JP2009244684A - 反射防止積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材上に、リン酸基を有するリン酸エステル系帯電防止剤と微粒子とバインダー樹脂とを含有する低屈折率層形成塗工物が架橋硬化して形成される低屈折率層を積層してなる反射防止積層体である。
【選択図】図1
Description
また、上記特許文献2及び3に開示される帯電防止性能を付与する方法は、反射防止積層体の最表面にある低屈折率層に帯電防止剤を添加するため、帯電防止性能の発現には優れるが、帯電防止剤と低屈折率層を構成する硬化性樹脂との相溶性が良くないため、耐擦傷性などの表面硬度の点で十分ではないといった問題があった。
(1)透明基材上に、リン酸基を有するリン酸エステル系帯電防止剤と微粒子とバインダー樹脂とを含有する低屈折率層形成塗工物が架橋硬化して形成される低屈折率層を積層してなる反射防止積層体、
(2)リン酸エステル系帯電防止剤が、電離放射線硬化性である上記(1)に記載の反射防止積層体、
(3)微粒子が、空隙を有する微粒子である上記(1)又は(2)に記載の反射防止積層体、
(4)微粒子が、表面処理されたものである上記(3)に記載の反射防止積層体、及び
(5)バインダー樹脂が、電離放射線硬化性樹脂である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の反射防止積層体、
を提供するものである。
以下、透明基材2から順に説明する。
本発明で用いられる透明基材2は、一般的に反射防止膜の基材として用いられる透明なものであれば特に限定されないが、好ましくはプラスチックフィルム、プラスチックシートなどを用途に応じて適宜選択することができる。
透明基材2の厚さについては特に制限はないが、通常25〜1000μm程度であり、耐久性やハンドリング性などを考慮すると、40〜80μmが好ましい。
低屈折率層3は、リン酸基を有するリン酸エステル系帯電防止剤と微粒子とバインダー樹脂とを含有する低屈折率層形成塗工物が架橋硬化してなるものである。
低屈折率層3は、屈折率が1.5以下の層であり、屈折率は低ければ低いほど好ましいが、反射防止特性と表面硬度とのバランスを考慮すると、1.25〜1.45が好ましく、1.25〜1.35がより好ましい。この屈折率は、微粒子の種類、及びその含有量、あるいはフッ素ポリマーの使用、及びその使用量などによって、容易に制御が可能である。
低屈折率層3の厚さは、その所望する屈折率により異なるが、可視光領域における反射率を低減する観点から100〜120nm程度が好ましい。
低屈折率層3は、本発明の反射防止積層体に帯電防止性能を付与する目的で、リン酸基を有するリン酸エステル系帯電防止剤を含む。低屈折率層3に用いられるリン酸エステル系帯電防止剤は、リン酸基を有する帯電防止剤であれば特に制限はないが、さらにビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などのラジカル重合性不飽和基を有する電離放射線硬化性のものであることが好ましく、なかでも(メタ)アクリロイル基をラジカル重合性不飽和基として有していることが好ましい。ここで、電離放射線硬化性とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する性質をいう。
低屈折率層3は、その屈折率を低下させるため、すなわち反射防止特性を向上させる目的で、微粒子を含む。微粒子としては、無機系、有機系のいずれであっても制限なく用いることができるが、反射防止特性をより向上させ、かつ良好な表面硬度を確保する観点から、それ自身が空隙を有する微粒子が好ましく用いられる。
それ自身が空隙を有する微粒子は、微細な空隙を外部や内部に有しており、例えば屈折率1.0の空気などの気体が充填されているので、それ自身の屈折率が低いという特徴を有している。このような空隙を有する微粒子としては、無機系あるいは有機系の多孔質微粒子、中空微粒子などが挙げられ、例えば多孔質シリカ、中空シリカ微粒子や、アクリル樹脂などが用いられた多孔質ポリマー微粒子や中空ポリマー微粒子が挙げられる。無機系の微粒子としては、特開2001−233611号公報で開示される技術を用いて調製した空隙を有するシリカ微粒子が、有機系の微粒子としては、特開2002−80503号公報で開示される技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子などが好ましい一例として挙げられる。上記のような空隙を有するシリカ、あるいは多孔質シリカは、その屈折率が1.20〜1.44程度であり、屈折率が1.45程度である一般的なシリカ微粒子よりも屈折率が低いため、低屈折率層の低屈折率化の観点から好ましい。
このような微粒子としては、上記したシリカの微粒子や、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用カラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸収させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、又は断熱材や低誘電材に用いられることを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体などが挙げられる。具体例としては、例えば「Nipsil(商品名)」、「Nipgel(商品名)」:日本シリカ工業株式会社製や、「コロイダルシリカUPシリーズ(商品名)」:日産化学工業株式会社などが挙げられる。
