JP2003206418A - 活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物およびハードコート層を含む積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物およびハードコート層を含む積層体

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JP2003206418A
JP2003206418A JP2002005686A JP2002005686A JP2003206418A JP 2003206418 A JP2003206418 A JP 2003206418A JP 2002005686 A JP2002005686 A JP 2002005686A JP 2002005686 A JP2002005686 A JP 2002005686A JP 2003206418 A JP2003206418 A JP 2003206418A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い表面硬度と、ハードコート層と他の層の
密着性の高い活性エネルギー線硬化樹脂組成物を提供す
ることを課題とする。また、さらに良好な防眩性を示す
活性エネルギー線硬化樹脂組成物を提供することを課題
とする。 【解決手段】 少なくとも(メタ)アクリロイル基を分
子内に有する化合物(A)と、アルカリ可溶成分(B)
とを含み、かつ(メタ)アクリロイル基を分子内に有す
る化合物(A)30〜90重量部に対してアルカリ可溶
成分(B)を10〜70重量部、配合してなることを特
徴とする活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面硬度及び他の
層との密着性に優れた、活性エネルギー線硬化ハードコ
ート樹脂組成物およびハードコート層を含む積層体に関
するものである。特に、防眩性と、表面硬度に優れた、
耐久性の高いディスプレイ用機能性積層体を提供する事
を目的とした、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂
組成物およびハードコート層を含む積層体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスティックやフィルムなどの
高分子材料の表面は比較的柔軟であることから、表面硬
度を得る為に、物品表面にハードコート層を設けるとい
う手法がなされる。通常用いられるハードコート樹脂と
しては(メタ)アクリロイル多官能化合物が挙げられ
る。(メタ)アクリロイル多官能化合物は高い表面硬度
を有し、他にも透明性、擦傷性、光沢性に優れることか
ら、多くの製品の表面保護を目的としたハードコート剤
に利用されている。とりわけ高い表面硬度から、ディス
プレイ表面の保護フィルムに用いられることが多い。し
かしながら高い光沢性も同時に併せ持つ為、ディスプレ
イ表面のギラツキが問題となる。この場合、(メタ)ア
クリロイル多官能化合物に対して、二酸化珪素粒子を配
合し、ハードコート表面に凹凸を設け、防眩性を得るこ
とにより解消される。
【0003】一方、ディスプレイ保護として用いられる
場合には、偏光板を構成する保護フィルムに前述のハー
ドコート層を設けている。この保護フィルムは偏光子を
両面から貼り合わせ、その密着強度を得る為にアルカリ
処理(ケン化処理)による易接着処理が施される。しか
しながら、このとき防眩性を得るために配合した二酸化
珪素微粒子が表面に析出してしまい、フィラーの欠落に
よる外観変化を生じることが新たに問題となる。
【0004】そこでハードコート層を形成する際の環境
を、大気雰囲気ではなく、窒素濃度を増加させることで
酸素濃度を低下させ、表面硬化時の酸素阻害を少なくす
ることにより、膜表面のケン化耐性を向上させること
で、この問題は解消できる。しかしながら、このように
して得られたハードコート層は、ケン化時の耐性は格段
と向上するが、表面がケン化時に浸食されないために、
ハードコート層上に反射防止層や導電層のような機能層
を積層する際に、ハードコート層と機能層との層間密着
が低下するという新しい障害が発生する。そのため、得
られた製品の信頼性は低くなり、更に経時及び環境試験
による耐久性も低くなる。
【0005】これまで、このような密着性及び耐久性を
向上させる手段としてハードコート層にコロナ放電処
理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理等で表面
改質して機能層を積層させている。しかしながら、この
ような表面改質処理方法では初期の表面硬度を満足して
いても、その表面硬度は長く持続しない場合が多い。加
えて、工程数及び設備の増加するため製造コストが増大
する。また、グルー層またはプライマー層と呼ばれる中
間層をハードコート層と機能層の間に任意の厚さにて成
膜し、密着性及び耐久性を向上させる方法もある。しか
しながら、当然、表面処理と同様に中間層を作製するこ
とは工程数の増加を伴い、製造コストが増大する。さら
に、中間層は上の機能層の外観及び機能層が持つ性能を
損なわずに作製する必要があるために、非常に薄く作製
しなければならない場合があり、中間層が付着している
か確認する方法が難しく膜厚等の制御がし難いという問
題がある。
【0006】また、二酸化珪素微粒子を含まないハード
コート層でも高い表面硬度と他の層との高い密着性を両
立することが難しいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記課題を解
消し、高い表面硬度と、ハードコート層と他の層の密着
性の高い活性エネルギー線硬化樹脂組成物を提供するこ
とを課題とする。また、さらに良好な防眩性を示す活性
エネルギー線硬化樹脂組成物を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化
合物(A)と、アルカリ可溶成分(B)とを含み、かつ
(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(A)
30〜90重量部に対して、アルカリ可溶成分(B)を
10〜70重量部配合してなることを特徴とする活性エ
ネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物である。
【0009】請求項2記載の発明は、さらに平均粒子径
1〜20μmの微粒子(C)を含み、かつ(メタ)アク
リロイル基を分子内に有する化合物(A)30〜90重
量部に対して微粒子(C)を1〜50重量部配合してな
ることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬
化ハードコート樹脂組成物である。
【0010】請求項3記載の発明は、前記(メタ)アク
リロイル基を分子内に有する化合物(A)が、(メタ)
アクリロイル基を3個以上有することを特徴とする請求
項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化ハードコート
樹脂組成物である。
【0011】請求項4記載の発明は、前記アルカリ可溶
成分(B)が、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル
基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物で
ある。
【0012】請求項5記載の発明は、前記アルカリ可溶
成分(B)の分子内に含まれる水酸基が複数存在するこ
とを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線硬化
ハードコート樹脂組成物である。
【0013】請求項6記載の発明は、基材上に、請求項
1〜5のいずれかの記載の活性エネルギー線硬化ハード
コート樹脂組成物を積層し、活性エネルギー線硬化ハー
ドコート樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して得ら
れることを特徴とするハードコート層を含む積層体であ
る。
【0014】請求項7記載の発明は、前記活性エネルギ
ー線照射時に、酸素濃度が5%以下の雰囲気下で照射を
行うことを特徴とする請求項6に記載のハードコート層
を含む積層体である。
【0015】請求項8記載の発明は、前記活性エネルギ
ー線照射時に、不活性ガスでパージすることを特徴とす
る請求項6又は7に記載のハードコート層を含む積層体
である。
【0016】請求項9記載の発明は、前記ハードコート
層上に機能層を設けたことを特徴とする請求項8に記載
の積層体である。
【0017】請求項10記載の発明は、前記機能層が導
電性機能を有することを特徴とする請求項9に記載の積
層体である。
【0018】請求項11記載の発明は、前記機能層一層
が以上であり、かつ反射防止機能を有すること特徴とす
る請求項9又は10記載の積層体である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、ハードコート用の樹脂
組成物及びハードコート及びそれを用いた積層体に関す
るものである。また、本発明は酸素濃度を制御した環境
で硬化した後にケン化処理を行う場合により効果を発揮
する。以下に、本発明の一実施形態として、基材上にハ
ードコート用の樹脂組成物を塗工し、酸素濃度制御下で
硬化させ、ケン化処理を行い、機能層を積層した機能性
積層体を例として詳細に説明する。
【0020】まず、本発明の防眩性ハードコート用の樹
脂組成物を説明する。本発明の(メタ)アクリロイル基
を分子内に有する化合物(A)(以下、化合物(A))
はハードコート膜の製造過程で重合して(メタ)アクリ
ロイル系樹脂となり、ハードコート膜のベースを形成す
るものである。
【0021】前記化合物(A)は特に限定される物では
なく、(メタ)アクリロイル基を3個以上好ましくは3
〜20個有するものが好適である。具体例としては、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを挙げる
ことができる。
【0022】本発明のアルカリ可溶成分(B)(以下、
化合物(B))は、ハードコート膜上に反射防止層を形
成する際に、アルカリ液にて処理されるケン化処理工程
において、アルカリ可溶成分がハードコート膜表面から
溶出あるいは欠落し、表面に凹凸を形成することによ
り、ハードコート膜と反射防止層との密着性を高めるも
のである。
【0023】化合物(B)の具体例としては、水酸基を
有する(メタ)アクリレート、アミノ基を有する(メ
タ)アクリレート、カルボキシル基を有する(メタ)ア
クリレート、平均粒子径100nm以下のコロイダルシ
リカが挙げられるが、これに限定されるものではない。
これらは、単独あるいは二種類以上同時に使用すること
もできる。中でも、水酸基を有する(メタ)アクリレー
トを用いることが好ましい。また、化合物(B)は化合
物(A)30〜90重量部に対して10〜70重量部で
あると良い。
【0024】水酸基を有する(メタ)アクリレートとし
ては、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アク
リレート等のアクリル単官能化合物や、二官能以上のエ
ポキシ化合物とアクリル酸を反応せしめて得られる化合
物、たとえば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル(メタ)アクリル酸付加物、ジエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリ
ル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル(メタ)アクリル酸付加物、トリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル(メタ)ア
クリル酸付加物、1,6−へキサンジオールジグリシジ
ルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリセリンジグ
リシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、水添ビス
フェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸
付加物等の(メタ)アクリル2官能化合物や、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル(メタ)アクリ
ル酸付加物、グリセロールエポキシトリ(メタ)アクリ
