JP3953829B2 - 表面が強化された反射防止層、反射防止材、および反射防止体 - Google Patents

表面が強化された反射防止層、反射防止材、および反射防止体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の物品の表面に適用して光の反射を防止することが可能で、しかも表面が強化された反射防止層に関するものである。本発明はまた、表面が強化された反射防止層を透明基材と積層し、他の物品に適用可能とした反射防止材や、表面が強化された反射防止層を直接、種々の基体に積層した反射防止体に関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板、プラスチックフィルム等は、これらの透明性を利用して、透視の必要な建築物や車両の窓、各種機器の計器や表示部の表面等に適用されている。特に、データや映像を表示するディスプレイの表面には、通常はディスプレイの一部を構成する表面材として、それらが多用されている。
【0003】
ディスプレイの表面材には、透視性を確保する意味で、透明性が高いことが求められると共に、室内の照明や、屋外であれば太陽光等の外光の反射を防止する反射防止性が求められる。
【0004】
従来、反射防止性を付与すべき表面に、その表面よりも屈折率の低い低屈折率層を積層することや、最表面は低屈折率層としながらも、下層に高屈折率層および低屈折率層を繰返し積層すること、もしくは、最表面の低屈折率層の下層に高屈折率層、および中屈折率層を順に積層する等により反射防止膜を形成して、反射防止性を実現していた。
【0005】
上記のような種々の屈折率の層を積層する方法としては、大別して気相法と液相法とがある。気相法には、真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的気相法(PVD)と、化学的気相法(CVD)とがあり、均一で薄く、品質の優れた層を形成することができるものの、使用する装置が比較的特殊である上、真空系を必要とし、成膜原料の利用効率が低く、連続処理や高速処理が難しく、また、大面積の処理や複雑な形状のものの処理に適した大型装置を得にくい不利がある。また、低屈折率層を形成する場合に、気相法に適した素材としては、MgF2(n=1.38、nは屈折率)、CaF2(n=1.36)等くらいしかなく、これらよりも屈折率の低いものを得にくい。
【0006】
液相法には、メッキ法、陽極酸化、もしくはゾル−ゲル法があるが、最も利用範囲の広いのは、コーティング法である。コーティング法を利用すると、上記の気相法を利用するのにくらべ、得られる層の品質は若干劣るものの、使用する装置が複雑ではなく、成膜原料の利用効率が高く、連続処理や高速処理にも向く利点が得られる。
【0007】
コーティング法で低屈折率層を形成する際の成膜材料のうち、樹脂成分としては、屈折率の低い、フッ素原子を分子構造中に含むポリマーを用いることがある。しかし、フッ素原子を分子構造中に含むポリマーにおいては、フッ素原子の含有量を増加させると屈折率が低下する反面、得られる塗膜の表面の硬度、および強度も低下する傾向があり、耐擦傷性が不十分である。あるいは、塗膜中に空隙、気泡、もしくは孔の形で屈折率が1.0である空気を、膜の透明性を損なわない範囲で存在させることにより、屈折率を下げる手法も提案されているが(特開昭58−161945、特開昭60−235745、特開平3−261047、特開平6−3501)、空気の存在が、本質的に塗膜の機械的な強度を低下させるため、結果として耐擦傷性が不十分となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記のようにコーティング法により低屈折率層を形成し、反射防止材や反射防止体を得ようとする際に、反射防止性と塗膜の硬度、および強度を同時に実現することを課題とする。
【0009】
【課題を解決する手段】
発明者の検討により、コーティング法により形成された低屈折率層の上に、高硬度でごく薄い、好ましくは低屈折率層よりも薄い層を積層することにより、表面の硬度が向上しながらも、そのために反射防止性を損なうことのない反射防止層を得ることができた。
【0010】
第1の発明は、反射防止層上に、前記反射防止層の屈折率よりも高い屈折率のハードコート薄層が積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第2の発明は、第1の発明において、前記反射防止層が低屈折率層からなることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第3の発明は、第1の発明において、前記反射防止層が、前記ハードコート薄層側が低屈折率層からなる複層からなることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第4の発明は、第3の発明において、前記反射防止層が、前記低屈折率層と前記低屈折率層の下層の高屈折率層との積層構造からなることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第5の発明は、第3の発明において、前記反射防止層が、前記低屈折率層の下層側に高屈折率層、および中屈折率層が順に積層された積層構造からなることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明において、前記低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.46であり、かつ、厚みが30〜150nmであることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第7の発明は、第1〜第6いずれかの発明において、前記ハードコート薄層は、屈折率が1.30〜1.60であって、前記低屈折率層の屈折率よりも0.14〜0.28大きく、かつ厚みが5〜50nmであって、前記低屈折率層の厚みの1/2以下であることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第8の発明は、第1〜第7いずれかの発明において、前記ハードコート薄層が、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物および/または電離放射線硬化性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂組成物で構成されていることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第9の発明は、第8の発明において、前記硬化樹脂組成物が、多官能アクリレートを含有することを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第10の発明は、第9の発明において、前記硬化樹脂組成物が、ポリシロキサン成分を含有することを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第11の発明は、第9または第10の発明において、前記硬化樹脂組成物が、ウレタンアクリレートを含有することを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第12の発明は、第8〜第11いずれかの発明において、前記ハードコート薄層が、さらに無機質超微粒子を含有するものであることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第13の発明は、第1〜第12いずれかの発明において、前記反射防止層の前記ハードコート薄層が積層されているのとは反対側にハードコート層がさらに積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第14の発明は、第4または第5の発明において、前記反射防止層を構成する最下層がハードコート層を兼ねていることを特徴とする表面が強化された反射防止層に関するものである。
