表面処理時においては、前記アルコキシシラン化合物を別途加水分解操作に付した後、これと粉体粒子又は粒子の溶剤分散ゾルを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法;前記アルコキシシラン化合物の加水分解を粒子の存在下で行う方法;又は、他の成分、例えば、重合開始剤等の存在下、粒子の表面処理を行う方法等を選ぶことができる。この中では、前記アルコキシシラン化合物の加水分解を粒子の存在下で行う方法が好ましい。表面処理時、その温度は、好ましくは0℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは20℃以上100℃以下である。また、処理時間は通常5分から24時間の範囲である。
表面処理時において、粉体状の粉体を用いる場合、前記アルコキシシラン化合物との反応を円滑にかつ均一に行わせることを目的として、有機溶剤を添加してもよい。そのような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
これらの溶剤の添加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合う限り特に制限はない。
粒子として溶剤分散ゾルを用いる場合、溶剤分散ゾルと、特定有機化合物とを少なくとも混合することにより製造することができる。ここで、反応初期の均一性を確保し、反応を円滑に進行させる目的で、水と均一に相溶する有機溶剤を添加してもよい。
また、表面処理時において、反応を促進するため、触媒として酸、塩又は塩基を添加してもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルフォン酸、トルエンスルフォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸を、塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩を、また、塩基としては、例えば、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を挙げることができる。
これらの中で好ましい例は、酸としては、有機酸、不飽和有機酸、塩基としては3級アミン又は4級アンモニウムヒドロキシドである。これらの酸、塩又は塩基の添加量は、アルコキシシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.001重量部から1.0重量部、さらに好ましくは0.01重量部から0.1重量部である。
また、反応を促進するため、脱水剤を添加することも好ましい。
脱水剤としては、ゼオライト、無水シリカ、無水アルミナ等の無機化合物や、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、テトラエトキシメタン、テトラブトキシメタン等の有機化合物を用いることができる。中でも、有機化合物が好ましく、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル等のオルトエステル類がさらに好ましい。
尚、粒子に結合したアルコキシシラン化合物の量は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少%の恒量値として、空気中で110℃から800℃までの熱重量分析により求めることができる。
成分(A)の添加量については、特に制限されるものではないが、有機溶剤を除く組成物全量を100重量%として、通常0.1〜5重量%である。この理由は、添加量が0.1重量%未満又は添加量が5重量%を超えると、中空粒子が偏在化する層が十分な反射防止膜能を発現するための光学薄膜の膜厚が得られない場合があるためである。尚、粒子の量は、固形分を意味し、粒子が溶剤分散ゾルの形態で用いられるときは、その配合量には溶剤の量を含まない。
また、このような理由から、成分(A)の添加量を0.5〜3重量%とするのがより好ましく、0.8〜2重量%の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
尚、本発明の組成物中における成分(A)の配合量は、後述する成分(B)100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲内とする必要があり、0.5〜3重量部が好ましく、0.8〜2重量部がより好ましい。成分(A)の配合量が上記範囲より少ないと、反射防止性を発現する成分(A)が高密度に存在する層(低屈折率層)を形成できない場合があり、上記範囲を超えて多いと、反射防止性を発現する成分(A)が高密度に存在する層(低屈折率層)の厚さが大きくなり、反射率低減効果が発現しない場合がある。
(B)2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物(以下、多官能(メタ)アクリレートともいう)は、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の耐擦傷性を高めるために用いられ、本成分により、本発明の組成物はハードコートとしての基本的な性能(高硬度、透明性等)を発現する。成分(A)が実質的に存在しない層は、主として多官能(メタ)アクリレート化合物が重合した重合体からなる。成分(A)が高密度に存在する層においては、多官能(メタ)アクリレート化合物の重合体は、成分A)の粒子間に存在する。また、成分(A)が重合性不飽和基を有する場合には、これらの基と多官能(メタ)アクリレート化合物が反応して互いに架橋し、より強固に結合することができる。
多官能(メタ)アクリレート化合物については、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であれば特に制限されるものではない。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリルエステル類が好ましく、(メタ)アクリルエステル類の中では、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が200以下の2又は3官能性(メタ)アクリルエステル類が好ましい。1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が200を超えると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。以下、具体例を列挙する。(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に1以上3以下の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びこれらへのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物等、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
