JP2013043791A - 変性中空シリカ微粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電ポリマーの配合量を従来よりも低減しながら帯電防止機能を有する塗膜を形成可能な変性中空シリカ微粒子を提供する。
【解決手段】本発明の変性中空シリカ微粒子は、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤により表面処理されている。
一般式(1):CH2=C(CH3)COO(CH23-Si(OR)3
(但し、Rは炭素数1〜2のアルキル基又は2-メトキシエトキシ基である)
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤を用いて表面処理した変性中空シリカ微粒子に関する。
シランカップリング剤を用いて表面処理した変性中空シリカ微粒子は、高い膜強度を保ちつつこれを含有する塗膜の低屈折率化を達成するのに有用な材料となっている。そこで、このような変性中空シリカ微粒子及びそれを利用した塗膜の形成に関する技術として、例えば下記特許文献1がある。特許文献1には、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを用いて表面処理した変性中空シリカ微粒子に導電ポリマーを配合して、帯電防止機能を有する塗膜の形成に関する発明が記載されている。
特開2011−46193号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるシランカップリング剤を用いて表面処理した変性中空シリカ微粒子は、それを用いて帯電防止機能を有する塗膜を形成すると、導電ポリマーを多量に配合する必要があった。この場合、導電ポリマーは中空シリカ微粒子よりも屈折率が高い(一般的に1.5程度)であるため、導電ポリマーを多量に配合すると、塗膜の屈折率が高くなるという問題が生じる。この種の塗膜は、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の表面に反射防止層として設けられるものであって、塗膜の屈折率が高くなると、画像視認性に悪影響を及ぼす。このため、導電ポリマーの配合量を少なくして屈折率の上昇を抑えながら帯電防止機能を有する塗膜(反射防止層)を形成可能な変性中空シリカ微粒子が求められていた。
そこで、本発明の目的とするところは、アクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理した変性中空シリカ微粒子を使用した場合よりも、導電ポリマーの配合量を低減しながら帯電防止機能を有する塗膜を形成できる、変性中空シリカ微粒子を提供することにある。
そのための手段として、本発明の変性中空シリカ微粒子は、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤により表面処理されている。
一般式(1):CH=C(CH)COO(CH-Si(OR)
(但し、Rは、炭素数1〜2のアルキル基又は2-メトキシエトキシ基である)
当該変性中空シリカ微粒子の平均粒子径は、40〜70nmが好ましい。
上記一般式(1)で表されるシランカップリング剤によって表面処理された変性中空シリカ微粒子によれば、アクリロイル基を含有するシランカップリング剤によって表面処理された変性中空シリカ微粒子を使用した場合に比べて、少量の導電ポリマーによって帯電防止機能を有する塗膜を形成できる。導電ポリマーの配合量が少なくなれば、塗膜の屈折率を有効に低減でき、PDP等における画像視認性(反射防止性)に有利である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の変性中空シリカ微粒子は、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤により表面処理されている。
<中空シリカ微粒子>
表面処理の対象となる中空シリカ微粒子そのものは、公知の中空シリカ微粒子を特に制限無く使用することができる。公知の中空シリカ微粒子としては、例えば特開平6−330606号公報や特開平11ー029318号公報に記載されているような、外周部が殻、中心部が中空で、殻は外側が緻密で内側ほど粗な濃度傾斜構造をもったコア・シェル構造である中空シリカ微粒子、特開平7−133105号公報に記載されているような、多孔性の無機酸化物微粒子の表面をシリカ等で完全に被覆することにより得られる中空シリカ微粒子、または、特開2001−233611号公に記載されているような、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなる複合酸化物の核粒子にシリカ被覆層を形成し、ついでシリカ以外の無機酸化物を除去し、必要に応じてシリカを被覆することによって得られたナノメーターサイズの中空シリカ系微粒子などを挙げることができる。
[粒子径分布]
中空シリカ微粒子については、その粒子径分布が単分散状態にあるものを使用することが好ましい。具体的には、粒子径変動係数(CV値)が10〜50%にあるものが好ましい。粒子径分布が単分散状態にあれば、塗膜のヘイズ上昇の抑制や、耐熱性効果の向上に有利となるからである。粒子径変動係数(CV値)が50%を超える場合や10%未満の場合は、粒子径の均一性が低いためこのような効果が得られ難くなる。
中空シリカ微粒子の粒子径分布の単分散性を高める手段としては、均一なSEED(粒子)を用いて、粒子成長を行なう方法が挙げられる。また、中空シリカ微粒子が分散媒に分散してなる中空シリカ微粒子について、精密濾過や遠心分離処理を行うことによって、粗大粒子を除去する方法を挙げることができる。
[形状]
