JP2008031327A - 硬化性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び積層体 Download PDF

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英明 高瀬
Shuichi Sugawara
周一 菅原
Yasuharu Yamada
康晴 山田
Akio Taira
晃雄 平
Toshimitsu Kikuchi
利充 菊池
Takahiro Kawai
高弘 川合
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Abstract

【課題】耐擦傷性に優れる硬化膜を与える硬化性樹脂組成物及びその硬化膜を有する反射防止膜を提供する。
【解決手段】 導電性無機化合物を含有する帯電防止層に隣接する層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物であって、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、下記式(1)で表されるシランカップリング剤によって表面修飾された無機化合物粒子を含有する硬化性樹脂組成物。
Figure 2008031327

(R21はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、又はアクリルアミド基、R22は分子量が100以下である有機基、Qはアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシル基、アミノ基、ハロゲン原子、a、bは1から3の整数を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及びそれから形成される層を含む積層体、特に反射防止膜に関する。
現在、マルチメディアの発達に伴い、各種の表示装置(ディスプレイ装置)において種々の発展が見られている。そして、各種の表示装置のうち、特に、携帯用を中心に屋外で使用されるものでは、その視認性の向上がますます重要となってきており、大型表示装置においても、より見易くすることが需要者に要求されており、この事項がそのまま技術課題となっている。
従来、表示装置の視認性を向上させるための一手段として、低屈折率材料から構成される反射防止膜を、表示装置の基板に被覆することが行われており、反射防止膜を形成する方法としては、例えば、フッ素化合物の薄膜を蒸着法により形成する方法が知られている。然るに、近年では、液晶表示装置を中心として、低いコストで、しかも大型の表示装置に対しても、反射防止膜を形成することのできる技術が求められている。しかしながら、蒸着法による場合には、大面積の基板に対して、高い効率で均一な反射防止膜を形成することが困難であり、しかも真空装置を必要とするために、コストを低くすることが困難である。
このような事情から、屈折率の低いフッ素系重合体を有機溶媒に溶解して液状の組成物を調製し、これを基板の表面に塗布することによって反射防止膜を形成する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、基材上に、微粒子を高屈折率バインダー樹脂中に局在化させた高屈折率膜と、フッ素系共重合体からなる低屈折率膜とを順次に積層した光学機能性フィルムが提案されている。しかしながら、この光学機能性フィルムは帯電防止性が不十分である等の問題があった。
そこで、反射防止膜の帯電防止性を改善するために、特許文献2に示すように、基材上に、導電性無機酸化物粉末、水酸基含有重合体、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物、光重合開始剤及び有機溶媒を所定の範囲内の添加量で混合することにより帯電防止性の向上を図る等の試みが行われてきた。
特開平8−94806号公報 特開2002−311208号公報
しかしながら、上記従来の硬化性樹脂組成物では耐擦傷性が十分ではないという問題点があった。
本発明は、上記従来の状況に鑑み、耐擦傷性に優れる硬化膜を与える硬化性樹脂組成物及びその硬化膜を有する積層体、特に反射防止膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明者らは、鋭意検討した結果、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランによって表面修飾された変性無機化合物粒子を含有する硬化性樹脂組成物を用い、導電性無機化合物を含有する帯電防止層に隣接する層を形成することで、耐擦傷性に優れた積層体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の硬化性樹脂組成物及び積層体を提供する。
1.導電性無機化合物を含有する帯電防止層に隣接する層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物であって、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(1A)と、下記式(1)で表されるシランカップリング剤によって修飾された無機化合物粒子(1B)を含有する硬化性樹脂組成物。
Figure 2008031327
(式(1)中、R21はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、又はアクリルアミド基、R22は分子量が150以下である有機基、Qはアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシル基、アミノ基、又はハロゲン原子、a、bは1から3の整数を示す)
2.前記式(1)で表されるシランカップリング剤が、下記式(2)で表される上記1記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 2008031327
(式(2)中、R23は水素原子、又はメチル基、R24は炭素数1〜10の炭化水素基、R25はアルキル基を示し、a、bは式(1)で定義した通りである)
3.前記無機化合物粒子の数平均粒子径が30〜100nmである上記1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
4.前記無機化合物粒子が中実粒子である上記1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
5.前記無機化合物粒子が中空粒子である上記1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
6.前記帯電防止層に含有される導電性無機化合物粒子の数平均粒子径が30〜100nmである上記1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
7.前記帯電防止層に含有される導電性無機化合物粒子が、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選択される一又は二以上の金属酸化物からなる上記1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
8.導電性無機化合物粒子を含有する帯電防止層と、該帯電防止層に隣接して設けられ、上記1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物から形成された層と、を備えた積層体。
本発明によれば、優れた耐擦傷性を有する積層体、及び該積層体を与える硬化性樹脂組成物が得られる。
本発明の硬化性樹脂組成物及び積層体の実施形態について以下説明する。
1.硬化性樹脂組成物
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ということがある)は、下記の成分(1A)〜(1F)を含み得る。成分(1A)及び(1B)は必須成分であり、成分(1C)〜(1F)は必要に応じて添加する任意成分である。
(1A)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
(1B)特定のシランカップリング剤によって修飾された無機化合物粒子
(1C)活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物
(1D)分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
(1E)有機溶媒
(1F)その他の添加剤
本発明の組成物においては、無機化合物粒子を式(1)で示されるシランカップリング剤と結合させることで、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる層と、後述する帯電防止層との密着性が向上する。また、本発明の組成物から導電性無機化合物粒子を含有する帯電防止層に隣接する層を形成することにより、積層体として耐擦傷性が向上するという効果が得られる。この理由としては、本発明の組成物から形成した層と帯電防止層との密着性が向上したためと推察される。
これらの成分について以下説明する。
(1A)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(1A)は、フッ素系オレフィンの重合物である。(1A)成分により本発明の組成物は低屈折率、防汚性、耐薬品性、耐水性等の反射防止膜用低屈折率材料としての基本性能を発現する。
好ましくは、(1A)成分は、側鎖水酸基が(メタ)アクリル系化合物で変性されている。さらに好ましくは、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系化合物によって変性されている。このような変性により、ラジカル重合性(メタ)アクリル化合物と共架橋化することができ、得られる硬化膜の耐擦傷性が向上する。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物と、水酸基含有含フッ素重合体とを反応させて得られることが好ましい。
(1)1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物
1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物としては、分子内に、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有している化合物であれば特に制限されるものではない。
尚、イソシアネート基を2個以上含有すると、水酸基含有含フッ素重合体と反応させる際にゲル化を起こす可能性がある。
また、上記エチレン性不飽和基としては、後述する本発明の硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
このような化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、このような化合物は、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて合成することもできる。
ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
尚、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学(株)製 商品名 HEA、日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA、PET−30、サートマー社製 商品名 SR−399E、東亞合成(株)製 商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等が挙げられる。
(2)水酸基含有含フッ素重合体
水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、下記構造単位(a)及び/又は(b)、並びに(c)及び/又は(d)を含んでなる(ただし、(b)及び(c)のみを含んでなる水酸基含有含フッ素重合体は除く)。
(a)下記式(3)で表される構造単位。
(b)下記式(4)で表される構造単位。
(c)下記式(5)で表される構造単位。
(d)下記式(6)で表される構造単位。
Figure 2008031327
[式(3)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基又は−OR2で表される基(R2はアルキル基又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
Figure 2008031327
[式(4)中、R3は水素原子又はメチル基を、R4はアルキル基、−(CH2)x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、フルオロアルキル基又はグリシジル基を、xは0又は1の数を示す)、−O−(CH2)x1−R51で表される基(R51はパーフルオロアルキル基を、x1は1〜10の数を示す)、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を示す]
Figure 2008031327
