JP2007041238A - 反射防止膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低屈折率層を備え、低反射性及び耐水性に優れた反射防止膜を提供する。
【解決手段】 高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を含んでなる低屈折率層を有する反射防止膜である。
【選択図】 図1
【解決手段】 高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を含んでなる低屈折率層を有する反射防止膜である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、反射防止膜に関するものであり、更に詳細には、空隙を有する微粒子を含んでなる低屈折率層を備えた、低反射性及び耐水性に優れた反射防止膜に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の画像表示装置における表示面は、蛍光燈等の外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが求められる。このため、従来から、透明な物体の表面を屈折率の低い透明皮膜で被覆することにより反射率が小さくなるという現象を利用した反射防止膜を画像表示装置の表示面に設けることにより、表示面の反射性を低減させて視認性を向上させることが検討されている。
低屈折率にする方法は種々あるが、1つの方法として、屈折率が1である空気を膜内部に含有させることによって、膜全体の屈折率を低下させる方法が挙げられる。
このような膜内部に空気を含有させた低屈折率層として、例えば特許文献1では、低屈折率化と硬度、耐擦傷性等の優れた物理的特性とを両立できる反射防止膜を提供することを目的として、シリカゾル粒子と多官能アクリルモノマーから成り、ナノスケールで表面粗さを制御しナノポーラス構造を持つ低屈折率層の提案がなされている。
また、特許文献2では、低屈折率でかつ機械強度に優れる反射防止膜を提供することを目的として、電離放射線硬化型樹脂組成物と、外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞であるシリカ微粒子を含んでなり、電離放射線硬化性基を有するシランカップリング剤により、そのシリカ微粒子の表面の少なくとも一部を処理されてなる低屈折率層を有する反射防止膜が提案されている。
このような膜内部に空気を含有させた低屈折率層として、例えば特許文献1では、低屈折率化と硬度、耐擦傷性等の優れた物理的特性とを両立できる反射防止膜を提供することを目的として、シリカゾル粒子と多官能アクリルモノマーから成り、ナノスケールで表面粗さを制御しナノポーラス構造を持つ低屈折率層の提案がなされている。
また、特許文献2では、低屈折率でかつ機械強度に優れる反射防止膜を提供することを目的として、電離放射線硬化型樹脂組成物と、外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞であるシリカ微粒子を含んでなり、電離放射線硬化性基を有するシランカップリング剤により、そのシリカ微粒子の表面の少なくとも一部を処理されてなる低屈折率層を有する反射防止膜が提案されている。
反射防止膜の低屈折率層は、通常最表面に用いられることから、反射防止膜に水が吸着した場合に色変化を生じるため、耐水性が要求される。しかしながら、特に、低屈折率化を目的として空気を膜に含有させるために空隙を有する微粒子を用いた反射防止膜の場合、空隙に水分を取り込みやすく、耐水性が問題となることがわかった。
上記特許文献1の反射防止膜は、低屈折率化と硬度、耐擦傷性等の優れた物理的特性とを両立させることができるが、その最表面の耐水性が十分なものではなかった。また、上記特許文献2の反射防止膜は、機械的強度に優れるが、シリカ微粒子に耐水性を付与するものではなかった。
特許文献3では単層の反射防止層で高い反射防止性能と防汚性を有する反射防止フィルムの提供を目的として、中空シリカ微粒子を用いた低屈折率層の表面に撥水性/撥油性を有する防汚層を備える提案がなされているが、この反射防止膜の防汚層では、低屈折率層の最表面付近に存在するシリカ微粒子に耐水性を付与するのに十分なものではなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、低反射性を備え、且つ耐水性に優れた反射防止膜を提供することを目的とする。
特許文献3では単層の反射防止層で高い反射防止性能と防汚性を有する反射防止フィルムの提供を目的として、中空シリカ微粒子を用いた低屈折率層の表面に撥水性/撥油性を有する防汚層を備える提案がなされているが、この反射防止膜の防汚層では、低屈折率層の最表面付近に存在するシリカ微粒子に耐水性を付与するのに十分なものではなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、低反射性を備え、且つ耐水性に優れた反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明に係る反射防止膜は、高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を含んでなる低屈折率層を有する。
本発明によれば、上記高分子有機化合物で空隙を有する微粒子を被覆することによって、当該微粒子の空隙中に水分が取り込まれ難くなり、膜に分散された空隙を有する低屈折率層に耐水性を付与することができる。その結果、低反射性を備えながら、耐水性に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明によれば、上記高分子有機化合物で空隙を有する微粒子を被覆することによって、当該微粒子の空隙中に水分が取り込まれ難くなり、膜に分散された空隙を有する低屈折率層に耐水性を付与することができる。その結果、低反射性を備えながら、耐水性に優れた反射防止膜を得ることができる。
また、本発明に係る反射防止膜においては、上記空隙を有する微粒子に被覆されている上記高分子有機化合物が硬化反応性官能基を有することが好ましい。この場合には、微粒子に被覆される高分子有機化合物が硬化反応性官能基を有することにより、空隙を有する微粒子が、当該空隙を有する微粒子同士、或いは、低屈折率層中に含まれる他の硬化反応性官能基と反応し得るため、機械強度を向上させることが可能である。
更に、本発明に係る反射防止膜においては、上記低屈折率層に硬化反応性官能基を有するバインダーを含有し、且つ上記空隙を有する微粒子に被覆されている上記高分子有機化合物が当該バインダーと反応し得る硬化反応性官能基を有することが好ましい。この場合には、微粒子に被覆された高分子有機化合物の硬化反応性官能基が、バインダーの硬化反応性官能基と反応することにより、微粒子が膜中に固定されると共に、膜の硬度を向上させることができる。その結果、特に機械的強度や耐擦傷性に優れ、低反射性及び耐水性を備えた反射防止膜を得ることができる。
更に、本発明に係る反射防止膜においては、上記低屈折率層に硬化反応性官能基を有するバインダーを含有し、且つ上記空隙を有する微粒子に被覆されている上記高分子有機化合物が当該バインダーと反応し得る硬化反応性官能基を有することが好ましい。この場合には、微粒子に被覆された高分子有機化合物の硬化反応性官能基が、バインダーの硬化反応性官能基と反応することにより、微粒子が膜中に固定されると共に、膜の硬度を向上させることができる。その結果、特に機械的強度や耐擦傷性に優れ、低反射性及び耐水性を備えた反射防止膜を得ることができる。
