JPH07333404A - 光学機能性膜、光学機能性フィルム、防眩性反射防止フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学機能性膜、光学機能性フィルム、防眩性反射防止フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置

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JPH07333404A
JPH07333404A JP7041238A JP4123895A JPH07333404A JP H07333404 A JPH07333404 A JP H07333404A JP 7041238 A JP7041238 A JP 7041238A JP 4123895 A JP4123895 A JP 4123895A JP H07333404 A JPH07333404 A JP H07333404A
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film
layer
refractive index
antiglare
sio
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English (en)
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Norinaga Nakamura
村 典 永 中
Kiyotaka Takematsu
松 清 隆 竹
Natsuko Yamashita
下 夏 子 山
Hiroko Suzuki
木 裕 子 鈴
Yurie Oota
田 友里恵 太
Hiroomi Katagiri
桐 博 臣 片
Mitsuru Tsuchiya
屋 充 土
Motohiro Oka
素 裕 岡
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第一の目的は、防湿性等のガスバリヤー性に
優れた光学機能性膜を提供し、第二の目的は、防眩性と
反射防止性を同時に備え、且つ内部の各層の界面におけ
る光の反射を低減することができる防眩性反射防止フィ
ルム及びその製造方法を提供すること。 【構成】 透明基材フィルム11上に、直接又は他の層
を介して、表面が微細な凹凸状の防眩層12が形成され
ており、さらにその上に防眩層12の屈折率よりも低い
屈折率の低屈折率層13が形成されている。防眩層12
の屈折率は、その防眩層12が接している低屈折率13
の面とは反対側の面に接している層の屈折率よりも高
い。この低屈折率13にSiO膜を使用することがで
きるが、SiO膜自体は光学機能膜として、ガスバリ
ヤー性、防汚性に優れ、防湿性、耐擦傷性、基材接着
性、透明性、低屈折率性、染料劣化防止性等に優れてい
る特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学機能性フィルムに
関し、特に、ワープロ、コンピュータ、テレビ等の各種
ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透
明プラスチック類サングラスレンズ、度付メガネレン
ズ、カメラ用ファインダーレンズなどの光学レンズ、各
種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の表面の
反射防止フィルムに好適な光学機能性フィルムならびに
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーブミラー、バックミラー、ゴーグ
ル、窓ガラス、パソコン・ワープロ等のディスプレイ、
その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプラス
チック等の透明基板が用いられており、これらの透明基
板を通して物体や文字、図形の視覚情報を或いはミラー
では透明基板を通して反射層からの像を観察する場合
に、これらの透明基板の表面が光で反射して内部の視覚
情報が見えにくいという問題があった。
【0003】従来、光の反射防止技術には、例えば、次
のような技術があった。すなわち、ガラスやプラスチッ
ク表面に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス等の透明
基板の表面に膜厚0.1μm程度のMgF等の極薄膜
や金属蒸着膜を設ける方法、プラスチックレンズ等のプ
ラスチック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、その
上に蒸着によりSiOやMgFの膜を形成する方
法、電離放射線硬化型樹脂の硬化膜上に低屈折率の塗膜
を形成する方法があった。
【0004】前記ガラス上に形成された膜厚0.1μm
程度のMgFの薄膜をさらに説明する。入射光が薄膜
に垂直に入射する場合に、特定の波長をλ0 とし、この
波長に対する反射防止膜の屈折率をn0 、反射防止膜の
厚みをh、および基板の屈折率をng とすると、反射防
止膜が光の反射を100%防止し、光を100%透過す
るための条件は、次の式(1)および式(2)の関係を
満たすことが必要であることは既に知られている(サイ
エンスライブラリ 物理学=9「光学」70〜72頁、
昭和55年、株式会社サイエンス社発行)。
【0005】
【数1】 0 h=λ0 /4 式(2) ガラスの屈折率ng =約1.5であり、MgF膜の屈
折率n0 =1.38、入射光の波長λ0 =5500オン
グストローム(基準)と既に知られているので、これら
の値を前記式(2)に代入すると、反射防止膜の厚みh
は約0.1μmが最適であると計算される。
【0006】前記式(1)によれば、光の反射を100
%防止するためには、上層塗膜の屈折率がその下層塗膜
の屈折率の約平方根の値になるような材料を選択すれば
よいことが分かり、このような原理を利用して、上層塗
膜の屈折率を、その下層塗膜の屈折率よりも若干低い値
として光の反射防止を行なうことが従来行なわれてい
た。
【0007】また従来、外部または内部からの光をディ
スプレイ表面が拡散反射または拡散透過させて、眩しく
ないようにするために、ディスプレイ等の表面に防眩処
理を施していた。このような防眩処理には、例えば、二
酸化珪素等のフィラーを含む樹脂を、ディスプレイ表面
に塗工したり、或いは透明基板に二酸化珪素等のフィラ
ーを含む樹脂が塗工されてなる防眩性基材をディスプレ
イ表面に貼着していた。
【0008】特に、液晶ディスプレイ等の表示体の表面
には、光のシャッターの役目をするフィルム状の偏光素
子が設けられているが、偏光素子自体がハード性能に劣
るために、ガラス、透明プラスチック板、または透明プ
ラスチックフィルム等の透明保護基板により保護され
て、偏光板が形成されている。しかしながら、透明プラ
スチック板または透明プラスチックフィルム等のプラス
チックからなる透明保護基板自体においても傷がつきや
すいので、近年、このような偏光板の表面にハード性能
を持たせたものが開発されている。このような技術とし
て、例えば、特開平1−105738号公報に記載され
るものがある。
【0009】この公報には、偏光素子に貼合されて偏光
板を構成するための、ハード性能、防眩性が付与された
透明保護基板、即ち、光制御用トリアセテートフィルム
が開示されている。このフィルムは、未ケン化のトリア
セテートフィルムの一方の面に、紫外線硬化型エポキシ
アクリレート系樹脂からなる硬化塗膜を設けることによ
りハード性能に優れたトリアセテートフィルムとしてい
る。
【0010】前記ハード性能に優れたトリアセテートフ
ィルムに更に防眩性を付与するためには、従来、前記紫
外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂に無定形シリカ
を添加した樹脂組成物をトリアセテートフィルムの表面
に塗布して硬化させていた。このようにして得られたト
リアセテートフィルムを偏光素子と貼合させて偏光板と
する際に、偏光素子との接着性を上げるためおよび静電
防止のためにアルカリによるケン化処理を行い、その後
に、偏光素子と貼合させて偏光板を製造している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基材フ
ィルム上に光の反射防止と同時に防眩性を付与する層を
設けて防眩性反射フィルムとするためには、少なくとも
これらの機能を有する層や、その他、接着剤層等の各種
層を設けるため、例えば、基材フィルムと、基材フィル
ム上に設けられた最表層との間に一以上の層を設けなけ
ればならない。このような場合、各層の界面において、
光の反射が起こり、特に、塗布によって形成されたよう
な膜厚が0.5μm以上の比較的厚い、光の波長よりも
大きい膜厚を有する界面においては、このような傾向が
現れ、反射防止フィルムとしての反射防止効果を低下さ
せるという問題があった。
【0012】一方、透明性基材フィルム上の最表面に反
射防止層を形成した従来の反射防止フィルムは、反射防
止層の厚みが約0.1μm前後と薄いため、形成された
反射防止フィルムはハード性能に劣り、傷付きやすいと
いう問題があった。
【0013】さらに、反射防止フィルム等の光学機能が
付与されたフィルムは、各光学機能性膜が通常積層され
ているが、このような光学機能膜は、ガスバリヤー性が
十分ではなく、防湿性が劣っていた。特に、液晶表示装
置に使用される偏光素子は湿気に弱く、防湿性を付与す
る必要がある。
【0014】そこで本発明の第一の目的は、反射防止フ
ィルム、反射防止膜等の光学材料を構成している光学機
能性材料について、防湿性等のガスバリヤー性に優れた
光学機能性フィルムを提供することである。
【0015】本発明の第二の目的は、防眩性と反射防止
性を同時に備え、且つ内部の各層間の界面における光の
反射を低減することができる防眩性反射防止フィルムお
よびその製造方法を提供することである。
【0016】本発明の第三の目的は、前記第二番目の目
的に加えて、ハード性能を付与した防眩性反射防止フィ
ルム、およびその製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記した第一番目の目的
を達成するために本発明による光学機能性フィルムは、
水に対する表面の接触角が40〜180度のSiO
(xは1.50≦x≦4.00)からなることを特徴と
する。このSiO膜は好ましくはプラズマCVD法に
よって形成された膜からなる。また、本発明において
は、上記のSiO膜の動摩擦係数は、1以下であるこ
とが好ましい。
【0018】この光学機能性フィルムは、代表的には、
透明基材フィルム上に、直接または他の層を介して、好
ましくはプラズマCVD法によってSiO膜(xは
1.50≦x≦4.00)を形成することができるが、
各種光学物品の所定の位置に形成することができる。
【0019】前記した第二番目の目的を達成するために
本発明の防眩性反射防止フィルムは、(1)透明基材フ
ィルム上に、直接または他の層を介して、表面が微細な
凹凸状のバインダー樹脂を主体とする防眩層が形成され
ており、(2)該防眩層上に、該防眩層の屈折率よりも
低い屈折率の低屈折率層が形成されており、(3)該防
眩層の屈折率は、該防眩層が接している前記低屈折率層
とは反対側に接している層(例えば、透明基材フィル
ム、プライマー層、接着剤層、第2ハードコート層等)
の屈折率よりも高いことを特徴とする。
【0020】前記した第三番目の目的を達成するために
本発明の防眩性反射防止フィルムは、(1)透明基材フ
ィルム上に、直接または他の層を介して、表面が微細な
凹凸状で、ハード性能を有する防眩層が形成されてお