低屈折率層3における微粒子の含有量は、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、30〜90質量%がさらに好ましい。微粒子の含有量が上記範囲内にあれば、良好な反射防止特性と表面硬度とが得られる。
低屈折率層3を形成する低屈折率層形成塗工物は、成膜性や膜強度などの観点から、バインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂としては、上記したリン酸エステル系帯電防止剤、微粒子をはじめとし、必要に応じて加えられるその他の成分などを低屈折率層3の層中に、加熱あるいは紫外線、電子線などの電離放射線を照射することにより架橋硬化することで固定化できる樹脂が好ましく挙げられる。より具体的には、バインダー樹脂としては、例えば、メラミン系、ユリア系、エポキシ系、ケトン系、ジアリルフタレート系、不飽和ポリエステル系、及びフェノール系などの熱硬化性樹脂、ならびに電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。なかでも、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのトリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の(メタ)アクリレート;上記した多官能性(メタ)アクリレートのエチレンオキシド変性品、カプロラクトン変性品、プロピオン酸変性品などが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテルなどの分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
このようなオリゴマーは、市販品として容易に入手可能であり、市販品としては、例えば「エポキシエステル(商品名):共栄社化学株式会社製、「エポキシ(商品名):昭和高分子株式会社製などのエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー;「紫光(商品名)」;日本合成化学工業株式会社製、「ウレタンアクリレート(商品名)」;共栄社化学株式会社製などのウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。
このような反応性ポリマーは、例えばメタクリル酸メチルとグリシジルメタクリレートとをあらかじめ重合し共重合体を得て、次いで該共重合体のグリシジル基とメタクリル酸やアクリル酸のカルボキシル基とを縮合させることで得ることができる。また、反応性ポリマーは市販品として容易に入手可能であり、市販品としては例えば「マクロモノマー(商品名)」:東亞合成株式会社製などが挙げられる。
低屈折率層3は、その屈折率を低下させるために、さらにフッ素ポリマーを好ましく含む。フッ素ポリマーとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが好ましく挙げられ、なかでも親水基と架橋基とを有し、数平均分子量が1万以上であるものが好ましい。このようなフッ素ポリマーは、市販品として容易に入手可能であり、例えば官能基含有フッ素樹脂「オブツールAR−110(商品名)」:ダイキン工業株式会社製などが挙げられる。
低屈折率層3におけるフッ素ポリマーの含有量は、1〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。また、前述するバインダー樹脂と併用する場合には、フッ素ポリマーのフッ素ポリマーとバインダー樹脂との合計に対する含有量は、50〜80質量%程度とするのが好ましく、50〜70質量%がより好ましい。フッ素ポリマーの含有量を上記範囲内とすることで、フッ素原子による低屈折率を達成しつつ実用に耐えうる強度を維持することができる。
本発明において、バインダー樹脂として電離放射線硬化性樹脂が採用される場合、低屈折率層形成塗工物は有機変性シリコーンオイルを含有することが好ましい。有機変性シリコーンオイルは、電離放射線硬化性樹脂との相乗効果により、主に本発明の反射防止積層体に防汚性などの表面物性を付与する目的で添加されるものである。
有機変性に用いられる有機官能基としては、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基などが挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシ基、アミノ基、シラノール基、水酸基は、低屈折率層3におけるその他の成分との相溶性と、得られる表面硬度とのバランスに優れており、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基などの含フッ素基は、本発明の反射防止積層体に耐油性や潤滑性を付与することができる。有機変性シリコーンオイルは、このような有機官能基を1〜6つ有するものが好ましい。有機変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機官能基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機官能基の結合位置には、特に制限はない。
有機変性シリコーンオイルは、1種を単独用いることもできるし、上記したような目的に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、有機変性シリコーンオイルの官能基当量(分子量/官能基数)としては、通常100〜20000程度のもの、好ましくは100〜10000の条件を有するものが挙げられる。
