JP2005316425A - 低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 帯電防止特性と反射防止特性を併せ持ちかつ実用的な層の機械的強度を有する、ディスプレイ表面に用いることのできる、低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置の提供。
【解決手段】 帯電防止剤と空隙を有する微粒子の双方を含む低屈折率層。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種ディスプレイ表面に用いることのできる、低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置に関する。
CRT、液晶パネル、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の各種ディスプレイには、その表面に帯電防止層、反射防止層あるいはそれらを積層する積層体等を備えてなるものがある。このうち、帯電防止層や帯電防止積層体は、ディスプレイ表面の帯電による埃の付着を防止するものであり、その手段としては、導電性を付与することにより帯電を防止することが知られている。また、反射防止層や反射防止積層体は、外光の反射による表示品質の低下を低減するものであり、その手段としては、凹凸状の表面により外光を乱反射させること、低屈折率層を設けることにより反射防止を実現することが知られている。
しかしながら、単一の層でこれら帯電防止特性および反射防止特性を併せ持つ層については、実用に耐えうるものは知られていない。これは、帯電防止性能の付与を目的として帯電防止剤の添加や導電性官能基の導入を行った場合、反射防止のため用いられるフッ素やケイ素を含む有機低屈折率材料の硬化が阻害され、反射防止層として必要となる層の機械的強度(耐擦傷性等)が極端に低下するからである。
特開2002−79600号公報 特開2003−292831号公報 特開2001−233611号公報 特開2002−160907号公報 特開2003−261797号公報 国際公開第00/37359号公報
本発明の目的は、上記課題を解決すること、すなわち、帯電防止特性および反射防止特性を併せ持ち、かつ実用的な層の機械的強度を有する、ディスプレイ表面に用いることのできる、低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置を提供することにある。また、併せて、帯電防止成分量を低減した低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置を提供することにある。
本発明者は、帯電防止成分導入による低屈折率層の強度の低下が、特定の空隙を有する微粒子の添加により防止できることを知見するともに、特定の微粒子の添加により単一層で帯電防止性能と低屈折率性能を有するものとすることによって、予想外にも帯電防止成分導入量を低減しても必要な帯電防止性能が得られることを知見し、本発明を完成させた。
したがって、本発明は、帯電防止剤と空隙を有する微粒子の双方を含む、低屈折率層である。
本発明によって、帯電防止特性および反射防止特性を併せ持ち、かつ実用的な層の機械的強度を有する、ディスプレイ表面に用いられる低屈折率層、およびそれを用いた画像表示装置を提供することができる。本発明の低屈折率層によって、中間層に帯電性を持たせその上に低屈折率層を積層する従来のものに比べ、より少量の帯電防止成分の導入で帯電防止性能が均一に保たれ、大面積のディスプレイに用いた場合の製品のより高い信頼性が得られる。
低屈折率層
本発明の低屈折率層は、帯電防止剤と空隙を有する微粒子の双方をマトリックス材料中に含むものである。
マトリックス材料としては、低屈折率性能と帯電防止性能を発現しうるものであれば、特に限定されないが、一般的には樹脂材料、例えば紫外線等の光線や電子線などで硬化する電離放射線硬化型樹脂バインダーを用いることができる。
低屈折率層の屈折率は、十分な反射防止性能を得るためには1.45以下が好ましく、1.40以下がより好ましく、1.38以下がさらに好ましい。低屈折率層の厚みは、用途により適宜設定できるが、例えば0.05〜0.15μmとすることができる。透明性については、全層を形成後、JIS−K7361−1に規定されるヘイズ値が基材だけのヘイズ値と変わらないかまたは基材だけのヘイズ値との差が1.5%以内となることが好ましい。
低屈折率層の形成の際には、必要に応じ、光重合開始剤やコーティング組成物の固形成分を溶解分散するための有機溶剤を用いることができる。
空隙を有する微粒子
空隙を有する微粒子とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造をとった結果、或いは微粒子が集合体を形成した結果、気体が屈折率1.0の空気である場合、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の空気の占有率に反比例して屈折率が低下した微粒子及びその集合体のことを言う。例えば、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムや表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子や、断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする微粒子のうち、本発明に使用できる平均粒子径の範囲のものが好ましく使用できる。