り、(2)該防眩層上に、該防眩層の屈折率よりも低い
屈折率の低屈折率層が形成されており、(3)該防眩層
の屈折率は、該防眩層が接している前記低屈折率層とは
反対側に接している層の屈折率よりも高いことを特徴と
する。
【0021】また、本発明の防眩性反射防止フィルムの
製造方法は、(1)透明基材フィルム上に、直接または
他の層を介して、バインダー樹脂と該バインダー樹脂の
屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率微粒子とを含
む樹脂組成物であって、且つ該樹脂組成物の屈折率が最
終製品としての防眩性反射防止フィルムの層構成におけ
る該樹脂組成物を使用する層の下側に直接接する層の屈
折率よりも高い屈折率を持つ樹脂組成物を塗工し、
(2)形成された塗膜上に、表面に微細な凹凸を有する
マット状の賦型フィルムを微細な凹凸面を塗膜側にして
ラミネートし、(3)得られたラミネート物に対して加
熱処理および/または電離放射線照射処理を行なって塗
膜を硬化させ、(4)塗膜の硬化したラミネート物から
前記賦型フィルムを剥離することにより表面に微細な凹
凸を有する防眩層を形成し、(5)前記工程で形成され
た防眩層上に該防眩層よりも低い屈折率を有する低屈折
率層を形成することを特徴とする。
【0022】また、本発明の防眩性反射防止フィルムの
別の製造方法は、(1)表面に微細な凹凸を有するマッ
ト状の賦型フィルム上に、バインダー樹脂と該バインダ
ー樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率微粒
子とを含む樹脂組成物であって、且つ該樹脂組成物の屈
折率が最終製品としての防眩性反射防止フィルムの層構
成における該樹脂組成物を使用する層の下側に直接接す
る層の屈折率よりも高い屈折率を持つ樹脂組成物を塗工
し、(2)一方、透明基材フィルムに対して、直接また
は他の層を介して、前記工程で塗膜が形成された賦型フ
ィルムを、該塗膜を内側にしてラミネートし、(3)こ
のラミネート物に対して、加熱処理および/または電離
放射線照射処理を行なって、該塗膜を硬化させ、(4)
塗膜の硬化したラミネート物から前記賦型フィルムを剥
離することにより表面に微細な凹凸を有する防眩層を形
成し、(5)前記工程で形成された防眩層上に該防眩層
よりも低い屈折率を有する低屈折率層を形成することを
特徴とする。
【0023】また、本発明の防眩性反射防止フィルムの
さらに別の製造方法は、(1)表面に微細な凹凸を有す
るマット状の賦型フィルム上に、バインダー樹脂と該バ
インダー樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折
率微粒子とを含む樹脂組成物であって、且つ該樹脂組成
物の屈折率が最終製品としての防眩性反射防止フィルム
の層構成における該樹脂組成物を使用する層の下側に直
接接する層の屈折率よりも高い屈折率を持つ樹脂組成物
を塗工して塗膜を形成し、(2)該塗膜を硬化させて高
屈折率ハードコート層とし、(3)一方、透明基材フィ
ルムの表裏面の少なくとも一面に、接着剤層を介して、
前記工程の高屈折率ハードコート層が形成された賦型フ
ィルムを、該高屈折率ハードコート層を内側にしてラミ
ネートし、(4)前記接着剤層を硬化した後、ラミネー
ト物から前記賦型フィルムを剥離して表面に微細な凹凸
を有する高屈折率ハードコート層を前記透明基材フィル
ム側に転写し、(5)次いで、該高屈折率ハードコート
層上に、該高屈折率ハードコート層の屈折率よりも低い
屈折率の低屈折率層を設けることを特徴とする。防眩性と反射防止性 本発明において防眩とは、ディスプレー等の表面に形成
された防眩層表面の微細な凹凸により、または防眩層内
に配置されたマット材により、外光の反射が拡散されて
拡散反射となり、螢光灯などの画面への映り込みが減少
される現象をいう。このような防眩層においては、表示
体からの透過光が拡散されてしまうため、解像度、コン
トラストが低下するという欠点がある。
【0024】また、本発明において反射防止とは、外光
の反射エネルギーを干渉作用によって低下させるため、
外光の映り込みが若干低減され、表示体からの透過光量
が増大されるため(反射が低減されるため)、解像度、
コントラストが高まる現象をいう。図21に光の反射の
概念図を、図22に光の透過の概念図を示す。
【0025】本発明において、防眩性反射防止とは、防
眩性と反射防止性の双方の欠点を補うようにしたもので
あり、光の正反射、拡散反射、外光映り込み、コントラ
スト等が改善されている。特に、防眩性が付与されたフ
ィルムは、バックから透過されてくる光が拡散透過され
て、このようなフィルムを表示装置に使用した場合、表
面の影像が暗くなる欠点があったが、本発明の防眩性反
射防止フィルムは、低反射となると同時に透過率が際立
って上昇するという特徴を有するので、映像が明るく、
コントラストが上がり、視認性がよいという特徴を有す
る。上記防眩、反射防止、防眩性反射防止の性質を次の
表1に対比する。
【0026】 〔表1〕 項 目 防 眩 反射防止 防眩性反射防止 正反射 少ない 少ない 少ない 拡散反射 多い 少ない 少ない 外光映り込み 少ない 若干ある 少ない 正透過光量 少ない 多い やや少ない 拡散透過光量 多い 少ない やや多い 透過光量 (正透過光量 少ない 多い やや多い +拡散透過光量) 解像度 低い 高い やや高い コントラスト 低い 高い 高い 表1によれば、防眩性反射防止が付与されることによっ
て、ディスプレーに要求される光学特性をほぼ満足する
ことが分かる。即ち、ディスプレーに要求される光学特
性とは、表面の正反射が少ないこと、外光映り込みが少
ないこと、透過光量が多く明るく見えること、正透過光
量が多く、解像度、コントラストが優れていることであ
る。透明基材フィルム 透明基材フィルムとしては、トリアセチルセルロースフ
ィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブ
チレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフ
ィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系
樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィ
ルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケト
ンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使
用できるが、特に、トリアセチルセルロースフィルム、
及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れ、光学的に異
方性が無い点で好適に用いられる。その厚みは、通常は
8μm〜1000μm程度のものが好適に用いられる。防眩層 本発明の防眩層の表面には、微細な凹凸が形成されてい
る。このような微細な凹凸を形成する方法には、表面に
微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムを用いて賦
型を行なうか、プラスチックビース等のマット材をバイ
ンダー樹脂に添加した防眩性塗料により塗膜を形成する
か、或いは表面賦型とマット材の添加を併用することに
よって行なうことができる。防眩性(即ち、内部から発
散される光を拡散させて眩しくないようにする性質)付
与のためにマット材を用いずに表面に微細な凹凸の賦型
とする場合には、得られる防眩性反射防止フィルムの透
明性が、特に損なわれない効果を有する。
【0027】前記賦型による微細な凹凸の形成方法に用
いる賦型フィルムには、離型性のあるPET等のプラス
チックフィルム上に所望の凹凸を設けたもの、或いは、
PET等のプラスチックフィルム上に微細な凹凸層を形
成したもの等を用いることができる。このような賦型フ
ィルムを、樹脂の塗膜上に、例えば、紫外線硬化型樹脂
の塗膜上にラミネートして、紫外線を照射して塗膜を硬
化することができる。この場合、賦型フィルムがPET
を基材としたフィルムであると、該フィルムに紫外線の
短波長側が吸収されることになり、紫外線硬化型樹脂の
硬化不足になってしまうという欠点がある。したがっ
て、紫外線硬化型樹脂の塗膜に賦型フィルムを適用する
場合に、波長254〜300nmの紫外線領域における
賦型フィルムの透過率が20%以上のものを使用するこ
とが必要である。
【0028】前記マット材の添加による微細な凹凸の形
成方法に用いるマット材には、例えば、プラスチックビ
ーズが透明度が高く、マトリックス樹脂と屈折率が近い
ので好適に使用できる。このようにマット材の屈折率を
できるだけ樹脂の屈折率に近いものにすると、塗膜の透
明性が損なわれずに、しかも、防眩性を増すことができ
る。マット材としてのプラスチックビーズに、例えば、
アクリルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレ
ンビーズ、塩ビビーズ等が用いられる。これらのプラス
チックビーズの粒径は、1〜10μmのものが好適に使
用される。
【0029】これらのマット材を添加した場合には、樹
脂組成物中でマット材が沈降しやすいので、沈降防止の
ためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。な
お、無機フィラーは添加すればするほどマット材の沈降
防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。
したがって、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フ
ィラーを、樹脂に対して塗膜の透明性を損なわない程度
に、0.1重量%未満程度含ませると沈降防止すること
ができる。このシリカは、従来のマット材として通常使
用される粒径5μm程度のシリカとは、粒径が非常に小
さい点で異なり、その添加効果も防眩性付与には有効で
はない。また、その使用量も、従来のマット材が1〜3
0重量%使用されるのに対して、本発明では、シリカを
0.1重量%以下と極端に少ない量で使用される点で異
なる。なお、マット材の沈降防止のための沈降防止剤で
ある無機フィラーを添加しないで本発明を実施する場合
には、塗料使用時にマット材が底に沈澱しているので、
よく掻き混ぜて均一にすれば使用することができる。
【0030】防眩層に用いることのできるバインダー樹
脂には、透明性のあるものであればどのような樹脂(例
えば、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型
樹脂等)でも使用することができる。防眩層にハード性
能を付与して、最終的に得られる防眩性反射防止フィル
ムを優れたハード性能とするためには、防眩層の厚みは
0.5μm以上、好ましくは、3μm以上とすることに
より、硬度を維持することができ、防眩性反射防止フィ
ルムにハード性能を付与することができる。
【0031】なお、本発明において、「ハード性能を有
する」或いは「ハードコート」とは、JISK5400
で示される鉛筆硬度試験で、H以上の硬度を示すものを
いう。
【0032】また、防眩層の硬度をより向上させるため
には、防眩層に使用するバインダー樹脂には、反応硬化
型樹脂、即ち、熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化
型樹脂を使用することが好ましい。前記熱硬化型樹脂に
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアル
キッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポ
リシロキサン樹脂等が使用され、これらの樹脂に必要に
応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、
溶剤、粘度調整剤等を加えて使用する。
【0033】前記電離放射線硬化型樹脂には、好ましく
は、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比
較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッ
ド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能
化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプ
レポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
チレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単
官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用でき
る。
【0034】特に好適には、ポリエステルアクリレート
とポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。そ
の理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬
くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステ
ルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆く
なるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポ
リウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアク
リレート100重量部に対するポリウレタンアクリレー
トの配合割合は30重量部以下とする。この値を越える
と塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうから
である。
【0035】さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂組成
物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシ
ムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等
を混合して用いることができる。特に本発明では、オリ
ゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を
混合するのが好ましい。
【0036】電離放射線硬化型樹脂100重量部に対し
溶剤乾燥型樹脂を10重量部以上100重量部以下含ま
せてもよい。前記溶剤乾燥型樹脂には、主として熱可塑
性樹脂が用いられる。電離放射線硬化型樹脂に添加する
溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが
使用されるが、特に、電離放射線硬化型樹脂にポリエス
テルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物
を使用した場合には、使用する溶剤乾燥型樹脂にはポリ
メタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタクリル酸
ブチルアクリレートが塗膜の硬度を高く保つことができ
る。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型樹脂と
の屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透明性、
特に、低ヘイズ値、高透過率、また相溶性の点において
有利である。
【0037】また、透明基材フィルムとして、特にトリ
アセチルセルロース等のセルロース系樹脂を用いるとき
には、電離放射線硬化型樹脂に含ませる溶剤乾燥型樹脂
には、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロ
ースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース等のセルロース系樹脂が塗膜の密着性及び
透明性の点で有利である。
【0038】その理由は、上記のセルロース系樹脂に溶
媒としてトルエンを使用した場合、透明基材フィルムで
あるトリアセチルセルロースの非溶解性の溶剤であるト
ルエンを用いるにもかかわらず、透明基材フィルムにこ
の溶剤乾燥型樹脂を含む塗料の塗布を行なっても、透明
基材フィルムと塗膜樹脂との密着性を良好にすることが
でき、しかもこのトルエンは、透明基材フィルムである
トリアセチルセルロースを溶解しないので、透明基材フ
ィルムの表面は白化せず、透明性が保たれる利点がある
からである。
【0039】防眩層の形成には、塗布による方法又は転
写による方法が利用できる。前者の塗布による方法に
は、透明基材フィルムに直接又は他の層を介して、例え
ばグラビヤリバースコート法等により前記防眩層用の樹
脂組成物を塗布して形成することができる。また後者の
転写による方法には、表面に微細な凹凸を有する賦型フ
ィルム上に、前記防眩層用の樹脂組成物を例えばグラビ
ヤリバースコート法等により塗工して塗膜を形成し、一
方、透明基材フィルムの表裏面の少なくとも一面に、直
接又は他の層を介して、前の工程の塗膜が形成された賦
型フィルムを、その塗膜を内側にしてラミネートし、こ
のラミネート物に対して、加熱処理及び/又は電離放射
線照射処理を行なって該塗膜を硬化させ、その後、ラミ
ネート物から前記賦型フィルムを剥離して防眩層を形成
することができ、或いは前記のラミネートを行なう前
に、賦型フィルム上の塗膜に加熱処理及び/又は電離放
射線照射処理を行なって硬化させた後、接着剤層を介し
て、透明基材フィルムの表裏面の少なくとも一面にラミ
ネートし、その後、ラミネート物から前記賦型フィルム
を剥離して防眩層を形成することができる。
【0040】本発明における防眩層は、塗布による塗膜
であるので、その膜厚は上記したように0.5μm以上
であり、気相法(例えば、真空蒸着、スパッタリング、
イオンプレーティング、プラズマCVD法等)による膜
に比べて厚い。よって、得られた防眩性反射防止フィル
ムにはハード性能が付与される。
【0041】防眩層の屈折率を高くするためには、高屈
折率を持つバインダー樹脂を使用するか、防眩層に用い
られるバインダー樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有す
る高屈折率微粒子をバインダー樹脂に添加することによ
って行なうか、あるいは、これらを併用することによっ
て行なう。
【0042】前記高屈折率を持つバインダー樹脂には、
芳香環を含む樹脂、F以外のハロゲン化元素、例え
ば、Br、I、Cl等を含む樹脂、S、N、P等の原
子を含む樹脂等が挙げられ、これらの少なくとも一つの
条件を満足する樹脂が高屈折率となるため好ましい。前
記の樹脂の例には、ポリスチレン等のスチロール樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルカルバゾ
ール、ビスフェノールAのポリカーボネート等が挙げら
れる。
【0043】前記の樹脂の例には、ポリ塩化ビニル、
ポリテトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル
等が挙げられる。前記の樹脂の例には、ポリビスフェ
ノールSグリシジルエーテル、ポリビニルピリジン等が
挙げられる。
【0044】前記高屈折率微粒子には、例えば、ZnO
(屈折率1.90)、TiO(屈折率2.3〜2.
7)、CeO(屈折率1.95)、Sb(屈折
率1.71)、SnO、ITO(屈折率1.95)、
(屈折率1.87)、La(屈折率1.
95)、ZrO(屈折率2.05)、Al(屈
折率1.63)等が挙げられる。これらの高屈折率微粒
子のうち、望ましくはZnO、TiO、CeO等を
用いることにより、本発明の防眩性反射防止フィルムに
UV遮蔽効果がさらに付与されるので好ましい。また、
アンチモンがドープされたSnO或いはITOを用い
ることにより、電子伝導性が向上し、帯電防止効果によ
るホコリの付着防止、或いは本発明の防眩性反射防止フ
ィルムをCRTに用いた場合の電磁波シールド効果が得
られるので好ましい。高屈折率微粒子の粒径は、防眩層
を透明とするためには400nm以下であることが好ま
しい。
【0045】防眩層にバインダー樹脂として電離放射線
硬化型樹脂が使用される場合には、その硬化方法は通常
の電離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち、電子線また
は紫外線の照射によって硬化することができる。例え
ば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バ
ンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線
型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器
から放出される50〜1000KeV、好ましくは10
0〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用
され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀
灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メ
タルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用
できる。低屈折率層 前記した防眩層上に接して低屈折率層が形成されてい
る。この低屈折率層の屈折率nL は、防眩層の屈折率n
H に比べて低い範囲のものであることは勿論であるが、
下記の式(3)
【0046】
【数2】 に近づく程、反射防止効果は向上するので、上記式
(3)の条件に近づけることが望ましい。
【0047】低屈折率層の形成に使用される低屈折率材
料は上記条件を満足するものであれば、何でもよいが、
無機材料は、硬度が高く、気相法により膜を形成できる
ので好適に使用できる。低屈折率層を形成する材料とし
ては、例えば、LiF(屈折率1.4)、MgF(屈
折率1.4)、3NaF・AlF(屈折率1.4)、
AlF(屈折率1.4)、NaAlF(氷晶石、
屈折率1.33)、SiO(x:1.50≦x≦4.
00、望ましくは1.70≦x≦2.20)(屈折率
1.35〜1.48)、NaMgF(屈折率1.3
6)等の無機材料が使用される。
【0048】この低屈折率層は、表面に微細な凹凸を有
する防眩層上に形成されるため、低屈折率層の形成によ
り、防眩層の微細な凹凸の凹部に低屈折率層材料が集中
して、低屈折率層の表面が平坦にならないようにする。
そのためには、低屈折率層の形成には、気相法、例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等
により形成することが望ましい。さらに望ましくは、特
にプラズマCVD法でSiO(x:1.50≦x≦
4.00)膜を形成したものは、膜の硬度や表面物性が