中空シリカ微粒子の形状については、球状が好ましい。「球状」とは、目視により棒状、勾玉状、細長形状、数珠状、卵状などの異形粒子であると認められない程度であれば構わない。より好適には、真球度が0.90〜1.00の範囲にあるものが推奨される。ここで「真球度」とは、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を意味する。真球度が0.90未満の場合は、微粒子が球状であるとは云えず、上記異形粒子に該当するものを含む場合が生じる。真球度が0.90〜1.00であれば構造的に安定するため、中空シリカ微粒子の強度の点で好ましいものとなる。なお、真球度が0.90に満たない中空シリカ微粒子については、いわゆる水熱処理を行って、真球度を0.90〜1.00の範囲に調整してから、本発明における中空シリカ微粒子として適用することができる。水熱処理の条件としては、100〜200℃にて、1〜24時間の処理を行う方法を挙げることができる。また、水熱処理には、オートクレーブを使用することも推奨される。
[組成]
中空シリカ微粒子の組成については、シリカを含有するものであれば格別に制限されるものではなく、中空シリカ微粒子の製造原料に起因してシリカ以外の元素または化合物が残存していても構わない。このような残存する元素および化合物の例としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。
[製造方法]
中空シリカ微粒子の製造方法としては、従来から公知の製造方法を特に制限なく使用できる。公知の製造方法の例としては、特表2000−500113号公報に記載されたような、珪酸アルカリ金属水溶液から活性シリカをシリカ以外の材料からなるコア上に沈殿させ、該材料をシリカシェルを破壊させることなく除去することによって、稠密なシリカシェルからなる中空粒子を製造する方法や、特開2001−233611号公報に記載されているような、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなる複合酸化物の核粒子にシリカ被覆層を形成し、ついでシリカ以外の無機酸化物を除去し、必要に応じてシリカを被覆してなるナノメーターサイズの中空シリカ系微粒子の製造方法などを挙げることができる。
<変性中空シリカ微粒子>
このような変性中空シリカ微粒子を、下記一般式(1)で表されるメタクリロイル基を有するシランカップリング剤により表面処理する。
一般式(1):CH=C(CH)COO(CH-Si(OR)
(但し、Rは炭素数1〜2のアルキル基又は2-メトキシエトキシ基である)
一般式(1)で表されるシランカップリング剤としては、具体的に、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリ(2-メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
[表面処理]
表面処理の方法としては、中空シリカ微粒子の分散液に、酸又はアルカリの存在下、シランカップリング剤及び/又はその部分加水分解物を添加し反応させる。酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。また、アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。
なお、シランカップリング剤及び/又はその部分加水分解物と共に添加される酸またはアルカリは、加水分解のための触媒としても機能するが、所望により加水分解用の触媒を添加しても良い。加水分解触媒として、アルカリ金属の水酸化物や、アンモニア水、アミン等の塩基性のものを用いた場合、加水分解後これらの塩基性触媒を除去して、酸性溶液にして用いることもできる。また、有機酸や無機酸などの酸性触媒を用いて加水分解物を調製した場合、加水分解後、イオン交換等によって酸性触媒を除去することが好ましい。なお、得られたシランカップリング剤の加水分解物は、水溶液の形態で使用することができる。ここで「水溶液」とは加水分解物がゲルとして白濁した状態になく透明性を有している状態を意味する。また、シランカップリング剤は親水性に乏しいので、予め公知の方法で加水分解しておくことにより、反応系に均一に混合できるようにすることが好ましい。
次いで、分散液から粒子を濾過分離し、乾燥して変性中空シリカ微粒子を得ることができる。この変性中空シリカ微粒子の外表面には酸化物層が形成されているので、水分子等の微小粒子以外は細孔内部に入り込まず、低屈折率となる。即ち、中空シリカ微粒子を有機樹脂のような高分子化合物に分散させて用いる場合、高分子化合物が酸化物系層の細孔を通して粒子内部の空隙に入ることがなく、このため空隙が維持されるために低屈折率や断熱効果を有する。
[平均粒子径]
変性中空シリカ微粒子の平均粒子径は、40〜70nmとすることが好ましい。変性中空シリカ微粒子の平均粒子径が40nmを下回ると、塗膜の屈折率を有効に低下させ難くなる傾向がある。一方、変性中空シリカ微粒子の平均粒子径が70nmを上回ると、帯電防止機能を有する塗膜を形成した場合に、表面が白っぽくなってしまう傾向がある。なお、本発明において「平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)及び動的散乱法にて測定した値である。
この変性中空シリカ微粒子は、導電ポリマーに配合して塗膜とすることで、帯電防止機能を有する塗膜の屈折率を積極的に低下させることができる。当該帯電防止機能を有する塗膜は、PDP等の表面へ反射防止層として設けることができる。このとき、本発明の変性中空シリカ微粒子によれば、アクリロイル基を含有するシランカップリング剤によって表面処理された変性中空シリカ微粒子を使用した場合よりも、導電ポリマーの配合量を低減できる。これにより、帯電防止機能を有する塗膜の屈折率を従来よりも効果的に低減させることができる。また、このような表面処理には、1)中空シリカ微粒子の外表面に存在する孔部分の封鎖、2)表面の平坦化、3)表面被覆層の生成などが生じるため、中空シリカ微粒子を各種媒体に添加した際に、その固有の特性(屈折率、断熱性など)が損なわれ難いなどの利点もある。