本発明において、低屈折率層形成塗工物は、低屈折率層3は、上記した有機変性シリコーンオイルと同様に、反射防止積層体に防汚性などの表面物性を付与する目的で、フッ素系添加剤を含有することができる。フッ素系添加剤は、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルケニル基、及びパーフルオロアルキルエーテル基などを有するものが好ましい。このようなフッ素ポリマーとしては、フッ素モノマーの重合体又は共重合体、あるいはフッ素モノマーと非フッ素モノマーとの共重合体などが挙げられ、なかでもフッ素モノマーの重合体又は共重合体、あるいはフッ素モノマーと非フッ素モノマーとの共重合体で構成されるフッ素重合体セグメントと、非フッ素モノマーの重合体で構成される非フッ素重合体セグメントとからなるブロック共重合体又はグラフト共重合体が、耐擦傷性などに優れた高い表面硬度が得られる点で好ましい。
このようなフッ素ポリマーは、市販品として容易に入手可能であり、例えば日本油脂(株)製のモディパーFシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のディフェンサMCFシリーズなどが挙げられる。
フッ素系添加剤の含有量は、上記の有機変性シリコーンオイルと同様である。
低屈折率層3の形成について、その好ましい形成方法の一例を、以下説明する。
まず、リン酸エステル系帯電防止剤、微粒子、バインダー樹脂、及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合して、必要に応じて溶剤に溶解させて低屈折率層形成塗工物を調製する。該低屈折率形成塗工物は、生産性を考慮すると溶剤に溶解させた液状であることが好ましい。液状の低屈折率層形成塗工物の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
このようにして調製された低屈折率層形成塗工物を、透明基材2の表面に、硬化後の厚さが所定の厚さとなるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、溶媒などを蒸発させる目的で乾燥を行い、次いで加熱又は電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、低屈折率層3を得る。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと未硬化樹脂層の厚みとが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる
本発明の反射防止積層体1は、反射防止積層体1に耐擦傷性などの表面硬度の性能を向上させる目的で、ハードコート層4を有することができる。ここで、ハードコートとは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示す性能のことをいう。
ハードコート層は、電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化させて得られるものが好ましい。ハードコート層4を形成する電離放射線硬化性樹脂は、上記したバインダー樹脂に用いられる電離放射線硬化性樹脂のなかから適宜選択して用いられる。電離放射線硬化型樹脂が紫外線硬化性樹脂の場合に用いられる光重合開始剤も、先に例示したものの中から適宜選定して用いられる。また、上記した低屈折率層形成塗工物に用いられる各種添加剤も、同様に使用可能である。
本発明の反射防止積層体1において、反射防止性能を向上させる目的で、中屈折率層5及び高屈折率層6が設けられていてもよい。ここで、中屈折率層5及び高屈折率層6は、反射防止積層体1の態様として上記したように、中屈折率層5及び高屈折率層6は同時に設けられる必要はなく、例えば図2に示されるように中高屈折率層7として一層で設けられていてもよい。
中屈折率層5、高屈折率層6あるいは中高屈折率層7(以下、これらの屈折率層ということがある。)の屈折率は、1.5〜2.00の範囲内で任意に設定することができる。すなわち、中屈折率層5は、少なくとも上記した低屈折率層3よりも屈折率が高く、高屈折率層6よりも屈折率が低いものであり、屈折率の高低は相対的なものである。中屈折率層5及び高屈折率層6の屈折率は上記したように相対的なものであるが、通常中屈折率層5の屈折率は1.5〜1.8の範囲であり、高屈折率層6の屈折率は1.65〜2.0の範囲である。
本発明の反射防止積層体は、帯電防止性能に優れるため、ディスプレイの表面における静電気の発生の抑制、塵や埃などの付着、及び外部からの静電気障害を防止することができる。より具体的には、本発明の反射防止積層体の表面抵抗値は、塵や埃などの付着防止に必要とされる1.0×1013(Ω)以下を達成するものである。ここで、表面抵抗値は、高抵抗率計(「ハイレスタUP(型番)」:三菱化学(株)製)などを用いて、印加電圧500V、10秒の条件で測定した値である。表面抵抗値は、小さいほど、積層体の表面は帯電しても静電荷が蓄積しにくく、帯電防止性能が優れていることを示す値である。
1.最低反射率(反射防止特性の評価)
各実施例及び比較例で得られた積層体について、正反射測定装置を備えた分光度計(「UV−3100PC(型番)」:島津製作所(株)製)を用い、波長550nmにおける極小値を最低反射率とした。最低反射率が小さいほど、積層体は優れた反射防止特性を有することを示す。
2.表面抵抗値