第15の発明は、第1〜第14いずれかの発明の表面が強化された反射防止層の前記ハードコート薄層が積層されているのとは反対側に透明基材が積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止材に関するものである。
第16の発明は、第1〜第14いずれかの発明の表面が強化された反射防止層の前記ハードコート薄層が積層されているのとは反対側に基体が積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止体に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の反射防止層を適用した反射防止材の代表的なものの積層構造を示す断面図である。図1(a)に示すように、反射防止材1は、例えば、透明基材2上に、低屈折率層3、およびハードコート薄層4が順次積層された積層構造を有するもので、この場合、低屈折率層3、およびハードコート薄層4とにより、表面が強化された反射防止層が構成されている。なお、以降も含め、「上」とは観察側を指し、「下」とは、観察側とは反対側を指すものとする。
【0012】
あるいは、図1(b)に示すように、本発明の反射防止材1は、透明基材2にハードコート層5が積層されており、ハードコート層5上に、表面が強化された反射防止層が積層された、即ち、低屈折率層3、およびハードコート薄層4が順次積層された積層構造を有するものであってもよい。
【0013】
反射防止性を発揮させるには、対象となる表面よりも屈折率の低い層が積層されることが必要であり、図1(a)に示す積層構造においては、より詳しくは、透明基材2の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層3が積層されたものである。ただ、透明基材2を基準に見れば、低屈折率層3が反射防止層と見なせるので、以降も含め、原則として、透明基材2および最上層のハードコート薄層4を除いた部分を反射防止層ととらえる。
【0014】
図2は、そのような意味での反射防止層6のバリエーションを示す図である。いずれも、図の下側には、図1(a)における透明基材2、もしくは図1(b)における透明基材2およびハードコート層5を伴ない得るものであり、図の上側にはハードコート薄層4を伴ない得るものである。
【0015】
図2(a)に示す反射防止層6は、低屈折率層Lのみからなるものであり、これは、図1(a)に示すものと同じである。
【0016】
図2(b)に示す反射防止層6は、下側から高屈折率層H、および低屈折率層Lが積層した複層の積層構造からなる。図示はしないが、下側から、高屈折率層H、および低屈折率層Lがさらに繰返して、高屈折率層H、低屈折率層L、高屈折率層H、低屈折率層L、…のように繰返してもよい。ただし、最上層は必ず低屈折率層Lとする。なお、最下層の高屈折率層Hは、ハードコート層5と兼ねるものであってもよい。
【0017】
図2(c)に示す反射防止層6は、下側から中屈折率層M、高屈折率層H、および低屈折率層Lが積層した複層の積層構造からなっていてもよい。図示はしないが、下側から、中屈折率層M、高屈折率層H、低屈折率層L、中屈折率層M、高屈折率層H、低屈折率層L、…のように繰返してもよい。ただし、ここでも、最上層は必ず低屈折率層Lとする。また、最下層の中屈折率層Mは、ハードコート層5と兼ねるものであってもよい。
【0018】
従って、本発明の反射防止材1は、透明基材2上に、ハードコート層5を介して、もしくは介さずに、複層の積層構造であり得る反射防止層6、およびハードコート薄層4が順に積層されたものであり、反射防止層6は、ハードコート薄層4と接する側の表面が必ず低屈折率層3(もしくはL)であるものである。従って、図1(a)に示す積層構造のものが、最も簡素なものである。以降に、まず、図1(a)に示す積層構造の反射防止材1について説明し、順次、その他の構造について説明する。
【0019】
透明基材2の素材としては、透明樹脂フィルムもしくは透明樹脂シート、透明樹脂板(例;アクリル樹脂板)や透明ガラス板があり得るが、工業的には、連続加工が容易でフレキシブルな透明樹脂フィルムを使用することが好ましい。透明基材2は、用途によっては有色透明なものでもあり得るので、ここでは、透明とは、無色透明および有色透明の両方を含むものとする。
【0020】
透明樹脂フィルムもしくは透明樹脂シートとしては、トリアセチルセルロース(略してTAC、セルローストリアセテートとも言う。)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、アクリル系もしくはメタクリル系、ポリウレタン系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル、ポリノルボルネン等の環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、もしくはポリシロキサン等の熱可塑性樹脂からなるものが使用できる。なお、(メタ)の表示は、メタがあるものと、無い物の両方を指す意味で用いる。
【0021】
上記の熱可塑性樹脂からなるフィルムもしくはシートは、フレキシブルで使いやすいが、取り扱い時も含めて曲げる必要が全くなく、硬いものが望まれるときは、上記の樹脂の板やガラス板等の板状のものも使用できる。透明基材2の厚みとしては、フレキシブルなものが望まれる場合、8〜1000μm程度が好ましいが、シート状物、もしくは板状物の場合には、この範囲を超えてもよい。また、透明基材2は、通常は、平坦なものであるが、透明基材2が、種々の物品の表面材を構成している場合、そのための凹凸形状や立体的形状を有するものであってもよい。なお、透明基材2は、反射防止層を積層する側の接着性を向上させる目的で、種々の処理を施してあってもよい。また、反射防止層を積層する側ではない方の側に、種々の物品の表面材とするための加工が施してあってもよい。
【0022】
低屈折率層3は、適宜な塗料用の透明樹脂と低屈折率の粒子、好ましくは超微粒子を含有する低屈折率層形成用塗料組成物を用いたコーティングにより形成された、樹脂組成物からなる。あるいは、低屈折率層3は、自身の屈折率の低い低屈折率樹脂成分を、無機質粒子、もしくは無機質超微粒子を伴なわないか、または伴なって調製された塗料組成物を用いて形成された樹脂組成物からなる。