続いて、本発明の実施例および比較例、及びこれらを含有する塗膜を備える評価用フィルムの各種特性を対比評価した結果について述べる。各評価項目については、以下のように測定した。
(変性中空シリカ微粒子の平均粒子径及び変動係数)
日機装株式会社製ナノトラック(Nanotrac)粒度分布測定装置 UPA-EX150にて粒度分布及び平均粒子径を測定した。その値から平均粒子径および粒子径の標準偏差を求め、動的光散乱法に基づく下記式から算定した。
変動係数(CV値)=(粒子径標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn))×100
(変性中空シリカ微粒子の屈折率)
(1)シリカ系微粒子分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2〜3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合
する。
(4)(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を微粒子の屈折率とする。
(表面抵抗率)
デジタル絶縁計〔東亜DKK(株)製、商品名:SM−8220〕を用いて、評価用フィルムの表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
(耐擦傷性)
(株)本光製作所製消しゴム摩耗試験機の先端に、#0000のスチールウールを固定し、2.5N(250gf)及び1N(100gf)の荷重をかけて、評価用フィルム表面上を10回往復摩擦した後の表面の傷を目視で観察し、以下のA〜Eの6段階で評価した。
A:傷なし、A':傷1〜3本、B:傷4〜10本、C:傷11〜20本、D:傷21〜30本、E:31本以上
(視感度反射率)
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
[中空シリカ微粒子の製造例1]
平均粒径5nm、SiO2濃度20重量%のシリカゾル100gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液9000gとAl23として0.83重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直後、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2・Al23核粒子分散液を調製した。
この一次粒子分散液500gに純水1700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、濃度2.0重量%の硫酸ナトリウム50400gを添加し、ついでSiOとして濃度1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液3000gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gを添加して複合酸化物微粒子(A)の分散液を得た。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった複合酸化物微粒子(A)の分散液500gに純水1125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20重量%の中空シリカ微粒子(B)の水分散液を得た。
つぎに、中空シリカ微粒子(B)の水分散液1500gと、純水500g、エタノール1750gおよび28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)104gを添加してシリカ被膜を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%の中空シリカ微粒子(C)の水分散液を得た。
つぎに、中空シリカ微粒子(C)分散液を200℃にて1時間熟成した後、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%の中空シリカ微粒子(D)の水分散液を得た。
ついで、再び、シリカ系微粒子(D)分散液を150℃にて11時間水熱処理した後、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%の中空シリカ微粒子(E)の水分散液を得た。ついで、限外濾過膜を用いて分散媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の中空シリカ微粒子(F)のアルコール分散液を調製した。得られた中空シリカ微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)及び動的散乱法にて観察したところ、平均粒子径が40nmで、外層の厚さが10nmの中空シリカ微粒子であることが分かった。
[実施例1]
製造例1によって得られた中空シリカ微粒子100g(水分量はSiO分に対して0.5%)へ28%アンモニア水溶液を、中空シリカ微粒子100gに対してアンモニアとして100ppmとなるように加えて十分に混合し、次に、シランカップリング剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM-503、信越化学工業(株)製)3.6gを添加し、反応液とした。