良好であり、樹脂層との密着性に優れ、透明基材フィル
ムの熱ダメージを他の気相法に比べて低減できるので好
ましい。このSiOについては、次に詳細に述べる。光学機能性膜 前記低屈折率層に使用されるSiO(x:1.50≦
x≦4.00)膜は、低屈折率層の用途に限られず、光
学機能性膜として広く使用することができる。
【0049】特に、CVD法、好ましくはプラズマCV
D法により形成したSiO膜は、通常の真空蒸着膜と
比べて密度が高く、ガスバリヤー性が高い。さらに加え
て、光学機能性膜に適したすぐれた特性を有している。
特に、防湿性に優れるので、プラズマCVD法によるS
iO膜を形成した反射防止フィルムを偏光素子にラミ
ネートして使用する場合に、湿気に弱いとされている偏
光素子の防湿機能を果たす利点がある。
【0050】下記の表2にプラズマCVD法により形成
したSiO膜の優位性を示す実験データを示す。防湿
実験の対象としたフィルムには、トリアセチルセルロー
スフィルム(TACと表示する)、トリアセチルセルロ
ースフィルム上に膜厚7μmのハードコート樹脂の塗膜
を形成したもの〔HC(7μm)/TACと表示す
る〕、トリアセチルセルロースフィルム上に膜厚1μm
のフッ化ビニリデンの塗膜を形成したもの〔Kコート:
フッ化ビニリデン(1μm)/TACと表示する〕、ト
リアセチルセルロースフィルム上に膜厚1000AのS
iOのプラズマCVD膜を形成したもの〔SiO
(1000オングストローム)/TACと表示する〕
を使用した。これらの各フィルムを湿度90%、温度4
0℃で、JIS(Z0208)の防湿試験に従ってその
1日当りの透湿度を測定した。
【0051】 〔表2〕 層構成(最上層が左側) 透湿度(1日当たり) TAC 600g/m2 HC(7μm)/TAC 300g/m2 Kコート:フッ化ビニリデン(1μm)/TAC 20g/m2 SiO(1000オングストローム)/TAC 5g/m2 以下 上記表2によれば、SiO(1000オングストロー
ム)/TACが透湿度が一番少なく、防湿性に優れてい
ることが分かる。なお、フッ化ビニリデン(1μm)/
TACは、防湿性はやや良いが、その塗膜が柔らかいこ
と及び経時的に黄変するため光学材料として用いること
は好ましくない。
【0052】さらにその偏光素子や、その他の層中に染
料等が使用されている場合には、プラズマCVD膜はガ
スバリヤー性を有するため、染料等の劣化を防止するこ
とができる。プラズマCVD法により形成したSiO
膜は、密度が高いことから、耐擦傷性の膜となる。
【0053】また、プラズマCVD法は通常の真空蒸着
膜と比べて、SiO膜のxの値の変更が比較的容易で
あり、さらに通常の真空蒸着膜のxは2未満であるのに
対して、プラズマCVD法は2を超えることが可能であ
る。そのため、プラズマCVD法により形成したSiO
膜は、通常の真空蒸着膜よりも低屈折率とすることが
でき、得られた膜は透明性が高いという利点がある。ま
た、プラズマCVD膜は、通常の真空蒸着膜よりも基材
との接着性に優れている。
【0054】下記の表3に真空蒸着によるSiO膜と
プラズマCVD法によるSiO膜の性質の差異を示し
た。
【0055】 〔表3〕 真空蒸着 プラズマCVD 密 度 低い 高い (粒子同士がぶつかり合い (基板に付着後に SiOの固まりがついて SiO膜となる。) 膜となる。) X>2となるものも O含有量 X<2 存在する。 酸素含有量が真空蒸着 より多い。 ガスバリヤー性 低い 高い 透明性 色(黄色)がつきやすい 透明 屈折率 高い 低い 摩擦係数 高い 低い 本発明における光学機能性膜としての酸化ケイ素膜は、
水に対する表面の接触角が40〜180度のSiO
(xは1.50≦x≦4.00)からなることが好まし
く、さらに好ましい接触角は、70度以上、特に好まし
くは100度以上である。本発明者の知見によれば、接
触角が40度以上になると、防汚性が向上し、光学機能
性膜としての用途に好適な状態となる。
【0056】また、上記SiO膜の動摩擦係数は1以
下、さらに好ましくは0.5以下であることが望まし
い。この場合の動摩擦係数は、JIS−K7125に規
定された方法に基づく測定値を基準とする。動摩擦係数
が小さくなるほど、特に1以下の場合に膜表面の滑り性
が増大する傾向があり、膜表面の耐傷性ないし耐破壊性
が増大するので好ましい。
【0057】上記SiO膜は、上記のように、CV
D、好ましくはプラズマCVDによって形成することが
好ましい。
【0058】本発明において、プラズマCVDとは、C
VDの内でもプラズマを利用した従来公知の方法を意味
する。一般に、プラズマCVDにおいては、熱エネルギ
ーとともに電気的エネルギーが利用される。すなわち、
プラズマCVDにおいては、形成する酸化ケイ素膜の原
料ガスをCVD装置中で放電によりプラズマ化し、これ
によって実現される非平衡状態下で成膜反応を進行させ
る。
【0059】特に、本発明においては、このプラズマC
VDを下記の条件下で行うことが、光学特性と表面物性
の双方にすぐれた酸化ケイ素膜を形成する上で好まし
い。
【0060】(a)有機シロキサンを原料ガスとする。 (b)原料ガスを放電によりプラズマ化する。 (c)無機蒸着原の非存在下でCVDを行う。 (d)被蒸着基材フィルムを比較的低温度に維持する。 (e)未分解の有機シロキサンが、生成されるSiO
膜に残存するような成膜条件で行う。
【0061】原料ガスとしての有機シロキサンとして
は、通常オルガノシリコンと呼ばれているシランないし
シロキサンを適宜用いることができる。具体的には、メ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
テトラエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラメト
キシシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラキ
ス(2−エチルヘキソキシ)シラン、ビニルトリメトキ
シシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、テトラキス(メ
トキシエトキシエトキシ)シラン、テトラメチルシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、n−プロピルトリメト
キシシラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラ
ン、n−オクチルトリエトキシシラン、アセトキシプロ
ピルトリメトキシシラン、トリス(トリメチルシロキ
シ)フェニルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシ
ロキサン、1,2,3,3−テトラキス(トリメチルシ
ロキシ)ジシロキサン、ペンタメチルジシロキサンから
選ばれた1種または2種以上を適宜用いられ得る。
【0062】また、本発明においては、固体の無機ケイ
素化合物は蒸着源として用いないことが望ましい。さら
に、本発明においては、未分解の原料ガス(有機シロキ
サン)が、生成されるSiO膜に残存するような成膜
条件で行うことが好ましい。すなわち、原料ガスを完全
に分解することなく、未分解の有機シロキサンが、生成
される酸化ケイ素膜に混入ないし取り込まれることによ
って、光学特性と表面物性の双方にすぐれたSiO
が得られ、特に上記の成膜条件は、膜表面の接触角を増
大させ、動摩擦係数を小さい範囲に制御する上で有利で
ある。
【0063】通常、プラズマCVDによるSiOの製
膜プロセスにおいては、プラズマによって活性化された
オルガノシロキサンが基材に衝突し、表面に吸着された
オルガノシロキサンがさらに気層中からきた活性化した
オルガノシロキサンや酸素と反応することにより、炭素
を含む有機基が外れることにより、Si−O−Siのマ
トリクスを作りながら膜が成長すると考えられる。その
時、プラズマのエネルギーが低かったり、プラズマ中の
活性酸素の濃度が低かったりすると、基材表面のオルガ
ノシロキサンが完全に分解されずに有機基が残り、表面
(一部内部)においてあたかもシリコンゴム、シリコン
グリースのような基が残ることにより、撥水性、あるい
は、摩擦係数が小さくなるという性質が発現するものと
考えられる。
【0064】しかしながら、オルガノシロキサンの分解
が不完全でSiの酸化数が小さいと、逆に形成された膜
の屈折率は大きくなり、反射防止膜の低屈折率層として
は、実用的でなくなる。また、オルガノシロキサンが完
全に分解され、表面に有機基が無くなってしまうと、屈
折率は低くなるが、表面が親水性になり汚れがつきやす
く取り難くなるばかりか、摩擦係数も大きくなり、擦り
傷等の欠陥を誘発しやすくなり、反射防止膜の表面層と
しての実用性に乏しくなるので、成膜条件のコントロー
ルには留意する必要がある。
【0065】以下、種々の方法により形成した形成した
膜の物性を参考のために列記する。
【0066】 サンプル 接触角 摩擦 屈折率 原 料 (°) 係数 (真空蒸着法による成膜) SiO2 /HC/TAC 32 1.50 1.44 SiO2 (バッチ式プラズマCVDによる成膜) SiOx /HC/TAC 50 1.10 1.42 HMDSO+O2 SiOx /HC/TAC 104 0.44 1.44 HMDSO+O2 SiOx /HC/TAC 155 0.40 1.60 HMDSO+O2 (連続式プラズマCVDによる成膜) SiOx/HC/TAC 55 0.45 1.42 HMDSO+O2 SiOx/HC/TAC 102 0.47 1.44 HMDSO+O2 SiOx/HC/TAC 152 0.40 1.50 HMDSO+O2 (連続式プラズマCVDによる成膜、表面にコロナ処理を施す) SiOx /HC/TAC 59 0.92 1.44 HMDSO+O2 (バッチ式プラズマCVDによる成膜) SiOx /HC/TAC 43.9 1.13 1.44 SiH4 (真空蒸着法による成膜) SiOx /HC/TAC 11.2 1.12 1.50 SiO SiOx /HC/TAC 12.3 1.89 1.50 SiO 鹸化TAC 19 − − 上記表中の記号の意味は以下の通りである。 HC:ハードコート層 TAC:トリアセチルセルロースフィルム HMDSO:ヘキサメチルジシロキサン SiOx/HC/TAC :TAC層上にHCおよびSiO層をこ
の順序で形成した構造 他の層 本発明の防眩性反射防止フィルムには、上記に説明した
各層の他に、各種機能性を付与するための層をさらに設
けることができる。例えば、透明基材フィルムとハード
コート層との接着性を向上させる等の理由で、透明基材
フィルム上にプライマー層や或いは接着剤層を設けた
り、また、ハード性能や防眩性の向上のためにハードコ
ート層と防眩層を別個に設けたり、それぞれの層を複数
層設けてもよい。
【0067】上記のように、透明基材フィルムと防眩層
の中間に設けられるその他の層の屈折率は、透明基材フ
ィルムの屈折率と防眩層の屈折率との中間の値とするこ
とが好ましい。
【0068】他の層の形成方法は、上記のように透明基
材フィルム上に直接または間接的に塗布して形成しても
よく、また透明基材フィルム上にハードコート層を転写
により形成する場合には、予め賦型フィルム(または表
面に微細な凹凸が形成された賦型フィルム)上に形成し
たハードコート層上に、他の層を塗布して形成し、その
後、透明基材フィルムに転写してもよい。
【0069】本発明の防眩性反射防止フィルムの下面に
は、接着剤や粘着剤が塗布されていてもよく、このよう
な反射防止フィルムは、反射防止すべき対象物の表面に
貼着して用いることができる。界面での反射防止の作用 図1は、屈折率1.49のトリアセチルセルロースフィ
