JP4872142B2 - 帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体 - Google Patents

帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体に関する。さらに詳しくは、保存安定性及び硬化性に優れ、かつ各種基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロ−ス樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、セラミックス、スレ−ト等]の表面に、帯電防止性、透明性、硬度、耐擦傷性及び密着性に優れるとともに高屈折率の塗膜(被膜)を形成し得る帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体に関する。本発明の帯電防止用硬化性組成物は、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のためのハードコ−ティング材;各種基材の接着剤、シ−リング材;印刷インクのバインダ−材等として好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、情報通信機器の性能確保と安全対策の面から、機器の表面に、放射線硬化性組成物を用いて、耐擦傷性、密着性を有する皮膜(ハードコート)や帯電防止機能を有する皮膜(帯電防止膜)を形成することが行われている。
また、光学物品に反射防止機能を付与するために、光学物品の表面に、低屈折率層と高屈折率層との多層構造(反射防止膜)を形成することが行われている。
近年、情報通信機器の発達と汎用化は目覚しいものがあり、ハードコート、帯電防止膜、反射防止膜等のさらなる性能向上及び生産性の向上が要請されるに至っている。
【0003】
特に、光学物品、例えば、プラスチックレンズにおいては、静電気による塵埃の付着の防止と反射による透過率の低下の改善が要求されており、また、表示パネルにおいても、静電気による塵埃の付着の防止と画面での映り込みの防止が要求されるようになってきている。
これらの要求に対して、生産性が高く、常温で硬化できることに注目し、放射線硬化性の材料が種々提案されている。
【0004】
例えば、特開昭47−34539号公報には、イオン伝導性の成分としてスルホン酸及びリン酸モノマーを含有する組成物、特開昭55−78070号公報には、連鎖状の金属粉を含有する組成物、特開昭60−60166号公報には、酸化錫粒子、多官能アクリレート、及びメチルメタクリレートとポリエーテルアクリレートとの共重合物を主成分とする組成物、特開平2−194071号公報には、導電性ポリマーで被覆した顔料を含有する導電塗料組成物、特開平4−172634号公報には、3官能アクリル酸エステル、単官能性エチレン性不飽和基含有化合物、光重合開始剤、及び導電性粉末を含有する光ディスク用材料がそれぞれ開示されている。また、特開平6−264009号公報には、シランカップラーで分散させたアンチモンドープされた酸化錫粒子とテトラアルコキシシランとの加水分解物、光増感剤、及び有機溶媒を含有する導電性塗料が開示されている。また、特願平10−316144号には、分子中に重合性不飽和基を含有するアルコキシシランと金属酸化物粒子との反応生成物、3官能性アクリル化合物、及び放射線重合開始剤を含有する液状硬化性樹脂組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術は、それぞれ一定の効果を発揮するものの、近年における、ハードコート、帯電防止膜、反射防止膜としての全ての機能を十全に具備することが要請される硬化膜としては必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
【0006】
すなわち、従来の技術には、下記のような問題があった。すなわち、特開昭47−34539号公報に記載された組成物は、イオン伝導性物質を用いているが、帯電防止性能が十分ではなく、乾燥により性能が変動する。特開昭55−78070号公報に記載された組成物は、粒径の大きい連鎖状の金属粉体を分散させるため透明性が低下する。特開昭60−60166号公報に記載された組成物は、非硬化性の分散剤を多量に含むため硬化膜の強度が低下する。特開平4−172634号公報に記載された材料は、高濃度の帯電性無機粒子を配合するため透明性が低下する。特開平6−264009号公報に記載された塗料は、長期保存安定性が十分ではない。特願平10−316144号には、帯電防止性能を有する組成物の製造方法について何らの開示がない。
【0007】
帯電防止性能及び屈折率を高めるために導電性粒子を高濃度に配合することは容易に想到し得るが、その場合、一般に、分散性が低下する現象を防止することが困難であった。その結果として、硬化膜のヘイズの増加により透明性が低下するとともに、紫外線透過性の低下により硬化性が低下したり、基材との密着性、塗布液のレベリング性が損なわれるという問題を避けることができなかった。
また、安定した塗膜性能を維持するためには、帯電防止用組成物としての長期保存安定性が求められており、これらの要求を満たすものは得られていないのが現状である。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたもので、保存安定性及び硬化性に優れ、かつ各種基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロ−ス樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、セラミックス、スレ−ト等]の表面に、帯電防止性、透明性、硬度、耐擦傷性、及び密着性に優れるとともに高屈折率の塗膜(被膜)を形成し得る帯電防止用硬化性組成物、硬化膜並びに帯電防止性反射防止積層体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、(a−1)特定の導電性金属酸化物粒子と(a−2)特定のアルコキシシラン化合物とを有機溶媒中で反応させて得られる反応液(A)を含有した組成物とすることにより、上記目的を達成することができることを知見し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体を提供するものである。
【0011】
[1](a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子50〜95重量%と、(a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物5〜50重量%とを有機溶媒中で反応させて得られる反応液(A)及び分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物(C)0〜10重量%(但し、組成物中の全固形分を100重量%とする)を含有する帯電防止用硬化性組成物
【0013】
]前記(a−1)導電性金属酸化物粒子が、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子である前記[1]に記載の帯電防止用硬化性組成物。
【0014】
