JP4106911B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面硬度及び他の層との密着性に優れた、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物およびハードコート層を含む積層体に関するものである。特に、防眩性と、表面硬度に優れた、耐久性の高いディスプレイ用機能性積層体を提供する事を目的とした、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物およびハードコート層を含む積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にプラスティックやフィルムなどの高分子材料の表面は比較的柔軟であることから、表面硬度を得る為に、物品表面にハードコート層を設けるという手法がなされる。通常用いられるハードコート樹脂としては(メタ)アクリロイル多官能化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル多官能化合物は高い表面硬度を有し、他にも透明性、擦傷性、光沢性に優れることから、多くの製品の表面保護を目的としたハードコート剤に利用されている。とりわけ高い表面硬度から、ディスプレイ表面の保護フィルムに用いられることが多い。しかしながら高い光沢性も同時に併せ持つ為、ディスプレイ表面のギラツキが問題となる。この場合、(メタ)アクリロイル多官能化合物に対して、二酸化珪素粒子を配合し、ハードコート表面に凹凸を設け、防眩性を得ることにより解消される。
【0003】
一方、ディスプレイ保護として用いられる場合には、偏光板を構成する保護フィルムに前述のハードコート層を設けている。この保護フィルムは偏光子を両面から貼り合わせ、その密着強度を得る為にアルカリ処理(ケン化処理)による易接着処理が施される。しかしながら、このとき防眩性を得るために配合した二酸化珪素微粒子が表面に析出してしまい、フィラーの欠落による外観変化を生じることが新たに問題となる。
【0004】
そこでハードコート層を形成する際の環境を、大気雰囲気ではなく、窒素濃度を増加させることで酸素濃度を低下させ、表面硬化時の酸素阻害を少なくすることにより、膜表面のケン化耐性を向上させることで、この問題は解消できる。
しかしながら、このようにして得られたハードコート層は、ケン化時の耐性は格段と向上するが、表面がケン化時に浸食されないために、ハードコート層上に反射防止層や導電層のような機能層を積層する際に、ハードコート層と機能層との層間密着が低下するという新しい障害が発生する。そのため、得られた製品の信頼性は低くなり、更に経時及び環境試験による耐久性も低くなる。
【0005】
これまで、このような密着性及び耐久性を向上させる手段としてハードコート層にコロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理等で表面改質して機能層を積層させている。しかしながら、このような表面改質処理方法では初期の表面硬度を満足していても、その表面硬度は長く持続しない場合が多い。加えて、工程数及び設備の増加するため製造コストが増大する。また、グルー層またはプライマー層と呼ばれる中間層をハードコート層と機能層の間に任意の厚さにて成膜し、密着性及び耐久性を向上させる方法もある。しかしながら、当然、表面処理と同様に中間層を作製することは工程数の増加を伴い、製造コストが増大する。さらに、中間層は上の機能層の外観及び機能層が持つ性能を損なわずに作製する必要があるために、非常に薄く作製しなければならない場合があり、中間層が付着しているか確認する方法が難しく膜厚等の制御がし難いという問題がある。
【0006】
また、二酸化珪素微粒子を含まないハードコート層でも高い表面硬度と他の層との高い密着性を両立することが難しいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解消し、高い表面硬度と、ハードコート層と他の層の密着性の高い活性エネルギー線硬化樹脂組成物を提供することを課題とする。また、さらに良好な防眩性を示す活性エネルギー線硬化樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0008】
請求項1記載の発明は、基材上に、該基材側から順にハードコート層、機能層を備える積層体であり、該ハードコート層が、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物を前記基材上に積層し、前記基材上の該活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより得られる積層体であって、前記活性エネルギー線硬化ハードコート層樹脂組成物が少なくとも(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)とアルカリ可溶成分(B)と平均粒子径1〜20μmの微粒子(C)とを含み、かつ、(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)30〜90重量部に対してアルカリ可溶成分(B)を10〜70重量部、微粒子(C)を1〜50重量部配合してなり、且つ、前記活性エネルギー線照射が不活性ガスでパージされた酸素濃度が0.3〜2%以下の雰囲気下でおこなわれ、且つ、前記機能層が、アルカリ処理がおこなわれたハードコート層上に積層されることを特徴とする積層体である。
【0010】
請求項記載の発明は、前記活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物における前記(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)が、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することを特徴とする請求項1記載の積層体である。
