JP2009161645A - 防眩性ハードコート用組成物の製造方法及び防眩性ハードコート用組成物 - Google Patents

防眩性ハードコート用組成物の製造方法及び防眩性ハードコート用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期的に安定して保存、使用できるとともに単層にて好適な防眩性、高硬度を有する防眩性ハードコート組成物、及び該組成物を用いて得られる防眩性ハードコート付透明基板を提供する。
【解決手段】 (i)成分として3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマー、(ii)成分として1又は2官能の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマー、(iii)成分として有機溶媒、(iv)成分として熱重合開始剤からなる混合液を加熱により反応させて前記(i)成分と(ii)成分とを共重合させて前記混合液中にて有機微粒子を得る第1ステップと、第1ステップにておける前記混合液の粘度が1.0〜20.0mPa・sの範囲内となるように前記第1ステップによる重合反応を止める第2ステップと、第2ステップにより重合反応が止められた混合液に(v)光重合開始剤を添加する第3ステップと、を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、好適な防眩性と高硬度性を有する防眩性ハードコート組成物の製造方法、及び防眩性ハードコート組成物に関する。
従来、液晶(LCD)やCRT、有機EL、発光ダイオードなどに代表される表示体は、表示面に外部から光があたるとこの光が表示面にて反射し、画面が見難くなるという問題点がある。このような表示面における反射を防止するコーティングとして、真空蒸着機により高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した多層無機膜やウエット方式による高屈折率層+低屈折率層の2層で構成される有機系膜が知られている。このような反射防止コーティングは、いずれも複数の層を積むことで反射防止性を出すように設計されている。しかし真空蒸着機ではコーティングできる大きさに限度があり、大きなチャンバーを真空にして行うことを考慮するとコスト的に不利になってしまう。またウエット方式では真空蒸着方式よりもコストは抑えられるが、2層コーティングすることで歩留まりが懸念される。このため、多層の反射防止膜ではなく安価な単層の防眩性膜が求められている。またこの防眩性膜は、表示体の最前面に位置することが多く、鉛筆硬度や耐擦傷性といった表面硬度特性も同時に求められることになる。このような単層にて防眩性を施す硬化性樹脂組成物として、シリカ等の無機微粒子を添加する方法が知られている。このような硬化性樹脂組成物は、粒径の異なる少なくとも2種類の無機微粒子をアクリル系樹脂等の有機物に混合することにより得られ、これを紫外線等により硬化させることで凹凸構造を持つ塗膜を形成し、これによって防眩性を得るものである(特許文献1、特許文献2参照)。
特開平9−304603号公報 特開2007−164206号公報
上述したような無機微粒子を含有する従来のコーティング剤は、微粒子の粒径の分布とその添加量によって防眩性の効果を得る。しかしながら、無機微粒子を含有する樹脂組成物においては、その微粒子が有機物中に長期に渡り均一に分散して存在できず、その結果防眩性が得られなくなり塗料として長期的に安定して保存、使用できないという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、長期的に安定して保存、使用できるとともに単層にて好適な防眩性、高硬度を有する防眩性ハードコート組成物の製造方法、及び該製造方法を用いて得られる防眩性ハードコート組成物を提供することを技術課題とする。
上記課題に対して、本発明では有機微粒子により膜に凹凸構造を持たせており、またこの有機微粒子は光活性エネルギー線照射により架橋構造の中に組み込まれるため、防眩性かつ高硬度性を有することが出来る。上記課題を解決するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 本発明の防眩性ハードコート組成物の製造方法は、(i)成分として3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマー、(ii)成分として1又は2官能の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマー、(iii)成分として有機溶媒、(iv)成分として熱重合開始剤からなる混合液を加熱により反応させて前記(i)成分と(ii)成分とを共重合させて前記混合液中にて有機微粒子を得る第1ステップと、
該第1ステップにておける前記混合液の粘度が1.0〜20.0mPa・sの範囲内となるように前記第1ステップによる重合反応を止める第2ステップと、
該第2ステップにより重合反応が止められた前記混合液に(v)光重合開始剤を添加する第3ステップと、
を有することを特徴とする。
(2) (1)の防眩性ハードコート用組成物の製造方法において、前記有機微粒子の平均粒径が0.05〜5.0μmであることを特徴とする。
(3) (2)のハードコート用組成物の製造方法において、前記重合開始前の混合液における(i)成分,(ii)成分,(iii)成分の割合は、
(i)成分10重量部に対して(ii)成分が0.1重量部〜100重量部であり、
(iii)有機溶媒は全(メタ)アクリレート量に対して等量〜10倍量、