各実施例及び比較例で得られた積層体について、高抵抗率計(「ハイレスタUP(型番)」:三菱化学(株)製)を用いて、印加電圧500V、10秒の条件で表面抵抗値(Ω)を測定した。表面抵抗値が小さいほど、積層体の表面は帯電しても静電荷が蓄積しにくく、帯電防止性能が優れていることを示す。
3.表面硬度の評価(耐擦傷性)
各実施例及び比較例で得られた積層体について、スチールウール(#0000)に一定荷重をかけて10往復摩擦して、目視した結果を下記の基準で評価した。
○ :全く傷がつかなかった
△ :傷の本数が1〜5本であった
× :傷の本数が6本以上であった
4.低屈折率層形成塗工物の安定性
各実施例及び比較例における低屈折率層形成塗工物について、室温で1週間放置した後に、目視した結果を下記の基準で評価した。
○ :全く沈殿物がなかった
× :沈殿物の発生が著しかった
下記組成の成分を下記の質量比で混合して、低屈折率層形成塗工物1を調製した。
低屈折率層形成塗工物1
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):1.57質量部
リン酸エステル系帯電防止剤*1:0.39質量部
中空シリカ粒子分散液*2:14.7質量部
光重合開始剤*3:0.1質量部
メチルイソブチルケトン:54.7質量部
n−ブタノール:28.5質量部
*1,「ホスマーM(商品名)」:ユニケミカル(株)製,アシッドホスホキシエチルメタクリレート
*2,分散液中の中空シリカ粒子含有量は20質量%であり、溶剤(メチルイソブチルケトン)含有量は80質量%である。また、中空シリカ粒子の平均粒径は50nmであり、表面処理により光硬化性反応基を有している。
*3,「イルガキュア127(商品名)」:チバスペシャルティケミカルズ(株)製
下記組成の成分を下記の質量比で混合して、ハードコート層形成用塗工物1を調製した。
ハードコート層形成用塗工物1
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA):30質量部
光重合開始剤*4:1.5質量部
メチルイソブチルケトン:73.5質量部
*4,「イルガキュア907(商品名)」:チバスペシャルティケミカルズ(株)製
厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム上に、ハードコート層形成塗工物1をバーコーティングし、50℃、1分の乾燥を行い、溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン株式会社製 光源Hバルブ)を用いて、照射線量30mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約10μmのハードコート層を得た。
次に、得られたハードコート層上に、調製例1で調製した低屈折率層形成塗工物1をバーコーティングし、50℃、1分の乾燥を行い、溶剤を除去した後、照射線量200mJ/cm2で紫外線照射を行い硬化させて、厚さ約100nmの低屈折率層を形成し、透明基材/ハードコート層/低屈折率層を有する反射防止積層体を得た。得られた反射防止積層体について、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、低屈折率層形成塗工物1を第1表に示される低屈折率層塗工物にかえる以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体を得た。得られた反射防止積層体について、上記の評価方法により評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、低屈折率層形成塗工物1を第2表に示される低屈折率層塗工物にかえる以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体を得た。得られた反射防止積層体について、上記の評価方法により評価した結果を第2表に示す。
*5,「X−22−164E(商品名)」:信越化学(株)製
*6,「P−1A(商品名)」:共栄社化学(株)製,2−アクリロイルオキシエチルヒドロゲンホスフェート
*7,「P−2M(商品名)」:共栄社化学(株)製,ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート
*8,実施例2〜5で用いられる溶媒は、実施例1で用いられる溶媒と同じ組成のものである。
*9,「SR−10(商品名)」:株式会社ADEKA製,α−スルホ−ω−(1−アルコキシメチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩
*10,メタクリル酸
*11,帯電防止剤1とジメチルアミノエチルアクリレートとを各々0.39質量部混合して得られるリン酸エステルのアミノ塩
2.透明基材
3.低屈折率層
4.ハードコート層
5.中屈折率層
6.高屈折率層
7.中高屈折率層
Claims (5)
- 透明基材上に、リン酸基を有するリン酸エステル系帯電防止剤と微粒子とバインダー樹脂とを含有する低屈折率層形成塗工物が架橋硬化して形成される低屈折率層を積層してなる反射防止積層体。
- リン酸エステル系帯電防止剤が、電離放射線硬化性を有するものである請求項1に記載の反射防止積層体。
- 微粒子が、空隙を有する微粒子である請求項1又は2に記載の反射防止積層体。
- 微粒子が、表面処理されたものである請求項3に記載の反射防止積層体。
- バインダー樹脂が、電離放射線硬化性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止積層体。
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