また、本発明に係る反射防止膜は、上記空隙を有する微粒子の屈折率が1.20〜1.44であることが好ましい。この場合、上記反射防止膜は、反射防止効果に特に優れる。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記高分子有機化合物の膜厚が1〜40nmであることが好ましい。高分子有機化合物の膜厚が上記範囲内の場合、特に、耐水性や透明性に優れた反射防止膜を得ることができる。
また、本発明に係る反射防止膜は、前記高分子有機化合物の膜厚が1〜40nmであることが好ましい。高分子有機化合物の膜厚が上記範囲内の場合、特に、耐水性や透明性に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明によれば、耐水性が向上した空隙を有する微粒子を含む低屈折率層を備えることにより、低反射性、及び耐水性に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明に係る反射防止膜は、高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を含んでなる低屈折率層を有する。
本発明に係る反射防止膜によれば、上記高分子有機化合物で空隙を有する微粒子を被覆することによって、当該微粒子の空隙中に水分が取り込まれ難くなり、膜に分散された空隙を有する低屈折率層に耐水性を付与することができる。その結果、低反射性を備えながら、耐水性に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明に係る反射防止膜によれば、上記高分子有機化合物で空隙を有する微粒子を被覆することによって、当該微粒子の空隙中に水分が取り込まれ難くなり、膜に分散された空隙を有する低屈折率層に耐水性を付与することができる。その結果、低反射性を備えながら、耐水性に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明に係る反射防止膜は、上記特定の微粒子を含んでなる低屈折率層が少なくとも含まれるものであり、当該低屈折率層の単層のみからなるものであっても良いし、当該低屈折率層を一つ又は複数の機能層及び/又は光透過性基材上の最表面に形成してなるものであっても良い。
図1は、本発明に係る反射防止膜の一例の断面を模式的に示したものである。反射防止膜1が、光透過性基材2の一面側に、低屈折率層3が設けられている。また、光透過性基材2と低屈折率層3との間には、帯電防止層4及びハードコート層5が設けられている。この態様においては、光透過層が低屈折率層のみから構成されているが、更に、屈折率の異なる別の光透過層を設けてもよい。
図1は、本発明に係る反射防止膜の一例の断面を模式的に示したものである。反射防止膜1が、光透過性基材2の一面側に、低屈折率層3が設けられている。また、光透過性基材2と低屈折率層3との間には、帯電防止層4及びハードコート層5が設けられている。この態様においては、光透過層が低屈折率層のみから構成されているが、更に、屈折率の異なる別の光透過層を設けてもよい。
本発明に係る反射防止膜の層構成は、特に限定されないが、具体例としては、単独の低屈折率層、基材/低屈折率層、基材/ハードコート層/低屈折率層、基材/帯電防止層/ハードコート層/低屈折率層、基材/帯電防止層/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、基材/帯電防止層/ハードコート層/高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層等が挙げられる。ここで、低屈折率層とは、本発明における上記特定の微粒子を含んでなる低屈折率層である。
以下、本発明において必須の層である低屈折率層から順に説明する。
以下、本発明において必須の層である低屈折率層から順に説明する。
<低屈折率層>
低屈折率層は高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を必須成分として含み、必要に応じてバインダーなどの任意成分により形成されてよい。
本発明における反射防止膜の低屈折率層の屈折率は上記空隙を有する微粒子の添加量によって制御することができる。該低屈折率層の屈折率は1.30〜1.50が好ましく、より好ましくは1.30〜1.45である。屈折率が小さいほど、反射率が低くなるため好ましいが、1.30を下回ると、空隙を有する微粒子の量が過剰となる結果、低屈折率層としての強度が不足するようになるため、最外面に用いられる反射防止膜としては好ましくない。
低屈折率層は高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を必須成分として含み、必要に応じてバインダーなどの任意成分により形成されてよい。
本発明における反射防止膜の低屈折率層の屈折率は上記空隙を有する微粒子の添加量によって制御することができる。該低屈折率層の屈折率は1.30〜1.50が好ましく、より好ましくは1.30〜1.45である。屈折率が小さいほど、反射率が低くなるため好ましいが、1.30を下回ると、空隙を有する微粒子の量が過剰となる結果、低屈折率層としての強度が不足するようになるため、最外面に用いられる反射防止膜としては好ましくない。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
(m/4)λ×0.7<n1 d1<(m/4)λ×1.3 数式(I)
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、380〜680nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数。通常1である。)が存在することを意味している。
低屈折率層の膜厚は15〜200nm、更に30〜150nmの範囲であることが好ましい。
(m/4)λ×0.7<n1 d1<(m/4)λ×1.3 数式(I)
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、380〜680nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数。通常1である。)が存在することを意味している。
低屈折率層の膜厚は15〜200nm、更に30〜150nmの範囲であることが好ましい。
[低屈折率層に用いる材料]
(微粒子)
本発明における低屈折率層は、高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を必須成分として含んで成る。本発明において、空隙を有する微粒子とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。空隙を有する微粒子は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。
(微粒子)
本発明における低屈折率層は、高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を必須成分として含んで成る。本発明において、空隙を有する微粒子とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。空隙を有する微粒子は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。
本発明に係る反射防止膜に用いられる空隙を有する微粒子は、無機物、有機物のいずれでもあってよく、例えば、金属、金属酸化物、プラスチックからなるものが挙げられ、好ましくは、酸化珪素(シリカ)微粒子が挙げられる。シリカ微粒子は結晶性、ゾル状、ゲル状の状態等を問わない。微粒子の形状は、球状、鎖状、針状、板状、片状、棒状、繊維状、樹脂状のいずれであってもよい。