[式(5)中、R6は水素原子又はメチル基を、R7は水素原子又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す]
Figure 2008031327
[式(6)中、Rfはフッ素を含有する炭素数2〜10の2価の有機基を示す。]
(i)構造単位(a)
上記式(3)において、R1及びR2のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
構造単位(a)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としてはテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロオレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
尚、構造単位(a)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、20〜70モル%である。この理由は、含有率が20モル%未満になると、本願が意図するところの光学的にフッ素含有材料の特徴である、低屈折率の発現が困難となる場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶媒への溶解性、透明性、又は基材への密着性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(a)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、25〜65モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
(ii)構造単位(b)
式(4)において、R4又はR5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。また、R51のフルオロアルキル基としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基等が挙げられる。
構造単位(b)は、上述の置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;3,3,3−プロピルフルオロプロピルビニルエーテル、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルビニルエーテル、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチルビニルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルビニルエーテル3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロヘプチルビニルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−プロパデカフルオロオクチルビニルエーテル3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロノニルビニルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテル;シクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、構造単位(b)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、10〜70モル%である。この理由は、含有率が10モル%未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶媒への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(b)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、20〜60モル%とするのがより好ましい。
(iii)構造単位(c)
式(5)において、R7のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基が挙げられる。
構造単位(c)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような水酸基含有ビニル単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
尚、構造単位(c)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、5〜70モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が5モル%未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶媒への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(c)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、5〜40モル%とするのがより好ましく、5〜30モル%とするのがさらに好ましい。
(iv)構造単位(d)
水酸基含有含フッ素重合体は、さらに構造単位(d)を含んで構成することも好ましい。これにより従来のフッ素重合体よりも、さらに低屈折率を示す硬化膜が得られる。
式(6)において、Rfのフッ素を含有する炭素数2〜10の2価の有機基としては、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、下記式(7)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2008031327
構造単位(d)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、ユニマテック製 商品名FVEP等が挙げられる。
構造単位(d)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、5〜60モル%であることが好ましい。この理由は、含有率が5モル%未満になると、本願が意図するところの光学的にフッ素含有材料の特徴である、低屈折率の発現が困難となる場合があるためであり、一方、含有率が50モル%を超えると、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒への溶解性が低下する場合があるためである。
このような理由により、構造単位(d)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量に対して、10〜60モル%とするのがより好ましく、25〜60モル%とするのがさらに好ましい。
(v)構造単位(e)及び構造単位(f)
水酸基含有含フッ素重合体は、さらに下記構造単位(e)を含んで構成することも好ましい。
(e)下記式(8)で表される構造単位。
Figure 2008031327
[式(8)中、R8及びR9は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す]
式(8)において、R8又はR9のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基等が、アリール基としてはフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等がそれぞれ挙げられる。
構造単位(e)は、前記式(8)で表されるポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることにより導入することができる。このようなアゾ基含有ポリシロキサン化合物の例としては、下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008031327
[式(9)中、R10〜R13は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はシアノ基を示し、R14〜R17は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を示し、p、qは1〜6の数、s、tは0〜6の数、yは1〜200の数、zは1〜20の数を示す。]
式(9)で表される化合物を用いた場合には、構造単位(e)は、構造単位(f)の一部として水酸基含有含フッ素重合体に含まれる。
(f)下記式(10)で表される構造単位。
Figure 2008031327
[式(10)中、R10〜R13、R14〜R17、p、q、s、t及びyは、上記式(9)と同じである。]
式(9),(10)において、R10〜R13のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、R14〜R17のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
本発明において、上記式(9)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、下記式(11)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2008031327
[式(11)中、y及びzは、上記式(9)と同じである。]
尚、構造単位(e)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量を100モル部としたときに、0.1〜10モル部とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル部未満になると、硬化後の塗膜の表面滑り性が低下し、塗膜の耐擦傷性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が10モル部を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性に劣り、コート材として使用する際に、塗布時にハジキ等が発生し易くなる場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(e)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、0.1〜5モル部とするのがより好ましく、0.1〜モル部とするのがさらに好ましい。同じ理由により、構造単位(f)の含有率は、その中に含まれる構造単位(e)の含有率を上記範囲にするよう決定することが望ましい。
(vi)構造単位(g)
水酸基含有含フッ素重合体は、さらに下記構造単位(g)を含んで構成することも好ましい。
(g)下記式(12)で表される構造単位。
Figure 2008031327
[式(12)中、R18は乳化作用を有する基を示す]
式(12)において、R18の乳化作用を有する基としては、疎水性基及び親水性基の双方を有し、かつ、親水性基がポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル構造である基が好ましい。
このような乳化作用を有する基の例としては下記式(13)で表される基が挙げられる。
Figure 2008031327
[式(13)中、nは1〜20の数、mは0〜4の数、uは3〜50の数を示す]
構造単位(g)は、反応性乳化剤を重合成分として用いることにより導入することができる。このような反応性乳化剤としては、下記式(14)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008031327
[式(14)中、n、m及びuは、上記式(13)と同様である]
尚、構造単位(g)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体における構成単位(a)〜(d)の合計量を100モル部としたときに、0.1〜5モル部とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル部以上になると、水酸基含有含フッ素重合体の溶剤への溶解性が向上し、一方、含有率が5モル部以内であれば、硬化性樹脂組成物の粘着性が過度に増加せず、取り扱いが容易になり、コート材等に用いても耐湿性が低下しないためである。
また、このような理由により、構造単位(g)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、0.1〜3モル部とするのがより好ましく、0.2〜3モル部とするのがさらに好ましい。
(vii)分子量
水酸基含有含フッ素重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、テトラヒドロフランを溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000であることが好ましい。この理由は、数平均分子量が5,000未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の機械的強度が低下する場合があるためであり、一方、数平均分子量が500,000を超えると、後述する硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、薄膜コーティングが困難となる場合があるためである。