【0023】
低屈折率の無機質粒子、もしくは無機質超微粒子としては、例えば、LiF、MgF2、3NaF・AlF3もしくはAlF3(以上、いずれもn=1.4)、Na3AlF6(氷晶石、n=1.33)、もしくはSiOx(1.50≦x≦2.00、n=1.35〜1.48)等を挙げることができ、これらから選択された粒子、もしくは超微粒子を用いて塗料組成物を調整し、透明基材2上に塗布し、乾燥させる等により固化させて、低屈折率層3とすることができる。低屈折率の粒子、もしくは超微粒子としては、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂の単独、またはこれらの樹脂を含む樹脂粒子を挙げることができる。これらは屈折率が1.30〜1.46の範囲であれば、好ましく用いることができる。
【0024】
しかしながら、一般的な塗料用の透明樹脂は、屈折率があまり低くはなく、より好ましくは、フッ素含有ポリマー、もしくはフッ素含有オリゴマー等を樹脂成分として調製された塗料組成物を用いて低屈折率層4を形成することが低屈折率を実現する意味で、好ましい。
【0025】
フッ素含有ポリマー、もしくはフッ素含有オリゴマーは、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーの重合もしくは共重合によって得られるものである。エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーとしては、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンエチレン、パーフルオロブタジエン、もしくはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等のフルオロオレフィン類や、アクリル酸もしくはメタクリル酸の完全もしくは部分フッ素化されたアルキル、アルケニル、またはアリールエステル(下記「化1」もしくは「化2」)、さらには、完全もしくは部分フッ素化ビニルエーテル類、完全もしくは部分フッ素化ビニルエステル類、または完全もしくは部分フッ素化ビニルケトン等を挙げることができる。
【0026】
【化1】
Figure 0003953829
【0027】
【化2】
Figure 0003953829
【0028】
ただし、上式「化1」中、R1は、水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基、もしくはハロゲン原子を表す。Rfは、完全もしくは部分フッ素化されたアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環、またはアリール基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、ヘテロ基、アリール基、または上記Rfで定義される基を表す。R1、R2、R3、およびRfは、それぞれフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。また、R2、R3、およびRfに任意の二つ以上の基が互いに結合して環構造を形成してもよい。
【0029】
また、上式「化2」中、Aは、完全もしくは部分フッ素化されたn価の有機基を表す。R4は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはハロゲン原子を表す。R4はフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。nは2〜8の整数を表す。)
【0030】
互いに重合可能な重合性官能基を有するフッ素含有ポリマーとフッ素含有モノマーおよび/またはオリゴマーとを組み合わせると、フッ素含有ポリマーにより塗工用の塗料組成物の成膜性が向上すると共に、フッ素含有モノマーおよび/またはオリゴマーにより架橋密度と塗工適性が向上し、両成分のバランスによって、塗膜の硬度および強度が実現されるので好ましい。特に、フッ素含有ポリマーとして、数平均分子量が20,000〜100,000のものと、フッ素含有モノマーおよび/またはオリゴマーとして、数平均分子量が20,000以下のものを組み合わせて用いることにより、塗工適性、成膜性、塗膜硬度、および塗膜強度等を含めた諸物性のバランスが取り易いので、より好ましい。フッ素ポリマーの屈折率が十分に低い場合は、フッ素を含有しないモノマーおよび/またはオリゴマーとを組合せた方が、塗膜の強度をより容易に向上させることができるため好ましい。フッ素を含有しないモノマー、オリゴマーとしては、ハードコート薄層4を構成するための素材として後に挙げるエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性のモノマー、オリゴマーを挙げることができる。
【0031】
上記において、フッ素含有モノマーまたはオリゴマーとしては、上記したようなフッ素含有モノマーから選択された一種もしくは二種以上からなる単独重合体もしくは共重合体、または、上記したようなフッ素含有モノマーから選択された一種もしくは二種以上と、フッ素を含有しないフッ素非含有モノマーの一種もしくは二種以上との共重合体を用いることができる。
【0032】
また、重合性官能基を有しないフッ素含有モノマーも使用することができ、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、4−フルオロエチレン−6−フルオロプロピレン共重合体、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、4−フルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、アクリル酸もしくはメタクリル酸の完全もしくは部分フッ素化されたアルキル、アルケニル、もしくはアリールエステル(例えば、前記「化1」もしくは「化2」)の重合体もしくは共重合体、フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体、またはフッ素変性されたエポキシ、ポリウレタン、セルロース系、フェノール、ポリイミド、もしくはシリコーン等の樹脂を挙げることができる。この他にも、非晶質透明フッ素樹脂(旭硝子(株)製の商品名;「サイトップ」等)も使用することができる。低屈折率層3の機械的強度を向上させるためには、低屈折率層3と下層との密着性を向上させることが有効であり、そのためには、低屈折率層形成用塗料組成物を構成する樹脂成分のいずれかが、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、もしくはアミド基等の極性基を導入されたものであることが好ましい。
【0033】
上記のフッ素含有ポリマー、もしくはフッ素含有オリゴマー等を樹脂成分として調製された塗料組成物を用いて低屈折率層3を形成する際にも、既に述べた低屈折率の粒子を用いることができる。より透明性を確保する意味では、超微粒子を含有させることがより好ましい。
【0034】