【0011】
請求項記載の発明は、前記活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物における前記アルカリ可溶成分(B)が、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体である。
【0012】
請求項記載の発明は、前記活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物における前記アルカリ可溶成分(B)の分子内に含まれる水酸基が複数存在することを特徴とする請求項3に記載の積層体である。
【0017】
請求項記載の発明は、前記機能層が導電性機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体である。
【0018】
請求項記載の発明は、前記機能層が一層以上であり、かつ反射防止機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層体である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、ハードコート用の樹脂組成物及びハードコート及びそれを用いた積層体に関するものである。また、本発明は酸素濃度を制御した環境で硬化した後にケン化処理を行う場合により効果を発揮する。
以下に、本発明の一実施形態として、基材上にハードコート用の樹脂組成物を塗工し、酸素濃度制御下で硬化させ、ケン化処理を行い、機能層を積層した機能性積層体を例として詳細に説明する。
【0020】
まず、本発明の防眩性ハードコート用の樹脂組成物を説明する。
本発明の(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)(以下、化合物(A))はハードコート膜の製造過程で重合して(メタ)アクリロイル系樹脂となり、ハードコート膜のベースを形成するものである。
【0021】
前記化合物(A)は特に限定される物ではなく、(メタ)アクリロイル基を3個以上好ましくは3〜20個有するものが好適である。具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0022】
本発明のアルカリ可溶成分(B)(以下、化合物(B))は、ハードコート膜上に反射防止層を形成する際に、アルカリ液にて処理されるケン化処理工程において、アルカリ可溶成分がハードコート膜表面から溶出あるいは欠落し、表面に凹凸を形成することにより、ハードコート膜と反射防止層との密着性を高めるものである。
【0023】
化合物(B)の具体例としては、水酸基を有する(メタ)アクリレート、アミノ基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、平均粒子径100nm以下のコロイダルシリカが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらは、単独あるいは二種類以上同時に使用することもできる。中でも、水酸基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
また、化合物(B)は化合物(A)30〜90重量部に対して10〜70重量部であると良い。
【0024】
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のアクリル単官能化合物や、二官能以上のエポキシ化合物とアクリル酸を反応せしめて得られる化合物、たとえば、エチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリセリンジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物等の(メタ)アクリル2官能化合物や、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールエポキシトリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル3官能化合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、分子中に含まれる水酸基は好ましくは2個以上、さらに好ましくは3個以上である。ケン化処理を行った後により高い密着性が得られるからである。また、耐久時間が向上する。
【0025】
また、アミノ基を有する(メタ)アクリレートとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等と、これらの化合物の4級塩化合物があげれられるが、これに限定されるものではない。
また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0026】
コロイダルシリカは、シリカ自体がアルカリ可溶であることから、ケン化時にハードコート膜から欠落させることができる。またコロイダルシリカは、平均粒子径1nm以下を用いると、ケン化時の欠落による凹凸が小さくなることから、十分なアンカー効果が得られず、また100nmを越えると光りを散乱することにより、ハードコート膜の白化を起こし好適ではない。得に好ましくは80nm以下であると、ハードコート膜と機能層との密着性の優れた、透過率の高いハードコート膜を得ることができる。
【0027】
本発明の平均粒子径1〜20μmの微粒子(C)(以下、化合物(C))はハードコート膜製造過程において、ハードコート膜表面に凹凸を形成し、膜表面の防眩性を得るものである。
【0028】