また、このような理由により、水酸基含有含フッ素重合体のポリスチレン換算数平均分子量を10,000〜300,000とするのがより好ましく、10,000〜100,000とするのがさらに好ましい。
(3)反応モル比
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、上述した、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物と、水酸基含有含フッ素重合体とを、反応させて得られることが好ましい。このとき、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させるのが好ましい。この理由は、モル比が1.1未満になると耐擦傷性及び耐久性が低下する場合があるためであり、一方、モル比が1.9を超えると、硬化性樹脂組成物の塗膜のアルカリ水溶液浸漬後の耐擦傷性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、イソシアネート基/水酸基のモル比を、1.1〜1.5とするのがより好ましく、1.2〜1.5とするのがさらに好ましい。
(1A)成分の添加量については、特に制限されるものではないが、(1A)成分と(1B)成分の合計を100質量部としたとき、通常20〜95質量部である。この理由は、添加量が20質量部未満となると、硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の屈折率が高くなり、十分な反射防止効果が得られない場合があるためであり、一方、添加量が95質量部を超えると、硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の耐擦傷性が得られない場合があるためである。
また、このような理由から、(1A)成分の添加量を25〜90質量部とするのがより好ましい。
(1B)特定のシランカップリング剤によって修飾された無機化合物粒子
本発明に用いられる成分(1B)は、下記式(1)で示されるシランカップリング剤によって修飾された無機化合物粒子(以下、「無機化合物粒子(1B)」又は「成分(1B)」ということがある)である。無機化合物粒子を下記式(1)で示されるシランカップリング剤と結合させることで、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる層と後述する帯電防止層との密着性が向上する。
(1)特定シランカップリング剤
本発明で用いる特定のシランカップリング剤は下記式(1)で示される構造を有する。
Figure 2008031327
式(1)中、R21はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、又はアクリルアミド基、R22は分子量が150以下である有機基、Qはアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシル基、アミノ基、又はハロゲン原子、a、bは1から3の整数を示す。
22の分子量が150よりも大きい場合には、後述する帯電防止層との密着性が低下し、耐擦傷性が低下する場合がある。
このような化合物としては、具体的にはビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、式(2)に示される化合物等が挙げられる。
また、式(1)に示されるシランカップリング剤は、下記式(2)に示す化合物であることが特に好ましい。
Figure 2008031327
(式(2)中、R23は水素原子、又はメチル基、R24は炭素数1〜10の炭化水素基、R25はアルキル基、又はアリール基、m、nは1から3の整数を示す)
式(2)中、
Figure 2008031327
は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位であり、アクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基であり、R24としては炭素数1〜10の炭化水素基、(OR25)はシラノール基又はシラノール基生成部位であり、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、無機酸化物粒子と結合する構成単位であり、アルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましい。また、R24としては炭素数1〜5の炭化水素基であることが特に好ましい。このような化合物として、具体的には(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシペンチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシヘプチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシノニルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明で用いる上記式(1)で示されるシランカップリング剤は、市販品を用いることができ、その具体例としては信越化学工業(株)製 KA1003、KBM1003、KBE1003、KBM1403、KBM-502、KBM-503、KEM-502、KEM-503、KBM5103、東レ・ダウコーニング(株)SZ6030、SZ6300、SZ6075等を挙げることができる。
(2)無機化合物粒子
尚本発明に使用される無機化合物粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物、あるいはフッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム等の無機フッ化物からなる粒子が好ましい。無機酸化物粒子としては、得られる硬化性組成物の硬化被膜の無色性の観点から、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物からなる粒子であり、具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、酸化セリウム等の粒子を挙げることができる。中でも、高硬度の観点から、シリカ、アルミナ、ジルコニア及び酸化アンチモンの粒子が好ましい。これらの無機酸化物粒子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、無機フッ化物粒子としては、フッ化アルミニウム(屈折率:1.38)、フッ化カルシウム(屈折率:1.23〜1.45)、フッ化リチウム(屈折率:1.30)、フッ化マグネシウム(屈折率:1.38〜1.40)等の粒子が挙げられ、これらの中で、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムの粒子が好適に用いられる。また、粒子硬度や吸湿性、屈折率を考慮するとフッ化マグネシウム粒子が最も好ましい。フッ化マグネシウム粒子の市販品としては、ステラケミファ製フッ化マグネシウム、フッ化マグネシウムOP、フッ化マグネシウムG1、フッ化マグネシウムH、三和研磨製フッ化マグネシウム等を挙げることができる。尚、上記市販品は粒子径数μmの粗粒子であるため、本発明において(1B)成分として用いるためには、粉砕機等を用いて粉砕、分散するし、数平均粒子径を30〜100nmとすることが好ましい。
また、無機化合物粒子の波長589nmにおける屈折率は1.45未満であることが好ましい。無機フッ化物粒子は硬化膜の強度を向上させる効果を有するとともに、波長589nmにおける屈折率が1.45未満である無機フッ化物粒子を使用することで硬化膜の屈折率を、シリカ粒子を用いた場合よりも低下させることが可能となり、優れた反射防止特性を有する反射防止膜を得ることができる。
無機化合物粒子の数平均粒子径は、30nm〜100nmが好ましく、40nm〜80nmがさらに好ましい。数平均粒子径が30nm未満では、十分な耐擦傷性が得られないおそれがある。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類を添加してもよい。一方、数平均粒子径が100nmを越えると、硬化物としたときの透明性が低下したり、被膜としたときの表面状態が悪化する傾向がある。また、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜を反射防止膜の低屈折率層として使用する場合、低屈折率層の膜厚は、100nm程度であるため無機化合物粒子の粒子径が膜厚よりも大きいと、反射防止膜の光学特性や機械的特性が低下するおそれがある。ここで、無機化合物粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡法によって測定する。
無機化合物粒子(1B)の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状であってよく、好ましくは、球状である。無機化合物粒子(1B)の比表面積(窒素を用いたBET比表面積測定法による)は、好ましくは、10〜1000m/gであり、さらに好ましくは、100〜500m/gである。これら無機化合物粒子(1B)の使用形態は、乾燥状態の粉末、又は水もしくは有機溶媒で分散した状態で用いることができる。例えば、上記の酸化物の溶剤分散ゾルとして当業界に知られている微粒子状の酸化物粒子の分散液を直接用いることができる。特に、硬化物に優れた透明性を要求する用途においては酸化物の溶剤分散ゾルの利用が好ましい。
また、無機酸化物粒子は、粉体状又は溶剤分散ゾルであることが好ましい。溶剤分散ゾルである場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶媒が好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。このような有機溶媒に分散した市販のフッ化マグネシウムゾルとしては、日産化学工業製MFS−10Pを挙げることができる。
ケイ素酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)として市販されている商品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製商品名:SGフレ−ク等を挙げることができる。
アルミナ粒子の水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、−200、−520;アルミナ粒子のイソプロパノール分散品としては、住友大阪セメント(株)製 商品名:AS−150I;アルミナ粒子のトルエン分散品としては、住友大阪セメント(株)製 商品名:AS−150T等を挙げることができる。
ジルコニア粒子のトルエン分散品としては、住友大阪セメント(株)製 商品名:HXU−110JC;アンチモン酸亜鉛粒子の水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:セルナックス;アルミナ粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化インジウム粒子、酸化亜鉛粒子等の粉末若しくは溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック;ATO粒子の水分散ゾルとしては、石原産業(株) 製 商品名:SN−100D;ITO粉末としては、三菱マテリアル(株)製の製品;酸化セリウム粒子の水分散液としては、多木化学(株)製 商品名:ニードラール等を挙げることができる。
上記特定シランカップリング剤による無機化合物粒子の表面処理方法としては、物理吸着、化学結合を形成する反応のいずれを用いてもよいが、表面処理の効果の観点から化学結合を形成する反応がより好ましい。化学結合を形成する反応としては、特に制限はないが、特定シランカップリング剤と無機化合物粒子とを混合し、加熱、攪拌処理することにより特定シランカップリング剤を加水分解させ、特定シランカップリング剤と無機化合物粒子を化学的に結合させる方法が挙げられる。
無機化合物粒子(1B)の添加量は、(1A)成分と(1B)成分の合計を100質量部としたとき、5〜80質量部とするのが好ましく、さらに好ましくは、10〜75質量部である。無機化合物粒子(1B)の添加量が5質量部未満であると、耐擦傷性が低下するおそれがあり、80質量部を超えると、塗工性が低下するおそれがある。
(1C)活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物
活性エネルギー線の照射又は熱により活性種を発生する化合物は、硬化性樹脂組成物を硬化させるために用いられる。
活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物(以下「光重合開始剤」という。)としては、活性種として、ラジカルを発生する光ラジカル発生剤等が挙げられる。