ここで、超微粒子とは、一般的に微粒子と呼ばれている数μmから数100μmの粒子径を有するものよりも小さいものである。本発明において用いる超微粒子の具体的な粒子径は、用途により要求される光学性能が異なるので、一概には言い難いが、一次粒子径が1nm〜500nmの範囲であることが好ましい。一次粒子径が1nm未満のものを使用しても、塗膜の硬度および強度の向上が見られない。また、一次粒子径が500nmを超えると、塗膜の透明性が損なわれ、用途によっては全く使用できないこともある。なお、超微粒子としては、樹脂中への均一な分散が可能で、塗膜の硬度および強度を確保できれば、球状、針状、もしくはその他のいかなる形状のものであってもよい。
【0035】
上記の低屈折率層3は、屈折率としては、1.10〜1.46であることが好ましく、厚みとしては、30〜150nmであることが好ましい。
【0036】
ハードコート薄層4は、反射防止層6の表面に積層して、反射防止層の表面の硬度および強度を向上させるためのものである。ハードコート薄層4は、主として樹脂成分からなるか、より好ましくは樹脂成分と無機質超微粒子とからなる。ハードコート薄層4を構成するための樹脂成分は、要求の度合いによっては、熱可塑性樹脂でもよいが、硬度および強度を確保する意味で、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂であることがより好ましい。ここで、「ハードコート薄層」とは、塗料組成物のコーティングによって得られ、表面硬度がJIS K5400で示される鉛筆硬度試験で、少なくともH以上の硬度を示し、厚みのごく薄い、例えば数nm〜数10nmのものを指す。
【0037】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて使用する。
【0038】
電離放射線硬化性樹脂としては、反応エネルギーの点では、光重合、もしくは熱重合のいずれに属するものであってもよく、また、活性種の点では、ラジカル重合、カチオン重合、もしくはアニオン重合のいずれに属するものであってもよい。エチレン性不飽和結合を含有する場合には、光ラジカル重合および熱ラジカル重合が、また、エポキシ基を含有する場合には、熱硬化および光カチオン重合が可能である。特に、エチレン性不飽和結合を含有する場合には、可視光、または電離放射線(紫外線もしくは電子線等)、その他の不可視光の照射により直接に、もしくは開始剤の作用を受けて間接に、重合するので、光硬化の場合におけるように、塗布から硬化に至る取扱いが容易になり、特に好ましい。
【0039】
エチレン性不飽和結合を含有するものとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリスチロール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、もしくはポリカーボネートのような重合性官能基を持たない非反応性ポリマーに、エチレン性不飽和結合を導入した反応硬化性ポリマーを例示することができる。
【0040】
また、エチレン性不飽和結合を含有するものとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、もしくはアクリルアミド等の単官能(メタ)アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、もしくはペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、もしくはペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリアクリレート、または、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレート等のラジカル重合性モノマー、あるいはこれらの重合性モノマーが重合したオリゴマーを例示することができる。特に架橋密度を向上させる意味で、多官能アクリレートを用いる事がより好ましい。また、(メタ)アクリロイル基を導入したポリマーやシリコーン樹脂等のポリマーもハードコート薄層4の物性を低下させない範囲で好ましく使用することができる。
【0041】
エチレン性不飽和結合を有する、上記のラジカル重合性のオリゴマーもしくはモノマーを使用する際には、必要に応じ、光ラジカル重合開始剤を配合する。光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、下酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物、もしくはフルオロアミン化合物等を用いることができ、上記のラジカル重合性のオリゴマーおよびモノマー100に対し、3〜8(質量比)を配合するとよい。
【0042】
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184として入手可能)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907として入手可能)、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、もしくはベンゾフェノン等を例示することができ、一種もしくは二種以上組み合わせて用いることができる。
【0043】
電離放射線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物には、ポリシロキサン成分、より具体的には、次のような幾つかのタイプの有機反応性ケイ素化合物を併用してもよい。有機反応性ケイ素化合物を併用すると、塗膜の硬度および強度が維持されると共に塗膜表面のすべり性が増して、耐擦傷性が向上し、また、表面に離型性を与えるので、防汚性が向上する利点がある。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物のいずれにおいても、樹脂成分として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、もしくはアミド基等の極性基を導入されたものを用いる方が、有機反応性ケイ素化合物との間で共有結合を形成し、塗膜の硬度および強度のさらなる向上が可能となるため、より好ましい。
【0044】
有機ケイ素化合物の1は、一般式RmSi(OR’)nで表せるもので、RおよびR’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとOR’の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
【0045】
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0046】
電離放射線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物に併用し得る有機ケイ素化合物の2は、シランカップリング剤である。
【0047】
具体的には、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0048】