]前記(a−1)導電性金属酸化物粒子が、その表面に酸化ケイ素を担持してなる前記[1]又は[2]に記載の帯電防止用硬化性組成物。
【0015】
]前記反応液(A)に加えて、さらに重合開始剤(B)を含有してなる前記[1]〜[3]のいずれかに記載の帯電防止用硬化性組成物。
【0016】
](a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子(組成物の全固形分に対し50〜95重量%)と、(a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物(組成物の全固形分に対し5〜50重量%)とを有機溶媒中で加水分解して反応液(A)を得ることを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の帯電防止用硬化性組成物の製造方法。
【0017】
]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の帯電防止用硬化性組成物を硬化してなる硬化膜。
【0020】
]前記[6]に記載の硬化膜を少なくとも一層有する帯電防止性反射防止積層体。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
I.帯電防止用硬化性組成物
本発明の帯電防止用硬化性組成物は、(a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子(以下、「導電性粒子(a−1)」ということがある)50〜95重量%と、(a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物(以下、「アルコキシシラン化合物(a−2)」ということがある)5〜50重量%とを有機溶媒中で反応させて得られる反応液(A))及び分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物(以下、「化合物(C)」ということがある)0〜10重量%(但し、組成物中の全固形分を100重量%とする)を含有することを特徴とする。以下、各成分ごとにさらに具体的に説明する。
【0022】
1.反応液(A)
本発明に用いられる反応液(A)は、前述のように、導電性粒子(a−1)とアルコキシシラン化合物(a−2)とを有機溶媒中で反応させて得られるものである。
【0023】
(1)導電性粒子(a−1)
本発明に用いられる導電性粒子(a−1)の粉体抵抗は、100Ω・cm以下、好ましくは、50Ω・cm以下である。100Ω・cmを超えると、硬化膜としたときの帯電防止性能が低下する。
【0024】
導電性粒子(a−1)の1次粒子径は、乾燥粉末をBET吸着法によって求めた値として0.1μm以下であり、好ましくは、0.01μm〜0.001μmである。0.1μmを超えると、組成物中で沈降が発生したり、塗膜の平滑性が低下する。
【0025】
導電性粒子(a−1)の配合量は、組成物中の全固形分に対し50〜95重量%とする必要があり、65〜95重量%が好ましい。50重量%未満であると、硬化膜としたときに、帯電防止性能が不十分となることがある。
【0026】
導電性粒子(a−1)は、金属酸化物の微粒子であるが、半導体の無機粒子であってもよい。
【0027】
導電性粒子(a−1)の金属酸化物としては、単一金属の酸化物であってもよく、2種以上の合金からなる金属の酸化物であってもよい。半導体としては、酸素含量が化学量論から僅かにずれた組成の単一金属の酸化物であってもよく、不純物準位を形成する賦活剤との2種以上の元素の酸化物の固溶体、混晶等であってもよい。
【0028】
これら導電性粒子(a−1)は、粉体又は有機溶媒に分散した状態で用いることができるが、均一分散性が得やすいことから、有機溶媒中に分散した状態で組成物を調製することが好ましい。
【0029】
導電性粒子(a−1)として用いることができる具体的な金属酸化物としては、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル、酸化銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子を挙げることができる。
【0030】
このような導電性粒子(a−1)の粉体としての市販品としては、例えば、三菱マテリアル(株)製 商品名:T−1(ITO)、三井金属(株)製 商品名:パストラン(ITO、ATO)、石原産業(株)製 商品名:SN−100P(ATO)、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテックITO、日産化学工業(株)製 商品名:ATO、FTO等を挙げることができる。
【0031】
導電性粒子(a−1)は、その表面に酸化ケイ素を担持してなるものが、アルコキシシラン化合物(a−2)と特に効果的に反応することから好ましい。このような酸化ケイ素を担時する方法としては、例えば、特許公報第2858271号に開示されており、酸化錫及び酸化アンチモンの水和物の共沈物を生成させた後、ケイ素化合物を沈着させ、分別、焼成する工程により製造することができる。
【0032】
その表面に酸化ケイ素を担持してなる導電性粒子(a−1)の市販品としては、例えば、石原産業(株)製 商品名:SN−100P(ATO)、及びSNS−10M、FSS−10M等を挙げることができる。
【0033】
導電性粒子(a−1)を有機溶媒に分散した市販品としては、例えば、石原産業(株)製 商品名:SNS−10M(MEK分散のアンチモンドープ酸化錫)、FSS−10M(イソプロピルアルコール分散のアンチモンドープ酸化錫)、日産化学工業(株)製 商品名:セルナックスCX−Z401M(メタノール分散のアンチモン酸亜鉛)、セルナックスCX−Z200IP(イソプロピルアルコール分散のアンチモン酸亜鉛)等を挙げることができる。
【0034】
粉体状の導電性粒子(a−1)を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、導電性粒子(a−1)に対して、分散剤、有機溶媒を添加し、分散メデイアとしてジルコニア、ガラス、アルミナのビーズを加えてペイントシェーカーやヘンケルミキサー等で高速攪拌し分散する方法を挙げることができる。分散剤の添加量は、組成物全体の0.1〜5重量%が好ましい。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリエーテルのリン酸エステルやポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック重合物、ノニルフェニルポリエーテル、セチルアンモニウムクロライド等の、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤を挙げることができる。
【0035】
(2)有機溶媒
本発明に用いられる有機溶媒は、前述のように、導電性粒子(a−1)を分散させる分散媒として用いられる。
有機溶媒の配合量は、導電性粒子(a−1)100重量部に対し、好ましくは、20〜4,000重量部、さらに好ましくは、100〜1,000重量部である。溶媒量が20重量部未満であると、粘度が高いため均一の反応が困難であることがあり、4,000重量部を超えると、塗布性が低下することがある。
【0036】