これを50℃に加温し、撹拌しながら50℃で6時間加熱を行なった。加熱終了後、反応液を常温まで冷却し、さらにロータリーエバポレーターでメチルイソブチルケトンへ溶媒置換を行い、SiO濃度20%の被覆中空微粒子からなる変性中空シリカ微粒子の分散液を得た。この変性中空シリカ微粒子は、平均粒子径が40nmであった。
[実施例2〜3]
実施例1のシランカップリング剤を、表1に示すように一般式におけるRの異なるシランカップリング剤へ変更した以外は、実施例1に準じて変性中空シリカ微粒子を調製した。
[中空シリカ微粒子の製造例2]
製造例1におけるSiO2・Al23一次粒子分散液の調製において、SiO2として1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液9000gの変わりに0.76重量%の珪酸ナトリウム水溶液、Al23として0.83重量%のアルミン酸ナトリウム9000gの変わりに1.25重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gを添加した以外は、製造例1と同様にして調整した。得られた中空シリカ微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)及び動的散乱法にて観察したところ、平均粒子径が63nmで、外層の厚さが10nmの中空シリカ微粒子であることが分かった。
[実施例4]
製造例2によって得られた中空シリカ微粒子100g(水分量はSiO分に対して0.5%)へ28%アンモニア水溶液を、中空シリカ微粒子100gに対してアンモニアとして100ppmとなるように加え、十分に混合し、次に3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン〔商品名:KBM-503、信越化学工業(株)製〕3.6gを添加し、反応液とした。
[0000]
これを50℃に加温し、撹拌しながら50℃で6時間加熱を行なった。加熱終了後、反応液を常温まで冷却し、さらにロータリーエバポレーターでメチルイソブチルケトンへ溶媒置換を行い、SiO濃度20%の被覆中空微粒子からなる変性中空シリカ微粒子の分散液を得た。この変性中空シリカ微粒子は、平均粒子径が65nmであった。
[比較例1〜3]
実施例1のシランカップリング剤を、表1に示すようにγ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン〔商品名:KBM-5103、信越化学工業(株)製〕に変更した以外は、実施例1に準じて変性中空シリカ微粒子を調製した。
[比較例4]
実施例4のシランカップリング剤を、表1に示すようにγ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン〔商品名:KBM-5103、信越化学工業(株)製〕に変更した以外は、実施例4に準じて変性中空シリカ微粒子を調製した。
上記各実施例及び比較例の変性中空シリカ微粒子について、表1に纏めて示す。
Figure 2013043791
次に、上記各実施例及び比較例の変性中空シリカ微粒子を含有する塗膜の物性について評価するため、評価用フィルム(評価例)を作製した。
(塗液L−1の調製)
(a)実施例1のオルガノゾル(変性中空シリカ微粒子ゾル)を固形分換算で60部、(b)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕を40部、(c)導電ポリマーとして、π共役系導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(ドーパント)=1/2.5の複合体〔荒川化学(株)製、商品名:EL−1B〕を固形分換算で3部、光重合開始剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907〕を5部、シリコーン系スリップ剤[ビックケミージャパン(株)製、商品名:BYKUV−3570]を8部、酸化アルミナ微粒子[ビックケミージャパン(株)製、商品名:nanoBYK−3601]を0.5部、シリコーン系スリップ剤[信越シリコーン(株)製、商品名:TIC-2457]を5部、イソプロピルアルコールを4308部、ノルマルブチルアルコール800部及びジアセトンアルコール12部を混合して塗液L−1を調製した。
(塗液L−2〜L−8の調製)
(a)実施例2〜4で得られた変性中空シリカ微粒子ゾル、(b)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕、(c)導電ポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の配合量を、表2に示すとおりに変更する以外は、塗液L−1と同様にして塗液L−2〜L−8を調製した。
(塗液L−9〜L−12の調製)
(a)比較例1〜4で得られた変性中空シリカ微粒子ゾル、(b)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:DPHA、6官能アクリレート〕、(c)導電ポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の配合量を表3に示すとおりに変更する以外は、L−1と同様にして塗液L−9〜L−12を調製した。
(評価用フィルムの作製)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡績(株)製、商品名:A4100〕の上に、各塗液を光学膜厚がkλ/4(k:1、λ:550nm)になるようにグラビアコート法で塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの出力にて紫外線を照射して硬化させることにより、評価用フィルム(反射防止フィルム)を作製した。得られた評価用フィルムについて、表面抵抗率、耐擦傷性及び視感度反射率の評価を上述の方法で行った。これらの評価結果も表2・3に示す。