電離放射線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物に併用し得る有機ケイ素化合物の3は、電離放射線硬化性ケイ素化合物である。具体的には、電離放射線の照射によって反応し架橋する複数の官能基、例えば、重合性二重結合基を有する分子量5,000以下の有機ケイ素化合物が挙げられ、より具体的には、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能ポリシロキサン、又はこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシラン、もしくはビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。より具体的には、次のような化合物である。
【0049】
【化3】
Figure 0003953829
【0050】
電離放射線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物には、上記のような有機反応性ケイ素化合物以外に、一般式AnMBx-nで表される有機金属化合物を併用してもよい。なお、この一般式において、Aは加水分解可能な官能基、もしくは加水分解可能な官能基を有する炭化水素基、Mは金属原子、Bは金属原子Mに共有結合もしくはイオン結合した原子団を表す。また、Bの添え字x−nにおけるxは金属原子Mの原子価であり、Aの添え字でもあるnは2以上x以下の整数を表す。加水分解可能な官能基Aとしては、例えば、アルコキシ基、塩素原子等のハロゲン、エステル基、もしくはアミド基を例示することができる。
【0051】
本発明においては、上記の一般式で表される金属化合物のうち、金属原子に直接結合したアルコキシ基を二以上有するアルコキシド、もしくはそのキレート化物を用いることが好ましく、取り扱いやすさおよび材料コストの点から、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、もしくはアルミニウムアルコキシド、またはこれらの対応キレート化物を用いることがより好ましい。
【0052】
チタンアルコキシドとしては、一般式Ti(OR)4で表されるもので、Rがアルキル基、好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基であるものである。具体的には、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、もしくはテトラ−tert−ブトキシチタン等を挙げることができる。
【0053】
ジルコニウムアルコキシドは、一般式Zr(OR)4で表されるもので、Rがアルキル基、好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基であるものである。具体的には、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、もしくはテトラ−tert−ブトキシジルコニウム等を挙げることができる。
【0054】
アルミニウムアルコキシドは、一般式Al(OR)3で表されるもので、Rがアルキル基、好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基であるものである。具体的には、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、もしくはトリ−tert−ブトキシアルミニウム等を挙げることができる。
【0055】
上記のチタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、もしくはアルミニウムアルコキシドの対応キレート化物を形成するのに好ましいキレート化剤としては、ジエタノールアミン、もしくはトリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、もしくはジプロピレングリコール等のグリコール類、アセチルアセトン、またはアセト酢酸エチル等であって、分子量が1万以下のものを例示することができ、これらのキレート化剤を配位させる遊離の金属化合物の金属原子1モル当たり0.1モル〜2モルの割合で用いることが好ましい。キレート剤の割合が0.1モル未満では安定化の効果が不足し、また、キレート化剤の割合が2モルを超えると、キレート化物の形成に消費されないキレート化剤が残留し、電離放射線硬化性樹脂組成物中に配合した際に、有機物の不純物として存在するため、得られる塗膜の強度や透明性が低下しやすい。これらのキレート化剤を用いることにより、水分の混入等に対しても安定で、塗膜の補強効果にも優れるキレート化物を形成することができる。
【0056】
電離放射線硬化性樹脂組成物には、ウレタンアクリレート、特に、ポリウレタンアクリレートを併用してもよい。一般的に言ってアクリレート類、特に多官能アクリレートは硬度の優れた塗膜を与える反面、塗膜の耐衝撃性が低くなり脆くなる欠点が見られが、ポリウレタンアクリレートを加えることにより、耐衝撃性が改善され、塗膜が柔軟性を帯びるようになるからである。
【0057】
ハードコート薄層4には、上記した樹脂成分を主成分として構成し得るが、さらに、無機質微粒子、もしくは無機質超微粒子を含有することがより好ましく、それらを構成する無機質としては、一般的に屈折率の高いチタニア(屈折率n=1.9〜2.3)、ジルコニア(n=1.6〜2.0)、酸化亜鉛(n=1.6〜2.0)、アルミナ(n=1.5〜1.7)、酸化スズ(n=1.7〜2.0)、インジウムドープ酸化スズ(=ITO、n=1.6〜1.9)、アンチモンドープ酸化スズ(=ATO、n=1.6〜1.9)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(=AZO、n=1.7〜2.0)等もハードコート薄層4に必要とされる屈折率の範囲内であれば、使用することができる。また、これら、屈折率が高い無機質微粒子、もしくは無機質超微粒子が導電性を示す場合は、ハードコート薄層4を導電層とすることができ、ひいては、反射防止層の表面層、さらには反射防止材に導電性を付与し、結果として、帯電防止性能を付与することができ、好ましい。
【0058】
ハードコート薄層4は、上記した成分のほか、必要に応じて、溶剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調製剤(レベリング剤)、もしくはそのほかの添加剤を添加して調製した塗料組成物を用いたコーティングにより形成することができる。コーティング法としてはロールコート法、グラビアコート法、スライドコート法、スプレーコート法、ディップコート法、もしくはスクリーン印刷法等を利用でき、る。
【0059】
上記のハードコート薄層4は、屈折率としては、1.30〜1.60であることが好ましく、厚みとしては、5〜50nmであることが好ましい。厚みが5nm未満では、表面の硬度および強度が十分得られず、また、厚みが50nmを超えると、反射防止性が低下するからである。なお、ハードコート薄層4と下層の低屈折率層3とは、各々の層の厚み、屈折率を規定するのに加え、層の厚みに関しては、ハードコート薄層4の厚みが低屈折率層3の厚みの1/2以下であることが好ましく、また屈折率に関しては、ハードコート薄層4の屈折率が、低屈折率層3の屈折率よりも0.14〜0.28大きいことが好ましい。