このような有機溶媒としては、例えば、常圧での沸点が200℃以下の溶媒を挙げることができる。具体的には、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類、アミド類が用いられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類が好ましい。
【0037】
ここで、アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、n―ブタノール、tert―ブタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等を挙げることができる。
【0038】
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。
エーテル類としては、例えば、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等を挙げることができる。
炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0039】
中でも、イソプロピルアルコール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸エチル等が好ましい。
【0040】
(3)アルコキシシラン化合物(a−2)
本発明に用いられるアルコキシシラン化合物(a−2)は、分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物である。
【0041】
このようなアルコキシシラン化合物(a−2)としては、例えば、下記式(1)に示すアルコキシシラン化合物を挙げることができる。
【0042】
【化1】
m(R1O)3-mSi−X−S−C(=O)−NH−Y−NH−C(=O)−O−Z−[−OC(=O)−CR2=CH2n (1)
【0043】
式(1)中、Rはメチル基、R1は炭素数1〜6のアルキル基、mは1または2、Xは炭素数1〜6の2価のアルキレン基、Yは鎖状、環状、分岐状いずれかの炭素数3〜14の2価の炭化水素基、Zは2〜6価の鎖状、環状、分岐状いずれかの炭素数2〜14の2価の炭化水素基であり、Z内にエーテル結合を含んでもよい、R2は水素原子又はメチル基、nは1〜5の整数である。
【0044】
アルコキシシラン化合物(a−2)の配合量は、組成物中の全固形分に対して、5〜50重量%とする必要があり、好ましくは、5〜35重量%である。アルコキシシラン化合物(a−2)が5重量%未満であると、硬化膜の透明性が低下することがあり、50重量%を超えると帯電防止性能が不足することがある。
【0045】
アルコキシシラン化合物(a−2)は、メルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類との反応生成物として製造することができる。
好ましい製造方法としては、例えば、メルカプトアルコキシシランとジイソシアネート類との反応によりチオウレタン結合で結合した中間体を製造後、残存するイソシアネートと水酸基含有の(メタ)アクリレート類とを反応させることによりウレタン結合で結合した生成物とする方法を挙げることができる。
【0046】
ジイソシアネート類と水酸基含有の(メタ)アクリレート類との反応により初めにウレタン結合で結合した中間体を製造後、残存イソシアネートとメルカプトアルコキシシラン類とを反応させることによっても同一生成物は得られるが、メルカプトアルコキシシラン類と(メタ)アクリル基との付加反応が併発するその純度は低く、ゲル状物を形成することがあり好ましくない。
【0047】
アルコキシシラン化合物(a−2)を得るためのメルカプトアルコキシシラン類としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。中でも、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
【0048】
メルカプトアルコキシシランの市販品としては、例えば、東レダウ・コーニング(株)製 商品名:SH6062を挙げることができる。
【0049】
ジイソシアネート類としては、例えば、1、4―ブチレンジイソシアネート、1、6―ヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ビスフェノールAジイソシアネート、2、4―トルエンジイソシアネート、2、6―トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。中でも、2、4―トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートが好ましい。
【0050】
ポリイソシアネ−ト化合物の市販品としては、例えば、三井日曹ウレタン(株)製 商品名:TDI−80/20、TDI−100、MDI−CR100、MDI−CR300、MDI−PH、NDI、日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネ−トT、ミリオネ−トMT、ミリオネ−トMR、HDI、武田薬品工業(株)製 商品名:タケネ−ト600等を挙げることができる。
【0051】
アルコキシシラン化合物(a−2)中の不飽和2重結合を形成する化合物としては、水酸基含有の(メタ)アクリレート類を挙げることができる。このような水酸基含有の(メタ)アクリレート類としては、例えば、2―ヒドロキシルエチルアクリレート、2―ヒドロキシルエチルメタクリレート、2―ヒドロキシルプロピルアクリレート、2―ヒドロキシルプロピルメタクリレート、4―ヒドロキシルブチルアクリレート、4―ヒドロキシルブチルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートを挙げることができる。好ましい水酸基含有(メタ)アクリレートは、水酸基含有アクリレート類であり、さらに好ましくは、2―ヒドロキシルエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
【0052】
これらのメルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0053】
アルコキシシラン化合物(a−2)を製造する場合の好ましいメルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類の配合割合は、メルカプトアルコキシシラン類に対するジイソシアネート類のモル比として、好ましくは、0.8〜1.5、さらに好ましくは、1.0〜1.2であり、ジイソシアネートに対する水酸基含有(メタ)アクリレート類のモル比として、好ましくは、1.0〜1.5、さらに好ましくは、1.0〜1.2である。メルカプトアルコキシシラン類に対するジイソシアネート類のモル比が0.8未満であると、組成物の保存安定性が低下することがある。1.5を超えると、分散性が低下することがある。
ジイソシアネートに対する水酸基含有(メタ)アクリレート類のモル比が1.0未満であると、ゲル化することがあり、1.5を超えると、帯電防止性が低下することがある。
【0054】