化合物(C)は得に限定されるものではなく、二酸化珪素やアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアニン樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂などの樹脂粒子などを用いることができる。二酸化珪素を用いる場合、例えば珪酸ソーダと硫酸を反応させてなる二酸化珪素を用いることができる。得に二次凝集平均粒子径が1〜20μmを用いると好ましい防眩性を得ることができる。1μm未満では十分な光りの散乱効果を発揮せず、20μmを越えると過度な散乱により膜の白化を生じるためである。好ましくは1〜5μmであり、この時高い透過率と良好な防眩性を得ることができる。
【0029】
化合物(C)は化合物(A)30〜90重量部に対して、1〜50重量部とすると良く、1重量部より少ないと、十分な防眩性が得られず、また50重量部を越えると過度な散乱により、膜の白化による透過率の低下を生じるためである。好ましくは3〜20重量部、更に好ましくは5〜10重量部であり、この時高い透過率と良好な防眩性を得ることができる。
【0030】
本発明における活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物には、さらに光開始剤を配合すると好ましい。光開始剤は特に限定されるものではなく、紫外線等の活性エネルギーを照射した際に、ラジカルを発生する化合物(以下、化合物(D))を用いることができる。
例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニルプロパンー1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパンー1−オン、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシー2−メチル1−プロパンー1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)ブタンー1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が使用できる。
【0031】
本発明において化合物(D)の配合量は、化合物(A)30〜90重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部、更に好ましくは1〜5重量部とされる。0.1重量部未満の場合は、ハードコート膜の硬度が不十分となり、10重量部を越えるとハードコート膜にクラックが生じ易くなる場合がある。特に化合物(D)の配合量を1〜5重量部に設定すると、ハードコート膜が効率よく硬化し、クラックの発生を防ぐことができ好ましい。
【0032】
本発明の活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物は、化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)と、化合物(D)を適当な混合装置、例えばホモミキサー等を用いて適当な溶媒に溶解することによって調整することができる。
【0033】
溶媒は特に限定することはないが、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などを例示することができる。また濃度は例えば固形分に対して10〜90%程度とされている。
【0034】
また、さらに必要に応じて消泡剤やレベリング剤などの添加剤を配合することができる。
【0035】
次に本発明の活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物を用いた防眩性ハードコート及びそれを用いた積層体の説明をする。
本発明における防眩性ハードコートを含む積層体に用いることのできる基材としては、特に制限されるものではないが、プラスティック、ガラス、金属等が挙げられる。また本発明においては優れた表面硬度と低収縮性を示すことから、フィルムのような薄い基材に用いた場合にその効果はより期待できる。
【0036】
本発明における活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物の基材への塗工方式は例えば、スロットコータ、スピンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、スクリーン印刷等の従来の塗工方式により塗工することができる。この時形成する被膜の膜厚は通常0.1〜50μm程度であり、好ましくは5〜30μmである。0.1μm未満では十分な鉛筆硬度は得られず、また50μmより厚い場合にはクラックが入りやすくなる。
【0037】
活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物は活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。ここで用いる活性エネルギー線は特に制限はなく、例えば紫外線や電子線などをがある。
【0038】
紫外線を用いる場合、例えば高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ヒュージョンランプなどを用いた公知の紫外線照射装置を用いることができる。また、紫外線照射量は、通常100〜800mJ/cm2程度である。
また、電子線を用いる場合、装置に特に制限はなく公知の装置を用いることができる。また加速電圧は通常80〜300kVである。
【0039】
また、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物を活性エネルギー線照射により硬化させる際、酸素濃度5%以下、好ましくは0.3〜2%の範囲内の雰囲気下で照射処理を行うことが良い。これ以上であるとハードコート層の高い表面硬度が得られず、これ以下であるとハードコート層と他の層の密着性が低いものとなる。
【0040】
また、活性エネルギー線照射時に同時に不活性ガスでパージしながら硬化させることが好ましい。用いる不活性ガスとしては特に制限するものではないが、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノンなどを好適に用いることができる。