【0060】
本発明においては、本来、低反射性を実現する、最表面の低屈折率層3上に、さらに、低屈折率層3よりも屈折率の高いハードコート薄層4を積層したので、一見、反射防止性が損なわれるように考えられやすい。しかし、実際、低屈折率層3にハードコート薄層4を積層したものを反射性の対象に積層して、光の反射率を測定してみると、ハードコート薄層4の無いものにくらべ、波長が450nm未満、特に紫外域での反射率が高くなる傾向があるものの、可視域では、反射率の上昇が実質上見られず、見た目にもまぶしくない。一般に人が反射光をまぶしく感じるのは可視光の反射に限られ、特に目の感度が高い波長が550nm付近での反射性が問題となるので、紫外域での反射率の上昇があっても、人が見たときのまぶしさにはつながらないからである。また、このような反射防止を施す対象として、特に注目すべきディスプレイ関係においては、ディスプレイの寿命の向上の意味で、紫外線をシャットアウトすることが必要であり、他の対象においても紫外線の透過は好ましくないことから、紫外域での反射率の上昇は、むしろ好ましいと言える。
【0061】
先に述べたように、本発明の反射防止材1は、透明基材2と低屈折率層3との間、言い換えれば、透明基材2と反射防止層6との間にハードコート層5が介在していてもよい。反射防止層6が最も簡素な構成であるとき、反射防止材1は、透明基材2上に、ハードコート層5、低屈折率層3、およびハードコート薄層4が順に積層したものである。
【0062】
このハードコート層5は、本来的には、透明基材上に設ける反射防止層6の表面の硬度を向上させるためのものである。低屈折率層4が本発明におけるように液相法による場合には、気相法による場合にくらべ、ハードコート層5の性質が反射防止層上に及ぼす影響は小さくなる。
【0063】
ハードコート層5は、厚みを比較的厚く設けることを除き、上記したハードコート薄層4と同様な材料を用いて構成することができる。ハードコート層5の厚みは一例として0.5μm以上であり、20μm以下であることが好ましい。
【0064】
ハードコート層5は、低屈折率層が、しばしば屈折率層の低い樹脂成分を用いて構成されることと比較すると、比較的屈折率が高い樹脂成分を用いて構成され、また、無機質超微粒子を用いても、屈折率が低下することが少ないので、屈折率の観点から見ると、低屈折率層との相対的な関係では高屈折率層となることが多い。勿論、屈折率の高い粒子、好ましくは超微粒子を含有させることにより、より高屈折率の層とすることもできる。従って、ハードコート層5を形成する際の無機質微粒子の屈折率および/または配合量を調整することにより、屈折率の異なる二種類のハードコート層を形成することができるので、下層側の屈折率を相対的に低くし、上層側の屈折率を相対的に高くすることにより、下層側から中屈折率層(ハードコート層とも見ることができる。)、および高屈折率層の二層を形成することもできる。
【0065】
本発明の反射防止層6は、上記したように、透明基材2上に形成して反射防止材、より卑近な例としては、透明基材フィルムを基材として反射防止フィルムとすることができる。このような反射防止材は、建造物の窓、箱やケースに設けた窓部等に適用して、窓材として用いることができる。また、各種のディスプレイの前面に配置するか、ディスプレイの全面の透明基材を基材とすることにより、ディスプレイを視認する際の照明光や太陽光等の外光の反射を防止して、ディスプレイの表示内容の視認性を向上させることができる。
【0066】
ところで、反射防止層6(ハードコート層を伴ない得る。以降も同様。)は、透明基材2にのみ形成するものではなく、必ずしも透明でない基材、むしろ不透明な基材に適用することもできる。勿論、透明な基材に反射防止層6を適用した反射防止材を、そのような不透明な基材上に適用してもよいが、その不透明基材そのものを基材として、その基材が本来的に持つ表面の反射を防止した反射防止体とすることもできる。言い換えれば、本発明を、種々の物品を基体として反射防止層を適用した反射防止体とすることもでき、基体は、透明基材の場合と同様、凹凸形状や立体的形状を有するものであってもよい。
【0067】
反射防止層6は、層を形成する対象が必要なことから、上記のような透明基材や透明とは限らない基体を対象として形成することが通常であるが、表面が剥離性の剥離性シートの剥離性面上に、ハードコート薄層4、反射防止層6、必要に応じ、ハードコート層5や接着剤層を順次積層した転写シートの構成として、適宜な対象、例えば、透明基材、もしくは透明とは限らない基体に適用することができる。
【0068】
【実施例】
厚みが188μmで、表面に易接着処理が施されたポリエチレンテレフタレート樹脂(=PET)フィルムを準備して、その易接着処理面側に低屈折率層、およびハードコート薄層を順次積層したものと、ハードコート層、低屈折率層、およびハードコート薄層を順次積層したものとを作成した。ハードコート層としては、多官能アクリレート化合物の紫外線硬化型のものと、シリコーン系の熱硬化型のものの二通りを、低屈折率層としては、屈折率nが1.43、および1.41のものの二通りを、またハードコート薄層としては、屈折率nが1.46、1.43、1.50、および1.60のものの四通りを、下記のようにして作成し、これら各層の種々の組み合わせにより、反射防止フィルムを作成した。
【0069】
(ハードコート層(1)の形成)
下記組成のハードコート層形成用組成物(1)を準備して、バーコーティングし、乾燥して溶剤を除去してから、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源;Hバルブ)を用い、照射線量;300mJの条件で照射して硬化させ、膜厚が4μmの透明なハードコート層(1)を形成した。なお、部数、配合比は、以降も含め、いずれも質量基準による。
(ハードコート層形成用組成物(1))
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 20.0部
・光重合開始剤 1.0部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184)
・メチルイソブチルケトン 80部
【0070】
(ハードコート層(2)の形成)
シリコーン系熱硬化型透明塗料組成物(日本エーアールシー(株)製、商品名;クリスタルコートTH)をバーコーティングし、乾燥させて溶剤を除去してから、100℃の温度で2時間加熱して硬化させ、膜厚が4μmの透明なハードコート層(2)を形成した。
【0071】
(低屈折率層(1)の形成)
テトラエトキシシラン、エチルアルコール、脱イオン水、および塩酸をこの順で1/80/3/0.2の配合比で混合し、室温で4時間加水分解を行なわせたものをそのまま使用してバーコーティングし、乾燥して溶剤を除去してから、120℃の温度で1時間加熱して硬化させ、屈折率が1.43の硬化塗膜からなる低屈折率層(1)を得た。