アルコキシシラン化合物(a−2)の製造は、通常、アクリル基の嫌気性重合を防止し、アルコキシシランの加水分解を防止するため、乾燥空気中で行うことが好ましい。また、反応温度は0℃から100℃が好ましく、さらに好ましくは、20℃から80℃である。
【0055】
製造時間を短縮することを目的にウレタン反応で公知の触媒を添加してもよく、そのような触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2―エチルヘキサノエート)、オクチル錫トリアセテートを挙げることができる。
これら触媒の添加量はジイソシアネート類との合計に対して、0.01重量%〜1重量%である。
【0056】
また、アルコキシシラン化合物(a−2)の熱重合を防止する目的で、製造時に熱重合禁止剤を添加してよく、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンを挙げることができる。熱重合禁止剤の添加量は、水酸基含有(メタ)アクリレート類との合計に対して、好ましくは、0.01重量%〜1重量%である。
【0057】
アルコキシシラン化合物(a−2)の製造は、溶媒中で行うこともできる。溶媒としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類ジイソシアネートと反応せず、沸点が200℃以下の溶媒の中から適宜選択することができる。
【0058】
このような溶媒の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、トルエン、キシレン等の炭化水素類を挙げることができる。
【0059】
(4)導電性粒子(a−1)とアルコキシシラン化合物(a−2)との反応
反応液(A)は、導電性粒子(a−1)とアルコキシシラン化合物(a−2)とを有機溶媒中で反応させることにより得られるものであるが、導電性粒子(a−1)上に、分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]チオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]、及び/又は不飽和2重結合を有する有機基を化学結合させたものを含む液を得ることを意図したものである。
【0060】
このような反応液(A)が極めて良好な分散性を有することから、上記の有機基は、シロキシ基(Si―O―)を介した化学結合により導電性粒子(a−1)の表面に固定されていると推定される。具体的な反応操作としてはアルコキシシラン化合物(a−2)を導電性粒子(a−1)の存在下、加水分解することにより行うことができる。
【0061】
この反応においては、アルコキシシラン化合物(a−2)の加水分解により、アルコキシ基は一旦シラノール基(Si―OH)に変換され、このシラノール基が導電性粒子(a−1)上の金属水酸化物(M―OH)と反応し、メタロキサン結合(M―O―Si)を形成することで固定されると推定される。好ましい製造方法は、導電性粒子(a−1)とアルコキシシラン化合物(a−2)及び有機溶媒の混合物に水を加え、加水分解する手順で調製することができる。
【0062】
水の添加量は、アルコキシシラン化合物(a−2)中の全アルコキシ当量に対して、好ましくは、0.5〜1.5当量であり、アルコキシシラン化合物(a−2)100重量部に対して0.5〜5.0重量%添加することが好ましい。用いる水はイオン交換水又は蒸留水が好ましい。
【0063】
加水分解反応は、有機溶媒の存在下、0℃〜成分の沸点以下の温度、通常、30℃〜100℃で1時間から24時間加熱攪拌することにより行うことができる。有機溶媒としては、予め有機溶媒に分散した導電性粒子(a−1)を用いる場合はそのままで行うことができるが、別途有機溶媒を添加してもよい。
【0064】
なお、加水分解を行う際、反応を促進するため、触媒として酸又は塩基を添加してもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、蟻酸、蓚酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の有機酸や、テトラメチルアンモニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩を挙げることができる。
塩基としては、例えば、アンモニア水、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができるが、好ましい触媒は、酸であり、より好ましくは有機酸である。これら触媒の添加量はアルコキシシラン化合物(a−2)100重量部に対して、好ましくは、0.001重量部〜1重量部、さらに好ましくは0.01重量部〜0.1重量部である。
【0065】
なお、加水分解反応の終了時に脱水剤を添加することにより導電性粒子(a−1)上へのアルコキシシラン化合物(a−2)の加水分解物の固定をより効果的に行うことができる。
脱水剤としては、有機カルボン酸オルトエステル及びケタールであり、具体的には、例えば、オルト蟻酸メチルエステル、オルト蟻酸エチルエステル、オルト酢酸メチルエステル、オルト酢酸エチルエステル等及びアセトンジメチルケタ−ル、ジエチルケトンジメチルケタ−ル、アセトフェノンジメチルケタ−ル、シクロヘキサノンジメチルケタ−ル、シクロヘキサノンジエチルケタ−ル、ベンゾフェノンジメチルケタ−ル等を挙げることができる。中でも、好ましくは有機カルボン酸オルトエステル類であり、さらに好ましくはオルト蟻酸メチルエステル、オルト蟻酸エチルエステルである。
【0066】
これらの脱水剤は、組成物中に含まれる水分量と当モル以上10倍モル以下、好ましくは当モル以上3モル以下加えることができる。当モル未満であると、保存安定性向上が十分でないことがある。また、これら脱水剤は、組成物の調製後加えることが好ましい。これにより、組成物の保存安定性及びアルコキシシラン化合物(a−2)の加水分解物中のシラノール基と導電性粒子(a−1)との化学結合形成が促進される。
【0067】
本発明の組成物には、この他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、滑材、溶媒等を必要に応じて配合することができる。酸化防止材としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等、紫外線吸収剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン P234、320、326、327、328、213、329、シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ102、103、501、202、712等、光安定剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共(株)製 商品名:サノ−ルLS770、LS440、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ TM−061等を挙げることができる。
このようにして得られた、本発明の組成物の粘度は、通常25℃において、5〜200,00 mPa・sであり、好ましくは10〜10,000 mPa・sである。
【0068】
(5)非導電性粒子の併用