無機の多孔質微粒子としては、例えば、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から本発明で好ましく使用できる粒子径の範囲内のものを、また、無機の粒子としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製した空隙を有するシリカ微粒子が好ましく用いられる。一般的なシリカの屈折率は約1.45であるのに対して、多孔質又は空隙を有するシリカは、約1.20〜1.44と低い屈折率を有する。例えば、SiO又はSiO以外の金属酸化物のシード粒子を分散させた分散溶液中で、シリカ原料と、シリカ以外の無機酸化物原料のアルカリ水溶液を徐々に添加して、シード粒子を核として、シリカとシリカ以外の無機酸化物とからなる微粒子を成長させ、次いで、成長した粒子中の珪素と酸素以外の元素を溶解除去、或いはイオン交換除去することによりシリカ粒子を多孔質化し、次いで、シリカ粒子表面を加水分解性有機化合物またはケイ酸液等の重合物で被覆する方法により、空隙を有するシリカ微粒子を得ることができる。
集合体を形成する無機の微粒子としては、例えば、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体や日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)の中から本発明の好ましく使用できる粒子径の範囲内のものを用いることができる。本発明で使用される平均粒子径5nm〜300nmの微粒子は、一次粒子径5nm〜100nmの微粒子が鎖状に連なって形成されていてもよい。
有機のそれ自身が空隙を有する微粒子は、例えば、特開2002−256004号公報に示されるような、ポリマー層と孔充填層を有する多孔質粒子であって、該孔充填層がフュージティブ物質、置換気体、或いはそれらの組合せであり、一方、該ポリマー層のガラス転移温度が10℃〜50℃である多孔質粒子が挙げられる。
また、集合体を形成する有機の微粒子としては、例えば、市販品として総研化学株式会社製の機能性微粒子凝集体MP−300F(商品名、0.1μmのアクリル凝集粒子として市販されている。)等が好ましく使用できる。
これらの微粒子は製造が容易でそれ自身が硬いために、バインダー成分と組合せた時の膜強度も向上できるため好ましく使用することが出来る。
空隙を有する微粒子の一次粒子径は、塗膜に優れた透明性を付与するためには、平均粒子径5nm〜300nmの範囲であることが好ましい。
上記微粒子は、有機成分との親和性向上や、帯電防止性付与などのため表面処理を行うことができる。表面処理としては、シラン処理、帯電防止成分を微粒子表面に導入する処理が挙げられる。このうち帯電防止表面処理としては、以下の物質による表面処理が挙げられる。
カチオン変性ケイ素化合物:オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、3−(N−スチルメチル−2−アミノエチルアミノ)−プロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N(3−トリメトキシシリルプロピル)−N−メチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド、N,N−ジデシル−N−メチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、トリメトキシシリルプロピル(ポリエチレンイミン)、ジメトキシメチルシリルプロピル変性(ポリエチレンイミン)等が挙げられ、市販品としてジメチルオクタデシル−3−トリメトキシ・シリルプロピルアンモニウムクロライド(東芝シリコーン製:XS70−241)がある。カチオン変性ケイ素化合物において、窒素原子が4級アンモニウム塩として含有されている化合物は、安定で取り扱い易いことから好ましい。
金属アルコキシド:テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、トリエチルオキシパナジウム、テトラブチルオキシジルコニウム等が挙げられる。
アセチルアセトン金属錯体:アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセトンアルミニウム等が挙げられる。
帯電防止剤
帯電防止剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、特殊カルボン酸型高分子界面活性剤類等の陰イオン性帯電防止剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン誘導体類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、アルキルアルカノールアミド類等の非イオン性帯電防止剤、アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類等の陽イオン帯電防止剤、アルキルベタイン類、アミンオキサイド類等の両性帯電防止剤等が挙げられる。
さらには上記のような帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられ、低分子の界面活性剤タイプと比較して持続効果に優れる。代表的なものとしてポリエーテル類ではポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、エチレンオキシドーエピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩類としては、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、4級アンモニウム塩基含有メタクリル共重合体、スルホン酸類としてはポリスチレンスルイン酸ソーダ、ベタイン類としてはカルボベタイングラフト共重合体等が挙げられる。
また、電解質としては、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属イオン類、もしくはRの一般式で表現され、Rが、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等である第4級アルキルアンモニウム塩類等のカチオンと組み合わされた塩、または、Cl、Br、I等のハロゲンイオン、SO 2−、NO 、ClO 、BF 、PF 、各種スルホン酸イオン等の酸基イオン、もしくは過塩素酸イオン等のアニオンと組み合わされた塩が挙げられる。