【0072】
(低屈折率層(2)の形成)
フッ素系紫外線硬化型塗料組成物(JSR(株)製、商品名;オプスターJM5010)をバーコーティングし、乾燥して溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源;Hバルブ)を用い、照射線量;300mJの条件で照射して硬化させ、屈折率が1.41の低屈折率層(2)を得た。
【0073】
(ハードコート薄層(1)の形成)
ポリシラザン系熱硬化型塗料組成物(クラリアントジャパン(株)製、商品名;ポリシラザンL110)を用いてバーコーティングし、乾燥して溶剤を除去した後、120℃の温度で1時間加熱して硬化させ、屈折率が1.46のハードコート薄層(1)を得た。
【0074】
(ハードコート薄層(2)の形成)
ポリシロキサン系紫外線硬化型塗料組成物(GE東芝シリコーン(株)製、商品名;UVHC8558)を用いてバーコーティングし、乾燥して溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源;Hバルブ)を用い、照射線量;300mJの条件で照射して硬化させ、屈折率が1.43の低屈折率層(2)を得た。
【0075】
(ハードコート薄層(3)の形成)
多官能アクリレート(日本化薬(株)製、商品名DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート))/ウレタンアクリレート(日本合成化学(株)製、商品名;UV−1700B)=1/2の配合比で混合した紫外線硬化型塗料組成物を用い、上記のハードコート薄層(2)の形成と同様にして、屈折率が1.50のハードコート薄層(3)を得た。
【0076】
(ハードコート薄層(4)の形成)
多官能アクリレート(日本化薬(株)製、商品名DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)/ウレタンアクリレート(日本合成化学(株)製、商品名;UV−1700B)/チタニア超微粒子分散液(テイカ(株)製、商品名;TKS−251)=1/2/1の配合比で混合した紫外線硬化型塗料組成物を用い、上記のハードコート薄層(2)の形成と同様にして、屈折率が1.60の低屈折率層(4)を得た。
【0077】
なお、低屈折率層およびハードコート薄層の膜厚は、分光光度計(島津製作所(株)製)を用いて測定したときに、波長;550nm付近に反射率の極小値が来るように設定した。
【0078】
(低屈折率層およびハードコート薄層の密着性)
低屈折率層およびハードコート薄層の密着性を評価した。上記した低屈折率層(1)および(2)を、それぞれ、易接着PETフィルムの易接着処理面に積層したもの、易接着PETフィルムの易接着処理面にハードコート層(1)を積層した上に積層したもの(基材がハードコート層(1))、および易接着PETフィルムの易接着処理面にハードコート層(2)を積層した上に積層したもの(基材がハードコート層(2))を準備し、セロファンテープによる碁盤目剥離試験により密着性を評価した結果を下記の「表1」に示す。「表1」中、◎は剥離が全くないもの、○は僅かに剥離するもの、△は剥離がやや目立つものである。
【0079】
【表1】
Figure 0003953829
【0080】
また、易接着PETフィルムの易接着処理面に上記の低屈折率層(1)、もしくは(2)を積層したものの低屈折率層上に、上記のハードコート薄層(1)〜(4)をそれぞれ積層したものを準備し、セロファンテープによる碁盤目剥離試験により密着性を評価した結果を下記の「表2」に示す。表中、「HC薄層」は、ハードコート薄層を示し、◎、○、および△の意味は、「表1」におけるものと同じである。
【0081】
【表2】
Figure 0003953829
【0082】
反射防止フィルムを、A〜Cの各条件を組み合わせて作成した。即ち、A(基材);ハードコート層を伴なわないPETフィルム(表ではPET)、ハードコート層(1)を積層したもの(表ではHC層(1))、およびハードコート層(2)を積層したもの(表ではHC層(2))、B(低屈折率層、表では低n層);低屈折率層(1)、もしくは(2)、C(ハードコート薄層、表ではHC薄層);ハードコート薄層(1)、(2)、(3)、もしくは(4)の各条件である。これらの条件を組み合わせ、PETフィルム、低屈折率層、およびハードコート薄層が積層したもの、ならびにPETフィルム、ハードコート層、低屈折率層、およびハードコート薄層が積層したものを作成し、評価を行なった。
【0083】
評価項目は、反射率および膜強度の二項目である。反射率は、分光光度計(島津製作所(株)製)を用いて測定した波長;550nmにおけるものであり、用途にもよるが、反射率が1.2%以下であることが好ましい。また、スチールウールの#0000番のものを用いて、一定の荷重で20回擦り、濁度計(日本電色工業(株)製、商品名;NDH2000)で計測して、ヘイズが変化したときの荷重値のおもりの質量(単位;g)をもって、膜強度とした。この膜強度は、人の手等に触れやすい用途では、200g以上であることが好ましいが、200未満であっても、人の手等に触れる頻度の低い用途であれば、使用可能である。下記の「表3」〜「表5」は、実施例に関するものであり、「表6」は、比較例に関するものである。表中、低n層およびHC薄層の各欄の下段におけるかっこ付きの数字は、それぞれの層の膜厚(単位;nm)である。
【0084】
【表3】
Figure 0003953829
【0085】
【表4】
Figure 0003953829
【0086】
【表5】
Figure 0003953829
【0087】
【表6】
Figure 0003953829
【0088】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、反射防止層上に、それよりも屈折率の高いハードコート薄層が積層されたことにより、反射防止性の低下が実質上、ほとんど無く、表面の硬度および強度が高い、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、低屈折率層とハードコート層との簡素は積層構造からなる、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、反射防止層が複層の積層構造からなる、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、反射防止層が高屈折率層、および低屈折率層の複層の積層構造からなる、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項5の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、反射防止層が中屈折率層、高屈折率層、および低屈折率層の複層の積層構造からなる、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5いずれかの発明の効果に加え、ハードコート薄層の屈折率、および厚みを規定したので、反射防止性がより