本発明に用いられる反応液(A)は、上述のように、導電性粒子(a−1)とアルコキシシラン化合物(a−2)とを有機溶媒中で反応させて得られるものであるが、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(a−2)とを有機溶媒中で反応させて得られる反応液を併用してもよい。
【0069】
非導電性粒子の量は、組成物の全固形分中0〜60重量%が好ましく、10〜40重量%が、さらに好ましい。
【0070】
粒子として、導電性粒子(a−1)と非導電性粒子とを併用することにより、帯電防止機能を低下させない範囲、すなわち硬化膜としたときの表面抵抗として1012Ω/□以下の値を維持しながら、屈折率と透明性を向上させることができる。
【0071】
このような非導電性粒子としては、導電性粒子(a−1)以外の粒子であって、屈折率が1.65以上の無機酸化物が好ましい。具体的には、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化インジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子を挙げることができる。
【0072】
非導電性粒子の1次粒子径は、乾燥粉末をBET吸着法によって求めた値として、好ましくは、0.1μm以下であり、さらに好ましくは、0.01μm〜0.001μmである。0.1μmを超えると、組成物中で沈降が発生したり、塗膜の平滑性が低下することがある。
【0073】
これら非導電性粒子を本発明の組成物に配合する場合、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(a−2)とを有機溶媒中で加水分解したのち混合することが好ましい。この処理により、非導電性粒子の分散安定性が良好になる。この処理なしで直接混合した場合、透明性が低下することがある。非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(a−2)の有機溶媒中での加水分解処理は、前述の導電性粒子(a−1)と同様にすることができる。
【0074】
非導電性粒子の市販品としては、例えば、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック(酸化錫、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化セリウム)、多木化学(株)製 商品名:ニードラール(酸化セリウムゾル)、石原産業(株)製 商品名:チタニアゾル、日産化学工業(株)製 商品名:サンコロイド(メタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルエチルケトン、エトキシエタノール分散の5酸化アンチモン分散ゾル)、住友大阪セメント(株)製(トルエン、メチルエチルケトン分散のジルコニアゾル)等を挙げることができる。
【0075】
2.重合開始剤(B)
本発明の帯電防止用硬化性組成物は、熱又は放射線を照射することだけで硬化するが、硬化速度をさらに高めるため、重合開始剤(B)として熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤を配合してもよい。
【0076】
なお、本発明において、放射線とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
【0077】
重合開始剤(B)の配合量は、組成物中の固形分100重量部中に、好ましくは、0.1〜10重量部、さらに好ましくは、0.5〜7重量部である。重合開始剤(B)は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0078】
光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
【0079】
中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドが好ましい。
【0080】
これらの光重合開始剤の市販品としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア1116、1173、BASF社製ルシリンLR8728、UCB社製 商品名:ユベクリルP36等を挙げることができる。中でも、イルガキュア184、651、907、ダロキュア1173、ルシリンLR8728が好ましい。
【0081】
本発明においては、必要に応じて光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用することができる。
好ましい熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
【0082】
また、本発明においては、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物(以下、「化合物(C)」ということがある)を配合してもよい。化合物(C)としては、例えば、(メタ)アクリルエステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。その配合量は、帯電防止性能と屈折率とを高めるためには、組成物中の全固形分に対し、好ましくは、0〜10重量%であり、さらに好ましくは、0〜5重量%である。以下、化合物(C)の具体例を列挙する。(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。この中では、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。ビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコ−ルジビニルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ルジビニルエ−テル等を挙げることができる。
【0083】
3.組成物の塗布方法
本発明の組成物の塗布方法としては特に制限はなく、溶媒、導電性粒子(a−1)、アルコキシシラン化合物(a−2)の種類及び製造条件、添加する多官能(メタ)アクリレートの種類、その他添加剤により塗布性を広範囲に調整することができる。適用できる塗布方法としては、ロールコート、スプレーコート、フローコート、デイピング、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の方法を適用することができる。
【0084】
II.硬化膜
本発明の硬化膜は、上述の帯電防止用硬化性組成物に放射線を照射して、組成物を硬化させることにより得ることができる。
得られた硬化膜の表面抵抗は、1012Ω/□以下、好ましくは、1010Ω/□以下、さらに好ましくは、108Ω/□以下である。
【0085】
上述の組成物の硬化に用いる放射線の線源としては、組成物を塗布後短時間で硬化させ得るものである限り特に制限はない。
可視光線の線源としては、例えば、直射日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また、紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また、電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式等を挙げることができる。