空隙を有する無機系の微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましくは挙げられる。空隙を有する無機系微粒子は硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムおよび表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、または断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体例としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
本発明に用いられる微粒子の平均粒子径は、好ましくは5nm以上300nm以下であり、更に好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、特に好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
本発明に用いられる微粒子の平均粒子径は、好ましくは5nm以上300nm以下であり、更に好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、特に好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
空隙を有する微粒子の屈折率は、低屈折率層を十分に低屈折率化することが可能で且つ微粒子自体の強度を確保する点から、1.20〜1.44が好ましく、より好ましくは1.22〜1.40である。
また、本発明による反射防止膜を構成する低屈折率層において、上記空隙を有する微粒子は、所望の屈折率を得る点から、層の全重量に対して10重量%以上で含まれることが好ましい。また、膜強度や耐水性等の点から、上記空隙を有する微粒子は、層の全重量に対して更に好ましくは15〜95重量%、より更に好ましくは20〜70重量%の範囲で含まれる。
また、本発明による反射防止膜を構成する低屈折率層において、上記空隙を有する微粒子は、所望の屈折率を得る点から、層の全重量に対して10重量%以上で含まれることが好ましい。また、膜強度や耐水性等の点から、上記空隙を有する微粒子は、層の全重量に対して更に好ましくは15〜95重量%、より更に好ましくは20〜70重量%の範囲で含まれる。
上記微粒子の空隙率及び空隙を有する微粒子のバインダーに対する重量比率が上記範囲内の場合、反射防止効果に特に優れ、且つ耐水性を有する反射防止膜を得ることができる。
また、本発明による反射防止膜を構成する低屈折率層は、空隙を有する微粒子の他に、内部に空隙が無い微粒子を含んでいてもよい。
また、本発明による反射防止膜を構成する低屈折率層は、空隙を有する微粒子の他に、内部に空隙が無い微粒子を含んでいてもよい。
(高分子有機化合物による微粒子表面被覆処理)
高分子有機化合物を微粒子の表面に被覆する手法としては、I)微粒子と高分子有機化合物が直接、共有結合を介して被覆する方法、II)微粒子と高分子有機化合物が水素結合などの吸着により被覆する方法、更にはIII)微粒子と高分子有機化合物が第三の化合物を介し被覆する方法のいずれを用いてもよい。
高分子有機化合物を微粒子の表面に被覆する手法としては、I)微粒子と高分子有機化合物が直接、共有結合を介して被覆する方法、II)微粒子と高分子有機化合物が水素結合などの吸着により被覆する方法、更にはIII)微粒子と高分子有機化合物が第三の化合物を介し被覆する方法のいずれを用いてもよい。
具体的には、(1)化学的手法被覆を化学反応によって生成する物質により形成する化学的手法として、in−situ重合法、界面反応法、液中硬化法等;(2)カプセル壁を析出、乾燥、凝固などのように物理化学的現象によって出現する物質により形成する物理的手法として、コアセルベーション法、液中乾燥法等;(3)機械的エネルギーを利用する機械的方法として、芯物質表面にカプセル壁を形成する方法、その他にスプレー−ドライ法、高速気流中衝撃法などが挙げられる。
更には、微粒子が金属酸化物のような微粒子表面に水酸基をもつ化合物では、高分子重合開始剤を微粒子表面に固定化させた後に微粒子表面にて高分子有機化合物を重合する方法、あるいは、高分子有機化合物を直接、微粒子表面の水酸基と共有結合させることにより、微粒子表面を覆う方法などが挙げられる。
更には、微粒子が金属酸化物のような微粒子表面に水酸基をもつ化合物では、高分子重合開始剤を微粒子表面に固定化させた後に微粒子表面にて高分子有機化合物を重合する方法、あるいは、高分子有機化合物を直接、微粒子表面の水酸基と共有結合させることにより、微粒子表面を覆う方法などが挙げられる。
高分子有機化合物被覆は、少なくとも微粒子表面を覆っていればよく、その被覆膜厚が均一でなくてもよい。具体的には、高分子有機化合物を被覆する厚みは、1nm以上40nm以下、更に3nm以上25nm以下であることが好ましい。1nm以下の場合は、耐水性の付与に効果がない恐れがあり、40nm以上では、透明性の低下を招く恐れがある。
(高分子有機化合物)
本発明において微粒子に被覆される高分子有機化合物は、種類、合成手法に関して特に制限されるものではない。当該高分子有機化合物の合成方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合とあるが、目的とする高分子有機化合物により最適な手法を選ぶことが可能である。
本発明において微粒子に被覆される高分子有機化合物は、種類、合成手法に関して特に制限されるものではない。当該高分子有機化合物の合成方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合とあるが、目的とする高分子有機化合物により最適な手法を選ぶことが可能である。
上記高分子有機化合物としては、一種類または二種類以上のモノマー単位を含む種々の鎖構造を有するポリマーが挙げられる。線状ポリマーであっても、分岐ポリマー(例えば星型分岐ポリマー、櫛型分岐ポリマー又は樹型分岐ポリマー)であっても良い。また、ポリマーの配列は、特に限定されず、ホモポリマー(単独重合体)、コポリマー(共重合体)(例えば統計コポリマー、ランダムコポリマー、交互コポリマー、周期コポリマー、ブロックコポリマー、ラジカルコポリマー、又はグラフトコポリマー)のいずれであっても良い。本発明において微粒子に被覆される高分子有機化合物は、上記ポリマーを単独で用いても、2種類以上の混合物として用いてもよい。
本発明において微粒子に被覆される高分子有機化合物は、硬化反応性官能基を有するものであることが好ましい。微粒子に被覆される高分子有機化合物が硬化反応性官能基を有することにより、空隙を有する微粒子が、当該空隙を有する微粒子同士、或いは、低屈折率層中に含まれる他の硬化反応性官能基と反応し得るため、機械強度を向上させることが可能である。
中でも、空隙を有する微粒子に被覆されている上記高分子有機化合物が、後述する低屈折率層に含まれるバインダーと反応し得る硬化反応性官能基を有することが好ましい。この場合には、微粒子に被覆された高分子有機化合物の硬化反応性官能基が、バインダーの硬化反応性官能基と反応することにより、微粒子が膜中に固定されると共に、膜の硬度を向上させることができる。その結果、特に機械的強度や耐擦傷性に優れる、低反射性及び耐水性を備えた反射防止膜を得ることができる。
中でも、空隙を有する微粒子に被覆されている上記高分子有機化合物が、後述する低屈折率層に含まれるバインダーと反応し得る硬化反応性官能基を有することが好ましい。この場合には、微粒子に被覆された高分子有機化合物の硬化反応性官能基が、バインダーの硬化反応性官能基と反応することにより、微粒子が膜中に固定されると共に、膜の硬度を向上させることができる。その結果、特に機械的強度や耐擦傷性に優れる、低反射性及び耐水性を備えた反射防止膜を得ることができる。