であることを特徴とする。
(4) 本発明の防眩性ハードコート用組成物は、3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマーと,1又は2官能の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマーとを共重合させて得られる平均粒径が0.05〜5.0μmの有機微粒子と、有機溶媒と、光重合開始剤と、を有することを特徴とする。
(5) (4)の防眩性ハードコート用組成物は、その粘度が1.0〜20.0mPa・sであることを特徴とする。
本発明によれば、長期的に安定して保存、使用できるとともに単層にて好適な防眩性、高硬度を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明は、(i)成分の3官能以上の(メタ)アクリル系モノマー(またはオリゴマー)と、(ii)成分の1又は2官能の(メタ)アクリル系モノマー(またはオリゴマー)を、(iii)成分の有機溶媒中で混合し、ここに(iv)成分の熱重合開始剤を所定量添加して反応させ共重合させるが、重合反応を完了させるのではなく、防眩効果を持つために必要な有機微粒子の粒子径分布が得られる程度の重合状態で共重合を終了させ、有機溶媒中にこの有機微粒子が均一に分散した状態にする。これに(v)成分の光重合開始剤を添加して防眩性ハードコート用の組成物として用いるものである。
なお、(i)成分と(ii)成分との割合は、(i)成分10重量部に対して(ii)成分が0.1〜100重量部好ましくは1〜10重量部である。また、(iv)成分の熱重合開始剤の添加量は、全(メタ)アクリレート重量に対して好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。また、溶液重合行うための溶媒となる(iii)成分の有機溶媒は、全(メタ)アクリレート量((i)成分+(ii)成分)に対して等量〜10倍程度添加する。全(メタ)アクリレート量に対して有機溶媒の量が等量よりも少ない場合、重合反応が急速に進んでしまい、所望する重合状態で反応を止めることが困難である。また、全(メタ)アクリレート量に対して有機溶媒の量が10倍を超えてしまうと、組成物中における有機微粒子の濃度が低くなってしまい、所望する効果を得ることが難しい。
(i)〜(iv)成分を混合した後、この溶液を所定温度(例えば、50℃〜100℃)、所定時間(例えば、10分〜24時間)にて加熱することにより共重合を行う。共重合は反応が完全に終了するまで行うのではなく、溶液の粘度が25℃において1.0〜20mPa・s程度となったら加熱を止め、重合反応を止めることにより、所定の粒子径を有した有機微粒子が分散した樹脂組成物を得ることができる。このように重合反応を制御することにより、溶液中のアクリル系樹脂は完全に固形化せず、コーティング用の樹脂組成物として用いることが可能であるとともに、重合により形成されるアクリル系樹脂の粒子は種々の大きさにて溶液中に存在(分布)することとなる。このときのアクリル系樹脂の粒子径(平均粒子径)は0.05〜5.0μmであり、好ましくは0.1〜2.0μmであり溶液は白く濁った状態となる。
本発明で共重合に用いる(メタ)アクリレートは、3官能以上の(メタ)アクリレートと1又は2官能の(メタ)アクリルレートを組み合わせて共重合する。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの双方を含む意味で用いている。これらの具体例としては以下に挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(i)成分の3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート等の分岐鎖状、環状の(メタ)アクリレート類、又はウレタンアクリレート類等、そしてこれらの重合体を挙げることができ、これらをモノマーまたはオリゴマーとして1種類又は2種類以上の混合物にて使用する。
(ii)成分の1又は2官能の(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシ)エチルイソシアネート、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらをモノマーまたはオリゴマーとして1種類又は2種類以上の混合物にて使用する。
本発明で使用される溶液重合を行うための(iii)成分の有機溶媒は以下に挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エチレングリコール、n−プロピルセロソルブ、ジメチルアセトアミド、ベンゼン、キシレン、トルエン、n―ブタノール、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エタノール、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール、ブタノール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明で使用される(メタ)アクリレートを熱重合させるための(iv)成分の熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル(BPO)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ-2-メチルシクロヘキサン等の過酸化物系開始剤や2,2'−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ系開始剤等の一般的な重合開始剤を使用することができる。この熱重合開始剤は全(メタ)アクリレート重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%添加する。