また、分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルエステル類も好ましく、1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が150以下の分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルエステル類がさらに好ましい。1つの(メタ)アクリロイル基当たりの分子量が150を超えると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがある。このような化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート類等、並びに分子内に4以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。これらのうち、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が好ましい。このような化合物(B)の市販品としては、例えば、東亜合成(株)製 商品名:アロニックスM−400、M−408、M−450、日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、共栄社化学(株)製 商品名:ライトアクリレートPE−4A、DPE−6A、DTMP−4A等を挙げることができる。
成分(B)の添加量は、有機溶剤を除く組成物全量を100重量%として、通常80重量%以上である。この理由は、添加量が80重量%未満となると、十分な硬度が得られない場合があるためである。
また、このような理由から、成分(B)の添加量を85重量%以上とするのが好ましく、90重量%以上とするのがさらに好ましい。
(D)活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物
活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物は、本発明の組成物を硬化させるために用いられる。
活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物(以下「光重合開始剤」という。)としては、活性種として、ラジカルを発生する光ラジカル発生剤等が挙げられる。
尚、活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の光エネルギー線が挙げられる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が速く、しかも照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
光重合開始剤の中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類の両方又はそのいずれかを含む光重合開始剤を用いることが好ましい。1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。一方、N−モルフォリノ基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、表面硬度の高い硬化物を短時間で形成することができる。両者を併用した場合、表面硬度が高く着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルイソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルドデシルフェニルケトン等を挙げることができる。また、本発明に用いられるN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−メチル−1−[4−(メトキシ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−メチル−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−メチル−1−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−メチル−1−[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロピオニル)−9−N−オクチルカルバゾール等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いてもよいが、硬化物としたときに、その表面部分及び内部の両方の硬化速度及び硬度を向上させるためには、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類とを組合わせて用いることが好ましい。このような光重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア184、907等を挙げることができる。
本発明において必要に応じて用いられる光重合開始剤の配合量は、組成物((A)、(B)及び(C)の合計)を100重量部として、0.01〜20重量部配合することが好ましく、0.1〜10重量部が、さらに好ましい。0.01重量部未満であると、硬化物としたときの硬度が不十分となることがあり、20重量部を超えると、硬化物としたときに内部(下層)まで硬化しないことがある。
光重合開始剤の添加量は特に制限されるものではないが、有機溶剤以外の組成物全量に対して0.05〜20重量%とするのが好ましい。この理由は、添加量が0.05重量%未満となると、硬化物としたときの硬度が不十分となる場合があるためである。一方、光重合開始剤の添加量が20重量%を超えると、硬化物としたときに内部(下層)まで硬化しない場合がある。