この硬化反応性官能基としては、熱硬化の場合は、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、水素結合形成基等が挙げられる。電離放射線の照射により硬化させる場合は、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基等が挙げられる。
このような硬化反応性官能基を有する有機高分子化合物を合成する方法としては、例えば、まず、主体となる有機高分子化合物に反応性官能基を含ませ、次に、当該反応性官能基と反応する官能基と上記硬化反応性官能基とを一分子中に含む化合物を用意し、当該化合物と上記主体となる有機高分子化合物とを反応させることで得る方法が挙げられる。ここで主体となる有機高分子化合物に含ませる反応性官能基としては、例えばアミン、アミド、カルボキシル、ヒドロキシル、エステル、エーテル、エポキシド、無水物、イソシアナート、シラン、ケトン、ハロゲン、及びアルデヒド等のような官能基が挙げられる。
本発明に係る反射防止膜の低屈折率層は、上記高分子有機化合物で被覆された空隙を有する微粒子の他に、以下の材料から構成され得る。
本発明に係る反射防止膜の低屈折率層は、上記高分子有機化合物で被覆された空隙を有する微粒子の他に、以下の材料から構成され得る。
(バインダー)
本発明に係る反射防止膜の低屈折率層は、成膜性や膜強度等の点から、バインダーを含有することが好ましい。
バインダーとしては、中でも、上記空隙を有する微粒子を膜中に、電離放射線の照射や加熱によって固定化することができる硬化反応性官能基を有するバインダーを含んでなることが好ましい。特に、低屈折率層の機械的強度や耐擦傷性等にも優れる点から、そのようなバインダーの原料としては、電離放射線硬化型樹脂組成物及び/又は熱硬化型樹脂組成物を好ましく用いることができる。
本発明に係る反射防止膜の低屈折率層は、成膜性や膜強度等の点から、バインダーを含有することが好ましい。
バインダーとしては、中でも、上記空隙を有する微粒子を膜中に、電離放射線の照射や加熱によって固定化することができる硬化反応性官能基を有するバインダーを含んでなることが好ましい。特に、低屈折率層の機械的強度や耐擦傷性等にも優れる点から、そのようなバインダーの原料としては、電離放射線硬化型樹脂組成物及び/又は熱硬化型樹脂組成物を好ましく用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂組成物には、電離放射線の照射を受けた時に直接、又は開始剤の作用を受けて間接的に、重合や二量化等の大分子化を進行させる反応を起こす硬化反応性官能基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマー、オリゴマーが好ましく、バインダー成分の分子間で架橋結合が生じるように、一分子内に硬化反応性官能基を2個以上、好ましくは3個以上有する多官能のバインダー成分であることが望ましい。エチレン性不飽和結合を有する場合には、紫外線や電子線等の電離放射線の照射により、直接または開始剤の作用を受けて間接的に、光ラジカル重合反応を生じさせることができるため、光硬化工程を含む取り扱いが比較的容易である。これらの中でも(メタ)アクリロイル基は生産性に優れるため好ましい。しかしながら、その他の電離放射線硬化性のバインダー成分を用いることも可能であり、例えば、エポキシ基含有化合物のような光カチオン重合性のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。
具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマー、オリゴマーが好ましく、バインダー成分の分子間で架橋結合が生じるように、一分子内に硬化反応性官能基を2個以上、好ましくは3個以上有する多官能のバインダー成分であることが望ましい。エチレン性不飽和結合を有する場合には、紫外線や電子線等の電離放射線の照射により、直接または開始剤の作用を受けて間接的に、光ラジカル重合反応を生じさせることができるため、光硬化工程を含む取り扱いが比較的容易である。これらの中でも(メタ)アクリロイル基は生産性に優れるため好ましい。しかしながら、その他の電離放射線硬化性のバインダー成分を用いることも可能であり、例えば、エポキシ基含有化合物のような光カチオン重合性のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。
該バインダーが光硬化型樹脂である場合には、ラジカル重合を開始させるために適切な光重合開始剤を用いることが望ましい。光重合開始剤には特に限定されないが、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物類などが挙げられる。
熱硬化型樹脂には、加熱によって同一の官能基又は他の官能基との間で重合又は架橋等の大分子量化反応を進行させて硬化させることができる硬化反応性官能基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。具体的には、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、水素結合形成基等を有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。
(その他添加剤)
低屈折率層は、必要に応じて、フッ素系化合物及び/又はケイ素化合物、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物の化合物を含んでなるものであってよい。このようにフッ素系化合物等を含むことにより膜表面を平坦化することができ、また、反射防止膜に必要とされる防汚性や耐擦傷性の向上に効果がある、滑り性を付与することができる。更に、フッ素系および/またはケイ素化合物の少なくとも一部が、電離放射線硬化型樹脂組成物と、化学反応により共有結合を形成して膜最表面に固定されていることが好ましい。これにより、滑り性を安定的に付与でき、反射防止膜が製品化後に必要となる、長期に渡り防汚性や耐擦傷性を維持することができる。
この他、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、滑り剤、防汚剤、またはその他の成分が含まれていても良い。
低屈折率層は、必要に応じて、フッ素系化合物及び/又はケイ素化合物、分子中にフッ素原子を含む電離放射線硬化型樹脂組成物の化合物を含んでなるものであってよい。このようにフッ素系化合物等を含むことにより膜表面を平坦化することができ、また、反射防止膜に必要とされる防汚性や耐擦傷性の向上に効果がある、滑り性を付与することができる。更に、フッ素系および/またはケイ素化合物の少なくとも一部が、電離放射線硬化型樹脂組成物と、化学反応により共有結合を形成して膜最表面に固定されていることが好ましい。これにより、滑り性を安定的に付与でき、反射防止膜が製品化後に必要となる、長期に渡り防汚性や耐擦傷性を維持することができる。
この他、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)、滑り剤、防汚剤、またはその他の成分が含まれていても良い。
[低屈折率層の形成方法]
上記各成分からなる低屈折率層は、通常、溶剤に上記の各成分を溶解させて、一般的な調整法に従って分散処理することにより低屈折率層形成用塗工液を作成し、該塗工液を光透過性基材、或いは、一つ又は複数の機能層上に塗布、乾燥、硬化することにより形成できる。当該低屈折率層単層のみからなる反射防止膜を形成する場合には、離型シート上に形成しても良い。低屈折率層の形成方法は、特に限定されない。