【0086】
アルファ線、ベータ線及びガンマ線の線源としては、例えば、Co60等の核分裂物質を挙げることができ、ガンマ線については、加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種以上の放射線を一定期間をおいて照射してもよい。
【0087】
硬化の態様としては、例えば、レーザー光を走査又は塗膜を3次元的に移動させ塗膜面内の特定の領域を硬化する方法、又はマスクを用いて塗膜面の一部のみを一括硬化させることにより、パターニングすることを挙げることができる。具体的には、半導体の製造に用いられる光レジストと類似の工程を用いて本発明の硬化膜をパターニングすることができる。
【0088】
硬化膜の膜厚は、タッチパネル、CRT等の最表面での耐擦傷性を重視する用途では比較的厚く、好ましくは、2μmから10μmである。一方、光学フィルムの反射防止膜として用いる場合、好ましくは、0.05〜0.20μmである。
また、膜厚が3μm以上の場合におけるヘイズ値は、1%以下であることが好ましい。
【0089】
さらに、屈折率は、1.65以上であることが好ましい。
なお、本発明において屈折率とは、25℃におけるナトリウムD線での屈折率又は同じ光の波長においてエリプソメトリーで評価された屈折率のいずれかを用いて定義される。反射防止膜の設計は特定の膜厚、屈折率を有する薄膜を積層構造にすることにより理論的に計算され、また、導電性の膜の上に絶縁性の薄膜が形成された場合でも帯電防止効果は得られることは公知である。
【0090】
本発明の硬化膜が適用される基材は、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木材等特に制限はないが、放射線硬化性という生産性の高い、工業的有用性を発揮できる材料として、例えば、フィルム、ファイバー状の基材に好ましく適用される。特に好ましい材料は、プラスチックフィルムである。そのようなプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン/ポリメタクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ジエチレングリコールのジアリルカーボネート(CR−39)、ABS、ナイロン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環化ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
【0091】
本発明の硬化膜は、優れた耐擦傷性、密着性を有するためハードコートとして有用である。
また、優れた帯電防止機能を有するため、フィルム状、板状、又はレンズ等の各種形状の基材に配設されることにより帯電防止膜として有用である。
また、光学物品に反射防止機能を付与する場合、低屈折率層と高屈折率層との多層構造を形成することが有効であることが知られているが、本発明の硬化膜は、帯電防止機能に加え、高屈折率を有するため、光学物品の帯電防止性反射防止膜としても有用である。
【0092】
本発明の硬化膜の適用例としては、例えば、タッチパネル用保護膜、転写箔、光デイスク用ハードコート、自動車用ウインドフィルム、レンズ用の帯電防止保護膜、化粧品容器等の高意匠性の容器の表面保護膜等主として製品表面傷防止や静電気による塵埃の付着を防止する目的でなされるハードコートとしての利用、また、CRT、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、エレクトロルミネッセンス表示パネル等の各種表示パネル用の帯電防止性反射防止膜としての利用、プラスチックレンズ、偏光フィルム、太陽電池パネル等の帯電防止性反射防止膜としての利用等を挙げることができる。
【0093】
III.帯電防止性反射防止積層体
上述の硬化膜は、硬度、透明性、高屈折率、帯電防止性、密着性等の面で優れた特性を有するため、反射防止積層体の少なくとも1層として用いることにより、優れた反射防止性能を有するとともに、優れた耐久性、帯電防止性能を有する反射防止積層体を製造することができる。
すなわち、上述の硬化膜をこれよりも低屈折率の膜と併用することで、帯電防止性能を有する反射防止積層体を形成することができる。
【0094】
この場合、対象となる基材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン/ポリメタクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ジエチレングリコールのジアリルカーボネート(CR−39)、ガラスを挙げることができる。これらの基材はフィルム状又はレンズ状等の光学的に設計された立体成型体として用いることができる。
【0095】
このような帯電防止性反射防止積層体としては、例えば、空気層と接する低屈折率層として、その厚さが、0.05〜0.20μmで、屈折率が、1.30〜1.45のものを用い、、この層と接する硬化膜として、その厚さが、0.05〜0.20μmで、屈折率が1.65〜2.20のものを用いた場合を挙げることができる。
【0096】
帯電防止性反射防止積層体の製造において、他の要求、例えば、ノングレア効果、光の選択吸収効果、耐候性、耐久性、転写性等の機能をさらに付与するために、例えば、1μm以上の光散乱性の粒子を含有する層を加えること、染料を含有する層を加えること、紫外線吸収剤を含有する層を加えること、接着層を加えること、接着層と剥離層を加えること等が可能であり、さらに、これらの機能付与成分を本発明の帯電防止用硬化性組成物の1成分として加えることも可能である。
【0097】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制限を受けるものではない。なお、以下において、部、%は、特に断らない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。
【0098】
アルコキシシラン化合物(a−2)の製造
以下、アルコキシシラン化合物(a−2)の製造例を参考例1に示す。
参考例1
乾燥空気中、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチル錫ジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6部を50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後。60℃で3時間攪拌した。生成物中の残存イソシアネートを分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示し、チオウレタン結合、ウレタン結合、アルコキシシリル基、及び、重合性不飽和基を分子中に有する化合物を得た。以下、この化合物を、「アルコキシシラン1」ということがある。
【0099】
反応液(A)(A−1〜A−3)の製造
以下、反応液(A)(A−1〜A−3)の製造例を、製造例1〜3に示す。
製造例1