また、このような理由から、光重合開始剤の添加量を、有機溶剤以外の組成物全量に対して0.1〜10重量%とすることがより好ましく、1〜5重量%とすることがさらに好ましい。
(E)有機溶剤
本発明の組成物には、二層構造の形成に悪影響を及ぼさない範囲で、前記成分(C)メチルエチルケトン以外の有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤を添加することにより、硬化膜をより均一に形成することができる。このような有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、t−ブタノール、イソプロパノール等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(F)添加剤
添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填材、有機系充填材、フィラー、濡れ性改良剤、塗面改良剤、熱により活性種を発生する化合物等を挙げることができる。
酸化防止剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等を挙げることができ、紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビンP、234、320、326、327、328、213、400、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ110、130、140、220、250、300、320、340、350、400等を挙げることができ、光安定剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビン292、144、622LD、三共化成工業(株)製 商品名:サノールLS−770、765、292、2626、1114、744等を挙げることができ、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができ、これらの市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH6062、SZ6030、信越シリコーン(株)製 商品名:KBE903、KBM803等を挙げることができ、老化防止剤の市販品としては、住友化学工業(株)製 商品名:アンチゲンW、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW等を挙げることができる。熱により活性種を発生する化合物(以下「熱重合開始剤」という。)としては、活性種として、ラジカルを発生する熱ラジカル発生剤等が挙げられ、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルパーアセテート、クミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。
次に、本発明の組成物の調製方法及び硬化条件を説明する。
本発明の組成物は、上記(A)中空粒子、上記成分(B)多官能(メタ)アクリレート化合物及び成分(C)メチルエチルケトン、又は必要に応じて上記成分(D)光重合開始剤、(E)有機溶剤、及び(F)添加剤をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて、調製することができる。ただし、加熱条件下で混合する場合には、熱重合開始剤の分解開始温度以下で行うことが好ましい。
本発明の組成物の硬化条件についても特に制限されるものではないが、前記本発明の組成物を種々の基材、例えばプラスチック基材にコーティングして硬化させることができる。具体的には、本発明の組成物をコーティングし、好ましくは0〜200℃で揮発成分を乾燥させた後、放射線又は/及び熱で硬化処理を行うことにより被覆成形体として得ることができる。熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。放射線による場合、紫外線又は電子線を用いることが好ましく、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cmであり、より好ましくは0.1〜2J/cmである。また、好ましい電子線の照射条件は、加圧電圧は10〜300KV、電子密度は0.02〜0.30mA/cmであり、電子線照射量は1〜10Mradである。
本発明の積層体は、基材上に、上記本発明の組成物を硬化させた硬化膜からなる中空粒子が実質的に存在しないハードコート層と中空粒子が高密度に存在する反射防止層(低屈折率層)からなる。
(1)反射防止層(低屈折率層)
反射防止層は、低屈折率層であり、本発明の組成物を硬化して得られる二層構造を有する硬化膜のうち、成分(A)中空粒子が高密度に存在する層から構成される。本発明の組成物の構成等については、上述の通りであるため、ここでの具体的な説明は省略するものとし、以下、反射防止層(低屈折率層)の屈折率及び厚さについて説明する。
反射防止層(低屈折率層)を構成する成分(A)中空粒子の屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)は、通常1.45以下である。成分(A)の屈折率が1.45を超えると、成分(A)が高密度に存在する層(反射防止層)の屈折率が十分に低くならず、反射防止効果が著しく低下する場合があるためである。
従って、成分(A)の屈折率を1.35以下とするのがより好ましい。ここで、屈折率とは、25℃における波長589nmの屈折率をいう。
また、反射防止層(低屈折率層)とハードコート層との間の屈折率差を0.05以上の値とするのが好ましい。この理由は、反射防止層(低屈折率層)とハードコート層(高屈折率層)との間の屈折率差が0.05未満の値となると、これらの反射防止膜層での相乗効果が得られず、却って反射防止効果が低下する場合があるためである。
従って、反射防止層(低屈折率層)と、ハードコート層との間の屈折率差を0.5以上の値とするのがより好ましく、さらに好ましくは0.1以上の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