【0041】
本発明における防眩性ハードコートを含む積層体には、機能層を積層することができる。
また、機能層を積層するにあたり、ケン化処理を行うと良い。効果として密着性の向上と静電防止が挙げられる。ケン化処理の方法は公知の手法を用いることができる。例えば、次の様な方法が挙げられる。処理物を50℃のアルカリ溶液(1.5NのNaOH)に2分間浸漬し、蒸留水で洗浄し、さらに0.5重量%の硫酸に30秒間浸漬して中和した後、蒸留水での洗浄を2回繰り返し、自然乾燥する。
【0042】
機能層が反射防止を目的とする場合には、反射率が低下するように屈折率、膜厚及び薄膜の積層順序を光学理論に基づいて組み合わせて設計される。
この場合、機能層を構成する化合物として、例えば無機化合物では、チタン、ジルコニウム、タンタル、亜鉛、インジウム、ハフニウム、セリウム、錫、ニオブ、ケイ素、アルミニウムの酸化物、窒化物、及び酸窒化物、並びにフッ化マグネシウムの少なくとも1種、若しくは2種以上から選ばれる混合物等を用いる事ができる。
更に、有機化合物では活性エネルギー線硬化樹脂や熱硬化樹脂等の有機樹脂も用いる事ができる。その上、有機化合物及び無機化合物の混合物も用いる事ができ、例えば、活性エネルギー線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの樹脂に上記無機化合物ゾルを含有させ屈折率を調節したもの、並びにケイ素及びチタン等のアルコキシドに上記無機化合物ゾルを含有させ屈折率を調節したものが用いることができる。
【0043】
これら機能層は、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、並びに化学気相析出法(CVD)の様な気相析出法は勿論、スピンコート、ダイコート、並びにマイクログラビアコートの様な塗工でも成膜することができる。
波長550nmの光の反射率を下げる場合、光学設計の例として、酸化タンタル(屈折率=2.0〜2.3、光学膜厚[屈折率に幾何学膜厚を乗じた値]=50nm)/酸化ケイ素(屈折率=1.45〜1.48、光学膜厚=50nm)/酸化タンタル(屈折率=2.0〜2.3、光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(屈折率=1.45〜1.48、光学膜厚=150nm)の様な膜厚構成にすると反射防止機能を得ることができる。さらに、積層体に防汚性能を付与するために機能層にフルオロカーボン、パーフルオロシランやこれらの高分子層を設けてもよい。
【0044】
また機能層が帯電防止、電磁波遮断のような導電性機能を目的とする場合には、導電性薄膜を形成する酸化亜鉛、酸化インジウム、及び酸化錫、またはその混合物を用いて層を形成すればよい。他にも、例えば、活性エネルギー線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの樹脂に酸化亜鉛、酸化インジウム、及び酸化錫、またはその混合物、並びに金属ゾルを含有させ導電性機能を付与させたもの、更には、ケイ素及びチタン等のアルコキシドに酸化亜鉛、酸化インジウム、及び酸化錫、またはその混合物、並びに金属ゾルを含有させ導電性機能を付与させたものが用いることができる。
これら機能層は、反射防止機能を付与させる時と同様に、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、並びに化学気相析出法(CVD)の様な気相析出法は勿論、スピンコート、ダイコート、並びにマイクログラビアコートの様な塗工でも成膜する事ができる。
【0045】
更に機能層に導電性と反射防止を同時に付与させる為には、前述の光学設計における酸化タンタルを前記導電性物質に代えればよく、例えば、酸化インジウム・酸化錫(屈折率=2.0〜2.3、光学膜厚[屈折率に幾何学膜厚を乗じた値]=50nm)/酸化ケイ素(屈折率=1.45〜1.48、光学膜厚=50nm)/酸化インジウム・酸化錫(屈折率=2.0〜2.3、光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(屈折率=1.45〜1.48、光学膜厚=150nm)の様な膜厚構成にすると導電性機能並びに反射防止機能を得ることができる。
【0046】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0047】
<実施例1>
化合物(A)として、ライトアクリレートDPE−6A(共栄社製、アクリル6官能)80重量部と、化合物(B)としてライトエステルHOA(共栄社製、水酸基単官能モノアクリレート)20重量部と、化合物(C)として平均粒径2.5μmの二酸化珪素微粒子(富士シリシア社製サイリシア430)5重量部と、化合物(D)としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部を、メチルエチルケトン中に混合溶解し、ロールコータにてPETフィルム上に10μmの厚さに塗布し、オーブンにて溶媒除去後酸素濃度1%雰囲気下にて紫外線照射により硬化させ、ハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを次の様なアルカリ処理を行った。該フィルムを50℃−2mol/lの水酸化カリウム溶液に2分間浸け、0.1mol/lの硫酸に浸けて中和し、純水にて洗浄し、70℃のオーブンにて15分間乾燥させた。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0048】
<実施例2>
化合物(A)としてライトアクリレートPE−6Aを50重量部と、化合物(B)としてデナコールDA314(ナガセ化成社製、水酸基3官能トリアクリレート)50重量部と、化合物(C)として平均粒径1.8μmの二酸化珪素微粒子(富士シリシア社製、サイリシア350)40重量部と、化合物(D)としてダロキュア1173(チバガイギー社製)1重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0049】