レートなどの(メタ)アクリル3官能化合物などが挙げ
られるが、これに限定されるものではない。また、分子
中に含まれる水酸基は好ましくは2個以上、さらに好ま
しくは3個以上である。ケン化処理を行った後により高
い密着性が得られるからである。また、耐久時間が向上
する。
【0025】また、アミノ基を有する(メタ)アクリレ
ートとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、エチルメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等と、
これらの化合物の4級塩化合物があげれられるが、これ
に限定されるものではない。また、カルボキシル基を有
する(メタ)アクリレートとしては(メタ)アクリル
酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2
−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル
酸等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0026】コロイダルシリカは、シリカ自体がアルカ
リ可溶であることから、ケン化時にハードコート膜から
欠落させることができる。またコロイダルシリカは、平
均粒子径1nm以下を用いると、ケン化時の欠落による
凹凸が小さくなることから、十分なアンカー効果が得ら
れず、また100nmを越えると光りを散乱することに
より、ハードコート膜の白化を起こし好適ではない。得
に好ましくは80nm以下であると、ハードコート膜と
機能層との密着性の優れた、透過率の高いハードコート
膜を得ることができる。
【0027】本発明の平均粒子径1〜20μmの微粒子
(C)(以下、化合物(C))はハードコート膜製造過
程において、ハードコート膜表面に凹凸を形成し、膜表
面の防眩性を得るものである。
【0028】化合物(C)は得に限定されるものではな
く、二酸化珪素やアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾ
グアニン樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂な
どの樹脂粒子などを用いることができる。二酸化珪素を
用いる場合、例えば珪酸ソーダと硫酸を反応させてなる
二酸化珪素を用いることができる。得に二次凝集平均粒
子径が1〜20μmを用いると好ましい防眩性を得るこ
とができる。1μm未満では十分な光りの散乱効果を発
揮せず、20μmを越えると過度な散乱により膜の白化
を生じるためである。好ましくは1〜5μmであり、こ
の時高い透過率と良好な防眩性を得ることができる。
【0029】化合物(C)は化合物(A)30〜90重
量部に対して、1〜50重量部とすると良く、1重量部
より少ないと、十分な防眩性が得られず、また50重量
部を越えると過度な散乱により、膜の白化による透過率
の低下を生じるためである。好ましくは3〜20重量
部、更に好ましくは5〜10重量部であり、この時高い
透過率と良好な防眩性を得ることができる。
【0030】本発明における活性エネルギー線硬化ハー
ドコート樹脂組成物には、さらに光開始剤を配合すると
好ましい。光開始剤は特に限定されるものではなく、紫
外線等の活性エネルギーを照射した際に、ラジカルを発
生する化合物(以下、化合物(D))を用いることがで
きる。例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニルプ
ロパンー1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノプロパンー1−オン、2,
2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オ
ン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]−2−ヒドロキシー2−メチル1−プ
ロパンー1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ
ー1−(4−モルフォリノフェニル)ブタンー1−オ
ン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が使
用できる。
【0031】本発明において化合物(D)の配合量は、
化合物(A)30〜90重量部に対して0.1〜10重
量部、好ましくは1〜7重量部、更に好ましくは1〜5
重量部とされる。0.1重量部未満の場合は、ハードコ
ート膜の硬度が不十分となり、10重量部を越えるとハ
ードコート膜にクラックが生じ易くなる場合がある。特
に化合物(D)の配合量を1〜5重量部に設定すると、
ハードコート膜が効率よく硬化し、クラックの発生を防
ぐことができ好ましい。
【0032】本発明の活性エネルギー線硬化ハードコー
ト樹脂組成物は、化合物(A)と、化合物(B)と、化
合物(C)と、化合物(D)を適当な混合装置、例えば
ホモミキサー等を用いて適当な溶媒に溶解することによ
って調整することができる。
【0033】溶媒は特に限定することはないが、メチル
エチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類などを例示することができる。また濃度は例
えば固形分に対して10〜90%程度とされている。
【0034】また、さらに必要に応じて消泡剤やレベリ
ング剤などの添加剤を配合することができる。
【0035】次に本発明の活性エネルギー線硬化ハード
コート樹脂組成物を用いた防眩性ハードコート及びそれ
を用いた積層体の説明をする。本発明における防眩性ハ
ードコートを含む積層体に用いることのできる基材とし
ては、特に制限されるものではないが、プラスティッ
ク、ガラス、金属等が挙げられる。また本発明において
は優れた表面硬度と低収縮性を示すことから、フィルム
のような薄い基材に用いた場合にその効果はより期待で
きる。
【0036】本発明における活性エネルギー線硬化ハー
ドコート樹脂組成物の基材への塗工方式は例えば、スロ
ットコータ、スピンコータ、ロールコータ、カーテンコ
ータ、スクリーン印刷等の従来の塗工方式により塗工す
ることができる。この時形成する被膜の膜厚は通常0.