以下、溶剤、低屈折率層形成用塗工液の調製方法、及び膜の形成方法について説明する。
上記各成分からなる低屈折率層は、通常、溶剤に上記の各成分を溶解させて、一般的な調整法に従って分散処理することにより低屈折率層形成用塗工液を作成し、該塗工液を光透過性基材、或いは、一つ又は複数の機能層上に塗布、乾燥、硬化することにより形成できる。当該低屈折率層単層のみからなる反射防止膜を形成する場合には、離型シート上に形成しても良い。低屈折率層の形成方法は、特に限定されない。
以下、溶剤、低屈折率層形成用塗工液の調製方法、及び膜の形成方法について説明する。
(溶剤)
低屈折率層形成用塗工液には、固形成分を溶解分散するための溶剤が必須であり、その種類は特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
低屈折率層形成用塗工液には、固形成分を溶解分散するための溶剤が必須であり、その種類は特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
また、溶剤の量は、各成分を均一に溶解、分散することができ、調製後放置しても空隙を有する微粒子が凝集せず、かつ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適宜調節する。この条件が満たされる範囲内で溶剤の添加量を少なくして高濃度の塗工液を調製することが好ましい。そうすることにより、容量をとらない状態で保存でき、塗工作業時に適度な濃度に希釈して使用することができる。固形分と溶剤の合計量を100重量部とした時に、好ましくは全固形分0.5〜50重量部に対して、溶剤を50〜99.5重量部、さらに好ましくは、全固形分3〜30重量部に対して、溶剤を70〜97重量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した低屈折率層形成用塗工液が得られる。
(塗工液の調整)
上記の各必須成分および各所望成分を任意の順序で混合して、低屈折率層形成用塗工液を調製できる。高分子有機化合物被覆微粒子がコロイド形状であれば、そのまま混合することが可能である。また、粉状であれば、得られた混合物にビーズ等の媒体を投入し、ペイントシェーカーやビーズミル等で適切に分散処理することにより、低屈折率層形成用塗工液が得られる。
上記の各必須成分および各所望成分を任意の順序で混合して、低屈折率層形成用塗工液を調製できる。高分子有機化合物被覆微粒子がコロイド形状であれば、そのまま混合することが可能である。また、粉状であれば、得られた混合物にビーズ等の媒体を投入し、ペイントシェーカーやビーズミル等で適切に分散処理することにより、低屈折率層形成用塗工液が得られる。
(膜の形成)
低屈折率層用塗工液は光透過性基材上、或いは一つ又は複数の機能層上に、塗布、乾燥した後、必要に応じて電離放射線の照射及び/又は加熱により硬化させる。
塗布法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
低屈折率層用塗工液は光透過性基材上、或いは一つ又は複数の機能層上に、塗布、乾燥した後、必要に応じて電離放射線の照射及び/又は加熱により硬化させる。
塗布法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
次に、本発明に係る反射防止膜が上記低屈折率層単層ではなく、複数層有する形態において含まれる基材や機能層について順次説明する。
<光透過性基材>
光透過性基材の材質は、特に限定されないが、反射防止膜に用いられる一般的な材料を用いることができ、例えば、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。基材の厚さは、通常25μm〜1000μm程度である。
<光透過性基材>
光透過性基材の材質は、特に限定されないが、反射防止膜に用いられる一般的な材料を用いることができ、例えば、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。基材の厚さは、通常25μm〜1000μm程度である。
<ハードコート層>
ハードコート層は、反射防止膜に耐擦傷性、強度等の性能を向上させる目的で設けてもよい。「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を使用して形成することが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能化合物としてのモノマー類、またはエポキシアクリレート又はウレタンアクリレート等のオリゴマーを使用することができる。
ハードコート層は、反射防止膜に耐擦傷性、強度等の性能を向上させる目的で設けてもよい。「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を使用して形成することが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能化合物としてのモノマー類、またはエポキシアクリレート又はウレタンアクリレート等のオリゴマーを使用することができる。
上記電離放射線硬化型樹脂組成物に含有させる光重合開始剤は、先に例示したものの中から適宜選定して使用する。
ハードコート層は硬化後の膜厚が0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが望ましい。膜厚が0.1μm以下の場合は充分なハードコート性能が得られず、100μm以上の場合は外部からの衝撃に対して割れやすくなる。
また、本発明においては、上記電離放射線硬化型樹脂組成物からなるハードコート層が、下記に説明するような中屈折率層または高屈折率層の機能を兼ね備えるものであっても良い。
ハードコート層は硬化後の膜厚が0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが望ましい。膜厚が0.1μm以下の場合は充分なハードコート性能が得られず、100μm以上の場合は外部からの衝撃に対して割れやすくなる。
また、本発明においては、上記電離放射線硬化型樹脂組成物からなるハードコート層が、下記に説明するような中屈折率層または高屈折率層の機能を兼ね備えるものであっても良い。
<帯電防止層>
反射防止膜に、静電気の発生の抑制、ゴミの付着の排除、および外部からの静電気障害の抑制を図るために帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は反射防止膜の表面抵抗値を1012Ω/□以下とする働きを担うものが好ましいが、その一方で、表面抵抗値が1012Ω/□以上であっても、静電気発生の抑制等の上記諸機能を発揮できるのであればよい。
反射防止膜に、静電気の発生の抑制、ゴミの付着の排除、および外部からの静電気障害の抑制を図るために帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は反射防止膜の表面抵抗値を1012Ω/□以下とする働きを担うものが好ましいが、その一方で、表面抵抗値が1012Ω/□以上であっても、静電気発生の抑制等の上記諸機能を発揮できるのであればよい。
帯電防止材料としては、特に制限されることはなく、イオン導電性材料、電子導電材料、無機微粒子など、特に制限されるものではない。