表面に酸化ケイ素が担持しているアンチモンドープ酸化錫粒子のメチルエチルケトン分散品(石原産業(株)製 商品名:SNS−10M、アンチモンドープ酸化錫含量27.4%、動的光散乱法での重量平均粒子径40nm、数平均粒子径22nm)260部と参考例1で製造したアルコキシシラン1 25部、蒸留水0.3部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部を混合し、65℃で加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8.0部添加し、さらに1時間加熱することで、固形分35.1%の反応液(反応液A−1)を得た。反応液A−1中には、アンチモンドープ酸化錫として24.3%、アルコキシシラン1の反応生成物として8.5%を含み、かつ62.0%のメチルエチルケトンを含んでいた。
【0100】
製造例2
製造例1で用いたと同じアンチモンドープ酸化錫粒子のメチルエチルケトン分散品260部とエチレングリコールモノエチルエーテル180部からなる溶液をロータリーエバポレーターを用いて45℃で10mmHgで蒸留することにより溶媒置換を行い、アンチモンドープ酸化錫粒子のエチレングリコールモノエチルエーテル分散品260部を得た。これに、参考例1で製造したアルコキシシラン1 25部、蒸留水0.3部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部を混合し、65℃で加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8.0部添加し、さらに1時間加熱することで、固形分35.1%の反応液(反応液A−2)を得た。反応液A−2中には、アンチモンドープ酸化錫として24.3%、アルコキシシラン1の反応生成物として8.4%を含み、かつ61.4%のエチレングリコールモノエチルエーテルを含んでいた。
【0101】
製造例3
酸化ケイ素が担持されていないアンチモン10%ドープ酸化錫粒子(三菱マテリアル(株)製)78部、メチルエチルケトン182部、アルコキシシラン1 25部、蒸留水0.3部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを加え、ペイントシェーカーで3時間分散後、500メッシュのナイロン製濾布で濾過することにより分散液を調製した。これにオルト蟻酸メチルエステル8.0部添加し、60℃で、1時間加熱することで、固形分35.1%の反応液(反応液A−3)を得た。反応液A−3中には、アンチモンドープ酸化錫として26.6%、アルコキシシラン1の反応生成物として8.4%を含み、かつ61.4%のメチルエチルケトンを含んでいた。
【0102】
反応液(X−1)の製造
以下、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(a−2)との反応液(X−1)の製造例を、比較製造例1に示す。
比較製造例1
メチルエチルケトンに分散したジルコニア粒子分散液(住友大阪セメント(株)製、固形分31.5%、ジルコニア含量30.0%、平均粒子径0.015μm)260部、参考例1で製造したアルコキシシラン1の溶液20部、蒸留水0.3部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部を混合し、65℃で加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8.0部添加し、さらに1時間加熱することで、固形分34.4%、ジルコニア含量27.1%、メチルエチルケトン61.7%、アルコキシシラン1 6.9%の溶液(反応液X−1)を得た。
【0103】
反応液(X−2)の製造
以下、導電性粒子(a−1)を含まないアルコキシシラン化合物(a−2)の加水分解物溶液(X−2)の製造例を、比較製造例2に示す。
比較調製例2
参考例1で製造したアルコキシシラン1 20部、蒸留水0.3部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部、メチルエチルケトン72部を混合し、65℃で加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8.0部添加し、さらに1時間加熱することで、固形分20.0%、導電性粒子(a−1)を含まないアルコキシシラン1の加水分解溶液(反応液X−2)を得た。
【0104】
反応液(X−3)の製造
以下、導電性粒子(a−1)とメチルトリメトキシシラン化合物との反応液(X−3)の製造例を、比較製造例3に示す。
比較調製例3
製造例1で用いたと同じアンチモンドープ酸化錫粒子のメチルエチルケトン分散品260部、メチルトリメトキシシラン−1 50部、蒸留水10部をフラスコ中で混合し、60℃で3時間加水分解反応を行った。引き続き、0.3mmのジルコニアビーズを加え、ペイントシェーカーで3時間分散後、500メッシュのナイロン製濾布で濾過することにより分散液を調製した。固形分32.2%、アンチモンドープ酸化錫含量22.3%、メチルエチルケトン56.9%、3−メチルトリメトキシシラン15.6%の溶液(反応液X−3)を得た。
【0105】
以下、導電性粒子(a−1)と3−メタクリロキシプロピルシラン化合物との反応液(X−4)の製造例を、比較製造例4に示す。
比較調製例4
製造例1で用いたと同じアンチモンドープ酸化錫粒子のメチルエチルケトン分散品260部、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25部、蒸留水0.3部、p−ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03部を混合し、65℃で加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8.0部添加し、さらに1時間加熱することで、固形分35.1%、アンチモンドープ酸化錫含量24.3%、メチルエチルケトン62.0%、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8.5%の溶液(反応液X−4)を得た。
【0106】
組成物の調製
実施例1〜7及び比較例1〜4
以下、表−1に示す配合で帯電防止用硬化性性組成物を調製した調製例及び調製比較例を、実施例1〜7及び比較例1〜4にそれぞれ示す。
なお、組成物は塗布直前に孔径1μmのテフロン製フィルターで塵埃等を濾過した後用いた。
【0107】
帯電防止性反射防止積層体の形成
以下、帯電防止性反射防止積層体の形成例を実施例8に示す。
実施例8
高屈折層の形成 製造例1で調製した反応液A−1を、MIBKとtert−ブタノールとの6対4の重量比の溶液で希釈後、1μmのフィルターで濾過することにより固形分濃度3重量%の溶液(溶液A−4)を調製した。
溶液A−4を、厚さ3mmのアクリル板上に、ディップコーターを用いて、引き上げ速度250mm/分の条件で塗布した。ついで、窒素中、露光量0.5J/cm2で紫外線を照射し硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の膜厚をエリプソメータで測定したところ、120nm、表面抵抗は3×109Ω/□、透明性、密着性は良好であった。
【0108】
低屈折層の形成