また、導電性重合体として、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール等を挙げることができる。
帯電防止剤の濃度は、低屈折率層内で厚み方向に変化していてもよい。例えば、帯電防止成分が低屈折率層の表面付近で高濃度となるようにし、導電性のパスを形成させることもできる。
このように低屈折率層に帯電防止性能を付与することにより、埃などが直接接する面に導電性を付与することで、従来の中間層に帯電性を持たせ、帯電し易いフッ素系樹脂等からなる低屈折率層を積層する場合に比べ、少量の帯電防止成分(添加剤、フィラー、導電性官能基)の導入で面内の帯電防止性能が得られる。
低屈折率層のマトリックス成分
低屈折率層のマトリックス成分としては、一般に樹脂を用いることができるが、その中でも紫外線やその他の光線、電子線などの電離放射線により硬化する樹脂が好ましい。
この場合、電離放射線の照射を受けたときに直接、又は開始剤の作用を受けて間接的に、重合や二量化等の大分子化を進行させる反応を起こす重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。具体的には、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマー、オリゴマーが好ましく、バインダー成分の分子間で架橋構造が生じるように、一分子内に重合性官能基を2個以上有する多官能のバインダー成分であることが好ましい。また、導電性を向上させるには、イオン伝搬性を良好にするような、EO変性など親水性のバインダーであることが好ましい。さらに分子中に水酸基を残したバインダー成分を用いるのが好ましい。バインダー中の水酸基は、水素結合によりハードコート層や低屈折率層等の隣接層に対する密着性を向上させることが可能となる上に、導電性微粒子との親和性にも優れており、該導電性微粒子のバインダー中での分散性を向上させるので好ましい。
上記の電離放射線硬化型樹脂組成物に好ましく使用されるモノマー類としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、上記した物のEO変性品、等を例示することができる。
これらに加え、エポキシアクリレート樹脂(共栄社化学製「エポキシエステル」や昭和高分子製「リポキシ」等)や各種イソシアナートと水酸基を有するモノマーとがウレタン結合を介して重付加によって得られるウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業製「紫光」や共栄社化学製「ウレタンアクリレート」)といった数平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算数平均分子量)が2万以下のオリゴマー類も好ましく使用できる。
これらのモノマー類やオリゴマー類は塗膜の架橋密度を高める効果が高いほか、数平均分子量が2万以下と小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果もある。
低屈折率層のその他の成分
低屈折率層形成にあたり、溶剤、光開始剤やフッ素系および/またはケイ素系化合物を必要に応じ添加して用いることができる。
溶剤は、コーティング組成物の固形成分を溶解分散するために有機溶剤を通常用いることになるが、特に制限はされず、種々の有機溶剤、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;あるいはこれらの混合物を用いることができる。
それらの中でも、ケトン系の有機溶剤を用いるのが好ましく、ケトン系溶剤を用いて調製すると、基材表面に容易に均一に塗布することができ、かつ、塗工後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な厚さの大面積塗膜を容易に得ることができるからである。
また、溶剤の量は、各成分を均一に溶解、分散することができ、調製後の保存時に凝集を来たさず、かつ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の使用量を少なくして高濃度のコーティング組成物を調製し、容量をとらない状態で保存し、使用時に必要分を取り出して塗工作業に適した濃度に希釈するのが好ましい。固形分と溶剤の合計量を100重量部とした時に、全固形分0.5〜50重量部に対して、溶剤を50〜95.5重量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30重量部に対して、溶剤を70〜90重量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した低屈折率組成物が得られる。
また、光開始剤は、光硬化バインダー成分を用いる際は通常用いることになるが、一般的な物を使用することができる。例えば、電離放射線硬化性基がエチレン性不飽和結合である場合には、光ラジカル重合開始剤を用いる。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。より具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。これらのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量でも電離放射線の照射による重合反応を開始し促進するので、本発明において好ましく用いられる。これらは、いずれか一方を単独で、又は、両方を組み合わせて用いることができる。これらは市販品にも存在し、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンはイルガキュアー 184(Irgacure 184)の商品名でチバスペシャリティーケミカルズ(株)から入手できる。