反射防止層(低屈折率層)の厚さについては特に制限されるものではないが、例えば、50〜200nmであることが好ましい。この理由は、反射防止層(低屈折率層)の厚さが50nm未満となると、十分な反射防止効果が得られない場合があるためであり、一方、厚さが200nmを超えると、反射防止効果が低下する場合があるためである。
従って、反射防止層(低屈折率層)の厚さを50〜200nmとするのがより好ましく、60〜150nmとするのがさらに好ましく、80〜120nmとすることが特に好ましい。
(2)ハードコート層
本発明の積層体において、ハードコート層は、二層構造を有する本発明の硬化膜における成分(A)が実質的に存在しない層である。ハードコート層の構成材料については上述の通りであるため、ここでの具体的な説明は省略するものとし、以下、反射防止層(低屈折率層)の屈折率及び厚さについて説明する。
ハードコート層の厚さは特に制限されるものではないが、1〜50μmとするのが好ましく、1〜10μmとするのがより好ましい。この理由は、ハードコート層の厚さが1μm未満となると、基材に対する密着力を向上させることができない場合があるためであり、一方、厚さが50μmを超えると、均一に形成するのが困難となる場合があるためである。
(4)基材
本発明の積層体に用いる基材の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等からなる基材を挙げることができ、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)からなる基材が特に好ましい。これらの基材を含む積層体とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面表示部、あるいは液晶表示装置におけるカラーフィルター等の広範なハードコート及び/又は反射防止膜の利用分野において、優れた耐擦傷性及び反射防止効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
(製造例1)
特定有機化合物(S1)の合成
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズ
ジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで特定有機化合物(S1)を得た。
生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550cm−1の吸収ピーク及びイソシアネート基に特徴的な2260cm−1の吸収ピークが消失し、新たに、[−O−C(=O)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基中のカルボニルに特徴的な1660cm−1のピーク及びアクリロイル基に特徴的な1720cm−1のピークが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロイル基と[−S−C(=O)−NH−]基、[−O−C(=O)−NH−]基を共に有する特定有機化合物が生成していることを示した。
(製造例2)
アクリル変性中空シリカ粒子A−2の製造
製造例1で合成した特定有機化合物(S1)3.0部、中空シリカ粒子(JX1009SIV、メチルイソブチルケトンゾル、触媒化成工業製)137部(固形分30.1部)、イオン交換水0.1部、0.05mol/Lの希硫酸0.01部の混合液を、80℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を用いて粒子分散液A−2を得た。A−2の固形分含量を求めたところ、25重量%であった。
このシリカ系粒子の平均粒子径は、50nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
(製造例3)
メタアクリル変性中空シリカ粒子A−3の製造
中空シリカ粒子(JX1008SIV、イソプロピルアルコールゾル、触媒化成工業製)100部と10%アンモニア水10部、エタノール700部を室温で混合し、攪拌しながらγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:SZ6030)3部を加えた。その後、70℃で3時間反応させた。反応混合物を室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン700部を加え、エバポレーターを用いて固形分濃度25重量%になるまで濃縮し、粒子分散液A−3を得た。A−3をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレ−ト上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、25重量%であった。このシリカ系粒子の平均粒子径は、50nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
(実施例1)
(1)硬化性組成物の製造
紫外線を遮蔽した容器中において、中空シリカ粒子A−1(JX1009SIV、メチルイソブチルケトンゾル、触媒化成工業製)5重量部(固形分として1重量部)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート95重量部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン3重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量部、メチルエチルケトン296重量部を室温で2時間攪拌することで均一な溶液を得た。この溶液をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で30分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、25重量%であった。
(2)硬化膜サンプルの作製
前記(1)で得られた溶液(塗工液)をTACフィルム上にバーコーターを用いて全体の硬化膜厚が約3μmになるように塗布し、80℃で3分間乾燥後、高圧水銀灯600mJ/cm(空気下)で硬化させた。得られた硬化フィルムをダイヤモンドカッターを用いて切片を切り出し、透過型電子顕微鏡にて観察したところ硬化膜の最上層に中空シリカ粒子が高密度に分布していることを確認した(図2)。
(実施例2〜4及び比較例1〜4)
表1に示す成分を、表1に示す組成で配合した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を製造し、硬化膜サンプルを得た。