尚、活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の光エネルギー線が挙げられる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が速く、しかも照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
光ラジカル発生剤の例としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルホリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジル、又はBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン、その他の色素増感剤との組み合わせ等を挙げることができる。
これらの光重合開始剤のうち、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルホリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン等が好ましく、さらに好ましくは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルホリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量は特に制限されるものではないが、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部とするのが好ましい。この理由は、添加量が0.1質量部未満となると、硬化反応が不十分となり耐擦傷性、アルカリ水溶液浸漬後の耐擦傷性が低下する場合があるためである。一方、光重合開始剤の添加量が15質量部を超えると、硬化物の屈折率が増加し反射防止効果が低下する場合があるためである。
また、このような理由から、光重合開始剤の添加量を、(1A)成分と(1B)成分の合計100質量部に対して1〜10質量部とすることがより好ましい。
(1D)分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物は、硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の耐擦傷性を高めるために用いられる。
この化合物については、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であれば特に制限されるものではない。(メタ)アクリロイル基を1個有するモノマーとしては、例えばアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレートで表される化合物を例示することができる。
これらの単官能性モノマーうち、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらの単官能性モノマーの市販品としては、例えばアロニックスM−101、M−102、M−111、M−113、M−117、M−152、TO−1210(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、R−564、R−128H(以上、日本化薬(株))、ビスコート192、ビスコート220、ビスコート2311HP、ビスコート2000、ビスコート2100、ビスコート2150、ビスコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
また、(メタ)アクリロイル基が2個以上のモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等を例示することができる。
これらの多官能性モノマーの市販品としては、例えば、SA1002(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート195、ビスコート230、ビスコート260、ビスコート215、ビスコート310、ビスコート214HP、ビスコート295、ビスコート300、ビスコート360、ビスコートGPT、ビスコート400、ビスコート700、ビスコート540、ビスコート3000、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業(株)製)、カヤラッドR−526、HDDA、NPGDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、THE−330、DPHA、DPHA−2H、DPHA−2C、DPHA−2I、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、T−1420、T−2020、T−2040、TPA−320、TPA−330、RP−1040、RP−2040、R−011、R−300、R−205(以上、日本化薬(株)製)、アロニックスM−210、M−220、M−233、M−240、M−215、M−305、M−309、M−310、M−315、M−325、M−400、M−6200、M−6400(以上、東亞合成(株)製)、ライトアクリレートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A(以上、共栄社化学(株)製)、ニューフロンティアBPE−4、BR−42M、GX−8345(以上、第一工業製薬(株)製)、ASF−400(以上、新日鐵化学(株)製)、リポキシSP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060(以上、昭和高分子(株)製)、NKエステルA−BPE−4(以上、新中村化学工業(株)製)等を挙げることができる。
尚、本発明の組成物には、成分(1D)として、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を含有することが好ましい。さらに好ましくは、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物が特に好ましい。分子内に3個以上(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上記に例示されたトリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メタ)アクリレート化合物、ヘキサ(メタ)アクリレート化合物等の中から選択することができ、これらのうち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが特に好ましい。上記の化合物は、各々1種単独で又は2種以上組み合わせを用いることができる。
また、(メタ)アクリレート化合物はフッ素を含んでいてもよい。このような化合物の例として、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(1D)成分の添加量については、特に制限されるものではないが、(1A)成分と(1B)成分の合計100質量部に対して通常100質量部以下である。この理由は、添加量が100質量部を超えると、硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の屈折率が高くなり、十分な反射防止効果が得られない場合があるためである。
また、このような理由から、(1D)成分の添加量を1〜80質量部とするのがより好ましく、1〜65質量部の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
(1E)有機溶媒
本発明の硬化性樹脂組成物には、さらに有機溶媒を添加することが好ましい。このように有機溶媒を添加することにより、薄膜の反射防止膜を均一に形成することができる。このような有機溶媒としては、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メタノール、エタノール、t−ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
有機溶媒の添加量についても特に制限されるものではないが、有機溶媒を除く成分の合計100質量部に対し、100〜100,000質量部とするのが好ましい。この理由は、添加量が100質量部未満となると、硬化性樹脂組成物の粘度調整が困難となる場合があるためであり、一方、添加量が100,000質量部を超えると、硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下したり、あるいは粘度が低下しすぎて取り扱いが困難となる場合があるためである。
(1F)添加剤
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、(1B)成分以外の無機充填剤若しくは顔料、染料等の添加剤をさらに含有させることも好ましい。
本発明の組成物は、帯電防止層に隣接して形成される層を形成するのに好適である。その理由は、本発明の組成物を硬化させて得られる硬化層を帯電防止層に隣接して形成することで、積層体として耐擦傷性が向上するためである。
以下、本発明の組成物から形成される層に隣接する帯電防止層を形成するための硬化性組成物について説明する。
2.帯電防止層形成用硬化性組成物
本発明の組成物から形成される層に隣接する帯電防止層は、導電性無機化合物粒子を含有する帯電防止層であれば特に限定されないが、下記成分を含有する帯電防止層形成用硬化性組成物から形成されることが好ましい。帯電防止層形成用硬化性組成物は、下記成分(2A)〜(2E)を含み得る。
(2A)導電性無機化合物粒子(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒(2A−3)中で反応させた反応液
(2B)分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する化合物
(2C)重合開始剤
(2D)溶剤
(2E)添加剤
帯電防止層は、上記成分を含有する硬化性組成物を硬化させることにより得られ、その硬化物の表面抵抗は通常1012Ω/□以下、好ましくは1010Ω/□以下である。
これらの成分(2A)〜(2E)について以下説明する。
(2A)導電性無機化合物粒子(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒(2A−3)中で反応させた反応液
帯電防止層形成用硬化性組成物に用いられる成分(2A)は、導電性無機酸化物粒子(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒(2A−3)中で反応させて得られるものである。成分(2A)を含有することにより、導電性が発現され、帯電防止層としての機能を有する。また、導電性無機化合物粒子とアルコキシシラン化合物とを予め反応させた反応液を用いることによって、保存安定性及び硬化性に優れるという効果が得られる。
(2A−1)導電性無機酸化物粒子
成分(2A)に用いる導電性無機酸化物粒子(2A−1)は、得られる帯電防止層に導電性を付与する機能を有する。導電性無機酸化物粒子(2A−1)の形状は特に制限されないが、球状、針状、鱗片状等であり得る。針状及び鱗片状粉末を含む場合、少量の添加で硬化物中に導電路を有効に形成することができる。
導電性無機酸化物粒子が球状の場合、その数平均粒子径は、30nm〜2μmであることが好ましい。また、導電性無機酸化物粒子が針状の場合、その平均粒子径は、30nm〜2μmであることが好ましい。ここで、導電性無機酸化物粒子が針状の場合の数平均粒子径は、針状粒子の長径をいう。この理由は、導電性無機酸化物粒子の数平均粒子径が30nm未満になると、硬化塗膜中に導電路が形成されにくくなるため、帯電防止性が著しく損なわれる場合があるためであり、2μmを超えると、組成物中において導電性無機酸化物の粒子を均一に分散させることが困難となるおそれがあり、また、導電性無機酸化物粒子が沈降しやすくなり、保存安定性に欠けるおそれがあるためである。さらには、導電性無機酸化物粒子の数平均粒子径が2μmを超えると、得られる反射防止膜の透明性が低下したり、濁度(Haze値)が上昇する場合があるためである。従って、導電性無機酸化物の数平均粒子径を30nm〜2μmの範囲内の値とするのがより好ましく、10nm〜1μmの範囲内の値とするのがより好ましい。
また、導電性無機酸化物の種類は、粒子の体積固有抵抗値や屈折率の調整の容易さを考慮して決定することが好ましいが、より具体的には、アンチモン含有酸化錫、(ATO、屈折率1.95)、インジウム含有酸化錫(ITO、屈折率1.95)、酸化スズ(SnO2、屈折率2.00)、酸化チタン(TiO2、屈折率2.3〜2.7)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率1.90)、酸化インジウム(I25)、酸化アンチモン(Sb25、屈折率2.1)、硫化亜鉛(ZnS、屈折率2.4)酸化セレン(SeO5、屈折率1.75)、酸化タングステン(W25)、アンチモン酸亜鉛(AZO、屈折率1.90)、ガラスセラミックス、酸化バナジウム(V25、屈折率1.76)等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。ただし、これらの導電性無機酸化物のうち、比較的少量の添加で硬化後の屈折率の値を1.6以上の値に容易に調節することができ、しかも帯電防止機能を付与できることから、屈折率が1.9以上の導電性無機酸化物を使用することが好ましい。このような導電性無機酸化物としては、アンチモン含有酸化錫(ATO)及びインジウム含有酸化錫(ITO)が特に好ましい。