帯電防止層形成用樹脂組成物に含まれる帯電防止剤には、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性の帯電防止剤、スズやチタンのアルコキシドのような有機金属化合物やそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物などの各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられる。また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基、金属キレート部を有し電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴマー、そして電離放射線により重合可能な官能基を持つカップリング剤のような有機金属化合物などの重合性帯電防止剤も使用できる。
帯電防止層形成用樹脂組成物に含まれる帯電防止剤には、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性の帯電防止剤、スズやチタンのアルコキシドのような有機金属化合物やそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物などの各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられる。また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基、金属キレート部を有し電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴマー、そして電離放射線により重合可能な官能基を持つカップリング剤のような有機金属化合物などの重合性帯電防止剤も使用できる。
帯電防止層形成用樹脂組成物に含まれる他の帯電防止剤として、粒子径が100nm以下の無機酸化物超微粒子、例えば酸化スズ、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化アンチモン、酸化インジウムなどを用いることができる。特に、粒径が可視光線の波長以下の100nm以下とすることで、成膜後透明になり、反射防止フィルムの透明性が損なわれない。
帯電防止層は、光透過性基材に直接設けても良いが、ハードコート層や防眩層中に上記帯電防止剤を分散させても同様の効果を得ることができる。さらに所望の屈折率が得られる範囲であれば、有機成分からなる帯電防止剤を低屈折率層に直接加えたり、低屈折率層の最表面に帯電防止層を反射防止膜の性能に影響を与えない膜厚30nm以下の範囲で設けることもできる。
<高屈折率層と中屈折率層>
本発明の好ましい態様によれば、他の屈折率層(高屈折率層と中屈折率層)が反射防止性をさらに向上させるために設けられよい。
これらの屈折率層の屈折率は1.46〜2.00の範囲内で任意に設定することができる。本発明においては、中屈折率層は、少なくとも上記低屈折率層よりも屈折率が高く、その屈折率が1.46〜1.80の範囲内のものを意味し、高屈折率層は、中屈折率層と併用される場合には少なくとも上記中屈折率層よりも屈折率が高く、その屈折率が1.65〜2.00の範囲内のものを意味する。これら屈折率層は、バインダーと、粒子径100nm以下であり、所定の屈折率を有する超微粒子とにより形成されてよい。このような微粒子の具体例(かっこ内は屈折率を示す)としては、酸化亜鉛(1.90)、チタニア(2.3〜2.7)、セリア(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(1.80)、イットリア(1.87)、ジルコニア(2.0)が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、他の屈折率層(高屈折率層と中屈折率層)が反射防止性をさらに向上させるために設けられよい。
これらの屈折率層の屈折率は1.46〜2.00の範囲内で任意に設定することができる。本発明においては、中屈折率層は、少なくとも上記低屈折率層よりも屈折率が高く、その屈折率が1.46〜1.80の範囲内のものを意味し、高屈折率層は、中屈折率層と併用される場合には少なくとも上記中屈折率層よりも屈折率が高く、その屈折率が1.65〜2.00の範囲内のものを意味する。これら屈折率層は、バインダーと、粒子径100nm以下であり、所定の屈折率を有する超微粒子とにより形成されてよい。このような微粒子の具体例(かっこ内は屈折率を示す)としては、酸化亜鉛(1.90)、チタニア(2.3〜2.7)、セリア(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(1.80)、イットリア(1.87)、ジルコニア(2.0)が挙げられる。
超微粒子の屈折率はバインダーよりも高いものが好ましい。屈折率層の屈折率は超微粒子の含有率によって一般に定まることから、超微粒子の添加量が多い程、屈折率層の屈折率は高くなる。よって、バインダーと、超微粒子との添加比率を調整することにより、屈折率を1.46〜1.80の範囲内のものとした、高屈折率層または中屈折率層を形成することが可能である。超微粒子が導電性を有するものであれば、このような超微粒子を用いて形成された他の屈折率層(高屈折率層または中屈折率層)は帯電防止性を兼ね備えたものとなる。高屈折率層または中屈折率層は、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)などの蒸着法により形成したチタニア又はジルコニアのような屈折率の高い無機酸化物の蒸着膜とし、あるいは、チタニアのような屈折率の高い無機酸化物微粒子を分散させた膜とすることができる。
これら他の屈折率層の膜厚は10〜300nm、更に30〜200nmの範囲であることが好ましい。
上記他の屈折率層(高屈折率層と中屈折率層)は光透過性基材に直接設けても良いが、光透過性基材にハードコート層を設け、ハードコート層と低屈折率層との間に設けることが好ましい。
上記他の屈折率層(高屈折率層と中屈折率層)は光透過性基材に直接設けても良いが、光透過性基材にハードコート層を設け、ハードコート層と低屈折率層との間に設けることが好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
(製造例1:高分子有機化合物被覆微粒子の製造)
50mlのナスフラスコに、蒸留メタクリル酸グリシジル(GMA)0.5ml,蒸留メタクリル酸メチル(MMA)3.2ml、蒸留テトラヒドロフラン4mlをいれ、開始剤として、2.2’アゾビスイソブチロニトリル2.6mg、連鎖移動剤として、3−メルカプトトリメトキシシラン0.07mlを加え、窒素雰囲気下、65℃で攪拌し、ラジカル重合を行った。ジエチルエーテルで再沈殿し、ろ過、乾燥し生成物を得た。これにより、GMAとMMAの共重合体にトリメトキシシリル基を有する高分子化合物P(GMA−MMA)−Si(OMe)3を得た。この生成物2gを窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン4ml中に加え、更に生成物の水酸基mol数の1.2倍量の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)を加え、加熱還流を行った。これにより、エチレン性二重結合基がグラフトされた、高分子化合物P((GMA(AOI)−MMA)−Si(OMe)3を得ることができた。