このようにして作製した樹脂組成物に光重合開始剤を全(メタ)アクリレート重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%添加することにより、シート、フィルム等の透明基板に塗布し活性エネルギー線にて硬化を行うことにより防眩性と高硬度(鉛筆硬度・耐擦傷性)を有するハードコート用組成物(基材)が得られる。
また、本発明で使用される(v)成分の光重合開始剤は、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。光ラジカル重合開始剤の例として、トリス(クロロメチル)トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどのトリアジン系化合物、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテルなどのベンゾイン系化合物、ジエトキシアセトフェノン、4−フェノキシジクロロラセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノンなどのアセトフェノン系化合物、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン系化合物、ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルフォスフィンオキサイド、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、アシルフォスヒンオキサイド等が挙げられ、これらは2種類以上を併用して用いてもよい。
このようにして得られたハードコート用組成物をシートやフィルム等の透明基板に塗布する方法として、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、フローコート、キャップコート、ナイフコート、ダイコート、ロールコート、グラビアコート法等が挙げられ、これらの塗工方法を用いて所定の厚みだけ塗布した後、活性エネルギー線により硬化させることにより、(メタ)アクリロイル基がラジカル重合し、塗膜の硬化がなされる。なお、シートやフィルム等の透明基板は既知の透光性を有したプラスチック等が挙げられるが、特に制限はない。
上記塗工方法にて基材に塗布、溶剤乾燥、活性エネルギー線照射し成膜することとなるが、このときの膜厚は0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmとなるようにする。活性エネルギー線照射は、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、LEDランプ、タングステンランプ等の光源から発せられる活性エネルギー線を照射し硬化させて成膜する。ここでいう活性エネルギー線とは、紫外線や電子線など光ラジカル重合可能なものをいう。
これより以下に本発明に関する実施例及び比較例について述べるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1)
丸底フラスコにペンタエリスリトールトリアクリレート(ライトアクリレートPE3A:共栄社化学)を14gとビニルトリエトキシシラン(TSL8311:東芝シリコーン)を3g、メチルエチルケトン(MEK:キシダ化学)を50g、過酸化ベンゾイル(BPO:キシダ化学)を全(メタ)アクリレートに対して3重量%添加し攪拌混合した。次いでこの丸底フラスコをオイルバス中で83℃で6時間還流させ、熱により共重合反応を行った。得られた溶液の粘度を測定した。このときの粘度は4.69mPa・sであった。また、溶液に存在する有機微粒子の平均粒子径を測定した。得られた平均粒子径(d50)は149.5nmで、溶液は白く濁っていた。この後で光重合開始剤としてイルガキュア184(irg184:チバスペシャリティケミカルズ製)を全(メタ)アクリルレートの5重量%添加して目的の樹脂組成物(防眩性ハードコート用組成物)を得た。
この樹脂組成物を市販のアクリル板に1000rpmで20秒間スピンコートした。この後65℃で1分間乾燥させてから、高圧水銀灯で光源下100mmの位置で紫外線を1000mJ/cm2照射して硬化させ、防眩性ハードコート付き透明基板を得た。この塗膜の特性及び物性について、下記の測定及び試験を行った。尚、この測定及び試験は塗布硬化後24時間以上経過してから行った。下記実施例2〜3、比較例1〜2についても同様にして塗布・硬化させ、測定及び試験を行った。
<測定・試験>
(1)粒子径測定:動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製、LB−550)を用いて粒度分布測定を行った。測定は原液を5倍に希釈してからメジアン径(d50)にて測定を行い、この径を平均粒子径とした。
(2)粘度測定:動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製、LB−550)に付属している回転移動式粘度計で原液の状態で粘度を測定した(25℃)。
(3)全光線透過率測定:濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−5000)にて測定を行