上記導電性無機酸化物粒子(2A−1)の粉体としての市販品としては、例えば、三菱マテリアル(株)製 商品名:T−1(ITO)、三井金属(株)製 商品名:パストラン(ITO、ATO)、石原産業(株)製 商品名:SN−100P(ATO)、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテックITO、日産化学工業(株)製 商品名:ATO、FTO等を挙げることができる。
導電性無機酸化物粒子(2A−1)は、その表面に酸化ケイ素を担持してなるものが、アルコキシシラン化合物(2A−2)と特に効果的に反応することから好ましい。このような酸化ケイ素を担時する方法としては、例えば、特許公報第2858271号に開示されており、酸化錫及び酸化アンチモンの水和物の共沈物を生成させた後、ケイ素化合物を沈着させ、分別、焼成する工程により製造することができる。
その表面に酸化ケイ素を担持してなる導電性無機酸化物粒子(2A−1)の市販品としては、例えば、石原産業(株)製 商品名:SN−100P(ATO)、及びSNS−10M、FSS−10M等を挙げることができる。
導電性無機酸化物粒子(2A−1)を有機溶媒に分散した市販品としては、例えば、石原産業(株)製 商品名:SNS−10M(MEK分散のアンチモンドープ酸化錫)、FSS−10M(イソプロピルアルコール分散のアンチモンドープ酸化錫)、日産化学工業(株)製 商品名:セルナックスCX−Z401M(メタノール分散のアンチモン酸亜鉛)、セルナックスCX−Z200IP(イソプロピルアルコール分散のアンチモン酸亜鉛)等を挙げることができる。
粉体状の導電性無機酸化物粒子(2A−1)を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、導電性無機酸化物粒子(2A−1)に対して、分散剤、有機溶媒を添加し、分散メディアとしてジルコニア、ガラス、アルミナのビーズを加えてペイントシェーカーやヘンケルミキサー等で高速攪拌し分散する方法を挙げることができる。分散剤の添加量は、組成物全体の0.1〜5質量%が好ましい。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリエーテルのリン酸エステルやポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック重合物、ノニルフェニルポリエーテル、セチルアンモニウムクロライド等の、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤を挙げることができる。
(ii)有機溶媒(2A−3)
帯電防止層形成用硬化性組成物に用いられる有機溶媒は、前述のように、導電性無機酸化物粒子(2A−1)を分散させる分散媒として用いられる。
有機溶媒(2A−3)の配合量は、導電性無機酸化物粒子(2A−1)100質量部に対し、好ましくは、20〜4,000質量部、さらに好ましくは、100〜1,000質量部である。溶媒量が20質量部未満であると、粘度が高いため均一の反応が困難であることがあり、4,000質量部を超えると、塗布性が低下することがある。
このような有機溶媒としては、例えば、常圧での沸点が200℃以下の溶媒を挙げることができる。具体的には、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類、アミド類が用いられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類が好ましい。
ここで、アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、n―ブタノール、tert―ブタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等を挙げることができる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。エーテル類としては、例えば、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等を挙げることができる。炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等を挙げることができる。アミド類としては、例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等を挙げることができる。
中でも、イソプロピルアルコール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸エチル等が好ましい。
(iii)アルコキシシラン化合物(2A−2)
帯電防止層形成用硬化性組成物に用いられるアルコキシシラン化合物(A−2)としては、分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]及び/又はチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]並びに不飽和2重結合を有するアルコキシシラン化合物が好適に用いられる。このようなアルコキシシラン化合物(2A−2)としては、例えば、下記式(17)で示されるアルコキシシラン化合物を挙げることができる。
(CH)(R32O)3―cSi−X−S−C(=O)−NH−Y−NH−C(=O)−O−Z−[−OC(=O)−CR33=CH (17)
式(17)中、R32は炭素数1〜6のアルキル基、cは1又は2、Xは炭素数1〜6の2価のアルキレン基、Yは鎖状、環状、分岐状いずれかの炭素数3〜14の2価の炭化水素基、Zは2〜6価の鎖状、環状、分岐状いずれかの炭素数2〜14の2価の炭化水素基であり、基Z内にエーテル結合を含んでもよい、R33は水素原子又はメチル基、dは1〜5の整数である。
尚、アルコキシシラン化合物(2A−2)の配合量は、成分(2A)の全固形分に対して、好ましくは、5〜50質量%、さらに好ましくは、5〜35質量%である。アルコキシシラン化合物(2A−2)が5質量%未満であると、硬化膜の透明性が低下することがあり、50質量%を超えると帯電防止性能が不足することがある。
また、アルコキシシラン化合物(2A−2)は、メルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類との反応生成物として製造することができる。
アルコキシシラン化合物(2A−2)の好ましい製造方法としては、例えば、メルカプトアルコキシシランとジイソシアネート類との反応によりチオウレタン結合で結合した中間体を製造後、残存するイソシアネートと水酸基含有の(メタ)アクリレート類とを反応させることによりウレタン結合で結合した生成物とする方法を挙げることができる。
ジイソシアネート類と水酸基含有の(メタ)アクリレート類との反応により初めにウレタン結合で結合した中間体を製造後、残存イソシアネートとメルカプトアルコキシシラン類とを反応させることによっても同一生成物は得られるが、メルカプトアルコキシシラン類と(メタ)アクリル基との付加反応が併発するその純度は低く、ゲル状物を形成することがあり好ましくない。
アルコキシシラン化合物(2A−2)を得るためのメルカプトアルコキシシラン類としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。中でも、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。メルカプトアルコキシシランの市販品としては、例えば、東レダウ・コーニング(株)製 商品名:SH6062を挙げることができる。
ジイソシアネート類としては、例えば、1,4―ブチレンジイソシアネート、1,6―ヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ビスフェノールAジイソシアネート、2,4―トルエンジイソシアネート、2,6―トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。中でも、2,4―トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネ−ト化合物の市販品としては、例えば、三井日曹ウレタン(株)製 商品名:TDI−80/20、TDI−100、MDI−CR100、MDI−CR300、MDI−PH、NDI、日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネ−トT、ミリオネ−トMT、ミリオネ−トMR、HDI、武田薬品工業(株)製 商品名:タケネ−ト600等を挙げることができる。
アルコキシシラン化合物(2A−2)中の不飽和2重結合を形成する化合物としては、水酸基含有の(メタ)アクリレート類を挙げることができる。このような水酸基含有の(メタ)アクリレート類としては、例えば、2―ヒドロキシルエチルアクリレート、2―ヒドロキシルエチルメタクリレート、2―ヒドロキシルプロピルアクリレート、2―ヒドロキシルプロピルメタクリレート、4―ヒドロキシルブチルアクリレート、4―ヒドロキシルブチルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートを挙げることができる。好ましい水酸基含有(メタ)アクリレートは、水酸基含有アクリレート類であり、さらに好ましくは、2―ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
これらのメルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。また、アルコキシシラン化合物(2A−2)を製造する場合の好ましいメルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類の配合割合は、メルカプトアルコキシシラン類に対するジイソシアネート類のモル比として、好ましくは、0.8〜1.5、さらに好ましくは、1.0〜1.2であり、ジイソシアネートに対する水酸基含有(メタ)アクリレート類のモル比として、好ましくは、1.0〜1.5、さらに好ましくは、1.0〜1.2である。メルカプトアルコキシシラン類に対するジイソシアネート類のモル比が0.8未満であると、組成物の保存安定性が低下することがある。1.5を超えると、分散性が低下することがある。
ジイソシアネートに対する水酸基含有(メタ)アクリレート類のモル比が1.0未満であると、ゲル化することがあり、1.5を超えると、帯電防止性が低下することがある。
尚、アルコキシシラン化合物(2A−2)の製造は、通常、アクリル基の嫌気性重合を防止し、アルコキシシランの加水分解を防止するため、乾燥空気中で行うことが好ましい。また、反応温度は0℃から100℃が好ましく、さらに好ましくは、20℃から80℃である。
また、製造時間を短縮することを目的にウレタン反応で公知の触媒を添加してもよく、そのような触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2―エチルヘキサノエート)、オクチル錫トリアセテートを挙げることができる。これら触媒の添加量はジイソシアネート類との合計に対して、0.01質量%〜1質量%である。
また、アルコキシシラン化合物(2A−2)の熱重合を防止する目的で、製造時に熱重合禁止剤を添加してよく、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンを挙げることができる。熱重合禁止剤の添加量は、水酸基含有(メタ)アクリレート類との合計に対して、好ましくは、0.01質量%〜1質量%である。
アルコキシシラン化合物(2A−2)の製造は、溶媒中で行うこともできる。溶媒としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン類、ジイソシアネート類、水酸基含有の(メタ)アクリレート類ジイソシアネートと反応せず、沸点が200℃以下の溶媒の中から適宜選択することができる。
このような溶媒の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、トルエン、キシレン等の炭化水素類を挙げることができる。
(iv)導電性無機化合物粒子(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)との反応
成分(2A)である反応液は、導電性無機化合物(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒(2A−3)中で反応させることにより得られるものであるが、導電性無機化合物粒子(2A−1)上に、分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]チオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]、及び/又は不飽和2重結合を有する有機基を化学結合させたものを含む液を得ることを意図したものである。