高い、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項6いずれかの発明の効果に加え、低屈折率層の屈折率、および厚みを規定したので、反射防止性がより確実な、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項8の発明によれば、請求項1〜請求項7いずれかの発明の効果に加え、ハードコート薄層が硬化樹脂組成物からなるので、表面の硬度および強度がより高められた、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項9の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、硬化樹脂組成物が多官能アクリレートを含有するので、架橋密度が高く、表面の硬度および強度がよりなお一層高められた、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項10の発明によれば、請求項9の発明の効果に加え、硬化樹脂組成物がポリシロキサンを含有するので、耐擦傷性、および防汚性が向上した、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項11の発明によれば、請求項9または請求項10の発明の効果に加え、硬化樹脂組成物がウレタンアクリレートを含有するので、ハードコート薄層の耐衝撃性および柔軟性のバランスのとれた、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項12の発明によれば、請求項8〜請求項11いずれかの発明の効果に加え、ハードコート薄層が無機質超微粒子を含有することにより硬度および表面強度が一層向上した、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項13の発明によれば、請求項1〜請求項12いずれかの発明の効果に加え、反射防止層のハードコート薄層の反対側にハードコート層が積層されていることによりハードコート薄層側の硬度および強度が高められた、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項14の発明によれば、請求項4または請求項5の発明の効果に加え、ハードコート層が、複層の反射防止層の最下層を兼ねているので、下層にハードコート層を有しながらも、より簡略化された積層構造を有する、表面が強化された反射防止層を提供することができる。
請求項15の発明によれば、請求項1〜請求項14いずれかの発明の効果を有する表面が強化された反射防止層が、透明基材上に積層されたことにより、全体が透明であり、透視性を有する、表面が強化された反射防止材を提供することができる。
請求項16の発明によれば、請求項1〜請求項14いずれかの発明の効果を有する表面が強化された反射防止層が、基体上に積層されたことにより、基体表面の反射が防止された、表面が強化された反射防止体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止材を示す断面図である。
【図2】本発明の反射層を示す層断面図である。
【符号の説明】
1 反射防止材
2 透明基材
3またはL 低屈折率層
4 ハードコート薄層
5 ハードコート層
M 中屈折率層
H 高屈折率層

Claims (16)

  1. 反射防止層上に、前記反射防止層の屈折率よりも高い屈折率のハードコート薄層が積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止層。
  2. 前記反射防止層が低屈折率層からなることを特徴とする請求項1記載の表面が強化された反射防止層。
  3. 前記反射防止層が、前記ハードコート薄層側が低屈折率層からなる複層からなることを特徴とする請求項1記載の表面が強化された反射防止層。
  4. 前記反射防止層が、前記低屈折率層と前記低屈折率層の下層の高屈折率層との積層構造からなることを特徴とする請求項3記載の表面が強化された反射防止層。
  5. 前記反射防止層が、前記低屈折率層の下層側に高屈折率層、および中屈折率層が順に積層された積層構造からなることを特徴とする請求項3記載の表面が強化された反射防止層。
  6. 前記低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.46であり、かつ、厚みが30〜150nmであることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか記載の表面が強化された反射防止層。
  7. 前記ハードコート薄層は、屈折率が1.30〜1.60であって、前記低屈折率層の屈折率よりも0.14〜0.28大きく、かつ厚みが5〜50nmであって、前記低屈折率層の厚みの1/2以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれか記載の表面が強化された反射防止層。
  8. 前記ハードコート薄層が、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物および/または電離放射線硬化性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7いずれか記載の表面が強化された反射防止層。
  9. 前記硬化樹脂組成物が、多官能アクリレートを含有することを特徴とする請求項8記載の表面が強化された反射防止層。
  10. 前記硬化樹脂組成物が、ポリシロキサン成分を含有することを特徴とする請求項9記載の表面が強化された反射防止層。
  11. 前記硬化樹脂組成物が、ウレタンアクリレートを含有することを特徴とする請求項9または請求項10記載の表面が強化された反射防止層。
  12. 前記ハードコート薄層が、さらに無機質超微粒子を含有するものであることを特徴とする請求項8〜請求項11いずれか記載の表面が強化された反射防止層。
  13. 前記反射防止層の前記ハードコート薄層が積層されているのとは反対側にハードコート層がさらに積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項12記載の表面が強化された反射防止層。
  14. 前記反射防止層を構成する最下層がハードコート層を兼ねていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の表面が強化された反射防止層。
  15. 請求項1〜請求項14いずれか記載の表面が強化された反射防止層の前記ハードコート薄層が積層されているのとは反対側に透明基材が積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止材。
  16. 請求項1〜請求項14いずれか記載の表面が強化された反射防止層の前記ハードコート薄層が積層されているのとは反対側に基体が積層されていることを特徴とする表面が強化された反射防止体。
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