ルム(略:TAC基材フィルム)1上に屈折率1.46
のSiO蒸着膜3が形成された積層フィルムを示す。
図5にこの積層フィルムの分光反射率曲線を示す。
【0070】図2は、屈折率1.49のTAC基材フィ
ルム1上に屈折率1.49のハードコート層(略:HC
層)2、及びさらにその上に屈折率1.46のSiO
蒸着膜3が形成された積層フィルムを示す。図6にこの
積層フィルムの分光反射率曲線を示す。
【0071】図3は、図2の積層フィルムにおけるHC
層の屈折率を高めたものについてであり、屈折率1.4
9のTAC基材フィルム1上に、屈折率1.55で膜厚
6μmのHC層2、及びさらにその上に屈折率1.46
のSiO蒸着膜3が形成された積層フィルムを示す。
図7にこの積層フィルムの分光反射率曲線を示す。図7
の分光反射率曲線を図6のものと重ね合わせると、目標
波長550nm(人間の目に最も感じられると言われて
いる波長)付近では、図7の波の一番高い所と図6の曲
線が重なり、図7の他の波長部分では、波が低くなった
分だけ反射率は低くなる。
【0072】従って、SiO蒸着層とTAC基材フィ
ルムとの中間のHC層の屈折率を、他の各層よりも高く
すると界面での反射防止が行なえることが分かる。
【0073】また、図8の分光反射率曲線は、波のピッ
チは、膜厚が薄くなると大きくなることを示している。
この場合も、図5と図8に示されている反射率の傾向は
同じであることが分かる。なお、図8の分光反射率曲線
を持つ積層フィルムの層構成は、基材TAC(屈折率
1.49)/HC層(膜厚3μm、屈折率1.55)/
反射防止層(膜厚95nm、屈折率1.46)からな
る。
【0074】図9は、図3の積層フィルムにおいて、H
C層の屈折率をさらに1.65に高めた場合の分光反射
率曲線を示す。このようにHC層の屈折率を上げると、
波が大きく(深くなり)、その分だけ反射率を下げるこ
とができることが分かる。
【0075】図4は、ケン化処理された屈折率1.49
のTAC基材フィルム1上に、屈折率1.55のプライ
マー層4を設け、さらにその上に高屈折率微粒子である
ZnOを分散した樹脂からなる屈折率1.65のHC層
2を形成し、さらにその上に屈折率1.46のSiO
蒸着膜3が形成された積層フィルムを示す。ここで、こ
のプライマー層4はHC層2に比べて厚みが薄い層と
し、その屈折率は、HC層2とTAC基材フィルム1の
各屈折率の中間程度のものとした。図10にこの積層フ
ィルムの分光反射率曲線を示す。図10の分光反射率曲
線によれば、その分光反射率は、図9の波の間の値にな
り、目標波長550nm付近では、波の高さが小さくな
って、最表層にSiOよりも低い屈折率の材料を積層
したような効果を生じたことを示している。
【0076】しかしながら、HC層とプライマー層は、
ロールコート等のようなコーティング塗膜であるので、
HC層−透明基材フィルム間の界面、HC層−プライマ
ー層間の界面、プライマー−透明基材フィルム間の界面
は明確ではないと思われ、屈折率差ができにくく、実際
には、分光反射率曲線に表れる波は出来にくい。
【0077】図11に、TAC基材フィルム(屈折率
1.49)/高屈折率ハードコート層(屈折率1.6
2)/低屈折率層(屈折率1.46)からなる積層フィ
ルムの分光反射率曲線を示し、比較のため、TAC基材
フィルムのみの場合と、TAC基材フィルム(屈折率
1.49)/通常ハードコート層(屈折率1.49)/
低屈折率層(屈折率1.46)からなる積層フィルムの
分光反射率曲線を併せて示す。図11によれば、短波長
側ではほとんど波が無くなっている。偏光板及び液晶表示装置 偏光素子に本発明の防眩性反射防止フィルムをラミネー
トすることによって、反射防止性の改善された偏光板と
することができる。この偏光素子には、よう素又は染料
により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィ
ルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセ
タールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン
化フィルム等を用いることができる。このラミネート処
理にあたって接着性を増すため及び静電防止のために、
前記防眩性反射防止フィルムの透明基材フィルムが例え
ば、トリアセチルセルロースフィルムである場合には、
トリアセチルセルロースフィルムにケン化処理を行う。
このケン化処理はトリアセチルセルロースフィルムにハ
ードコートを施す前または後のどちらでもよい。
【0078】図19に本発明の防眩性反射防止フィルム
が使用された偏光板の一例を示す。図中のTACフィル
ム(トリアセチルセルロースフィルムの略語)19、高
屈折率防眩層12、低屈折率層13からなる積層体は本
発明の防眩性反射防止フィルムに相当し、この防眩性反
射防止フィルムが偏光素子20上にラミネートされてお
り、一方、偏光素子20の他面にはTACフィルム19
がラミネートされている。この偏光板の各層間には必要
に応じて接着剤層が設けられる。特に、高屈折率防眩層
12と透明基材フィルムとしてのTACフィルム19と
の間に、接着剤層を設けることが望ましい。この図19
に示した偏光板の層構成は、TACフィルム/偏光素子
/防眩性反射防止フィルムと簡略に表示することができ
る。
【0079】図20に本発明の防眩性反射防止フィルム
が使用された液晶表示装置の一例を示す。液晶表示素子
21上に、図19に示した偏光板、即ち、TACフィル
ム/偏光素子/防眩性反射防止フィルムからなる層構成
の偏光板がラミネートされており、また液晶表示素子2
1の他方の面には、TACフィルム/偏光素子/TAC
フィルムからなる層構成の偏光板がラミネートされてい
る。図20の液晶表示装置において、最下面のTACフ
ィルム19側にさらに反射防止層として、高屈折率層及
びさらにその外側に低屈折率層が形成されていてもよ
い。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子
21と偏光板との間に、位相差板が挿入される。この液
晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けら
れる。
【0080】
【実施例】
〔実施例1〕透明基材フィルムとして厚さ80μmのト
リアセチルセルロースフィルム(FT−UV−80:商
品名、富士写真フィルム製、屈折率1.49)を用意し
た。一方、屈折率1.9のZnO超微粒子(ZS−30
0:商品名、住友セメント製)と屈折率1.52の電離
放射線硬化型樹脂(HN−3:商品名、三菱油化製)を
重量比で2:1に混合した。得られた樹脂組成物を前記
トリアセチルセルロースフィルム上に、膜厚7μm/d
ryとなるようにグラビアリバースコートにより塗工
し、溶媒を乾燥除去した。
【0081】表面に微細な凹凸を有するマットPETフ
ィルム(X−45:商品名、東レ製、厚さ23μm)
を、先の乾燥樹脂層を有するトリアセチルセルロースフ
ィルム上に、その樹脂層を介してラミネートし、その
後、電子線を150KVで4Mrad照射し、樹脂層を
硬化し、マットPETフィルムを剥離除去することによ
り、樹脂層の表面に微細な凹凸を形成した。次いで、こ
の樹脂層の微細な凹凸表面に、SiOをプラズマCV
D法にて蒸着して、膜厚100nmのSiO層(屈折
率1.46)を形成して、本実施例1の防眩性反射防止
フィルムを作製した。
【0082】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は93.5%、ヘイズ値9.0であり、反射防止
性、防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が3H
であり、ハード性能にも優れていた。
【0083】図12は、本実施例1で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、12はハード性能が付与された高屈折
率防眩層、13は低屈折率層である。 〔実施例2〕厚さ80μmのトリアセチルセルロースフ
ィルム(FT−UV−80:商品名、富士写真フィルム
製、屈折率1.49)を60℃、2N KOH槽中に1
分間浸漬しケン化処理を行なったものを透明基材フィル
ム(屈折率1.49)とした。その透明基材フィルム上
に、塩酢ビ系樹脂(SBPプライマーG:商品名、大日
精化製)に硬化剤としてイソシアネートを該樹脂に対し
て10重量部加えたプライマー(屈折率1.55)を、
膜厚0.7μm/dryになるようにグラビアリバース
コートにより塗工し、60℃で1分間乾燥した後、40
℃で2日間エージングした。得られたプライマー層上に
前記実施例1と同様の方法で表面に凹凸を有するハード
コート層を形成し、さらにその上にSiO層を設け
て、本実施例2の防眩性反射防止フィルムを作製した。
【0084】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は94%、ヘイズ値9.0であり、反射防止性、
防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が3Hであ
り、ハード性能にも優れていた。
【0085】図13は、本実施例2で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、14はプライマー層、12はハード性
能が付与された高屈折率防眩層、13は低屈折率層であ
る。 〔実施例3〕表面に微細な凹凸を有するマットPETフ
ィルム(X−45:商品名、東レ製、厚さ23μm)上
に、ZnO超微粒子(ZS−300:商品名:住友セメ
ント製、屈折率1.9)と電離放射線硬化型樹脂(HN
−2:商品名、三菱油化製、屈折率1.54)とを重量
比で2:1に混合して得た樹脂組成物を、5μm/dr
yになるようにグラビアリバースコートにより塗工した
後、電子線を150KVで3Mrad照射し、塗膜を硬
化した。
【0086】この樹脂層が形成されたマットPETフィ
ルムとは別に、前記実施例1で用いた透明基材フィルム
上に、ウレタン系接着剤(タケネートA310:商品
名)に硬化剤としてイソシアネートを該接着剤樹脂に対
して10重量部加えてなるドライラミネート樹脂を、2
μm/dryになるように塗工し、次いで塗膜中の溶剤
を乾燥除去した。
【0087】得られた接着剤層が形成された透明基材フ
ィルム上に、先程作製した樹脂層が形成されたマットP
ETフィルムを樹脂層同志を介してラミネートした。そ
の後、50℃で3日間エージングし、接着剤層を完全硬
化させた後、マットPETフィルムで剥離除去した。得
られた表面に微細な凹凸が形成された樹脂層上に、Si
をプラズマCVD法にて膜厚100nmとなるよう
に蒸着してSiO層を形成して、本実施例3の防眩性
反射防止フィルムを作製した。
【0088】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は93.8%、ヘイズ値9.0であり、反射防止
性、防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が2H
であり、ハード性能にも優れていた。
【0089】図14は、本実施例3で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、15は接着剤層、12はハード性能が
付与された高屈折率防眩層、13は低屈折率層である。 〔実施例4〕表面に微細に凹凸を有するマットPETフ
ィルム(X−45:商品名、東レ製、厚さ23μm)上
に、ZnO超微粒子(ZS−300:商品名、住友セメ
ント製、屈折率1.9)と電離放射線硬化型樹脂(HN
−2:商品名、三菱油化製、屈折率1.54)を重量比