パーフルオロプロピルビニルエーテル21.3部、エチルビニルエーテル20.1部、ヒドロキシエチルビニルエーテル10.6部、過酸化ラウロイル0.5部、及び酢酸エチル200部からなる溶液をオートクレーブに添加し、窒素下、ヘキサフルオロプロピレン48部を圧入後70℃で20時間反応した。冷却後、溶液を多量のメタノールヘ添加することにより、乾燥重量として88gのフッ素ポリマーを得た。このポリマーのガラス転移温度(Tg)は、28℃、フッ素含量は52%、屈折率は1.38であった。得られたポリマーをMIBKとtert−ブタノールとの6対4の重量比の溶液に溶解させ、濃度3%の液(低屈折液D−1)とした。
【0109】
帯電防止性反射防止板の形成
溶液A−4の硬化膜を形成したアクリル板を低屈折液D−1を塗装液として、ディップコーターを用いて、引き上げ速度250mm/分の条件で塗工後、50℃で30分乾燥させることにより膜厚110mmの低屈折率のフッ素ポリマー膜を形成した。この反射防止板の反射率を60mmΦ積分球つき分光光度計(日立製作所(株)製 商品名:U3410)を用いて測定したところ、1.2%であり、表面抵抗は5×1010Ω/□、透明性の良好な帯電防止性反射防止板が得られたことを確認した。
【0110】
実施例及び比較例の評価
保存安定性:
実施例及び比較例で得られた組成物の保存安定性を評価するため、試料をガラス容器中に密栓後、60℃で保管した。1ヶ月後、試料をガラス板上でコートすることにより凝集物の発生の有無を評価した。透明均一膜となるものを○、凝集物により不均膜となるものを×として判定した。
【0111】
硬化試験片の作製
電子線硬化:
東洋紡績(株)製の厚さ188μmのポリエステルフィルム(#A4300)上にワイヤーバーコータ(No.14)で塗装後、80℃の熱風式乾燥炉中で1分間静置後、窒素下、加速電圧165KV、ドーズ量6Mradで電子線照射し、硬化膜を得た。ついで、23℃、相対湿度50%の状態で24時間静置後、これを試験片とした。
紫外線硬化:
東洋紡績(株)製の厚さ188μmのポリエステルフィルム(#A4300)上にワイヤーバーコータ(No.14)で塗装後、80℃の熱風式乾燥炉中で1分間静置後、大気下、オーク製作所製コンベア式水銀ランプを用い、0.3J/cm2の紫外線を照射し硬化膜を得た。ついで、23℃、相対湿度50%の状態で24時間静置後、これを試験片とした。
【0112】
下記項目について試験片を評価した。評価結果を表1に示す。
1.硬化性
紫外線又は電子線照射後の試験片の表面を指でこすり、目視でタックがないものを〇、あるものを×とした。
2.透明性
須賀製作所(株)製 カラーヘイズメーターを用い、ASTM D1003に従いヘイズ値(%)を測定し、基材フィルムのヘイズ値(0.7%)を差し引いた値として評価した。
3.帯電防止性
ヒューレット パッカード社製 ハイレジスタンスメータ 形式HP4339Aを用い、電極面積26mmΦ、印加電圧100Vで表面抵抗(Ω/□)を測定した。
4.屈折率
アッベ屈折率計で25℃、ナトリウムD線での波長における屈折率を測定した。なお、エリプソメーターで屈折率を評価する場合は、シリコンウエハー上に試料をスピンコート後前述と同様に紫外線照射し、膜厚0.1〜0.3μmの硬化膜とした試験片を用いて評価した。測定波長は589nmとした。
5.鉛筆硬度試験:
JIS K5400に従い、鉛筆引っ掻き試験機を用いて測定した。
6.密着性(初期密着性)
JIS K5400に従い、カッターで1mm間隔の傷を縦横11本引き、100個のますめを作製した後、セロハンテープで剥離試験を行い試験後の残膜数を評価した。残膜数が100個の場合○、それ以外は×と判定した。
7.密着性(湿熱試験後の密着性)
試験片を湿度90%、温度50℃の恒温恒湿槽に1週間保管後、JIS K5400に従い前述と同じ操作で密着性を評価、判定した。
8.耐擦傷性
JIS R3221に従い、テーバー摩耗試験器を用いて、試験片のテーバー試験(摩耗輪CS−10F2セット、荷重500g、100回転)後のヘイズ値の変化量、△H(%)を測定した。
【0113】
【表1】
Figure 0004872142
【0114】
表1中、略称として用いたB−1及びC−1は、下記の内容を示す。
*1)B−1:2−メチル−1−[4―(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1―オン(チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア−907)
*2)C−1: ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、保存安定性及び硬化性に優れ、かつ各種基材[例えば、プラスチック(ポリカ−ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロ−ス樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、セラミックス、スレ−ト等]の表面に、帯電防止性、透明性、硬度、耐擦傷性、及び密着性に優れるとともに高屈折率の塗膜(被膜)を形成し得る帯電防止用硬化性組成物、その硬化膜及び帯電防止性反射防止積層体を提供することができる。

Claims (7)

  1. (a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子50〜95重量%と、(a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物5〜50重量%とを有機溶媒中で反応させて得られる反応液(A)及び分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物(C)0〜10重量%(但し、組成物中の全固形分を100重量%とする)を含有する帯電防止用硬化性組成物
  2. 前記(a−1)導電性金属酸化物粒子が、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子である請求項1に記載の帯電防止用硬化性組成物。
  3. 前記(a−1)導電性金属酸化物粒子が、その表面に酸化ケイ素を担持してなる請求項1又は2に記載の帯電防止用硬化性組成物。
  4. 前記反応液(A)に加えて、さらに重合開始剤(B)を含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止用硬化性組成物。
  5. (a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子(組成物中の全固形分に対し50〜95重量%)と、(a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物(組成物中の全固形分に対し5〜50重量%)とを有機溶媒中で加水分解して反応液(A)を得ることを含む請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止用硬化性組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止用硬化性組成物を硬化してなる硬化膜。
  7. 請求項6に記載の硬化膜を少なくとも一層有する帯電防止性反射防止積層体。
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