(試験例)
実施例及び比較例で得られた硬化性組成物及び硬化膜の特性を下記項目について評価した。結果を下記表1に示す。
(1)外観の評価
得られた硬化塗膜の外観を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:塗布ムラなし
×:全面に塗布ムラあり
(2)透過率
得られた硬化塗膜について、カラーヘーズメーターを用いて全光線透過率を測定した。
(3)反射防止膜の反射率
得られた硬化塗膜の裏面を黒色スプレーで塗装し、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、波長340〜700nmの範囲で反射率を基材側から測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における反射防止用積層体(反射防止膜)の反射率を測定し、そのうち波長550nmにおける光の反射率から、反射防止性を、以下の基準で評価した。
○:反射率が3.0%以下
×:反射率が3.0%超
(4)鉛筆硬度
得られた硬化塗膜をJIS K5600−5−4に準拠し、ガラス基板上に固定させて評価した。
(5)耐擦傷性(スチールウール耐性テスト)
得られた硬化塗膜を、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール(株)製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB-301、テスター産業(株)製)に取りつけ、硬化膜の表面を荷重500gの条件で10回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を、以下の基準により目視で確認した。評価基準は以下の通りである。
◎:硬化膜に傷が発生しない。
○:硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められないか、あるいは硬化膜にわずかな細い傷が認められる。
△:硬化膜全面に筋状の傷が認められる。
×:硬化膜の剥離が生じる。
(6)密着性
得られた硬化塗膜をJIS K5600−5−6に準拠し、碁盤目セロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率(%)で評価した。
表1中の成分は下記のものを示す。
中空シリカ粒子A−1:触媒化成工業製、商品名JX1009SIV、メチルイソブチルケトンゾル
中空シリカ粒子A−2:製造例2、アクリル変性
中空シリカ粒子A−3:製造例3、メタアクリル変性
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬製、商品名DPHA
Irg.184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製光重合開始剤
Irg.907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製光重合開始剤
表1の結果から、実施例の硬化性組成物を硬化させてなる硬化膜は耐擦傷性に優れるとともに、反射率が低く、反射防止性を有していることがわかる。これに対し、比較例の硬化性組成物を硬化させてなる硬化膜では、耐擦傷性には優れているものの、反射率に劣ることがわかる。
また、図2及び図3から、実施例1の硬化膜(図2)においては、中空粒子が空気界面側に偏在しているが、比較例3の硬化膜(図3)では、中空粒子が硬化膜全体に均一に分布していることがわかる。
本発明の硬化性組成物は、一の塗布工程により、ハードコート層と反射防止層を一括形成することができ、反射率が低く、かつ、耐擦傷性及び耐久性に優れた硬化膜を得ることができる。
本発明の硬化膜及びそれを含む積層体は、特にハードコートとして有用である。
本発明の硬化膜を含む積層体の構造を示す模式図である。 実施例1で得られた硬化膜サンプルの断面を示す電子顕微鏡写真である。 比較例3で得られた硬化膜サンプルの断面を示す電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 積層体
2 基材
5 中空粒子が実質的に存在しない層(ハードコート層)
4 中空粒子が高密度に存在する層(反射防止層又は低屈折率層)
3 中空粒子

Claims (8)

  1. トリアセチルセルロース樹脂(TAC)からなる基材に直接塗布し、硬化膜を形成するための硬化性組成物であって、
    下記成分(A)、(B)及び(C):
    (A)シリカを主成分とする中空粒子、
    (B)2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
    (C)メチルエチルケトン
    を含有し、該成分(A)の配合量が、該成分(B)100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲内であり、該(C)成分の配合量が、固形分100重量部に対して、100〜600重量部の範囲である硬化性組成物。
  2. 前記成分(A)が、重合性不飽和基を有する化合物によって表面処理されている請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記成分(A)の数平均粒径が1〜100nmである請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記成分(A)の屈折率が1.35以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. さらに、(D)活性エネルギー線を照射することによって活性種を発生する化合物を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化膜。
  7. 前記成分(A)が高密度に存在する層と、前記成分(A)が実質的に存在しない層からなる二層構造を有する請求項6に記載の硬化膜。
  8. 少なくとも基材と、請求項6又は7に記載の硬化膜とを含み、
    前記基材が、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)からなる積層体。
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