で2:1に混合して得た樹脂組成物を、膜厚が3μm/
dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工
し、次いで電子線を150KVで3Mrad照射してこ
の樹脂層をハーフキュアーした。
【0090】このハーフキュアーの樹脂層が形成された
マットPETフィルムとは別に、前記実施例1で用いた
トリアセチルセルロースフィルム上に、電離放射線硬化
型樹脂(EXG40−9:商品名、大日精化製、屈折率
1.50)を3μm/dryになるようにグラビアリバ
ースコートにより塗工し、塗膜の溶剤乾燥後、先程作製
したハーフキュアーの樹脂層が形成されたマットPET
フィルムと樹脂層同志を合わせてラミネートした後、電
子線を150KV、5Mradで照射して樹脂層を完全
硬化し、マットPETを剥離除去した。得られた表面に
微細な凹凸が形成された樹脂上に、前記実施例1と同様
にSiO膜を100nmの膜厚で形成して、本実施例
4の防眩性反射防止フィルムを作製した。
【0091】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は93.5%、ヘイズ値9.0であり、反射防止
性、防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が3H
であり、ハード性能にも優れていた。
【0092】図15は、本実施例4で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、16はクリアハードコート層、12は
ハード性能が付与された高屈折率防眩層、13は低屈折
率層である。 〔実施例5〕前記実施例2で示されるように、ケン化処
理したトリアセチルセルロースフィルムを透明基材フィ
ルムとし、同様にプライマー処理した。このプライマー
処理されたフィルムを用いて、さらに前記実施例4と同
様にして、クリアハードコート層、ハード性能が付与さ
れた高屈折率防眩層、低屈折率層を形成して本実施例5
の防眩性反射防止フィルムを作製した。
【0093】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は93.5%、ヘイズ値9.0であり、反射防止
性、防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が3H
であり、ハード性能にも優れていた。
【0094】図16は、本実施例5で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、14はプライマー層、16はクリアハ
ードコート層、12はハード性能が付与された高屈折率
防眩層、13は低屈折率層である。 〔実施例6〕表面に微細な凹凸を有するマットPETフ
ィルム(X−45:商品名、東レ製、23μm)上に、
ZnO超微粒子(ZS−300:商品名、住友セメント
製、屈折率1.9)と指触乾燥型電離放射線硬化型樹脂
(H−4000:商品名、三菱油化製、屈折率1.5)
を重量比で2:1になるように混合したものを、膜厚3
μm/dryになるようにグラビアリバースコートによ
り塗工し、60℃で1分間乾燥して指触乾燥した。
【0095】この指触乾燥された樹脂層が形成されたマ
ットPETフィルムとは別に、トリアセチルセルロース
フィルム上に電離放射線硬化型樹脂(EXG40−9:
商品名、大日精化製、屈折率1.50)を3μm/dr
yになるようにグラビアリバースコートにより塗工し、
溶媒乾燥後、先程の指触乾燥された樹脂層が形成された
マットPETフィルムと樹脂層同志を合わせてラミネー
トした後、電子線を150KV、5Mradで照射して
樹脂層を完全硬化し、その後、マットPETフィルムを
剥離除去した。これによって形成された表面が微細な凹
凸面に前記実施例1と同様にSiOを蒸着して膜厚1
00nmのSiO膜を形成して、本実施例6の防眩性
反射防止フィルムを作製した。
【0096】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は93.5%、ヘイズ値9.0であり、反射防止
性、防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が2H
であり、ハード性能にも優れていた。 〔実施例7〕前記実施例2で示されるように、ケン化処
理したトリアセチルセルロースフィルムを透明基材フィ
ルムとし、同様にプライマー処理した。このプライマー
処理されたフィルムを用いて、前記実施例4と同様に、
クリアハードコート層、ハード性能が付与された高屈折
率防眩層、低屈折率層を形成して、本実施例7の防眩性
反射防止フィルムを作製した。
【0097】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は93.5%、ヘイズ値9.0であり、反射防止
性、防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が2H
であり、ハード性能にも優れていた。 〔実施例8〕厚さ80μmのトリアセチルセルロースフ
ィルム(FT−UV−80:商品名、富士写真フィルム
製)上に、粒径5μmのポリメタクリル酸メチルビーズ
と電離放射線硬化型樹脂(HN−2:商品名、三菱油化
製、屈折率1.54)及びZnO超微粒子(ZS−30
0:商品名、住友セメント製、屈折率1.9)を重量比
で1:10:20の割合で混合した樹脂を膜厚6μm/
dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工
し、電子線を150KVで4Mrad照射した。トリア
セチルセルロースフィルム上に形成された硬化塗膜の表
面は、ポリメタクリル酸メチルビーズの微細な粒による
微細な凹凸が形成されていた。この硬化塗膜上に、さら
にSiOを前記実施例1の方法で蒸着して、膜厚10
0nmのSiO膜を形成して、本実施例8の防眩性反
射防止フィルムを作製した。
【0098】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は94%、ヘイズ値5.0であり、反射防止性、
防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が3Hであ
り、ハード性能にも優れていた。
【0099】図17は、本実施例8で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、17はマット材18を有しハード性能
が付与された高屈折率防眩層、13は低屈折率層であ
る。 〔実施例9〕前記実施例2で示されるように、ケン化処
理したトリアセチルセルロースフィルムを透明基材フィ
ルムとし、同様にプライマー処理した。このプライマー
処理されたフィルムを用いて、前記実施例8と同様に、
ハード性能が付与された高屈折率防眩層、低屈折率層を
形成して、本実施例9の防眩性反射防止フィルムを作製
した。
【0100】得られた防眩性反射防止フィルムの全光線
透過率は94%、ヘイズ値5.0であり、反射防止性、
防眩性は優れていた。またその表面鉛筆硬度が3Hであ
り、ハード性能にも優れていた。
【0101】図18は、本実施例9で得られた防眩性反
射防止フィルムの層構成を示す断面図である。11は透
明基材フィルム、14はプライマー層、17はマット材
18を有しハード性能が付与された高屈折率防眩層、1
3は低屈折率層である。 〔実施例10〕表面に微細な凹凸が形成されているPE
Tフィルム(T−600:商品名、ダイヤホイル株式会
社製、厚さ50μm)上に電子線硬化型樹脂(HN−
3:商品名、三菱油化製)とZnO超微粒子(ZS−3
00:商品名、住友セメント製、屈折率1.9)を2:
1に配合した樹脂を7μm/dryになるようにグラビ
アリバースコートにより塗工し、電子線を加速電圧17
5KVで4Mrad照射して塗膜を硬化してハード性を
有する高屈折率防眩層を形成した。得られたPETフィ
ルムの高屈折率防眩層上に接着剤(タケラック:商品
名、武田薬品工業製)をグラビアリバースコートにより
塗工して接着層を形成し、次いで、この接着層を介して
トリアセチルセルロースフィルム(FT−UV−80:
商品名、富士フィルム製、厚さ80μm)をラミネート
し、40℃で3日間エージングした後、PETフィルム
を剥離して、高屈折率防眩層をトリアセチルセルロース
フィルム上に転写させた。このトリアセチルセルロース
フィルム上の高屈折率防眩層の表面は、前記PETフィ
ルムの表面形状と同じ、微細な凹凸上となっている。さ
らにこの高屈折率防眩層上にSiOをプラズマCVD
法により膜厚が100nmとなるように低屈折率のプラ
ズマCVD膜を形成して、本実施例10の防眩性反射防
止フィルムを得た。
【0102】得られた本実施例10の防眩性反射防止フ
ィルムの全光線透過率は94.5%、ヘイズ値0.7で
あり、反射防止性は優れていた。またその表面鉛筆硬度
が3Hであり、ハード性能にも優れていた。 〔比較例〕基材として厚さ80μmのトリアセチルセル
ロースフィルム(FT−UV−80:商品名、富士写真
フィルム製)を用意し、このフィルム上に電離放射線硬
化型樹脂(EXG40−9:商品名、大日精化製、屈折
率1.50)を7μm/dryになるようにグラビアリ
バースコートにより塗工し、溶剤乾燥した。その乾燥し
た樹脂上に、表面に微細な凹凸を有するマットPETフ
ィルム(X−45:商品名、東レ製、23μm)をラミ
ネートし、その後、電子線を150KVで4Mrad照
射して樹脂層を硬化した。その後、マットPETフィル
ムを剥離除去し、その樹脂表面の微細な凹凸面にSiO
を蒸着して100nm膜厚のSiO膜を形成した。
【0103】得られた比較例のフィルムの全光線透過率
は91.8%、ヘイズ値9.0であり、反射防止性は前
記実施例に比較して低下している。またその表面鉛筆硬
度は2Hであった。 (実施例11)下記のサンプルを製造した。
【0104】 サンプル 接触角 摩擦 屈折率 原 料 (°) 係数 (バッチ式プラズマCVDによる成膜) SiOx /HC/TAC 50 1.10 1.42 HMDSO+O2 SiOx /HC/TAC 104 0.44 1.44 HMDSO+O2 SiOx /HC/TAC 155 0.40 1.60 HMDSO+O2 表面にアクリル‐メラミン樹脂により処理されている離
型フィルム(麗光株式会社製MC−19)上にZnOコ
ーティング液(住友セメント製ZS−300)とハード
コート樹脂(大日精化製40−9)を固形分重量比2:
1に混合したものを固形分30重量%にメチルエチルケ
トン:トルエン=1:1溶液で希釈し、ワイヤーバーに
て、乾燥膜厚約6μmになるように塗布し、乾燥EBキ
ュアーにより硬化させた。さらに、接着剤(主剤:武田
薬品製タケラックA−310と硬化剤武田薬品製タケネ
ートA−3を6:1で混合)を乾燥時膜厚4μmで塗布
し、次いで、前記塗工された離型フィルムと最終的に製
品に用いる基材TACフィルムをラミネートして、40
℃、2日間のエージングにより硬化した。その後、離型
フィルムを剥がし、以下の条件にてSiOのCVDを
行い、反射防止フィルムを得た。
【0105】 バッチ式プラズマCVD装置 製膜条件 真空度 0.45torr 電力(周波数) 100W(13.56MHz) プロセスガス組成比 He:O:モノマー=100:100:1 プロセスガス流量 He+モノマー、25sccm、O、25sccm バッチ式プラズマCVD装置 製膜条件 真空度 0.45torr 電力(周波数) 100W(13.56MHz) プロセスガス組成比 He:O:モノマー=100:100:4.6 プロセスガス流量 He+モノマー、25sccm、O、25sccm バッチ式プラズマCVD装置 製膜条件 真空度 0.45torr 電力(周波数) 100W(13.56MHz) プロセスガス組成比 He:O:モノマー=100:100:10 プロセスガス流量 He+モノマー、25sccm、O、25sccm 蒸着機 日電アネルバ他の部品を使った手作り装置 蒸着物質 モノマー;HMDSO(ヘキサメチルジシロ