<実施例3>
化合物(A)としてライトアクリレートPE−3A(共栄社製、アクリル3官能)90重量部と、化合物(B)としてライトエステルDE(共栄社製、アミノ基単官能モノメタクリレート)10重量部と、化合物(C)として平均粒径6.2μmの二酸化珪素微粒子(トクヤマ社製ファインシルX−60)8重量部と、化合物(D)としてイルガキュア907(チバガイギー社製)10重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。また、酸化亜鉛ゾル(平均粒子径40nm)30重量部に対し、テトライソプロポキシチタン100重量部を混合し、ゾル溶液Mを得た。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に、ダイコート法により、ゾル溶液Mを光学膜厚138nm、更にその上に、テトラエトキシシランを光学膜厚138nmにて塗工し、乾燥させ、反射防止機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0050】
<実施例4>
化合物(A)としてDPE−4A(共栄社製、アクリル4官能)75重量部と、化合物(B)としてライトエステルDQ―100(共栄社製、4級アンモニウム塩単官能モノメタクリレート)25重量部と、化合物(C)として平均粒径12μmの二酸化珪素微粒子(富士シリシア社製、サイリシア470)1重量部と、化合物(D)としてダロキュア1173(チバガイギー社製)3重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0051】
<実施例5>
化合物(A)としてDPE−6A50重量部と、DPE−3A20重量部と、化合物(B)としてライトエステルA(共栄社製、カルボン酸単官能モノアクリレート)30重量部と、化合物(C)として平均粒径1.9μmの二酸化珪素微粒子(日本シリカ工業社製、ニップジェルAZ―200)と、化合物(D)としてイルガキュア184を0.1重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0052】
<実施例6>
化合物(A)としてDPE−6A20重量部と、DPE−4A10重量部と、化合物(B)としてHOA−MS(共栄社製、カルボン酸単官能モノアクリレート)70重量部と、化合物(C)として平均粒径7.0μmの二酸化珪素微粒子(日本シリカ工業社製、ファインシルP−8)と、化合物(D)としてイルガキュア907を5重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。また、酸化亜鉛ゾル(平均粒子径40nm)30重量部に対し、テトライソプロポキシチタン100重量部を混合し、ゾル溶液Mを得た。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に、ダイコート法により、ゾル溶液Mを光学膜厚138nm、更にその上に、テトラエトキシシランを光学膜厚138nmにて塗工し、乾燥させ、反射防止機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0053】
<実施例7>
化合物(A)としてDPE−6A20重量部と、DPE−4A20重量部と、DPE−3A20重量部と、化合物(B)として平均粒子径20μmのコロイダルシリカ(日産化学社製、MEK−ST)40重量部と、化合物(C)としてサイリシア430と、化合物(D)としてイルガキュア184を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0054】
<実施例8>
化合物(A)としてDPE−6A80重量部と、化合物(B)としてライトエステルHOA10重量部とライトエステルDA10重量部と、化合物(C)として平均粒径2.2mの二酸化珪素微粒子(日本シリカ工業社製、ニップジェルCY−200)と、化合物(D)としてダロキュア1173を6重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0055】
<実施例9>
化合物(A)としてDPE−4A70重量部と、化合物(B)としてデナコールDA−314を20重量部と、MEK−ST10重量部と、化合物(C)として平均粒径3.0μmの二酸化珪素微粒子(日本シリカ工業社製、ニップジェルBY−400)5重量部と、化合物(D)としてイルガキュア184を3重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。
【0056】
<実施例10>
化合物(A)としてDPE−6A10重量部と、DPE−4A10重量部と、DPE−3A20重量部と、化合物(B)としてライトエステルHOA2重量部と、デナコールDA−314を20重量部と、ライトエステルA20重量部と、化合物(C)としてサイリシア350を30重量部と、化合物(D)としてイルガキュア184を2重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。また、酸化亜鉛ゾル(平均粒子径40nm)30重量部に対し、テトライソプロポキシチタン100重量部を混合し、ゾル溶液Mを得た。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に、ダイコート法により、ゾル溶液Mを光学膜厚138nm、更にその上に、テトラエトキシシランを光学膜厚138nmにて塗工し、乾燥させ、反射防止機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0057】
<実施例11>
化合物(A)としてDPE−6A80重量部と、化合物(B)としてデナコールDA314を20重量部と、化合物(C)として平均粒径2.2mの二酸化珪素微粒子(日本シリカ工業社製、ニップジェルCY−200)と、化合物(D)としてダロキュア1173を6重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0058】