った。
(4)ヘイズ測定:濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−5000)にて測定を行った。
(5)機械的物性測定:塗布硬化させた樹脂組成物の表面上の鉛筆硬度(表面硬度)を、井本製作所製の鉛筆硬度試験機を用いてJIS−K−5400に準じて測定した。またスチールウールによる耐擦傷性は、ボンスター#0000(日本スチールウール)に1.5kg荷重をかけ10往復擦ったときのキズの本数で評価した。キズが0本の場合は評価A、1〜5本を評価B、6〜10本を評価C、11〜15本を評価Dとした。
(6)密着性試験:JIS−K−5400に準じて、碁盤目状に100枡の升目をつくりセロハンテープ(ニチバン製#405)で圧着、剥がしを行い皮膜が残っている数で評価を行った。
(7)長期保存安定性:塗料としての安定性(沈殿・凝集)の確認を室温で半年間保存し確認を行った。半年後、沈殿や凝集がなく、ハードコート用組成物として使用可能であれば○、沈殿や凝集等が生じていれば×とした。
以上の測定、試験結果を表1に示す。
(実施例2)
ビニルトリエトキシシランをビニルトリメトキシシラン(KBM1003:信越化学工業)にした以外は、実施例1と同様にして80℃で12時間還流させ、熱により共重合反応を行った。このときの粘度は4.59mPa・s、平均粒子径(d50)は172.6nmで溶液は白く濁っていた。この後で光重合開始剤としてirg184を全(メタ)アクリルレートの5重量%添加して目的の樹脂組成物を得た。コーティング及び硬化は実施例1と同様に行い防眩性ハードコート付き透明基板を得た。測定、試験結果を表1に示す。
(実施例3)
ビニルトリエトキシシランをグリシジルメタクリレート(ライトアクリレートG:共栄社化学)にした以外は、実施例1と同様にして82℃で7.5時間還流させ、熱により共重合反応を行った。このときの粘度は4.12mPa・s、平均粒子径(d50)は135.5nmで溶液は白く濁っていた。この後で光重合開始剤としてirg184を全(メタ)アクリルレートの5重量%添加して目的の樹脂組成物を得た。コーティング及び硬化は実施例1と同様に行い防眩性ハードコート付き透明基板を得た。測定、試験結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にしてオイルバス中で82℃で10時間還流させ、熱により共重合反応させた。このときの粘度は測定不可であり、粒子径が目視で確認できる程度に大きくなっていた。塗布硬化を行ったが、目視で確認できる大きさの粒子状の固形物が基材上にあり外観上著しく劣っていた。測定、試験結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして還流させないで混合のみを行った。このときの粘度は0.64mPa・s、粒子径(d50)は20.8nmであった。この後で光重合開始剤としてirg184を全(メタ)アクリルレートの5重量%添加して目的の樹脂組成物を得た。コーティング及び硬化は実施例1と同様に行い透明基板を得た。測定、試験結果を表1に示す。
Figure 2009161645
(結果)
表1に示すように、本実施形態で得られる樹脂組成物を塗布硬化することにより、防眩性と高硬度性が得られた。また保存安定性についても優れていることが確認できた。

Claims (5)

  1. (i)成分として3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマー、(ii)成分として1又は2官能の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマー、(iii)成分として有機溶媒、(iv)成分として熱重合開始剤からなる混合液を加熱により反応させて前記(i)成分と(ii)成分とを共重合させて前記混合液中にて有機微粒子を得る第1ステップと、
    該第1ステップにておける前記混合液の粘度が1.0〜20.0mPa・sの範囲内となるように前記第1ステップによる重合反応を止める第2ステップと、
    該第2ステップにより重合反応が止められた前記混合液に(v)光重合開始剤を添加する第3ステップと、
    を有することを特徴とする防眩性ハードコート用組成物の製造方法。
  2. 請求項1の防眩性ハードコート用組成物の製造方法において、前記有機微粒子の平均粒径が0.05〜5.0μmであることを特徴とするハードコート用組成物の製造方法。
  3. 請求項2のハードコート用組成物の製造方法において、前記重合開始前の混合液における(i)成分,(ii)成分,(iii)成分の割合は、
    (i)成分10重量部に対して(ii)成分が0.1重量部〜100重量部であり、
    (iii)有機溶媒は全(メタ)アクリレート量に対して等量〜10倍量、
    であることを特徴とする防眩性ハードコート用組成物の製造方法。
  4. 3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマーと,1又は2官能の(メタ)アクリル系モノマーまたはオリゴマーとを共重合させて得られる平均粒径が0.05〜5.0μmの有機微粒子と、有機溶媒と、光重合開始剤と、を有することを特徴とする防眩性ハードコート用組成物。
  5. 請求項4の防眩性ハードコート用組成物は、その粘度が1.0〜20.0mPa・sであることを特徴とする防眩性ハードコート用組成物。
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