1〜50μm程度であり、好ましくは5〜30μmであ
る。0.1μm未満では十分な鉛筆硬度は得られず、ま
た50μmより厚い場合にはクラックが入りやすくな
る。
【0037】活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組
成物は活性エネルギー線を照射することにより硬化させ
ることができる。ここで用いる活性エネルギー線は特に
制限はなく、例えば紫外線や電子線などをがある。
【0038】紫外線を用いる場合、例えば高圧水銀ラン
プ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ヒュージ
ョンランプなどを用いた公知の紫外線照射装置を用いる
ことができる。また、紫外線照射量は、通常100〜8
00mJ/cm2程度である。また、電子線を用いる場
合、装置に特に制限はなく公知の装置を用いることがで
きる。また加速電圧は通常80〜300kVである。
【0039】また、活性エネルギー線硬化ハードコート
樹脂組成物を活性エネルギー線照射により硬化させる
際、酸素濃度5%以下、好ましくは0.3〜2%の範囲
内の雰囲気下で照射処理を行うことが良い。これ以上で
あるとハードコート層の高い表面硬度が得られず、これ
以下であるとハードコート層と他の層の密着性が低いも
のとなる。
【0040】また、活性エネルギー線照射時に同時に不
活性ガスでパージしながら硬化させることが好ましい。
用いる不活性ガスとしては特に制限するものではない
が、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノンなどを好適に
用いることができる。
【0041】本発明における防眩性ハードコートを含む
積層体には、機能層を積層することができる。また、機
能層を積層するにあたり、ケン化処理を行うと良い。効
果として密着性の向上と静電防止が挙げられる。ケン化
処理の方法は公知の手法を用いることができる。例え
ば、次の様な方法が挙げられる。処理物を50℃のアル
カリ溶液(1.5NのNaOH)に2分間浸漬し、蒸留
水で洗浄し、さらに0.5重量%の硫酸に30秒間浸漬
して中和した後、蒸留水での洗浄を2回繰り返し、自然
乾燥する。
【0042】機能層が反射防止を目的とする場合には、
反射率が低下するように屈折率、膜厚及び薄膜の積層順
序を光学理論に基づいて組み合わせて設計される。この
場合、機能層を構成する化合物として、例えば無機化合
物では、チタン、ジルコニウム、タンタル、亜鉛、イン
ジウム、ハフニウム、セリウム、錫、ニオブ、ケイ素、
アルミニウムの酸化物、窒化物、及び酸窒化物、並びに
フッ化マグネシウムの少なくとも1種、若しくは2種以
上から選ばれる混合物等を用いる事ができる。更に、有
機化合物では活性エネルギー線硬化樹脂や熱硬化樹脂等
の有機樹脂も用いる事ができる。その上、有機化合物及
び無機化合物の混合物も用いる事ができ、例えば、活性
エネルギー線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの樹脂に上記無
機化合物ゾルを含有させ屈折率を調節したもの、並びに
ケイ素及びチタン等のアルコキシドに上記無機化合物ゾ
ルを含有させ屈折率を調節したものが用いることができ
る。
【0043】これら機能層は、蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、スパッタリング法、並びに化学気相析出法
(CVD)の様な気相析出法は勿論、スピンコート、ダ
イコート、並びにマイクログラビアコートの様な塗工で
も成膜することができる。波長550nmの光の反射率
を下げる場合、光学設計の例として、酸化タンタル(屈
折率=2.0〜2.3、光学膜厚[屈折率に幾何学膜厚
を乗じた値]=50nm)/酸化ケイ素(屈折率=1.