このような反応液(X)が極めて良好な分散性を有することから、上記の有機基は、シロキシ基(Si―O―)を介した化学結合により導電性無機化合物粒子(2A−1)の表面に固定されていると推定される。具体的な反応操作としてはアルコキシシラン化合物(2A−2)を導電性無機化合物(2A−1)の存在下、加水分解することにより行うことができる。
この反応においては、アルコキシシラン化合物(2A−2)の加水分解により、アルコキシ基は一旦シラノール基(Si―OH)に変換され、このシラノール基が導電性無機化合物粒子(2A−1)上の金属水酸化物(M―OH)と反応し、メタロキサン結合(M―O―Si)を形成することで固定されると推定される。好ましい製造方法は、導電性無機化合物(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)及び有機溶媒(2A−3)の混合物に水を加え、加水分解する手順で調製することができる。
水の添加量は、アルコキシシラン化合物(2A−2)中の全アルコキシ当量に対して、好ましくは、0.5〜1.5当量であり、アルコキシシラン化合物(2A−2)100質量部に対して0.5〜5.0質量%添加することが好ましい。用いる水はイオン交換水又は蒸留水が好ましい。
加水分解反応は、有機溶媒(2A−3)の存在下、0℃〜成分の沸点以下の温度、通常、30℃〜100℃で1時間から24時間加熱攪拌することにより行うことができる。有機溶媒としては、予め有機溶媒(2A−3)に分散した導電性無機酸化物粒子(2A−1)を用いる場合はそのままで行うことができるが、別途有機溶媒(2A−3)を添加してもよい。
尚、加水分解を行う際、反応を促進するため、触媒として酸又は塩基を添加してもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、蟻酸、蓚酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の有機酸や、テトラメチルアンモニウム塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩を挙げることができる。
塩基としては、例えば、アンモニア水、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができるが、好ましい触媒は、酸であり、より好ましくは有機酸である。これら触媒の添加量はアルコキシシラン化合物(2A−2)100質量部に対して、好ましくは、0.001質量部〜1質量部、さらに好ましくは0.01質量部〜0.1質量部である。
尚、加水分解反応の終了時に脱水剤を添加することにより導電性無機化合物粒子(2A−1)上へのアルコキシシラン化合物(2A−2)の加水分解物の固定をより効果的に行うことができる。
脱水剤としては、有機カルボン酸オルトエステル及びケタールであり、具体的には、例えば、オルト蟻酸メチルエステル、オルト蟻酸エチルエステル、オルト酢酸メチルエステル、オルト酢酸エチルエステル等及びアセトンジメチルケタ−ル、ジエチルケトンジメチルケタ−ル、アセトフェノンジメチルケタ−ル、シクロヘキサノンジメチルケタ−ル、シクロヘキサノンジエチルケタ−ル、ベンゾフェノンジメチルケタ−ル等を挙げることができる。中でも、好ましくは有機カルボン酸オルトエステル類であり、さらに好ましくはオルト蟻酸メチルエステル、オルト蟻酸エチルエステルである。
これらの脱水剤は、組成物中に含まれる水分量と当モル以上10倍モル以下、好ましくは当モル以上3モル以下加えることができる。当モル未満であると、保存安定性向上が十分でないことがある。また、これら脱水剤は、組成物の調製後加えることが好ましい。これにより、組成物の保存安定性及びアルコキシシラン化合物(2A−2)の加水分解物中のシラノール基と導電性無機化合物粒子(2A−1)との化学結合形成が促進される。
(v)非導電性粒子の併用
本発明に用いられる反応液は、上述のように、導電性無機化合物粒子(2A−1)とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒(2A−3)中で反応させて得られるものであるが、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒中で反応させて得られる反応液を併用してもよい。
非導電性粒子の量は、組成物の全固形分中0〜60質量%が好ましく、10〜40質量%が、さらに好ましい。非導電性粒子の量が60質量%を超えると、帯電防止機能が低下するおそれがある。
粒子として、導電性無機酸化物粒子(2A−1)と非導電性粒子とを併用することにより、帯電防止機能を低下させない範囲、すなわち硬化膜としたときの表面抵抗として1012Ω/□以下の値を維持しながら、屈折率と透明性を向上させることができる。
このような非導電性粒子としては、導電性無機酸化物粒子(2A−1)以外の粒子であって、屈折率が1.65以上の無機酸化物が好ましい。具体的には、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化インジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子を挙げることができる。
非導電性粒子の1次粒子径は、乾燥粉末をBET吸着法によって求めた値として、好ましくは、0.1μm以下であり、さらに好ましくは、0.01μm〜0.001μmである。0.1μmを超えると、組成物中で沈降が発生したり、塗膜の平滑性が低下することがある。
これら非導電性粒子を帯電防止層形成用硬化性組成物に配合する場合、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(2A−2)とを有機溶媒中で加水分解したのち混合することが好ましい。この処理により、非導電性粒子の分散安定性が良好になる。この処理なしで直接混合した場合、透明性が低下することがある。非導電性粒子とアルコキシシラン化合物(2A−2)の有機溶媒中での加水分解処理は、前述の導電性無機酸化物粒子(2A−1)と同様に行うことができる。
非導電性粒子の市販品としては、例えば、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック(酸化錫、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化セリウム)、多木化学(株)製 商品名:ニードラール(酸化セリウムゾル)、石原産業(株)製 商品名:チタニアゾル、日産化学工業(株)製 商品名:サンコロイド(メタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルエチルケトン、エトキシエタノール分散の5酸化アンチモン分散ゾル)、住友大阪セメント(株)製(トルエン、メチルエチルケトン分散のジルコニアゾル)等を挙げることができる。
(2B)分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する化合物
帯電防止層形成用硬化性組成物に用いられる成分(2B)は、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する化合物であり、その配合量は、帯電防止性能と屈折率とを高めるためには、帯電防止層形成用組成物中の全固形分に対し、好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下である。成分(2B)の具体例としては、メタ)アクリルエステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。ビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等を挙げることができる。これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なかでも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート等が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、優れた耐擦傷性、優れた有機溶媒耐性を有する帯電防止層が得られるからである。
(2C)重合開始剤
本発明で用いる帯電防止層形成用硬化性組成物は、加熱又は放射線照射のみで硬化するが、硬化速度をさらに高めるため、重合開始剤(2C)として熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤を配合してもよい。尚、本発明において、放射線とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
重合開始剤(2C)の配合量は、組成物中の固形分100質量部中に、好ましくは、0.1〜10質量部、さらに好ましくは、0.5〜7質量部である。重合開始剤(2E)は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドが好ましい。
これらの光重合開始剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア1116、1173、BASF社製ルシリンLR8728、UCB社製 商品名:ユベクリルP36等を挙げることができる。中でも、イルガキュア184、651、907、ダロキュア1173、ルシリンLR8728が好ましい。
本発明においては、必要に応じて光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用することができる。
好ましい熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、ア
ゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
(2D)溶剤
溶剤は、帯電防止層形成用硬化性組成物の塗布性を高めるために用いられる。溶剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基含有アルコール類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のヒドロキシエステル類、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸ブチル等のβ―ケトエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類からなる群から選択される少なくとも一種の有機溶媒を使用することが好ましい。これらの中で、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類がより好ましい。
また、(2D)溶剤の添加量は、導電性無機酸化物粒子100質量部に対して、2,000〜10,000質量部の範囲内である。この理由は、上記範囲外となると、硬化性組成物を光学膜厚で均一に塗布することが困難となり、硬化性組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の塗膜外観及び反射防止性が劣る場合があるためである。また、上記の理由により、(2D)溶剤の添加量を、2,000〜7,000質量部の範囲内とすることが好ましく、2,000〜5,000質量部の範囲内とするのがより好ましい。
(2E)添加剤
帯電防止層形成用硬化性組成物には、その他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、滑材、溶媒等を必要に応じて配合することができる。酸化防止材としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等、紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン P234、320、326、327、328、213、329、シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ102、103、501、202、712等、光安定剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共(株)製 商品名:サノ−ルLS770、LS440、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ TM−061等を挙げることができる。
このようにして得られた、帯電防止層形成用硬化性組成物の粘度は、通常25℃において、5〜200,00 mPa・sであり、好ましくは10〜10,000 mPa・sである。
次に帯電防止層形成用硬化性組成物からなる硬化膜の製造方法について説明する。帯電防止層形成用硬化性組成物は溶液状で塗布することができ、得られた塗膜を硬化させることによって基材の上に帯電防止層が形成される。尚、基材としては表面にハードコート層が形成されたものであってもよい。
3.積層体