50mlのナスフラスコに、蒸留メタクリル酸グリシジル(GMA)0.5ml,蒸留メタクリル酸メチル(MMA)3.2ml、蒸留テトラヒドロフラン4mlをいれ、開始剤として、2.2’アゾビスイソブチロニトリル2.6mg、連鎖移動剤として、3−メルカプトトリメトキシシラン0.07mlを加え、窒素雰囲気下、65℃で攪拌し、ラジカル重合を行った。ジエチルエーテルで再沈殿し、ろ過、乾燥し生成物を得た。これにより、GMAとMMAの共重合体にトリメトキシシリル基を有する高分子化合物P(GMA−MMA)−Si(OMe)3を得た。この生成物2gを窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン4ml中に加え、更に生成物の水酸基mol数の1.2倍量の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)を加え、加熱還流を行った。これにより、エチレン性二重結合基がグラフトされた、高分子化合物P((GMA(AOI)−MMA)−Si(OMe)3を得ることができた。
上記で合成したP((GMA(AOI)−MMA)−Si(OMe)3(3重量部)を多孔質シリカ(イソプロピルアルコール(IPA) 20%溶液)100重量部と混合し、触媒として、硫酸を添加し、PH=4にした。この溶液について加熱還流を5時間行うことにより、多孔質シリカと直接高分子が結合し、多孔質シリカの表面を高分子化合物で被覆したシリカを得ることができた。次に遠心分離機を用いて、90000万回転、3時間、10℃にて高分子有機化合物で被覆された粒子を沈降させ、未反応のP((GMA(AOI)−MMA)−Si(OMe)3、AOIを除去し、溶剤をメチルイソブチルケトン(MIBK)へ溶剤置換を行い、高分子有機化合物被覆シリカゾルを得た。
(製造例2:高分子有機化合物被覆微粒子の製造)
蒸留水400mlに多孔質シリカ1wt%を添加した溶液に、界面活性剤として、Emulgen106(花王株式会社製)を0.25wt%溶解させ、12時間攪拌を行った。その後、得られた溶液に重合開始剤の過硫酸カリウム2.0mmol/lを添加した。次に、窒素雰囲気下において、エチレングリコールビニルエーテル1.5mlとメチルビニルエーテル2.5mlを滴下し、重合を開始した。攪拌時間4時間とし、モノマー滴下速度を10ml/hとした。この作成した高分子有機化合物で被覆された微粒子を水からテトラヒドロフランに溶剤置換を行い、20%溶液とした後、硫酸にて酸性溶液にした。ここに、水酸基量の1.2倍mol等量のGMAを加え、還流攪拌を2時間行った。次に遠心分離機を用いて、90000万回転、3時間、10℃にて高分子有機化合物で被覆された粒子を沈降させ、未反応のモノマーを除去し、溶剤をMIBKへ溶剤置換を行い、所望の高分子有機化合物被覆シリカゾルを得た。
蒸留水400mlに多孔質シリカ1wt%を添加した溶液に、界面活性剤として、Emulgen106(花王株式会社製)を0.25wt%溶解させ、12時間攪拌を行った。その後、得られた溶液に重合開始剤の過硫酸カリウム2.0mmol/lを添加した。次に、窒素雰囲気下において、エチレングリコールビニルエーテル1.5mlとメチルビニルエーテル2.5mlを滴下し、重合を開始した。攪拌時間4時間とし、モノマー滴下速度を10ml/hとした。この作成した高分子有機化合物で被覆された微粒子を水からテトラヒドロフランに溶剤置換を行い、20%溶液とした後、硫酸にて酸性溶液にした。ここに、水酸基量の1.2倍mol等量のGMAを加え、還流攪拌を2時間行った。次に遠心分離機を用いて、90000万回転、3時間、10℃にて高分子有機化合物で被覆された粒子を沈降させ、未反応のモノマーを除去し、溶剤をMIBKへ溶剤置換を行い、所望の高分子有機化合物被覆シリカゾルを得た。
(比較製造例1:カップリング剤処理シリカの製造)
1晩イオン交換樹脂にて、不純物イオンをとり除いた空隙を有するシリカゾル(IPA、10%溶液)93重量部にメタアクリル系シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学社製KBM−503)を1重量部添加し、HCl水溶液にて全体の溶液をPH=4に調節した後、80℃、5時間加熱攪拌を行った。これにより、表面にメタクリロイル基を導入したγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ微粒子を得た。作成した溶液は、IPAからMIBKに溶剤置換を行ったシリカゾルとした。
1晩イオン交換樹脂にて、不純物イオンをとり除いた空隙を有するシリカゾル(IPA、10%溶液)93重量部にメタアクリル系シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学社製KBM−503)を1重量部添加し、HCl水溶液にて全体の溶液をPH=4に調節した後、80℃、5時間加熱攪拌を行った。これにより、表面にメタクリロイル基を導入したγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ微粒子を得た。作成した溶液は、IPAからMIBKに溶剤置換を行ったシリカゾルとした。
<実施例1>
(1)低屈折率層形成用塗工液の調製
有機高分子化合物で被覆された空隙を有する微粒子として製造例1で得られた有機高分子化合物被覆シリカゾル(10%メチルイソブチルケトン(MIBK)溶液)28.56重量部、バインダーの原料としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)1.90重量部、開始剤としてイルガキュア369(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.02重量部及びイルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.07重量部、滑り剤としてTSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製)0.24重量部、並びに溶剤としてメチルイソブチルケトン(MIBK)69.21重量部を混合して、低屈折率層形成用塗工液を調製した。
(1)低屈折率層形成用塗工液の調製
有機高分子化合物で被覆された空隙を有する微粒子として製造例1で得られた有機高分子化合物被覆シリカゾル(10%メチルイソブチルケトン(MIBK)溶液)28.56重量部、バインダーの原料としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)1.90重量部、開始剤としてイルガキュア369(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.02重量部及びイルガキュア184(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.07重量部、滑り剤としてTSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製)0.24重量部、並びに溶剤としてメチルイソブチルケトン(MIBK)69.21重量部を混合して、低屈折率層形成用塗工液を調製した。
(2)反射防止膜の作製
本実施例における反射防止膜は、透明基材フィルム/ハードコート層/低屈折率層からなる層構成であり、作製は以下のようにして行った。
透明基材フィルム/ハードコート層からなる積層フィルム上に、上記組成の低屈折率層形成用塗工液をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)を用いて照射量260mJ/cm2で紫外線照射を行ない、膜を硬化させて、低屈折率層の膜厚を約100nmとした透明基材フィルム/ハードコート層/低屈折率層からなる積層体(反射防止膜)を得た。
本実施例における反射防止膜は、透明基材フィルム/ハードコート層/低屈折率層からなる層構成であり、作製は以下のようにして行った。