45〜1.48、光学膜厚=50nm)/酸化タンタル
(屈折率=2.0〜2.3、光学膜厚=110nm)/
酸化ケイ素(屈折率=1.45〜1.48、光学膜厚=
150nm)の様な膜厚構成にすると反射防止機能を得
ることができる。さらに、積層体に防汚性能を付与する
ために機能層にフルオロカーボン、パーフルオロシラン
やこれらの高分子層を設けてもよい。
【0044】また機能層が帯電防止、電磁波遮断のよう
な導電性機能を目的とする場合には、導電性薄膜を形成
する酸化亜鉛、酸化インジウム、及び酸化錫、またはそ
の混合物を用いて層を形成すればよい。他にも、例え
ば、活性エネルギー線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの樹脂
に酸化亜鉛、酸化インジウム、及び酸化錫、またはその
混合物、並びに金属ゾルを含有させ導電性機能を付与さ
せたもの、更には、ケイ素及びチタン等のアルコキシド
に酸化亜鉛、酸化インジウム、及び酸化錫、またはその
混合物、並びに金属ゾルを含有させ導電性機能を付与さ
せたものが用いることができる。これら機能層は、反射
防止機能を付与させる時と同様に、蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法、並びに化学気相析出
法(CVD)の様な気相析出法は勿論、スピンコート、
ダイコート、並びにマイクログラビアコートの様な塗工
でも成膜する事ができる。
【0045】更に機能層に導電性と反射防止を同時に付
与させる為には、前述の光学設計における酸化タンタル
を前記導電性物質に代えればよく、例えば、酸化インジ
ウム・酸化錫(屈折率=2.0〜2.3、光学膜厚[屈
折率に幾何学膜厚を乗じた値]=50nm)/酸化ケイ
素(屈折率=1.45〜1.48、光学膜厚=50n
m)/酸化インジウム・酸化錫(屈折率=2.0〜2.
3、光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(屈折率=
1.45〜1.48、光学膜厚=150nm)の様な膜
厚構成にすると導電性機能並びに反射防止機能を得るこ
とができる。
【0046】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例により限定される
ものではない。
【0047】<実施例1>化合物(A)として、ライト
アクリレートDPE−6A(共栄社製、アクリル6官
能)80重量部と、化合物(B)としてライトエステル
HOA(共栄社製、水酸基単官能モノアクリレート)2
0重量部と、化合物(C)として平均粒径2.5μmの
二酸化珪素微粒子(富士シリシア社製サイリシア43
0)5重量部と、化合物(D)としてイルガキュア18
4(チバガイギー製)5重量部を、メチルエチルケトン
中に混合溶解し、ロールコータにてPETフィルム上に
10μmの厚さに塗布し、オーブンにて溶媒除去後酸素
濃度1%雰囲気下にて紫外線照射により硬化させ、ハー
ドコート膜を得た。更に、得られたハードコート塗工さ
れたフィルムを次の様なアルカリ処理を行った。該フィ
ルムを50℃−2mol/lの水酸化カリウム溶液に2
分間浸け、0.1mol/lの硫酸に浸けて中和し、純
水にて洗浄し、70℃のオーブンにて15分間乾燥させ
た。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表
面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫
を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与
したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィ
ルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過
率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に
示す。
【0048】<実施例2>化合物(A)としてライトア
クリレートPE−6Aを50重量部と、化合物(B)と
してデナコールDA314(ナガセ化成社製、水酸基3
官能トリアクリレート)50重量部と、化合物(C)と
して平均粒径1.8μmの二酸化珪素微粒子(富士シリ
シア社製、サイリシア350)40重量部と、化合物
(D)としてダロキュア1173(チバガイギー社製)
1重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコー
ト膜を得た。更に、得られたハードコート塗工されたフ
ィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アル
カリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着
法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケ
イ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=
110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を
成膜し、反射防止機能を付与したハードコート付きフィ
ルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、
密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価し
た。結果を表1、表2に示す。
【0049】<実施例3>化合物(A)としてライトア
クリレートPE−3A(共栄社製、アクリル3官能)9
0重量部と、化合物(B)としてライトエステルDE
(共栄社製、アミノ基単官能モノメタクリレート)10
重量部と、化合物(C)として平均粒径6.2μmの二
酸化珪素微粒子(トクヤマ社製ファインシルX−60)
8重量部と、化合物(D)としてイルガキュア907
(チバガイギー社製)10重量部とした以外は実施例1
と同様にしてハードコート膜を得た。更に、得られたハ
ードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアル
カリ処理を行った。また、酸化亜鉛ゾル(平均粒子径4
0nm)30重量部に対し、テトライソプロポキシチタ
ン100重量部を混合し、ゾル溶液Mを得た。アルカリ
処理を行った該フィルムのハードコート表面に、ダイコ