次に本発明の積層体が反射防止膜である場合について図1を参照しながら説明する。本発明の積層体からなる反射防止膜の基本的構成を図1に示す。図1は、かかる反射防止膜10を示す。図1に示すように、基材12の上に、上記帯電防止層形成用硬化性組成物からなる帯電防止層14と、帯電防止層14と比較して波長589nmにおける屈折率が低い、本発明の硬化性樹脂組成物からなる低屈折率層(硬化膜層)18が積層されている。
(帯電防止層14の形成)
上記帯電防止層形成用硬化性組成物を硬化させて得られる帯電防止層14は、基材12の上に形成される。帯電防止層形成用硬化性組成物によるコーティング方法としては、ロールコート、スプレーコート、フローコート、デイピング、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の方法を適用することができる。また、帯電防止層形成用硬化性組成物を硬化する手段も特に制限されないが、例えば、放射線を照射することによっても硬化することが好ましい。この場合、例えば、紫外線照射装置(メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等)を用いて、0.001〜10J/cmの光照射条件のもとで行なうことができるが、照射条件はこれに限定されない。0.01〜5J/cmがより好ましく、0.1〜3J/cmがさらに好ましい。帯電防止層の屈折率の変化の程度は、金属酸化物粒子の含有量、種類、組成、及び硬化性化合物の含有量、種類等により、例えば1.6〜2.2に調整できる。また、基材の上に帯電防止層を直接形成する場合には、帯電防止層の厚さは0.05μm〜50μm、好ましくは0.5μm〜5μmの範囲である。
(低屈折率層(硬化膜層)の形成)
続いて、本発明の硬化性樹脂組成物を帯電防止層14に対して塗布(コーティング)して、低屈折率層(硬化膜層)用の塗膜を形成することが好ましい。このようなコーティング方法としては、特に制限されるものでないが、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等のコーティング方法を用いることができる。本発明の硬化性樹脂組成物からなる塗膜を硬化させる手段も特に制限されるものではないが、例えば加熱することが好ましい。この場合、30〜200℃、10秒〜180分間の条件で加熱するのが好ましい。この理由は、このような加熱条件であれば、基材や形成される反射防止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止膜を得ることができるためである。上記の理由により、低屈折率層(硬化膜層)を形成する際の加熱条件としては、50〜160℃で、20秒〜120分間加熱することがより好ましく、60〜140℃で、30秒〜60分間加熱することがさらに好ましい。
低屈折率層(硬化膜層)の膜厚は、0.05〜1μmの範囲内である。この理由は、かかる低屈折率層の膜厚が0.05μm未満となると、反射防止効果や、基材に対する密着性が低下する場合があるためである。一方、低屈折率層の膜厚が1μmを超えると、光干渉が生じずに反射防止効果が低下する場合があるためである。また、上記の理由により、膜厚を0.05〜0.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.06〜0.2μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、基材12として表面にハードコート層が備えられたものを用いることで、基材12と帯電防止層14との間にハードコート層を介在させることも可能である。この場合、帯電防止層14は、低屈折率層18と比較して波長589nmにおける屈折率が高い高屈折率層として機能する。この場合の帯電防止層14の厚さは、1nm〜500nm、好ましくは20nm〜300nm、特に好ましくは50〜200nmの範囲である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
(製造例1) エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A)(メタアクリル変性フッ素重合体)の合成
(1)水酸基含有含フッ素重合体の製造
内容積2.0リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)53.2g、エチルビニルエーテル36.1g、ヒドロキシエチルビニルエーテル44.0g、過酸化ラウロイル1.00g、アゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001(商品名)、和光純薬工業(株)製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30(商品名)、旭電化工業(株)製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いでヘキサフルオロプロピレン120.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×10Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×10Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。これを水酸基含有含フッ素重合体とする。使用した単量体と溶剤の仕込み量を表1に示す。
Figure 2008031327
得られた水酸基含有含フッ素重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量を測定した。また、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果及び元素分析結果から、水酸基含有含フッ素重合体を構成する各単量体成分の割合を決定した。また、フッ素含量は、13C−NMRによる重合体の組成分析により求めた組成から算出した。結果を表2に示す。
Figure 2008031327
尚、VPS1001は、数平均分子量が7〜9万、ポリシロキサン部分の分子量が約10,000の、前記式(11)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサンである。NE−30は、上記式(14)において、nが9、mが1、uが30であるノニオン性反応性乳化剤である。
さらに、表2において、単量体と構造単位との対応関係は以下の通りである。
単量体 構造単位
ヘキサフルオロプロピレン (a)
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル) (a)
エチルビニルエーテル (b)
ヒドロキシエチルビニルエーテル (c)
NE−30 (f)
ポリジメチルシロキサン骨格 (d)
(2)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の製造
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、上記(1)で得られた水酸基含有含フッ素重合体を50.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g及びメチルイソブチルケトン(MIBK)370gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート15.1gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.1gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体AのMIBK溶液を得た。
この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、15.0質量%であった。使用した化合物、溶剤及び固形分含量を表3に示す。
Figure 2008031327
(製造例2−1) シリカ粒子(B−1)の調製
固形分が20質量%、pHが2.7、BET法での比表面積が226m/g、メチルレッド吸着法により求めたシリカ粒子上のシラノール濃度が4.1×10−5モル/g、原子吸光法で求めた溶媒中の金属含量が、Naとして4.6ppm、Caとして0.013ppm、Kとして0.011ppmのメチルエチルケトンシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST−L、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)30kgをタンクに入れ、50℃に加熱し、循環流量50リットル/分、圧力1kg/cmで、限外濾過膜モジュール((株)トライテック製)及びアルミナ製限外濾過膜(日本碍子(株)製、商品名:セラミックUFエレメント、仕様:4mmΦ、19穴、長さ1m、分画分子量=15万、膜面積=0.24m)を用いて濃縮を行った。0.5時間後、10kgの濾液を排出したところ、固形分は30質量%となった。濃縮開始前の平均透過流速(限外濾過膜の単位面積、単位時間あたりの膜透過質量)は90kg/m/時間であり、濃縮終了時は55kg/m/時間であった。透過型顕微鏡法で求めた数平均粒子径は30〜40nmと濃縮前後で変化しなかった。
前述の工程終了後、メタノール14kgを加え、温度50℃、循環流量50リットル/分、圧力1kg/cmで前記限外濾過膜モジュール及び限外濾過膜を用いて濃縮を行い、14kgの濾液を排出する操作を6回繰り返すことで、固形分30質量%、カールフィッシャー法で求めた水分量が1.5質量%、動的光散乱法で求めた数平均粒子径が11nmのメタノール分散コロイダルシリカ20kgを調製した。6回の平均透過流速は60kg/m/時間、所要時間は6時間であった。得られたメタノール分散コロイダルシリカのBET法での比表面積は237m/g、メチルレッド吸着法により求めたシリカ粒子上のシラノール濃度は3.5×10−5モル/gであった。以上により得られたメタノール分散コロイダルシリカを「B−1」とする。
(製造例2−2) アクリル変性シリカ粒子(B−2)の調製
(1)特定シランカップリング剤の製造
攪拌機付きの容器内のメルカプトプロピルトリメトキシシラン221部及びジブチル錫ジラウレート1部の混合溶液に、イソホロンジイソシアネート222部を、乾燥空気中、50℃で1時間かけて滴下した後、さらに70℃で3時間攪拌した。
続いて、この反応溶液中に新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60質量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40質量%からなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)549部を30℃で1時間かけて滴下した後、さらに60℃で10時間攪拌して反応液を得た。
この反応液中の生成物、すなわち、重合性不飽和基を有する有機化合物における残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1質量%以下であり、各反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550cm−1の吸収ピーク及び原料イソシアネート化合物に特徴的な2260cm−1の吸収ピ−クが消失し、新たにウレタン結合及びS(C=O)NH−基に特徴的な1660cm−1のピーク及びアクリロキシ基に特徴的な1720cm−1のピークが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロキシ基と−S(C=O)NH−、ウレタン結合を共に有するアクリロキシ基修飾アルコキシシランが生成していることを示した。
以上により、チオウレタン結合と、ウレタン結合と、アルコキシシリル基と、重合性不飽和基とを有する化合物773部と反応に関与しなかったペンタエリスリトールテトラアクリレート220部の組成物(Bb−1)(特定シランカップリング剤)を得た。
(2)アクリル変性シリカ粒子(B−2)の製造
合成した特定シランカップリング剤(Bb−1)8.7部、メチルエチルケトンシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST−L、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)91.3部(固形分27.4部)、イソプロパノール0.2部及びイオン交換水0.1部の混合液を、80℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで無色透明の粒子分散液を得た。得られた粒子分散液をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、35質量%であった。
このシリカ系粒子の平均粒子径は、20nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
(製造例2−3) アクリル変性シリカ粒子(B−3)の調製
メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン2.8部、メチルエチルケトンシリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST−L、数平均粒子径45nm、シリカ濃度30%)95.6部(固形分27.4部)及びイオン交換水0.1部の混合液を、80℃、3時間撹拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.4部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱撹拌することで粒子分散液を得た。固形分含量を求めたところ32質量%であった。
このシリカ系粒子の平均粒子径は45nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
(製造例3) シリカ粒子含有ハードコート層形成用組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、製造例2−2で合成したアクリル変性シリカ粒子(B−2)を75部(固形分として27部)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート14.3部、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート9.5部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン0.6部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン0.6部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液のハードコート層用組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、50質量%であった。
(製造例4−1) アンチモン含有酸化スズ(ATO)含有帯電防止層形成用組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、ATO:アンチモンドープ酸化錫粒子(石原産業(株)社製SN−100P、一次粒子径50nm)を27.315部(固形分として8.85部)、テトラメチロールメタントリアクリレート0.86部、p−メトキシフェノール(0.003部)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン0.288部、MeOH4.035部、PGME67.5部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液のハードコート層用組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、50質量%であった。
(製造例4−2) リン含有酸化スズ(PTO)含有帯電防止層形成用組成物の調製
リン含有酸化錫分散液(触媒化成工業(株)製 ELCOM JX−1001PTV、分散溶媒 プロピレングリコールモノメチルエーテル、リン含有酸化錫30質量%、平均一次粒子径50nm、分散剤2.17質量%含有)を30.67部(固形分として4.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA 以下B−1と称する場合がある。)12.765部、トリシクロデカンジイルジメタノールジアクリレート15.6部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン1.035部、及びMeOH55.53部、を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液の帯電防止層形成用組成物1を得た。この帯電防止層形成用組成物1をアルミ皿に2g秤量後、140℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、35質量%であった。また、帯電防止層形成用組成物1を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、60質量%であった。
(製造例5−1) 硬化性樹脂組成物塗工用基材(P−1)の作製
片面易接着ポリエチレンテレフタレートフィルムA4100(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)の易接着処理面に、製造例3で調製したシリカ粒子含有ハードコート層用組成物をワイヤーバーコータで膜厚5μmとなるように塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。続いて、形成した塗膜上に製造例4−1で調製したアンチモン含有酸化スズ(ATO)含有帯電防止層用組成物をワイヤーバーコータで膜厚100nmとなるように塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成し、硬化性樹脂組成物塗工用基材を作製した。
(製造例5−2) 硬化性樹脂組成物塗工用基材(P−2)の作製
片面易接着ポリエチレンテレフタレートフィルムA4100(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)の易接着処理面に、製造例4−2で調製したリン含有酸化スズ(PTO)含有帯電防止層用組成物をワイヤーバーコータで膜厚2μmとなるように塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成し、硬化性樹脂組成物塗工用基材を作製した。
(製造例5−3) 硬化性樹脂組成物塗工用基材(P−3)の作製
片面易接着ポリエチレンテレフタレートフィルムA4100(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)の易接着処理面に、製造例3で調製したシリカ粒子含有ハードコート層用組成物をワイヤーバーコータで膜厚5μmとなるように塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成し、硬化性樹脂組成物塗工用基材を作製した。
(実施例1)
表4に示すように、製造例1で得たエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体AのMIBK溶液を477.3部((1A)成分の固形分として71.6部)、ペンタエリスリトールヒドロキシトリアクリレート(HIPENNY、新中村化学工業(株)製、(1D)成分)7.6部、アクリロイルモルホリン(ACMO、興人製、(1D)成分)5部、光重合開始剤として2−ベンジル―2−ジメチルアミノ―1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)4.8部、アクリル変性ポリジメチルシロキサン(サイラプレーンFM7725、チッソ(株))1部、及びMIBK314部、メチルアミルケトン157部、及び製造例2−3で得られたアクリル変性シリカ粒子(B−3)32.79部(固形分として10部)を、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、室温にて1時間攪拌し均一な硬化性樹脂組成物を得た。また、この硬化性樹脂組成物をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、3.5質量%であった。
(実施例2、比較例1〜4、参考例1〜3)
表4の組成に従った他は、実施例1と同様にして各硬化性組成物を得た。表中の成分の組成単位は質量%である。
Figure 2008031327
(評価例1) 耐擦傷性試験(スチールウール耐性テスト)
実施例1〜2、比較例1〜4及び参考例1〜3で得られた各硬化性樹脂組成物を、ワイヤーバーコータを用いて製造例4−1〜4−3で得られた基材P−1〜P−3上に膜厚0.1μmとなるように塗工し、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。得られた硬化膜を、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール(株)製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB−301、テスター産業(株)製)に取りつけ、硬化膜の表面を荷重2.8kgの条件で10回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視で確認し、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
◎ :硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められない。
○ :硬化膜にわずかな細い傷が認められる。
○△:硬化膜に部分的に細い傷が認められる。
△ :硬化膜全面に傷が認められる。
△×:硬化膜全面に傷が認められる。
× :硬化膜の剥離が生じる。
(評価例2) 耐薬品性試験(エタノールラビング耐性テスト)
評価例1と同様にして得られた硬化膜のエタノール耐性テストを次に示す方法で実施した。即ち、エタノールを染み込ませた不織布(BEMCOT S−2、旭化成工業社製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB−301、テスター産業(株)製)に取りつけ、硬化膜の表面を荷重2.8kgの条件で20回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視で確認し、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
○:硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められない。
△:硬化膜に細い傷が認められる。
×:硬化膜の一部に剥離が生じ、又は硬化膜の表面に筋状の傷が発生した。
(評価例3) 透過率試験、ヘーズ試験
評価例1で得られた各反射防止膜について、カラーヘーズメーターで光線透過率及びヘーズを測定し、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
・ヘーズ試験
○:1.1以下
△:1.1超
・光線透過率
○:91.9以上
△:91.9未満
本発明の硬化性樹脂組成物は、耐擦傷性、塗工性及び耐久性に優れ、特に反射防止膜において帯電防止層と隣接する低屈折率層を形成するのに有用である。
本発明の一実施形態による反射防止膜の断面図である。
符号の説明
10 反射防止膜
12 基材
14 帯電防止層
18 低屈折率層(硬化膜層)

Claims (8)

  1. 導電性無機化合物を含有する帯電防止層に隣接する層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物であって、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(1A)と、下記式(1)で表されるシランカップリング剤によって修飾された無機化合物粒子(1B)を含有する硬化性樹脂組成物。
    Figure 2008031327
    (式(1)中、R21はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、又はアクリルアミド基、R22は分子量が150以下である有機基、Qはアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシル基、アミノ基、又はハロゲン原子、a、bは1から3の整数を示す)
  2. 前記式(1)で表されるシランカップリング剤が、下記式(2)で表される請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2008031327
    (式(2)中、R23は水素原子、又はメチル基、R24は炭素数1〜10の炭化水素基、R25はアルキル基を示し、a、bは式(1)で定義した通りである)
  3. 前記無機化合物粒子の数平均粒子径が30〜100nmである請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記無機化合物粒子が中実粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記無機化合物粒子が中空粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記帯電防止層に含有される導電性無機化合物粒子の数平均粒子径が30〜100nmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記帯電防止層に含有される導電性無機化合物粒子が、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選択される一又は二以上の金属酸化物からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 導電性無機化合物粒子を含有する帯電防止層と、該帯電防止層に隣接して設けられ、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物から形成された層と、を備えた積層体。
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