透明基材フィルム/ハードコート層からなる積層フィルム上に、上記組成の低屈折率層形成用塗工液をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)を用いて照射量260mJ/cm2で紫外線照射を行ない、膜を硬化させて、低屈折率層の膜厚を約100nmとした透明基材フィルム/ハードコート層/低屈折率層からなる積層体(反射防止膜)を得た。
<実施例2>
有機高分子化合物で被覆された空隙を有する微粒子として製造例2で得られた有機高分子化合物被覆シリカゾルを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。
有機高分子化合物で被覆された空隙を有する微粒子として製造例2で得られた有機高分子化合物被覆シリカゾルを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。
<比較例1>
微粒子として、有機高分子化合物で被覆されていない空隙を有するシリカゾル(IPA 10%溶液)を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。
<比較例2>
微粒子として比較製造例1で得られたカップリング剤処理シリカを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。
微粒子として、有機高分子化合物で被覆されていない空隙を有するシリカゾル(IPA 10%溶液)を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。
<比較例2>
微粒子として比較製造例1で得られたカップリング剤処理シリカを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。
[評価方法]
後述する実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
(最低反射率)
5°正反射測定装置を備えた分光光度計(島津製作所(株)製、UV−3100PC:商品名)を用いて反射率を測定した。なお、反射率は、波長550nm付近で極小値となったときの値を示した。
後述する実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
(最低反射率)
5°正反射測定装置を備えた分光光度計(島津製作所(株)製、UV−3100PC:商品名)を用いて反射率を測定した。なお、反射率は、波長550nm付近で極小値となったときの値を示した。
(耐擦傷性評価試験)
反射防止膜の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(200g)で30往復摩擦し、反射防止膜の表面に傷が付かないものには○、傷の本数が1〜10本以内のものには△、傷の本数が10本以上のものは×として、反射防止膜の耐擦傷性を評価した。
反射防止膜の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(200g)で30往復摩擦し、反射防止膜の表面に傷が付かないものには○、傷の本数が1〜10本以内のものには△、傷の本数が10本以上のものは×として、反射防止膜の耐擦傷性を評価した。
(耐水性試験)
反射防止膜の低屈折率層側に純水を滴下させ、30分放置後、純水をキムワイプ(商品名、(株)クレシア製)にて拭き取った。拭き取り後の水跡の有無の確認を目視にて行い、水跡有りを×、水跡無しを○とした。更に、拭き取り後の最低反射率を評価することで、膜中に水を含有するか、膜の膨潤を評価した。
反射防止膜の低屈折率層側に純水を滴下させ、30分放置後、純水をキムワイプ(商品名、(株)クレシア製)にて拭き取った。拭き取り後の水跡の有無の確認を目視にて行い、水跡有りを×、水跡無しを○とした。更に、拭き取り後の最低反射率を評価することで、膜中に水を含有するか、膜の膨潤を評価した。
<結果のまとめ>
上記実施例及び比較例の試験結果を表1に示す。
上記実施例及び比較例の試験結果を表1に示す。
硬化反応性官能基を有する高分子化合物で被覆された微粒子、及び硬化反応性官能基を有するバインダーを用いた、実施例1及び2で得られた本発明に係る反射防止膜は、低反射性、耐水性及び耐擦傷性のいずれも良好であった。
これに対し、微粒子として未処理の空隙を有するシリカを用いた比較例1では、耐水性及び耐擦傷性のいずれも不十分であった。
また、微粒子としてカップリング剤処理シリカを用いた比較例2では、耐擦傷性は良好だが、耐水性は不十分だった。
これに対し、微粒子として未処理の空隙を有するシリカを用いた比較例1では、耐水性及び耐擦傷性のいずれも不十分であった。
また、微粒子としてカップリング剤処理シリカを用いた比較例2では、耐擦傷性は良好だが、耐水性は不十分だった。
1 反射防止膜
2 光透過性基材
3 低屈折率層
4 帯電防止層
5 ハードコート層
2 光透過性基材
3 低屈折率層
4 帯電防止層
5 ハードコート層
Claims (5)
- 高分子有機化合物で被覆され、且つ空隙を有する微粒子を含んでなる低屈折率層を有する反射防止膜。
- 前記空隙を有する微粒子に被覆されている前記高分子有機化合物が硬化反応性官能基を有する、請求項1に記載の反射防止膜。
- 前記低屈折率層に硬化反応性官能基を有するバインダーを含有し、且つ前記空隙を有する微粒子に被覆されている前記高分子有機化合物が当該バインダーと反応し得る硬化反応性官能基を有する、請求項1又は2に記載の反射防止膜。
- 前記空隙を有する微粒子の屈折率が1.20〜1.44である、請求項1乃至3に記載の反射防止膜。
- 前記空隙を有する微粒子に被覆されている前記高分子有機化合物の膜厚が1〜40nmである、請求項1乃至4のいずれかに記載の反射防止膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005224729A JP2007041238A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 反射防止膜 |
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JP (1) | JP2007041238A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008250266A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 反射防止フィルム |
JP2013043791A (ja) * | 2011-08-23 | 2013-03-04 | Nof Corp | 変性中空シリカ微粒子 |
JP2018040940A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | 大日本印刷株式会社 | 反射防止積層体、表示装置用前面板および表示装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003139906A (ja) * | 2001-11-02 | 2003-05-14 | Tdk Corp | 反射防止フィルム及び反射防止処理された物体 |
JP2005181940A (ja) * | 2003-12-24 | 2005-07-07 | Konica Minolta Opto Inc | 低反射積層体及び低反射積層体の製造方法 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005224729A patent/JP2007041238A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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