ート法により、ゾル溶液Mを光学膜厚138nm、更に
その上に、テトラエトキシシランを光学膜厚138nm
にて塗工し、乾燥させ、反射防止機能を付与したハード
コート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射
率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、
耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0050】<実施例4>化合物(A)としてDPE−
4A(共栄社製、アクリル4官能)75重量部と、化合
物(B)としてライトエステルDQ―100(共栄社
製、4級アンモニウム塩単官能モノメタクリレート)2
5重量部と、化合物(C)として平均粒径12μmの二
酸化珪素微粒子(富士シリシア社製、サイリシア47
0)1重量部と、化合物(D)としてダロキュア117
3(チバガイギー社製)3重量部とした以外は実施例1
と同様にしてハードコート膜を得た。更に、得られたハ
ードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアル
カリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムの
ハードコート表面にスパッタリング法を用いて酸化イン
ジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝
導性機能を付与したハードコート付きフィルムを得た。
得られた該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、
耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果
を表1、表2に示す。
【0051】<実施例5>化合物(A)としてDPE−
6A50重量部と、DPE−3A20重量部と、化合物
(B)としてライトエステルA(共栄社製、カルボン酸
単官能モノアクリレート)30重量部と、化合物(C)
として平均粒径1.9μmの二酸化珪素微粒子(日本シ
リカ工業社製、ニップジェルAZ―200)と、化合物
(D)としてイルガキュア184を0.1重量部とした
以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。更
に、得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例
1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行っ
た該フィルムのハードコート表面に蒸着法を用いて酸化
チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚
=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/
酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)機能を付与したハ
ードコート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの
反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haz
e、耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0052】<実施例6>化合物(A)としてDPE−
6A20重量部と、DPE−4A10重量部と、化合物
(B)としてHOA−MS(共栄社製、カルボン酸単官
能モノアクリレート)70重量部と、化合物(C)とし
て平均粒径7.0μmの二酸化珪素微粒子(日本シリカ
工業社製、ファインシルP−8)と、化合物(D)とし
てイルガキュア907を5重量部とした以外は実施例1
と同様にしてハードコート膜を得た。更に、得られたハ
ードコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアル
カリ処理を行った。また、酸化亜鉛ゾル(平均粒子径4
0nm)30重量部に対し、テトライソプロポキシチタ
ン100重量部を混合し、ゾル溶液Mを得た。アルカリ
処理を行った該フィルムのハードコート表面に、ダイコ
ート法により、ゾル溶液Mを光学膜厚138nm、更に
その上に、テトラエトキシシランを光学膜厚138nm
にて塗工し、乾燥させ、反射防止機能を付与したハード
コート付きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射
率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、
耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0053】<実施例7>化合物(A)としてDPE−
6A20重量部と、DPE−4A20重量部と、DPE
−3A20重量部と、化合物(B)として平均粒子径2
0μmのコロイダルシリカ(日産化学社製、MEK−S
T)40重量部と、化合物(C)としてサイリシア43
0と、化合物(D)としてイルガキュア184を0.5
重量部とした以外は実施例1と同様にしてハードコート
膜を得た。更に、得られたハードコート塗工されたフィ
ルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカ
リ処理を行った該フィルムのハードコート表面に蒸着法
を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ
素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=1
10nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成
膜し、反射防止機能を付与したハードコート付きフィル
ムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬度、密
着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評価し
た。結果を表1、表2に示す。
【0054】<実施例8>化合物(A)としてDPE−
6A80重量部と、化合物(B)としてライトエステル
HOA10重量部とライトエステルDA10重量部と、
化合物(C)として平均粒径2.2mの二酸化珪素微粒