<比較例1>
化合物(A)としてDPE−6A10重量部と、化合物(B)としてライトエステルHOA90重量部と、化合物(C)としてサイリシア430を30重量部と、化合物(D)としてイルガキュア184を2重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0059】
<比較例2>
化合物(A)としてDPE−6A95重量部と、化合物(B)としてデナコールDA−314を5重量部と、化合物(C)としてニップジェルAZ−200を0.1重量部と、化合物(D)としてイルガキュア184を5重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。
更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0060】
<評価>
上記の実施例、比較例で評価した鉛筆硬度、密着性、擦傷性、耐久性は以下の方法で測定した。
(シート抵抗)
四端子法により測定した。
(鉛筆硬度)
JIS K5400に準拠して行った。
(密着性)
JIS K5400に準拠して行った。
(擦傷性)
スチールウール(#0000)250gにて10往復擦傷し、傷の本数を目視にて確認した。
(透過率)
自記分光光度計U−4000(日立製作所社製)を用いて、サンプルのハードコート面を光源に向け波長550nmの透過率を測定した。
(反射率)
サンプルの裏面をサンドブラスト処理し、且つ、つや消しスプレー(カンペハピオ社製、ヒットスプレーA)にて塗工し、自記分光光度計U−4000(日立製作所社製)を用いて、サンプルのハードコート面を光源に向け波長550nmの反射率を測定した。
(Haze)
ASTM D 1003−61に準拠して行った。
(耐久性)
(1)耐光性
JIS 5400に準拠し紫外線カーボンアーク(スガ試験機株式会社製 紫外線ロングライフフェードメータ FAL−5
)を用いて360時間紫外線を暴露した後、密着性及び外観を目視にて評価した。また、さらに1000時間まで紫外線を暴露した後の密着性を目視にて評価した。
なお、密着性はテープ残存率が100%のものを◎、50〜99%のものを○、1〜49%のものを△、0%のものを×とした。
(2)耐湿熱性
温度60℃、湿度95%に1000時間保存した後、その後、温度25℃及び湿度65%の環境に24時間放置した後、密着性及び外観を目視にて評価した。
【0061】
【表1】
Figure 0004106911
【0062】
【表2】
Figure 0004106911
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物と、アルカリ可溶成分を含むハードコート樹脂組成物を用いることにより、該組成物を基材上に塗布し活性エネルギー線を照射して得られるハードコート層の高い表面硬度と他の層を積層した時の他の層との高い密着性を有する積層体となるものである。
また、さらに平均粒子径1〜20μmの微粒子を含むことにより、高い表面硬度、密着性、防眩性を両立した信頼性の高いフィルムとなる。

Claims (6)

  1. 基材上に、該基材側から順にハードコート層、機能層を備える積層体であり、
    該ハードコート層が、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物を前記基材上に積層し、前記基材上の該活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより得られる積層体であって、
    前記活性エネルギー線硬化ハードコート層樹脂組成物が少なくとも(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)とアルカリ可溶成分(B)と平均粒子径1〜20μmの微粒子(C)とを含み、かつ、(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)30〜90重量部に対してアルカリ可溶成分(B)を10〜70重量部、微粒子(C)を1〜50重量部配合してなり、且つ、
    前記活性エネルギー線照射が不活性ガスでパージされた酸素濃度が0.3〜2%以下の雰囲気下でおこなわれ、且つ、
    前記機能層が、アルカリ処理がおこなわれたハードコート層上に積層される
    ことを特徴とする積層体。
  2. 前記活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物における前記(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)が、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することを特徴とする請求項1記載の積層体
  3. 前記活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物における前記アルカリ可溶成分(B)が、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体
  4. 前記活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物における前記アルカリ可溶成分(B)の分子内に含まれる水酸基が複数存在することを特徴とする請求項3に記載の積層体
  5. 前記機能層が導電性機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記機能層が一層以上であり、かつ反射防止機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
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