キサン)+O(HMDSO:Oをかえることにより
サンプル、、を作製) キャリアーガス He 基板温度 室温 蒸着濃度 1.3オングストローム/S 膜厚 1000オングストローム (実施例12)下記のサンプルを製造した。
【0106】 サンプル 接触角 摩擦 屈折率 原 料 (°) 係数 (連続式プラズマCVDによる成膜) SiOx /HC/TAC 83 0.90 1.42 HMDSO+O2 SiOx /HC/TAC 102 0.47 1.44 HMDSO+O2 SiOx /HC/TAC 162 0.40 1.50 HMDSO+O2 (連続式プラズマCVDによる成膜、表面にコロナ処理を施す) SiOx /HC/TAC 58 0.92 1.44 HMDSO+O2 表面に微細な凹凸を有する厚さ25μmのマットPET
フィルム(ユニチカ製、エンブレットPTH)上にZn
Oコーティング液(住友セメント製ZS−300)とハ
ードコート樹脂(大日精化製40−9)を固形分重量比
2:1に混合したものを固形分30重量%にメチルエチ
ルケトン:トルエン=1:1溶液で希釈し、ワイヤーバ
ーにて、乾燥膜厚約6μmになるように塗布し、乾燥E
Bキュアーにより硬化させた。さらに、接着剤(主剤:
武田薬品製タケラックA−310と硬化剤武田薬品製タ
ケネートA−3を6:1で混合)を乾燥時膜厚4μmで
塗布し、次いで、前記塗工された離型フィルムと最終的
に製品に用いる基材TACフィルムをラミネートして、
40℃、2日間のエージングにより硬化した。その後、
マット化されたPETフィルムを剥がし、以下のように
モノマーであるHMDSO:Oの条件をかえてSiO
のプラズマCVDを行い、反射防止フィルムを得た。
または、さらにコロナ放電処理で親水性を付与するこ
とにより、水との接触角が減少し、摩擦係数が増大し
た。
【0107】 連続式プラズマCVD製膜条件 真空度 5×10-2 torr 電力(周波数) 30kW(40kHz) プロセスガス組成比 He:O:モノマー=16:90:1 マシン速度 10m/min 連続式プラズマCVD製膜条件 真空度 5×10-2 torr 電力(周波数) 30kW(40kHz) プロセスガス組成比 He:O:モノマー=16:16:1 マシン速度 10m/min 連続式プラズマCVD製膜条件 真空度 5×10-2 torr 電力(周波数) 30kW(40kHz) プロセスガス組成比 He:O:モノマー=16:6:1 マシン速度 10m/min (参考例1)下記のサンプルを製造した。
【0108】 サンプル 接触角(°) 摩擦係数 屈折率 原料 (バッチ式プラズマCVDによる成膜) SiOx /HC/TAC 43.9 1.13 1.44 SiH 表面にアクリル‐メラミン樹脂により処理されている離
型フィルム(麗光株式会社製MC−19)上にZnOコ
ーティング液(住友セメント製ZS−300)とハード
コート樹脂(大日精化製C−19)上にZnOコーティ
ング液(住友セメント製ZS−300)とハードコート
樹脂(大日精化製40−9)を固形分重量比2:1に混
合したものを固形分30重量%にメチルエチルケトン:
トルエン=1:1溶液で希釈し、ワイヤーバーにて、乾
燥膜厚約6μmになるように塗布し、乾燥EBキュアー
により硬化させた。さらに、接着剤(主剤:武田薬品製
タケラックA−310と硬化剤武田薬品製タケネートA
−3を6:1で混合)を乾燥時膜厚4μmで塗布し、次
いで、前記塗工された離型フィルムと最終的に製品に用
いる基材TACフィルムをラミネートして、40℃、2
日間のエージングにより硬化した。その後、離型フィル
ムを剥がし、以下の条件にてSiOのCVDを行い、
反射防止フィルムを得た。
【0109】バッチ式プラズマCVD装置 製膜条件 真空度 0.45torr 電力(周波数) 100W(13.56MHz) プロセスガス組成比 He:O:SiH=100:100:4.6 プロセスガス流量 He+SiH、25sccm、O、25sccm 蒸着機 日電アネルバ他の部品を使った手作り装置 蒸着物質 SiH+O キャリアーガス He 基板温度 室温 蒸着速度 1.3オングストローム/S 膜厚 1000オングストローム (参考例2)下記のサンプルを製造した。
【0110】 サンプル 接触角(°) 摩擦係数 屈折率 原料 (真空蒸着法による成膜) SiO2 /HC/TAC 32 1.50 1.44 SiO 表面にアクリル‐メラミン樹脂により処理されている離
型フィルム(麗光株式会社製MC−19)上にZnOコ
ーティング液(住友セメント製ZS−300)とハード
コート樹脂(大日精化製40−9)を固形分重量比2:
1に混合したものを固形分30重量%にメチルエチルケ
トン:トルエン=1:1溶液で希釈し、ワイヤーバーに
て、乾燥膜厚約6μmになるように塗布し、乾燥EBキ
ュアーにより硬化させた。さらに、接着剤(主剤:武田
薬品製タケラックA−310と硬化剤武田薬品製タケネ
ートA−3を6:1で混合)を乾燥時膜厚4μmで塗布
し、次いで、前記塗工された離型フィルムと最終的に製
品に用いる基材TACフィルムをラミネートして、40
℃、2日間のエージングにより硬化した。その後、離型
フィルムを剥がし、SiOの蒸着を以下の条件にて行
い、反射防止フィルムを得た。 蒸着機 シンクロン BMC−700 蒸着物質 SiO 真空度 4×10-2torr 基板温度 室温 EB加熱蒸着 加速電圧 8kV EMISSION 40mA 蒸着速度 4オングストローム/S 膜厚 1000オングストローム (参考例3)下記のサンプルを製造した。
【0111】 サンプル 接触角(°) 摩擦係数 屈折率 原料 (真空蒸着法による成膜) SiO/HC/TAC 11.2 1.12 1.50 SiO SiO/HC/TAC 12.3 1.89 1.50 SiO 表面にアクリル‐メラミン樹脂により処理されている離
型フィルム(麗光株式会社製MC−19)上にZnOコ
ーティング液(住友セメント製ZS−300)とハード
コート樹脂(大日精化製40−9)を固形分重量比2:
1に混合したものを固形分30重量%にメチルエチルケ
トン:トルエン=1:1溶液で希釈し、ワイヤーバーに
て、乾燥膜厚約6μmになるように塗布し、乾燥EBキ
ュアーにより硬化させた。さらに、接着剤(主剤:武田
薬品製タケラックA−310と硬化剤武田薬品製タケネ
ートA−3を6:1で混合)を乾燥時膜厚4μmで塗布
し、次いで、前記塗工された離型フィルムと最終的に製
品に用いる基材TACフィルムをラミネートして、40
℃、2日間のエージングにより硬化した。その後、離型
フィルムを剥がし、SiOの蒸着を以下の条件にて行
い、反射防止フィルムを得た。 蒸着機 シンクロン BMC−700 蒸着物質 SiO 真空度 4×10-2torr 基板温度 室温 EB加熱蒸着 加速電圧 5kV EMISSION 40mA 蒸着速度 4オングストローム/S 膜厚 1000オングストローム
【0112】
【発明の効果】本発明の光学機能性膜、光学機能性フィ
ルムは、特定のSiO(x:1.50≦x≦4.0
0)膜によって構成されているので、防湿性と防汚性に
優れ、膜の硬度が良好であり、樹脂層との密着性に優
れ、SiO膜の形成時において透明基材フィルムに対
する熱ダメージを他の気相法に比べて低減できる。
【0113】本発明の防眩性反射防止フィルムによれ
ば、防眩層上に、該防眩層の屈折率よりも低い屈折率の
低屈折率層が形成されており、その防眩層の屈折率は、
該防眩層が接している低屈折率層の面とは反対側の面に
接している層の屈折率よりも高いものとしているので、
防眩層とその防眩層が接している低屈折率層の面とは反
対側の面に接している層との界面における光の反射を低
減することができる。したがって、本発明の防眩性反射
防止フィルムは防眩性を有すると同時に反射防止効果に
優れる。
【0114】本発明の防眩性反射防止フィルムの防眩層
に高屈折率微粒子として、機能性微粒子が用いられた場
合、例えば、ZnO、TiOが用いられた場合、防眩
性且つ反射防止性に加えて、各種機能、例えばUV遮蔽
効果がさらに付与される。
【図面の簡単な説明】
【図1】屈折率1.49のトリアセチルセルロースフィ
ルム上に屈折率1.46のSiO蒸着膜が形成された
積層フィルムを示す。
【図2】屈折率1.49のTAC基材フィルム上に屈折
率1.49のハードコート層、及びさらにその上に屈折
率1.46のSiO蒸着膜が形成された積層フィルム
を示す。
【図3】屈折率1.49のトリアセチルセルロースフィ
ルム上に屈折率1.55のハードコート層、及びさらに
その上に屈折率1.46のSiO蒸着膜が形成された
積層フィルムを示す。
【図4】屈折率1.49のケン化トリアセチルセルロー
スフィルム上に、屈折率1.55のプライマー層を設
け、さらにその上に高屈折率微粒子であるZnOを分散
した樹脂からなる屈折率1.65のハードコート層を形
成し、さらにその上に屈折率1.46のSiO蒸着膜
が形成された積層フィルムを示す。
【図5】図1で示される積層フィルムの分光反射率曲線
を示す。
【図6】図2で示される積層フィルムの分光反射率曲線
を示す。
【図7】図3で示される積層フィルムの分光反射率曲線
を示す。
【図8】波のピッチは、膜厚が薄くなると大きくなるこ
とを示す分光反射率曲線を示す。
【図9】図3の積層フィルムにおいて、HC層の屈折率
をさらに1.65に高めた場合の分光反射率曲線を示
す。
【図10】図4で示される積層フィルムの分光反射率曲
線を示す。
【図11】TAC基材フィルム(屈折率1.49)/高
屈折率ハードコート層(屈折率1.62/低屈折率層
(屈折率1.46)からなる積層フィルムと他の積層フ
ィルムとの分光反射率曲線の比較を示す。
【図12】実施例1で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図13】実施例2で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図14】実施例3で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図15】実施例4で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図16】実施例5で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図17】実施例8で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図18】実施例9で得られた防眩性反射防止フィルム
の層構成を示す断面図である。
【図19】本発明の防眩性反射防止フィルムがラミネー
トされてなる偏光板の層構成を示す。
【図20】本発明の防眩性反射防止フィルムがラミネー
トされている偏光板を使用した液晶表示装置の層構成を
示す。
【図21】光の反射の概念図を示す。
【図22】光の透過の概念図を示す。
【符号の説明】