子(日本シリカ工業社製、ニップジェルCY−200)
と、化合物(D)としてダロキュア1173を6重量部
とした以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を得
た。更に、得られたハードコート塗工されたフィルムを
実施例1と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理
を行った該フィルムのハードコート表面にスパッタリン
グ法を用いて酸化インジウム・酸化錫を幾何学膜厚にて
150nm成膜し、伝導性機能を付与したハードコート
付きフィルムを得た。得られた該フィルムのシート抵
抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、
耐久性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0055】<実施例9>化合物(A)としてDPE−
4A70重量部と、化合物(B)としてデナコールDA
−314を20重量部と、MEK−ST10重量部と、
化合物(C)として平均粒径3.0μmの二酸化珪素微
粒子(日本シリカ工業社製、ニップジェルBY−40
0)5重量部と、化合物(D)としてイルガキュア18
4を3重量部とした以外は実施例1と同様にしてハード
コート膜を得た。更に、得られたハードコート塗工され
たフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行った。
アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表面に
蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸
化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜
厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150n
m)を成膜し、反射防止機能を付与したハードコート付
きフィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆
硬度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を
評価した。
【0056】<実施例10>化合物(A)としてDPE
−6A10重量部と、DPE−4A10重量部と、DP
E−3A20重量部と、化合物(B)としてライトエス
テルHOA2重量部と、デナコールDA−314を20
重量部と、ライトエステルA20重量部と、化合物
(C)としてサイリシア350を30重量部と、化合物
(D)としてイルガキュア184を2重量部とした以外
は実施例1と同様にしてハードコート膜を得た。更に、
得られたハードコート塗工されたフィルムを実施例1と
同様のアルカリ処理を行った。また、酸化亜鉛ゾル(平
均粒子径40nm)30重量部に対し、テトライソプロ
ポキシチタン100重量部を混合し、ゾル溶液Mを得
た。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表
面に、ダイコート法により、ゾル溶液Mを光学膜厚13
8nm、更にその上に、テトラエトキシシランを光学膜
厚138nmにて塗工し、乾燥させ、反射防止機能を付
与したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フ
ィルムの反射率、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過
率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に
示す。
【0057】<実施例11>化合物(A)としてDPE
−6A80重量部と、化合物(B)としてデナコールD
A314を20重量部と、化合物(C)として平均粒径
2.2mの二酸化珪素微粒子(日本シリカ工業社製、ニ
ップジェルCY−200)と、化合物(D)としてダロ
キュア1173を6重量部とした以外は実施例1と同様
にしてハードコート膜を得た。更に、得られたハードコ
ート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処
理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハード
コート表面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム
・酸化錫を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機
能を付与したハードコート付きフィルムを得た。得られ
た該フィルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷
性、透過率、Haze、耐久性を評価した。結果を表
1、表2に示す。
【0058】<比較例1>化合物(A)としてDPE−
6A10重量部と、化合物(B)としてライトエステル
HOA90重量部と、化合物(C)としてサイリシア4
30を30重量部と、化合物(D)としてイルガキュア
184を2重量部とした以外は実施例1と同様にしてハ
ードコート膜を得た。更に、得られたハードコート塗工
されたフィルムを実施例1と同様のアルカリ処理を行っ
た。アルカリ処理を行った該フィルムのハードコート表
面にスパッタリング法を用いて酸化インジウム・酸化錫
を幾何学膜厚にて150nm成膜し、伝導性機能を付与
したハードコート付きフィルムを得た。得られた該フィ
ルムのシート抵抗、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、透過
率、Haze、耐久性を評価した。結果を表1、表2に
示す。
【0059】<比較例2>化合物(A)としてDPE−
6A95重量部と、化合物(B)としてデナコールDA
−314を5重量部と、化合物(C)としてニップジェ
ルAZ−200を0.1重量部と、化合物(D)として
イルガキュア184を5重量部とした以外は実施例1と
同様にしてハードコート膜を得た。更に、得られたハー
ドコート塗工されたフィルムを実施例1と同様のアルカ
リ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムのハ
ードコート表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚
=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸
化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学
膜厚=150nm)機能を付与したハードコート付きフ
ィルムを得た。得られた該フィルムの反射率、鉛筆硬
度、密着性、耐擦傷性、透過率、Haze、耐久性を評
価した。結果を表1、表2に示す。
【0060】<評価>上記の実施例、比較例で評価した
鉛筆硬度、密着性、擦傷性、耐久性は以下の方法で測定
した。 (シート抵抗)四端子法により測定した。 (鉛筆硬度)JIS K5400に準拠して行った。 (密着性)JIS K5400に準拠して行った。 (擦傷性)スチールウール(#0000)250gにて
10往復擦傷し、傷の本数を目視にて確認した。 (透過率)自記分光光度計U−4000(日立製作所社
製)を用いて、サンプルのハードコート面を光源に向け
波長550nmの透過率を測定した。 (反射率)サンプルの裏面をサンドブラスト処理し、且
つ、つや消しスプレー(カンペハピオ社製、ヒットスプ
レーA)にて塗工し、自記分光光度計U−4000(日
立製作所社製)を用いて、サンプルのハードコート面を
光源に向け波長550nmの反射率を測定した。 (Haze)ASTM D 1003−61に準拠して
行った。 (耐久性) (1)耐光性 JIS 5400に準拠し紫外線カーボンアーク(スガ
試験機株式会社製 紫外線ロングライフフェードメータ
FAL−5)を用いて360時間紫外線を暴露した
後、密着性及び外観を目視にて評価した。また、さらに
1000時間まで紫外線を暴露した後の密着性を目視に
て評価した。なお、密着性はテープ残存率が100%の
ものを◎、50〜99%のものを○、1〜49%のもの
を△、0%のものを×とした。 (2)耐湿熱性 温度60℃、湿度95%に1000時間保存した後、そ
の後、温度25℃及び湿度65%の環境に24時間放置
した後、密着性及び外観を目視にて評価した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、(メタ)アクリロイル
基を分子内に有する化合物と、アルカリ可溶成分を含む
ハードコート樹脂組成物を用いることにより、該組成物
を基材上に塗布し活性エネルギー線を照射して得られる
ハードコート層の高い表面硬度と他の層を積層した時の
他の層との高い密着性を有する積層体となるものであ
る。また、さらに平均粒子径1〜20μmの微粒子を含
むことにより、高い表面硬度、密着性、防眩性を両立し
た信頼性の高いフィルムとなる。
フロントページの続き (72)発明者 館野 潤子 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 稲葉 喜巳 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK25A AK42 AR00C AT00B BA02 BA03 BA10B BA10C CA23A DE01H EH662 EJ082 EJ522 EJ602 JB14A JG01C JK12 JL11 JN06 4J038 CG141 CH121 CH171 FA11 GA03 GA06 GA09 HA446 KA08 NA11 NA12 NA20 PA17 PB08 PB09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも(メタ)アクリロイル基を分子
    内に有する化合物(A)と、アルカリ可溶成分(B)と
    を含み、かつ(メタ)アクリロイル基を分子内に有する
    化合物(A)30〜90重量部に対してアルカリ可溶成
    分(B)を10〜70重量部、配合してなることを特徴
    とする活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】さらに平均粒子径1〜20μmの微粒子
    (C)を含み、かつ(メタ)アクリロイル基を分子内に
    有する化合物(A)30〜90重量部に対して微粒子
    (C)を1〜50重量部配合してなることを特徴とする
    請求項1記載の活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記(メタ)アクリロイル基を分子内に有
    する化合物(A)が、(メタ)アクリロイル基を3個以
    上有することを特徴とする請求項1又は2に記載の活性
    エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記アルカリ可溶成分(B)が、分子内に
    水酸基と(メタ)アクリロイル基を有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線
    硬化ハードコート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記アルカリ可溶成分(B)の分子内に含
    まれる水酸基が複数存在することを特徴とする請求項4
    に記載の活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】基材上に、請求項1〜5のいずれかの記載
    の活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物を積層
    し、活性エネルギー線硬化ハードコート樹脂組成物に活
    性エネルギー線を照射して得られることを特徴とするハ
    ードコート層を含む積層体。
  7. 【請求項7】前記活性エネルギー線照射時に、酸素濃度
    が5%以下の雰囲気下で照射を行うことを特徴とする請
    求項6に記載のハードコート層を含む積層体。
  8. 【請求項8】前記活性エネルギー線照射時に、不活性ガ
    スでパージすることを特徴とする請求項6又は7に記載
    のハードコート層を含む積層体。
  9. 【請求項9】前記ハードコート層上に、機能層を設けた
    ことを特徴とする請求項8に記載の積層体。
  10. 【請求項10】前記機能層が導電性機能を有することを
    特徴とする請求項9に記載の積層体。
  11. 【請求項11】前記機能層が一層以上であり、かつ反射
    防止機能を有すること特徴とする請求項9又は10記載
    の積層体。
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