また、バインダー成分および微粒子の何れに対しても相溶性を有するフッ素系および/またはケイ素系化合物を含むこともできる。このようにフッ素系化合物等を含むことにより、最表面に用いられる塗膜表面の平坦化や反射防止積層体に必要とされる防汚性、耐擦傷性向上に効果がある滑り性を付与することができる。なお、「相溶性」とは、フッ素系および/またはケイ素化合物がバインダー成分や微粒子が存在する塗膜中に、添加効果が確認できる量を加えた場合でも、塗膜の白濁やヘイズの上昇などによる透明性の低下が確認できない程度の親和性を有することを意味する。
配合割合
マトリックス成分(例えば帯電防止剤+電離放射線硬化型バインダー)100重量部に対して、空隙を有するシリカ微粒子などの空隙を有する微粒子を70〜250重量部含むことが好ましい。空隙を有するシリカ微粒子などの空隙を有する微粒子が70重量部以下では、所望の屈折率が得られず、250重量部以上では、バインダー量が低下し、低屈折率層の強度が低下することがあるため好ましくない。
シリカ微粒子に表面処理を施す場合には、処理量はシリカ微粒子に対し、1〜50重量%であることが好ましい。1重量%以下では、帯電防止効果が得られなく、50重量%以上では、遊離の表面処理物が多量に存在し、塗工性、塗膜強度等に悪影響を及ぼすことがある。光開始剤は、用いる場合は、バインダー100重量部に対して、2〜8重量部の割合で配合することが好ましい。
反射防止積層体
本発明では、好適態様として、基材上に、ハードコート層、および前記本発明の低屈折率層がこの順序で形成されてなる、ディスプレイ表面用反射防止積層体が包含される。
透明基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。透明基材を形成する材料の具体例としては、トリアセチルセルロース、ポリエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはトリアセチルセルロース、ポリエステル、セルローストリアセテートが挙げられる。
ハードコート層は、積層体自体に、耐擦傷性、強度等の性能を付与する目的で形成されてなるものであり、本発明における必須構成層である。本発明にあって「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。
ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を使用して形成することが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能化合物としてのモノマー類、またはエポキシアクリレート又はウレタンアクリレート等のオリゴマーを使用することができる。
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層は硬化後の膜厚が0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが望ましい。膜厚が0.1μm以下の場合は充分なハードコート性能が得られず、100μm以上の場合は外部からの衝撃に対して割れやすくなるため好ましくない。
本発明の反射防止積層体におけるハードコート層の屈折率が1.57〜1.70であると、中屈折率層または高屈折率層の機能を兼ね備えることができ、反射防止積層体の反射防止性に好ましい。
(反射防止積層体の物性値)
本発明の反射防止積層体に用いられる低屈折率層は、前記したそれ自身が空隙を有する、或いは集合体を形成することで空隙を有する、微粒子が含まれているので、塗膜の強度を確保することができ、且つ、低屈折率層の屈折率を1.50以下、好ましくは1.45以下と非常に小さくすることができる。しかも、実用に耐え得る硬度及び強度を有し、密着性及び透明性にも優れたものとなる。
具体的には、低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて10回擦ったときの、該低屈折率層のヘイズ値の変化が認められる最低荷重量が、200g以上である、高硬度の反射防止積層体を得ることが可能である。
本発明における反射防止積層体の最表面は、その飽和帯電量が2.0kV以下、好ましくは1.5kV以下、より好ましくは1.0kV以下、さらに好ましくは0.5kV以下とされてなるものである。飽和帯電量がこのような値を取ることにより、ハードコート積層体の最表面において埃が付着することを有効に防止することができる。なお、特にIPSモードの液晶ディスプレイにおいては、水平方向に配された電極間に電位をかけるので、上記の測定による飽和帯電電位が0.5kVを超える場合、液晶ディスプレイの表面の帯電により、表示の乱れが生じやすいのに対し、0.5KV以下であれば、表示の乱れが実用上、生じない。
本発明において、飽和帯電量はJIS L1094に準拠して測定することができ、例えば、半減期測定法が挙げられる。この方法は市販の測定器を用いて行うことができ、例えば、オネストメータH−0110(シシド静電気(株))を用いて測定することが可能である。この測定装置を用いた飽和帯電量の測定方法の一例について下記に説明する。
試料(4cm×4cm)をターンテーブルに固定し回転させて電圧を印可し、この測定器により試料表面の耐電圧値(kV)を測定する。時間に対する耐電圧の減衰曲線が描かれ、半減期(帯電量が初期値の半分に達するまでの時間)と飽和帯電量が測定される。
画像表示装置
本発明では、好適態様として、CRT、液晶パネル、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の各種ディスプレイの表面に、本発明の低屈折率層または本発明の低屈折率層を含む反射防止積層体を有する、画像表示装置が包含される。