11 透明基材フィルム 12,17 高屈折率防眩層 13 低屈折率層 14 プライマー層 15 接着剤層 16 クリアハードコート層 18 マット材 19 TACフィルム 20 偏光素子 21 液晶表示素子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 16/40 (72)発明者 鈴 木 裕 子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 太 田 友里恵 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 片 桐 博 臣 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 土 屋 充 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 岡 素 裕 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材フィルム上に、直接または他の層
    を介して、酸化ケイ素膜が形成されてなる光学機能性フ
    ィルムであって、 前記酸化ケイ素膜が、水に対する表面の接触角が40〜
    180度のSiO膜(xは1.50≦x≦4.00)
    からなることを特徴とする、光学機能性フィルム。
  2. 【請求項2】前記SiO膜の動摩擦係数が、1以下で
    ある、請求項1に記載の光学機能性フィルム。
  3. 【請求項3】前記SiO膜が、CVD、好ましくはプ
    ラズマCVDによって形成されたものである、請求項1
    に記載の光学機能性フィルム。
  4. 【請求項4】CVDを下記の条件下で行うことによって
    得られた、請求項3に記載の光学機能性フィルム。 (a)有機シロキサンを原料ガスとする。 (b)原料ガスを放電によりプラズマ化するプラズマC
    VDで行う。 (c)無機蒸着源の非存在下でCVDを行う。 (d)被蒸着基材フィルムを比較的低温度に維持する。 (e)未分解の有機シロキサンが、生成されるSiO
    膜に残存するような成膜条件で行う。
  5. 【請求項5】(1)透明基材フィルム上に、直接または
    他の層を介して、表面が微細な凹凸状の防眩層が形成さ
    れており、 (2)該防眩層上に、該防眩層の屈折率よりも低い屈折
    率の低屈折率層が形成されており、 (3)該防眩層の屈折率は、該防眩層が接している前記
    低屈折率層の面とは反対側の面に接している層の屈折率
    よりも高いことを特徴とする、防眩性反射防止フィル
    ム。
  6. 【請求項6】前記防眩層が、膜厚0.5μm以上の塗膜
    からなることを特徴とする、請求項5記載の防眩性反射
    防止フィルム。
  7. 【請求項7】前記防眩層が、バインダー樹脂を主体とし
    たものであることを特徴とする、請求項5または6に記
    載の防眩性反射防止フィルム。
  8. 【請求項8】前記防眩層が、ハード性能を有する、請求
    項5に記載の防眩性反射防止フィルム。
  9. 【請求項9】前記防眩層のバインダー樹脂が、熱硬化性
    樹脂および/または電離放射線硬化型樹脂である、請求
    項7に記載の防眩性反射防止フィルム。
  10. 【請求項10】前記防眩層の表面の微細な凹凸が、賦型
    フィルムにより形成されたものである、請求項5に記載
    の防眩性反射防止フィルム。
  11. 【請求項11】前記防眩層の表面の微細な凹凸が、マッ
    ト材により形成されたものである、請求項5に記載の防
    眩性反射防止フィルム。
  12. 【請求項12】前記防眩層が、バインダー樹脂と、屈折
    率1.50以上の高屈折率微粒子とを含む、請求項7に
    記載の防眩性反射防止フィルム。
  13. 【請求項13】前記高屈折率微粒子が、ZrO、Zn
    O、TiO、Sb、SnO、ITO、CeO
    から選ばれたものである、請求項12記載の防眩性反
    射防止フィルム。
  14. 【請求項14】前記低屈折率層が、SiO(xは1.
    50≦x≦4.00)で形成されている、請求項5に記
    載の防眩性反射防止フィルム。
  15. 【請求項15】前記他の層が、接着剤層、プライマー層
    および/またはハードコート層である、請求項5に記載
    の防眩性反射防止フィルム。
  16. 【請求項16】前記低屈折率層が、水に対する表面の接
    触角が40〜180度のSiO膜(xは1.50≦x
    ≦4.00)からなる、請求項14に記載の防眩性反射
    防止フィルム。
  17. 【請求項17】前記SiO膜の動摩擦係数が、1以下
    である、請求項14に記載の防眩性反射防止フィルム。
  18. 【請求項18】前記SiO膜が、CVD、好ましくは
    プラズマCVDによって形成されたものである、請求項
    16に記載の防眩性反射防止フィルム。
  19. 【請求項19】CVDを下記の条件下で行うことによっ
    て得られた、請求項18に記載の防眩性反射防止フィル
    ム。 (a)有機シロキサンを原料ガスとする。 (b)原料ガスを放電によりプラズマ化するプラズマC
    VDで行う。 (c)無機蒸着源の非存在下でCVDを行う。 (d)被蒸着基材フィルムを比較的低温度に維持する。 (e)未分解の有機シロキサンが、生成されるSiO
    膜に残存するような成膜条件で行う。
  20. 【請求項20】(1)透明基材フィルム上に、直接また
    は他の層を介して、バインダー樹脂と該バインダー樹脂
    の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率微粒子とを
    含む樹脂組成物であって、且つ該樹脂組成物の屈折率が
    最終製品としての防眩性反射防止フィルムの層構成にお
    ける該樹脂組成物を使用する層の下側に直接接する層の
    屈折率よりも高い屈折率を持つ樹脂組成物を塗工し、 (2)形成された塗膜上に、表面に微細な凹凸を有する
    マット状の賦型フィルムを微細な凹凸面を塗膜側にして
    ラミネートし、 (3)得られたラミネート物に対して加熱処理および/
    または電離放射線照射処理を行なって塗膜を硬化させ、 (4)塗膜の硬化したラミネート物から前記賦型フィル
    ムを剥離することにより表面に微細な凹凸を有する防眩
    層を形成し、 (5)前記工程で形成された防眩層上に該防眩層よりも
    低い屈折率を有する低屈折率層を形成することを特徴と
    する、防眩性反射防止フィルムの製造方法。
  21. 【請求項21】(1)表面に微細な凹凸を有するマット
    状の賦型フィルム上に、バインダー樹脂と該バインダー
    樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率微粒子
    とを含む樹脂組成物であって、且つ該樹脂組成物の屈折
    率が最終製品としての防眩性反射防止フィルムの層構成
    における該樹脂組成物を使用する層の下側に直接接する
    層の屈折率よりも高い屈折率を持つ樹脂組成物を塗工
    し、 (2)一方、透明基材フィルムに対して、直接または他
    の層を介して、前記工程で塗膜が形成された賦型フィル
    ムを、該塗膜を内側にしてラミネートし、 (3)このラミネート物に対して、加熱処理および/ま
    たは電離放射線照射処理を行なって、該塗膜を硬化さ
    せ、 (4)塗膜の硬化したラミネート物から前記賦型フィル
    ムを剥離することにより表面に微細な凹凸を有する防眩
    層を形成し、 (5)前記工程で形成された防眩層上に該防眩層よりも
    低い屈折率を有する低屈折率層を形成することを特徴と
    する、防眩性反射防止フィルムの製造方法。
  22. 【請求項22】(1)表面に微細な凹凸を有するマット
    状の賦型フィルム上に、バインダー樹脂と該バインダー
    樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率微粒子
    とを含む樹脂組成物であって、且つ該樹脂組成物の屈折
    率が最終製品としての防眩性反射防止フィルムの層構成
    における該樹脂組成物を使用する層の下側に直接接する
    層の屈折率よりも高い屈折率を持つ樹脂組成物を塗工し
    て塗膜を形成し、 (2)該塗膜を硬化させて高屈折率ハードコート層と
    し、 (3)一方、透明基材フィルムの表裏面の少なくとも一
    面に、接着剤層を介して、前記工程の高屈折率ハードコ
    ート層が形成された賦型フィルムを、該高屈折率ハード
    コート層を内側にしてラミネートし、 (4)前記接着剤層を硬化した後、ラミネート物から前
    記賦型フィルムを剥離して表面に微細な凹凸を有する高
    屈折率ハードコート層を前記透明基材フィルム側に転写
    し、 (5)次いで、該高屈折率ハードコート層上に、該高屈
    折率ハードコート層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折
    率層を設けることを特徴とする、防眩性反射防止フィル
    ムの製造方法。
  23. 【請求項23】前記他の層が、接着剤層、プライマー層
    および/またはハードコート層である、請求項20〜2
    2のいずれか1項に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記低屈折率層が、SiO(xは1.
    50≦x≦4.00)からなる、請求項20〜22のい
    ずれか1項に記載の方法。
  25. 【請求項25】前記低屈折率層が、水に対する表面の接
    触角が40〜180度のSiO膜(xは1.50≦x
    ≦4.00)からなる、請求項20〜22のいずれか1
    項に記載の方法。
  26. 【請求項26】前記SiO膜の動摩擦係数が、1以下
    である、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記SiO膜を、CVD、好ましくは
    プラズマCVDによって形成する、請求項25に記載の
    方法。
  28. 【請求項28】CVDを下記の条件下で行う、請求項2
    7に記載の方法。 (a)有機シロキサンを原料ガスとする。 (b)原料ガスを放電によりプラズマ化するプラズマC
    VDで行う。 (c)無機蒸着源の非存在下でCVDを行う。 (d)被蒸着基材フィルムを比較的低温度に維持する。 (e)未分解の有機シロキサンが、生成されるSiO
    膜に残存するような成膜条件で行う。
  29. 【請求項29】請求項5に記載の防眩性反射防止フィル
    ムが、偏光素子にラミネートされてなることを特徴とす
    る、偏光板。
  30. 【請求項30】請求項29記載の偏光板が、液晶表示装
    置の構成要素として用いられていることを特徴とする、
    液晶表示装置。
  31. 【請求項31】水に対して40〜180度の接触角を有
    するSiO膜(xは1.50≦x≦4.00)からな
    ることを特徴とする、光学機能性膜。
  32. 【請求項32】前記SiO膜の動摩擦係数が、1以下
    である、請求項31に記載の光学機能性膜。
  33. 【請求項33】前記SiO膜が、CVD、好ましくは
    プラズマCVDによって形成されたものである、請求項
    31に記載の光学機能性膜。
  34. 【請求項34】CVDを下記の条件下で行うことによっ
    て得られた、請求項33に記載の光学機能性膜。 (a)有機シロキサンを原料ガスとする。 (b)原料ガスを放電によりプラズマ化するプラズマC
    VDで行う。 (c)無機蒸着源の非存在下でCVDを行う。 (d)被蒸着基材を比較的低温度に維持する。 (e)未分解の有機シロキサンが、生成されるSiO
    膜に残存するような成膜条件で行う。
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