Figure 2013043791
Figure 2013043791
表2及び表3に示したように、評価例1−1〜評価例1−4では、シランカップリング剤の化学式がCH=C(CH)COO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合に帯電防止性能にも優れ、視感度反射率1.0%を達成するような反射防止フィルムを得ることができた。一方、比較評価例1−1に示したように、CH=CHCOO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合では、視感度反射率1.0%を達成するような評価例1−1〜評価例1−3と同様の重量比で配合して反射防止フィルムを作製したが、評価例1−1〜評価例1−3に示すような優れた帯電防止性能を発現することはなかった。
また、評価例1−5〜評価例1−7では、シランカップリング剤の化学式がCH=C(CH)COO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合に帯電防止性能にも優れ、視感度反射率2.5%を達成するような反射防止フィルムを得ることができた。一方、比較評価例1−2〜比較評価例1−4に示したように、CH=CHCOO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合では、視感度反射率2.5%を達成するよう評価例1−5〜評価例1−7と同様の重量比で配合して反射防止フィルムを作製したが、評価例1−5〜評価例1−7に示すような優れた帯電防止性能を発現することはなかった。
(評価例2−1)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡績(株)製、商品名:A4100〕の上に、酸化ジルコニウム微粒子を含むハードコート塗液(DNTナノフェイスOZr−3HC−R66、大日本塗料株式会社製)を、1μmの厚さになるようにグラビアコート法で塗布し、乾燥後、大気下で400mJ/cmの出力にて紫外線を照射して硬化させることにより、ハードコートフィルムを作製した。
得られたハードコートフィルムに評価例1−1で調製した塗液L−1を、光学膜厚がkλ/4(k:1、λ:550nm)になるようにグラビアコート法で塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの出力にて紫外線を照射して硬化させることにより、評価用フィルム(反射防止フィルム)を作製した。得られた評価用フィルムについて、表面抵抗率、耐擦傷性及び視感度反射率の評価を以下に記載する方法で行い、それらの評価結果を表4に示す。
(評価例2−2〜評価例2−8)
評価例2−1において、塗液L−1の代わりに塗液L−2〜L−8を用いた以外は、評価例2−1と同様にして、評価用フィルムを得た。得られた評価用フィルムについて、表面抵抗率、耐擦傷性及び視感度反射率の評価を行い、それらの結果を表4に示す。
(比較評価例2−1〜比較評価例2−4)
評価例2−1において、塗液L−1の代わりに塗液L−9〜L−12を用いた以外は、評価例2−1と同様にして、評価用フィルムを得た。得られた評価用フィルムについて、表面抵抗率、耐擦傷性及び視感度反射率の評価を行い、それらの結果を表5に示す。
Figure 2013043791
Figure 2013043791
表4及び表5に示したように、評価例2−1〜評価例2−3及び評価例2−5〜評価例2−8では、シランカップリング剤の化学式がCH=C(CH)COO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合に帯電防止性能にも優れ、視感度反射率2.5%を達成するような反射防止フィルムを得ることができた。一方、比較評価例2−1、比較評価例2−3〜評価例2−4に示したように、CH=CHCOO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合では、視感度反射率2.5%を達成するような評価例2−1〜評価例2−3及び評価例2−5〜評価例2−8と同様の重量比で配合して反射防止フィルムを作製したが、評価例2−1〜評価例2−3及び評価例2−5〜評価例2−8に示すような優れた帯電防止性能を発現することはなかった。
また、評価例2−4では、シランカップリング剤の化学式がCH=C(CH)COO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合に帯電防止性能にも優れ、視感度反射率1.0%を達成するような反射防止フィルムを得ることができた。一方、比較評価例2−2に示したように、CH=CHCOO(CH-Si(OR)で示されるもので表面処理された変性中空シリカを配合した場合では、視感度反射率1.0%を達成するよう評価例2−4と同様の重量比で配合して反射防止フィルムを作製したが、評価例2−4に示すような優れた帯電防止性能を発現することはなかった。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤により表面処理された、変性中空シリカ微粒子。
    一般式(1):CH2=C(CH3)COO(CH23-Si(OR)3
    (但し、Rは炭素数1〜2のアルキル基又は2-メトキシエトキシ基である)
  2. 平均粒子径が40〜70nmである、請求項1に記載の変性中空シリカ微粒子。


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