下記の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した。
Figure 2005316425
下記の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。
Figure 2005316425
基材/ハードコート層/低屈折率積層体の作成
厚み80μmのトリアセテートセルロース(TAC)フィルム上に、上記組成のハードコート層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後,紫外線照射装置(フユージョンUVシステムジャパン(株),光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cmで紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、膜厚約5μmのハードコート層を有する、基材/ハードコート層積層体を得た。
得られた基材/ハードコート層積層体上に,上記の低屈折率層形成用組成物をバーコーティングし、乾燥させることより溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて,照射線量200mJ/cmで紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、基材/ハードコート層/低屈折率層の積層体を得た。
シリカ微粒子に表面処理を施したものを用いた。
シリカ微粒子の表面処理は下記の方法により行った。
シリカ微粒子分散液(固形分20%、溶媒:メチルイソブチルケトン)に対し、シリカ100重量%にジメチルオクタデシル−3−トリメトキシ・シリルプロピルアンモニウムクロライド(東芝シリコーン製:XS70−241)を5重量%添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された空隙を有するシリカ微粒子20重量%のメチルイソブチルケトン分散液を得た。
表面処理を行い、下記の組成にて低屈折率層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層、および低屈折率層を形成して、実施例2の積層体を得た。
Figure 2005316425
下記の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層、および低屈折率層を形成して、実施例3の積層体を得た。
Figure 2005316425
下記の成分を混合して低屈折率層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層、および低屈折率層を形成して、実施例4の積層体を得た。
Figure 2005316425
比較例1
帯電防止剤なしの結果
下記の組成にて低屈折率層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層、および低屈折率層を形成して、比較例1の積層体を得た。
Figure 2005316425
このようにして得られた各積層体について、反射率、耐擦過性、および埃付着防止性の試験評価を行った。
(1)反射率測定
島津製作所(株)製分光光度計(UV−3100PC)を用いて絶対反射率を測定した。なお、低屈折率層の膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように設定した。
得られた反射率曲線から、シミュレーションを用いて低屈折率層の屈折率を求めた。
(2)擦過性評価試験
#0000のスチールウールを用い、荷重200gで20往復した時の傷の有無を目視により確認した。剥離したものを×、表面に傷が確認されたが剥離しなかったものを△、表面に傷が認められなかったものを○とした。
(3)飽和帯電量試験
オネストメータH−0110(シシド静電気(株))を用いて、ハードコート積層体の裏面から20mmの位置に+10kVの電圧を印加し、飽和帯電状態となったところで電圧印加を中止し、速やかに飽和帯電量を測定した。飽和帯電量が少ない値ほど、耐埃性が優れていることを示す。
(4):埃付着性試験
たばこの灰(平均粒径:数μm〜数mm程度)30g程度を均一に分散させた台の上からを10mm程度の高さにハードコート積層体を設置する試験台を用意し、ハードコート積層体を評価(3)の方法と同様の方法により電圧印加行い、飽和帯電状態となったところで、上記試験台の上に設置し、ハードコート積層体の表面にたばこの灰が付着するが否かにより、下記の基準で評価した。
評価結果を以下に示す。
Figure 2005316425

Claims (8)

  1. 帯電防止剤と空隙を有する微粒子の双方を含む、低屈折率層。
  2. 前記空隙を有する微粒子が、屈折率1.20〜1.46を有する微粒子である、請求項1に記載の低屈折率層。
  3. 前記空隙を有する微粒子が、表面処理がなされた微粒子である、請求項1に記載の低屈折率層。
  4. 前記低屈折率層が、屈折率1.45以下を有する層である、請求項1に記載の低屈折率層。
  5. 前記帯電防止剤が、陰イオン性帯電防止剤、陽イオン性帯電防止剤、両性イオン性帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤、錯化合物および導電性高分子からなる群より選ばれるものである、請求項1に記載の低屈折率層。
  6. 基材上に、ハードコート層および請求項1に記載の低屈折率層がこの順序で形成されてなる、ディスプレイ表面用反射防止積層体。
  7. 最表面における飽和帯電量が2.0kV以下である、請求項6に記載のディスプレイ表面用反射防止積層体。
  8. ディスプレイの表面に、請求項1に記載の低屈折率層を有する、画像表示装置。
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